JPH05134102A - 電磁波シールド性を有する反射防止板 - Google Patents
電磁波シールド性を有する反射防止板Info
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- JPH05134102A JPH05134102A JP3321236A JP32123691A JPH05134102A JP H05134102 A JPH05134102 A JP H05134102A JP 3321236 A JP3321236 A JP 3321236A JP 32123691 A JP32123691 A JP 32123691A JP H05134102 A JPH05134102 A JP H05134102A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 透明合成樹脂基材の少なくとも一方の表面上
に透明粘接着剤層を介して透明合成樹脂フィルム層を設
け、その表層に透明導電層を設け、さらにその表層に前
記導電層よりも低い屈折率の層を設けた電磁波シールド
性を有する反射防止板。 【効果】 ロール状の透明合成樹脂フィルムに大面積に
形成した透明導電層を用いることができ、生産性良くさ
らに大面積の電磁波シールド性を有する反射防止板を提
供することができる。
に透明粘接着剤層を介して透明合成樹脂フィルム層を設
け、その表層に透明導電層を設け、さらにその表層に前
記導電層よりも低い屈折率の層を設けた電磁波シールド
性を有する反射防止板。 【効果】 ロール状の透明合成樹脂フィルムに大面積に
形成した透明導電層を用いることができ、生産性良くさ
らに大面積の電磁波シールド性を有する反射防止板を提
供することができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は電磁波シールド性を有す
る反射防止板に関する。
る反射防止板に関する。
【０００２】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】各種コ
ンピュータ、ワードプロセッサーなどの各種ＯＡディス
プレイや家庭用テレビで使われている陰極線管（以後Ｃ
ＲＴと略す）からは、有害な電磁波が多量に発生してお
り、これらの装置のオペレーターの健康障害が指摘され
ている。
ンピュータ、ワードプロセッサーなどの各種ＯＡディス
プレイや家庭用テレビで使われている陰極線管（以後Ｃ
ＲＴと略す）からは、有害な電磁波が多量に発生してお
り、これらの装置のオペレーターの健康障害が指摘され
ている。
【０００３】従来より上記障害を防ぐため種々の提案が
なされており、例えば導電性金属メッシュ自体をディス
プレイ全面に貼付けしたり、あるいは導電性金属メッシ
ュをガラスや透明プラスチック板で挟んだ合わせ板をデ
ィスプレイ前面に装着したりしていた。しかしこれらの
方法では導電性金属メッシュによりオペレーターにとっ
てディスプレイに表示された文字が見えにくいという問
題があり、この問題を解決するために可視光線を透過
し、かつ導電性に優れ電磁波を有効に遮蔽できることで
知られる酸化インジウムと酸化スズの混合膜（以下ＩＴ
Ｏ膜という）を導電層として利用する方法が提案されて
いる。ところが、ガラス基材に対しては実用的耐久性に
問題のないＩＴＯ膜をガラス基材上に形成可能である
が、プラスチック基材に対しては基材とＩＴＯ膜の密着
性が十分でない場合があり、そのため布等で表面を擦っ
たときにＩＴＯ膜が剥がれ易いという問題があった。そ
こでプラスチック透明基材の上に例えば有機ポリシロキ
サン重縮合膜やメタクリル酸エステル化合物の架橋膜と
いったハードコート層を設けた表層上にＩＴＯ膜を形成
する方法が提案されている（特開昭６１−２４５４４９
号公報）。しかしこの方法ではプラスチック透明基材が
板状剛体のとき、大面積にＩＴＯ膜を形成するために
は、きわめて大規模な成膜装置を必要とし、さらに枚葉
処理にならざるを得ないので生産性が悪いという問題が
あった。
なされており、例えば導電性金属メッシュ自体をディス
プレイ全面に貼付けしたり、あるいは導電性金属メッシ
ュをガラスや透明プラスチック板で挟んだ合わせ板をデ
ィスプレイ前面に装着したりしていた。しかしこれらの
方法では導電性金属メッシュによりオペレーターにとっ
てディスプレイに表示された文字が見えにくいという問
題があり、この問題を解決するために可視光線を透過
し、かつ導電性に優れ電磁波を有効に遮蔽できることで
知られる酸化インジウムと酸化スズの混合膜（以下ＩＴ
Ｏ膜という）を導電層として利用する方法が提案されて
いる。ところが、ガラス基材に対しては実用的耐久性に
問題のないＩＴＯ膜をガラス基材上に形成可能である
が、プラスチック基材に対しては基材とＩＴＯ膜の密着
性が十分でない場合があり、そのため布等で表面を擦っ
たときにＩＴＯ膜が剥がれ易いという問題があった。そ
こでプラスチック透明基材の上に例えば有機ポリシロキ
サン重縮合膜やメタクリル酸エステル化合物の架橋膜と
いったハードコート層を設けた表層上にＩＴＯ膜を形成
する方法が提案されている（特開昭６１−２４５４４９
号公報）。しかしこの方法ではプラスチック透明基材が
板状剛体のとき、大面積にＩＴＯ膜を形成するために
は、きわめて大規模な成膜装置を必要とし、さらに枚葉
処理にならざるを得ないので生産性が悪いという問題が
あった。
【０００４】したがって、本発明は、上記問題を改善し
て、生産性良くかつ大面積の電磁波シールド性を有する
反射防止板を提供することを目的とする。
て、生産性良くかつ大面積の電磁波シールド性を有する
反射防止板を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明によれ
ば、透明合成樹脂基材の表面上に透明粘接着剤層を介し
て透明合成樹脂フィルム層を設け、その表層に透明導電
層を設け、さらにその表層に前記導電層よりも低い屈折
率の層を設けた構成を有する電磁波シールド性を有する
反射防止板により達成される。
ば、透明合成樹脂基材の表面上に透明粘接着剤層を介し
て透明合成樹脂フィルム層を設け、その表層に透明導電
層を設け、さらにその表層に前記導電層よりも低い屈折
率の層を設けた構成を有する電磁波シールド性を有する
反射防止板により達成される。
【０００６】本発明でいう透明合成樹脂基材とは、濁り
などのない実質的に可視光を透過する有機高分子基材を
いい、この有機高分子としては透明性の点からアクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が好
ましい。これらのうち透明性、耐久性等の点からアクリ
ル樹脂が好ましく、さらに鉛含有アクリル樹脂（例えば
（株）クラレ製キョウワグラス−ＸＡ）を使用すればＸ
線遮蔽性能を同時に付与できるのでより好ましい、これ
らの樹脂には透明性を損なうことのない範囲で熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤等を含有させても差支えない。
基材とは、主として板状のものを意味するが、多少の曲
面を有していてもよい。各種コンピュータ、ワードプロ
セッサー等のディスプレイの前面板用途の場合には、文
字信号と背景とのコントラストを向上させ画面を見やす
くし目の疲労を軽減するために、透明性を損なわない範
囲で染料または顔料等で着色することが望ましく、４０
０ｎｍ〜７００ｎｍの波長領域において可視光線透過率
を２５〜７０％にしたものが好ましく用いられる。
などのない実質的に可視光を透過する有機高分子基材を
いい、この有機高分子としては透明性の点からアクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂等が好
ましい。これらのうち透明性、耐久性等の点からアクリ
ル樹脂が好ましく、さらに鉛含有アクリル樹脂（例えば
（株）クラレ製キョウワグラス−ＸＡ）を使用すればＸ
線遮蔽性能を同時に付与できるのでより好ましい、これ
らの樹脂には透明性を損なうことのない範囲で熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤等を含有させても差支えない。
基材とは、主として板状のものを意味するが、多少の曲
面を有していてもよい。各種コンピュータ、ワードプロ
セッサー等のディスプレイの前面板用途の場合には、文
字信号と背景とのコントラストを向上させ画面を見やす
くし目の疲労を軽減するために、透明性を損なわない範
囲で染料または顔料等で着色することが望ましく、４０
０ｎｍ〜７００ｎｍの波長領域において可視光線透過率
を２５〜７０％にしたものが好ましく用いられる。
【０００７】本発明の透明粘接着剤としては、特に制限
はなく一般に使用されている透明な粘接着剤を用いるこ
とができるが、スチレン−ブタジエン共重合体や天然ゴ
ムを主成分とするゴム系粘着剤、アクリル系ポリマーを
主成分とするアクリル系粘着剤が好ましく、透明性、耐
光性に優れたアクリル系粘着剤が特に好ましい。アクリ
ル系粘着剤は、一般に主モノマーとしてエチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、２−エチルヘキシルアクリ
レートなどのＴｇ（ガラス転移温度）の低いモノマーが
用いられ、これに接着性、凝集性を付与する酢酸ビニ
ル、アクリロニトリル、スチレン、メチルメタクリレー
ト、メチルアクリレートといったＴｇの高いコモノマー
と、架橋や接着性を改良するために用いられるメタクリ
ル酸、アクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、無水
マレイン酸等の官能基含有モノマーを加えた混合物の共
重合体である。粘接着剤の形態としては溶剤型、エマル
ジョン型、無溶剤型等が選択できる。このような粘接着
剤を用いて形成される粘接着剤層の厚みは特に限定され
るものではないが、粘接着剤層の平滑性や接着性の点で
６μｍ〜１００μｍが好ましく、２０μｍ〜５０μｍが
より好ましい。
はなく一般に使用されている透明な粘接着剤を用いるこ
とができるが、スチレン−ブタジエン共重合体や天然ゴ
ムを主成分とするゴム系粘着剤、アクリル系ポリマーを
主成分とするアクリル系粘着剤が好ましく、透明性、耐
光性に優れたアクリル系粘着剤が特に好ましい。アクリ
ル系粘着剤は、一般に主モノマーとしてエチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、２−エチルヘキシルアクリ
レートなどのＴｇ（ガラス転移温度）の低いモノマーが
用いられ、これに接着性、凝集性を付与する酢酸ビニ
ル、アクリロニトリル、スチレン、メチルメタクリレー
ト、メチルアクリレートといったＴｇの高いコモノマー
と、架橋や接着性を改良するために用いられるメタクリ
ル酸、アクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、無水
マレイン酸等の官能基含有モノマーを加えた混合物の共
重合体である。粘接着剤の形態としては溶剤型、エマル
ジョン型、無溶剤型等が選択できる。このような粘接着
剤を用いて形成される粘接着剤層の厚みは特に限定され
るものではないが、粘接着剤層の平滑性や接着性の点で
６μｍ〜１００μｍが好ましく、２０μｍ〜５０μｍが
より好ましい。
【０００８】本発明で用いる透明合成樹脂フィルムとし
ては、この表層に透明導電層が密着性良好に形成され得
るものであればいかなるものであっても良いが、ロール
処理に適した機械的強度を有し、比較的安価に入手可能
なポリエチレンテレフタレート（以下ＰＥＴ）フィルム
が最も好ましい。透明合成樹脂フィルムの厚みは特に限
定されるものではないが通常６μｍ〜３５０μｍ、好ま
しくは２５μｍ〜１５０μｍ、最も好ましくは５０μｍ
〜１００μｍである。透明合成樹脂フィルムは前記透明
粘接着剤層を介して透明合成樹脂基材に積層される。
ては、この表層に透明導電層が密着性良好に形成され得
るものであればいかなるものであっても良いが、ロール
処理に適した機械的強度を有し、比較的安価に入手可能
なポリエチレンテレフタレート（以下ＰＥＴ）フィルム
が最も好ましい。透明合成樹脂フィルムの厚みは特に限
定されるものではないが通常６μｍ〜３５０μｍ、好ま
しくは２５μｍ〜１５０μｍ、最も好ましくは５０μｍ
〜１００μｍである。透明合成樹脂フィルムは前記透明
粘接着剤層を介して透明合成樹脂基材に積層される。
【０００９】本発明で用いる透明導電層とは、濁りなど
のない実質的に可視光線を透過するものであればいかな
るものであっても良いが、透明性、機械的強度の点から
好ましくはＩｎ2Ｏ3（酸化インジウム）、ＳｎＯ2（酸
化スズ）、最も好ましくはＩｎ2Ｏ3（酸化インジウム）
とＳｎＯ2（酸化スズ）の混合物（以下ＩＴＯという）
からなる。上記導電層の膜厚は、本発明の性能を有する
程度であれば特に限定されるものではないが、膜密着性
の点で５００Å〜２０００Åが好ましい。上記ＩＴＯ層
は、一般にスパッタリング法や酸素プラズマ中でのイオ
ンプレーティグ法などにより形成することができる。
のない実質的に可視光線を透過するものであればいかな
るものであっても良いが、透明性、機械的強度の点から
好ましくはＩｎ2Ｏ3（酸化インジウム）、ＳｎＯ2（酸
化スズ）、最も好ましくはＩｎ2Ｏ3（酸化インジウム）
とＳｎＯ2（酸化スズ）の混合物（以下ＩＴＯという）
からなる。上記導電層の膜厚は、本発明の性能を有する
程度であれば特に限定されるものではないが、膜密着性
の点で５００Å〜２０００Åが好ましい。上記ＩＴＯ層
は、一般にスパッタリング法や酸素プラズマ中でのイオ
ンプレーティグ法などにより形成することができる。
【００１０】本発明ではさらに前記導電層よりも低い屈
折率の層を前記導電層の上に形成する必要がある。この
目的は、透明導電層が一般に金属あるいは金属酸化物か
らなり、屈折率が高いために光線反射率が高くなるので
透明導電層の反射を防止することにある。特に各種コン
ピュータ、ワードプロセッサー等のディスプレーの前面
板として用いる場合、オペレーターにとって画面が見に
くく、目が疲れるので、前記導電層よりも低い屈折率の
層を設けることが有効である。上記低屈折率層としては
特に限定されるものではないが、例えば、ＳｉＯ2（二
酸化珪素）、ＭｇＦ2（フッ化マグネシウム）、Ａｌ2Ｏ
3（酸化アルミニウム）などの無機誘電体、有機ポリシ
ロキサン重縮合膜やメタクリル酸エステル化合物の架橋
膜などの有機物塗膜などからなる層である。これらのう
ち好ましくは無機誘電体からなる層であり、反射防止性
能、耐擦傷性などの機械的強度の点で二酸化珪素（Ｓｉ
Ｏ2）からなる層が最も好ましい。上記低屈折率層の膜
厚は可視光線を反射防止できる程度であれば特に限定さ
れるものではないが、可視光線領域における光学膜厚
（幾何学膜厚×膜の屈折率）がλ／４となる膜厚が最も
好ましい（ここでλは光線の波長（ｎｍ）である）。上
記無機誘電体からなる層はスパッタリング法、イオンプ
レーティグ法あるいは真空蒸着法により形成することが
できる。
折率の層を前記導電層の上に形成する必要がある。この
目的は、透明導電層が一般に金属あるいは金属酸化物か
らなり、屈折率が高いために光線反射率が高くなるので
透明導電層の反射を防止することにある。特に各種コン
ピュータ、ワードプロセッサー等のディスプレーの前面
板として用いる場合、オペレーターにとって画面が見に
くく、目が疲れるので、前記導電層よりも低い屈折率の
層を設けることが有効である。上記低屈折率層としては
特に限定されるものではないが、例えば、ＳｉＯ2（二
酸化珪素）、ＭｇＦ2（フッ化マグネシウム）、Ａｌ2Ｏ
3（酸化アルミニウム）などの無機誘電体、有機ポリシ
ロキサン重縮合膜やメタクリル酸エステル化合物の架橋
膜などの有機物塗膜などからなる層である。これらのう
ち好ましくは無機誘電体からなる層であり、反射防止性
能、耐擦傷性などの機械的強度の点で二酸化珪素（Ｓｉ
Ｏ2）からなる層が最も好ましい。上記低屈折率層の膜
厚は可視光線を反射防止できる程度であれば特に限定さ
れるものではないが、可視光線領域における光学膜厚
（幾何学膜厚×膜の屈折率）がλ／４となる膜厚が最も
好ましい（ここでλは光線の波長（ｎｍ）である）。上
記無機誘電体からなる層はスパッタリング法、イオンプ
レーティグ法あるいは真空蒸着法により形成することが
できる。
【００１１】本発明では上記の層を透明合成樹脂基材の
一面または二面に設けることができる。一面に設けた場
合、透明合成樹脂基材の反対面に反射防止層を設けるこ
とが好ましい。透明合成樹脂基材の反積層面の光線反射
を低減することにより、いっそうディスプレイ画面が見
やすくなりオペレーターの眼精疲労を低減することが可
能となるからである。
一面または二面に設けることができる。一面に設けた場
合、透明合成樹脂基材の反対面に反射防止層を設けるこ
とが好ましい。透明合成樹脂基材の反積層面の光線反射
を低減することにより、いっそうディスプレイ画面が見
やすくなりオペレーターの眼精疲労を低減することが可
能となるからである。
【００１２】また上記層を設ける順序は特に限定される
ものではないが、透明合成樹脂フィルムに透明導電層を
設け、その表層に前記導電層よりも低い屈折率の層を設
けた後に粘接着剤層を介して透明合成樹脂基材上に積層
するのが生産性の点で好ましい。
ものではないが、透明合成樹脂フィルムに透明導電層を
設け、その表層に前記導電層よりも低い屈折率の層を設
けた後に粘接着剤層を介して透明合成樹脂基材上に積層
するのが生産性の点で好ましい。
【００１３】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【００１４】実施例１ 市販のＰＥＴフィルム（東レ株式会社製“ルミラー”Ｔ
タイプ、易接着処理品）の５０μｍ品の未処理面にＩＴ
Ｏ膜をイオンプレーティング法で成膜した。すなわち、
上記ＰＥＴフィルムをステンレス板上に置き、周囲をセ
ロハンテープで貼付け固定した。次にこのステンレス板
固定ＰＥＴフィルムを真空蒸着装置（（株）昭和真空製
ＳＧＣ−１６ＷＡ）の真空槽内のプラネタリーに取り付
けた。ＩＴＯは（株）オプトロン製ＳｎＯ2（酸化ス
ズ）５重量％含有のペレット品（１５↑mm□×７↑mm
t）を使用、ＳｉＯ2は（株）オプトロン製１０メッシュ
粉砕品を使用し、それぞれ真空槽内の電子ビーム加熱用
のハース内に充填した。次に真空ポンプで槽内を排気
し、３×１０-5Ｔｏｒｒに到達したところで酸素ガスを
３×１０-4Ｔｏｒｒまで槽内に導入しながら１３．５６
ＭＨｚの高周波電力の印加によりプラズマを発生させ
た。上記プラズマ雰囲気でＩＴＯを電子ビームで加熱し
蒸発させた。ＰＥＴフィルム上への堆積速度は約１．５
Å／秒、膜厚は約８００Åであった。続いてＳｉＯ2を
電子ビームで加熱蒸発させＩＴＯ膜の上に堆積した。堆
積速度は約１８Å／秒、膜厚は約９４０Åであった。一
方、シリコーン処理ＰＥＴ離型フィルム（２５μｍ厚）
の離型面にアクリル系粘着剤（三協化学工業（株）製Ａ
Ｒ−８２５）をメイヤーバーコート法で塗布した後、塗
布面を８０℃で２分間乾燥しＰＥＴ離型フィルム上に約
２５μｍ厚の透明な粘着剤層を形成した。次に上記粘着
剤層を前記ＳｉＯ2／ＩＴＯ膜形成ＰＥＴフィルムのＰ
ＥＴ面にローラーで転写し、粘着剤層付きＳｉＯ2／Ｉ
ＴＯ／ＰＥＴフィルムを得、これを着色した透明含鉛ア
クリル樹脂板（（株）クラレ製キョウワグラス−ＸＡ、
鉛含有率２０重量％）の２ｍｍ板厚品にゴムローラーで
貼付けた。以上のようにして得られた積層板の、周波数
３００ＭＨｚにおける電磁波の減衰率は１８デシベルで
あった。パーソナルコンピューターディスプレイの前面
板として使用したところ、ディスプレイ画面の文字が鮮
明に見えるようになり、使用者の眼精疲労が軽減される
という著しい効果が認められた。
タイプ、易接着処理品）の５０μｍ品の未処理面にＩＴ
Ｏ膜をイオンプレーティング法で成膜した。すなわち、
上記ＰＥＴフィルムをステンレス板上に置き、周囲をセ
ロハンテープで貼付け固定した。次にこのステンレス板
固定ＰＥＴフィルムを真空蒸着装置（（株）昭和真空製
ＳＧＣ−１６ＷＡ）の真空槽内のプラネタリーに取り付
けた。ＩＴＯは（株）オプトロン製ＳｎＯ2（酸化ス
ズ）５重量％含有のペレット品（１５↑mm□×７↑mm
t）を使用、ＳｉＯ2は（株）オプトロン製１０メッシュ
粉砕品を使用し、それぞれ真空槽内の電子ビーム加熱用
のハース内に充填した。次に真空ポンプで槽内を排気
し、３×１０-5Ｔｏｒｒに到達したところで酸素ガスを
３×１０-4Ｔｏｒｒまで槽内に導入しながら１３．５６
ＭＨｚの高周波電力の印加によりプラズマを発生させ
た。上記プラズマ雰囲気でＩＴＯを電子ビームで加熱し
蒸発させた。ＰＥＴフィルム上への堆積速度は約１．５
Å／秒、膜厚は約８００Åであった。続いてＳｉＯ2を
電子ビームで加熱蒸発させＩＴＯ膜の上に堆積した。堆
積速度は約１８Å／秒、膜厚は約９４０Åであった。一
方、シリコーン処理ＰＥＴ離型フィルム（２５μｍ厚）
の離型面にアクリル系粘着剤（三協化学工業（株）製Ａ
Ｒ−８２５）をメイヤーバーコート法で塗布した後、塗
布面を８０℃で２分間乾燥しＰＥＴ離型フィルム上に約
２５μｍ厚の透明な粘着剤層を形成した。次に上記粘着
剤層を前記ＳｉＯ2／ＩＴＯ膜形成ＰＥＴフィルムのＰ
ＥＴ面にローラーで転写し、粘着剤層付きＳｉＯ2／Ｉ
ＴＯ／ＰＥＴフィルムを得、これを着色した透明含鉛ア
クリル樹脂板（（株）クラレ製キョウワグラス−ＸＡ、
鉛含有率２０重量％）の２ｍｍ板厚品にゴムローラーで
貼付けた。以上のようにして得られた積層板の、周波数
３００ＭＨｚにおける電磁波の減衰率は１８デシベルで
あった。パーソナルコンピューターディスプレイの前面
板として使用したところ、ディスプレイ画面の文字が鮮
明に見えるようになり、使用者の眼精疲労が軽減される
という著しい効果が認められた。
【００１５】実施例２ 実施例１で得られた積層板の反積層面に反射防止膜を真
空蒸着法で成膜した。すなわち、実施例１で得られた積
層板を真空蒸着装置（（株）昭和真空製ＳＧＣ−１６Ｗ
Ａ）の真空槽内のプラネタリーに取付けた。反射防止膜
成膜用蒸発物質としてＳｉＯ（一酸化ケイ素）の顆粒品
（１５メッシュ）、ＴｉＯ2（二酸化チタン）ペレット
品（１５↑mm□×７↑mmt）、ＳｉＯ2ペレット品を使用
し、ＳｉＯはタンタル製チムニボートに、ＴｉＯ2およ
びＳｉＯ2は電子ビーム加熱用のハース内に充填し、真
空槽内を真空ポンプで排気した。５×１０-5Ｔｏｒｒに
到達したところで抵抗加熱法によりＳｉＯを蒸発させ
た。膜厚は光学モニターにより光学膜厚が５５０ｎｍ波
長でλ／４となるように成膜した。続いて真空槽内に酸
素ガスを２×１０-5Ｔｏｒｒとなるように導入しながら
ＴｉＯ2を電子ビームにより加熱蒸発させ、同様に５５
０ｎｍ波長でλ／２となるように成膜した。成膜終了後
酸素ガス導入を停止し、続いてＳｉＯ2を電子ビームに
より加熱蒸発させ、同様に５５０ｎｍ波長でλ／４とな
るように成膜した。以上のようにして実施例１で得られ
た積層板の反積層面に空気側からＳｉＯ2／ＴｉＯ2／Ｓ
ｉＯの三層反射防止膜が形成された。以上のようにして
得られた積層板の、周波数３００ＭＨｚにおける電磁波
の減衰率は１８デシベルであった。パーソナルコンピュ
ーターディスプレイの前面板として使用したところ、反
射防止性能がいっそう優れ積層板への背景の写り込みが
殆どなく、ディスプレイ画面の文字がより鮮明に見える
ようになり、使用者の眼精疲労が一段と軽減されるとい
う著しい効果が認められた。また、本積層板をティッシ
ュペーパーや布で擦ってもキズの発生はなく長期にわた
り使用することができることがわかった。
空蒸着法で成膜した。すなわち、実施例１で得られた積
層板を真空蒸着装置（（株）昭和真空製ＳＧＣ−１６Ｗ
Ａ）の真空槽内のプラネタリーに取付けた。反射防止膜
成膜用蒸発物質としてＳｉＯ（一酸化ケイ素）の顆粒品
（１５メッシュ）、ＴｉＯ2（二酸化チタン）ペレット
品（１５↑mm□×７↑mmt）、ＳｉＯ2ペレット品を使用
し、ＳｉＯはタンタル製チムニボートに、ＴｉＯ2およ
びＳｉＯ2は電子ビーム加熱用のハース内に充填し、真
空槽内を真空ポンプで排気した。５×１０-5Ｔｏｒｒに
到達したところで抵抗加熱法によりＳｉＯを蒸発させ
た。膜厚は光学モニターにより光学膜厚が５５０ｎｍ波
長でλ／４となるように成膜した。続いて真空槽内に酸
素ガスを２×１０-5Ｔｏｒｒとなるように導入しながら
ＴｉＯ2を電子ビームにより加熱蒸発させ、同様に５５
０ｎｍ波長でλ／２となるように成膜した。成膜終了後
酸素ガス導入を停止し、続いてＳｉＯ2を電子ビームに
より加熱蒸発させ、同様に５５０ｎｍ波長でλ／４とな
るように成膜した。以上のようにして実施例１で得られ
た積層板の反積層面に空気側からＳｉＯ2／ＴｉＯ2／Ｓ
ｉＯの三層反射防止膜が形成された。以上のようにして
得られた積層板の、周波数３００ＭＨｚにおける電磁波
の減衰率は１８デシベルであった。パーソナルコンピュ
ーターディスプレイの前面板として使用したところ、反
射防止性能がいっそう優れ積層板への背景の写り込みが
殆どなく、ディスプレイ画面の文字がより鮮明に見える
ようになり、使用者の眼精疲労が一段と軽減されるとい
う著しい効果が認められた。また、本積層板をティッシ
ュペーパーや布で擦ってもキズの発生はなく長期にわた
り使用することができることがわかった。
【００１６】実施例３ ＰＥＴフィルムにＩＴＯ膜を成膜するかわりに市販の透
明導電膜（ＩＴＯ）付ＰＥＴフィルム（東洋メタライジ
ング（株）製“メタクリスタ”Ｔ−Ｒ６０、ＰＥＴの厚
み５０μｍ、５００ｍｍ幅×５０ｍ）を用いる以外は、
実施例１と同様にして積層板を得、さらに実施例２と同
様の方法で反積層面に反射防止膜を形成した。以上のよ
うにして得られた積層板の、周波数３００ＭＨｚにおけ
る電磁波の減衰率は１９デシベルであった。パーソナル
コンピューターディスプレーの前面板として使用したと
ころ、反射防止性能が優れ、積層板への背景の写り込み
が殆どなく、ディスプレー画面の文字がより鮮明に見え
るようになり、使用者の眼精疲労が一段と軽減されると
いう著しい効果が認められた。また、本積層板をティッ
シュペーパーや布で擦ってもキズの発生はなく長期にわ
たり使用することができることがわかった。
明導電膜（ＩＴＯ）付ＰＥＴフィルム（東洋メタライジ
ング（株）製“メタクリスタ”Ｔ−Ｒ６０、ＰＥＴの厚
み５０μｍ、５００ｍｍ幅×５０ｍ）を用いる以外は、
実施例１と同様にして積層板を得、さらに実施例２と同
様の方法で反積層面に反射防止膜を形成した。以上のよ
うにして得られた積層板の、周波数３００ＭＨｚにおけ
る電磁波の減衰率は１９デシベルであった。パーソナル
コンピューターディスプレーの前面板として使用したと
ころ、反射防止性能が優れ、積層板への背景の写り込み
が殆どなく、ディスプレー画面の文字がより鮮明に見え
るようになり、使用者の眼精疲労が一段と軽減されると
いう著しい効果が認められた。また、本積層板をティッ
シュペーパーや布で擦ってもキズの発生はなく長期にわ
たり使用することができることがわかった。
【００１７】
【発明の効果】本発明は以上述べたように、透明合成樹
脂基材の上に透明粘接着剤層を介して透明合成樹脂フィ
ルム層を設け、その表層に透明導電層を設け、さらにそ
の表層に前記導電層よりも低い屈折率の層を設けた反射
防止板であるから、ロール状の透明合成樹脂フィルムに
大面積に形成した透明導電層（ＩＴＯ）を用いることが
可能となり、生産性良くさらに大面積の電磁波シールド
性を有する反射防止板を提供できる効果がある。これに
より、視認性に優れ、電磁波シールド性と光透過性とを
有する、ＣＲＴ用反射防止前面板を安価に提供すること
ができる。
脂基材の上に透明粘接着剤層を介して透明合成樹脂フィ
ルム層を設け、その表層に透明導電層を設け、さらにそ
の表層に前記導電層よりも低い屈折率の層を設けた反射
防止板であるから、ロール状の透明合成樹脂フィルムに
大面積に形成した透明導電層（ＩＴＯ）を用いることが
可能となり、生産性良くさらに大面積の電磁波シールド
性を有する反射防止板を提供できる効果がある。これに
より、視認性に優れ、電磁波シールド性と光透過性とを
有する、ＣＲＴ用反射防止前面板を安価に提供すること
ができる。
【図１】本発明の電磁波シールド性を有する反射防止板
の一実施態様を示す断面図である。
の一実施態様を示す断面図である。
１；透明合成樹脂基材 ２；透明粘接着剤層 ３；透明合成樹脂フィルム層 ４；透明導電層 ５；透明導電層よりも低い屈折率を有する層 ６；反射防止層
Claims (4)
- 【請求項１】 透明合成樹脂基材の少なくとも一方の表
面上に透明粘接着剤層を介して透明合成樹脂フィルム層
を設け、その表層に透明導電層を設け、さらにその表層
に前記導電層よりも低い屈折率の層を設けたことを特徴
とする電磁波シールド性を有する反射防止板。 - 【請求項２】 透明合成樹脂フィルム層がポリエチレン
テレフタレートフィルム層、透明導電層が酸化インジウ
ムおよび／または酸化スズを含む層であり、かつ最外層
の低い屈折率の層が二酸化珪素からなる層である請求項
１記載の反射防止板。 - 【請求項３】 透明合成樹脂基材が着色された鉛含有透
明アクリル樹脂基材である請求項２記載の反射防止板。 - 【請求項４】 透明合成樹脂基材の一方の表面にのみ請
求項２記載の層を設け、さらに当該基材の反対面に反射
防止層を設けたことを特徴とする反射防止板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3321236A JP3009282B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 電磁波シールド性を有する反射防止板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3321236A JP3009282B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 電磁波シールド性を有する反射防止板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05134102A true JPH05134102A (ja) | 1993-05-28 |
| JP3009282B2 JP3009282B2 (ja) | 2000-02-14 |
Family
ID=18130336
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3321236A Expired - Fee Related JP3009282B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | 電磁波シールド性を有する反射防止板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3009282B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997026566A1 (fr) * | 1996-01-18 | 1997-07-24 | Toyo Metallizing Co., Ltd. | Article optique en plastique a film anti-reflet multicouches |
| JPH10153964A (ja) * | 1996-05-09 | 1998-06-09 | Sumitomo Chem Co Ltd | ディスプレイ前面板 |
| US6710840B2 (en) * | 2000-06-21 | 2004-03-23 | Nitto Denko Corporation | Cell substrate and liquid crystal display device in which a resin plate has a conductive layer via a transparent layer with a lower refractive index than the resin plate |
| CN1301510C (zh) * | 2001-10-05 | 2007-02-21 | 普利司通股份有限公司 | 透明导电性薄膜、其制造方法以及触摸面板 |
| JP2022512737A (ja) * | 2018-10-19 | 2022-02-07 | レーシング オプティクス，インコーポレイテッド | 反射防止コーティングを有する透明カバー |
-
1991
- 1991-11-08 JP JP3321236A patent/JP3009282B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997026566A1 (fr) * | 1996-01-18 | 1997-07-24 | Toyo Metallizing Co., Ltd. | Article optique en plastique a film anti-reflet multicouches |
| JPH10153964A (ja) * | 1996-05-09 | 1998-06-09 | Sumitomo Chem Co Ltd | ディスプレイ前面板 |
| US6710840B2 (en) * | 2000-06-21 | 2004-03-23 | Nitto Denko Corporation | Cell substrate and liquid crystal display device in which a resin plate has a conductive layer via a transparent layer with a lower refractive index than the resin plate |
| CN1301510C (zh) * | 2001-10-05 | 2007-02-21 | 普利司通股份有限公司 | 透明导电性薄膜、其制造方法以及触摸面板 |
| JP2022512737A (ja) * | 2018-10-19 | 2022-02-07 | レーシング オプティクス，インコーポレイテッド | 反射防止コーティングを有する透明カバー |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3009282B2 (ja) | 2000-02-14 |
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