JPH05129723A - 埋込ヘテロ構造半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents

埋込ヘテロ構造半導体レーザ及びその製造方法

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JPH05129723A
JPH05129723A JP31554191A JP31554191A JPH05129723A JP H05129723 A JPH05129723 A JP H05129723A JP 31554191 A JP31554191 A JP 31554191A JP 31554191 A JP31554191 A JP 31554191A JP H05129723 A JPH05129723 A JP H05129723A
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勝彦 後藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 埋込ヘテロ構造の半導体レーザにおいて、n
型ブロック層がn型クラッド層とつながることによるリ
ーク電流、及び、高温にさらされた界面に形成されるp
n接合の劣化によるリーク電流をなくし、リーク電流が
少なく信頼性の高いレーザを得る。 【構成】 p型基板1上にp型バッファ層2,活性層
3,n型クラッド層4からなるメサの側面にp型領域を
形成した後、p型埋込層5,n型ブロック層6,p型ブ
ロック層7を埋込成長する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光ファイバ通信に使用
される通信用半導体レーザ及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図4は埋込ヘテロ構造(BH構造)の長
波長半導体レーザのひとつであるPPIBH構造レーザ
(Electronics Letters Vol.23, p.546, 1987年に記
載)の活性領域近傍の断面模式図である。図において、
1はp型InP基板、2はp型InPバッファ層、3は
InGaAsP活性層,4はn型InPクラッド層、5
はp型InP埋込層、6はn型InPブロック層、7は
p型InPブロック層、8はn型InPクラッド層であ
る。
【0003】この構造は図6に示すように、以下の手順
で作製される。まず、p型InP基板1上全面にわたっ
て、p型InPバッファ層2,InGaAsP活性層
3,n型InPクラッド層4をMOCVD法により成長
した後、(a) に示すように、基板に達する溝をストライ
プ状に写真製版,エッチングにより作製する。溝に挟ま
れたメサの幅は約1.3μm、溝の幅は約13μmであ
る。次に、(b) に示すように、LPE法、あるいはMO
CVD法により、p型InP埋込層5,n型InPブロ
ック層6,p型InPブロック層7を成長する。LPE
法により成長する場合は、融液の過飽和度を調整するこ
とにより、上記の層をメサの上には成長させないで、溝
の中及び溝の外の平坦部分に成長させる。MOCVD法
により成長する場合は、メサの上部をSiO2 膜等で覆
い、メサの上には成長させないようにする。次に、(c)
に示すように、全面にわたってn型InPクラッド層8
を成長する。
【0004】LPE法により成長する場合は、(b) と
(c) は一度に続けて成長することができるが、MOCV
D法では、(b)の成長を行った後、メサ上部のSiO2
膜等を除去してから(c) の成長を行う必要がある。
【0005】次に、図4の構造の電流狭窄効果について
説明する。図4の構造にp型InP基板1側が+になる
ように電圧を印加すると、活性層3のあるメサの部分に
はpn接合に順方向電圧が加わり電流が流れるが、メサ
の外側の領域では、層構造がpnpnとなり、逆バイア
ス接合ができるため、電流は流れない。このため、電流
は活性層3に集中して流れ、発光再結合に有効に寄与す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構造におい
て、活性領域以外を流れるリーク電流の主な経路として
は、矢印11で示される経路がある。このリーク電流を
低減するためには、n型ブロック層6をできるだけ活性
層に近づける必要があるが、結晶成長における制御が難
しく、再現性良くリーク電流を抑えることは困難であ
る。さらに、n型ブロック層を活性層に近づけた場合、
図5に示すように、n型ブロック層の先端がメサ上部の
n型クラッド層4とつながりやすくなる。この場合、n
型InP層はp型InP層に比べて1桁以上抵抗が低い
ために、矢印12で示す経路でn型InP層6及びn型
InPクラッド層4を通して大きなリーク電流が流れ
る。
【0007】また、経路11のリーク電流については、
通常は、×印のpn接合は活性領域のpn接合よりも電
位障壁が高いため、リーク電流は活性層3を流れる電流
に比べて少ない。しかし、×印のpn接合は2回目の成
長の前に高温にさらされた界面に形成されるpn接合で
あるために劣化しやすく、その結果、電位障壁が低くな
り、リーク電流が増大する。
【0008】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、リーク電流を低減するための結
晶成長での難しい制御が不要で、かつpn接合の劣化に
よるリーク電流の増大の起こらない埋込構造半導体レー
ザ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明における埋込構
造半導体レーザ及びその製造方法は、埋込成長前のメサ
のn型層の側面をp型に反転させた後、埋込成長を行う
ようにしたものである。
【0010】
【作用】この発明における半導体レーザでは、メサの側
面がp型であるので、n型InPブロック層がメサとつ
ながってもn型InPブロック層及びn型InPクラッ
ド層を通してリーク電流が流れることはない。そのた
め、結晶成長における制御が容易になる。
【0011】さらに、高温にさらされた界面にpn接合
が形成されないため、pn接合の劣化によるリーク電流
の増大の心配がない。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図1において、1〜8は図1の1〜8と同じ層であ
る。また、9はZn拡散p型領域である。
【0013】この半導体レーザの製造方法を図2で説明
する。まず、基板1上に2〜4までの層を成長した後、
ウエハ表面に幅2〜3μm程度のストライプ状のSiN
膜10を形成する。このSiN膜を選択マスクとしてZ
nを拡散する。Zn拡散は深さ方向のみでなく、マスク
の下に横方向へも進んでいるため、Znが拡散されたp
型領域9は、図2(a) のようになる。
【0014】次に、上記のSiN膜をマスクとしてエッ
チングを行い、メサを形成する。図2(b) に示すよう
に、エッチング後のメサの側面にはZnが拡散されたp
型領域9が形成されることとなる。
【0015】上記のように、拡散とエッチングで同じマ
スクを用いて、セルフアラインで精度良く(b) に示すよ
うな形状が得られる。次に、SiN膜10を除去し、
(c) に示すように、従来の場合と同様に層5〜8を成長
する。
【0016】このような本実施例による半導体レーザ及
びその製造方法では、メサの側面部はp型であるので、
n型InPブロック層6がメサとつながっても図5のよ
うにn型どうしがつながることはないので、抵抗の低い
n型層を通して大きなリーク電流が流れる恐れがない。
従って、n型InPブロック層6はメサとつながるよう
に成長すればよく、位置を精密に制御する必要がなくな
るため、再現性が向上する。
【0017】また、×印で示したメサ上部のpn接合は
拡散で形成されたもので、高温にさらされた再成長界面
に形成されたものではない。従って、図1の×印のpn
接合は劣化しにくく、図4の矢印11で示される活性層
3の脇を流れるリーク電流が増大する恐れがない。その
結果、信頼性の高い半導体レーザが得られる。
【0018】なお、上記実施例では、メサを形成する前
にZnを拡散したが、図3の他の実施例に示すように、
メサを形成してから拡散を行ってもよい。即ち、まず、
図3(a) に示すように、SiN膜をマスクとしてエッチ
ングを行い、メサを形成する。次に、図3(b) に示すよ
うに、Znを拡散し、メサの側面をp型に反転する。そ
の後、SiN膜を除去し、層5〜8を成長する。このよ
うな実施例においても上記第1の実施例と同様の効果が
得られる。
【0019】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る半導体レ
ーザ及びその製造方法によれば、メサの側面をp型に反
転した後、p型埋込層,n型ブロック層を埋込成長する
ので、n型ブロック層がメサとつながってリーク電流の
原因となることがないという効果がある。
【0020】また、高温にさらされた界面にpn接合が
形成されないため、pn接合の劣化によるリーク電流増
大の恐れがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による半導体レーザを
示す断面模式図である。
【図2】この発明の第1の実施例による製造方法を示す
断面模式図である。
【図3】この発明の他の実施例による製造方法を示す断
面模式図である。
【図4】従来の埋込構造半導体レーザを示す断面模式図
である。
【図5】従来の埋込構造半導体レーザの電流リーク経路
を示す断面模式図である。
【図6】従来の埋込構造半導体レーザの製造方法を示す
断面模式図である。
【符号の説明】
1 p型InP基板 2 p型InPバッファ層 3 InGaAsP活性層 4 n型InPクラッド層 5 p型InP埋込層 6 n型InPブロック層 7 p型InPブロック層 8 n型InPクラッド層 9 Zn拡散p型領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層をクラッド層で挟んだダブルヘテ
    ロ構造からなるメサのn型層の側面部に設けたp型反転
    領域と、 上記メサの両側を埋め込むように成長させた電流ブロッ
    ク層とを備えたことを特徴とする埋込ヘテロ構造半導体
    レーザ。
  2. 【請求項2】 活性層をクラッド層で挟んだダブルヘテ
    ロ構造からなるメサの側面のn型の層の少なくとも一部
    をp型に反転する工程と、 上記メサの両側を埋め込むように電流ブロック層を成長
    する工程とを備えたことを特徴とする埋込ヘテロ構造半
    導体レーザの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8385379B2 (en) 2010-01-07 2013-02-26 Furukawa Electric Co., Ltd Optical semiconductor device and pumping light source for optical fiber amplifier
WO2019193679A1 (ja) * 2018-04-04 2019-10-10 三菱電機株式会社 半導体レーザおよびその製造方法

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