JPH07115242A - 半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子およびその製造方法

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JPH07115242A
JPH07115242A JP24814793A JP24814793A JPH07115242A JP H07115242 A JPH07115242 A JP H07115242A JP 24814793 A JP24814793 A JP 24814793A JP 24814793 A JP24814793 A JP 24814793A JP H07115242 A JPH07115242 A JP H07115242A
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JP
Japan
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mesa
semiconductor laser
laser device
electrode
layer
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Application number
JP24814793A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Saito
弘之 斉藤
Tomoko Kadowaki
朋子 門脇
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広く、かつ、浅いメサ構造であっても低容量
化を実現した半導体レーザ素子およびその製造方法を得
ることを目的とする。 【構成】 従来のメサ型半導体レーザ素子に比べてメサ
幅は約8μmであり、メサ高さは約3μmの広く浅いメ
サとなっている。また、メサの側面の表面から約3μm
に渡ってプロトン注入による絶縁領域7が設けられてい
る。 【効果】 逆バイアス層によって形成された電流狭窄部
を有するメサの側面に絶縁領域を設けることにより、メ
サ幅の拡幅に伴う寄生容量の増加を抑制することができ
るので、メサ幅が広く、メサの頂上部における電極の形
成が容易な半導体レーザ素子を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザ素子および
その製造方法に関し、特に高速動作可能な半導体レーザ
素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図19に従来のメサ型半導体レーザ素子
の断面図を示す。図19においてn型InP基板1の上
にn型InPクラッド層2がメサ型に形成され、その頂
上部にはInGaAsP活性層3が形成されている。活
性層3の上にはp型InPクラッド層40が形成されて
いる。メサ型のn型InPクラッド層2およびその頂上
部に積層された活性層3およびクラッド層40を覆うよ
うにp型InP層5が形成され、その上にn型InP層
6が形成されて全体としてメサ型構造となっている。該
メサの頂上部にp型InPコンタクト層41が形成さ
れ、これらメサの側面部全体および頂上部のコンタクト
層41の一部を覆うように絶縁膜8が形成され、絶縁膜
8の全面およびコンタクト層41の露出部分を覆うよう
にp側電極9が形成され、n型InP基板1の下面には
n側電極10が形成されている。
【0003】次に図19を参照しつつ動作について説明
する。p側電極9に正電圧を、n側電極10に負電圧を
印加すると、電流はp型InPコンタクト層41からp
型InPクラッド層40を通って、InGaAsP活性
層3およびn型InPクラッド層2を経てn型InP基
板1に流れる。この電流は、p型InPコンタクト層4
1およびn型InP層6およびp型InP層5およびn
型InPクラッド層2によって形成されるpnpn逆バ
イアス接合によって電流狭窄されることになる。
【0004】InGaAsP活性層3にはpn接合が形
成されているので、ここにp型InPクラッド層40お
よびn型InPクラッド層2からホールおよび電子が各
々流入し、電流を発振閾値以上に増加させることでレー
ザ発振が生じる。
【0005】半導体レーザ素子の高速化のためには周波
数帯域fc を広くすることが必要であり、周波数帯域f
c を広くするには半導体レーザ素子の容量を低く抑える
ことが要求される。それは、周波数帯域fc と容量との
間に、fc =1/(2πCR)の関係があることから明
かである。ここで、Cは容量値を、Rは抵抗値を表す。
【0006】例えば、伝送速度10Gbit/sの高速
半導体レーザ素子を得るためには、目標とする周波数帯
域は16GHzである。ここで抵抗値が25Ωとするな
らば、上述の式より、16GHz=1/(2・π・C・
25)となるので、C=0.4pFとなる。よって、半
導体レーザ素子の容量は0.4pF以下にする必要があ
る。この中で約0.2pFはpn接合部分の容量なの
で、寄生容量を0.2pF以下に抑える必要がある。そ
のために、図19に示されるようなpnpn逆バイアス
接合による電流狭窄構造の半導体レーザ素子の場合は、
メサ幅が約2μm、メサ高さが約6μmの挟メサを形成
する必要がある。
【0007】次に図19で説明した従来のメサ型半導体
レーザ素子の製造方法を図20〜図27を参照しつつ説
明する。図20〜図27は製造工程を順に示した断面図
である。
【0008】まず、図20に示す工程において、n型I
nP基板1の上にn型InPクラッド層2およびInG
aAsP活性層3およびp型InPクラッド層40を、
順次エピタキシャル成長法により形成する。
【0009】次に図21に示す工程において、p型In
Pクラッド層40の所定位置に、所望の幅を有する絶縁
膜11を例えばSiO2 などで形成し、絶縁膜11をエ
ッチングマスクとしてエッチングを行い、活性層3の幅
が約1.3μmで、以下は徐々に広がって裾がn型In
Pクラッド層2の途中にあるようなリッジを形成する。
【0010】次に図22に示す工程において、絶縁膜1
1をそのまま選択成長マスクとし、リッジ側面を埋める
ようにp型InP層5を成長させ、続いてn型InP層
6を成長させる。
【0011】次に図23に示す工程において、絶縁膜1
1を除去した後、p型InPコンタクト層41を成長さ
せる。
【0012】次に図24に示す工程において、通常の写
真製版(リソグラフィー)とエッチングにより頂上部の
幅約2μm、深さ約6μmの挟メサを形成する。
【0013】次に図25に示す工程において、該挟メサ
を被覆するようにSiNあるいはSiO2 等により絶縁
膜8を形成する。
【0014】次に図26に示す工程において、フォトレ
ジスト13を絶縁膜8で被覆された挟メサを埋め込むよ
うに塗布し、通常の写真製版により挟メサ頂上部に2μ
mよりも幅の狭いストライプ状のパターニングを行った
後、この部分をエッチングによって除去することでスト
ライプ状の開口部が形成される。
【0015】最後に図27に示す工程において、フォト
レジスト13を除去した後、挟メサ表面全域を被覆する
ようにp側電極9を形成し、n型InP基板1の下面側
にn側電極10を形成してメサ型半導体レーザ素子が完
成する。以上が低容量化を達成するための従来の技術に
よるメサ型半導体レーザ素子の製造方法である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体レーザ素
子は以上のように構成されているので、製造工程におい
て、幅約2μmの挟メサの頂上部にさらに幅の狭いスト
ライプ状の開口部を設ける必要があった。しかしなが
ら、そのためにはパターニングの位置合わせに不可能に
近いほどの精度が要求されるため、実際にはメサ幅を2
μmまで狭くすることができず、幅4μm程度のメサに
よって半導体レーザ素子を形成していた。この場合、半
導体レーザ素子の寄生容量は2pF以上となり目標値に
比べて10倍も大きな値となり、半導体レーザ素子の低
容量化を達成することができないという問題があった。
【0017】本発明は以上のような問題点を解消するた
めになされたもので、広く、かつ、浅いメサ構造であっ
ても低容量化を実現した半導体レーザ素子およびその製
造方法を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体レー
ザ素子の第1の態様は、逆バイアス層によって通電可能
な領域を制限する構造の電流狭窄部を有し、頂上部に電
極を設けたメサ型の半導体レーザ素子において、前記メ
サの側面に所定のイオンを注入して絶縁領域を設けたこ
とを特徴とする。
【0019】本発明に係る半導体レーザ素子の第2の態
様は、半絶縁層によって通電可能な領域を制限する構造
の電流狭窄部を有し、頂上部に電極を設けたメサ型の半
導体レーザ素子において、前記メサの側面に所定のイオ
ンを注入して絶縁領域を設けたことを特徴とする。
【0020】本発明に係る半導体レーザ素子の第3の態
様は、前記メサの頂上部の電極に接する部分には前記絶
縁領域が形成されていないことを特徴とする。
【0021】本発明に係る半導体レーザ素子の第4の態
様は、前記電極が前記メサの頂上部および前記絶縁領域
が形成されたメサの側面に直接接して形成されたことを
特徴とする。
【0022】本発明に係る半導体レーザ素子の第5の態
様は、前記所定のイオンがプロトンであることを特徴と
する。
【0023】本発明に係る半導体レーザ素子の第6の態
様は、前記所定のイオンがホウ素であることを特徴とす
る。
【0024】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第1の態様は、半導体基板の上に、電流狭窄部を逆バ
イアス層によって形成する工程と、マスク層を用いて前
記電流狭窄部を含む構成をメサ型に形成する工程と、前
記メサの側面および頂上部に電極を形成する工程とを含
む半導体レーザ素子の製造方法において、前記メサの側
面および頂上部に電極を形成する工程の前に、前記メサ
の側面に所定のイオンを注入して絶縁領域を形成する工
程を有することを特徴とする。
【0025】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第2の態様は、半導体基板の上に、電流狭窄部を半絶
縁層によって形成する工程と、マスク層を用いて前記電
流狭窄部を含む構成をメサ型に形成する工程と、前記メ
サの側面および頂上部に電極を形成する工程とを含む半
導体レーザ素子の製造方法において、前記半導体基板表
面および前記メサの頂上部に電極を形成する工程の前
に、前記メサの側面に所定のイオンを注入して絶縁領域
を形成する工程を有することを特徴とする。
【0026】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第3の態様は、前記絶縁領域を形成する工程が、前記
マスク層を転用して前記メサの頂上部を保護し、一定の
角度でイオンを注入することにより、前記メサの頂上部
の電極に接する部分に前記絶縁領域が形成されることを
防止する工程を含むことを特徴とする。
【0027】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第4の態様は、前記メサの側面および前記メサの頂上
部に電極を形成する工程が、前記絶縁領域が形成された
メサの側面および、前記絶縁領域が形成されていないメ
サの頂上部に直接接して前記電極を形成する工程を含む
ことを特徴とする。
【0028】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第5の態様は、前記所定のイオンを注入して絶縁領域
を形成する工程が、プロトンを注入する工程を含んでい
る。
【0029】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第6の態様は、前記所定のイオンを注入して絶縁領域
を形成する工程が、ホウ素を注入する工程を含んでい
る。
【0030】
【作用】本発明に係る半導体レーザ素子の第1の態様に
よれば、逆バイアス層によって形成された電流狭窄部を
有し、頂上部に電極を設けたメサの側面に所定のイオン
を注入して絶縁領域を設けることにより、メサ幅の拡幅
に伴う寄生容量の増加を抑制することができる。
【0031】本発明に係る半導体レーザ素子の第2の態
様によれば、半絶縁層によって形成された電流狭窄部を
有し、頂上部に電極を設けたメサの側面に所定のイオン
を注入して絶縁領域を設けることにより、メサ幅の拡幅
に伴う寄生容量の増加をより一層抑制することができ
る。
【0032】本発明に係る半導体レーザ素子の第3の態
様によれば、メサの頂上部の電極に接する部分には絶縁
領域が形成されていないので、メサの頂上部と電極との
接触面積が広くなる。
【0033】本発明に係る半導体レーザ素子の第4の態
様によれば、電極がメサの頂上部および絶縁領域が形成
されたメサの側面に直接接して形成されるため、電極が
段差を有さず、段差に起因する電極の断切れが発生しな
い。また、電極構造が単純化される。
【0034】本発明に係る半導体レーザ素子の第5の態
様によれば、絶縁領域の形成にプロトンを用いること
で、注入エネルギーが低くても他のイオンを用いる場合
に比べて深い位置に注入を行うことができる。
【0035】本発明に係る半導体レーザ素子の第6の態
様によれば、絶縁領域の形成にホウ素を用いることで、
熱的に安定な絶縁層を得ることができる。
【0036】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第1の態様によれば、逆バイアス層による電流狭窄部
を有したメサの形成後に、該メサの側面に所定のイオン
を注入して絶縁領域を形成するので、イオン注入領域を
調整することによりメサ幅に合致した絶縁領域を形成す
ることができる。
【0037】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第2の態様によれば、半絶縁層による電流狭窄部を有
したメサの形成後に、該メサの側面に所定のイオンを注
入して絶縁領域を形成するので、イオン注入領域を調整
することによりメサ幅に合致した絶縁領域を形成するこ
とができる。
【0038】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第3の態様によれば、メサの形成に用いたマスク層を
転用してメサの頂上部を保護し、一定の角度でイオンを
注入することにより、メサの頂上部の電極に接する部分
を除いたメサの側面に、容易に絶縁領域を形成すること
ができる。
【0039】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第4の態様によれば、メサの側面およびメサの頂上部
に直接接して電極を形成するので、工程が簡略化され、
かつ電極が段差を有さず構造が単純なので、段差に起因
する電極の断切れを懸念する必要がなくなる。
【0040】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第5の態様によれば、注入イオンにプロトンを用いる
ので、他のイオンを用いる場合に比べて低いエネルギー
でも深く注入を行うことができる。
【0041】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法
の第6の態様によれば、注入イオンに注入技術が確立さ
れたホウ素を用いるので、注入工程における技術的問題
の発生が低減される。
【0042】
【実施例】
<第1の実施例> <構造>図1は本発明に係る半導体レーザ素子の第1の
実施例を示す断面図である。図1において、基本的な構
成は図19で説明した従来のメサ型半導体レーザ素子と
同様であるが、従来のメサ型半導体レーザ素子に比べて
メサ幅は約8μmであり、メサ高さは約3μmの広く浅
いメサとなっている。また、メサの側面の表面から約3
μmに渡ってプロトン注入による絶縁領域7が設けられ
ている。
【0043】次に図1を参照しつつ動作について説明す
る。図1においてメサの頂上部の幅は約8μmであり、
このサイズでの寄生容量は膨大なものである。しかし、
メサの側面表面から約3μmに渡ってプロトン注入によ
る絶縁領域7を設けることによって、該領域が高抵抗に
なるため、外見上はメサ幅約8μm、メサ深さ約3μm
の広く浅いメサ構造であるが、プロトン注入による絶縁
領域7がメサ側面の表面から約3μmにわたって均一に
形成されるので、実質的には図1に示されるように、頂
上部の幅が約2μm、深さが約6μmの挟メサと等価に
なる。よって、本発明に係る半導体レーザ素子によれ
ば、寄生容量0.2pF以下の低容量化を実現すること
ができる。
【0044】<製造方法>次に本実施例の製造方法を図
2〜図11を参照しつつ説明する。図2〜図11は製造
工程を順に示した断面図である。
【0045】まず、図2に示す工程において、n型In
P基板1の上にn型InPクラッド層2およびInGa
AsP活性層3およびp型InPクラッド層40を、順
次エピタキシャル成長法により形成する。
【0046】次に図3に示す工程において、p型InP
クラッド層40の所定位置に、所望の幅を有する絶縁膜
11を例えばSiO2 などで形成し、絶縁膜11をエッ
チングマスクとしてエッチングを行い、活性層3の幅が
約1.3μmで、以下は徐々に広がって裾がn型InP
クラッド層2の途中にあるようなリッジを形成する。
【0047】次に図4に示す工程において、絶縁膜11
をそのまま選択成長マスクとし、リッジ側面を埋めるよ
うにp型InP層5を成長させ、続いてn型InP層6
を成長させる。
【0048】次に図5に示す工程において、絶縁膜11
を除去した後p型InPコンタクト層41を成長させ
る。
【0049】次に図6に示す工程において、所定の幅の
エッチングマスク12をp型InPコンタクト層41上
にストライプ状に形成し、通常の写真製版とエッチング
により、頂上部の幅約8μm、深さ約3μmのメサを形
成する。エッチングマスク12は次の工程におけるプロ
トン注入に際してもマスクとして使用するので、材質と
して例えば、SiO2 あるいはSiNあるいはフォトレ
ジストなどを用いる。
【0050】次に図7に示す工程において、エッチング
マスク12をそのまま使用してプロトン注入を行い、メ
サの両側面に深さ約3μmの絶縁領域7を形成する。イ
オン注入は異方性を持つので、メサの側面に均一の深さ
で注入するには、例えば、曲面部分と平面部分とで分別
して注入するために各々を交互にマスキングし、曲面部
分においてはメサ側面の曲面形状に合わせて素子基板を
揺動させて注入を行う。
【0051】次に、図8で示す工程において、エッチン
グマスク12を除去した後、図9に示す工程においてメ
サ表面全域を被覆するようにSiNあるいはSiO2
により絶縁膜8を形成する。
【0052】次に、図10で示す工程において、フォト
レジスト13を絶縁膜8で被覆された挟メサを埋め込む
ように塗布し、通常の写真製版により挟メサ頂上部に2
μmよりも幅の狭いストライプ状のパターニングを行っ
た後、この部分をエッチングで除去することによって絶
縁膜8も除去され、ストライプ状の開口部が形成され
る。
【0053】最後に図11に示す工程でフォトレジスト
13を除去した後、メサ表面全域を被覆するようにp側
電極9を形成することで、ストライプ状の開口部にp側
電極9が形成され、n型InP基板1の下面側にn側電
極10を形成してメサ型半導体レーザ素子が完成する。
【0054】<第2の実施例> <構造>次に本発明に係る半導体レーザ素子の第2の実
施例について説明する。図12は第2の実施例を説明す
るための断面図である。基本的な構成は図1で説明した
第1の実施例と同様であるが、メサの頂上部の幅は約1
8μmであり、第1の実施例に比べてより広いメサ構造
となっている。また、従来例および実施例1ではp型I
nPコンタクト層41およびn型InP層6およびp型
InP層5およびn型InPクラッド層2によって形成
されるpnpn逆バイアス接合によって電流を狭窄する
構造を説明したが、本実施例においてはp型InP層5
の代わりにに、不純物をドーピングすることにより半絶
縁性となったInP結晶を用いて電流を狭窄する構造と
なっている。
【0055】ドーピングする不純物には、例えば、Fe
あるいはCoあるいはTi等が使用される。図12は、
従来例および第1の実施例ではp型InP層5として説
明した部分をFeドープInP層50で構成した例を示
す。その他の構成は図1で説明した第1の実施例と同様
である。
【0056】本実施例によれば、半絶縁性となったIn
P結晶を用いて電流を狭窄することにより、寄生容量を
0.2pF以下にするためのメサ幅の許容範囲を、pn
pn逆バイアス接合によって電流を狭窄する場合に比べ
て広くできることである。
【0057】また、プロトン注入による絶縁領域7も併
せて形成することにより、メサ幅の拡幅による寄生容量
の増加をさらに抑制することができる。よって、寄生容
量の増加を懸念することなくメサ幅を広くできるので、
写真製版によりメサの頂上部に開口部を形成する工程を
容易に行うことが可能となる。
【0058】<製造方法>本実施例の製造方法は、図4
で説明したp型InP層5を成長させる工程の代わりに
FeドープInP層50を結晶成長させる以外は、図2
〜図11で説明した第1の実施例と同様である。
【0059】<第3の実施例> <構造>次に本発明に係る半導体レーザ素子の第3の実
施例について説明する。図13は第3の実施例を示す断
面図である。図13において、メサの頂上部のp型In
Pコンタクト層41の表面および側面にはP側電極9が
直接接して形成されている。また、メサの側面にはプロ
トン注入による絶縁領域7が形成されているが、p型I
nPコンタクト層41表面のP側電極9と接する部分に
はプロトンが注入されず絶縁領域7は形成されていな
い。その他の構成は、図1で説明した第1の実施例と同
様である。
【0060】本発明に係る半導体レーザ素子によれば、
半導体レーザ素子の第1の実施例と同様に寄生容量0.
2pF以下の低容量化を実現することができる。さら
に、メサ頂上部のp型InPコンタクト層41の表面お
よび側面に密接してP側電極9を形成するので、絶縁膜
を介してP側電極9を形成する第1の実施例に見られる
段差ができず、段差に起因するP側電極9の断切れを懸
念する必要がなくなる。
【0061】また、p型InPコンタクト層41の表面
には絶縁領域7は形成されていないので、P側電極9と
の接触面積が広くなるので密着性が向上し、かつ、P側
電極9とp型InPコンタクト層41との間の合金化に
よるオーミックコンタクトの形成の際に、合金化にむら
が生じても接触面積が広ければオーミック特性に及ぼす
影響は低減される。
【0062】さらに、オーミック抵抗Rは、R=ρ・l
/Sで表されるので、接触面積Sが広ければ低い値にな
る。ここで、ρは抵抗率であり、lは電極の厚みと合金
層の厚みの和の値である。よって、接触面積Sが広くな
ってオーミック抵抗Rが低下すれば、オーミックコンタ
クトでの電圧降下も小さくなり、発熱等が低減されるの
で、素子の動作特性の向上を図ることができる。
【0063】<製造方法>次に本実施例についての製造
方法を図14〜図17を参照しつつ説明する。なお、図
14以前の製造工程は、図2〜図6を用いて説明した第
1の実施例と同様なので省略する。
【0064】図15においてエッチングマスク12をそ
のまま使用してプロトン注入を行い、メサの両側面に深
さ約3μmの絶縁領域7を形成する。この際メサ頂上部
のp型InPコンタクト層41の表面には絶縁領域7を
形成しないように、エッチングマスク12のひさし部分
を利用してイオンの入射を制限する。そのためには、未
注入領域の大きさはひさしによってイオンが遮られる角
度によって決まるので、まず、注入方向を固定してイオ
ンを注入する。この方法では、曲面部分では注入領域は
曲面に沿ってほぼ一定に形成されるが、InP基板1の
側面などの平面部分では注入領域を一定に保てないの
で、曲面部分と平面部分とで分別して注入するために各
々を交互にマスキングし、注入角度を適宜変更して行う
必要がある。
【0065】次に、図16で示す工程において、エッチ
ングマスク12を除去した後、図17で示す工程におい
て、メサ表面に直接p側電極9を形成し、n型InP基
板1の下面側にn側電極10を形成してメサ型半導体レ
ーザ素子が完成する。
【0066】<第4の実施例> <構造>次に本発明に係る半導体レーザ素子の第4の実
施例について説明する。図18は第4の実施例を説明す
るための断面図である。図18において、メサの頂上部
のp型InPコンタクト層41の表面および側面にはP
側電極9が直接形成されている。また、メサの側面には
プロトン注入による絶縁領域7が形成されているが、p
型InPコンタクト層41表面のP側電極9と接する部
分にはプロトンが注入されず絶縁領域7は形成されてい
ない。その他の構成は、図13で説明した第3の実施例
と同様である。
【0067】本実施例によれば、第2の実施例と同様
に、半絶縁性となったInP結晶を用いて電流を狭窄す
ることにより、寄生容量を0.2pF以下にするための
メサ幅の許容範囲を、pnpn逆バイアス接合によって
電流を狭窄する場合に比べて広くでき、プロトン注入に
よる絶縁領域7も併せて形成することにより、メサ幅の
拡幅による寄生容量の増加をさらに抑制することができ
る。
【0068】また、p型InPコンタクト層41の表面
には絶縁領域7は形成されていないので、P側電極9と
の接触面積が広くなるので密着性が向上し、かつ、界面
状態のばらつきに起因するオーミックコンタクトのばら
つきが低減される。
【0069】<製造方法>製造方法については、図4で
説明したp型InP層5を成長させる工程の代わりにF
eドープInP層50を結晶成長させる以外は、図14
〜図17で説明した第3の実施例と同様である。
【0070】<変形例>以上説明した実施例1〜実施例
4はいずれも以下のような変形が可能である。すなわ
ち、実施例1および実施例2では絶縁領域7の形成にお
いて、注入イオンとしてプロトンを用いたが、絶縁領域
を形成できるものであればプロトン以外でも良い。プロ
トン以外の不純物としてはB(ホウ素)等を用いること
ができ、Bの注入源としてはBNやB2 3 等が使用さ
れる。
【0071】
【発明の効果】請求項1記載の半導体レーザ素子によれ
ば、逆バイアス層によって形成された電流狭窄部を有す
るメサの側面に絶縁領域を設けることにより、メサ幅の
拡幅に伴う寄生容量の増加を抑制することができるの
で、メサ幅が広く、メサの頂上部における電極の形成が
容易な半導体レーザ素子を得ることができる。
【0072】請求項2記載の半導体レーザ素子によれ
ば、半絶縁層によって形成された電流狭窄部を有するメ
サの側面に絶縁領域を設けることにより、メサ幅の拡幅
に伴う寄生容量の増加をより一層抑制することができる
ので、よりメサ幅が広く、メサの頂上部における電極の
形成が容易な半導体レーザ素子を得ることができる。
【0073】請求項3記載の半導体レーザ素子によれ
ば、メサの頂上部の電極に接する部分には絶縁領域が形
成されていないので、メサの頂上部と電極との接触面積
を広くすることができ、メサの頂上部と電極との密着性
が向上し、かつ、この部分において、オーミックコンタ
クトの形成の際に生じる合金化のむらによるオーミック
特性への影響が低減される。さらに、接触面積が広くな
ることでオーミック抵抗が低下し、オーミックコンタク
トでの電圧降下が小さくなって発熱等が低減し、素子の
動作特性が向上した半導体レーザ素子を得ることができ
る。
【0074】請求項4記載の半導体レーザ素子によれ
ば、電極がメサの頂上部および絶縁領域が形成されたメ
サの側面に直接接して形成されるため、電極構造が単純
化され、電極が段差を有さないので、段差に起因する電
極の断切れを防止した半導体レーザ素子を得ることがで
きる。
【0075】請求項5記載の半導体レーザ素子によれ
ば、絶縁領域の形成にプロトンを用いることで、他のイ
オンを用いる場合に比べて深い位置まで注入を行うこと
ができるので、メサ幅の拡幅に対応した深さの絶縁領域
を有する半導体レーザ素子を容易に得ることができる。
【0076】請求項6記載の半導体レーザ素子によれ
ば、絶縁領域の形成にホウ素を用いることで、熱的に安
定な絶縁層を得ることができるので、熱処理が施されて
も性能が劣化しない半導体レーザ素子を得ることができ
る。
【0077】請求項7記載の半導体レーザ素子の製造方
法によれば、逆バイアス層による電流狭窄部を有したメ
サの形成後に、該メサの側面に所定のイオンを注入して
絶縁領域を形成するので、イオン注入領域を調整するこ
とにより種々の幅のメサに対応して絶縁領域を形成する
ことが可能な半導体レーザ素子の製造方法を得ることが
できる。
【0078】請求項8記載の半導体レーザ素子の製造方
法によれば、半絶縁層による電流狭窄部を有したメサの
形成後に、該メサの側面に所定のイオンを注入して絶縁
領域を形成するので、イオン注入領域を調整することに
より種々の幅のメサに対応して絶縁領域を形成すること
ができ、電流狭窄部が逆バイアス層によって形成された
場合に比べてよりメサ幅が広く、メサの頂上部における
電極の形成が容易な半導体レーザ素子の製造方法を得る
ことができる。
【0079】請求項9記載の半導体レーザ素子の製造方
法によれば、メサの頂上部の電極に接する部分を除いた
メサの側面に、容易に絶縁領域を形成することができる
ので、メサの頂上部と電極との接触面積が広く、密着性
が向上し、かつ、この部分において良好なオーミック特
性を備え、さらに、接触面積が広くなることでオーミッ
ク抵抗が低下し、素子の動作特性が向上した半導体レー
ザ素子の製造方法を得ることができる。
【0080】請求項10記載の半導体レーザ素子の製造
方法によれば、メサの側面およびメサの頂上部に直接接
して電極を形成するので、工程が簡略化され、かつ電極
が段差を有さず構造が単純なので、段差に起因する電極
の断切れを懸念する必要がなく、素子の歩留まりが向上
した半導体レーザ素子の製造方法を得ることができる。
【0081】請求項11記載の半導体レーザ素子の製造
方法によれば、注入イオンにプロトンを用いるので、他
のイオンを用いる場合に比べて低いエネルギーでも深く
注入を行うことができ、高エネルギーによる注入の必要
性が低減するので、絶縁領域形成に伴う製造コストの増
加を抑制する効果がある。
【0082】請求項12記載の半導体レーザ素子の製造
方法によれば、注入イオンに注入技術が確立されたホウ
素を用いるので、絶縁領域形成に伴う新規技術の開発の
必要性が低減し、製造コストの増加を抑制する効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体レーザ素子の第1の実施例
を示す断面図である。
【図2】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の工
程を説明する断面図である。
【図3】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の工
程を説明する断面図である。
【図4】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の工
程を説明する断面図である。
【図5】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の工
程を説明する断面図である。
【図6】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の工
程を説明する断面図である。
【図7】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の工
程を説明する断面図である。
【図8】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の工
程を説明する断面図である。
【図9】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の工
程を説明する断面図である。
【図10】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の
工程を説明する断面図である。
【図11】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の
工程を説明する断面図である。
【図12】本発明に係る半導体レーザ素子の第2の実施
例を示す断面図である。
【図13】本発明に係る半導体レーザ素子の第3の実施
例を示す断面図である。
【図14】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の
工程を説明する断面図である。
【図15】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の
工程を説明する断面図である。
【図16】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の
工程を説明する断面図である。
【図17】本発明に係る半導体レーザ素子の製造方法の
工程を説明する断面図である。
【図18】本発明に係る半導体レーザ素子の第4の実施
例を示す断面図である。
【図19】従来の半導体レーザ素子を示す断面図であ
る。
【図20】従来の半導体レーザ素子の製造方法の工程を
説明する断面図である。
【図21】従来の半導体レーザ素子の製造方法の工程を
説明する断面図である。
【図22】従来の半導体レーザ素子の製造方法の工程を
説明する断面図である。
【図23】従来の半導体レーザ素子の製造方法の工程を
説明する断面図である。
【図24】従来の半導体レーザ素子の製造方法の工程を
説明する断面図である。
【図25】従来の半導体レーザ素子の製造方法の工程を
説明する断面図である。
【図26】従来の半導体レーザ素子の製造方法の工程を
説明する断面図である。
【図27】従来の半導体レーザ素子の製造方法の工程を
説明する断面図である。
【符号の説明】
7 絶縁領域 12 エッチングマスク 50 FeドープInP層(半絶縁層)
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】図19に従来のメサ型半導体レーザ素子
の断面図を示す。図19においてn型InP基板1の上
にn型InPクラッド層2が形成され、その上部にはI
nGaAsP活性層3が形成されている。活性層3の上
にはp型InPクラッド層40が形成されている。n
InPクラッド層2およびその上部に積層された活性層
3およびクラッド層40はエッチングによってリッジ型
に加工され、このリッジを埋め込むようにp型InP層
とn型Inp層6が形成されている。該クラッド層4
0とn型Inp層6の頂上部にp型InPコンタクト層
41が形成された後、幅約2μmのメサが形成され、全
体としてメサ型構造になっている。このメサの側面部全
体および頂上部のコンタクト層41の一部を覆うように
絶縁膜8が形成され、絶縁膜8の全面およびコンタクト
層41の露出部分を覆うようにp側電極9が形成され、
n型InP基板1の下面にはn側電極10が形成されて
いる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】半導体レーザ素子の高速化のためには周波
数帯域fc を広くすることが必要であり、周波数帯域f
c を広くするには半導体レーザ素子の容量を低く抑える
ことが要求される。それは、周波数帯域fc と容量との
間に、fc =1/(2πCR)の関係があることから
らかである。ここで、Cは容量値を、Rは抵抗値を表
す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】例えば、伝送速度10Gbit/sの高速
半導体レーザ素子を得るためには、目標とする周波数帯
域は16GHzである。ここで抵抗値が25Ωとするな
らば、上述の式より、16GHz=1/(2・π・C・
25)となるので、C=0.4pFとなる。よって、半
導体レーザ素子の容量は0.4pF以下にする必要があ
る。この中で約0.2pFはpn接合部分の容量なの
で、寄生容量を0.2pF以下に抑える必要がある。そ
のために、図19に示されるようなpnpn逆バイアス
接合による電流狭窄構造の半導体レーザ素子の場合は、
メサ幅が約2μm、メサ高さが約6μmの狭メサを形成
する必要がある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】次に図24に示す工程において、通常の写
真製版(リソグラフィー)とエッチングにより頂上部の
幅約2μm、深さ約6μmの狭メサを形成する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】次に図25に示す工程において、該狭メサ
を被覆するようにSiNあるいはSiO2 等により絶縁
膜8を形成する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】次に図26に示す工程において、フォトレ
ジスト13を絶縁膜8で被覆された狭メサを埋め込むよ
うに塗布し、通常の写真製版により狭メサ頂上部に2μ
mよりも幅の狭いストライプ状のパターニングを行った
後、この部分をエッチングによって除去することでスト
ライプ状の開口部が形成される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】最後に図27に示す工程において、フォト
レジスト13を除去した後、狭メサ表面全域を被覆する
ようにp側電極9を形成し、n型InP基板1の下面側
にn側電極10を形成してメサ型半導体レーザ素子が完
成する。以上が低容量化を達成するための従来の技術に
よるメサ型半導体レーザ素子の製造方法である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体レーザ素
子は以上のように構成されているので、製造工程におい
て、幅約2μmの狭メサの頂上部にさらに幅の狭いスト
ライプ状の開口部を設ける必要があった。しかしなが
ら、そのためにはパターニングの位置合わせに不可能に
近いほどの精度が要求されるため、実際にはメサ幅を2
μmまで狭くすることができず、幅4μm程度のメサに
よって半導体レーザ素子を形成していた。この場合、半
導体レーザ素子の寄生容量は2pF以上となり目標値に
比べて10倍も大きな値となり、半導体レーザ素子の低
容量化を達成することができないという問題があった。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】次に図1を参照しつつ動作について説明す
る。図1においてメサの頂上部の幅は約8μmであり、
このサイズでの寄生容量は膨大なものである。しかし、
メサの側面表面から約3μmに渡ってプロトン注入によ
る絶縁領域7を設けることによって、該領域が高抵抗に
なるため、外見上はメサ幅約8μm、メサ深さ約3μm
の広く浅いメサ構造であるが、プロトン注入による絶縁
領域7がメサ側面の表面から約3μmにわたって均一に
形成されるので、実質的には図1に示されるように、頂
上部の幅が約2μm、深さが約6μmの狭メサと等価に
なる。よって、本発明に係る半導体レーザ素子によれ
ば、寄生容量0.2pF以下の低容量化を実現すること
ができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】次に、図10で示す工程において、フォト
レジスト13を絶縁膜8で被覆された狭メサを埋め込む
ように塗布し、通常の写真製版により狭メサ頂上部にス
トライプ状のパターニングを行った後、この部分をエッ
チングで除去することによって絶縁膜8も除去され、ス
トライプ状の開口部が形成される。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 逆バイアス層によって通電可能な領域を
    制限する構造の電流狭窄部を有し、頂上部に電極を設け
    たメサ型の半導体レーザ素子において、 前記メサの側面に所定のイオンを注入して絶縁領域を設
    けたことを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 半絶縁層によって通電可能な領域を制限
    する構造の電流狭窄部を有し、頂上部に電極を設けたメ
    サ型の半導体レーザ素子において、 前記メサの側面に所定のイオンを注入して絶縁領域を設
    けたことを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記メサの頂上部の電極に接する部分に
    は前記絶縁領域が形成されていないことを特徴とする、
    請求項1あるいは請求項2記載の半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記電極が前記メサの頂上部および前記
    絶縁領域が形成されたメサの側面に直接接して形成され
    たことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半
    導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記所定のイオンがプロトンであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レ
    ーザ素子。
  6. 【請求項6】 前記所定のイオンがホウ素であることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レー
    ザ素子。
  7. 【請求項7】 半導体基板の上に、電流狭窄部を逆バイ
    アス層によって形成する工程と、 マスク層を用いて前記電流狭窄部を含む構成をメサ型に
    形成する工程と、前記メサの側面および頂上部に電極を
    形成する工程とを含む半導体レーザ素子の製造方法にお
    いて、 前記メサの側面および頂上部に電極を形成する工程の前
    に、前記メサの側面に所定のイオンを注入して絶縁領域
    を形成する工程を有することを特徴とする半導体レーザ
    素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板の上に、電流狭窄部を半絶縁
    層によって形成する工程と、 マスク層を用いて前記電流狭窄部を含む構成をメサ型に
    形成する工程と、 前記メサの側面および頂上部に電極を形成する工程とを
    含む半導体レーザ素子の製造方法において、 前記半導体基板表面および前記メサの頂上部に電極を形
    成する工程の前に、前記メサの側面に所定のイオンを注
    入して絶縁領域を形成する工程を有することを特徴とす
    る半導体レーザ素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記絶縁領域を形成する工程が、前記マ
    スク層を転用して前記メサの頂上部を保護し、一定の角
    度でイオンを注入することにより、前記メサの頂上部の
    電極に接する部分に前記絶縁領域が形成されることを防
    止する工程を含むことを特徴とする、請求項7あるいは
    請求項8記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記メサの側面および前記メサの頂上
    部に電極を形成する工程が、前記絶縁領域が形成された
    メサの側面および、前記絶縁領域が形成されていないメ
    サの頂上部に直接接して前記電極を形成する工程を含む
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の半導
    体レーザ素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記所定のイオンを注入して絶縁領域
    を形成する工程が、プロトンを注入する工程を含む請求
    項7〜10のいずれかに記載の半導体レーザ素子の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記所定のイオンを注入して絶縁領域
    を形成する工程が、ホウ素を注入する工程を含む請求項
    7〜10のいずれかに記載の半導体レーザ素子の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006173626A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Truelight Corp 酸化物閉じ込め型の垂直共振器型面発光半導体レーザの製造方法
KR100731687B1 (ko) * 2005-12-05 2007-06-25 주식회사 레이칸 레이저 다이오드 및 이의 제조방법
CN113948962A (zh) * 2021-09-03 2022-01-18 中国工程物理研究院应用电子学研究所 一种增强亮度的锥形半导体激光器结构

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