JPH05127184A - 液晶表示素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】所定の形状の透明電極パタン（６）により構成
される固定表示パタン（３）の点燈・消燈表示を行なう
反射型の液晶表示素子において、透明電極パタン（６）
に、非点燈部（１４）を設けた構成。 【効果】透明電極パタンに、非点燈部を設けたので、固
定表示パタンが、オン状態か、オフ状態かが明確に判別
できる視認性の優れた反射型の固定パタン液晶表示素子
を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子に係り、
特に、固定パタン表示を行なう反射型の高分子分散型液
晶表示素子に適用するのに好適な技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、高分子材料の中に液晶を分散させ
た高分子分散型液晶表示素子の開発が活発に行なわれて
いる。通常、厚さ５〜１０μｍ程度の高分子分散型液晶
薄膜の上面および下面を２枚の透明電極で挾み、これら
の電極間に電圧を加えないときは、光を散乱して不透明
であるが（オフ状態・消燈状態）、適当な大きさの電圧
を加えると、光が透過し透明になる（オン状態・点燈状
態）。この特性を利用することにより、固定表示パタン
の反射型の表示素子を、従来の液晶表示素子と同様に実
現することができる。この高分子分散型液晶表示素子
は、従来の液晶表示素子で必要である偏光板が不要であ
るので、視野角が広く、明るい、また、液晶分子を規則
的に配列させる必要がないので、配向膜が不要である、
等の長所を有する。このような技術は、例えば、米国特
許第４，４３５，０４７号に記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】高分子分散型液晶を用
いた液晶表示素子として、複数個の透明電極パタンを組
み合わせて、あるいは１個の所定の形状の透明電極パタ
ンにより、固定パタン表示を行なう反射型の表示素子が
１つの有効な応用分野である。透明電極パタンを複数個
組み合わせる場合は、各透明電極パタンをシングルセグ
メントとも称す。しかし、この液晶表示素子は、前述の
ように、光の散乱と透過の２つの状態（高分子分散型液
晶薄膜の中に色素を含有した液晶表示素子の場合は、光
の吸収と透過）を利用して表示パタンの点燈・消燈表示
を行なうため、従来のＴＮ（ツイスティド・ネマチッ
ク）型液晶を用いた液晶表示素子に比べて明るいが、コ
ントラスト比（ＣＲ）が小さいので、表示パタンが明確
に見えにくく、視認性が劣るという問題がある。

【０００４】また、この固定パタン表示を行なう反射型
の高分子分散型液晶表示素子の場合、前述のように、点
燈（オン）状態では明るいが、消燈（オフ）状態におい
ても、上下の透明電極ならびに液晶層の下（すなわち、
表示画面側と反対側）に配置される色の付いた反射板の
色を完全にカットすることができず、色が少なからず見
えてしまう。このため、表示パタンが点燈（オン）して
いるのか、消灯（オフ）しているのか、分かりにくく、
視認性が劣る問題がある。

【０００５】本発明の目的は、視認性を向上し、表示パ
タンの点燈・消燈状態がはっきりと分かる液晶表示素子
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の液晶表示素子は、少なくとも１つの所定
の形状の透明電極パタンを点燈・消燈させて固定パタン
表示を行なう反射型の液晶表示素子において、上記透明
電極パタンに、非点燈部を設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】本発明の液晶表示素子では、所定の形状の透明
電極パタンに、オン状態でも点燈しない非点燈部を設け
たので、１個の透明電極パタンにおいて点燈と消燈の２
つの状態の明暗対比が得られ、視認性が大きく向上し、
表示パタンが点燈（オン）状態にあるのか、消燈（オ
フ）状態にあるのか明確に判別できる。

【０００８】

【実施例】図２は、本発明の一実施例の固定パタン表示
を行なう高分子分散型の液晶表示素子の概略外観斜視図
である。１は高分子分散型液晶表示素子、２は液晶表示
素子１の表面、３はそれぞれ液晶表示素子１の表面２上
の所定の形状の固定表示パタンである。図示のように、
矩形や三角形の各種の形状・色の固定表示パタン３が、
液晶表示素子１の表面２に点燈・消燈表示される。

【０００９】図３は、図２の液晶表示素子１の一部を切
り出し、拡大し、分解して示した分解斜視部分図であ
る。４は上電極基板、５は下電極基板で、透明なガラス
あるいはプラスチックで形成してある。６はそれぞれ上
電極基板４の下面に設けた所望の形状を有する上透明電
極、７は下電極基板５の上面に設けた下透明電極であ
る。上電極基板４に設けた上透明電極６の形状は、固定
表示パタン（図２の３参照）の形状に対応し、該表示パ
タンの内容に応じて、矩形、三角形、円などの図形パタ
ン、文字パタンや絵柄パタン、あるいは複数個のシング
ルセグメントを組み合わせてなる所定の固定表示パタン
などの、任意の各種の寸法・形状にパターニングする
が、下電極基板５に設けた透明電極７は、通常、パター
ニングしないで下電極基板５全面に形成する。なお、図
示はしていないが、上透明電極６に接続された引き出し
配線パタンが、上電極基板４の下面に形成されている。
また、上透明電極６および下透明電極７の上を、例えば
ＳｉＯ_xなどの絶縁膜で保護する場合もある。従来のＴ
Ｎ液晶等を用いた液晶表示素子の場合は、さらにこの上
に液晶分子の向きを設定する配向膜をそれぞれ設ける
が、高分子分散型液晶表示素子の場合は、配向膜は不要
である。上電極基板４と下電極基板５との間に高分子分
散型液晶薄膜を挾むが、図３では図示省略している。

【００１０】８は枠板、９は固定表示パタン（上透明電
極６）に対応して枠板８に設けた開口部からなる表示窓
で、枠板８は例えば紙やプラスチックなどで形成する。
枠板８にあけられた表示窓９を通して表示パタンが見え
るようになっている。

【００１１】１０は枠板８の上面を覆う透明保護フィル
ムである。この透明保護フィルム１０中には、図示しな
い高分子分散型液晶薄膜中の液晶材料が紫外線により分
解してしまうのを防止するために、紫外線カット剤が含
有されている。なお、ここでは、枠板８上を透明保護フ
ィルム１０で覆っているが、枠板８と透明保護フィルム
１０とを１枚のフィルムで構成してもよい。すなわち、
表示窓９を除く枠板８に相当する部分の透明保護膜１０
の上面を着色するか、印刷するか、覆うことにより、透
明保護フィルム１０で枠板８をも同時に実現することが
できる。

【００１２】１１は反射板、１２はそれぞれ反射板１１
上の上記表示パタンに対応する箇所に設けられ、表示パ
タンの表示色を決定する任意の色で光を反射する螢光性
カラー印刷したカラー反射膜である。反射板１１は例え
ば紙やプラスチックなどで形成する。すなわち、表示画
面側から入射し、表示パタンの点燈時に液晶層を透過し
た光がこのカラー反射膜１２により表示画面側に反射さ
れて、表示パタンがそのカラー反射膜１２の色に表示さ
れる。カラー反射膜１２以外の反射板１１の部分の色は
何でもよい。

【００１３】１３は下カバーフィルムであり、プラスチ
ックなどで形成する。なお、この下カバーフィルム１３
と反射板１１を１枚のフィルムで構成してもよい。すな
わち、この下カバーフィルム１３上の表示パタンに対応
する箇所にカラー反射膜１２を設けることにより、カバ
ーフィルム１３と反射板１１とを共通化することができ
る。

【００１４】図１は、本発明の特徴を従来と比較して示
す図で、（ａ）は、本発明による１個の固定表示パタン
の一例を示す平面図、（ｂ）は、従来の１個の固定表示
パタンの一例を示す平面図である。

【００１５】３は１個の固定表示パタン、６は固定表示
パタン３を形成する透明電極パタン（上透明電極のパタ
ン、すなわち、点燈部）、１４は本発明の特徴である非
点燈部である。固定表示パタン３に対応する透明電極パ
タン６の部分が明るくなったり（点燈・オン）、暗くな
ったり（消燈・オフ）することにより、固定表示パタン
３の点燈・消燈表示を行なう。図では図示簡略化のため
四角形状にしてあるが、任意の文字や図柄のパタンにし
てもよい。なお、カラー反射膜（図３の１２）は、
（ａ）では、固定表示パタン３（すなわち、透明電極パ
タン６の点燈部と非点燈部１４の両方）の全体にわたっ
てその下（表示画面側と反対側）に存在する。固定表示
パタン３より大きくてもよい。

【００１６】従来の透明電極パタン６は、（ｂ）に示す
ように、単なる四角形状である。これに対して、本発明
では、（ａ）に示すように、透明電極パタン６に、該上
透明電極６が一部存在しない非点燈部１４を設けた。こ
の非点燈部１４は、ここでは、透明電極パタン６に開口
パタン（すなわち、上透明電極６の存在しない部分）を
設けた。すなわち、上透明電極６が存在する部分が点燈
する部分、上透明電極６が存在しない開口部分が非点燈
部１４となる。このように、固定表示パタン３の内に、
上透明電極６で構成される点燈部分と、非点燈部１４と
が共存する。

【００１７】このような構成において、固定表示パタン
３がオン（点燈）状態になると、上透明電極６部分が点
燈し、非点燈部１４は上透明電極６が存在しないため消
燈状態のままであるので、明暗対比が得られ、この固定
表示パタン３がオン状態であることが明確に判別でき
る。固定表示パタン３がオフ状態の場合は、透明電極パ
タン６で形成される点燈部と、非点燈部１４は同じよう
に一様に見えて区別が付かないことにより、オフ状態と
判別できる。

【００１８】以上本発明を実施例に基づいて具体的に説
明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。例えば、上記実施例では、固定
表示パタン３を１個の上透明電極６で形成したが、透明
電極（シングルセグメント）を複数個組み合わせて点燈
・消燈させ、固定パタン表示を行なう場合においても、
各透明電極に非点燈部を設けることにより、上記実施例
と同様の効果を得ることができる。また、上記実施例で
は、上透明電極６だけを所望の形状にパターニングする
場合を示したが、下透明電極（図３の７）も上透明電極
６と同じ形状にパターニングしてもよい。また、上記実
施例では、非点燈部１４を透明電極の閉じられた開口部
で構成したが、必ずしも閉じられた開口部で形成する必
要はなく、１つの固定表示パタン内に配置してあれば、
透明電極パタンの一部に非点燈部が存在すれば、例え
ば、透明電極パタンの外周部等でもよい。さらに、上記
実施例では、高分子分散型液晶表示素子に適用したが、
ＴＮ型やＳＴＮ型液晶を用いた液晶表示素子にも適用す
ることができる。しかし、オン・オフ状態が分かりにく
い高分子分散型液晶表示素子に適用すると効果が大き
い。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
素子では、透明電極パタンに、非点燈部を設けたので、
固定表示パタンが、オン状態か、オフ状態かが明確に判
別できる視認性の優れた反射型の固定パタン液晶表示素
子を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による１個の固定表示パタンの一例を従
来と比較して示す平面図である。

【図２】本発明の一実施例の固定パタン表示を行なう高
分子分散型の液晶表示素子の概略外観斜視図である。

【図３】図２の液晶表示素子の一部を切り出し、拡大
し、分解して示した分解斜視部分図である。

【符号の説明】

１…高分子分散型液晶表示素子、２…液晶表示素子の表
面、３…固定表示パタン、４…上電極基板、５…下電極
基板、６…上透明電極（透明電極パタン）、７…下透明
電極、８…枠板、９…表示窓、１０…透明保護フィル
ム、１１…反射板、１２…カラー反射膜、１３…下カバ
ーフィルム、１４…非点燈部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯田 高志 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも１つの所定の形状の透明電極パ
   タンを点燈・消燈させて固定パタン表示を行なう反射型
   の液晶表示素子において、上記透明電極パタンに、非点
   燈部を設けたことを特徴とする液晶表示素子。