JPH05134235A - 液晶表示素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】所定の形状の透明電極セグメントを点燈・消燈
させて固定パタン表示を行なう固定パタン表示部（１０
０）と、多数の透明電極ドットを点燈・消燈させて任意
パタン表示を行なう任意パタン表示部（２００）とを同
一表示面上に設けた構成。 【効果】固定パタン表示部と任意パタン表示部とを設け
たことにより、あるいは、１個の固定パタン表示区画内
で複数情報表示を行なうことにより、表示情報量を増大
させることができる。また、点滅または順次点燈表示す
ることにより、表示パタンを目立たせることができ、注
意喚起力が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子に係り、
特に、固定パタン表示を行なう、反射型の高分子分散型
液晶表示素子の表示情報量を増加し、かつ、表示を見や
すくするのに好適な技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、高分子材料の中に液晶を分散させ
た高分子分散型液晶表示素子の開発が活発に行なわれて
いる。通常、厚さ５〜１０μｍ程度の高分子分散型液晶
薄膜の上面および下面を２枚の透明電極で挾み、これら
の電極間に電圧を加えないときは、光を散乱して不透明
であるが（オフ状態・消燈状態）、適当な大きさの電圧
を加えると、光が透過し透明になる（オン状態・点燈状
態）。この特性を利用することにより、固定表示パタン
の反射型の表示素子を、従来の液晶表示素子と同様に実
現することができる。この高分子分散型液晶表示素子
は、従来の液晶表示素子で必要である偏光板が不要であ
るので、視野角が広く、明るい、また、液晶分子を規則
的に配列させる必要がないので、配向膜が不要である、
等の長所を有する。このような技術は、例えば、米国特
許第４，４３５，０４７号に記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】高分子分散型液晶を用
いた液晶表示素子として、複数個の透明電極セグメント
を組み合わせて、あるいは１個の所定の形状の透明電極
セグメントにより、固定パタン表示を行なう反射型の表
示素子が１つの有効な応用分野である。

【０００４】図４（ａ）は、従来の固定パタン表示を行
なう、反射型の高分子分散型液晶表示素子の概略外観斜
視図である。

【０００５】１は液晶表示素子、２は液晶表示素子１の
表面、３はそれぞれ固定パタン表示を行なう固定パタン
表示区画である。

【０００６】図４（ｂ）は、従来の液晶表示素子の主要
構成要素の組立分解斜視図である。

【０００７】１０は高分子材料の中に液晶を分散させた
高分子分散型液晶薄膜、２０、３０はそれぞれ液晶薄膜
１０の上下を挾んでいる上電極基板、下電極基板で、ガ
ラス板やプラスチック板で形成されている。２１、３１
はそれぞれ上電極基板２０、下電極基板３０の内側表面
上に設けた上透明電極、下透明電極で、通常、ＩＴＯ膜
で形成されている。これらの上透明電極２１、下透明電
極３１は、それぞれ固定表示パタンに対応した各種の形
状、例えば矩形、三角形、円などの図形パタン、文字パ
タンや絵柄パタンにパターニングされ（図では簡単に矩
形で示されている）、図示しない配線により基板外周部
に設けられた外部接続用パッドに電気的に接続されてい
る。これらの配線および外部接続用パッドも各透明電極
と同一の層のパターニングにより形成されている。な
お、固定パタンを表示する液晶表示素子の場合は、下電
極基板３０の下透明電極３１は、通常、パターニングし
ないで下電極基板３０の全面に形成する。また、２２、
３２はそれぞれ上下透明電極２１、３１の上にＳｉＯ_x
などの絶縁膜で形成された保護膜であるが、設けなくて
もよい。

【０００８】４０は上電極基板２０の上に設けた枠板
で、４１は枠板４０に設けた表示窓である。枠板４０
は、固定パタン表示区画（図４（ａ）の符号３）に対応
する部分に表示窓４１が位置し、固定パタン表示区画以
外の部分を覆うようになっている。また、枠板４０は例
えば紙やプラスチックなどで形成されている。５０は枠
板４０を覆う上透明保護フィルムで、液晶薄膜１０の液
晶材料が紫外線カット材が含有されている。

【０００９】６０は下電極基板３０の下に設けられた反
射板で、６１はそれぞれ反射板６０上の固定表示パタン
に対応する箇所に設けられ、表示パタンの表示色を決定
する任意の色で光を反射する螢光性カラー印刷したカラ
ー反射膜である。反射板６０は例えば紙やプラスチック
などで形成されている。すなわち、表示画面側（上透明
保護フィルム５０側）から入射し、固定表示パタンの点
燈時に液晶薄膜１０を透過した光がこのカラー反射膜６
１により表示画面側に反射されて、表示パタンがそのカ
ラー反射膜６１の色に表示される。

【００１０】７０は反射板６０の下に設けられた下カバ
ーフィルムであり、プラスチックなどで形成するが、設
けなくてもよい。

【００１１】表示器を有する各種機器においては、高性
能、高機能、使い易さ等が求められることに伴い、表示
器に対しても、（１）固定表示パタンのイメージ化（文
字から絵・シンボル化）による瞬時認識の容易さ、
（２）多色化による視認性の向上、（３）表示できる情
報の量（以下、表示情報量と称す）の増大、（４）静止
パタンから可動パタン化による注意喚起力の向上、等が
求められている。これらの要望に対して、図４（ａ）、
（ｂ）に示した従来の反射型の高分子分散型液晶表示素
子では、固定表示パタンは、例えば矩形、三角形、円な
どの図形パタン、文字パタンや絵柄パタン（図４
（ａ）、（ｂ）では矩形）にパターニングされ、また、
固定表示パタンは、カラー反射膜６１の色により着色さ
れているので、上記の（１）、（２）については実現さ
れている。しかし、固定パタンを表示する各種の固定パ
タン表示区画３により表示するため、（３）について十
分実現されておらず、また、固定パタン表示の静止パタ
ンしか表示していないので、（４）については実現され
ておらず、表示パタンが目立ちにくかった。

【００１２】本発明の目的は、表示情報量を増大し、ま
た、静止パタンから可動パタン化して表示を目立たせ、
注意喚起力を向上することができる液晶表示素子を提供
することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の液晶表示素子は、少なくとも１個の所定
の形状の透明電極セグメントを点燈・消燈させて固定パ
タン表示を行なう固定パタン表示部と、多数の透明電極
ドットを点燈・消燈させて任意パタン表示を行なう任意
パタン表示部とを同一表示面上に設けたことを特徴とす
る。

【００１４】また、本発明の液晶表示素子は、１個の固
定パタン表示区画内に、所定の形状の点燈・消燈可能な
透明電極セグメントを複数個設けたことを特徴とする。

【００１５】また、本発明の液晶表示素子は、１個の固
定パタン表示区画内に、所定の形状の点滅可能な透明電
極セグメントを少なくとも１個設けたことを特徴とす
る。

【００１６】さらに、本発明の液晶表示素子は、１個の
固定パタン表示区画内に、所定の形状の透明電極セグメ
ントを複数個設け、かつ、上記各透明電極セグメントが
順次点燈可能になっていることを特徴とする。

【００１７】なお、上記固定パタン表示区画は、１個設
けてもよいし、複数個設けてもよい。

【００１８】

【作用】本発明の液晶表示素子では、所定の形状の透明
電極セグメントを点燈・消燈させて固定パタン表示を行
なう固定パタン表示部と、多数の透明電極ドットを点燈
・消燈させて任意パタン表示を行なう任意パタン表示部
とを同一表示面上に設けたので、表示情報量が増大す
る。

【００１９】また、１個の固定パタン表示区画内に、所
定の形状の点燈・消燈可能な透明電極セグメントを複数
個設けたので、表示情報量が増大する。

【００２０】また、１個の固定パタン表示区画内に、所
定の形状の点滅可能な透明電極セグメントを少なくとも
１個設けたので、表示パタンが目立ち、注意喚起力が向
上する。

【００２１】さらに、１個の固定パタン表示区画内に、
所定の形状の透明電極セグメントを複数個設け、かつ、
上記各透明電極セグメントが順次点燈可能になっている
ので、表示パタンが目立ち、注意喚起力が向上する。

【００２２】

【実施例】

実施例１ 図１は、本発明の液晶表示素子の第１の実施例を示す図
で、液晶表示素子の表示面の概略平面図である。

【００２３】本実施例では、所定の形状の透明電極セグ
メントを点燈・消燈させて固定パタン表示を行なう各種
の固定パタン表示区画３を有する固定パタン表示部１０
０と、多数の透明電極ドットを点燈・消燈させて任意パ
タン表示を行なう任意パタン表示部２００とを同一表示
面２上に設けたハイブリッド構成である。固定パタン表
示部１００を構成する固定パタン表示区画３は、それぞ
れ各種の形状、例えば矩形、三角形、円などの図形パタ
ン、文字パタンや絵柄パタン等の直感的に理解できるシ
ンボルパタンを多色固定表示するが、固定パタン表示区
画３は、図では簡単に矩形で示されている。この固定パ
タン表示部１００は、鮮明で見やすい表示を行なう。一
方、任意パタン表示部２００は、多数の透明電極ドット
（図示省略）により、各種の不定形な情報の表示を行な
う。例えば数字や文字の列のような表示である。この任
意パタン表示部２００は、例えば、補助的な情報を詳細
に表示する場合などに利用し、表示占有面積は１行分程
度でよい。これに対して、固定パタン表示部１００は、
大きな表示占有面積を有する。なお、任意パタン表示部
２００の表示パタンの鮮明さは、固定パタン表示部１０
０のように鮮明でなくてもよい。また、任意パタン表示
部２００は、高分子分散型液晶表素子ではなく、ＴＮ
（ツイスティド・ネマチック）液晶を用いた液晶表示素
子を用いてもよい。

【００２４】本実施例では、固定パタン表示部１００
と、多数の透明電極ドットを点燈・消燈させて表示する
任意パタン表示部２００とを設けたので、表示情報量が
増大する。

【００２５】実施例２ 図２（ａ）、（ｂ）は、それぞれ本発明の液晶表示素子
の第２の実施例を示す図で、透明電極セグメント（透明
電極パタン）の平面図である。

【００２６】本実施例は、固定パタンを表示する１個の
固定パタン表示区画に対して、従来は１個の固定パタン
を表示していたのに対して、１個の固定パタン表示区画
内に、所定の形状の点燈・消燈可能な透明電極セグメン
トを複数個設け、複数個の固定パタン（複数の情報）を
表示するようにしたものである。

【００２７】図２（ａ）は、その第１の例を示し、１個
の固定パタン表示区画３において、２個の情報、例えば
「ＯＮ（オン）」と「ＯＦＦ（オフ）」、あるいは「正
常」と「異常」などの状態を表示する例を示す。図２
（ａ）において、１個の固定パタン表示区画３を、中央
の透明電極セグメント（透明電極パタン）３ａと、上下
の透明電極セグメント３ｂ、３ｃの３個のパタンから構
成し、透明電極セグメント３ａに「ＯＮ」または「正
常」と文字パタンを形成しておき、カラー反射膜（図４
（ｂ）の符号６１参照）等を使用して緑色で反射表示
し、透明電極セグメント３ｂ、３ｃに「ＯＦＦ」または
「異常」と文字パタンを形成しておき、赤色で反射表示
するようになっており、３ａ、または３ｂと３ｃのどち
らかを選択表示するようになっている。透明電極セグメ
ント３ｂと３ｃは、図示のように同一の配線に接続され
ている。

【００２８】図２（ｂ）は、第２の例を示し、１個の固
定パタン表示区画３において、２個の記号「○」と
「×」のいずれかを表示する場合で、透明電極セグメン
トの平面図である。「○」を表示するための４個の透明
電極セグメント３ｄと、「×」を表示するための１個の
透明電極セグメント３ｅとからなっており、「○」と
「×」が交差する部分で透明電極セグメント３ｄと３ｅ
が短絡（ショート）しないように、図に例示したような
形で透明電極セグメント３ｄと３ｅとが分離している。
なお、４個の透明電極セグメント３ｄは、それぞれ図示
のように同一の配線に接続されている。

【００２９】図２（ａ）、（ｂ）では、２種類の表示パ
タンを表示する例を示したが、３種類以上の固定パタン
（情報）を１個の固定パタン表示区画３内で表示させる
ことも可能であることは言うまでもない。

【００３０】本実施例では、１個の固定パタン表示区画
３内に、所定の形状の点燈・消燈可能な複数個の透明電
極セグメント３ａ〜３ｃ、あるいは３ｄと３ｅを設けた
ので、「ＯＮ」と「ＯＦＦ」、「正常」と「異常」、あ
るいは「○」と「×」などの複数情報表示を１個の固定
パタン表示区画３で行なうことができ、従来、これらの
各表示をそれぞれ１個の固定パタン表示区画を使用して
表示していた場合に比べ、表示情報量が増大する。

【００３１】実施例３ 図３（ａ）〜（ｅ）は、それぞれ本発明の第３の実施例
を示す図で、透明電極セグメントの平面図である。

【００３２】本実施例は、表示を目立たせ、注意喚起力
を向上するために、可動パタン化したものである。

【００３３】図３（ａ）は、可動パタンの第１の例を示
し、各種の形状の図形パタン、文字パタンや絵柄パタン
等の直感的に理解できるシンボルパタンを多色固定表示
する固定パタン表示区画３を点滅する例である。図では
簡単に矩形で示されている。これにより、従来の静止表
示に比べて、はるかに目立った表示になり、注意喚起力
が向上する。なお、１個の固定パタン表示区画３を構成
する透明電極セグメントは、１個でも複数個でもよい。

【００３４】図３（ｂ）は、可動パタンの第２の例を示
し、１個の固定パタン表示区画３内に、所定の形状の複
数個の透明電極セグメント（透明電極パタン）３ｆ₁、
３ｆ₂、３ｆ₃、３ｆ₄、３ｆ₅を設け、これらの透明電極
セグメント３ｆ₁〜３ｆ₅を例えば左から右に順次点燈表
示させる棒グラフ表示の例である。

【００３５】図３（ｃ）は、可動パタンの第３の例を示
し、それぞれ長方形の透明電極セグメント３ｆ₁、３
ｆ₂、３ｆ₃、３ｆ₄、３ｆ₅を例えば左から右に順次点燈
表示させる例である。

【００３６】図３（ｄ）は、可動パタンの第４の例を示
し、それぞれ扇形の透明電極セグメント３ｆ₁、３ｆ₂、
３ｆ₃、３ｆ₄、３ｆ₅を例えば左から右に順次点燈表示
させる例である。

【００３７】図３（ｅ）は、可動パタンの第４の例を示
し、それぞれ同心円の透明電極セグメント３ｆ₁、３
ｆ₂、３ｆ₃、３ｆ₄、３ｆ₅を例えば中心から外側に向か
って順次点燈表示させる例である。

【００３８】図３（ｂ）〜（ｅ）に示した各実施例で
は、１個の固定パタン表示区画３内に、所定の形状の複
数個の透明電極セグメント３ｆ₁〜３ｆ₅を設け、上記各
透明電極セグメント３ｆ₁〜３ｆ₅が順次点燈可能になっ
ているので、表示パタンが目立ち、注意喚起力が向上す
る。すなわち、図３（ａ）〜（ｅ）に示した各実施例で
は、従来の静止パタン表示では目立たなかったのが、注
意を喚起すべき警告情報などを点滅や上下左右に順次点
燈・消燈する可動パタンで表示することにより、目立つ
表示を行なうことが可能である。

【００３９】図３（ｂ）〜（ｅ）に示した各実施例にお
いては、例えばスピードメータやガソリンメータ等、表
示情報内容の量や程度に応じて透明電極セグメント３ｆ
₁、３ｆ₂、３ｆ₃、３ｆ₄、３ｆ₅を徐々に点燈・消燈さ
せてもよいし、あるいは警告情報などのように表示を目
立たせるため、すべての透明電極セグメント３ｆ₁〜３
ｆ₅が順次点燈した後、すべて同時に、あるいは順次消
燈させることをある程度の速度で繰り返して、注意を喚
起してもよい。

【００４０】以上本発明を実施例に基づいて具体的に説
明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。例えば、同一表示面上に上記実
施例１〜３の構成を任意に工夫して組み合わせることが
できることは言うまでもない。すなわち、例えば図１に
示した第１の実施例において、図１の固定パタン表示区
画３を図２（ａ）、（ｂ）や図３（ａ）〜（ｅ）に示し
た第２、第３の実施例の構成にしてもよい。また、上記
実施例では、高分子分散型液晶表示素子に適用した例を
示したが、ＴＮ型やＳＴＮ型液晶を用いた液晶表示素子
にも適用することができる。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
素子では、固定パタン表示部と任意パタン表示部とを設
けたことにより、あるいは、１個の固定パタン表示区画
内で複数情報表示を行なうことにより、表示情報量を増
大させることができる。また、点滅または順次点燈表示
することにより、表示を目立たせることができ、注意喚
起力が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の液晶表示素子の表示面
の概略平面図である。

【図２】本発明の第２の実施例の液晶表示素子の透明電
極セグメントの平面図である。

【図３】本発明の第３の実施例の液晶表示素子の透明電
極セグメントの平面図である。

【図４】従来の固定パタン表示を行なう反射型の高分子
分散型液晶表示素子の概略外観斜視図と液晶表示素子の
主要構成要素の組立分解斜視図である。

【符号の説明】 １…液晶表示素子、２…液晶表示素子の表面、３…固定
パタン表示区画、３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄ、３ｅ、３ｆ
₁、３ｆ₂、３ｆ₃、３ｆ₄、３ｆ₅…透明電極セグメン
ト、１０…高分子分散型液晶薄膜、２０…上電極基板、
２１…上透明電極、２２、３２…保護膜、３０…下電極
基板、３１…下透明電極、４０…枠板、４１…表示窓、
５０…上透明保護フィルム、６０…反射板、６１…カラ
ー反射膜、７０…下カバーフィルム。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 箭内 雅弘 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所茂原工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも１個の所定の形状の透明電極セ
   グメントを点燈・消燈させて固定パタン表示を行なう固
   定パタン表示部と、多数の透明電極ドットを点燈・消燈
   させて任意パタン表示を行なう任意パタン表示部とを同
   一表示面上に設けたことを特徴とする液晶表示素子。