JP3744195B2 - 液晶装置、電子機器及び時計 - Google Patents

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    • G02F1/133528Polarisers
    • G02F1/133536Reflective polarizers

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶装置、特に反射型あるいは半透過反射型の液晶装置に関する。さらに、この液晶装置を搭載した電子機器、特にコンビネーション・ウォッチに代表される時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯して使用される電子機器には、反射型あるいは半透過反射型の液晶装置が利用されている。これらの液晶装置は、従来から実用一点張りであり、くすんだ薄緑色背景に黒の表示のものしかなかった。透過型の液晶装置が、鮮やかなフルカラー表示を行っている状況とは対照的である。ところが、ウォッチや携帯電話が大衆化し多くの若者に行き渡るようになってから、液晶装置にもファッショナブルであることが求められるようになった。最近のウォッチや携帯電話に、カラー偏光板によって着色した反射型液晶装置や、鮮やかな青や赤のバックライトを利用した半透過反射型液晶装置が利用され始めている状況は、このような背景によるものである。しかしながら、こうした着色液晶装置は、もう20年以上も前に考案されたものであり、必ずしも十分な表示特性を持つものではない。また色を付けることだけが、ファッショナブルである要件でもない。そこで、本発明では、携帯電子機器に適した、ファッショナブルでかつ目新らしい表示を提供したい。本発明の説明をする前に、まず従来のデジタル・ウォッチとコンビネーション・ウォッチに利用されている液晶装置を紹介する。
【0003】
デジタル・ウォッチは、時刻と月日、曜日の表示を主に、必要に応じてアラーム設定やストップウォッチ表示に切り替えて利用される。表示を見やすくするため、あるいはデザイン上の都合によって、背景に固定表示を備えたり、部分的に着色することもある。
【0004】
図13に従来のデジタル・ウォッチの表示部に用いられている液晶装置の断面構造を示す。図13において、1301は第一の吸収型偏光板、1302は位相差フィルム、1303は上側ガラス基板、1304は透明電極、1305は液晶層、1306はシール部、1307は下側ガラス基板、1308は第二の吸収型偏光板、1309は光散乱反射板である。1309上には、目盛りや文字、背景色等を塗料で印刷した部分1310を備えることもある。位相差板1302はSTN液晶の表示の着色を補償するためのものであって、TN液晶を利用する場合には必要ない。
【0005】
一方、コンビネーション・ウォッチは、アナログ・デジタル複合型の腕時計を指し、時刻表示を行うアナログ表示部と、カレンダー表示等のデータ表示を行うデジタル表示部を合わせ持つことを特徴とする。10数年前に市場に登場した当初は、アナログ時計の文字盤の片隅に小さなデジタル表示部を備えたタイプが主体であったが、その後アナログ時計の前面にデジタル表示部を重ねたタイプが発売され、より多くの情報が表示できるようになった。
【0006】
図10にコンビネーション・ウォッチの外観を示す。1001と1002はアナログ表示部であり、1001が時計の針、1002が時計の目盛りである。1003と1004はデジタル表示部であり、1003が日付表示、1004がカレンダー表示である。デジタル表示部はアナログ表示部の上に位置している。時刻表示は、伝統的な時針分針によるアナログ表示の方が、アナログ表示よりも直感的な認識性において優れている。一方ストップ・ウォッチや、カレンダー表示、電話番号表示等のデータ表示は、デジタル表示でなければならない。最近では、ウォッチにページャ機能や簡単な情報処理機能を盛り込む動きもあり、ますますコンビネーション・ウォッチのニーズが高まっている。
【0007】
図14に従来のコンビネーション・ウォッチの表示部に用いられている液晶装置の断面構造を示す。図14において、1401は第一の吸収型偏光板、1402は位相差フィルム、1403は上側ガラス基板、1404は透明電極、1405は液晶層、1406はシール部、1407は下側ガラス基板、1408は第二の吸収型偏光板、1409は機械式の表示部材、1410は目盛りや文字等を塗料で印刷した部分、1411は光散乱反射板である。1409は時計の針の部分であり、1410と1411は時計の文字盤の部分である。機械式の表示部材を1411を挟んで反対側に位置する駆動部につなぐため、1411には穴が開けてある。第二の吸収型偏光板と光散乱反射板との間に空隙があって、そこに機械式表示機があることを除けば、その構造は図13の従来のデジタル・ウォッチと全く同様である。
【0008】
次に従来のコンビネーション・ウォッチに利用されている液晶装置の表示原理について説明する。図15において1501は第一の吸収型偏光板、1502は位相差フィルム、1503は上側ガラス基板、1504は下側ガラス基板、1505は第二の吸収型偏光板、1506は機械式の表示部材、あるいは目盛りや文字等を塗料で印刷した部分、1507は光散乱反射板、1508は非選択領域の液晶、1509は選択領域の液晶である。
【0009】
ここで機械式の表示部材や塗料が無い領域を考える。上方より入射した外光1511、1512は、第一の吸収型偏光板1501によって直線偏光に変換される。その後、位相差フィルムと液晶パネルによって様々に変調されるが、第二の吸収型偏光板1505に入射する際には、ほぼ直線偏光に戻る。但し液晶パネルの非選択領域を通過した光と選択領域を通過した光とでは、その直線偏光は互いに直交している。そこで非選択領域を通過した光を透過し、選択領域を通過した光を吸収するよう、あらかじめ第二の吸収型偏光板を配置しておく。非選択領域では、第二の吸収型偏光板を透過した光が光散乱反射板1507で反射し、先程と同じ経路を通って上方に出射するために明表示となる。一方選択領域では、第二の吸収型偏光板で光が吸収されるために、暗表示となる。このようにして明表示背景に暗表示が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来の液晶装置には少なくとも三つの課題があった。
【0011】
第一の課題は、表示が暗いことである。特にこれでコンビネーション・ウォッチのデジタル表示部を構成すると、時計の針や目盛りが暗くて見づらくなった。これは2枚の偏光板1401と1408(1501と1505)によって、外から入射する光のおよそ60%が吸収されるためである。またバックライトを利用しようと半透過反射型構成にすると、さらに暗くなった。これは半透過反射板が入射光の50〜70%しか反射しないからである。
【0012】
第二の課題は、表示に色を付け難いことである。反射板に色を付ける方法では、背景が色づくだけであり、しかも暗い。カラー偏光板を用いる方法は、点灯部に色が付けられる点で優れているが、背景にもうっすらとカラー偏光板の色が見える。これは一般にカラー偏光板の偏光度が高くないためである。
【0013】
第三の課題は、表示の影である。例えばコンビネーション・ウォッチの場合、液晶パネルのデジタル表示が、時計の針1409や、目盛りや文字を印刷した部分1410の上に影を落とし、アナログ表示を見づらくする。図15を用いて説明する。機械式の表示部材や塗料の部分に差し込む外光1521、1522は、1511や1512と同様の経路を通って非選択領域の光だけが機械式の表示部材や塗料の部分に達する。選択領域の光は、既に第二の吸収型偏光板によって吸収されている。従って液晶パネルの選択領域の影が、機械式の表示部材や塗料の部分に落ちる。このように、液晶パネルのデジタル表示の影が、時計の針や文字盤を見づらくする。
【0014】
コンビネーション・ウォッチのように、液晶パネルと反射板の間に空隙が存在すると表示が背景に対して浮いて見える。表示が浮いて見えること自体は好ましい。使い方やデザイン次第では、面白い表示になり得る。何も無いように見える空間から、突然文字が浮かび上がってくる。しかもその文字が鮮やかに着色している。あるいは、その文字が光る。こうした表示は、ファッショナブルでかつ目新らしいと言えるだろう。
【0015】
そこで本発明は、明るく、表示が浮いて見える液晶装置、またその表示に色を付けたり、光らせたりすることができる液晶装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶を挟持した液晶パネルと、前記液晶パネルの一方の側に配置した偏光板と、前記液晶パネルに対して前記偏光板とは反対側に配置した反射型偏光板と、を備え、前記反射型偏光板と前記液晶パネルとの間には背面表示のための部材が設けられているとともに、前記背面表示のための部材と前記液晶パネルとを所定距離隔てて配置したことを特徴とする。
【0017】
本発明において、偏光板とは所定方向の直線偏光成分の光を吸収し、それとは異なる所定方向の直線偏光成分の光を吸収する偏光板を指し、反射型偏光板とは、所定方向の直線偏光成分の光を反射し、それとは異なる所定方向の直線偏光成分の光を透過する反射型偏光板を指す。反射型偏光板の具体的な例としては、面内に屈折率異方性を有する第一の層と面内に屈折率異方性を有しない第二の層を交互に多数積層して構成される反射型偏光板や、コレステリック液晶高分子と1/4波長板を組み合わせた反射型偏光板を用いることができる。
【0018】
また、背面表示のための部材とは、具体的には、時計の針に代表される機械式の表示部材、反射型偏光板上に印刷などによって形成した着色層や吸収層などを用いることができるが、反射型偏光板による反射光を遮光あるいは着色することによって何らかの表示をおこなうものであればよい。
【0019】
本発明の液晶装置にあっては、反射型偏光板によって反射された光による明表示と、反射型偏光板を光が透過する暗表示とによる液晶表示が得られる。その際、液晶表示が背面表示に対して浮き上がって表示されるので非常に変化に富んだ表示が可能となる。
【0020】
液晶表示の浮き上がりの度合は、液晶層と背面表示のための部材との距離、言い換えれば、液晶パネルの下側の基板厚みと、液晶パネルと背面表示を行う部材との距離と、の和に依存する。しかしながら、通常液晶パネルの基板としてはその厚みが0.7mmより小さいものが用いられる場合が多く、この0.7mmのみでは浮き上がりの効果が小さい。
【0021】
そのため、本願発明においては、液晶パネルと背面表示のための部材との距離を所定間隔離して配置し、浮き上がりの効果を高めている。具体的には、所定間隔を0.3mm以上設けて液晶層と最も液晶層との距離が離れた部材との距離とを1.0mmとすれば浮き上がり表示が効果的に現われる。反対に、部材と液晶層との距離とを10mm以上離してしまうと表示が暗くなる等の問題が生じてくるのであまり好ましくない。
【0022】
また、本発明においては反射型偏光板と液晶パネルとを所定間隔離して配置しているため、背面表示のための部材として、立体的なもの、例えば時計の針等を配置することができる。
【0023】
また、本発明の液晶装置にあっては、前記反射型偏光板を挟んで液晶パネルと反対側に、光源を備えると好ましい。
【0024】
こうすることによって、本発明による表示装置は、液晶表示を光源からの光によって光らせることができるので暗闇でも見やすいという効果がある。尚、光源は白色光源でも良いが、赤色や黄緑色のLEDや、青色ELのような着色光源の方がより望ましい。
【0025】
また光源と反射型偏光板の間に、グレーフィルムや吸収型偏光板を配置することによって、反射型表示で高いコントラストを得ることができる。
【0026】
また、本発明の液晶装置は、前記反射型偏光板に対して前記液晶パネルとは反対側に、特定の色を吸収する層を備えたことを特徴とする。
【0027】
このように構成したため、本発明の液晶装置は、液晶表示の暗表示を着色することが可能となり、その結果、浮いて見える表示に色を付けることができる。尚、特定の色を吸収する層としては、カラーフィルムやカラー偏光板が利用できる。またこの層を挟んで反射型偏光板と反対側に、反射板を設けると、より明るいカラー表示が得られる。
【0028】
また、本発明の液晶装置は、前記液晶パネルと反射型偏光板との間に光散乱板を備えたことを特徴とする。
【0029】
このような構成とすれば、表示が白濁するため、液晶表示における明表示が白くなる。
【0030】
この場合においては、背面表示のための部材として、光散乱板の一部の領域に設けられた着色層又は吸収層を設けるとよい。
【0031】
また、前記背面表示のための部材は、機械式の表示部材であることを特徴とする。機械式の表示部材とは、具体的には時計の針等のように機械的に動作する物を指す。
【0032】
このように構成すれば、機械的動作による動的な表示の上に液晶表示が浮かび上がってみえる画期的な表示が可能となる。
【0033】
また、本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶を挟持した液晶パネルと、前記液晶パネルの一方の側に配置した偏光板と、前記液晶パネルに対して前記偏光板とは反対側に配置した反射型偏光板と、前記液晶パネルと前記反射型偏光板との間に配置した機械式の表示部材と、を備えることを特徴とする。
【0034】
本発明において、偏光板とは所定方向の直線偏光成分の光を吸収し、それとは異なる所定方向の直線偏光成分の光を吸収する偏光板を指し、反射型偏光板とは、所定方向の直線偏光成分の光を反射し、それとは異なる所定方向の直線偏光成分の光を透過する反射型偏光板を指す。反射型偏光板の具体的な例としては、面内に屈折率異方性を有する第一の層と面内に屈折率異方性を有しない第二の層を交互に多数積層して構成される反射型偏光板や、コレステリック液晶高分子と1/4波長板を組み合わせた反射型偏光板を用いることができる。
【0035】
また、機械式の表示部材とは、具体的には、時計の針に代表される機械的に動作する部材を指す。
【0036】
本発明の液晶装置にあっては、反射型偏光板によって光が反射される明表示と、反射型偏光板を光が透過する暗表示とによる液晶表示が得られる。一方、機械式の表示部材は、液晶表示の状態に関らず常に表示がなされる。これは、機械式の表示部材が反射型偏光板と液晶パネルとの間に位置しているため、使用者が常に機械式の表示部材による反射光又は散乱光をみることとなるからである。つまり、機械式の表示部材が液晶表示における暗表示の影になって視認できなくなるという従来技術における課題は解決する。
【0037】
また、 前記機械式の表示部材と前記反射型偏光板との間に光散乱板を設けたことを特徴とする。
【0038】
このようにすれば、液晶表示における明表示を白くすることができる。
【0039】
また、反射型偏光板を挟んで液晶パネルと反対側に、光源を備えたことを特徴とする。
【0040】
このようにすれば半透過反射型の表示装置が実現する。
【0041】
本発明の電子機器は、液晶装置をその表示部として備える電子機器であって、前記液晶装置は、一対の基板間に液晶を挟持した液晶パネルと、前記液晶パネルの一方の側に配置した偏光板と、前記液晶パネルに対して前記偏光板とは反対側に配置した反射型偏光板と、を備え、前記反射型偏光板と前記液晶パネルとの間には背面表示のための部材が設けられているとともに、前記背面表示のための部材と前記液晶パネルとを所定距離隔てて配置したことを特徴とする。
【0042】
また、本発明の時計は、機械的に動作する針によって時刻を表示する時計であって、 一対の基板間に液晶を挟持した液晶パネルと、前記液晶パネルの一方の側に配置した偏光板と、前記液晶パネルに対して前記偏光板とは反対側に配置した反射型偏光板と、を備え、前記反射型偏光板と前記液晶パネルとの間には前記針が設けられているとともに、前記針と前記液晶パネルとを所定距離隔てて配置したことを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0044】
(実施例1)
図1は本発明の液晶装置の構造の要部を示す図である。まず構成を説明する。図1において、101は吸収型偏光板、102は位相差フィルム、103は上側ガラス基板、104は透明電極、105は液晶層、106はシール部、107は下側ガラス基板、108及び109は背面表示のための部材であり、108は機械式の表示部材としての時計の針、109は着色層として、目盛りや文字等を塗料で印刷した部分、110は光散乱板、111は反射型偏光板、112は光吸収板である。101と102、102と103、110と111、111と112は、それぞれ互いに糊で接着している。また107と110との間には、約0.7mmの空隙113が存在する。下側ガラス基板の厚みが0.4mm、光散乱板の厚みが0.1mmであるから、液晶層と反射型偏光板との距離dは約1.2mmである。また、109と液晶層の距離は1.0mmであり、108と液晶層との距離は0.7mmとしてある。
【0045】
上下の透明電極104の間は広く離して描いてあるが、これは図を明解にするためであって、実際には数μmから十数μmの狭いギャップを保って対向している。また機械式の表示部材を111を挟んで反対側に位置する駆動部につなぐため、110、111、112にはこれを貫通する穴が開けてある。なお図示した構成要素以外にも、液晶配向膜や絶縁膜、スペーサー・ボール、ドライバーIC、駆動回路等の要素も不可欠であるが、これらは本発明を説明する上で特に必要が無く、却って図を複雑にし理解し難くする恐れがあるため、省略した。
【0046】
次に各構成要素について順に説明する。吸収型偏光板101は所定の直線偏光成分を吸収し、それ以外の偏光成分を透過する機能を有している。これは現在最も一般に利用されているタイプの偏光板であって、ヨウ素等のハロゲン物質や二色性染料を高分子フィルムに吸着させて作製する。
【0047】
位相差フィルム102は、例えばポリカーボネート樹脂の一軸延伸フィルムであって、STN型液晶装置の表示の着色を補償するために利用される。TN型液晶装置の場合には省略されることが多い。
【0048】
液晶層105は180度から270度ねじれたSTNネマチック液晶組成物から成る。表示容量が小さい場合には90°ねじれたTN液晶組成物を用いても良い。ねじれ角は上下ガラス基板表面における配向処理の方向と、液晶に添加するカイラル剤の分量で決定する。
【0049】
機械式の表示部材108は時計の針の部分であり、時針と分針からなる。必要に応じて、これに秒針を加えても良い。
【0050】
光散乱板110には、型押ししたプラスチック板や、ビーズを分散したプラスチック板等が利用できる。但し光散乱と言っても、偏光を乱さない程度の弱い散乱でなければならない。多重散乱が起こるほどの強い散乱板では、コントラストが低下する。この光散乱板は、鏡面に近い反射型偏光板の反射光を適度に拡散させる目的で配置する。
【0051】
光吸収板112には、黒色ビニールシートや黒紙を接着するか、黒色塗料を直接塗布して利用する。なお、黒色以外にも比較的暗い色ならば、青色や茶色、灰色など好みによって利用できる。
【0052】
反射型偏光板111としては、複屈折性の誘電体多層膜を利用した。この複屈折性の誘電体多層膜は、所定の直線偏光成分を反射し、それ以外の偏光成分を透過する機能を有する。このような反射型偏光板については、国際公開された国際出願(国際出願の番号:WO95/17303、WO95/17691、WO95/17692、WO95/17699、WO95/27919、WO96/19347、WO97/01439、WO97/01440、WO97/01610、WO97/01726、WO97/01774、WO97/01778、WO97/01780、WO97/01781、WO97/01788、WO97/01789、WO97/07653)にreflective polarizer として開示されている。またこのような反射型偏光板は3M社からD−BEF(商品名)として発売されており、一般に入手可能である。
【0053】
反射型偏光板の構成と機能について、図2を用いて説明する。図2は複屈折性の誘電体多層膜を示す図であって、二種類の高分子層201、202を交互に積層して成る。二種類の高分子は、一つは光弾性率が大きい材料から、もう一つは光弾性率が小さい材料から選ばれるが、その際に両者の常光線の屈折率が概ね等しくなるよう留意する。例えば、光弾性率の大きい材料としてPEN(2,6−ポリエチレン・ナフタレート)を、小さい材料としてcoPEN(70−ナフタレート/30−テレフタレート・コポリエステル)を選ぶことができる。両フィルムを交互に積層し、図2の直交座標系203のx軸方向に適度に延伸したところ、x軸方向の屈折率がPEN層において1.88、coPEN層において1.64となった。またy軸方向の屈折率はPEN層でもcoPEN層でもほぼ1.64であった。この積層フィルムに法線方向から光が入射すると、y軸方向に振動する光の成分はそのままフィルムを透過する。これが透過軸である。一方x軸方向に振動する光の成分は、PEN層とcoPEN層が、ある一定の条件を満たす場合に限って、反射される。これが反射軸である。その条件とは、PEN層の光路長(屈折率と膜厚の積)と、coPEN層の光路長(屈折率と膜厚の積)の和が光の波長の2分の1に等しいことである。このようなPEN層とcoPEN層を各々数十層以上、出来れば百層以上積層させれば、x軸方向に振動する光の成分のほぼ全てを反射させることが出来る。もちろん、この条件は狭い波長範囲の光に対してしか満たすことが出来ないため、限られた色の光に対してのみ偏光能が生じる。そこでより広い波長範囲で偏光能を有する反射型偏光板は、異なる色の所定の直線偏光を反射するよう光路長を調整した複数の複屈折性の誘電体多層膜を、互いにその偏光軸(反射軸及び透過軸)が平行になるように積層することによって得る。
【0054】
このようにして作製した反射型偏光板は、通常の吸収型偏光板+反射板の構成と比較して、30%以上明るいという特徴を有している。その理由は二つある。一つは通常反射板に用いられる金属アルミニウムの反射率が90%弱しかない一方で、この反射型偏光板は反射軸に平行な光のほぼ100%を反射するからである。もう一つの理由は、通常の吸収型偏光板がヨウ素等のハロゲン物質や染料等の二色性物質を利用しており、その二色比が必ずしも高くないために、およそ20%もの光を無駄にしているからである。
【0055】
なお反射型偏光板としては、以上述べたような複屈折性の誘電体多層膜の他に、コレステリック相を呈する液晶ポリマーを利用することもできる。これは所定の円偏光成分を反射し、それ以外の偏光成分を透過する機能を有する。これを4分の1波長板と組み合わせると、所定の直線偏光成分を反射し、それ以外の偏光成分を透過する機能を持つ。このような反射型偏光板の詳細については、特開平8−271837号公報に開示されている。またこのような反射型偏光板は、Merck社からTransMax(商品名)という名称で発売されており、一般に入手可能である。
【0056】
光散乱板110、反射型偏光板111、光吸収板112は、いずれも薄いフィルムであるから、必要に応じてプラスチックの支持基盤等を配置しても良い。
【0057】
さて、本発明の液晶装置が従来の液晶装置と異なる点は二つある。一つは反射型偏光板を利用している点である。これによって、偏光を利用していても明るい表示が実現できることは、先に述べた通りである。もう一つは下側の偏光子の位置が、従来は機械式の表示部材や目盛り等の上であったが、本発明ではその下に位置している点である。この新しい構成によって、液晶パネルの表示の影が目立たないという新たな効果が生まれた。以下、詳しく説明する。
【0058】
図3は実施例1の液晶装置の表示原理を説明する図である。図3において301は吸収型偏光板、302は位相差フィルム、303は上側ガラス基板、304は下側ガラス基板、305は機械式の表示部材、あるいは目盛りや文字等を塗料で印刷した部分、306は反射型偏光板、307は光吸収板、308は非選択領域の液晶、309は選択領域の液晶である。
【0059】
まず機械式の表示部材や着色層が無い領域を考える。上方より入射した外光311、312は、吸収型偏光板301によって直線偏光に変換される。その後、位相差フィルムと液晶パネルによって様々に変調されるが、反射型偏光板306に入射する際には、ほぼ直線偏光に戻る。但し液晶パネルの非選択領域を通過した光と選択領域を通過した光とでは、その直線偏光は互いに直交している。そこで非選択領域を通過した光を反射し、選択領域を通過した光を透過するよう、あらかじめ反射型偏光板を配置しておく。非選択領域では、反射型偏光板を反射した光が先程と同じ経路を通って上方に出射するために明表示となる。一方選択領域では、反射型偏光板を透過した光が光吸収板307で吸収されるために暗表示となる。このようにして明表示背景に暗表示が行われる。この明表示は、反射型偏光板が高効率であるために、大変明るい。また反射型偏光板の選択反射波長の設計次第で、白色以外に、黄色、空色、ピンク色等、いかなる色でも取り得る。また暗表示も光吸収板の吸収色波長の設計次第で、黒色以外に、青色、茶色、緑色等、いかなる色でも取り得る。
【0060】
次に機械式の表示部材や塗料の部分に差し込む光を考える。外光321、322は、先程と同様の経路を通って機械式の表示部材や塗料の部分に達するが、その光は選択領域であるか否かに関係なく直線偏光である。しかも偏光板を1回だけ通った明るい光である。この光は機械式の表示部材や塗料の部分でかなり散乱されて、偏光を乱された後上方に出射する。従って選択領域と非選択領域との明るさの差はわずかであり、液晶パネルの選択領域は、時計の針や文字盤に影を落とさない。
【0061】
このようにして本発明の実施例1の液晶装置は、明るく影の少ない表示を実現した。また、表示が浮いて見えるという効果もあった。
【0062】
(実施例2)
図4は本発明の他の実施形態における液晶装置の構造の要部を示す図である。まず構成を説明する。図4において、401は吸収型偏光板、402は位相差フィルム、403は上側ガラス基板、404は透明電極、405は液晶層、406はシール部、407は下側ガラス基板、408及び409は背面表示のための部材であり、408は機械式の表示部材、409は着色層として目盛りや文字等を塗料で印刷した部分、410は反射型偏光板、411は光吸収板である。401と402、402と403、410と411は、それぞれ互いに糊で接着している。また上下の透明電極404の間は広く離して描いてあるが、これは図を明解にするためであって、実際には数μmから十数μmの狭いギャップを保って対向している。また機械式の表示部材を410を挟んで反対側に位置する駆動部につなぐため、410、411にはこれを貫通する穴が開けてある。なお図示した構成要素以外にも、液晶配向膜や絶縁膜、スペーサー・ボール、ドライバーIC、駆動回路等の要素も不可欠であるが、これらは本発明を説明する上で特に必要が無く、却って図を複雑にし理解し難くする恐れがあるため、省略した。なお各構成要素は、実施例1と同様のものを利用した。
【0063】
実施例2の液晶装置の特徴は、反射偏光子の上に光散乱板を備えないことによって、背景を鏡面にしたことにある。これによって、鏡面背景に黒の文字が浮かぶ大変目新しい表示が実現できた。また光吸収板411を拡散反射板に置き換えると、鏡面背景に白の文字が浮かぶ表示も可能である。もちろんこの表示も、実施例1と同様に、明るく影の少ない表示である。
【0064】
(実施例3)
図5は本発明の他の実施形態における液晶装置に係る液晶装置の構造の要部を示す図である。まず構成を説明する。図5において、501は吸収型偏光板、502は位相差フィルム、503は上側ガラス基板、504は透明電極、505は液晶層、506はシール部、507は下側ガラス基板、508及び509は背面表示のための部材であり、508は機械式の表示部材、509は目盛りや文字等を塗料で印刷した部分、510は光散乱板、511は反射型偏光板、512はカラーフィルタ、513は光反射板である。501と502、502と503、510と511、511と512、512と513は、それぞれ互いに糊で接着している。また上下の透明電極504の間は広く離して描いてあるが、これは図を明解にするためであって、実際には数μmから十数μmの狭いギャップを保って対向している。また機械式の表示部材を511を挟んで反対側に位置する駆動部につなぐため、510、511、512、513にはこれを貫通する穴が開けてある。なお図示した構成要素以外にも、液晶配向膜や絶縁膜、スペーサー・ボール、ドライバーIC、駆動回路等の要素も不可欠であるが、これらは本発明を説明する上で特に必要が無く、却って図を複雑にし理解し難くする恐れがあるため、省略した。
【0065】
次に各構成要素について順に説明する。カラーフィルタ512は、主にシアン色を吸収する赤色顔料をプラスチック・フィルムに塗布して得た。また光反射板513は、鏡面反射板であって、プラスチック・フィルムにアルミニウムを蒸着して得た。その他の各構成要素は、実施例1と同様のものを利用した。
【0066】
以上のように構成したことによって、実施例3の液晶装置は、白色背景に赤色の文字が浮かぶ表示になった。図6を用いてその原理を簡単に説明する。
【0067】
図6において601は吸収型偏光板、602は位相差フィルム、603は上側ガラス基板、604は下側ガラス基板、605は背面表示のための部材であり、は機械式の表示部材、あるいは目盛りや文字等を塗料で印刷した部分、606は反射型偏光板、607はカラーフィルタ、608は光反射板、609は非選択領域の液晶、610は選択領域の液晶である。
【0068】
まず機械式の表示部材や塗料が無い領域を考える。上方より入射した外光611、612は、吸収型偏光板601によって直線偏光に変換される。その後、位相差フィルム602と液晶パネルによって様々に変調されるが、反射型偏光板606に入射する際には、ほぼ直線偏光に戻る。但し液晶パネルの非選択領域を通過した光と選択領域を通過した光とでは、その直線偏光は互いに直交している。そこで非選択領域を通過した光を反射し、選択領域を通過した光を透過するよう、あらかじめ反射型偏光板を配置しておく。非選択領域では、反射型偏光板を反射した光が先程と同じ経路を通って上方に出射するために白色表示となる。一方選択領域では、反射型偏光板を透過した光のうちシアン色がカラーフィルタ607で吸収され、残る赤色が光反射板608で反射されるために赤色表示となる。このようにして白色背景に赤色表示が行われる。この白色表示は、反射型偏光板が高効率であるために、大変明るい。
【0069】
次に機械式の表示部材や塗料の部分に差し込む光を考える。外光621、622は、先程と同様の経路を通って機械式の表示部材や塗料の部分に達するが、その光は選択領域であるか否かに関係なく直線偏光である。しかも偏光板を1回だけ通った明るい光である。この光は機械式の表示部材や塗料の部分でかなり散乱されて、偏光を乱された後上方に出射する。従って選択領域と非選択領域との明るさの差はわずかであり、液晶パネルの選択領域は、時計の針や文字盤に影を落とさない。また、カラーフィルタは時計の針や文字盤よりも下に位置するから、その色に着色することも無い。
【0070】
なおカラーフィルタの色を変えることによって、白色背景に青色や緑色の表示を行うことも可能である。また、カラーフィルタの色を部分的に変えることによって、赤色の表示と黒色の表示を混在させることも可能である。但し、以上の方法でカラー表示を行う場合には、選択領域ができるだけ広くなるように設計しておいた方が、鮮やかな色が表示できる。何故ならば、斜め方向から非選択領域を通った光が選択領域に入射すると、この光は反射型偏光板の反射軸と直交しているために、表示が黒ずむからである。
【0071】
(実施例4)
図7は本発明に係る液晶装置の構造の要部を示す図である。まず構成を説明する。図7において、701は吸収型偏光板、702は位相差フィルム、703は上側ガラス基板、704は透明電極、705は液晶層、706はシール部、707は下側ガラス基板、708及び709は背面表示のための部材であり、708は機械式の表示部材、709は目盛りや文字等を塗料で印刷した部分、710は光散乱板、711は反射型偏光板、712は半光吸収板、713は光源である。701と702、702と703、710と711、711と712は、それぞれ互いに糊で接着している。また機械式の表示部材を711を挟んで反対側に位置する駆動部につなぐため、710、711、712、713には穴が開けてある。
【0072】
次に各構成要素について順に説明する。吸収型偏光板701、位相差フィルム702、液晶層705、光散乱板708、反射型偏光板709については、実施例1と同様のものを利用した。
【0073】
半光吸収板712としては、灰色の半透明フィルムが利用できる。灰色の半透明フィルムとしては、可視光の全波長範囲の光に対して10%以上80%以下、より好ましくは50%以上70%以下の透過率を有する散乱性のフィルムが適している。このようなフィルムは、例えば(株)辻本電機製作所から光拡散フィルムD202(商品名)という名称で発売されている。このフィルムは外観が灰色で、59%の透過率を有する。半光吸収板は、反射型液晶表示のコントラストを高めるために設けるものであって、無くても表示は可能である。また半光吸収板としては、他に、部分的に透明な光吸収フィルム、例えば肉眼では見えないほど微細な穴を多数設けた黒色フィルム等も利用できる。また透過型液晶表示のコントラスト向上も兼ねて、吸収型偏光板を用いることもできる。
【0074】
光源713としては、LED(発光ダイオード)や冷影極管を導光板と組み合わせて用いても良いが、実施例4においては淡緑色光を発するELを利用した。本発明で利用されるバックライトは、要は外光の反射が少なければ良い。図7の半光吸収板712、光源713の構成は、その一例である。その他にも、例えば半光吸収板を設けずに導光板の裏に光吸収板を設けるような構成であっても良い。また透明状態あるいは暗い散乱状態から発光するように設計されたELランプを利用すればもっと簡単な構成で済む。
【0075】
次に実施例4の液晶装置の表示原理について説明する。図8において801は吸収型偏光板、802は位相差フィルム、803は上側ガラス基板、804は下側ガラス基板、805は反射型偏光板、806は光源、807は非選択領域の液晶、808は選択領域の液晶である。機械式の表示部材と目盛りや文字等を塗料で印刷した部分は省略したが、804と805の間に位置する。
【0076】
まず光源806が発光していない場合、即ち反射型表示の場合を考える。上方より入射した外光811、812は、吸収型偏光板801によって直線偏光に変換される。その後、位相差フィルムと液晶パネルによって様々に変調されるが、反射型偏光板805に入射する際には、ほぼ直線偏光に戻る。但し液晶パネルの非選択領域を通過した光と選択領域を通過した光とでは、その直線偏光は互いに直交している。そこで非選択領域を通過した光を反射し、選択領域を通過した光を透過するよう、あらかじめ反射型偏光板を配置しておく。非選択領域では、反射型偏光板を反射した直線偏光が、先程と同じ経路を通って上方に出射するため明表示となる。一方選択領域では、反射型偏光板に入射した直線偏光が全て透過し、光源あるいはその前後の光吸収板で吸収されるため、暗表示となる。
【0077】
次に光源806が発光している場合、即ち透過型表示の場合を考える。半透過反射型の液晶装置で透過型表示を行う状況では、周囲が十分に暗いと考えられるから、外光811、812は無視できる。光源806から発せられた光813、814は、反射型偏光板805によって一方の直線偏光が反射され、もう一方の直線偏光が透過する。反射した直線偏光は、光源あるいはその前後の光吸収板で吸収される。透過した直線偏光は、液晶パネルと位相差フィルムで変調され、吸収型偏光板801で吸収され暗表示になる。一方、選択領域では同様に反射型偏光板を透過した光が、吸収型偏光板も透過して、明表示が得られる。
【0078】
このように実施例4の液晶装置は、実施例1の液晶装置の反射時の表示特性を損なうことなく、半透過反射型の表示を可能にした。また、その透過時の表示は、何も無いように見える空間に、光った文字が浮かぶ一種幻想的な表示になる。もちろんその発光色は、バックライトの選択によって、淡緑色以外に、赤、オレンジ、黄、青等にすることもできる。
【0079】
(実施例5)
図9は本発明の他の実施例に係る液晶装置の要部を示す図である。まず構成を説明する。図9において、901は吸収型偏光板、902は位相差フィルム、903は上側ガラス基板、904は透明電極、905は液晶層、906はシール部、907は下側ガラス基板、908は目盛りや文字等を塗料で印刷した部分、909は光散乱板、910は反射型偏光板、911は光吸収板である。901と902、902と903、909と910、910と911は、それぞれ互いに糊で接着している。また上下の透明電極904の間は広く離して描いてあるが、これは図を明解にするためであって、実際には数μmから十数μmの狭いギャップを保って対向している。なお図示した構成要素以外にも、液晶配向膜や絶縁膜、スペーサー・ボール、ドライバーIC、駆動回路等の要素も不可欠であるが、これらは本発明を説明する上で特に必要が無く、却って図を複雑にし理解し難くする恐れがあるため、省略した。なお各構成要素は、実施例1と同様のものを利用した。
【0080】
実施例5の液晶装置の特徴は、機械式の表示部材を備えていないことにある。例え機械式の表示部材が無くとも、光散乱板の上に何らかの目盛りや文字、模様等が印刷されていたり、光散乱板自体に凹凸があってその質感が認識できる場合には、表示が浮いて見えるという効果がある。
【0081】
(実施例6)
本発明の請求項7記載の電子機器の例を三つ示す。
【0082】
図10はコンビネーション・ウォッチの外観を示す図である。1001と1002はアナログ表示部であり、1001が時計の針、1002が目盛りである。1003と1004はデジタル表示部であり、1003が日付表示、1004がカレンダー表示である。デジタル表示部はアナログ表示部の上に位置している。
【0083】
図面上では従来のコンビネーション・ウォッチと変わりないが、明るさで3割以上改善されており、影も少なくすっきりした表示が実現した。また表示に赤や青の色をつけたり、好みの色に光らせることもできる。
【0084】
図11はデジタル・クロックの外観を示す図である。本体1101の前面にデジタル表示1102、その背後に固定表示1103を備える。デジタル表示は白背景に黒の液晶表示であり、固定表示は緑や青に着色したプラスチックを光散乱板上に接着したものである。このデジタル・クロックはELバックライトを備えており、上部のスイッチを押すことにより、デジタル表示を青く光らせることができる。
【0085】
図12はポケット・ゲーム機の外観を示す図である。本体1201の中央に液晶表示1202、その背後に固定表示1203を備える。液晶表示は、いずれも白背景であるが、表示色は場所によって異なり、黒や青、茶、赤の表示を行う。固定表示は光散乱板上に、黄色やシアン、黒色等の顔料で印刷したものである。このように、カラフルな表示がポケット・ゲーム機に適している。
【0086】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、明るく影の少ない液晶装置を提供することができる。また、表示が浮いて見えたり、その表示に色を付けたり光らせたりすることができる液晶装置を提供することができる。また、見やすいアナログ・デジタル複合表示を行う電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における液晶装置の構造の要部を示す図である。
【図2】本発明の液晶装置で用いた反射型偏光板の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例1における液晶装置の表示原理を説明する図である。
【図4】本発明の実施例2における液晶装置の構造の要部を示す図である。
【図5】本発明の実施例3における液晶装置の構造の要部を示す図である。
【図6】本発明の実施例3における液晶装置の表示原理を説明する図である。
【図7】本発明の実施例4における液晶装置の構造の要部を示す図である。
【図8】本発明の実施例4における液晶装置の表示原理を説明する図である。
【図9】本発明の実施例5における液晶装置の構造の要部を示す図である。
【図10】本発明の実施例6における電子機器(コンビネーション・ウォッチ)、及び従来の電子機器の、外観を示す図である。
【図11】本発明の実施例6における電子機器(デジタル・クロック)の、外観を示す図である。
【図12】本発明の実施例6における電子機器(ポケット・ゲーム機)の、外観を示す図である。
【図13】従来のデジタル・ウォッチの表示部に用いられている液晶装置の構造の要部を示す図である。
【図14】従来のコンビネーション・ウォッチの表示部に用いられている液晶装置の構造の要部を示す図である。
【図15】従来の液晶装置の表示原理を説明する図である。
【符号の説明】
101 吸収型偏光板
102 位相差フィルム
103 上側ガラス基板
104 透明電極
105 液晶層
106 シール部
107 下側ガラス基板
108 機械式の表示部材
109 目盛りや文字等を塗料で印刷した部分
110 光散乱板
111 反射型偏光板
112 光吸収板
113 空隙
201 光弾性率が大きい材料の層
202 光弾性率が小さい材料の層
203 直交座標系、x軸方向が延伸方向

Claims (9)

  1. 一対の基板間に液晶層を有する液晶パネルと、
    前記液晶パネルの一方の側に配置した偏光板と、
    前記液晶パネルに対して前記偏光板とは反対側に配置した反射型偏光板と、を備え、
    前記反射型偏光板と前記液晶パネルとの間には背面表示のための部材が設けられているとともに、前記背面表示のための部材と前記液晶パネルとを所定距離隔てて配置し、
    前記反射型偏光板を挟んで前記液晶パネルと反対側に設けられた光源と、
    前記光源と前記反射型偏光板との間に設けられ、可視光の全波長範囲の光に対して10%以上80%以下の透過率を有し、反射型表示の場合に、入射した外光が前記偏光板と前記液晶パネルとを介して前記反射型偏光板に入射し、該反射型偏光板において入射した光の一部が反射され、入射した光の残りが透過されたとき、この透過された光の一部を吸収する一方、透過型表示の場合には、前記光源から出射された光の一部を前記反射型偏光板側に透過させ、前記反射型偏光板を透過した光の一部を前記液晶パネルと前記偏光板とを介して出射させる半光吸収板と、を備えたことを特徴とする液晶装置。
  2. 請求項1記載の液晶装置であって、
    前記反射型偏光板に対して前記液晶パネルとは反対側に、特定の色を吸収する層を備えたことを特徴とする液晶装置。
  3. 請求項1記載の液晶装置であって、
    前記反射型偏光板と前記背面表示のための部材との間に光散乱板を備えたことを特徴とする液晶装置。
  4. 請求項3記載の液晶装置であって、
    前記背面表示のための部材は、前記光散乱板の一部の領域に設けられた着色層又は吸収層であることを特徴とする液晶装置。
  5. 請求項1記載の液晶装置であって、
    前記背面表示のための部材は、機械式の表示部材であることを特徴とする液晶装置。
  6. 一対の基板間に液晶層を有する液晶パネルと、
    前記液晶パネルの一方の側に配置した偏光板と、
    前記液晶パネルに対して前記偏光板とは反対側に配置した反射型偏光板と、
    前記液晶パネルと前記反射型偏光板との間に配置した機械式の表示部材と、を備え、
    前記機械式の表示部材と前記液晶パネルとを所定距離隔てて配置し、
    前記反射型偏光板を挟んで前記液晶パネルと反対側に設けられた光源と、
    前記光源と前記反射型偏光板との間に設けられ、可視光の全波長範囲の光に対して10%以上80%以下の透過率を有し、反射型表示の場合に、入射した外光が前記偏光板と前記液晶パネルとを介して前記反射型偏光板に入射し、該反射型偏光板において入射した光の一部が反射され、入射した光の残りが透過されたとき、この透過された光の一部を吸収する一方、透過型表示の場合には、前記光源から出射された光の一部を前記反射型偏光板側に透過させ、前記反射型偏光板を透過した光の一部を前記液晶パネルと前記偏光板とを介して出射させる半光吸収板と、を備えたことを特徴とする液晶装置。
  7. 請求項6記載の液晶装置であって、
    前記機械式の表示部材と前記反射型偏光板との間に光散乱板を設けたことを特徴とする液晶装置。
  8. 液晶装置をその表示部として備える電子機器であって、前記液晶装置は、
    一対の基板間に液晶層を有する液晶パネルと、
    前記液晶パネルの一方の側に配置した偏光板と、
    前記液晶パネルに対して前記偏光板とは反対側に配置した反射型偏光板と、を備え、
    前記反射型偏光板と前記液晶パネルとの間には背面表示のための部材が設けられているとともに、前記背面表示のための部材と前記液晶パネルとを所定距離隔てて配置し、
    前記反射型偏光板を挟んで前記液晶パネルと反対側に設けられた光源と、
    前記光源と前記反射型偏光板との間に設けられ、可視光の全波長範囲の光に対して10%以上80%以下の透過率を有し、反射型表示の場合に、入射した外光が前記偏光板と前記液晶パネルとを介して前記反射型偏光板に入射し、該反射型偏光板において入射した光の一部が反射され、入射した光の残りが透過されたとき、この透過された光の一部を吸収する一方、透過型表示の場合には、前記光源から出射された光の一部を前記反射型偏光板側に透過させ、前記反射型偏光板を透過した光の一部を前記液晶パネルと前記偏光板とを介して出射させる半光吸収板と、を備えたことを特徴とする電子機器。
  9. 機械的に動作する針によって時刻を表示する時計であって、
    一対の基板間に液晶層を有する液晶パネルと、
    前記液晶パネルの一方の側に配置した偏光板と、
    前記液晶パネルに対して前記偏光板とは反対側に配置した反射型偏光板と、を備え、
    前記反射型偏光板と前記液晶パネルとの間には前記針が設けられているとともに、前記針と前記液晶パネルとを所定距離隔てて配置し、
    前記反射型偏光板を挟んで前記液晶パネルと反対側に設けられた光源と、
    前記光源と前記反射型偏光板との間に設けられ、可視光の全波長範囲の光に対して10%以上80%以下の透過率を有し、反射型表示の場合に、入射した外光が前記偏光板と前記液晶パネルとを介して前記反射型偏光板に入射し、該反射型偏光板において入射した光の一部が反射され、入射した光の残りが透過されたとき、この透過された光の一部を吸収する一方、透過型表示の場合には、前記光源から出射された光の一部を前記反射型偏光板側に透過させ、前記反射型偏光板を透過した光の一部を前記液晶パネルと前記偏光板とを介して出射させる半光吸収板と、を備えたことを特徴とする時計。
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