JP2003121835A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2003121835A
JP2003121835A JP2002219570A JP2002219570A JP2003121835A JP 2003121835 A JP2003121835 A JP 2003121835A JP 2002219570 A JP2002219570 A JP 2002219570A JP 2002219570 A JP2002219570 A JP 2002219570A JP 2003121835 A JP2003121835 A JP 2003121835A
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Japan
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liquid crystal
polarizing plate
backlight
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crystal element
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JP2002219570A
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English (en)
Inventor
Yasushi Kaneko
金子  靖
Masashi Ide
昌史 井出
Takashi Akiyama
貴 秋山
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 それぞれ透明電極3,4を有する一対の
透明基板1,2の間に約90゜ツイスト配向しているネ
マチック液晶6を封入してなるTN液晶素子7を備え、
そのTN液晶素子7の視認側に第1の偏光板17を配置
し、視認側と反対側に順次第2の偏光板18と、円偏光
位相差板9と、コレステリック液晶ポリマーシート10
と、半透過光吸収部材15と、バックライト16とを配
置し、外光を用いる反射状態での表示とバックライト1
6を用いる透過状態での表示とで黒白関係が同じになる
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶表示装置に
関するもので、特に背景や表示部に色彩をつける単色カ
ラーの液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置の背景や表示部に色
をつける単色カラーの液晶表示装置としては、いくつか
の方式が提案さてれいる。第1の方式は、液晶表示素子
の外側にカラー偏光板を設けることによって単色カラー
の液晶表示装置とするもので、構成が簡単であり、一般
的に多用されている。第2の方式は、液晶表示素子のネ
マチック液晶に2色性色素を混合し、ネマチック液晶分
子の動作によりその2色性色素も一緒に動作させるよう
にした、単色カラーの液晶表示装置で、ゲストホスト方
式と呼ばれている。
【0003】しかし、このような従来の方式による単色
カラーの液晶表示装置は、いずれも白背景に染料や2色
性色素の色文字や色図形を表示するか、逆に染料や2色
性色素の背景色に白文字や白い図形を表示するので、コ
ントラストが低くなってしまう。また、染料や2色性色
素の数が限られるため、液晶表示装置としての色数も限
られるという問題もある。そこで、第3の方式として、
1枚の偏光板と、90゜ツイスト配向のTN液晶素子
(セル)と、円偏光位相差板(1/4λ板)と、コレス
テリック液晶ポリマ−シートと、光吸収部材とによって
構成した単色カラーの液晶表示装置が提案されている。
【0004】この方式による単色カラーの液晶表示装置
の表示原理を、図13によって説明する。この液晶表示
装置は、図13に示すように、偏光板8と、図示しない
90゜ツイスト配向のTN液晶素子と、円偏光位相差板
9と、コレステリック液晶ポリマーシート10と、光吸
収部材11とによって構成されている。この図の左側は
色を表示するオフ状態を示しており、偏光板8の透過軸
8bが円偏光位相差板9の遅相軸9aに対して右回り4
5゜になるように、偏光板8と円偏光位相差板9とを配
置している。そのため、偏光板8を透過した直線偏光
が、円偏光位相差板9を通過すると、右回りの右円偏光
となる。
【0005】コレステリック液晶ポリマーシート10
は、ねじれ方向10aが右回りで、ねじれピッチが光の
波長に近いので、このコレステリック液晶ポリマーシー
ト10に右円偏光が入射すると、散乱中心波長λを中
心に散乱バンド幅Δλの光が選択散乱現象により反射す
る。そして、黒い紙や黒いプラスチックシートからなる
光吸収部材11により、散乱バンド幅Δλ以外の波長領
域の光である透過光を吸収すると、鮮やかな反射色を得
ることができる。コレステリック液晶ポリマーの屈折率
をn、コレステリック液晶ポリマーのねじれピッチをP
と定義すると、散乱中心波長λ=n×Pとなり、コレ
ステリック液晶ポリマーのねじれピッチPを調整するこ
とによって、いろいろな反射色のコレステリック液晶ポ
リマーシート10を得ることができる。
【0006】一方、図13の右側は黒表示であるオン状
態を示しており、偏光板8の透過軸8aを90゜回転
し、透過軸8aが円偏光位相差板9の遅相軸9aに対し
て、左回り45゜になるように偏光板8と円偏光位相差
板9とを配置すると、円偏光位相差板9を通過した光は
左回りの左円偏光となる。したがって、ねじれ方向10
aが右回りのコレステリック液晶ポリマーシート10に
その左円偏光が入射しても、選択散乱は発生せず、すべ
ての左円偏光はコレステリック液晶ポリマーシート10
を透過し、光吸収部材11に吸収されるため、黒表示と
なる。
【0007】偏光板8の透過軸8aを回転するかわり
に、偏光板8と円偏光位相差板9の間に90゜ツイスト
配向のTN液晶素子を設けると、TN液晶素子への印加
電圧の有無により、円偏光位相差板9に入射する直線偏
光の偏光方向を約90゜変えることができるので、オフ
状態の背景部とオン状態の表示部とを任意に制御でき
る。したがって、鮮やかなメタリック調のカラー背景に
黒文字を表示する単色カラーの液晶表示装置とすること
ができる。なお、このような従来技術については、特開
昭52−5550号公報および特開平6−230362
号公報に開示されている。また、同様な液晶表示装置
で、TN液晶素子と円偏光位相差板との間に第2の偏光
板を設け、第1の偏光板と、TN液晶素子と、第2の偏
光板と、円偏光位相差板と、コレステリック液晶ポリマ
ーシートと、光吸収部材とによって単色カラーの液晶表
示装置を構成したものも、例えば特開平6−23037
1号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのコレ
ステリック液晶ポリマーシートを用いた単色カラーの液
晶表示装置では、黒い紙や黒いプラスチックシートなど
の不透明な光吸収部材を用いているため、バックライト
照明ができず、夜間などの暗い環境では表示できないと
いう問題があった。
【0009】この発明は上記の問題を解決するためにな
されたものであり、バックライト照明により夜間などの
暗環境でも表示を認識できるようにし、いつでも、黒背
景に鮮やかな色文字や色図形を表示するか、逆にカラフ
ルな色背景に黒文字や黒図形を表示できる単色カラーの
液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明による液晶表示
装置は上記の目的を達成するため、それぞれ透明電極を
有する一対の透明基板の間に約90゜ツイスト配向して
いるネマチック液晶を封入してなるTN液晶素子(セ
ル)と、そのTN液晶素子の視認側に配置した第1の偏
光板と、そのTN液晶素子の視認側と反対側に順次配置
した第2の偏光板と、円偏光位相差板と、コレステリッ
ク液晶ポリマーシートと、半透過光吸収部材と、バック
ライトとを備え、外光を用いる反射状態での表示とバッ
クライトを用いる透過状態での表示とで黒白関係が同じ
になるようにしたものである。
【0011】上記TN液晶素子に代えて、それぞれ透明
電極を有する一対の透明基板の間に180゜〜270゜
ツイスト配向しているネマチック液晶を狭持してなるS
TN液晶素子を設け、そのSTN液晶素子の視認側に位
相差板を配置し、その外側に第1の偏光板を配置するよ
うにしてもよい。また、その位相差板に代えて、ねじれ
位相差板を配置してもよい。さらに、上記半透過光吸収
部材を設けずに、上記バックライトの発光面に偏光散乱
機能を持たせ、そのバックライトを直接上記コレステリ
ック液晶ポリマーシートと対向させて配置するようにし
てもよい。
【0012】そして、上記バックライトの発光中心波長
は、上記コレステリック液晶ポリマーシートの選択散乱
中心波長から、50nm以上ずれているのが望ましい。
また、上記バックライトが2つ以上の発光中心波長を持
ち、かつ少なくとも1つの発光中心波長が、上記コレス
テリック液晶ポリマーシートの選択散乱中心波長から5
0nm以上ずれているとなおよい。上記第2の偏光板と
して反射型偏光板(偏光方向が透過軸に直交する直線偏
光は反射する偏光板)を配置してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明によ
る液晶表示装置の好ましい実施の形態の構成および作用
効果について詳細に説明する。 〔第1の実施形態:図1,図2,図11〕まず、この発
明による液晶表示装置の第1の実施形態の構成を図1お
よび図2によって説明する。図1はその液晶表示装置の
模式的な断面図であり、図2はその液晶表示装置の各要
素の配置関係を示す説明図である。
【0014】この第1の実施形態の液晶表示装置は、図
1に示すように、酸化インジュウム錫(以後「ITO」
と略称する)からなる第1の透明電極3が形成されてい
る厚さ0.7mmのガラス板からなる透明な第1の基板
1と、ITOからなる第2の透明電極4が形成されてい
る厚さ0.7mmのガラス板からなる透明な第2の基板
2と、これらの一対の基板を張り合わせるシール材5と
によって、一対の透明な基板1,2の間に90゜ツイス
ト配向しているネマチック液晶6を封入して、TN液晶
素子7を形成している。
【0015】このTN液晶素子7の第2の基板2の視認
側(観察者が見る側で、図1では上側)に第1の偏光板
17を配置し、視認側と反対側の第1の基板1の下側
に、第2の偏光板18と、円偏光位相差板9と、コレス
テリック液晶ポリマーシート10と、半透過型光吸収部
材15と、バックライト16とを順次配置して、液晶表
示装置40を構成している。第1の基板1と第2の偏光
板18と円偏光位相差板9とコレステリック液晶ポリマ
ーシート10は、アクリル系粘着剤(図示せず)を用い
て接着している。また、第1の偏光板17と第2の基板
2もアクリル系粘着剤(図示せず)を用いて接着してい
る。
【0016】このTN液晶素子7に使用するネマチック
液晶6の複屈折の差Δnは0.15で、第1の基板1と
第2の基板2の隙間であるセルギャップdは8000n
mとする。したがって、ネマチック液晶6の複屈折の差
Δnとセルギャップdとの積で表すTN液晶素子7のΔ
nd値は、1200nmである。Δnd値が小さくなる
と、光の旋光能力が低下するため、Δnd値は500n
m以上が好ましい。第1の透明電極3と第2の透明電極
4の表面には配向膜(図示せず)が形成されている。そ
れによって、図2に示すように、第1の基板1は水平軸
Hを基準として−45゜方向にラビング処理することに
より、下液晶分子配向方向7aを右下がり45゜とし、
第2の基板2は+45゜方向にラビング処理することに
より、上液晶分子配向方向7bを右上がり45゜とし
て、左回り90゜ツイスト配向のTN液晶素子7を形成
している。
【0017】第1の偏光板17の透過軸17aを、TN
液晶素子7の上液晶分子配向方向7bと同じ右上がり4
5゜に配置し、第2の偏光板18の透過軸18aを、T
N液晶素子7の下液晶分子配向方向7aと同じ右下がり
45゜に配置する。円偏光位相差板9は、ポリカーボネ
ート樹脂を延伸して厚さ約60μmに形成したものであ
り、その位相差値は140nmであり、遅相軸9aは水
平に配置している。この円偏光位相差板9の下側にコレ
ステリック液晶ポリマーシート10を配置し、さらに、
半透過型光吸収部材15として厚さ20μmのポリエチ
レンテレフタレート(以降「PET」と略称する)フィ
ルムに黒色の染料を透過率50%になるように染色した
フィルムを配置している。
【0018】コレステリック液晶ポリマーシート10
は、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムで、厚
さ80μmのベースフィルム(図示せず)に配向処理を
行い、その上にコレステリック液晶ポリマーを塗布し、
液晶相を示す高温で、ねじれピッチP=380nmでベ
ースフィルムに平行なプレーナ配向で右回りになるよう
に調節し、その後、ガラス転移温度以下に冷却して固形
化させたシートである。したがって、ねじれ中心軸はベ
ースフィルムに対して垂直方向となっている。バックラ
イト16としては、厚さ200μmで、発光色が青緑の
エレクトロルミネッセンス板(以降「EL板」と略称す
る)を用いる。なお、コレステリック液晶ポリマーシー
ト10と半透過型光吸収部材15とバックライト16
は、互いに平行な面内でどのような回転角度で配置して
も表示特性に影響しないので、図2ではその配置方向の
図示を省略している。
【0019】次に、この第1の実施形態の液晶表示装置
によって色彩を表示する作用について説明する。この液
晶表示装置40において、TN液晶素子7の第1,第2
の透明電極3,4間に電圧を印加しない状態では、図2
を参照して、この液晶表示装置に視認側から入射して第
1の偏光板17を通過した透過軸17aの方向に偏光さ
れた直線偏光は、TN液晶素子7の上液晶分子配向方向
7bでTN液晶素子7に入射し、TN液晶素子7により
90゜旋光され、下液晶分子配向方向7aの直線偏光と
なって出射する。
【0020】その下液晶分子配向方向7aと第2の偏光
板18の透過軸18aとが平行になるように第2の偏光
板18が配置されているので、第2の偏光板18に入射
した直線偏光はそのまま第2の偏光板18を透過する。
そのため、円偏光位相差板9に、その遅相軸9aに対し
て右回り45゜に直線偏光が入射する。したがって、図
13に示したオフ状態の場合と同様に、右回りの右円偏
光となり、コレステリック液晶ポリマーシート10のね
じれ方向10aと同じ右回りであるため、その右円偏光
がコレステリック液晶ポリマーシート10に入射する
と、散乱中心波長λを中心に散乱バンド幅Δλの光が
選択散乱により反射し、散乱バンド幅Δλ以外の透過光
を半透過型光吸収部材15が吸収するため、鮮やかな色
彩のメタリック調の反射色を得ることができる。
【0021】コレステリック液晶ポリマーの屈折率を
n、コレステリック液晶ポリマーのねじれピッチをPと
定義すると、散乱中心波長λ=n×Pとなる。この実
施形態では、n=1.65、P=370nmの右ねじれ
のコレステリック液晶ポリマーを使用したので、散乱中
心波長λ=610nmとなり、メタリック調で金色の
反射色を呈する。
【0022】次に、TN液晶素子7の第1の透明電極3
と第2の透明電極4の間に電圧を印加すると、ネマチッ
ク液晶6の分子が立ち上がり、旋光性が消滅し、上液晶
分子配向方向7bの方向に偏光された直線偏光は、TN
液晶素子7に入射するとそのまま通過する。したがっ
て、TN液晶素子7を透過して第2の偏光板18に入射
する直線偏光は、その透過軸18aと直交する方向に偏
光しているので、入射光はすべて第2の偏光板18で吸
収され、黒色を表示する。
【0023】図11に、この実施形態で用いたコレステ
リック液晶ポリマーシート10の選択散乱時(透明電極
3,4間に電圧無印加時)における透過率を実線の曲線
53で、黒表時(透明電極3,4間に電圧印加時)にお
ける透過率を実線の曲線52でそれぞれ示す。選択散乱
時には曲線53で示すように、散乱中心波長λ=61
0nmを中心に、560nm〜670nmの範囲の右円
偏光が反射され、散乱バンド幅以外の波長の光はそのま
ま透過していることがわかる。したがって、その透過光
を半透過型光吸収部材15で吸収して視認側への戻りを
抑えると、選択散乱による反射光によって鮮やかな金色
の表示が可能になる。黒表紙時には曲線52で示すよう
に、第1の偏光板17を透過した光は略すべて、第2の
偏光板18に吸収されるため黒表示となっている。
【0024】次に、図1におけるバックライト16の作
用について説明する。図11における破線の曲線54
は、この実施形態の液晶表示装置40におけるバックラ
イト16として用いた青緑発光色のEL板の相対発光強
度のスペクトルである。発光中心波長λ=510nm
で青緑の発光色を示す。この実施形態の液晶表示装置4
0において、電圧を印加した黒表示のオン部分は、曲線
52で示すように光を透過しないので、バックライト1
6を点灯しても暗いままである。しかし、電圧無印加状
態では金色の反射色を示し、曲線53に示すように、波
長560nm以下の光は透過することができる。
【0025】したがって、コレステリック液晶ポリマー
シート10の選択散乱中心波長λ=610nmより、
発光中心波長λが約100nm小さいλ=510n
mであるバックライト16によって発光される光は、ほ
ぼ完全にコレステリック液晶ポリマーシート10を透過
し、明るく照明され、夜間でも良好な視認性を得ること
ができる。なお、図1における第2の偏光板18がなく
ても、半透過型光吸収部材15とバックライト16を備
えることで、メタリック調の単色カラー表示の液晶表示
装置は得られるが、その場合は、金色を示すオフ状態で
は上述した第1の実施形態の場合と同じ作用であるが、
黒表示のオン状態では、円偏光位相差板9から出射した
光は左円偏光状態となり、右ねじれのコレステリック液
晶ポリマーシート10を透過し、半透過型光吸収部材1
5に吸収されて黒色を示す。
【0026】この状態でバックライト16を点灯する
と、半透過型光吸収部材15を透過した光は、オン状態
の黒表示部分の透過率が高いので明るく輝き、オフ状態
の金色の部分の方が透過率が低いので暗くなり、外光を
用いて反射状態で見る場合と黒白関係が反転表示とな
る。この場合、オン状態とオフ状態のバックライト16
の透過光量差が少なく、コントラストが低くなる。さら
に、薄暗い環境で液晶表示装置40のバックライト16
を点灯した場合、オフ表示の金色部分が外光に反射して
ひかり、オン状態の黒色部分もバックライト16を透過
して光るため、文字と背景のコントラストがほとんど無
い状態となる場合があり、視認性が著しく低下する。
【0027】しかし、この実施形態の液晶表示装置40
は、外光を用いて反射状態で見る場合と、バックライト
を用いて透過状態で見る場合の黒白関係が同じ表示であ
り、薄暗い環境でバックライトを点灯した際の視認性も
向上する。このように、第1の偏光板17と、TN液晶
素子7と、第2の偏光板18と、円偏光位相差板9と、
コレステリック液晶ポリマーシート10と、半透過型光
吸収部材15と、バックライト16とからなる構成によ
り、鮮やかな反射色での高コントラスト表示が得られ、
かつ、バックライト照明によっても正転表示となり、夜
間でも視認性の高いメタリック調の単色カラー表示の液
晶表示装置が得られる。
【0028】〔第1の実施形態の変形例〕上述の第1の
実施形態では、コレステリック液晶ポリマーシート10
の選択散乱中心波長λと、バックライトの発光中心波
長λを約100nmずらしたが、選択散乱中心波長λ
と発光中心波長λは50nm以上ずれていれば、バ
ックライト照明の明るさは多少低下するが問題ない。
【0029】第1の実施形態では、コレステリック液晶
ポリマーシート10に、ピッチP=370nmのコレス
テリック液晶ポリマーを用いて、金色と黒表示の液晶表
示装置としたが、コレステリック液晶ポリマーのピッチ
Pを変えることによって、反射状態の色調を任意に変え
ることができる。例えば、P=300nm(λ=49
0nm)にすると、青色と黒表示の液晶表示装置が得ら
れる。この場合、バックライト16としては、発光中心
波長λ=560nmの発光色オレンジのEL板を用い
た。また、第1の実施形態では、バックライト16とし
て発光色が青緑のEL板を用いたが、プラスチック製の
導光板に発光色が緑の発光ダイオード(LED)を取り
付けたサイドライトを用いても、全く同様に明るい照明
が得られる。
【0030】さらに、第1の実施形態では、電圧無印加
状態でカラー表示、電圧印加状態で黒表示となるように
したが、第1の偏光板17の透過軸17aを90゜回転
し、下液晶分子配向方向7aと同じ方向に配置すると、
電圧無印加状態で黒表示、電圧印加状態でカラー表示に
することも可能である。あるいは、第2の偏光板18の
透過軸18aを90゜回転しても、電圧無印加状態で黒
表示、電圧印加状態でカラー表示とすることができる。
また、第1の実施形態では、円偏光位相差板9を第2の
偏光板18とコレステリック液晶ポリマーシート10と
の間に設けたが、コレステリック液晶ポリマーシート1
0からの反射効率が低下し、メタリック色が多少暗くな
るが、円偏光位相差板9を取り除くことも可能である。
【0031】〔第2の実施形態:図3,図4〕次に、こ
の発明による液晶表示装置の第2の実施形態について、
図3および図4によって説明する。この第2の実施形態
の液晶表示装置は、液晶素子として225゜ツイストの
STN液晶素子を用い、位相差板を使用している点が第
1の実施の形態と異なる以外は、第1の実施の形態の構
成と同じである。図3および図4は、その第2の実施形
態の液晶表示装置の構成を説明するための図1および図
2と同様な図であり、それらと対応する部分には同一の
符号を付し、それらの説明は省略する。
【0032】この液晶表示装置40は、ITOからなる
第1の透明電極3が形成されている厚さ0.7mmのガ
ラス板からなる透明な第1の基板1と、ITOからなる
第2の透明電極4が形成されている厚さ0.7mmのガ
ラス板からなる透明な第2の基板2と、その一対の基板
1,2を張り合わせるシール材5とによって、一対の基
板1,2の間に225゜ツイスト配向しているネマチッ
ク液晶6を封入して、STN液晶素子12を形成してい
る。このSTN液晶素子12の視認側の第2の基板2の
外側に、位相差板13と第1の偏光板17とを順次配置
し、視認側と反対側の第1の基板1の下側に、第2の偏
光板18と、円偏光位相差板9と、コレステリック液晶
ポリマーシート10と、半透過型光吸収部材15と、バ
ックライト16とを順次配置して、液晶表示装置40を
構成している。
【0033】第1の偏光板17と、第2の偏光板18
と、コレステリック液晶ポリマ−シート10と、円偏光
位相差板9と、半透過型光吸収部材15と、バックライ
ト16は、第1の実施形態と同じものを用いる。第1の
基板1と第2の偏光板18と円偏光位相差板9とコレス
テリック液晶ポリマーシート10は、アクリル系粘着剤
(図示せず)を用いて接着している。また、第1の偏光
板17と位相差板13と第2の基板2もアクリル系粘着
剤(図示せず)を用いて接着している。
【0034】使用するネマチック液晶6の複屈折の差Δ
nは0.15で、第1の基板1と第2の基板2の隙間で
あるセルギャップdは5400nmとする。したがって
ネマチック液晶6の複屈折の差Δnとセルギャップdと
の積で表す液晶素子のΔnd値は、810nmである。
また、ネマチック液晶6のねじれピッチは1100nm
に調整してある。第1の透明電極3と第2の透明電極4
の表面には配向膜(図示せず)が形成され、図4に示す
ように、第1の基板1は、水平軸Hを基準として、+2
2.5゜方向にラビング処理することにより、下液晶分
子配向方向12aは右上がり22.5゜となり、第2の
基板2は−22.5゜方向にラビング処理することによ
り、上液晶分子配向方向12bは右下がり22.5゜と
なり、左回り225゜ツイスト配向のSTN液晶素子1
2を形成している。
【0035】第1の偏光板17の透過軸17aを、水平
軸Hを基準にして−70゜に配置し、STN液晶素子1
2と第1の偏光板17の間に、ポリカーボネート樹脂か
らなり厚さ50μmで位相差値550nmの位相差板1
3を、その遅相軸13aが水平軸Hを基準にして60゜
になる様に配置している。STN液晶素子12の下側
に、第2の偏光板18を透過軸18aが水平軸Hを基準
にして−15゜になるように配置し、円偏光位相差板9
をその遅相軸9aが、第2の偏光板18の透過軸18a
に対して45゜になるようにするため、水平軸Hに対し
て30゜に配置している。
【0036】位相差板13は視野角特性を改善するた
め、遅相軸方向の屈折率をnx、Y軸方向の屈折率をn
y、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、nx>nz>
nyとなっている2軸性の位相差板を使用した。もちろ
ん、1軸性の位相差板でも問題はない。コレステリック
液晶ポリマーシート10と、半透過型光吸収部材15
と、バックライト16は、互いに平行な面内でどのよう
な回転角度に配置しても表示特性に影響しないので、図
4の平面図ではその配置方向の図示を省略している。
【0037】次に、この第2の実施形態の液晶表示装置
40による色彩を表示する作用について説明する。この
液晶表示装置40において、STN液晶素子12に電圧
無印加の状態では、視認側(図1の上方)から第1の偏
光板17を通して入射した透過軸17aの方向に偏光さ
れた直線偏光は、位相差板13がない場合には、STN
液晶素子12を透過した状態で、楕円偏光状態となり、
円偏光位相差板9を通過しても円偏光にすることができ
ず、表示が不十分になる。しかし、位相差板13を第1
の偏光板17とSTN液晶素子12の間に配置したの
で、第1の偏光板17を通過して位相差板13に入射し
た直線偏光は、楕円偏光状態となる。その楕円偏光は、
STN液晶素子12を透過する間に補正され、ほぼ直線
偏光で、第1の偏光板17の透過軸17aに対して約5
5゜左回転した直線偏光となって出射する。
【0038】第2の偏光板18をその透過軸18aが水
平軸Hを基準として−15゜になるように配置してある
ので、第1の偏光板17から入射した直線偏光はそのま
ま第2の偏光板18を透過する。第2の偏光板の透過軸
18aに対して、+45゜の角度に円偏光位相差板9の
遅層軸9aが配置されており、円偏光位相差板9の遅相
軸9aに対して右回り45゜に直線偏光が入射するの
で、右回りの右円偏光となる。コレステリック液晶ポリ
マーシート10として、第1の実施形態と同様に右ねじ
れのものを採用したので、散乱中心波長λを中心に、
散乱バンド幅Δλの光が選択散乱により反射し、散乱バ
ンド幅Δλ以外の透過光を半透過型光吸収部材15が吸
収するため、鮮やかな色彩のメタリック調で金色の反射
色を得ることができる。
【0039】次に、STN液晶素子12の第1の透明電
極3と第2の透明電極4の間に電圧を印加すると、ネマ
チック液晶6の分子が立ち上がり、STN液晶素子12
の複屈折性が変化し、出射する直線偏光が約90゜回転
し、図4に示す水平軸Hに対して+75゜の方向にな
る。したがって、STN液晶素子12を透過した直線偏
光は、第2の偏光板18の透過軸18aに対して偏光方
向が90゜ずれるので、その入射光は第2の偏光板18
に全て吸収され、黒表示となる。したがって、第2の偏
光板18を用いることによって、高コントラストの黒表
示が可能になる。バックライト16として、第1の実施
形態と同じく、発光中心波長λ=510nmで、青緑
の発光色を示すEL板を用いる。電圧を印加した黒表示
状態では、液晶表示装置は光を透過しないが、電圧無印
加で金色の反射色を示している状態では、波長560n
m以下の光は透過することができる。
【0040】したがって、コレステリック液晶ポリマー
シート10の選択散乱中心波長λ=610nmより約
100nm小さい発光中心波長λであるバックライト
16が発光する光はほぼ完全に透過し、明るく照明でき
る。かつ、バックライト16を点灯せず、外光による表
示を行う時と同じ明暗関係の表示となり、夜間でも良好
な視認性を得ることができる。このように、第1の偏光
板17と、位相差板13と、STN液晶素子12と、第
2の偏光板18と、円偏光位相差板9と、コレステリッ
ク液晶ポリマーシート10と、半透過型光吸収部材15
と、バックライト16とからなる構成により、鮮やかな
反射色でのコントラストの高い表示が得られ、且つバッ
クライト照明でも正転表示となり、夜間でも視認性が高
いメタリック調の単色カラー表示の液晶表示装置が得ら
れる。
【0041】〔第2の実施形態の変形例〕上述の第2の
実施形態では、STN液晶素子12として225゜ツイ
ストのSTN液晶素子を用いたが、180゜〜270゜
ツイストのSTN液晶素子を使用しても同様な液晶表示
装置が得られる。また、第2の実施形態では、STN液
晶素子12の楕円偏光状態を直線偏光に戻すために、位
相差板13を1枚用いたが、位相差板を複数枚用いると
より完全な直線偏光に戻すことができ、より良好な黒表
示とカラー表示が得られる。位相差板は、STN液晶素
子12の片側に複数枚配置しても、あるいはSTN液晶
素子12の両側に分けて配置することも可能である。
【0042】さらに、この第2の実施形態では、円偏光
位相差板9を第2の偏光板18とコレステリック液晶ポ
リマーシート10との間に設けたが、この円偏光位相差
板9を省略しても、コレステリック液晶ポリマーシート
10からの反射効率が低下して、メタリック色が多少暗
くなるが、実用上は使用可能である。
【0043】〔第3の実施形態:図5,図6〕次に、こ
の本発明による液晶表示装置の第3の実施形態につい
て、図5および図6によって説明する。この第2の実施
形態の液晶表示装置は、液晶素子として240゜ツイス
トのSTN液晶素子を使用し、ねじれ位相差板を設けた
こと以外は、第1の実施形態の構成と同じである。図5
および図6は、その第3の実施形態の液晶表示装置の構
成を説明するための図1および図2と同様な図であり、
それらと対応する部分には同一の符号を付し、それらの
説明は省略する。
【0044】この第3の実施形態の液晶表示装置40
は、ITOからなる第1の透明電極3が形成されている
厚さ0.7mmのガラス板からなる透明な第1の基板1
と、ITOからなる第2の透明電極4が形成されている
厚さO.7mmのガラス板からなる透明な第2の基板2
と、その一対の基板1,2を張り合わせるシール材5と
によって、一対の基板1,2の間に240゜ツイスト配
向しているネマチック液晶6を封入してSTN液晶素子
14を形成している。このSTN液晶素子14の視認側
の第2の基板2の外側に、ねじれ位相差板19と第1の
偏光板17を順次配置し、視認側と反対側の第1の基板
1の下側に、第2の偏光板18と、円偏光位相差板9
と、コレステリック液晶ポリマーシート10と、半透過
型光吸収部材15と、バックライト16とを順次配置し
て、液晶表示装置40を構成している。
【0045】その第1の偏光板17と、第2の偏光板1
8と、コレステリック液晶ポリマーシート10と、円偏
向位相差板9と、半透過型光吸収部材15と、バックラ
イト16は、第1の実施形態と同じものを用いる。第1
の基板1と第2の偏光板18と円偏光位相差板9とコレ
ステリック液晶ポリマーシート10は、アクリル系粘着
剤(図示せず)を用いて接着している。また、第1の偏
光板17とねじれ位相差板19と第2の基板2もアクリ
ル系粘着剤(図示せず)を用いて接着している。
【0046】このSTN液晶素子14に使用するネマチ
ック液晶6の複屈折の差Δnは0.15で、第1の基板
1と第2の基板2の隙間であるセルギャップdは560
0nmとする。したがって、ネマチック液晶6の複屈折
の差Δnとセルギャップdとの積で表す液晶素子のΔn
d値は、840nmである。また、ネマチック液晶6の
ねじれピッチは1100nmに調整してある。第1の透
明電極3と第2の透明電極4の表面には配向膜(図示せ
ず)が形成され、図6に示すように、第1の基板1は、
水平軸Hを基準として、+30゜方向にラビング処理す
ることにより、下液晶分子配向方向14aは右上がり3
0゜となり、第2の基板2は、−30゜方向にラビング
処理することにより、上液晶分子配向方向14bは右下
がり30゜となり、左回り240゜ツイスト配向のST
N液晶素子14を形成している。
【0047】第1の偏光板17の透過軸17aを、水平
軸Hを基準にして−45゜に配置し、STN液晶素子1
4と第1の偏光板17の間に、Δnd値が610nmで
右回り220゜ツイストのねじれ位相差板19を、下分
子軸19aが上液晶分子配向方向14bとほぼ直角にな
るように、水平軸Hを基準にして+55゜に配置する。
したがって、ねじれ位相差板19の上分子軸19bは−
85゜となる。第1の基板1の下側に、第2の偏光板1
8をその透過軸18aが+85゜になるように配置し、
円偏光位相差板9をその遅相軸9aが第2の偏光板18
の透過軸18aに対して45゜になるように配置するた
め、遅相軸9aを水平軸Hに対して−50゜にして配置
している。
【0048】ねじれ位相差板19は、トリアセチルセル
ロース(TAC)フィルムで厚さ80μmのベースフィ
ルム(図示せず)に、配向処理を行い、その上に液晶ポ
リマーを塗布し、液晶相を示す高温で、ツイスト角が2
20゜になるように厚さとねじれピッチを調節し、その
後、ガラス転移温度以下に冷却して固形化させたシート
である。コレステリック液晶ポリマーシート10と、半
透過型光吸収部材15と、バックライト16は、互いに
平行する面内でどのような回転角度で配置しても、表示
特性に影響しないので、図6ではその配置方向の図示を
省略している。
【0049】次に、この第3の実施形態の液晶表示装置
による色彩を表示する作用について説明する。この液晶
表示装置40において、STN液晶素子14に電圧無印
加の状態では、視認側から第1の偏光板17を通して入
射した直線偏光は、その透過軸17aの方向に偏光して
おり、ねじれ位相差板19がない場合は、STN液晶素
子14を透過した状態で楕円偏光状態となり、円偏光位
相差板9を通過しても円偏光にすることができず、表示
が不十分になる。
【0050】しかし、ねじれ位相差板19を第1の偏光
板17とSTN液晶素子14との間に配置したので、第
1の偏光板17よりねじれ位相差板19に入射した直線
偏光は、楕円偏光状態となる。その楕円偏光は、STN
液晶素子14を透過する間に補正されてほぼ直線偏光と
なり、第1の偏光板17の透過軸17aに対して約50
゜右回転し、図6における水平軸Hを基準にして85゜
の偏光方向となって出射する。第2の偏光板18を、そ
の透過軸18aが水平軸Hを基準として85゜になるよ
うに配置してあるので、第1の偏光板17から入射した
直線偏光は、そのまま第2の偏光板18を透過する。第
2の偏光板に対して、遅相軸9aが+45゜の角度にな
るように円偏光位相差板9を配置してあるので、その円
偏光位相差板9の遅相に対して右回り45゜に直線偏光
が入射するため、右回りの右円偏光となる。
【0051】コレステリック液晶ポリマーシート10と
して、第1の実施形態と同様に右ねじれのものを採用し
たので、散乱中心波長λを中心に、散乱バンド幅Δλ
の光が選択散乱により反射し、散乱バンド幅Δλ以外の
透過光を半透過型光吸収部材15が吸収するため、鮮や
かな色彩のメタリック調で金色の反射色を得ることがで
きる。
【0052】次に、STN液晶素子14の第1の透明電
極3と第2の透明電極4の間に電圧を印加すると、ネマ
チック液晶6の分子が立ち上がり、STN液晶素子14
の複屈折性が変化し、出射する直線偏光が約90゜旋光
し、水平軸Hに対して−5゜の方向になる。したがっ
て、STN液晶素子14を透過した直線偏光は、第2の
偏光板18の透過軸18aに対して90゜ずれるので、
第2の偏光板18への入射光はそこで全て吸収され、黒
表示となる。また、第2の実施の形態で用いた位相差板
13の代わりに、ねじれ位相差板19を用いたことによ
り、楕円偏光の補正が完全になり、STN液晶素子14
を透過した光の直線偏光性が高くなり、位相差板13を
用いた液晶表示装置より明るく、コントラストが高い表
示が得られる。
【0053】バックライト16として、第1の実施の形
態と同じく、発光中心波長λ=510nmで、青緑の
発光色を示すEL板を用いる。電圧を印加した黒表示状
態では、液晶表示装置40は光を透過しないが、電圧無
印加で、金色の反射色を示している状態では、波長56
0nm以下の光は透過することができる。したがって、
コレステリック液晶ポリマーシート10の選択散乱中心
波長λ=610nmより約100nm小さい発光中心
波長λであるバックライト16が発光する光はほぼ完
全に透過し、明るく照明できる。しかも、バックライト
16を点灯しない外光による表示時と同じ正転表示とな
り、夜間でも良好な視認性を得ることができる。
【0054】このように、第1の偏光板17と、ねじれ
位相差板19と、STN液晶素子14と、第2の偏光板
18と、円偏光位相差板9と、コレステリック液晶ポリ
マーシート10と、半透過型光吸収部材15と、バック
ライト16とからなる構成により、鮮やかな反射色でコ
ントラストの高い表示が得られ、且つバックライト照明
による表示も反転せず、夜間でも視認性の高いメタリッ
ク調の単色カラー表示の液晶表示装置が得られる。
【0055】〔第3の実施形態の変形例〕この第3の実
施の形態では、STN液晶素子14として、240゜ツ
イストのSTN液晶素子を用いたが、180゜〜270
゜ツイストのSTN液晶素子を用いても同様な液晶表示
装置が得られる。また、この実施形態では、円偏光位相
差板9を第2の偏光板18とコレステリック液晶ポリマ
ーシート10との間に設けたが、その円偏光位相差板9
を省略しても、コレステリック液晶ポリマーシート10
からの反射効率が低下し、メタリック色が多少暗くなる
が、実用上は使用可能である。
【0056】〔第4の実施形態:図7〕次に、この発明
による液晶表示装置の第4の実施について、図7によっ
て説明する。この第4の実施形態の液晶表示装置は、半
透過型光吸収部材15を取り除いた以外は、第2の実施
の形態の構成と同じであるので、その変更点についての
みを説明する。
【0057】この実施の形態の液晶表示装置40は、2
25゜ツイスト配向しているネマチック液晶6を封入し
たSTN液晶素子12と、その視認側(図で上側)に順
次配置した位相差板13と第1の偏光板17と、視認側
と反対側(図で下側)に順次配置した第2の偏光板18
と、円偏光位相差板9と、コレステリック液晶ポリマー
シート10と、バックライト16とから構成している。
なお、このバックライト16の発光面、すなわちコレス
テリック液晶ポリマーシート10と対向する面は偏光散
乱機能を有している。
【0058】この第4の実施形態の液晶表示装置40に
よる色彩を表示する作用について説明する。この液晶表
示装置40において、STN液晶素子12に電圧を印加
しない状態では、視認側から第1の偏光板17を通して
位相差板13に入射した直線偏光は、位相差板13を透
過すると楕円偏光状態となる。その楕円偏光は、STN
液晶素子12を透過する間に補正され、ほぼ直線偏光と
なり、図4における第1の偏光板17の透過軸17aに
対して約55゜左回転した偏光方向で出射する。第2の
偏光板18は、その透過軸18aが水平軸Hを基準とし
て−15゜になるように配置しているので、第1の偏光
板17から入射した直線偏光は、そのまま第2の偏光板
18を透過する。
【0059】円偏光位相差板9は、第2の偏光板に対し
て+45゜の角度に配置しているので、第2の偏光板1
8を透過した直線偏光が、その円偏光位相差板9の遅相
軸9aに対して右回り45゜に入射するので、右回りの
右円偏光となる。コレステリック液晶ポリマーシート1
0として、第1の実施形態と同様に右ねじれのものを採
用したので、散乱中心波長λを中心に、散乱バンド幅
Δλの光が選択散乱により反射する。
【0060】散乱バンド幅Δλ以外の透過光は、第2の
実施形態では設けていた半透過型光吸収部材15がない
ため、バックライト16に到達する。バックライト16
としては、第2の実施形態と同じく青緑発光色のEL板
を用いている。このEL板は、粒状の発光体をベースフ
ィルムに印刷し、その上を透明な電極を形成したフィル
ムで覆って形成してある。したがって、その発光面は偏
光散乱機能を有し、バックライト16に到達した散乱バ
ンド幅Δλ以外の透過光は、その発光体粒子により偏光
状態が乱されて反射する。
【0061】図7において、バックライト16からの反
射光は、コレステリック液晶ポリマーシート10を透過
し、円偏光位相差板9をもう1度透過し、第2の偏光板
18に到達する。しかし、バックライト16で偏光状態
が乱れているので、円偏光位相差板9で、完全な直線偏
光に戻すことができず、バックライト16からの反射光
のほとんどが第2の偏光板18に吸収されてしまう。し
たがって、半透過型光吸収部材がなくても、鮮やかな色
彩のメタリック調で金色の反射色を得ることができる。
【0062】次に、STN液晶素子12の第1の透明電
極3と第2の透明電極4の間に電圧を印加すると、ネマ
チック液晶6の分子が立ち上がり、STN液晶素子12
の複屈折性が変化し、出射する直線偏光が約90゜旋光
し、水平軸Hに対して+75゜の方向になる。したがっ
て、STN液晶素子12を透過した直線偏光は、第2の
偏光板18の透過軸18aに対して偏光方向が90゜ず
れるので、第2の偏光板18に吸収され、黒表示とな
る。バックライト16として、第1の実施形態と同じ
く、発光中心波長λ=510nmで、青緑の発光色を
示すEL板を用いるので、電圧を印加した黒表示状態で
は光を透過しないが、電圧無印加で金色の反射色を示し
ている状態では、波長560nm以下の光は透過するこ
とができ、外光による表示時と同じ明暗状態の表示とな
り、夜間でも良好な視認性を得ることができる。
【0063】また、第2の実施の形態と比較して、半透
過型光吸収部材を設けないため、バックライト点灯時の
透過光量が増し、表示輝度が上昇して明るい照明が可能
になる。このように、第1の偏光板17と、位相差板1
3と、STN液晶素子12と、第2の偏光板18と、円
偏光位相差板9と、コレステリック液晶ポリマーシート
10と、バックライト16とからなる構成により、鮮や
かな反射色でのコントラストの高い表示が得られ、且つ
バックライト照明によっても外光による表示時と同じ明
暗関係の表示となり、夜間でも視認性の高いメタリック
調の単色カラー表示の液晶表示装置が得られる。
【0064】〔第4の実施形態の変形例〕上述した第4
の実施形態では、STN液晶素子12と位相差板13を
用いたが、第1の実施形態に用いたTN液晶素子7を用
いる液晶表示装置や、第3の実施の形態に用いたSTN
液晶素子14とねじれ位相差板19を用いる液晶表示装
置においても、この実施形態の液晶表示装置と同様に、
半透過型光吸収部材15を取り除いて、バックライト1
6の発光面の偏光散乱機能を利用するようにしてもよ
い。その場合にも、第1または第3の実施形態の液晶表
示装置よりも、バックライト点灯時に明るい表示が得ら
れる。
【0065】また、上記第4の実施形態では、バックラ
イト16として発光色が青緑のEL板を用いたが、プラ
スチック製の導光板に発光色が緑の発光ダイオード(L
ED)を取り付けたサイドライトを用いることも可能で
ある。この場合、プラスチック製の導光板の表面に凹凸
を設けたり、プラスチック製の導光板の下部に表面がザ
ラザラしている反射板を配置することなどにより、効果
的な偏光散乱機能を持たせることができる。
【0066】〔第5の実施形態:図8〕次に、この発明
による液晶表示装置の第5の実施形態について、図8に
よって説明する。この第5の実施の形態の液晶表示装置
は、第2の偏光板が反射型偏光板であること以外は、図
3および図4によって説明した第2の実施の形態の構成
と同じであるので、その変更点についてのみ図8によっ
て説明する。
【0067】この実施形態の液晶表示装置40は、22
5゜ツイスト配向しているネマチック液晶6を封入した
STN液晶素子12と、その視認側(図で上側)に順次
配置した位相差板13と第1の偏光板17、視認側と反
対側(図で下側)に順次配置した反射型偏光板26と、
円偏光位相差板9と、コレステリック液晶ポリマーシー
ト10と、半透過型光吸収部材15と、バックライト1
6とによって構成されている。
【0068】まず、反射型偏光板26について説明す
る。これまでの実施形態で使用した第1の偏光板17お
よび第2の偏光板18は通常の偏光板、すなわち吸収型
偏光板であり、偏光方向が透過軸と直交する直線偏光は
吸収して、黒色を示す。これに対して、反射型偏光板
は、偏光方向が透過軸と直交する直線偏光は反射して、
銀色を示す偏光板である。この第5の実施形態では、住
友3M社製の反射型偏光板である商品名D−BEFを用
いた。
【0069】次に、この第5の実施形態の液晶表示装置
40による色彩を表示する作用について説明する。この
液晶表示装置40において、STN液晶素子12に電圧
を印加しない状態では、視認側から第1の偏光板17を
通過して位相差板13に入射した直線偏光は、その位相
差板13を透過すると楕円偏光状態となる。その楕円偏
光は、STN液晶素子12を透過する間に補正され、ほ
ぼ直線偏光となり、図4において、第1の偏光板17の
透過軸17aに対して約55゜左回転した偏光方向の直
線偏光となって出射する。
【0070】反射型偏光板26の透過軸は、第2の実施
の形態における第2の偏光板18の透過軸18aと同じ
で、水平軸Hを基準として−15゜に配置している。従
って、第1の偏光板17から入射した直線偏光は、その
まま反射型偏光板26を透過する。円偏光位相差板9
は、その遅相軸9aが反射型偏光板26の透過軸に対し
て、+45゜の角度になるように配置してあるので、反
射型偏光板26からの直線偏光が、円偏光位相差板9の
遅相軸9aに対して右回り45゜に入射するので、右回
りの右円偏光となる。
【0071】コレステリック液晶ポリマーシート10と
して、第1の実施形態と同様に右ねじれのものを採用し
たので、散乱中心波長λを中心に、散乱バンド幅Δλ
の光が選択散乱により反射し、散乱バンド幅Δλ以外の
透過光を半透過型光吸収部材15によって吸収されるこ
とにより、鮮やかな色彩のメタリック調で金色の反射色
を得ることができる。次に、STN液晶素子12の第1
の透明電極3と第2の透明電極4の間に電圧を印加する
と、ネマチック液晶6の分子が立ち上がり、STN液晶
素子12の複屈折性が変化し、出射する直線偏光が約9
0゜旋光し、水平軸に対して+75゜の方向になる。
【0072】したがって、STN液晶素子12を透過し
た直線偏光は、反射型偏光板26の透過軸に対して偏光
方向が90゜ずれて入射するので、入射光は反射型偏光
板26で殆ど反射され、銀表示となる。バックライト1
6として、第1の実施形態と同じく、発光中心波長λ
=510nmで、青緑の発光色を示すEL板を用いるの
で、電圧を印加した銀表示状態では光を透過しないが、
電圧無印加で金色の反射色を示している状態では、波長
560nm以下の光は透過することができ、且つバック
ライト16を点灯しない外光による表示時と同じ明暗関
係の表示となり、夜間でも良好な視認性を得ることがで
きる。
【0073】このように、第1の偏光板17と、位相差
板13と、STN液晶素子12と、反射型偏光板26
と、円偏光位相差板9と、コレステリック液晶ポリマー
シート10と、半透過型光吸収部材15と、バックライ
ト16とからなる構成により、鮮やかな反射色で、金色
背景に銀色の文字の表示が得られ、且つバックライト照
明によっても外光による表示時と同じ正転表示となり、
夜間でも視認性の高いメタリック調の単色カラー表示の
液晶表示装置が得られる。
【0074】〔第5の実施形態の変形例〕上述した第5
の実施形態では、STN液晶素子12と位相差板13を
用いたが、第1の実施形態に用いたTN液晶素子7を用
いる液晶表示装置や、第3の実施の形態に用いたSTN
液晶素子14とねじれ位相差板19を用いる液晶表示装
置においても、第2の偏光板18のかわりに反射型偏光
板26を用いることによって、この第5の実施形態と同
様な液晶表示装置を得ることができる。
【0075】また、この実施形態では、金色背景に銀色
文字の表示を行う液晶表示装置としたが、第1の偏光板
17の透過軸17aを90゜回転することにより、銀背
景に金色文字を表示することも可能である。さらに、コ
レステリック液晶ポリマーシート10のねじれピッチを
変えることによって、銀背景にメタリックな青文字や、
銀背景にメタリックな緑文字など、種々な表示色の液晶
表示装置を得ることも可能である。さらに、この実施形
態では、半透過型光吸収部材15をバックライト16と
コレステリック液晶ポリマーシート10の間に設けた
が、第4の実施の形態で説明したように、半透過型光吸
収部材15を取り除いて、バックライト16の発光面の
偏光散乱機能を利用するようにしても、第4の実施形態
と同様な液晶表示装置が得られる。
【0076】〔第6の実施形態:図9,図10〕次に、
この発明による液晶表示装置の第6の実施形態につい
て、図9および図10によって説明する。この実施形態
の液晶表示装置は、円偏光位相差板を2枚用いること
と、第2の偏光板18の位置が異なること以外は、第1
の実施形態の構成と同じであるから、その変更点につい
てのみ説明する。
【0077】この実施形態の液晶表示装置40は、図9
に示すように、視認側(図で上側)から順に配置した、
第1の偏光板17、TN液晶素子7、コレステリック液
晶ポリマーシート10、第2の偏光板18、半透過型光
吸収部材15、およびバックライト16は、図1によっ
て説明した第1の実施の形態で用いたものと同じであ
る。また、TN液晶素子7とコレステリック液晶ポリマ
ーシート10との間に配置した第1の円偏光位相差板2
7と、コレステリック液晶ポリマーシート10と第2の
偏光板18との間に配置した第2の円偏光位相差板28
は、第1の実施の形態で用いた円偏光位相差板9(図
1)と同じで1/4λ板ともいい、ポリカーボネート樹
脂を厚さ約60μmに延伸したもので、位相差値は14
0nmである。
【0078】第1の基板1と、第1の円偏光位相差板2
7と、コレステリック液晶ポリマーシート10と、第2
の円偏光位相差板28と、第2の偏光板18とは、アク
リル系粘着剤(図示せず)を用いて接着している。ま
た、第1の偏光板17と第2の基板2もアクリル系粘着
剤(図示せず)を用いて接着している。図10に示すよ
うに、第1の偏光板17の透過軸17aを、TN液晶素
子7の上液晶分子配向方向7bと同じ右上がり45゜に
配置し、第2の偏光板18の透過軸18aも、TN液晶
素子7の上液晶分子配向方向7bと同じ右上がり45゜
に配置し、第1の円偏光位相差板27の遅相軸27aと
第2の円偏光位相差板28の遅相軸28aは水平に配置
している。
【0079】次に、この第6の実施形態の液晶表示装置
40による色彩を表示する作用について説明する。この
液晶表示装置40において、TN液晶素子7に電圧を印
加しない状態では、図10を参照して、視認側から第1
の偏光板17を通して入射する透過軸17aの方向に変
更した直線偏光は、TN液晶素子7の上液晶分子配向方
向7bと同じ方向に偏光してTN液晶素子7に入射し、
TN液晶素子7により90゜旋光されて、下液晶分子配
向方向7aの方向の直線偏光となって出射する。
【0080】そのTN液晶素子7から射出した直線偏光
は、第1の円偏光位相差板27の遅相軸27aに対し
て、右回り45゜の直線偏光として入射する。したがっ
て、図13のオフ状態に示したように、右回りの右円偏
光となり、コレステリック液晶ポリマーシート10のね
じれ方向10aと同じ右回りであるため、散乱中心波長
λを中心に、散乱バンド幅Δλの光が選択散乱により
反射し、散乱バンド幅Δλ以外の透過光は、第2の円偏
光位相差板28を透過するが、半透過型光吸収部材15
に吸収されるので、鮮やかな色彩のメタリック調で金色
の反射色を得ることができる。
【0081】次に第1の透明電極3と第2の透明電極4
の間に電圧を印加すると、ネマチック液晶6の分子が立
ち上がり、旋光性が消滅し、上液晶分子配向方向7bか
ら入射した直線偏光は、そのままの方向でTN液晶素子
7を通過する。したがって、TN液晶素子7を透過した
直線偏光は、第1の円偏光位相差板27aに対して、左
回り45゜の角度で入射するので、図13のオン状態に
示すように左回りの左円偏光となり、コレステリック液
晶ポリマーシート10のねじれ方向10aと逆であるの
で、すべての波長の光がコレステリック液晶ポリマーシ
ート10を透過する。
【0082】コレステリック液晶ポリマーシート10を
透過した光は、第2の円偏光位相差板28で直線偏光に
戻るが、その振動方向は、第1の円偏光位相差板27へ
入射した方向から90゜回転し、下液晶分子配向方向7
aと同じ方向になる。第2の偏光板18の透過軸18a
を上液晶分子配向方向7bと同じ+45゜に配置してい
るので、第2の円偏光位相差板28を透過した光は、す
べて第2の偏光板18で吸収され、黒表示となる。バッ
クライト16として、第1の実施の形態と同じく、発光
中心波長λが510nmで、青緑の発光色を示すEL
板を用いる。電圧を印加した黒表示状態でバックライト
16を点灯すると、第2の偏光板18を透過した光は、
第2の円偏光位相差板28と第1の円偏光位相差板27
により90゜回転し、第1の偏光板17で吸収されるの
で、バックライト16の光は透過しない。
【0083】電圧無印加で金色の反射色を示しているオ
フ状態では、波長560nm以下の光は透過するので明
るく照明でき、且つバックライト16を点灯せず外光に
よって表示する時と明暗の関係が同じ表示(正転表示)
となり、夜間でも良好な視認性を得ることができる。こ
のように、第1の偏光板17と、TN液晶素子7と、第
1の円偏光位相差板27と、コレステリック液晶ポリマ
ーシート10と、第2の円偏光位相差板28と、第2の
偏光板18と、半透過型光吸収部材15と、バックライ
ト16からなる構成により、鮮やかな反射色でコントラ
ストの高い表示が得られ、且つバックライト照明によっ
ても、外光による表示時と明暗の関係が同じ表示とな
り、夜間でも視認性の高いメタリック調の単色カラー表
示の液晶表示装置が得られる。
【0084】〔第6の実施形態の変形例〕この実施形態
ではTN液晶素子7を用いたが、第2の実施の形態に用
いたSTN液晶素子12と位相差板13を用いる液晶表
示装置や、第3の実施の形態に用いたSTN液晶素子2
0とねじれ位相差板19を用いる液晶表示装置におい
て、第1の円偏光位相差板27とコレステリック液晶ポ
リマーシート10と第2の円偏光位相差板28と第2の
偏光板18とを用いることによっても、この第6の実施
形態と同様な液晶表示装置を得ることができる。
【0085】また、この実施形態では、半透過型光吸収
部材15をバックライト16と第2の偏光板18の間に
設けたが、第4の実施の形態で説明したように、半透過
型光吸収部材15を取り除いても同様な液晶表示装置が
得られる。さらに、この実施形態では、第2の偏光板1
8として、通常の吸収型偏光板を用いたが、第5の実施
の形態で説明したように、反射型偏光板を用いることも
可能である。
【0086】〔第7の実施形態:図12〕次に、この発
明による液晶表示装置の第7の実施形態について、図1
2によって説明する。この第7の実施形態の液晶表示装
置は、バックライトとして、発光色が白色のEL板を用
いること以外は、図3によって説明した第2の実施形態
の構成と同じであるので、断面図による構成の説明は省
略する。白色EL板は、第2の実施形態で用いた青緑発
光色のEL板の表面に発光波長580nmの蛍光染料を
塗布したもので、その白色EL板の発光スペクトルと、
液晶表示装置の透過率曲線を図12に示す。
【0087】ここで、この第7の実施形態の発色作用と
バックライト点灯時の作用を、図12を用いて説明す
る。図12において、この実施形態の液晶表示装置に電
圧を印加しない状態での選択散乱時の透過率を実線の曲
線53で示し、電圧印加状態で黒表示のときの透過率を
実線の曲線52で示す。電圧無印加状態では、曲線53
に示すように選択散乱中心波長λ=610nmを中心
に、560nm〜670nmの範囲の右円偏光が反射さ
れ、散乱バンド幅以外の波長の光はそのまま透過してい
ることがわかる。
【0088】したがって、透過光を半透過型光吸収部材
15で吸収したり、バックライト16の発光面の偏光散
乱機能により視認側への光の戻りを抑えると、選択散乱
による反射光によって鮮やかな金色の表示が可能とな
る。電圧印加状態では、曲線52に示すように第1の偏
光板17を透過した光は、ほぼすべて第2の偏光板18
に吸収されて、黒表示となっている。次に、バックライ
トの作用について説明する。白色EL板は、青緑発光色
のEL板の表面に発光中心波長580nmの蛍光染料を
印刷してあるので、2つの発光中心波長を持つ。図12
の破線で示す曲線55は、この実施形態に用いる白色E
L板の相対発光スペクトルである。この白色EL板は、
第1の発光中心波長λ L1=490nm、第2の発光中
心波長λL2=580nmの2つの発光ピークを持ち、
白っぽい発光色を示す。
【0089】そして、電圧無印加状態では、この液晶表
示装置は金色の反射色を示すが、曲線53に示すように
波長560nm以下の光はコレステリック液晶ポリマー
シートを透過することができる。したがって、第1の発
光ピ−クの光と、第2の発光ピ−クの内第2の発光中心
波長λL2より波長の短い光は、コレステリック液晶ポ
リマーシートを透過し、明るく照明できるので、夜間で
も良好な視認性を得ることができる。このように、バッ
クライト16として2つ以上の発光中心波長を持つもの
を用いることによって、鮮やかな反射色でコントラスト
の高い表示が得られ、且つバックライト照明により、バ
ックライトを点灯せず外光による表示時と明暗の関係が
同じ表示となり、夜間でも視認性の高いメタリック調の
単色カラー表示の液晶表示装置が得られる。
【0090】〔第7の実施形態の変形例〕この実施形態
では、STN液晶素子12と位相差板13を用いたが、
第1の実施の形態に用いたTN液晶素子7を用いる液晶
表示装置や、第3の実施の形態に用いたSTN液晶素子
20とねじれ位相差板19を用いる液晶表示装置におい
ても、バックライト16として、複数の発光中心波長を
持つ白色EL板を用いることによって、この実施形態と
同様な液晶表示装置を得ることができる。
【0091】また、この実施形態では、白色EL板とし
て、発光色が青緑のEL板の表面に、発光波長580n
mの蛍光染料を塗布したものを用いたが、青緑のEL板
の表面にある透明電極の下側に蛍光染料を印刷したり、
あるいは、青緑の発光体に蛍光染料を混合することなど
によって形成した白色のEL板を用いることも可能であ
る。さらに、この実施の形態では、バックライト16と
して、発光中心波長がλ =490nmとλL2=5
80nmの2つあるEL板を用いたが、少なくとも1つ
の発光中心波長が、コレステリック液晶ポリマーシート
10の選択散乱中心波長λから50nm以上ずれてい
ると、EL点灯時に明るい表示が可能である。
【0092】また、この実施形態では、バックライト1
6として白色EL板を用いたが、プラスチック製の導光
板に発光色が緑と赤の2種類の発光ダイオード(LE
D)を取り付けたサイドライトや、プラスチック製の導
光板に発光色が白色の蛍光灯を取り付けたサイドライト
を使用しても、全く同様に明るい照明が得られる。ま
た、この実施の形態では、半透過型光吸収部材15をバ
ックライト16とコレステリック液晶ポリマーシート1
0の間に設けたが、第4の実施の形態で説明したよう
に、半透過型光吸収部材15を取り除いても、もちろん
同様な液晶表示装置が得られる。
【0093】
【発明の効果】以上によって明らかなように、この発明
による液晶表示装置は、鮮やかな反射色が得られるメタ
リック調の単色カラー表示が可能で、且つバックライト
を点灯することによって、夜間等の暗環境でも表示可能
な単色カラー表示の液晶表示装置を提供することができ
る。また、半透過型光吸収部材を使用しないようにすれ
ば、より鮮やかな反射色が得られるメタリック調の単色
カラー表示が可能で、且つバックライトを点灯時の輝度
がより明るい液晶表示装置を提供することができる。し
かも、外光を用いる反射状態の表示と、バックライトを
用いる透過状態の表示とで黒白関係が同じであり、薄暗
い環境でバックライトを点灯した際の視認性も向上す
る。したがって、この発明による液晶表示装置は、各種
の時計や携帯用電子機器、ゲーム器、その他の表示装置
として広範な利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による液晶表示装置の第1の実施形態
の構成を示す模式的な断面図である。
【図2】同じくその液晶表示装置の各要素の配置関係を
示す説明図である。
【図3】この発明による液晶表示装置の第2の実施形態
の構成を示す模式的な断面図である。
【図4】同じくその液晶表示装置の各要素の配置関係を
示す説明図である。
【図5】この発明による液晶表示装置の第3の実施形態
の構成を示す模式的な断面図である。
【図6】同じくその液晶表示装置の各要素の配置関係を
示す説明図である。
【図7】この発明による液晶表示装置の第4の実施形態
の構成を示す模式的な断面図である。
【図8】この発明による液晶表示装置の第5の実施形態
の構成を示す模式的な断面図である。
【図9】この発明による液晶表示装置の第6の実施形態
の構成を示す模式的な断面図である。
【図10】同じくその液晶表示装置の各要素の配置関係
を示す説明図である。
【図11】この発明による液晶表示装置の第1乃至第6
の実施形態における透過率とバックライトの発光スペク
トルを示す線図である。
【図12】この発明による液晶表示装置の第7の実施形
態における透過率とバックライトの発光スペクトルを示
す線図である。
【図13】従来例のコレステリック液晶ポリマーシート
を用いた単色カラーの液晶表示装置の表示原理を説明す
るための模式的な斜視説明図である。
【符号の説明】
1,2:透明基板 3,4:透明電極 5:シール材 6:ネマチック液晶 7:TN液晶素子 9,27,28:円偏光位相差板 10:コレステリック液晶ポリマーシート 12,14:STN液晶素子 13:位相差板 15:半透過型光吸収部材 16:バックライト 17:第1の偏光板 18:第2の偏光板 19:ねじれ位相差板 26:反射型偏光板 40:液晶表示装置 52,53:透過率 54,55:バックライトの相対発光強度のスペクトル 7a,12a,14a:下液晶分子配向方向 7b,12b,14b:上液晶分子配向方向 9a,13a,27a,28a:遅相軸 17a,18a:透過軸 19a:下分子軸 19b:上分子軸 λ:散乱中心波長 λ,λL1,λL2:発光中心波長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/137 G02F 1/137 1/139 1/139 (72)発明者 秋山 貴 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2H042 AA09 AA11 AA26 2H049 BA02 BA03 BA25 BA42 BA43 BB03 BB42 BB49 BB62 BC04 BC22 2H088 GA03 HA15 HA18 HA21 HA28 JA05 JA13 KA07 KA11 MA01 MA02 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA14Y FA41X GA02 GA06 HA07 HA10 KA02 LA15 LA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ透明電極を有する一対の透明基
    板の間に約90゜ツイスト配向しているネマチック液晶
    を封入してなるTN液晶素子と、 該TN液晶素子の視認側に配置した第1の偏光板と、 前記TN液晶素子の視認側と反対側に順次配置した第2
    の偏光板と、円偏光位相差板と、コレステリック液晶ポ
    リマーシートと、半透過光吸収部材と、バックライトと
    を備え、 外光を用いる反射状態での表示と前記バックライトを用
    いる透過状態での表示とで黒白関係が同じであることを
    特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 それぞれ透明電極を有する一対の透明基
    板の間に180゜〜270゜ツイスト配向しているネマ
    チック液晶を狭持してなるSTN液晶素子と、 該STN液晶素子の視認側に配置した位相差板と、 該位相差板の外側に配置した第1の偏光板と、 前記STN液晶素子の視認側と反対側に順次配置した第
    2の偏光板と、円偏光位相差板と、コレステリック液晶
    ポリマーシートと、半透過光吸収部材と、バックライト
    とを備え、 外光を用いる反射状態での表示と前記バックライトを用
    いる透過状態での表示とで黒白関係が同じであることを
    特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 それぞれ透明電極を有する一対の透明基
    板の間に約90゜ツイスト配向しているネマチック液晶
    を封入してなるTN液晶素子と、 該TN液晶素子の視認側に配置した第1の偏光板と、 前記TN液晶素子の視認側と反対側に順次配置した第2
    の偏光板と、円偏光位相差板と、コレステリック液晶ポ
    リマーシートと、バックライトとを備え、 前記バックライトの前記コレステリック液晶ポリマーシ
    ートと対向する面が偏光散乱機能を有し、かつ外光を用
    いる反射状態での表示と前記バックライトを用いる透過
    状態での表示とで黒白関係が同じであることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 それぞれ透明電極を有する一対の透明基
    板の間に180゜〜270゜ツイスト配向しているネマ
    チック液晶を狭持してなるSTN液晶素子と、 該STN液晶素子の視認側に配置した位相差板と、 該位相差板の外側に配置した第1の偏光板と、 前記STN液晶素子の視認側と反対側に順次配置した第
    2の偏光板と、円偏光位相差板と、コレステリック液晶
    ポリマーシートと、バックライトとを備え、 前記バックライトの前記コレステリック液晶ポリマーシ
    ートと対向する面が偏光散乱機能を有し、かつ外光を用
    いる反射状態での表示と前記バックライトを用いる透過
    状態での表示とで黒白関係が同じであることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記位相差板がねじれ位相差板である請
    求項2又は4に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記バックライトの発光中心波長が、前
    記コレステリック液晶ポリマーシートの選択散乱中心波
    長から50nm以上ずれていることを特徴とする請求項
    1又は3に記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記バックライトが2つ以上の発光中心
    波長を持ち、かつ少なくとも1つの発光中心波長が、前
    記コレステリック液晶ポリマーシートの選択散乱中心波
    長から50nm以上ずれていることを特徴とする請求項
    1又は3に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の偏光板が反射型偏光板である
    ことを特徴とする請求項1又は3に記載の液晶表示装
    置。
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