JPH05125841A - コンクリート亀裂の漏水防止工法 - Google Patents
コンクリート亀裂の漏水防止工法Info
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- JPH05125841A JPH05125841A JP31331691A JP31331691A JPH05125841A JP H05125841 A JPH05125841 A JP H05125841A JP 31331691 A JP31331691 A JP 31331691A JP 31331691 A JP31331691 A JP 31331691A JP H05125841 A JPH05125841 A JP H05125841A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 コンクリート躯体の亀裂発生に伴う防水層で
の亀裂発生を抑制して漏水防止効果を向上するとともに
耐候性、耐熱性、耐薬品性を向上する。 【構成】 コンクリート躯体１の表面にプライマー層２
を形成し、そのプライマー層２の表面に樹脂で結着した
炭素繊維不織布を敷設し、その炭素繊維不織布の表面
に、炭化水素系エマルションとゴムラテックスおよび遷
移金属化合物を混合して調製した混合液を付与し、その
混合液を炭素繊維不織布に含浸させて炭素繊維層３を形
成した後、その炭素繊維層３の表面に防水層４を形成す
る。
の亀裂発生を抑制して漏水防止効果を向上するとともに
耐候性、耐熱性、耐薬品性を向上する。 【構成】 コンクリート躯体１の表面にプライマー層２
を形成し、そのプライマー層２の表面に樹脂で結着した
炭素繊維不織布を敷設し、その炭素繊維不織布の表面
に、炭化水素系エマルションとゴムラテックスおよび遷
移金属化合物を混合して調製した混合液を付与し、その
混合液を炭素繊維不織布に含浸させて炭素繊維層３を形
成した後、その炭素繊維層３の表面に防水層４を形成す
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、建物の屋上や擁壁（止
水壁）などのコンクリート躯体において亀裂が発生した
場合に、その亀裂からの漏水を防止するためのコンクリ
ート亀裂の漏水防止工法に関する。
水壁）などのコンクリート躯体において亀裂が発生した
場合に、その亀裂からの漏水を防止するためのコンクリ
ート亀裂の漏水防止工法に関する。
【０００２】
【従来の技術】上述のような漏水防止工法としては、従
来、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）系などの炭化水素系
エマルションをコンクリート躯体の表面に塗布してプラ
イマー層を形成し、そのプライマー層が乾燥した後に、
プライマー層の表面に、ナイロンやビニロンなどの合成
樹脂繊維とかガラス繊維による不織布を敷設し、その不
織布に上述の場合と同じ炭化水素系エマルションの濃縮
液を塗布含浸してプライマー層に貼り付け、その表面に
防水層を形成していた。
来、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）系などの炭化水素系
エマルションをコンクリート躯体の表面に塗布してプラ
イマー層を形成し、そのプライマー層が乾燥した後に、
プライマー層の表面に、ナイロンやビニロンなどの合成
樹脂繊維とかガラス繊維による不織布を敷設し、その不
織布に上述の場合と同じ炭化水素系エマルションの濃縮
液を塗布含浸してプライマー層に貼り付け、その表面に
防水層を形成していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来工法
では、合成樹脂繊維とかガラス繊維による不織布を敷設
することにより、コンクリート躯体の亀裂発生に起因す
る引っ張りに対しての強度は向上できるものの、その亀
裂発生に伴う伸び量が少なく、亀裂発生に伴うコンクリ
ート躯体の挙動に対する追随性が悪く、防水層に亀裂が
生じやすくて漏水防止効果が低い欠点があった。
では、合成樹脂繊維とかガラス繊維による不織布を敷設
することにより、コンクリート躯体の亀裂発生に起因す
る引っ張りに対しての強度は向上できるものの、その亀
裂発生に伴う伸び量が少なく、亀裂発生に伴うコンクリ
ート躯体の挙動に対する追随性が悪く、防水層に亀裂が
生じやすくて漏水防止効果が低い欠点があった。
【０００４】また、合成樹脂繊維とかガラス繊維による
不織布は、耐候性、耐熱性、耐アルカリ性等の耐薬品性
に劣る欠点があった。
不織布は、耐候性、耐熱性、耐アルカリ性等の耐薬品性
に劣る欠点があった。
【０００５】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、コンクリート躯体の亀裂発生に伴う防
水層での亀裂発生を抑制して漏水防止効果を向上できる
ようにするとともに炭素繊維不織布を利用することによ
り耐候性、耐熱性、耐薬品性などを向上できるようにす
ることを目的とする。
たものであって、コンクリート躯体の亀裂発生に伴う防
水層での亀裂発生を抑制して漏水防止効果を向上できる
ようにするとともに炭素繊維不織布を利用することによ
り耐候性、耐熱性、耐薬品性などを向上できるようにす
ることを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明のコンクリート亀
裂の漏水防止工法は、上述のような目的を達成するため
に、コンクリート躯体の表面にプライマー層を形成し、
そのプライマー層の表面に樹脂で結着した炭素繊維不織
布を敷設し、その炭素繊維不織布の表面に、炭化水素系
エマルションとゴムラテックスおよび遷移金属化合物を
混合して調製した混合液を付与し、その混合液を炭素繊
維不織布に含浸させて炭素繊維層を形成した後、その炭
素繊維層の表面に防水層を形成することを特徴としてい
る。混合液の付与方法としては、塗布することが例示で
きる。
裂の漏水防止工法は、上述のような目的を達成するため
に、コンクリート躯体の表面にプライマー層を形成し、
そのプライマー層の表面に樹脂で結着した炭素繊維不織
布を敷設し、その炭素繊維不織布の表面に、炭化水素系
エマルションとゴムラテックスおよび遷移金属化合物を
混合して調製した混合液を付与し、その混合液を炭素繊
維不織布に含浸させて炭素繊維層を形成した後、その炭
素繊維層の表面に防水層を形成することを特徴としてい
る。混合液の付与方法としては、塗布することが例示で
きる。
【０００７】炭化水素系エマルションとしては、エチレ
ン酢酸ビニル系、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系
などのエマルションを使用できる。ゴムラテックスとし
ては、スチレンブタジエンラバー（ＳＢＲ）系、ネオプ
レン系、クロロプレン系などの合成ゴムおよび天然ゴム
等を使用できる。ゴムラテックスを入れることにより、
炭化水素エマルションが炭素繊維不織布中に浸透しやす
くなる。遷移金属化合物としては、磁性酸化鉄、酸化
銅、酸化マンガン等を使用できる。この中でも、磁気モ
ーメントを有し、電子移動を活性化すると考えられる磁
性酸化鉄が特に好ましい。炭素繊維不織布を結着する樹
脂としては、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などが使用で
きる。
ン酢酸ビニル系、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系
などのエマルションを使用できる。ゴムラテックスとし
ては、スチレンブタジエンラバー（ＳＢＲ）系、ネオプ
レン系、クロロプレン系などの合成ゴムおよび天然ゴム
等を使用できる。ゴムラテックスを入れることにより、
炭化水素エマルションが炭素繊維不織布中に浸透しやす
くなる。遷移金属化合物としては、磁性酸化鉄、酸化
銅、酸化マンガン等を使用できる。この中でも、磁気モ
ーメントを有し、電子移動を活性化すると考えられる磁
性酸化鉄が特に好ましい。炭素繊維不織布を結着する樹
脂としては、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などが使用で
きる。
【０００８】炭素繊維としては、ピッチ系、ポリアクリ
ロニトリル（ＰＡＮ）系、フェノール系、セルロース系
等各種のものを使用でき、また、チョップド・ストラン
ド状やモノフィラメント状のいずれであっても良いが、
マトリックスとの接触面積を増大するうえで、モノフィ
ラメント状のものを使用するのが好ましく、より好まし
くは、カール状のものを使用することである。
ロニトリル（ＰＡＮ）系、フェノール系、セルロース系
等各種のものを使用でき、また、チョップド・ストラン
ド状やモノフィラメント状のいずれであっても良いが、
マトリックスとの接触面積を増大するうえで、モノフィ
ラメント状のものを使用するのが好ましく、より好まし
くは、カール状のものを使用することである。
【０００９】モノフィラメント状の炭素繊維を使用する
場合には、その繊維直径が 5〜30μｍのものを使用する
のが好ましい。 5μｍ未満では、強度が低下し、一方、
30μｍを越えると、マトリックスとの接触面積が減少す
るからである。そして、繊維長が 3mm以上のものを使用
するのが好ましい。 3mm未満のものでは、繊維相互の絡
み付きが悪くて引っ張り強度が低下するからである。ま
た、目付が30〜60ｇ／ｍ2 のものを使用するのが好まし
い。30ｇ／ｍ2 未満では、マトリックスとの接触面積が
減少し、一方、60ｇ／ｍ2 を越えると、含浸させるのに
必要な混合液の量が増加して高価になり不経済になるか
らである。また、嵩密度が 0.006〜0.012 ｇ／cm3 のも
のを使用するのが好ましい。 0.006ｇ／cm3 未満では、
マトリックスとの接触面積が減少し、一方、 0.012ｇ／
cm3 を越えると、混合液の含浸性が低下して部分的に空
洞が発生するのでマトリックスとの接触面積が減少する
ことになるからである。すなわち、目付が30〜60ｇ／ｍ
2 で、かつ、嵩密度が 0.006〜0.012 ｇ／cm3 程度の炭
素繊維不織布は、混合液を適度に含浸することができる
ので好ましい。
場合には、その繊維直径が 5〜30μｍのものを使用する
のが好ましい。 5μｍ未満では、強度が低下し、一方、
30μｍを越えると、マトリックスとの接触面積が減少す
るからである。そして、繊維長が 3mm以上のものを使用
するのが好ましい。 3mm未満のものでは、繊維相互の絡
み付きが悪くて引っ張り強度が低下するからである。ま
た、目付が30〜60ｇ／ｍ2 のものを使用するのが好まし
い。30ｇ／ｍ2 未満では、マトリックスとの接触面積が
減少し、一方、60ｇ／ｍ2 を越えると、含浸させるのに
必要な混合液の量が増加して高価になり不経済になるか
らである。また、嵩密度が 0.006〜0.012 ｇ／cm3 のも
のを使用するのが好ましい。 0.006ｇ／cm3 未満では、
マトリックスとの接触面積が減少し、一方、 0.012ｇ／
cm3 を越えると、混合液の含浸性が低下して部分的に空
洞が発生するのでマトリックスとの接触面積が減少する
ことになるからである。すなわち、目付が30〜60ｇ／ｍ
2 で、かつ、嵩密度が 0.006〜0.012 ｇ／cm3 程度の炭
素繊維不織布は、混合液を適度に含浸することができる
ので好ましい。
【００１０】炭素繊維層の厚みとしては、 0.5〜 1.5mm
にするのが好ましい。 0.5mm未満では、厚み方向に直交
する方向での伸び量が少なくなり、一方、 1.5mmを越え
ると、混合液の含浸性が低下するからである。
にするのが好ましい。 0.5mm未満では、厚み方向に直交
する方向での伸び量が少なくなり、一方、 1.5mmを越え
ると、混合液の含浸性が低下するからである。
【００１１】防水層としては、エチレン酢酸ビニル系、
アクリル系、ウレタン系、エポキシ系等の塗膜防水ある
いは塩ビ系、アスファルト系、ゴムラテックス系等の市
販のシート防水が使用できる。
アクリル系、ウレタン系、エポキシ系等の塗膜防水ある
いは塩ビ系、アスファルト系、ゴムラテックス系等の市
販のシート防水が使用できる。
【００１２】
【作用】本発明のコンクリート亀裂の漏水防止工法の構
成によれば、防水層を形成した状態において、コンクリ
ート躯体の亀裂発生に伴うコンクリート躯体の挙動に追
随して、遷移金属化合物の作用により、炭化水素エマル
ションおよび／またはゴムラテックスが架橋するために
炭素繊維層が伸び、炭素繊維層が緩衝層として良好に作
用することにより、コンクリート躯体の挙動が防水層に
波及することを防止することができ、そして、炭素繊維
不織布によって、耐候性、耐熱性、耐薬品性のいずれを
も高めることができる。
成によれば、防水層を形成した状態において、コンクリ
ート躯体の亀裂発生に伴うコンクリート躯体の挙動に追
随して、遷移金属化合物の作用により、炭化水素エマル
ションおよび／またはゴムラテックスが架橋するために
炭素繊維層が伸び、炭素繊維層が緩衝層として良好に作
用することにより、コンクリート躯体の挙動が防水層に
波及することを防止することができ、そして、炭素繊維
不織布によって、耐候性、耐熱性、耐薬品性のいずれを
も高めることができる。
【００１３】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
に説明する。
【００１４】先ず、エチレン酢酸ビニル系の炭化水素系
エマルション（Ｓ−４００：住友化学工業株式会社製）
50重量部と、スチレンブタジエンラバー系の合成ゴムラ
テックス（トマックスーパー：日本ラテックス加工株式
会社製）50重量部と、遷移金属化合物である磁性酸化鉄
（戸田工業株式会社製）３重量部とを攪拌混合して混合
液を調製しておく。また、目付が30ｇ／ｍ2 、繊維直径
が13μｍ、繊維長が 3〜30mmのものが混在して平均繊維
長が 8mm、厚みが 0.5mmの炭素繊維を15重量％のエポキ
シ樹脂で結着したピッチ系炭素繊維不織布（Ｓ−２５
３：大阪瓦斯株式会社製）を準備する。更に、エチレン
酢酸ビニル共重合体エマルション 150重量部と、アルミ
ナセメント30重量部と、４号珪砂70重量部とを攪拌混合
して調製した防水材（パラテックスＡ材：大関化学工業
株式会社製）および炭化水素系エマルションであるプラ
イマー溶液（ＡＰプライマー：大関化学工業株式会社
製）を準備しておく。
エマルション（Ｓ−４００：住友化学工業株式会社製）
50重量部と、スチレンブタジエンラバー系の合成ゴムラ
テックス（トマックスーパー：日本ラテックス加工株式
会社製）50重量部と、遷移金属化合物である磁性酸化鉄
（戸田工業株式会社製）３重量部とを攪拌混合して混合
液を調製しておく。また、目付が30ｇ／ｍ2 、繊維直径
が13μｍ、繊維長が 3〜30mmのものが混在して平均繊維
長が 8mm、厚みが 0.5mmの炭素繊維を15重量％のエポキ
シ樹脂で結着したピッチ系炭素繊維不織布（Ｓ−２５
３：大阪瓦斯株式会社製）を準備する。更に、エチレン
酢酸ビニル共重合体エマルション 150重量部と、アルミ
ナセメント30重量部と、４号珪砂70重量部とを攪拌混合
して調製した防水材（パラテックスＡ材：大関化学工業
株式会社製）および炭化水素系エマルションであるプラ
イマー溶液（ＡＰプライマー：大関化学工業株式会社
製）を準備しておく。
【００１５】そして、図１の断面図に示すように、コン
クリート躯体１の表面に、ローラーでプライマー溶液を
300ｇ／ｍ2 塗布してプライマー層２を形成し、そのプ
ライマー層２の表面に炭素繊維不織布を敷設し、炭素繊
維不織布の表面に、ローラーで前記混合液を 1,100ｇ／
ｍ2 塗布して含浸させて炭素繊維層３を形成する。
クリート躯体１の表面に、ローラーでプライマー溶液を
300ｇ／ｍ2 塗布してプライマー層２を形成し、そのプ
ライマー層２の表面に炭素繊維不織布を敷設し、炭素繊
維不織布の表面に、ローラーで前記混合液を 1,100ｇ／
ｍ2 塗布して含浸させて炭素繊維層３を形成する。
【００１６】その後、炭素繊維層３の表面に、ローラー
で前記防水材を 1,700ｇ／ｍ2 塗布して防水層４を形成
し、コンクリート亀裂に起因する漏水を防止する。
で前記防水材を 1,700ｇ／ｍ2 塗布して防水層４を形成
し、コンクリート亀裂に起因する漏水を防止する。
【００１７】次に、比較実験結果について説明する。比
較例の試料としては、次のものを用いた。 ＜第１比較例＞前述実施例における炭素繊維層３を無く
した。 ＜第２比較例＞前述実施例における炭素繊維不織布に代
えて、ナイロン繊維不織布を用いた。 ＜第３比較例＞前述実施例における混合液中の磁性酸化
鉄を無くした。
較例の試料としては、次のものを用いた。 ＜第１比較例＞前述実施例における炭素繊維層３を無く
した。 ＜第２比較例＞前述実施例における炭素繊維不織布に代
えて、ナイロン繊維不織布を用いた。 ＜第３比較例＞前述実施例における混合液中の磁性酸化
鉄を無くした。
【００１８】試験としては、上述実施例、第１、第２お
よび第３比較例それぞれにおいて塗膜層を作成し、それ
を室温20℃で１週間養生した後、引張試験およびゼロス
パン伸び試験を行った。
よび第３比較例それぞれにおいて塗膜層を作成し、それ
を室温20℃で１週間養生した後、引張試験およびゼロス
パン伸び試験を行った。
【００１９】引張試験としては、JIS A 6008合成高分子
ルーフィング試験法に基づき、２号型ダンベル打ち抜き
試験片を作り、伸び率（％）を測定した。また、ゼロス
パン伸び試験としては、図２の斜視図に示すように、 1
50×30×5 mmのスレート板５の表面に、前述の方法で塗
膜層６を作成し、スレート板５の長手方向中央部の裏面
にカッターで切れ込み７を入れ、切れ込み７部分を予め
割り、引張速度５mm／min で引っ張り、塗膜層６にピン
ホールが生じるまでの値を伸び量（mm）として測定し
た。
ルーフィング試験法に基づき、２号型ダンベル打ち抜き
試験片を作り、伸び率（％）を測定した。また、ゼロス
パン伸び試験としては、図２の斜視図に示すように、 1
50×30×5 mmのスレート板５の表面に、前述の方法で塗
膜層６を作成し、スレート板５の長手方向中央部の裏面
にカッターで切れ込み７を入れ、切れ込み７部分を予め
割り、引張速度５mm／min で引っ張り、塗膜層６にピン
ホールが生じるまでの値を伸び量（mm）として測定し
た。
【００２０】上記測定の結果、下記の測定値を得た。 伸び率（％） ゼロスパン伸び量（mm） 第１比較例： １９２ ５．００ 第２比較例： ２８ ５．７１ 第３比較例： ２８０ ８．３２ 実 施 例： ３０５ ９．７０
【００２１】上記結果から、本発明に係る実施例の場合
に、第１比較例はもちろんのこと、ナイロン繊維不織布
を使用した第２比較例に比べて、伸び量が２倍近くにな
り、コンクリート躯体１において亀裂が発生したとき
に、そのコンクリート躯体１の挙動に炭素繊維層３が良
好に追随し、防水層４に亀裂が発生することを防止して
漏水を良好に防止できることが明らかである。また、第
３比較例に比べて、遷移金属化合物である磁性酸化鉄を
入れることにより架橋効果が発揮され、伸び率、ゼロス
パン伸び量および塗膜強度のいずれをも向上できること
が明らかである。
に、第１比較例はもちろんのこと、ナイロン繊維不織布
を使用した第２比較例に比べて、伸び量が２倍近くにな
り、コンクリート躯体１において亀裂が発生したとき
に、そのコンクリート躯体１の挙動に炭素繊維層３が良
好に追随し、防水層４に亀裂が発生することを防止して
漏水を良好に防止できることが明らかである。また、第
３比較例に比べて、遷移金属化合物である磁性酸化鉄を
入れることにより架橋効果が発揮され、伸び率、ゼロス
パン伸び量および塗膜強度のいずれをも向上できること
が明らかである。
【００２２】次に、実施例工法と従来例工法それぞれに
よる効果につき、図３の概略断面図を用いて説明する。
よる効果につき、図３の概略断面図を用いて説明する。
【００２３】実施例工法においては、図３の（ａ）に示
すように、前述方法により、コンクリート躯体１上に、
プライマー層２、炭素繊維層３、防水層４をその順に形
成し、更に、防水層４の表面に保護層８を形成した。
すように、前述方法により、コンクリート躯体１上に、
プライマー層２、炭素繊維層３、防水層４をその順に形
成し、更に、防水層４の表面に保護層８を形成した。
【００２４】一方、従来例工法においては、図３の
（ｂ）に示すように、コンクリート躯体０１上にプライ
マー層０２を形成するとともに、そのプライマー層０２
上にナイロン製格子状補強材を敷設して補強層０３を形
成し、その補強層０３上にウレタン等から成る塗膜防水
層０４を形成し、更に、その塗膜防水層０４の表面に、
実施例工法におけると同じ保護層０５を形成した。上記
保護層８，０５それぞれは無くても良い。
（ｂ）に示すように、コンクリート躯体０１上にプライ
マー層０２を形成するとともに、そのプライマー層０２
上にナイロン製格子状補強材を敷設して補強層０３を形
成し、その補強層０３上にウレタン等から成る塗膜防水
層０４を形成し、更に、その塗膜防水層０４の表面に、
実施例工法におけると同じ保護層０５を形成した。上記
保護層８，０５それぞれは無くても良い。
【００２５】上記結果、コンクリート躯体１，０１で発
生した亀裂Ｋが大きい場合に、従来例工法では、図３の
（ｂ）に示すように、亀裂Ｋが塗膜防水層０４にまで波
及して漏水防止効果を発揮できない。これに対して、実
施例工法では、コンクリート躯体１からの亀裂Ｋが炭素
繊維層３にまで進行しても、その炭素繊維層３で止まる
か、あるいは、炭素繊維層３の伸びによって亀裂Ｋが炭
素繊維層３まで波及しない。
生した亀裂Ｋが大きい場合に、従来例工法では、図３の
（ｂ）に示すように、亀裂Ｋが塗膜防水層０４にまで波
及して漏水防止効果を発揮できない。これに対して、実
施例工法では、コンクリート躯体１からの亀裂Ｋが炭素
繊維層３にまで進行しても、その炭素繊維層３で止まる
か、あるいは、炭素繊維層３の伸びによって亀裂Ｋが炭
素繊維層３まで波及しない。
【００２６】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のコンクリート亀裂の漏水防止工法によれば、炭素繊維
層に炭素繊維不織布を使用するから、耐候性、耐熱性、
耐薬品性などを向上でき、長期にわたって漏水を良好に
防止できるようになった。
のコンクリート亀裂の漏水防止工法によれば、炭素繊維
層に炭素繊維不織布を使用するから、耐候性、耐熱性、
耐薬品性などを向上でき、長期にわたって漏水を良好に
防止できるようになった。
【００２７】しかも、炭素繊維不織布に、炭化水素系エ
マルションとゴムラテックスおよび遷移金属化合物の混
合液を塗布含浸するから、コンクリート躯体の亀裂発生
に伴うコンクリート躯体の挙動に対して、架橋効果が発
揮されて炭素繊維層が追随して良好に伸びるとともに炭
素繊維層が緩衝層として作用し、コンクリート躯体の挙
動が防水層に波及することを防止でき、コンクリート躯
体の亀裂発生にかかわらず、防水層によって漏水を良好
に防止できるようになった。
マルションとゴムラテックスおよび遷移金属化合物の混
合液を塗布含浸するから、コンクリート躯体の亀裂発生
に伴うコンクリート躯体の挙動に対して、架橋効果が発
揮されて炭素繊維層が追随して良好に伸びるとともに炭
素繊維層が緩衝層として作用し、コンクリート躯体の挙
動が防水層に波及することを防止でき、コンクリート躯
体の亀裂発生にかかわらず、防水層によって漏水を良好
に防止できるようになった。
【図１】本発明に係るコンクリート亀裂の漏水防止工法
を説明する概略断面図である。
を説明する概略断面図である。
【図２】ゼロスパン伸び試験を説明する斜視図である。
【図３】実施例工法および従来例工法の説明に供する断
面図である。
面図である。
１…コンクリート躯体 ２…プライマー層 ３…炭素繊維層 ４…防水層
Claims (1)
- 【請求項１】 コンクリート躯体の表面にプライマー層
を形成し、そのプライマー層の表面に樹脂で結着した炭
素繊維不織布を敷設し、その炭素繊維不織布の表面に、
炭化水素系エマルションとゴムラテックスおよび遷移金
属化合物を混合して調製した混合液を塗布し、その混合
液を炭素繊維に含浸させて炭素繊維層を形成した後、そ
の炭素繊維層の表面に防水層を形成することを特徴とす
るコンクリート亀裂の漏水防止工法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31331691A JPH05125841A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | コンクリート亀裂の漏水防止工法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31331691A JPH05125841A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | コンクリート亀裂の漏水防止工法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05125841A true JPH05125841A (ja) | 1993-05-21 |
Family
ID=18039766
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31331691A Pending JPH05125841A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | コンクリート亀裂の漏水防止工法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05125841A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5409564A (en) * | 1989-11-14 | 1995-04-25 | Aaldijk; Cornelius | Flexible crack spread preventing, separable web-type joining material for joining a bearing face of a structure to a covering layer to be provided thereon, method for use of and covering layer construction formed with this material |
| US5452558A (en) * | 1994-04-11 | 1995-09-26 | Eastin; Gary | Method for permanently repairing and sealing roofs |
| JPH0828063A (ja) * | 1994-08-22 | 1996-01-30 | Fujimi Kogyo Kk | コンクリ−ト外壁の亀裂改修構造 |
| KR100688468B1 (ko) * | 2006-04-04 | 2007-03-02 | (주)성우이앤씨 | 콘크리트 구조물의 방수, 크랙 보수 방법 및 이에 사용되는장치 |
| JP2017193906A (ja) * | 2016-04-22 | 2017-10-26 | 株式会社Ｂａｎ−Ｚｉ | 赤錆びによる腐食部を補修する補修方法及び補修キット |
| CN108264666A (zh) * | 2016-12-30 | 2018-07-10 | 上海长宁橡胶制品厂有限公司 | 一种氯丁橡胶沥青防水材料及其制备方法 |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP31331691A patent/JPH05125841A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5409564A (en) * | 1989-11-14 | 1995-04-25 | Aaldijk; Cornelius | Flexible crack spread preventing, separable web-type joining material for joining a bearing face of a structure to a covering layer to be provided thereon, method for use of and covering layer construction formed with this material |
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