JPH05125745A - オペレータキヤビンの弾性支持装置 - Google Patents
オペレータキヤビンの弾性支持装置Info
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- JPH05125745A JPH05125745A JP31841191A JP31841191A JPH05125745A JP H05125745 A JPH05125745 A JP H05125745A JP 31841191 A JP31841191 A JP 31841191A JP 31841191 A JP31841191 A JP 31841191A JP H05125745 A JPH05125745 A JP H05125745A
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- Japan
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- operator cabin
- elastic
- case
- damping plate
- damping
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 油圧パワーショベルの高速走行時におけるオ
ペレータキャビンの固有振動数を増大させて履帯・スプ
ロケットホイールの噛合周波数との共振を避けると共
に、広い範囲の加振振動数が作用するオペレータキャビ
ンを減衰板ダンパ付き緩衝装置によって支持して、広い
範囲の加振振動数に対する有効な減衰作用を得ることに
より、油圧パワーショベルにおけるオペレータの乗り心
地性と、オペレータキャビンの強度向上を図る。 【構成】 前記減衰板ダンパ付き緩衝装置4はケース4
dと、胴部外側面と鍔部下面を前記ケースに接着した鍔
付き弾性体4eと、前記鍔付き弾性体の中心部に接着さ
れた中心軸と、該中心軸下端部に固定された減衰板6
と、前記ケース下端に固定された減衰板ケースに充填さ
れた粘性体7とにより形成される粘性減衰器とにより構
成されると共に、前記中心軸上部にオペレータキャビン
を固定し、該オペレータキャビンは前記鍔付き弾性体の
鍔部上面で支持される。
ペレータキャビンの固有振動数を増大させて履帯・スプ
ロケットホイールの噛合周波数との共振を避けると共
に、広い範囲の加振振動数が作用するオペレータキャビ
ンを減衰板ダンパ付き緩衝装置によって支持して、広い
範囲の加振振動数に対する有効な減衰作用を得ることに
より、油圧パワーショベルにおけるオペレータの乗り心
地性と、オペレータキャビンの強度向上を図る。 【構成】 前記減衰板ダンパ付き緩衝装置4はケース4
dと、胴部外側面と鍔部下面を前記ケースに接着した鍔
付き弾性体4eと、前記鍔付き弾性体の中心部に接着さ
れた中心軸と、該中心軸下端部に固定された減衰板6
と、前記ケース下端に固定された減衰板ケースに充填さ
れた粘性体7とにより形成される粘性減衰器とにより構
成されると共に、前記中心軸上部にオペレータキャビン
を固定し、該オペレータキャビンは前記鍔付き弾性体の
鍔部上面で支持される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧パワーショベル等
の建設機械に装着しているオペレータキャビンの車体へ
の弾性支持装置に関する。
の建設機械に装着しているオペレータキャビンの車体へ
の弾性支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から一般に用いられている油圧パワ
ーショベルの側面図を図1に示す。図1において1はオ
ペレータキャビン、2は上部旋回体、2aは上部旋回体
フレーム、3は下部走行体である。図6は図1における
オペレータキャビン1の上部旋回体フレーム2aへの装
着関係を示す図で、上部旋回体フレーム2aに溶接され
た支持フレーム22bにオペレータキャビン1の床板2
1aが緩衝装置24により取り付けられている。前記緩
衝装置24による床板21aと支持フレーム22bとの
結合関係の詳細を図7に示す。図7において前記床板2
1aと支持フレーム22b間に配置されたケース24c
に収納された弾性体24aと、ケース24dに収納され
た弾性体24bとにより支持フレーム22bをサンドイ
ッチ状に挟み込んだ状態で、前記床板21aに溶接され
たフロアボス21bを前記ケース24c、弾性体24
a、ケース24d、弾性体24bに貫通させたのち、ボ
ルト26をフロアボス21bに締結することにより前記
弾性体24aと弾性体24bに所定量の締め代を与える
ようにして組み立てられている。なお、前記床板21a
はオペレータキャビン1のフレームに溶接されたブラケ
ット21cにボルト27により締着され、前記緩衝装置
24は図6に示すようにオペレータキャビン1の前後左
右に四個装着されており、また、前記フロアボス21b
の外周と支持フレーム22bの装着穴間には弾性体25
が嵌合されており、上部旋回体フレーム2aに対してオ
ペレータキャビン1が平面内で弾性的に位置決めされて
いる。
ーショベルの側面図を図1に示す。図1において1はオ
ペレータキャビン、2は上部旋回体、2aは上部旋回体
フレーム、3は下部走行体である。図6は図1における
オペレータキャビン1の上部旋回体フレーム2aへの装
着関係を示す図で、上部旋回体フレーム2aに溶接され
た支持フレーム22bにオペレータキャビン1の床板2
1aが緩衝装置24により取り付けられている。前記緩
衝装置24による床板21aと支持フレーム22bとの
結合関係の詳細を図7に示す。図7において前記床板2
1aと支持フレーム22b間に配置されたケース24c
に収納された弾性体24aと、ケース24dに収納され
た弾性体24bとにより支持フレーム22bをサンドイ
ッチ状に挟み込んだ状態で、前記床板21aに溶接され
たフロアボス21bを前記ケース24c、弾性体24
a、ケース24d、弾性体24bに貫通させたのち、ボ
ルト26をフロアボス21bに締結することにより前記
弾性体24aと弾性体24bに所定量の締め代を与える
ようにして組み立てられている。なお、前記床板21a
はオペレータキャビン1のフレームに溶接されたブラケ
ット21cにボルト27により締着され、前記緩衝装置
24は図6に示すようにオペレータキャビン1の前後左
右に四個装着されており、また、前記フロアボス21b
の外周と支持フレーム22bの装着穴間には弾性体25
が嵌合されており、上部旋回体フレーム2aに対してオ
ペレータキャビン1が平面内で弾性的に位置決めされて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術におい
てはオペレータキャビン1の床板21aを複数の緩衝装
置24により上部旋回体2の支持フレーム22bに連結
されているため、オペレータキャビン1の固有振動数が
小さく油圧パワーショベルの高速走行時に前記オペレー
タキャビン1の固有振動数が履帯・スプロケットホイー
ルの噛合周波数と近くなり、オペレータキャビン1が共
振を起こしていた。そのために、オペレータキャビン1
の振動は増幅され、特に左右方向の揺れが増大するが、
前記従来の技術は緩衝装置24による緩衝作用が主な目
的であり、前記オペレータキャビン1の共振により増大
された振動に対する減衰作用が少ないため、高速走行時
の乗り心地が悪かった。また、前記振動によりオペレー
タキャビン1の強度低下をもたらしていた。本発明は前
記の課題を解決し、特に油圧パワーショベルの高速走行
時における振動を低減せしめるオペレータキャビン1の
車体への支持構造を提供することを目的とする。
てはオペレータキャビン1の床板21aを複数の緩衝装
置24により上部旋回体2の支持フレーム22bに連結
されているため、オペレータキャビン1の固有振動数が
小さく油圧パワーショベルの高速走行時に前記オペレー
タキャビン1の固有振動数が履帯・スプロケットホイー
ルの噛合周波数と近くなり、オペレータキャビン1が共
振を起こしていた。そのために、オペレータキャビン1
の振動は増幅され、特に左右方向の揺れが増大するが、
前記従来の技術は緩衝装置24による緩衝作用が主な目
的であり、前記オペレータキャビン1の共振により増大
された振動に対する減衰作用が少ないため、高速走行時
の乗り心地が悪かった。また、前記振動によりオペレー
タキャビン1の強度低下をもたらしていた。本発明は前
記の課題を解決し、特に油圧パワーショベルの高速走行
時における振動を低減せしめるオペレータキャビン1の
車体への支持構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記従来の技術における
課題を解決するための手段は次のとおりである。請求項
1は建設機械のオペレータキャビンを減衰板ダンパ付き
緩衝装置を介して車体に装着するようにし、請求項2は
請求項1における減衰板ダンパ付き緩衝装置はケース
と、胴部外側面と鍔部下面を前記ケースに接着した鍔付
き弾性体と、前記鍔付き弾性体の中心部に接着された中
心軸と、該中心軸下端部に固定された減衰板と、前記ケ
ース下端に固定された減衰板ケースに充填された粘性体
とにより形成される粘性減衰器とにより構成されると共
に、前記中心軸上部にオペレータキャビンを固定し、該
オペレータキャビンは前記鍔付き弾性体の鍔部上面で支
持されるようにし、請求項3は請求項2における鍔付き
弾性体の鍔部外周部に前記オペレータキャビンとの間に
僅かな間隔をおいてオペレータキャビンの下移動を制限
する弾性ストッパを前記ケースに接着すると共に、前記
減衰板上面に前記オペレータキャビンの上移動を制限す
る弾性ストッパを接着する。
課題を解決するための手段は次のとおりである。請求項
1は建設機械のオペレータキャビンを減衰板ダンパ付き
緩衝装置を介して車体に装着するようにし、請求項2は
請求項1における減衰板ダンパ付き緩衝装置はケース
と、胴部外側面と鍔部下面を前記ケースに接着した鍔付
き弾性体と、前記鍔付き弾性体の中心部に接着された中
心軸と、該中心軸下端部に固定された減衰板と、前記ケ
ース下端に固定された減衰板ケースに充填された粘性体
とにより形成される粘性減衰器とにより構成されると共
に、前記中心軸上部にオペレータキャビンを固定し、該
オペレータキャビンは前記鍔付き弾性体の鍔部上面で支
持されるようにし、請求項3は請求項2における鍔付き
弾性体の鍔部外周部に前記オペレータキャビンとの間に
僅かな間隔をおいてオペレータキャビンの下移動を制限
する弾性ストッパを前記ケースに接着すると共に、前記
減衰板上面に前記オペレータキャビンの上移動を制限す
る弾性ストッパを接着する。
【0005】
【作用】請求項1では、オペレータキャビンを減衰板ダ
ンパ付き緩衝装置を介して車体に装着するようにしたた
め、建設機械のように広い範囲の加振振動数が作用する
車両に対して顕著な緩衝・減衰作用を有する。請求項2
では、請求項1における減衰板ダンパ付き緩衝装置はケ
ースと、胴部外側面と鍔部下面を前記ケースに接着した
鍔付き弾性体と、前記鍔付き弾性体の中心部に接着され
た中心軸と、該中心軸下端部に固定された減衰板と、前
記ケース下端に固定された減衰板ケースに充填された粘
性体とにより形成される粘性減衰器とにより構成される
と共に、前記中心軸上部にオペレータキャビンを固定
し、該オペレータキャビンは前記鍔付き弾性体の鍔部上
面で支持されるようにしたので、建設機械のように広い
範囲の加振振動数に対して上下方向における有効な緩衝
・減衰作用を有するだけでなく、上部にオペレータキャ
ビンを固定した中心軸は鍔付き弾性体の鍔部と胴部によ
り垂直に対する倒れを弾性支持するため、オペレータキ
ャビンの前後・左右方向の揺動振動を確実に減少させる
ことができる。請求項3では、請求項2における鍔付き
弾性体の鍔部外周部に前記オペレータキャビンとの間に
僅かな間隔をおいてオペレータキャビンの下移動を制限
する弾性ストッパを前記ケースに接着すると共に、前記
減衰板上面に前記オペレータキャビンの上移動を制限す
る弾性ストッパを接着したので、前記オペレータキャビ
ンが下方に移動して弾性ストッパに当接してからばね定
数が上昇した状態でオペレータキャビンが下移動し、ま
た、前記オペレータキャビンが上方に移動して弾性スト
ッパが減衰板ケースに当接してからばね定数が上昇した
状態でオペレータキャビンが上移動するため、オペレー
タキャビンの上下動における緩衝作用が顕著である。
ンパ付き緩衝装置を介して車体に装着するようにしたた
め、建設機械のように広い範囲の加振振動数が作用する
車両に対して顕著な緩衝・減衰作用を有する。請求項2
では、請求項1における減衰板ダンパ付き緩衝装置はケ
ースと、胴部外側面と鍔部下面を前記ケースに接着した
鍔付き弾性体と、前記鍔付き弾性体の中心部に接着され
た中心軸と、該中心軸下端部に固定された減衰板と、前
記ケース下端に固定された減衰板ケースに充填された粘
性体とにより形成される粘性減衰器とにより構成される
と共に、前記中心軸上部にオペレータキャビンを固定
し、該オペレータキャビンは前記鍔付き弾性体の鍔部上
面で支持されるようにしたので、建設機械のように広い
範囲の加振振動数に対して上下方向における有効な緩衝
・減衰作用を有するだけでなく、上部にオペレータキャ
ビンを固定した中心軸は鍔付き弾性体の鍔部と胴部によ
り垂直に対する倒れを弾性支持するため、オペレータキ
ャビンの前後・左右方向の揺動振動を確実に減少させる
ことができる。請求項3では、請求項2における鍔付き
弾性体の鍔部外周部に前記オペレータキャビンとの間に
僅かな間隔をおいてオペレータキャビンの下移動を制限
する弾性ストッパを前記ケースに接着すると共に、前記
減衰板上面に前記オペレータキャビンの上移動を制限す
る弾性ストッパを接着したので、前記オペレータキャビ
ンが下方に移動して弾性ストッパに当接してからばね定
数が上昇した状態でオペレータキャビンが下移動し、ま
た、前記オペレータキャビンが上方に移動して弾性スト
ッパが減衰板ケースに当接してからばね定数が上昇した
状態でオペレータキャビンが上移動するため、オペレー
タキャビンの上下動における緩衝作用が顕著である。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図2は前記図1に示された油圧パワー
ショベルの側面図におけるオペレータキャビン1と上部
旋回体フレーム2aとの装着関係を示す一部切欠図で、
1aはオペレータキャビン1に溶接されたブラケット1
cにボルト7により締着された床板、2bは上部旋回体
フレーム2aに溶接された支持フレーム、4はオペレー
タキャビン1の床板1aを上部旋回体フレーム2aに溶
接された支持フレーム2bに弾性支持するための減衰板
ダンパ付き緩衝装置、図3は前記図2における床板1a
と支持フレーム2bとの減衰板ダンパ付き緩衝装置4に
よる結合関係を示す詳細図、図4は本発明実施例におけ
る減衰板ダンパ付き緩衝装置と従来技術におけるゴムマ
ウントに関する振動伝達特性の比較図、図5は本発明実
施例における減衰板ダンパ付き緩衝装置のロスファクタ
と従来技術におけるゴムマウントのロスファクタとの比
較図である。図2において、オペレータキャビン1の床
板1aは前後、左右四箇所で減衰板ダンパ付き緩衝装置
4により上部旋回体フレーム2aに溶接された支持フレ
ーム2bに弾性支持されている。図3において減衰板ダ
ンパ付き緩衝装置4は、上フランジ部4a、下フランジ
部4b、胴部4c、ダンパケース4dにより形成される
ケース、弾性体鍔部4e、弾性体胴部4f、上動ストッ
パ部4gにより形成される弾性体、該弾性体の弾性体鍔
部4eと弾性体胴部4fにわたってその中心部を貫通す
る中心軸4h、該中心軸4hの下端にボルト5により締
結された減衰板6、該減衰板6の上面外周に接着された
上動ストッパ6a、前記ダンパケース4dに充填された
シリコンオイル7により構成されている。前記弾性体鍔
部4eの下面はケースの上フランジ部4aの上面と接着
されており、弾性体胴部4fの外側面はケースの胴部4
c内面と接着されており、中心軸4hの外周面は弾性体
鍔部4eと弾性体胴部4fとにわたって接着されてお
り、該中心軸4hの下端に減衰板6を固定すると共に、
該減衰板6とシリコンオイル7を充填したダンパケース
4dにより減衰板ダンパ4を形成し、前記減衰板6に穿
設される穴6bの数や大きさに応じて減衰板ダンパ4の
振動伝達率Tを決定している。前記中心軸4hの上部で
は前記弾性体鍔部4eとオペレータキャビン1の床板1
a間に介在するスペーサ8を介して座金9、ダブルナッ
ト10により床板1aを弾性体鍔部4e上面に締結し、
ケースのフランジ部4aは前記支持フレーム2bにボル
ト11,ナット12により固定されている。なお、前記
弾性体鍔部4eの外周に配置されている上動ストッパ部
4gの上面と前記オペレータキャビン1の床板1aの下
面とは僅かな間隔を持って締結されている。
詳細に説明する。図2は前記図1に示された油圧パワー
ショベルの側面図におけるオペレータキャビン1と上部
旋回体フレーム2aとの装着関係を示す一部切欠図で、
1aはオペレータキャビン1に溶接されたブラケット1
cにボルト7により締着された床板、2bは上部旋回体
フレーム2aに溶接された支持フレーム、4はオペレー
タキャビン1の床板1aを上部旋回体フレーム2aに溶
接された支持フレーム2bに弾性支持するための減衰板
ダンパ付き緩衝装置、図3は前記図2における床板1a
と支持フレーム2bとの減衰板ダンパ付き緩衝装置4に
よる結合関係を示す詳細図、図4は本発明実施例におけ
る減衰板ダンパ付き緩衝装置と従来技術におけるゴムマ
ウントに関する振動伝達特性の比較図、図5は本発明実
施例における減衰板ダンパ付き緩衝装置のロスファクタ
と従来技術におけるゴムマウントのロスファクタとの比
較図である。図2において、オペレータキャビン1の床
板1aは前後、左右四箇所で減衰板ダンパ付き緩衝装置
4により上部旋回体フレーム2aに溶接された支持フレ
ーム2bに弾性支持されている。図3において減衰板ダ
ンパ付き緩衝装置4は、上フランジ部4a、下フランジ
部4b、胴部4c、ダンパケース4dにより形成される
ケース、弾性体鍔部4e、弾性体胴部4f、上動ストッ
パ部4gにより形成される弾性体、該弾性体の弾性体鍔
部4eと弾性体胴部4fにわたってその中心部を貫通す
る中心軸4h、該中心軸4hの下端にボルト5により締
結された減衰板6、該減衰板6の上面外周に接着された
上動ストッパ6a、前記ダンパケース4dに充填された
シリコンオイル7により構成されている。前記弾性体鍔
部4eの下面はケースの上フランジ部4aの上面と接着
されており、弾性体胴部4fの外側面はケースの胴部4
c内面と接着されており、中心軸4hの外周面は弾性体
鍔部4eと弾性体胴部4fとにわたって接着されてお
り、該中心軸4hの下端に減衰板6を固定すると共に、
該減衰板6とシリコンオイル7を充填したダンパケース
4dにより減衰板ダンパ4を形成し、前記減衰板6に穿
設される穴6bの数や大きさに応じて減衰板ダンパ4の
振動伝達率Tを決定している。前記中心軸4hの上部で
は前記弾性体鍔部4eとオペレータキャビン1の床板1
a間に介在するスペーサ8を介して座金9、ダブルナッ
ト10により床板1aを弾性体鍔部4e上面に締結し、
ケースのフランジ部4aは前記支持フレーム2bにボル
ト11,ナット12により固定されている。なお、前記
弾性体鍔部4eの外周に配置されている上動ストッパ部
4gの上面と前記オペレータキャビン1の床板1aの下
面とは僅かな間隔を持って締結されている。
【0007】次に作用について説明する。オペレータキ
ャビン1の重量は、オペレータキャビン1の底板1aが
弾性体鍔部4e上面に当接した状態で、弾性体鍔部4e
の圧縮力と弾性体胴部4fの剪断力により支えられる。
オペレータキャビン1の床板1aに固定された中心軸4
hは、前記弾性体の内側面を前記中心軸4h外周に、弾
性体胴部4fの外側面と弾性体鍔部4e下面を前記ケー
スに接着した弾性体により支持するように構成したの
で、上部にオペレータキャビン1を固定した中心軸4h
は鍔付き弾性体鍔部4eと弾性体胴部4fにより垂直に
対する倒れを弾性支持するため、オペレータキャビン1
の前後・左右方向の揺動振動を確実に減少させることが
できる。また、建設機械のように走行条件や作業条件等
によって変化する広い範囲の加振振動数に対して顕著な
減衰作用を有するだけでなく、オペレータキャビンの上
下動は弾性体ストッパにより制限されるようにしたの
で、オペレータキャビンが前記各弾性ストッパに当接し
てからばね定数が上昇した状態でオペレータキャビンの
上下動が制限されるため、オペレータキャビンには有効
な緩衝作用が働く。図4は本発明実施例における減衰板
ダンパと従来技術におけるゴムマウントに関する振動伝
達特性の比較図で、横軸を加振周波数f(Hz)、縦軸
を振動伝達率Tとした図である。図4において破線で示
されるように、従来技術では加振周波数fが約11Hz
近傍における振動伝達率Tが約2.3であったものが、
本発明実施例の振動伝達率Tは約1.2となり、ほぼ半
減していることが分かる。図5は本発明実施例における
減衰板ダンパ付き緩衝装置のロスファクタと、従来技術
におけるゴムマウントのロスファクタとの比較図で、横
軸を加振周波数f(Hz)、縦軸をロスファクタ(ta
nδ)とした図である。図5において、従来技術のゴム
の弾性体によるオペレータキャビン1の装着構造では、
30Hzまでの加振周波数fに対するロスファクタta
nδは約0.2〜0.25であるのに対し、本発明の実
施例においては約0.8と大きく、減衰効果の大きいこ
とを示している。なお、一般に振動伝達率Tとロスファ
クタ(tanδ)との関係式は下記のとおりである。 T=√1+tan δ2 /√(1−f/fn )2+tan δ2 ・・・・・・(1) 但し、f;加振振動数、fn;固有振動数とする。
ャビン1の重量は、オペレータキャビン1の底板1aが
弾性体鍔部4e上面に当接した状態で、弾性体鍔部4e
の圧縮力と弾性体胴部4fの剪断力により支えられる。
オペレータキャビン1の床板1aに固定された中心軸4
hは、前記弾性体の内側面を前記中心軸4h外周に、弾
性体胴部4fの外側面と弾性体鍔部4e下面を前記ケー
スに接着した弾性体により支持するように構成したの
で、上部にオペレータキャビン1を固定した中心軸4h
は鍔付き弾性体鍔部4eと弾性体胴部4fにより垂直に
対する倒れを弾性支持するため、オペレータキャビン1
の前後・左右方向の揺動振動を確実に減少させることが
できる。また、建設機械のように走行条件や作業条件等
によって変化する広い範囲の加振振動数に対して顕著な
減衰作用を有するだけでなく、オペレータキャビンの上
下動は弾性体ストッパにより制限されるようにしたの
で、オペレータキャビンが前記各弾性ストッパに当接し
てからばね定数が上昇した状態でオペレータキャビンの
上下動が制限されるため、オペレータキャビンには有効
な緩衝作用が働く。図4は本発明実施例における減衰板
ダンパと従来技術におけるゴムマウントに関する振動伝
達特性の比較図で、横軸を加振周波数f(Hz)、縦軸
を振動伝達率Tとした図である。図4において破線で示
されるように、従来技術では加振周波数fが約11Hz
近傍における振動伝達率Tが約2.3であったものが、
本発明実施例の振動伝達率Tは約1.2となり、ほぼ半
減していることが分かる。図5は本発明実施例における
減衰板ダンパ付き緩衝装置のロスファクタと、従来技術
におけるゴムマウントのロスファクタとの比較図で、横
軸を加振周波数f(Hz)、縦軸をロスファクタ(ta
nδ)とした図である。図5において、従来技術のゴム
の弾性体によるオペレータキャビン1の装着構造では、
30Hzまでの加振周波数fに対するロスファクタta
nδは約0.2〜0.25であるのに対し、本発明の実
施例においては約0.8と大きく、減衰効果の大きいこ
とを示している。なお、一般に振動伝達率Tとロスファ
クタ(tanδ)との関係式は下記のとおりである。 T=√1+tan δ2 /√(1−f/fn )2+tan δ2 ・・・・・・(1) 但し、f;加振振動数、fn;固有振動数とする。
【0008】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によるとき
は次の効果を得ることができる。 (1)オペレータキャビンを減衰板ダンパ付き緩衝装置
を介して車体に装着するようにしたため、建設機械のよ
うに広い範囲の加振振動数が作用する車両でも有効な緩
衝・減衰作用があるため、広い範囲の加振振動数に対し
てもオペレータの乗り心地性、およびオペレータキャビ
ンの耐久性を向上させることができる。 (2)減衰板ダンパ付き緩衝装置はケースと、胴部外側
面と鍔部下面を前記ケースに接着した鍔付き弾性体と、
前記鍔付き弾性体の中心部に接着された中心軸と、該中
心軸下端部に固定された減衰板と、前記ケース下端に固
定された減衰板ケースに充填された粘性体とにより形成
される粘性減衰器とにより構成されると共に、前記中心
軸上部にオペレータキャビンを固定し、該オペレータキ
ャビンは前記鍔付き弾性体の鍔部上面で支持されるよう
にしたので、建設機械のように広い範囲の加振振動数に
対しても上下方向における有効な緩衝・減衰作用を有す
るだけでなく、上部にオペレータキャビンを固定した中
心軸は鍔付き弾性体の鍔部と胴部により垂直に対する倒
れを弾性支持するため、オペレータキャビンの前後・左
右方向の揺動振動を確実に減少させることができるた
め、オペレータの乗り心地性、およびオペレータキャビ
ンの耐久性を向上させることができる。 (3)オペレータキャビンの上下動は各弾性体ストッパ
により制限されるようにしたので、オペレータキャビン
が前記各弾性ストッパに当接してからばね定数が上昇し
た状態でオペレータキャビンの上下動が制限されるため
オペレータキャビンには有効な緩衝作用が働き、オペレ
ータの乗り心地性、およびオペレータキャビンの耐久性
を向上させることができる。
は次の効果を得ることができる。 (1)オペレータキャビンを減衰板ダンパ付き緩衝装置
を介して車体に装着するようにしたため、建設機械のよ
うに広い範囲の加振振動数が作用する車両でも有効な緩
衝・減衰作用があるため、広い範囲の加振振動数に対し
てもオペレータの乗り心地性、およびオペレータキャビ
ンの耐久性を向上させることができる。 (2)減衰板ダンパ付き緩衝装置はケースと、胴部外側
面と鍔部下面を前記ケースに接着した鍔付き弾性体と、
前記鍔付き弾性体の中心部に接着された中心軸と、該中
心軸下端部に固定された減衰板と、前記ケース下端に固
定された減衰板ケースに充填された粘性体とにより形成
される粘性減衰器とにより構成されると共に、前記中心
軸上部にオペレータキャビンを固定し、該オペレータキ
ャビンは前記鍔付き弾性体の鍔部上面で支持されるよう
にしたので、建設機械のように広い範囲の加振振動数に
対しても上下方向における有効な緩衝・減衰作用を有す
るだけでなく、上部にオペレータキャビンを固定した中
心軸は鍔付き弾性体の鍔部と胴部により垂直に対する倒
れを弾性支持するため、オペレータキャビンの前後・左
右方向の揺動振動を確実に減少させることができるた
め、オペレータの乗り心地性、およびオペレータキャビ
ンの耐久性を向上させることができる。 (3)オペレータキャビンの上下動は各弾性体ストッパ
により制限されるようにしたので、オペレータキャビン
が前記各弾性ストッパに当接してからばね定数が上昇し
た状態でオペレータキャビンの上下動が制限されるため
オペレータキャビンには有効な緩衝作用が働き、オペレ
ータの乗り心地性、およびオペレータキャビンの耐久性
を向上させることができる。
【0009】
【図1】一般の油圧パワーショベルの側面図である。
【図2】図1に示された油圧パワーショベルの側面図に
おけるオペレータキャビン1と上部旋回体フレーム2a
との装着関係を示す図である。
おけるオペレータキャビン1と上部旋回体フレーム2a
との装着関係を示す図である。
【図3】図2における床板1aおよび支持フレーム2b
と減衰板ダンパ付き緩衝装置4との結合関係を示す詳細
図である。
と減衰板ダンパ付き緩衝装置4との結合関係を示す詳細
図である。
【図4】本発明実施例における減衰板ダンパ付き緩衝装
置と従来技術におけるゴムマウントに関する振動伝達特
性の比較図である。
置と従来技術におけるゴムマウントに関する振動伝達特
性の比較図である。
【図5】本発明実施例における減衰板ダンパ付き緩衝装
置のロスファクタと従来技術におけるゴムマウントのロ
スファクタとの比較図である。
置のロスファクタと従来技術におけるゴムマウントのロ
スファクタとの比較図である。
【図6】従来の技術を示す図である。
【図7】従来の技術を示す図である。
1 ・・・オペレータキャビン 1a・・・床板 1b・・・フロアボス 1c・・・ブラケット 2 ・・・上部旋回体 2a・・・上部旋回体フレーム 2b・・・支持フレーム 3 ・・・下部走行体 4 ・・・減衰板ダンパ付き緩衝装置 4a・・・上フランジ部 4b・・・下フランジ部 4c・・・胴部 4d・・・ダンパケース 4e・・・弾性体鍔部 4f・・・弾性体胴部 4g・・・上動ストッパ部 4h・・・中心軸 5 ・・・ボルト 6 ・・・減衰板 6a・・・上動ストッパ 7 ・・・シリコンオイル 8 ・・・スペーサ 9 ・・・座金 10 ・・・ナット 11 ・・・ボルト 12 ・・・ナット
Claims (3)
- 【請求項1】 建設機械のオペレータキャビンを減衰板
ダンパ付き緩衝装置を介して車体に装着するようにした
ことを特徴とするオペレータキャビンの弾性支持装置。 - 【請求項2】 請求項1における減衰板ダンパ付き緩衝
装置はケースと、胴部外側面と鍔部下面を前記ケースに
接着した鍔付き弾性体と、前記鍔付き弾性体の中心部に
接着された中心軸と、該中心軸下端部に固定された減衰
板と、前記ケース下端に固定された減衰板ケースに充填
された粘性体とにより形成される粘性減衰器とにより構
成されると共に、前記中心軸上部にオペレータキャビン
を固定し、該オペレータキャビンは前記鍔付き弾性体の
鍔部上面で支持されることをことを特徴とするオペレー
タキャビンの弾性支持装置。 - 【請求項3】 請求項2における鍔付き弾性体の鍔部外
周部に前記オペレータキャビンとの間に僅かな間隔をお
いてオペレータキャビンの下移動を制限する弾性ストッ
パを前記ケースに接着すると共に、前記減衰板上面に前
記オペレータキャビンの上移動を制限する弾性ストッパ
を接着することをことを特徴とするオペレータキャビン
の弾性支持装置。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP03318411A JP3107321B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 建設機械のオペレータキャビン弾性支持構造 |
PCT/JP1992/001437 WO1993009302A1 (en) | 1991-11-06 | 1992-11-06 | Resilient supporting device for operator cabin |
US08/240,672 US5516176A (en) | 1991-11-06 | 1992-11-06 | Resilient supporting device for operator cabin |
EP92923182A EP0612892A4 (en) | 1991-11-06 | 1992-11-06 | DEVICE FOR THE ELASTIC STORAGE OF CABLES. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03318411A JP3107321B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 建設機械のオペレータキャビン弾性支持構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05125745A true JPH05125745A (ja) | 1993-05-21 |
JP3107321B2 JP3107321B2 (ja) | 2000-11-06 |
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ID=18098854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03318411A Expired - Fee Related JP3107321B2 (ja) | 1991-11-06 | 1991-11-06 | 建設機械のオペレータキャビン弾性支持構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3107321B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1035258A1 (en) * | 1998-06-15 | 2000-09-13 | Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. | Construction machinery with cab |
US7648193B2 (en) | 2005-11-18 | 2010-01-19 | Bridgestone Corporation | Vibration-isolating supporting structure |
US8657251B2 (en) | 2006-11-30 | 2014-02-25 | Komatsu Ltd. | Cab supporting apparatus of work machine |
JP2015183483A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-22 | 住友重機械工業株式会社 | ショベル |
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-
1991
- 1991-11-06 JP JP03318411A patent/JP3107321B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1035258A1 (en) * | 1998-06-15 | 2000-09-13 | Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. | Construction machinery with cab |
EP1035258A4 (en) * | 1998-06-15 | 2000-12-06 | Hitachi Construction Machinery | CONSTRUCTION MACHINE WITH CAB |
US6340201B1 (en) | 1998-06-15 | 2002-01-22 | Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. | Anti-vibration support for construction machine cab |
US7648193B2 (en) | 2005-11-18 | 2010-01-19 | Bridgestone Corporation | Vibration-isolating supporting structure |
US8657251B2 (en) | 2006-11-30 | 2014-02-25 | Komatsu Ltd. | Cab supporting apparatus of work machine |
JP2015183483A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-22 | 住友重機械工業株式会社 | ショベル |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3107321B2 (ja) | 2000-11-06 |
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