JPH057323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は油圧シヨベル等のキヤビンを支持する
のに好適なキヤビン支持装置に関する。

（従来の技術） 第５図に従来の油圧シヨベルの１例が示され、
下部走行体１上に旋回軸受２を介して垂直軸まわ
りに旋回可能に上部旋回体３が支持され、上部旋
回体３のフレーム４にはフロントアタツチメント
５が起伏可能に枢支されている。そして、フレー
ム４上には第６図に示すようにその前部片側にキ
ヤビン６が載置され、このキヤビン６はその下部
４隅に配設された第７図に示すキヤビン支持装置
Ａによつてフレーム４に結合されている。

第７図において、６ａはキヤビン６のフロア、
１２はフロア６ａの下面に溶接されたボス、１５
はフレーム４の上下両面に添接されたマウントゴ
ム、１４は各マウントゴム１５を被うケース、１
７はマウントゴム１５の穴内に挿入されたスリー
ブ、１８はスリーブ１７の外周面とフレーム４に
設けた穴の内面との間に介装されたゴムブツシユ
である。ボルト１３をボス１２上に載せられたワ
ツシヤ２２、ボス１２、上側のケース１４、スリ
ーブ１７、下側のケース１４及びその下面に添接
されたワツシヤ１６をそれぞれ貫通せしめてその
下端にナツト１９を螺合することによつて締結す
る。一方フロア６ａの上面に溶接されたナツト８
にキヤビン６の外枠６ｂの下部内面に溶接された
ブラケツト１１及びこの上に載置されたワツシヤ
２２を貫通するボルト１０を螺合することによつ
て締結する。９はキヤビン６の外枠６ｂの下端全
周に亘つて張設されたラバーで、フレーム４から
キヤビン６に伝達される高周波成分の振動を吸収
する。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の装置においては、フレーム４の揺動
に伴つてキヤビン６に伝達される上下方向の変位
はキヤビン支持装置Ａのマウントゴム１５で吸収
しているが、水平方向の変位は吸収できないた
め、キヤビン６内のオペレーターの乗心地が大き
く阻害している。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点に対処するために提案され
たものであつて、その要旨とするところは、上部
旋回体のフレーム上に、四隅を防振マウントゴム
ボルトによつて取付けられた建設機械のキヤビン
において、前記キヤビンとフレームの間に、キヤ
ビンの前後方向に且つ上下に傾斜して、オイルダ
ンパとコイルスプリングとを直列に配置したキヤ
ビン支持装置を介装し、更に前記キヤビン支持装
置の上端及び下端をそれぞれゴムブツシユとピン
を介してキヤビンフロア下面及びフレーム上面に
連結し、前記キヤビン支持装置によりキヤビン・
フレーム間の水平方向の相対変位を抑制し、フレ
ームよりキヤビンに伝播する相対変位の吸収減衰
を行うことを特徴とする建設機械のキヤビン取付
装置にある。

（実施例） 本考案の１実施例が第１図ないし第４図に示さ
れている。

第３図及び第４図に示すように、キヤビン６の
フロア６ａとフレーム４との間にはこれらの間の
水平方向の相対変位を低減又は抑制するためのキ
ヤビン支持装置Ａが介装されている。キヤビン支
持装置Ａの詳細が第１図及び第２図に示され、３
７はオイルダンパで、シリンダチユーブ３９と、
この中に油密摺動自在に内装されその両側に密閉
室３０ａと３０ｂを画成するピストン３６と、こ
のピストン３６に連結され、シリンダチユーブ３
９の上端を封密摺動自在に貫通して外部に延出す
るシリンダロツド３８と、密閉室３０ａ，３０ｂ
に油を注入するための注油孔４１ａ，４１ｂと、
ピストン３６に設けられ密閉室３０ａと３０ｂと
を連通する油通路に介装されたオリフイス４０等
からなる。シリンダチユーブ３９の下端に固定さ
れたブラケツト３９ａはフレーム４の上面に突設
された１対のブラケツト４２にピン４３により枢
支されている。４４はブラケツト３９ａのピン貫
通穴の内面に装着されたゴムブツシユ、４７はワ
ツシヤ、４５はピン４３に螺合されたナツトであ
る。ピストンロツド３８の上端はサポートブラケ
ツト３６に螺合され、このサポートブラケツト３
６のヨーク３２はフロア６ａの下面に突設された
ブラケツト３１にピン３３により枢支されてい
る。３４はブラケツト３１のピン貫通穴の内面に
装着されたゴムブツシユ、４６はワツシヤ、３５
はピン３３に螺合されたナツトである。４８はス
プリングでピストンロツド３８の周囲に巻回さ
れ、その１端はサポートブラケツト３６の下端面
に溶接され、他端はシリンダチユーブ３９の上端
面に溶接されている。

しかして、静止時には、各部材は図示の位置を
占めているが、油圧シヨベルの稼動時に、フレー
ム４が揺動し、これとキヤビン６のフロア６ａと
の間に水平方向の相対変位が生じた場合、急激で
大きな変位はオイルダンパ３９の密閉室３０ａか
ら３０ｂへ又はその逆方向に流入する油をオリフ
イス４０で絞ることにより吸収し減衰する。そし
て、微少な相対変位はゴムブツシユ３４及び４４
によつて吸収し、これら相対変位の中間的な大き
くない相対変位はスプリング４８で吸収する。

かくして、キヤビン６の水平方向の揺動が抑制
又は防止され、キヤビン６の中のオペレーターの
乗心地が改善される。

（考案の作用及び効果） 本考案はキヤビンとフレームとの間にこれらの
水平方向の相対変位を吸収し減衰するためのオイ
ルダンパとスプリングを介装したので、オイルダ
ンパ及び又はスプリングによつてキヤビンとフレ
ームとの間の水平方向の相対変位が吸収され、減
衰されるので、キヤビン内のオペレーターの乗心
地を改善できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の１実施例を示
し、第１図は縦断側面図、第２図は縦断正面図、
第３図はキヤビンの側面図、第４図はキヤビンの
正面図である。第５図ないし第７図は従来の油圧
シヨベルの１例を示し、第５図は側面図、第６図
はキヤビンの斜視図、第７図はキヤビン支持装置
の縦断面図である。 キヤビン……６、フレーム……４、オイルダン
パ……３７、スプリング……４８。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部旋回体のフレーム上に、四隅を防振マウン
   トゴムボルトによつて取付けられた建設機械のキ
   ヤビンにおいて、前記キヤビンとフレームの間
   に、キヤビンの前後方向に且つ上下に傾斜して、
   オイルダンパとコイルスプリングとを直列に配置
   したキヤビン支持装置を介装し、更に前記キヤビ
   ン支持装置の上端及び下端をそれぞれゴムブツシ
   ユとピンを介してキヤビンフロア下面及びフレー
   ム上面に連結し、前記キヤビン支持装置によりキ
   ヤビン・フレーム間の水平方向の相対変位を抑制
   し、フレームよりキヤビンに伝播する相対変位の
   吸収減衰を行うことを特徴とする建設機械のキヤ
   ビン取付装置。