JPH05125585A - 耐衝撃密着性に優れた電気メツキ鋼板の製造方法 - Google Patents

耐衝撃密着性に優れた電気メツキ鋼板の製造方法

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JPH05125585A
JPH05125585A JP28676891A JP28676891A JPH05125585A JP H05125585 A JPH05125585 A JP H05125585A JP 28676891 A JP28676891 A JP 28676891A JP 28676891 A JP28676891 A JP 28676891A JP H05125585 A JPH05125585 A JP H05125585A
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JP
Japan
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steel sheet
plating
impact resistance
alloy
adhesive strength
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JP28676891A
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Masahito Fujita
優人 藤田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Zn−Ni系合金電気メッキ鋼板の耐衝撃密着性
を改善する。 【構成】 焼鈍冷延鋼板に下地Niメッキを付着量0.05〜
5g/m2で施し、次いで伸び率0.1 %以上の調質圧延、さ
らに所望により酸洗を行ってから、目的とするZn−Ni系
合金電気メッキを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐衝撃密着性を
有するZn−Ni系合金電気メッキ鋼板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用鋼板、特に車体外板用鋼
板の耐食性に対する要求は年々厳しくなっており、従来
から広く使用されている“冷延鋼板”に代わって、“亜
鉛メッキ鋼板”や“亜鉛系合金メッキ鋼板”が使用され
るようになってきた。なかでも、亜鉛系合金メッキ鋼板
の一種であるZn−Ni合金メッキ鋼板は優れた耐食性を有
しており、今日では最も一般的に使用されてきている。
しかし、このZn−Ni合金メッキ鋼板は、メッキ皮膜が硬
くて脆いため、耐衝撃密着性が亜鉛メッキ鋼板に比べて
劣るという欠点があった。
【0003】そこで、最近ではZn−Ni合金メッキ鋼板の
メッキ皮膜の密着性を改善するための種々の提案がなさ
れている。例えば、特開昭56−38495 号公報では、下地
にNiメッキを施す方法が提案されている。いわゆる、ス
トライクNiメッキの考えに基づくものである。
【0004】その他、鋼板表面をメッキ前に酸洗する方
法や、下地にZn−Ni合金の薄メッキを施しメッキ後に無
通電浸漬するなどの方法がある。
【0005】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、これらの従来
法では今日要求されているような寒冷地での使用状況下
では実際にNiメッキのみでは走行中の石のはねかけある
いは凍結防止のために散布される岩塩がはね上げられた
ときの衝撃等に起因するメッキ皮膜剥離を防止する耐衝
撃密着性が十分得られないという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる状況
下での耐衝撃密着性の改善策としてこれまでいくつかあ
る内で上述の下地にNiメッキを施す方法に注目して種々
検討を重ねた。従来にあってもNiメッキを下地として利
用することは行われていたが、それらはいずれも化成処
理性の改善( 特開昭56−102585号公報、特開平3−1268
79号公報) あるいは中間防錆性の改善( 特公昭60−3075
2 号公報) を意図するものである。特に、特公昭60−30
752 号公報にはNiメッキを行ってから焼鈍処理を行うこ
とでNiが素地鉄内に拡散した合金化層を形成させること
でメッキ皮膜の耐剥離性が改善されることが開示されて
いるが、かかる方法ではさらにその上にメッキ層を設け
ること、あるいはその上に設けたメッキ皮膜の耐衝撃密
着性がどうであるかについては何ら示唆することはなか
った。
【0007】すなわち、本発明者はNiメッキそれ自体で
は耐衝撃密着性が十分でないことから、その原因を探っ
たところ、メッキ皮膜には多くの歪が導入されており、
そのような歪の存在によって下地との密着性が十分でな
いことが分かった。そこで、特公昭60−30752 号公報に
開示されているように焼鈍処理によって歪を解放すると
ともに合金化層を形成することも考えられるが、新たに
そのような熱処理ラインを設けることはコストを上昇さ
せることになり、好ましくない。
【0008】そこで、本発明者は、Niメッキ後、調質圧
延を行うことにより、メッキ皮膜に微細クラックを導入
することで歪を解放し、その上にZn−Ni合金電気メッキ
を行えば耐衝撃密着性に優れたZn−Ni系合金電気メッキ
鋼板を製造できることを知り、本発明を完成した。ここ
に、本発明は、焼鈍冷延鋼板に付着量0.05〜5g/m2のNi
メッキを施してから、伸び率0.1 %以上の調質圧延を行
い、次いで、Zn−Ni系合金電気メッキを施すことを特徴
とする、耐衝撃密着性に優れたZn−Ni系合金電気メッキ
鋼板の製造方法である。
【0009】調質圧延で導入された多数の微細クラック
部分は素地が露出しているから酸洗を行うことでこの素
地部分は一部溶解し、ここにZn−Niメッキを行うことで
1種のアンカー効果が発揮される。したがって、本発明
の好適態様によれば、上述の調質圧延後さらに酸洗を行
ってからZn−Ni系合金電気メッキを施してもよい。
【0010】
【作用】次に、本発明にかかる電気めっき鋼板の製造方
法について一例を挙げてより具体的に説明するが、それ
は次のような工程によって行われる。冷間圧延→焼鈍・
冷却→Niメッキ→調質圧延→アルカリ脱脂酸洗→電気メ
ッキすなわち、本発明によれば、冷間圧延、焼鈍、冷却
された鋼板に、Niメッキを施すが、その場合の冷間圧
延、焼鈍・冷却された鋼板、つまり焼鈍冷延鋼板は通常
の手段によって得られたものであればよく、鋼組成も特
段制限されない。代表的例としては、JIS G 3141冷延鋼
板に慣用条件下の連続焼鈍あるいは箱焼鈍の焼鈍処理を
行ってから室温にまで冷却した焼鈍冷延鋼板が挙げられ
る。
【0011】このようにして用意された焼鈍冷延鋼板に
Niメッキを行うが、この場合のNiメッキも、0.05〜5g/
m2の付着量さえ確保できれば電気メッキ、化学メッキ等
いずれでもよい。かかるNiメッキはその上に設けられる
Zn−Ni合金電気メッキ層の密着性を向上させるために施
される。すなわち、Zn−Ni合金メッキ層と鋼板との界面
に薄いNiメッキ層が存在することにより衝撃を受けた際
の歪がNi層によって緩和されるためZn−Ni合金メッキ層
の密着性は改善される。
【0012】Ni付着量が0.05g/m2未満ではNiが鋼板表面
を完全には覆いきれないため効果は小さく、また5g/m2
超では付着量に見合った効果は得られず、経済的にも不
利である。したがって、付着量は0.05g/m2以上5g/m2
下とした。好ましくは 0.5〜2g/m2である。次いで、調
質圧延を行い、さらに必要に応じて酸洗を行ってから電
気メッキを施す。
【0013】調質圧延は下地Niメッキ層に導入された歪
みを開放すべく微細クラックを生成させるために伸び率
0.1 %以上で行う。好ましくは、伸び率 0.5%以上であ
る。Niメッキを施した後調質圧延を行うことにより、Ni
メッキに微細なクラックが発生する。このためにメッキ
の応力が解放されるためメッキの耐衝撃密着性が向上す
るものと考えられる。また、クラックによるアンカー効
果も寄与しているものと考えられる。
【0014】また、酸洗は、Niメッキのアンカー効果の
改善のために行うのであって、その限りで浸漬、スプレ
ーあるいは電解のいずれでもよく、酸洗条件も慣用のそ
れであればよいが、好ましくは HCl液を使って5〜15秒
間浸漬することである。すなわち、調質圧延後酸洗を行
うと、メッキのクラックの部分はFeとNiの電池の形成に
よりFeが侵食されてクラックの深さは大きくなる。これ
によって、Niメッキのアンカー効果が大きくなり、メッ
キの密着性はより向上すると考えられる。
【0015】次にZn−Ni合金電気メッキを行うが、これ
は慣用手段で行えばよく、本発明にあっても特段の制限
はない。Zn−Ni合金の組成は耐食性改善の目的からはN
i:10 〜16%が好ましい。
【0016】
【実施例】以下に本発明の効果を実施例によって説明す
る。焼鈍・冷却した板厚0.8 mmの焼鈍冷延鋼板(JIS G 3
141)を準備し、以下の工程に従って処理してZn−Ni合金
メッキの下地メッキを行った。すなわち、表1に示すメ
ッキ浴を用いてNiの電気メッキを行って下地メッキとし
た。なお、Ni付着量の調整は電気量をコントロールする
ことにより行った。
【0017】
【表1】
【0018】続いて、伸び率を変えて調質圧延を行った
後、さらにアルカリ脱脂を行ってから、HCl 酸洗を行っ
た。引き続いて、表2に示すメッキ浴を用いて所定厚の
Zn−Ni合金電気メッキを行った。なお、一部は酸洗を行
なわず調質圧延後直ちにZn−Ni合金電気メッキを行っ
た。
【0019】
【表2】
【0020】なお、メッキ皮膜中のNi含有率の調整は、
メッキ浴中のZn2+とNi2+の濃度をコントロールして電気
メッキすることにより、また、メッキ付着量の調整は電
気量もコントロールすることにより行った。ただし、電
流密度は60 A/dm2で一定とした。このようにして製造さ
れたZn−Ni系合金電気メッキ鋼板について耐衝撃密着性
を次の要領で評価した。
【0021】耐衝撃密着性 70×150 mmの試験片に自動車用3コート塗装 (合計塗膜
厚100 μm)を施した後、−20℃の低温でグラベロメータ
ーを用いてASTMのD-3170-74 に規定するチッピングテス
トを行い、その時のメッキ剥離面積率で下記基準に従い
評価した。
【0022】 4・・・メッキ剥離なし 3・・・メッキ剥離面積率が0.2 %未満 2・・・ 〃 0.2 %以上、1%未満 1・・・ 〃 1%以上 下記表3に示される結果からも明らかなごとく本発明に
係る方法で製造したZn−Ni合金メッキ鋼板は優れた耐衝
撃密着性を有しているのに対して、下地Niメッキを行わ
なかったもの、および下地Niメッキは行っても調質圧延
を行わなかったものは、十分な特性を有してないことが
わかる。なお、表3のRun No.18 〜21は従来技術である
特開昭56−38495 号公報開示の方法に相当する。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明によれば、
単に下地Niメッキを施し、調質圧延するだけで特に低温
での耐衝撃密着性に優れたZn−Ni系合金電気メッキ鋼板
を容易に製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼鈍冷延鋼板に付着量0.05〜5g/m2のNi
    メッキを施してから、伸び率0.1 %以上の調質圧延を行
    い、次いで、Zn−Ni系合金電気メッキを施すことを特徴
    とする、耐衝撃密着性に優れたZn−Ni系合金電気メッキ
    鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において調質圧延後さらに酸洗
    を行ってからZn−Ni系合金電気メッキを施すことを特徴
    とする、耐衝撃密着性に優れたZn−Ni系合金電気メッキ
    鋼板の製造方法。
JP28676891A 1991-10-31 1991-10-31 耐衝撃密着性に優れた電気メツキ鋼板の製造方法 Withdrawn JPH05125585A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007100196A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Sanoh Industrial Co Ltd 6価クロムフリー防錆被膜構造
JP2010270353A (ja) * 2009-05-19 2010-12-02 Nippon Steel Corp 光沢外観と耐食性に優れためっき鋼材および製造方法

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Effective date: 19990107