JP2638400B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、めっき層と基材鋼板と
の密着性に優れた深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板、特に、
家電用塗装鋼板、自動車用鋼板として好適なめっき鋼板
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電、建材、及び自動車の産業分
野においては亜鉛系のめっき鋼板が大量に使用されてい
るが、とりわけ、防錆機能、塗装後の性能、経済性等に
優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板が広く用いられてい
る。
【0003】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、通常、連続
的に溶融亜鉛めっきを施した鋼板を合金化用熱処理炉で
500〜600 ℃の雰囲気温度で3〜30秒加熱保持し、Fe−
Zn合金めっき層を形成させることにより製造される。め
っき層はFe−Znの金属間化合物からなり、めっき層の平
均Fe濃度は一般に7〜12重量%である。めっき付着量
は、片面当たり25〜70g/m2であり、この範囲より少ない
ものは通常の手段では製造することが難しく、またこの
範囲を上回るものはめっき層の耐パウダリング性を確保
することが困難であるため一般には供給されていない。
【0004】めっき層中には通常0.12〜0.2 重量%前後
のAl(アルミニウム)が含有されることが多い。この理
由の一つは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板と通常の溶融亜
鉛めっき鋼板の製造設備が同一の場合が多く、通常の溶
融亜鉛めっき鋼板を製造するときに亜鉛浴中に添加した
Alが、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するときに不可
避的に混入するからである。通常の溶融亜鉛めっき鋼板
の製造において、Alを添加する目的は、めっき層と基材
鋼板との界面に形成される合金相の加工性が悪いので、
この合金相の形成を抑制し、めっき層の加工性を確保す
るためである。
【0005】もう一つの理由は、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板のめっき層の耐パウダリング性を確保し、かつ製造
時におけるドロスの発生を抑制するために、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を製造するときにも0.08〜0.11重量%の
Alを亜鉛浴中に添加して溶融亜鉛めっきを施すからであ
る。Alはめっき層中で富化する傾向があり、Al濃度が0.
08〜0.11重量%の亜鉛浴中で溶融亜鉛めっきを施せば、
めっき層中のAl濃度は0.12〜0.2 重量%となる。
【0006】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の素材として
は、従来、低炭素Alキルド鋼が用いられることが多かっ
たが、近年その用途が拡大するにつれて、特に自動車車
体への適用が増すにつれて、深絞り性が要求されること
が多くなったため、IF鋼(Interstitial Free鋼)と呼
ばれる極低炭素鋼が使用される場合も増加している。
【0007】上記のように広い用途を有する合金化溶融
亜鉛めっき鋼板においては、そのめっき層が金属間化合
物であることに起因して、界面におけるめっき層の密着
性が低いという欠点がある。すなわち、変形の仕方もし
くは応力の付与状態により、めっき層と鋼板(母材)と
の界面で剥離が生じ易い。特に、塗装した後の衝撃的な
変形や、剪断等の加工でめっき層に剪断力が作用する
と、剥離を生じやすい。
【0008】また、めっき鋼板を接着材で接合した場合
には、やはりめっき層と鋼板との界面(以下、「めっき
層/鋼界面」と記す)で剥離してしまうことがある。
【0009】Ni−Zn、Fe−Zn等の電気めっき鋼板の場合
にも、そのめっき層は金属間化合物であるから、界面に
おけるめっき層の密着性は低いが、適当な前処理手段
(例えば、合金めっきに先立って、NiやFeの下地めっき
を行うこと)によってこの問題を解決できることが知ら
れている。しかし、合金化溶融Znめっき鋼板において
は、適切な解決手段がないのが実状である。
【0010】このような界面でのめっき層の剥離の要因
として、界面密着強度の他に、界面の幾何学的な形状、
めっき層および基材鋼板の機械的な性質や物理常数(例
えば弾性率)等が考えられる。従って、界面での密着性
に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得るためには、め
っき層の改質、めっき層と鋼板との界面の幾何学的形状
の適正化、基材鋼板の化学組成の適正化等の観点からの
対策が必要となる。
【0011】本発明者らは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の界面の密着力について基礎的な検討を重ねた結果、め
っき層の密着性を改善する手段として、めっき層中のAl
濃度を増加させて0.30〜0.5 重量%とすると、界面での
密着性がある程度向上することを見い出した。しかし、
実用的に未だ十分ではない。
【0012】上記の知見に関連する公知技術として、Al
濃度が0.05〜0.25重量%で、残部がZnとFe(8〜12重量
%)からなり、かつ界面のΓ相が 1.0μm 以下であるめ
っき層を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板が、特公平3
−55544 号公報に開示されているが、これは耐フレーキ
ング性の改善を意図したものであり、過酷な条件下にお
けるめっき層/鋼界面の密着性を確保する上では不十分
である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、合金化
溶融Znめっき鋼板においては、そのめっき層が金属間化
合物であるから、界面におけるめっき層の密着性が低
く、そのために、過酷な変形や衝撃(特に塗装後の) に
耐えないという欠点がある。一方、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板は塗装性、耐食性、溶接性、経済性等に優れてい
るので、家電、自動車および建材等の産業分野において
その需要が高まっており、めっき層の密着性の向上が益
々要求されている。
【0014】本発明の目的は、めっき層/鋼界面の密着
力を大幅に向上させた合金化溶融亜鉛めっき鋼板および
その製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために検討を重ねた結果、合金化処理後の
めっき層/鋼界面を凹凸が激しく、めっき層と鋼とが複
雑に入り組んだ、いわば錯綜化した状態とすることが有
効であり、この界面の状態は基材鋼板の結晶方位および
化学成分によって大きく変わることを見出した。すなわ
ち、合金化処理過程でめっき層/鋼界面にΓ相が形成さ
れる際、基材鋼板の表面がZnにより凹状に侵食される
が、このΓ相形成反応の速度が母材の結晶方位によって
異なり、α相の{111 }面では小さくα{100 ,110}面
では大きいので、α{111 }面の方位とα{100, 110}
面の方位を適当に制御することによって、即ち、具体的
には鋼表面のX線回折によるα(222) とα(200) の強度
比 Iα(222)/Iα(200) を6〜9の範囲とすることに
よって、基材鋼板の表面の一部のみを優先的に侵食し、
めっき層/鋼界面の形状、つまり、合金化溶融亜鉛めっ
き層を除去した後の鋼板の表面形態を、凹凸の激しい、
表面粗さの大きい状態とすることが可能である。なお、
α(110) のX線回折強度はα(200) の強度と略比例の関
係にある。
【0016】また、Γ相形成反応の速度は鋼板の化学成
分によっても大きな影響を受け、特にP及びCの含有量
が少なく、Siがある程度含有されていると、結晶方位に
よるΓ相形成反応の速度差が大きくなり、合金化溶融亜
鉛めっき層を除去した後の鋼板の表面形態を粗くするの
に有効である。さらに、亜鉛浴中に適当量のAlが存在す
ることが望ましい。なお、溶融亜鉛めっき処理の前に予
め鋼板表面を凹凸の激しい、粗い状態にしても、合金化
の過程でこの鋼板表面の粗さは失われるので、めっき層
/鋼界面の密着力を向上させる効果は認められない。
【0017】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
もので、その要旨は、下記の合金化溶融亜鉛めっき鋼
板、ならびに下記およびのそのめっき鋼板の製造方
法、にある。
【0018】 めっき層を除去した後の鋼板表面の粗
さが10点平均粗さRz で6.5 μm 以上で、かつ、めっき
層の平均Fe濃度が7〜11重量%であることを特徴とする
密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【0019】 重量%で、C:0.01%以下、Si:0.02
〜0.10%、Mn: 0.8%以下、S:0.02%以下、P: 0.0
05%+ 0.1×Si%未満で、Ti:0.03〜0.20%および/ま
たはNb:0.005 〜0.20%を含み、残部が実質的にFeであ
る鋼を、露点が−25〜−15℃で、水素:5〜50体積%を
含み残部が不活性ガスからなる雰囲気中で 800℃以上で
焼鈍した後、0.12〜0.20重量%のAlを含む溶融亜鉛浴中
でめっきし、次いで合金化処理することを特徴とする
記の密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法。
【0020】 前記の成分に加えて、さらにB:0.
0020重量%以下を含有する鋼を、露点が−25〜−15℃
で、水素:5〜50体積%を含み残部が不活性ガスからな
る雰囲気中で 800℃以上で焼鈍した後、0.12〜0.20重量
%のAlを含む溶融亜鉛浴中でめっきし、次いで合金化処
理することを特徴とする前記の密着性に優れた合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0021】
【作用】以下に、本発明(前記〜の発明)の構成要
件とその作用効果について説明する。なお、鋼及びめっ
き層中の化学成分の「%」は「重量%」を意味する。
【0022】本発明(の発明)の合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板においては、前述のように、合金化処理した後の
めっき層/鋼界面の形態が重要な作用効果を示す。合金
化処理した後のめっき層/鋼界面とは、めっき層を、こ
の層と界面を形成する鋼板表面の状態を損なうことなく
除去することによって得られる鋼板表面であるが、この
鋼板表面の粗さが10点平均粗さRz で 6.5μm 未満では
密着性が不十分であり、この値以上の、凹凸の一層激し
い状態とすることにより優れた密着性を示す。
【0023】表面の粗さを大きくすることによりめっき
層と鋼とが複雑に入り組んだ状態となり、密着性が増大
するのである。従って、めっき層を除去した後の鋼板表
面の粗さが10点平均粗さRz で 6.5μm 以上とした。な
お、合金化溶融亜鉛めっき鋼板からめっき層と界面を形
成する鋼板表面の状態を損なうことなくめっき層のみを
除去することは、10重量%程度の塩酸に適当な塩酸用の
インヒビターを加えて酸洗することにより容易に行うこ
とができる。
【0024】めっき皮膜の平均Fe濃度は前記のように7
〜11%とする。これは、皮膜の平均Fe濃度が7%未満で
は合金化度が低いためη(Zn)相が残存しやすく、溶接
性、塗装後耐食性が低下し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
としての一般的な性能が低下するからである。もっと
も、η相は延性を有しており、衝撃時に生成するクラッ
クの伝播が緩和されるので界面の密着性は比較的高い。
一方、皮膜の平均Fe濃度の上限を11%とするのは、11%
を超えるとめっき相/鋼界面は合金化反応の進行により
平坦化しやすくなり、 6.5μm 以上のRz を確保するこ
とが比較的難しくなる上に、パウダリング現象が発生し
やすくなるからである。
【0025】めっき層中のAl濃度については特に限定は
しない。0.15%以上 0.4%未満の通常程度のAlが含有さ
れていればよい。
【0026】およびの発明はの発明の合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を製造するための方法である。これらの
製造方法においては、前述のように、所定の化学成分を
有する鋼を適切な焼鈍条件で焼鈍して鋼板表面の集合組
織をα{111 }面の方位とα{100, 110}面の方位が、
前述のように、表面からのX線回折でIα(222)/Iα(2
00) が6〜9となるように制御した後、溶融亜鉛めっき
ならびに合金化処理を行う。
【0027】鋼が含有すべき化学組成を上記のように定
めたのは以下の理由に基づく。
【0028】CはΓ相成長の結晶方位依存性を抑制し、
合金化処理後の鋼板表面を平坦化する作用を有してい
る。従って、C含有量はできるだけ低くする必要があ
り、上限を0.01%とした。
【0029】SiはΓ相成長の結晶方位依存性を幾分助長
し、かつ、Znのα相粒界への侵入を促進してZnをα相に
くい込ませる、いわゆる投錨効果を増し、界面密着性を
向上する。しかし、0.02%未満ではこの効果は十分では
なく、一方、 0.1%を超えると不めっきが生じやすいた
め、Si含有量は0.02〜0.10%とした。
【0030】MnはSによる脆化を防止するために添加す
る必要がある。しかし、Γ相成長の結晶方位依存性を僅
かながら抑制するので、上限を 0.8%とした。
【0031】SはTiS等を形成してTiの有効性を低下さ
せるので、その含有量は低い方が望ましく、上限を0.02
%とする。好ましくは、0.01%である。
【0032】PはΓ相成長の結晶方位依存性を著しく抑
制するので、その含有量は極力低くすることが望まし
い。しかし、SiがPの悪影響を緩和し、 0.005%+ 0.1
×Si%未満のPが存在しても問題ないので、Pの含有量
は 0.005%+ 0.1×Si%未満とした。
【0033】TiおよびNbはいずれもCを固定する作用を
有しており、上記のCの悪影響を抑制する。しかし、Ti
については少なくとも0.03%以上、Nbについては少なく
とも0.005%以上存在しないとCの悪影響が残るので、T
iおよびNbの含有量はそれぞれ0.03%以上、 0.005%以
上とした。なお、それぞれ0.20%まででCを固定する効
果は飽和し、これを超える量を添加するのは不経済であ
る。これらの成分は、いずれか一方のみの添加でもよ
い。
【0034】Alは特に限定はしないが、sol.Alとして0.
07%以下であれば含まれていても問題はない。但し、
0.1%を上回ると不めっきが発生し易い等の問題があ
る。
【0035】上記の成分の他、残部が実質的にFeである
鋼に対して、以下の条件で焼鈍処理を施し、溶融亜鉛め
っきおよび合金化処理を行うのが前記の発明である。
【0036】の発明は、の発明において、前記の各
成分の他に、さらにBを0.0020%以下含有する鋼を用い
た場合である。Bは、r値を高める効果、即ち、鋼板の
成形性を向上させる効果を有するが、0.0020%を超える
とその異方性が大きくなるので、上限を0.0020%とし
た。
【0037】なお、Cr、CuおよびNiがそれらの合計で
0.2%以下含まれていても実質的な影響はない。
【0038】焼鈍処理は、上記の化学成分を有する鋼を
冷間圧延した後、連続溶融亜鉛めっき装置(CGL)の
還元炉内で、露点が−25℃〜−15℃で、水素を5〜50体
積%を含み残部が不活性ガスからなる雰囲気中で 800℃
以上で加熱することにより行う。加熱温度が 800℃以
下、あるいは露点が−25℃より低い場合は、α{111 }
面が発達しにくく、露点が−15℃を超えると、α{100,
110 }面の成長が過度に抑制され、いずれもα{111 }
面の方位とα{100, 110}面の方位が適度にバランスし
た状態にはならないので、めっき層/鋼界面の形状を凹
凸の激しい、粗い状態とすることはできない。
【0039】焼鈍処理後の鋼板に対して、0.12〜0.20重
量%のAlを含む溶融亜鉛めっき浴でめっきを施す。Alの
濃度はめっき浴中の全Al濃度から全Fe濃度を差し引いた
有効Al濃度である。Al濃度が0.12重量%未満ではΓ相成
長の結晶方位依存性が抑制され、また、 0.2重量%を超
えると合金化反応が大きく抑制され、円滑な合金化処理
が困難となるためである。
【0040】以上の手段によって、合金化処理した後の
めっき層/鋼界面、すなわち、めっき層を除去した後の
鋼板表面の粗さを10点平均粗さRz で6.5 μm 以上の粗
い状態とし、密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を製造することができる。
【0041】
【実施例】表1に示す各種の鋼板(いずれも板厚 0.8m
m)を 250mm×100mm に裁断して供試材とし、これらの
供試材を75℃のNaOH溶液中で脱脂洗浄した後、竪型溶融
めっき装置を用いて、露点が−50〜−10℃の、N2+H
2(26体積%)の雰囲気中で、 780〜860 ℃で30〜120
秒の焼鈍処理を行い、 460℃に冷却した後、Al濃度が0.
13重量%の溶融亜鉛めっき浴(460℃) 中でめっきを行っ
た。めっき時間は1秒であり、ガスワイパーにより亜鉛
付着量を約55g/m2(片面当たり)に調整した。めっき後
の試験片に対して、 500℃の塩浴中で15秒間加熱する合
金化処理を行った。
【0042】合金化処理を施した試験片は、 150mm×70
mmに裁断し、市販のりん酸亜鉛処理剤(日本パーカライ
ジング社製Bt3020を使用) で化成処理を行った後、厚さ
30μm の電着塗装(日本ペイント社製PT-U80)を施し、
さらに、中塗りおよび上塗り塗装(関西ペイント社製ル
ガベーク) を合わせて70μm の厚さで行い、低温チッピ
ング試験(石はね衝撃試験) に供した。
【0043】低温チッピング試験は、低温条件下での石
はね衝撃に対するめっき層の密着性を評価する試験で、
−20℃の条件下で7号砕石100gを2kg/cm2の圧力で試験
片に衝突させた後、粘着テープによる剥離試験を行い、
剥離径の最大のものから順に5個選び、それらの剥離径
の平均値を剥離径として表した。
【0044】試験結果を表2に示す。同表には、焼鈍条
件、雰囲気ガスの露点、めっき層のFe濃度、および、10
点平均粗さRz も併せ示した。10点平均粗さRz は、め
っき層をインヒビター(朝日化学社製IBIT-700B )を
0.5体積%含有する10重量%の塩酸(25℃)に8分間浸
漬溶解して鋼板面を露出させた後、表面粗さ計で測定し
て求めた。測定時の触針先端径は1μm 、 cut-offは
0.8mm、トラバース距離は8mmとした。
【0045】表2の結果から、10点平均粗さRz が大き
い本発明例では、比較例に比べて剥離径が小さく、めっ
き層/鋼界面の密着力が向上していることがわかる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2(1)】
【0048】
【表2(2)】
【0049】
【発明の効果】本発明方法により製造される鋼板は、合
金化処理後のめっき層/鋼界面の凹凸が激しく、めっき
層と鋼とが複雑に入り組んだ状態を呈しており、めっき
層と基材鋼板との密着性にすぐれている。この鋼板は家
電用塗装鋼板、自動車用鋼板として好適である。
【0050】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/14 C22C 38/14 C23C 2/06 C23C 2/06 2/28 2/28 2/40 2/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めっき層を除去した後の鋼板表面の粗さが
    10点平均粗さRz で6.5 μm 以上で、かつ、めっき層の
    平均Fe濃度が7〜11重量%であることを特徴とする密着
    性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】重量%で、C:0.01%以下、Si:0.02〜0.
    10%、Mn: 0.8%以下、S:0.02%以下、P: 0.005%
    + 0.1×Si%未満で、Ti:0.03〜0.20%および/または
    Nb:0.005 〜0.20%を含み、残部が実質的にFeである鋼
    を、露点が−25〜−15℃で、水素:5〜50体積%を含み
    残部が不活性ガスからなる雰囲気中で 800℃以上で焼鈍
    した後、0.12〜0.20重量%のAlを含む溶融亜鉛浴中でめ
    っきし、次いで合金化処理することを特徴とする請求項
    1に記載の密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】重量%で、C:0.01%以下、Si:0.02〜0.
    10%、Mn: 0.8%以下、S:0.02%以下、P: 0.005%
    + 0.1×Si%未満で、Ti:0.03〜0.20%および/または
    Nb:0.005 〜0.20%、さらにB:0.0020重量%以下を含
    有する鋼を、露点が−25〜−15℃で、水素:5〜50体積
    %を含み残部が不活性ガスからなる雰囲気中で 800℃以
    上で焼鈍した後、0.12〜0.20重量%のAlを含む溶融亜鉛
    浴中でめっきし、次いで合金化処理することを特徴とす
    請求項1に記載の密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっ
    き鋼板の製造方法。
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