JPH0512236U - 燃料タンクの燃料吹き返し防止構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造及び組付けが簡単で、且つ燃料の吹き返
しを確実に防止できるものを提供することを目的とした
ものである。 【構成】 燃料タンク１０に取り付けたフィラーパイプ
１１の先端部１１Ａの燃料導入口１３に、該燃料導入口
１３を塞げる大きさの円板１５Ａとこの円板１５Ａの裏
面に固着した係止爪１５Ｃを有する弁軸１５Ｂとからな
る逆止弁１５を、前記弁軸１５Ｂを介して摺動自在とな
るように装着し、前記燃料タンク１０内の圧力により前
記フィラーパイプ１１の先端部１１Ａの燃料導入口１３
を閉塞するようにした構成の燃料吹き返し防止構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車やボイラー等の燃料タンクに給油する際に発生する燃料の吹き 返しを防止するための構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車の燃料タンクは、図６及び図７に示すように、燃料タンク１の上 方部にフィラーパイプ２の一端２Ａを挿入して固着し、他端の燃料注入口２Ｂに キャップ３を装着した構造のものであり、燃料供給時あるいは点検時には前記キ ャップ３を外して燃料注入口２Ｂから燃料を供給し、あるいは燃料の残量を点検 している。また、一般に、燃料タンク１内の大きな圧力変動から燃料タンクを保 護するため、キャップ３にはリリーフ弁（図示せず）が設けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

しかし、上記のような従来例においては、燃料タンクを保護するために、燃料 注入口２Ｂに取り付けるキャップ３にリリーフ弁が設けられている場合でも、密 閉された燃料タンク１内の圧力は一般に正圧の状態が多く、このような状態でフ ィラーパイプ２のキャップ３を外し燃料注入口２Ｂを解放すると、フィラーパイ プ２の一端２Ａが燃料中にある場合、燃料Ｆがエアーと共に燃料注入口２Ｂから 逆流して吹き返し、危険であるといった問題点があった。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】

本考案は、上記の如き従来の問題点を解決するためになされたもので、簡単な 構造で燃料の吹き返しを確実に防止できるものを提供することを目的としたもの であり、その要旨は、燃料タンクに取り付けたフィラーパイプの先端開口部に、 該開口部を塞げる大きさの弁体とこの弁体の片面に固着した係止爪付弁軸とから なる逆止弁を、前記弁軸を介して摺動自在となるように装着し、前記燃料タンク 内の圧力により前記フィラーパイプの先端開口部を閉塞するように構成したこと を特徴とする燃料タンクの燃料吹き返し防止構造にある。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案を図１乃至図５に示す実施例に基き詳細に説明する。なお、図１ は本考案に係る逆止弁を備えた燃料タンクの要部断面図、図２は同要部の分解斜 視図、図３の（イ）（ロ）（ハ）は同逆止弁の取付け方法を示す説明図、図４の （イ）（ロ）は同逆止弁の作動状態を示す縦断面図、図５は他の実施例の逆止弁 を備えた燃料タンクの要部断面図である。

【０００６】 図において、１０は燃料タンクで、その天板１０Ａにフィラーパイプ１１の先 端部１１Ａが燃料タンク１０の内部に突出した状態で装着されており、前記先端 部１１Ａの端面には、周端縁に仕切壁１２を残した状態で、中央に矩形状の燃料 導入口１３が形成されている。また前記フィラーパイプの他端の燃料注入口１１ Ｂにはキャップ１４が嵌合によって取り付けられている。

【０００７】 １５は逆止弁で、円板１５Ａと、該円板１５Ａの裏面に離間して平行に装着さ れた長尺な板状体からなる一対の弁軸１５Ｂと、該弁軸１５Ｂの先端部外方に突 設した係止爪１５Ｃとから構成されており、前記円板１５Ａの外径Ｒは前記燃料 導入口１３を閉塞できるように燃料導入口１３よりもやゝ大きく、又前記一対の 弁軸１５Ｂの離間間隔Ｄは燃料導入口１３の一辺の長さよりやゝ狭くなるように それぞれ設定されている。

【０００８】 そこで、フィラーパイプ１１の先端部端面に逆止弁１５を組付けるには、図３ の（イ）（ロ）（ハ）に示すように、一対の弁軸１５Ｂの先端を燃料導入口１３ と対峙させた後、両弁軸１５Ｂを燃料導入口１３方向に押入する。 その結果、両弁軸１５Ｂはその先端に設けた係止爪１５Ｃの斜面部が燃料導入 口１３の開口部端縁と衝当するので、両弁軸１５Ｂはその弾性に抗してその離間 間隔を狭められ乍ら燃料導入口１３内に貫入し、係止爪１５Ｃが貫通した後は復 元して係止爪１５Ｃの後端部が燃料導入口１３の内部口端縁と係合する。 これにより、逆止弁１５はフィラーパイプ１１の先端部端面に摺動自在に且つ 脱出不可能となるように装着され、前記燃料導入口１３は逆止弁１５がフィラー パイプ１１の軸方向に移動することにより、その円板１５Ａで開閉される。

【０００９】 而して、燃料タンク１０内とフィラーパイプ１１内はほゞ同じ圧に保たれてい るので、図４の（イ）に示すように、逆止弁１５は燃料導入口１３内を自由に移 動することができ、燃料Ｆもまた燃料タンク１０とフィラーパイプ１１内を自由 に出入りできることになる。この状態は燃料供給時においても同じである。

【００１０】 そして、燃料タンク１０内に燃料を供給するため、フィラーパイプ１１の燃料 注入口１１Ｂからキャップ１４を外すと、フィラーパイプ１１内は大気圧と同じ となり、一方燃料タンク１０内の圧力はこれよりも高圧となっているため、図４ の（ロ）に示すように、逆止弁１５の円板１５Ａは燃料タンク１０内の正圧を受 けてフィラーパイプ１１の先端部端面方向に押圧される。その結果、円板１５Ａ の内面がフィラーパイプ１１の仕切壁１２と面接し、燃料導入口１３を塞ぐこと になるので、燃料タンク１０内の燃料及びエアーは燃料注入口１１Ｂから噴出す ることがない。その後、燃料タンク１０内は徐々に大気圧までに降下するので、 図４の（イ）に示す状態となり、燃料の供給が円滑に行える。

【００１１】 図５に示すものは他の実施例で、前記第１の実施例と異なる点は、フィラーパ イプ１１の先端部端面の仕切壁の形状と逆止弁の円板の形状にある。すなわち、 本実施例では、仕切壁１２Ａはフィラーパイプ１１の内方に向け傾斜した傾斜面 で構成されており、又逆止弁の円板１５Ａはその外周部分が外方向に傾斜した傾 斜部１５Ｄを備えており、全体として前記仕切壁１２Ａと断面同一形状に形成し た構成である。

【００１２】 そして、上記のように、逆止弁の円板１５Ａの外周部分に傾斜部１５Ｄを形成 することにより、燃料供給時における燃料のフィラーパイプ１１から燃料タンク １０内への流入が、円板１５Ａの下面での抵抗が少なく、円滑に行える。又フィ ラーパイプ１１の仕切壁１２Ａと前記円板１５Ａとの断面形状を同一となるよう に構成することにより、円板１５Ａの下面と仕切壁１２Ａとの密着性が向上し、 燃料タンク１０内の減圧を徐々に行えるといった効果があり、その他は前記第１ 実施例の場合と同様である。

【００１３】

【考案の効果】

本願考案に係る燃料タンクの燃料吹き返し防止構造は、上記のように、燃料タ ンクに取り付けたフィラーパイプの先端開口部に、該開口部を塞げる大きさの弁 体とこの弁体の片面に固着した係止爪付弁軸とからなる逆止弁を、前記弁軸を介 して摺動自在となるように装着し、前記燃料タンク内の圧力により前記フィラー パイプの先端開口部を閉塞するように構成したものであるから、構造及び組立が 簡単であり、且つ逆止弁の開閉作動が確実で、燃料の吹き返しを確実に防止でき るといった諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る逆止弁を備えた燃料タンクの要部
断面図である。

【図２】要部の分解斜視図である。

【図３】逆止弁の取付け方法を示す説明図である。

【図４】逆止弁の作動状態を示す縦断面図である。

【図５】他の実施例の要部断面図である。

【図６】従来の燃料タンクの正面図である。

【図７】同要部断面図である。

【符号の説明】

１０ 燃料タンク １０Ａ 同天板 １１ フィラーパイプ １１Ａ 同先端部 １１Ｂ 燃料注入口 １２ 仕切壁 １３ 燃料導入口 １４ キャップ １５ 逆止弁 １５Ａ 同円板 １５Ｂ 同弁軸 １５Ｃ 同係止爪 Ｆ 燃料

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料タンクに取り付けたフィラーパイプ
   の先端開口部に、該開口部を塞げる大きさの弁体とこの
   弁体の片面に固着した係止爪付弁軸とからなる逆止弁
   を、前記弁軸を介して摺動自在となるように装着し、前
   記燃料タンク内の圧力により前記フィラーパイプの先端
   開口部を閉塞するように構成したことを特徴とする燃料
   タンクの燃料吹き返し防止構造。