JPH05121765A - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置

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JPH05121765A
JPH05121765A JP4033493A JP3349392A JPH05121765A JP H05121765 A JPH05121765 A JP H05121765A JP 4033493 A JP4033493 A JP 4033493A JP 3349392 A JP3349392 A JP 3349392A JP H05121765 A JPH05121765 A JP H05121765A
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insulating film
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memory device
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Yoshinori Kotake
義則 小竹
Yasushi Okuda
寧 奥田
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    • H10B69/00Erasable-and-programmable ROM [EPROM] devices not provided for in groups H10B41/00 - H10B63/00, e.g. ultraviolet erasable-and-programmable ROM [UVEPROM] devices

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高集積化の可能なかつ高速動作の不揮発メモ
リセルを備えた半導体装置を提供する。 【構成】 半導体基板1上に、ドレイン領域5と、一部
がドレイン領域5と重なる絶縁膜2と、絶縁膜2上のゲ
ート電極3とでソースのない記憶素子を形成する。半導
体側の伝導帯と価電子帯とのバンドギャップをドレイン
−ゲート間の第1設定電圧差に相当する値とし、半導体
側−絶縁膜2の界面における絶縁膜2の価電子帯と半導
体側の価電子帯と(又は伝導帯間)のバンドギャップを
ドレイン−基板間の第2設定電圧差に相当する値に設定
する。書き込みは、第2設定電圧差以上の電圧で価電子
帯を飛び越えた電荷を絶縁膜2にトラップさせる。読み
だしは第1設定電圧以上かつ第2設定電圧以下の電圧で
行い、消去は電荷の引き抜き,逆電荷の注入により行
う。ドレインと同一導電型のソースを設けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MIS型の半導体記憶
装置に係り、特に超高集積化を図るための対策に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、超高集積半導体記憶回路としてフ
ラッシュ型EEPROMが考えられている(H.Kume et
c.VLSI Symp.pp.,1991 )。以下図30の(a),
(b)を参照にしながら、従来の半導体記憶回路を説明
する。同図(a)は従来の半導体記憶装置の構造断面図
である。P型半導体基板aの上には、酸化絶縁膜である
第1のSiO2 膜b1 が形成され、さらに第1のSiO
2 膜b1 の上には、多結晶Si膜で形成したフローティ
ングゲートdと、第2のSiO2 膜b2 と、多結晶Si
膜で形成したコントロールゲート電極cとが順に積層さ
れている。そして、上半導体基板aの表面領域におい
て、上記第1のSiO2 膜b1 の両端部には、ドレイン
領域eと、ソース領域fとが形成されている。また、層
間絶縁膜hを介してビット線を形成するアルミニウム金
属層gが積層されている。
【0003】このようなフラッシュ型EEPROMはD
RAMに比べてキャパシタがないので高集積化が可能で
ある。同図(b)はその回路配線構造例を示し、ビット
線D0,D1が各メモリセルA,B,C,Dのコントロ
ールゲート電極cに接続され、各ワード線W0,W1が
各メモリセルA,B,C,Dのドレインeに接続され、
ソース線Sが各メモリセルA,B,C,Dのソースfに
接続されている。同図に示されるように、フラッシュ型
EEPROMではDRAMに比べて簡単な回路で実現さ
れている。下記表1にはメモリセルAを消去、“1”書
き込み、読みだし動作する時のW0、W1、S、D0、
D1の電位を示している。
【0004】
【表1】 従来のフラッシュ型EEPROMでは高集積で、かつ高
速動作の半導体記憶装置集積回路を実現するために複数
のメモリセルを一括して消去する方式(セクターイレイ
ズ)か、あるいはブロック単位で一括して消去する方式
が採用されている。
【0005】一方、特開平3―166768号公報に開
示される如く、図31に示すように、第1導電型(P
型)の半導体基板上に、第1導電型(P型)のドレイン
領域iと、第2導電型(N型)のソース領域jを選択的
に形成し、上記ドレイン領域iからソース領域jにかけ
てトンネリングが可能な膜厚の絶縁膜kを形成し、この
絶縁膜kの上に電荷をトラップする情報記憶層lと、ゲ
ート電極mとを積層しておき、記憶内容の書き込み時、
ゲート電極mに所定の高電圧を与えて、ゲート電極m直
下のドレイン領域iの表面部i1 にバンド間トンネリン
グを生じさせ、このトンネリングにより発生した電子を
絶縁膜kを通過させて情報記憶層lにトラップさせるこ
とにより、不揮発情報を記憶させる一方、この記憶情報
の読みだしは、ゲート電極mに所定の読みだし電圧を与
え、ゲート電極m直下のドレイン領域iの表面部i1 に
バンド間トンネリングが生じてオンするか否かを検出す
ることで、行うようにしたものがある。すなわち、短チ
ャネル効果をなくすことでチャネル長さの短縮つまり高
集積化を可能とし、同時に読みだし動作の高速化をも図
ろうとするものである。
【0006】また、特開平2―106068号公報に開
示される如く、図33(a)に示すように、第1導電型
の半導体基板oの表面に各々第2導電型のソース領域p
とドレイン領域qとを形成し、半導体基板oのソース領
域とドレイン領域qの端部間にSiO2 膜rを設け、こ
の上にゲート電極tを設けるとともに、上記SiO2
rの基板側に加速エネルギーが約15KeVのSi(又は
Ge等のIV族元素)イオン注入によりSiO2 膜r中に
イオン注入領域sを形成して、このイオン注入領域sへ
の電荷の注入,放出を制御することにより、イオン注入
領域sに不揮発性メモリ機能をもたせるようにしたもの
も公知の技術である。すなわち、同図(b)に示すよう
に、横軸をゲート−ソース間の電圧Vgs、縦軸をドレ
イン電流Idとし、ドレイン−ソース間の電圧Vdsを
0.1V、基板バイアスを0Vとした状態で、ゲート−
ソース間電圧Vgsを−5Vから5vまでスイープする
場合(図中の曲線co )と、ゲート−ソース間電圧Vg
sを5Vから−5Vまでスイープする場合(図中の曲線
c1 )とでは閾値電圧が異なるというヒステリシス現象
を利用したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
フラッシュ型EEPROMでは、ワード線はTTLレベ
ルより大きい負の電位−9Vを必要とし、また、上記表
1のごとく、負の電位を含めて0V、5V、10Vの4
値の電位を必要としている。さらに、ビット線の電位も
0V、1V、4Vとフローティングの4値を必要として
いるため、高速動作の実現が困難であるばかりでなく、
電源回路などの周辺回路の規模を大きくすることにな
り、高集積化の実現も困難である。加えて、ソース線に
も0V、5Vの2値の電位を必要としているため、高速
動作及び、高集積化の実現も困難であるという問題点も
有している。
【0008】一方、従来最も高集積な半導体記憶回路と
されるDRAMは1ビット単位で読みだし書き込みが可
能であるが破壊読みだしであり、また読みだし及び書き
込み時に選択されたメモリセルと同一のワード線に接続
されている全てのメモリセルのデータが破壊されてしま
うため、各ビット線に検知増幅装置を接続して、破壊さ
れたデータを読みだし及び書き込みと同時に前記選択さ
れたメモリセルと同一のワード線に接続されている全て
のメモリセルを書き込み直してやらねばならない。さら
に、データの保持時間が1秒程度と非常に短いためにリ
フレッシュ動作も必要になり、動作速度を極めて遅く
し、かつ消費電力を大きくするという問題点も有してい
る。
【0009】また、従来最も高速の半導体記憶回路とさ
れるSRAMは1ビット単位で読みだし書き込みが可能
であり、非破壊読みだしであり、かつリフレッシュ動作
が不要であるが、1ビットの記憶素子が4個以上のMO
Sトランジスタで構成され、かつ1個のメモリセルに2
本のビット線が接続されているため、高集積化が困難で
あるという問題点を有している。すなわち、通常、SR
AMの集積度はDRAMの4分の1であり、また、メモ
リセルはデータ保持状態でも電源を必要とするため消費
電力が大きい。
【0010】一方、上記前者の公報のものは、不揮発な
情報を記憶することができ、かつ1トンジスタメモリセ
ルとなっているので、上述のようなDRAMやSRAM
に比べ比較的高集積化の可能性はあるが、一方で下記の
ような問題があった。
【0011】すなわち、ドレイン領域iとソース領域j
とが逆導電型であるために、図32に示すように、高集
積化すると、ソース領域リーク電流(図中の実線部)
や、ドレイン領域リーク電流(図中の破線部)が生じ、
これを防止するには、深い絶縁層等を形成する必要があ
る等の実用上困難な問題がある。
【0012】また、上記後者の公報のものでは、ドレイ
ン領域qとソース領域pとが同じ導電型で形成されてい
るために、上述のようなリーク電流を回避することは容
易であるが、短チャネル効果により、ゲート長が短くな
るとパンチスルーが生じるため、集積度を上げることが
困難であるという問題があった。
【0013】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、半導体基板のドレイン−ゲート間の
絶縁膜に不揮発の記憶機能をもたせることにより、集積
度の高いかつ高速動作の半導体記憶装置を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の解決手段は、半導体記憶装置の1ビ
ットの記憶素子を、半導体基板とドレインとゲートとの
3端子構造にして、ソースを省略した構造とし、ドレイ
ン−ゲート間の絶縁膜をバンド状態の調整により不揮発
状態で電荷を保持する構造とし、かつその保持状態によ
ってゲート誘導ドレインリーク電流を変化させるヒステ
リシス効果を利用することにより、各端子間の印加電圧
に応じて、情報の記憶,読みだし,消去を行う半導体記
憶装置を提供することにある。
【0015】具体的に、請求項1の発明に講じた手段
は、図1に示すように、半導体記憶装置の構成として、
第1導電型の半導体基板上に、該半導体基板表面に選択
的に形成された第2導電型のドレイン領域と、該ドレイ
ン領域の端部の少なくとも一部と重なるように上記半導
体基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成され
たゲート電極とからなる記憶素子を設ける。
【0016】そして、上記記憶素子において、上記ドレ
イン領域を含む半導体側における伝導帯と価電子帯との
バンドギャップをドレイン領域−ゲート電極間の第1設
定電圧差に相当するギャップ値に、かつ上記半導体側と
絶縁膜との界面における絶縁膜の価電子帯と半導体側の
価電子帯とのバンドギャップ又は絶縁膜の伝導帯と半導
体側の伝導帯とのバンドギャップをゲート電極の電位に
応じて変化するドレイン領域−半導体基板間の第2設定
電圧差に相当するギャップ値に設定することで、上記絶
縁膜を、電荷の保持により不揮発状態で情報を記憶可能
に設けたものである。
【0017】請求項2の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁
膜を予め電荷をトラップした“1”状態に保持してお
く。
【0018】そして、上記ドレイン領域−ゲート電極間
に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上記ド
レイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差よりも
低い電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流値
に基づいて、記憶内容を読み出す読出手段を設けたもの
である。
【0019】請求項3の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、上記ドレイン領域−ゲート電極間
に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上記ド
レイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差以上の
電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流を発生
させることにより、上記絶縁膜に電荷をトラップさせて
“1”状態にする書込手段を設けたものである。
【0020】請求項4の発明の講じた手段は、上記請求
項3の発明において、上記ドレイン領域−ゲート電極間
に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上記ド
レイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差よりも
低い電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流値
に基づいて、記憶内容を読み出す読出手段を設けたもの
である。
【0021】請求項5の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁
膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしておく。
【0022】そして、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子のゲート電極−半導体側間に所定の電圧を印加
して、絶縁膜から電荷を引き抜くことにより、絶縁膜を
“0”状態にする消去手段を設けたものである。
【0023】請求項6の発明の講じた手段は、上記請求
項4の発明において、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子のゲート電極−半導体側間に所定の電圧を印加
して、絶縁膜から電荷を引き抜くことにより、絶縁膜を
“0”状態にする消去手段を設けたものである。
【0024】請求項7の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁
膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしておく。
【0025】そして、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子の絶縁膜の両面間に高電界を印加し、FN電流
を生ぜしめて、保持電荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜
内に注入することにより、絶縁膜を“0”状態にする消
去手段を設けたものである。
【0026】請求項8の発明の講じた手段は、上記請求
項4の発明において、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子の絶縁膜の両面間に高電界を印加し、FN電流
を生ぜしめて、保持電荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜
内に注入することにより、絶縁膜を“0”状態にする消
去手段を設けたものである。
【0027】請求項9の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、当初に予めすべての記憶素子の絶
縁膜に電荷をトラップして、“1”状態にしておくよう
にしたものである。
【0028】請求項10の発明の講じた手段は、上記請
求項3の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0029】そして、書込手段を、選択ワード線電位V
kcw ,非選択ワード線電位Vknw ,選択ビット線電位V
kcb 及び非選択ビット線電位Vknb について、P型基板
ではVkcw <Vknw かつVknb <Vkcb に、N型基板で
はVkcw >Vknw かつVknb>Vkcb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に書き込むように構成したもので
ある。
【0030】請求項11の発明の講じた手段は、上記請
求項2又は4の発明において、記憶素子を少なくとも4
個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本の
ビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2
個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線に
は少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続して
おく。
【0031】そして、読出手段を、選択ワード線電位V
ycw ,非選択ワード線電位Vynw ,選択ビット線電位V
ycb 及び非選択ビット線電位Vynb について、P型基板
ではVycw <Vynw かつVynb <Vycb に、N型基板で
はVycw >Vynw かつVynb>Vycb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に読み出すように構成したもので
ある。
【0032】請求項12の発明の講じた手段は、上記請
求項4の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0033】そして、書込手段及び読出手段を、書込時
の選択ワード線電位Vkcw ,書込時の非選択ワード線電
位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び読出時
の非選択ワード線電位Vynw ,書込時の選択ビット線電
位Vkcb ,書込時の非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び読出時の非選択ビット線
電位Vynb について、P型基板では、Vkcw =Vycw <
Vknw =Vynw 、かつVknb =Vynb <Vycb <Vkcb
に、N型基板では、Vkcw =Vycw >Vknw =Vynw 、
かつVknb =Vynb >Vycb >Vkcb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を3値にし
て、選択的に書き込み,読み出しを行うように構成した
ものである。
【0034】請求項13の発明の講じた手段は、上記請
求項4の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0035】そして、書込手段及び読出手段を、書込時
の選択ワード線電位Vkcw ,書込時の非選択ワード線電
位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び読出時
の非選択ワード線電位Vynw ,書込時の選択ビット線電
位Vkcb ,書込時の非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び読出時の非選択ビット線
電位Vynb について、P型基板では、Vkcw <Vknw =
Vycw <Vynw ,かつVknb =Vynb <Vkcb =Vycb
に、N形基板では、Vkcw >Vknw =Vycw >Vynw ,
かつVknb =Vynb >Vkcb =Vycb に設定し、ワード
線の設定電位を3値にビット線の設定電位を2値にし
て、選択的に書き込み,読み出しを行うように構成した
ものである。
【0036】請求項14の発明の講じた手段は、上記請
求項5又は7の発明において、記憶素子を少なくとも4
個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本の
ビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2
個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線に
は少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続して
おく。
【0037】そして、消去手段を、選択ワード線電位V
scw ,非選択ワード線電位Vsnw ,選択ビット線電位V
scb 及び非選択ビット線電位Vsnb について、P型基板
ではVscw >Vsnw かつVsnb >Vscb に、N型基板で
はVscw <Vsnw かつVsnb<Vscb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に消去するように構成したもので
ある。
【0038】請求項15の発明の講じた手段は、上記請
求項6又は8の発明において、記憶素子を少なくとも4
個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本の
ビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2
個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線に
は少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続して
おく。
【0039】そして、書込手段,読出手段及び消去手段
を、書込時の選択ワード線電位Vkcw 及び非選択ワード
線電位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び非
選択ワード線電位Vynw ,消去時の選択ワード線電位V
scw 及び非選択ワード線電位Vsnw ,書込時の選択ビッ
ト線電位Vkcb 及び非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット線電位Vyn
b,並びに消去時の選択ビット線電位Vscb 及び非選択
ビット線Vsnb について、P型基板では、Vkcw =Vyc
w <Vknw =Vynw =Vsnw <Vscw 、かつVknb =V
ynb =Vscb <Vycb <Vkcb =Vsnb に、N型基板で
は、Vkcw =Vycw >Vknw =Vynw =Vsnw >Vscw
、かつVknb =Vynb =Vscb >Vycb >Vkcb =Vs
nb に設定し、ワード線の設定電位を3値にビット線の
設定電位を3値として、選択的に書き込み,読み出し及
び消去を行うように構成したものである。
【0040】請求項16の発明の講じた手段は、上記請
求項6又は8の発明において、記憶素子を少なくとも4
個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本の
ビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2
個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線に
は少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続して
おく。
【0041】そして、書込手段,読出手段及び消去手段
を、書込時の選択ワード線電位Vkcw 及び非選択ワード
線電位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び非
選択ワード線電位Vynw ,消去時の選択ワード線電位V
scw 及び非選択ワード線電位Vsnw ,書込時の選択ビッ
ト線電位Vkcb 及び非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット線電位Vyn
b,並びに消去時の選択ビット線電位Vscb 及び非選択
ビット線Vsnb について、P型基板では、Vkcw <Vkn
w =Vycw =Vsnw <Vynw <Vscw ,かつVknb =V
ynb =Vscb <Vkcb =Vycb =Vsnb に、N型基板で
は、Vkcw >Vknw =Vycw =Vsnw >Vynw >Vscw
,かつVknb =Vynb =Vscb >Vkcb =Vycb =Vs
nb に設定し、ワード線の設定電位を4値にビット線の
設定電位を2値にして、選択的に書き込み,読み出し及
び消去を行うように構成したものである。
【0042】また、本発明のもう第2の解決手段は、半
導体記憶装置の1ビットの記憶素子を、第1導電型の半
導体基板と、第2導電型のソース及びドレインと、ゲー
トとの4端子構造にして、ドレイン−ソース間の干渉の
回避を容易としながら、ドレイン−ゲート間の絶縁膜を
バンド状態の調整により不揮発状態で電荷を保持する構
造とし、かつその保持状態によってゲート誘導ドレイン
リーク電流を変化させるヒステリシス効果を利用するこ
とにより、各端子間の印加電圧に応じて、情報の記憶,
読みだし,消去を行う半導体記憶装置を提供することに
ある。
【0043】具体的に、請求項17の発明の講じた手段
は、図23に示すように、半導体記憶装置の構成とし
て、第1導電型の半導体基板上に、該半導体基板表面に
選択的に形成された第2導電型のドレイン領域と、該ド
レイン領域とは所定の距離を隔てて半導体基板表面に選
択的に形成された第2導電型のソース領域と、上記ドレ
イン領域の端部の少なくとも一部と重なり、かつ上記ソ
ース領域の端部に亘るように上記半導体基板上に形成さ
れた絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたゲート電極とか
らなる記憶素子を設ける。
【0044】そして、上記ドレイン領域を含む半導体側
における伝導帯と価電子帯とのバンドギャップをドレイ
ン領域−ゲート電極間の第1設定電圧差に相当するギャ
ップ値以下の値に、かつ上記半導体側と絶縁膜との界面
における絶縁膜の価電子帯と半導体側の価電子帯とのバ
ンドギャップ又は絶縁膜の伝導帯と半導体側の伝導帯と
のバンドギャップをゲート電極の電位に応じて変化する
ドレイン領域−半導体基板間の第2設定電圧差に相当す
るギャップ値に設定し、上記絶縁膜を、電荷の保持によ
り不揮発状態で情報を記憶可能に設けたものである。
【0045】請求項18の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、少なくとも1つの記憶素子の
絶縁膜を予め電荷をトラップした“1”状態に保持して
おく。
【0046】そして、上記ドレイン領域−ゲート電極間
に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上記ド
レイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差よりも
低い電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流値
に基づいて、記憶内容を読み出す読出手段を設ける構成
としたものである。
【0047】請求項19の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、上記ドレイン領域−ゲート電
極間に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上
記ドレイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差以
上の電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流を
発生させることにより、上記絶縁膜に電荷をトラップさ
せて“1”状態にする書込手段を設けたものである。
【0048】請求項20の発明の講じた手段は、上記請
求項19の発明において、上記ゲート電極に所定の電圧
を印加し、かつ上記ドレイン領域−半導体基板間に上記
第2設定電圧差よりも低い電圧を印加して、ゲート誘導
ドレインリーク電流値に基づいて、記憶内容を読み出す
読出手段を設けたものである。
【0049】請求項21の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、少なくとも1つの記憶素子の
絶縁膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしてお
く。
【0050】そして、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子のゲート電極に所定の電圧を印加して、絶縁膜
から電荷を引き抜くことにより、絶縁膜を“0”状態に
する消去手段を設けたものである。
【0051】請求項22の発明の講じた手段は、上記請
求項20の発明において、電荷を保持した“1”状態に
ある記憶素子のゲート電極に所定の電圧を印加して、絶
縁膜から電荷を引き抜くことにより、絶縁膜を“0”状
態にする消去手段を設けたものである。
【0052】請求項23の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、少なくとも1つの記憶素子の
絶縁膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしてお
く。
【0053】そして、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子の絶縁膜の両面間に高電界を印加し、FN電流
を生ぜしめて、保持電荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜
に注入することにより、絶縁膜を“0”状態にする消去
手段を設けたものである。
【0054】請求項24の発明の講じた手段は、上記請
求項20の発明において、電荷を保持した“1”状態に
ある記憶素子の絶縁膜の両面間に高電界を印加し、FN
電流を生ぜしめて、保持電荷とは逆極性の電荷を上記絶
縁膜内に注入することにより、絶縁膜を“0”状態にす
る消去手段を設けたものである。
【0055】請求項25の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、少なくとも1つの記憶素子の
絶縁膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしてお
く。
【0056】そして、ゲート電極を所定電位にしてドレ
イン領域−ソース領域間に一定電圧を印加して、ドレイ
ン−ソース間電流によって生じた,保持電荷とは逆極性
のホットキャリアを上記絶縁膜内に注入することによ
り、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を設けたもので
ある。
【0057】請求項26の発明の講じた手段は、上記請
求項20の発明において、ゲート電極を所定電位にして
ドレイン領域−ソース領域間に一定電圧を印加して、ド
レイン−ソース間電流によって生じた,保持電荷とは逆
極性のホットキャリアを上記絶縁膜内に注入することに
より、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を設けたもの
である。
【0058】請求項27の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、当初に予めすべての記憶素子
の絶縁膜に電荷をトラップして、“1”状態にしておく
ようにしたものである。
【0059】請求項28の発明の講じた手段は、上記請
求項19の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0060】そして、書込手段を、選択ワード線電位V
kcw ,非選択ワード線電位Vknw ,選択ビット線電位V
kcb 及び非選択ビット線電位Vknb について、P型基板
ではVkcw <Vknw かつVknb <Vkcb に、N型基板で
はVkcw >Vknw かつVknb>Vkcb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に書き込むように構成したもので
ある。
【0061】請求項29の発明の講じた手段は、上記請
求項18又は20の発明において、記憶素子を少なくと
も4個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2
本のビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくと
も2個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット
線には少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続
しておく。
【0062】そして、読出手段を、選択ワード線電位V
ycw ,非選択ワード線電位Vynw ,選択ビット線電位V
ycb 及び非選択ビット線電位Vynb について、P型基板
ではVycw <Vynw かつVynb <Vycb に、N型基板で
はVycw >Vynw かつVynb>Vycb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に読み出すように構成したもので
ある。
【0063】請求項30の発明の講じた手段は、上記請
求項20の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0064】そして、書込手段及び読出手段を、書込時
の選択ワード線電位Vkcw ,書込時の非選択ワード線電
位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び読出時
の非選択ワード線電位Vynw ,書込時の選択ビット線電
位Vkcb ,書込時の非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び読出時の非選択ビット線
電位Vynb について、P型基板では、Vkcw =Vycw <
Vknw =Vynw 、かつVknb =Vynb <Vycb <Vkcb
に、N型基板では、Vkcw =Vycw >Vknw =Vynw 、
かつVknb =Vynb >Vycb >Vkcb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を3値にし
て、選択的に書き込み,読み出しを行うように構成した
ものである。
【0065】請求項31の発明の講じた手段は、上記請
求項22,24又は26の発明において、記憶素子を少
なくとも4個設け、少なくとも2本のワード線と少なく
とも2本のビット線とを設けて、上記各ワード線には少
なくとも2個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各
ビット線には少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域
を接続しておく。
【0066】そして、書込手段,読出手段及び消去手段
を、書込時の選択ワード線電位Vkcw 及び非選択ワード
線電位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び非
選択ワード線電位Vynw ,消去時の選択ワード線電位V
scw 及び非選択ワード線電位Vsnw ,書込時の選択ビッ
ト線電位Vkcb 及び非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット線電位Vyn
b,並びに消去時の選択ビット線電位Vscb 及び非選択
ビット線Vsnb について、P型基板では、Vkcw =Vyc
w <Vknw =Vynw =Vsnw <Vscw 、かつVknb =V
ynb =Vscb =Vsnb <Vycb <Vkcb に、N型基板で
は、Vkcw =Vycw >Vknw =Vynw =Vsnw >Vscw
、かつVknb =Vynb =Vscb =Vsnb >Vycb >Vk
cb に設定し、ワード線の設定電位を3値にビット線の
設定電位を3値にして、選択的に書き込み,読み出し、
かつ同一ワード線に接続される全記憶素子の記憶情報を
同時に消去するように構成したものである。
【0067】請求項32の発明の講じた手段は、上記請
求項22,24又は26記載の半導体記憶装置におい
て、記憶素子を少なくとも4個設け、少なくとも2本の
ワード線と少なくとも2本のビット線とを設けて、上記
各ワード線には少なくとも2個の記憶素子のゲート電極
を接続し、上記各ビット線には少なくとも2個の記憶素
子のドレイン領域を接続しておく。
【0068】そして、書込手段,読出手段及び消去手段
を、書込時の選択ワード線電位Vkcw 及び非選択ワード
線電位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び非
選択ワード線電位Vynw ,消去時の選択ワード線電位V
scw 及び非選択ワード線電位Vsnw ,書込時の選択ビッ
ト線電位Vkcb 及び非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット線電位Vyn
b,並びに消去時の選択ビット線電位Vscb 及び非選択
ビット線Vsnb について、P型基板では、Vkcw =Vyc
w <Vknw =Vsnw =Vynw <Vscw ,かつVknb =V
ynb <Vycb <Vkcb =Vscb =Vsnb に、N型基板で
は、Vkcw =Vycw >Vknw =Vsnw =Vynw >Vscw
,かつVknb =Vynb >Vycb >Vkcb =Vscb =Vs
nb に設定し、ワード線の設定電位を3値にビット線の
設定電位を3値にして、選択的に書き込み,読み出し、
かつ全ワード線に接続された記憶素子の記憶内容を消去
するように構成したものである。
【0069】請求項33の発明の講じた手段は、上記請
求項1又は17記載の半導体記憶装置において、半導体
基板をSiで構成し、絶縁膜をSiO2 膜で構成したも
のである。
【0070】請求項34の発明の講じた手段は、上記請
求項1又は17の発明において、絶縁膜を多層膜で構成
したものである。
【0071】請求項35の発明の講じた手段は、上記請
求項1又は17の発明において、絶縁膜内に、フローテ
ィングゲート電極を設け、該フローティングゲート電極
に電荷をトラップさせる構成としたものである。
【0072】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、半導
体記憶装置の記憶素子において、絶縁膜の価電子帯(又
は伝導帯)を越える電荷が入ると絶縁膜に電荷が不揮発
状態でトラップされるように構成されているので、この
電荷のトラップ状態の有無を“0”状態と“1”状態と
に区別して記憶しておくことが可能になる。
【0073】その場合、1ビットの記憶素子が半導体基
板とゲート電極とドレイン領域との3端子で構成され、
1トランジスタメモリセルであるとともに、ソース領域
が不要なので、必然的にソース−ドレイン間のチャンネ
ルも不要となる。さらに、ドレイン領域しかないので、
集積回路を構成した場合に、ドレイン−ソース間の電流
の干渉のような回避困難な干渉が生ずることがない。し
たがって、半導体記憶装置の大幅な高集積化が可能にな
る。
【0074】請求項2の発明では、読出手段により、ド
レイン領域−ゲート電極間に第1設定電圧差以上の電圧
が印加されると、半導体側のバンドが伝導帯と価電子帯
とのバンドギャップ以上に曲げられて、バンド間トンネ
リングによるゲート誘導ドレインリーク電流が生じる。
そのとき、絶縁膜に電荷が保持されて“1”状態にある
時には、電荷により電界が緩和されるので、電荷が保持
されていずに“0”状態にあるときよりもゲート誘導ド
レインリーク電流の値が小さい。したがって、この電流
値の相違から、絶縁膜の記憶内容が“0”か“1”かが
読み出されることになる。
【0075】また、ドレイン領域−ゲート電極間の電圧
が第2設定電圧差よりも低いために、電荷が絶縁膜の価
電子帯(又は伝導帯)を越えて絶縁膜内に入ることがな
い。つまり、絶縁膜の記憶内容は影響を受けず、非破壊
読み出しである。したがって、例えば予め一定のパター
ンで各記憶素子の記憶状態が“0”又は“1”状態に設
定されていると、半導体記憶装置がROMとして機能す
ることになる。
【0076】請求項3の発明では、書込手段により、ド
レイン領域−ゲート電極間に第1設定電圧差以上の電圧
が印加されると、半導体側のバンドが伝導帯と価電子帯
とのバンドギャップ以上に曲げられて、バンド間トンネ
リングによるゲート誘導ドレインリーク電流が生じると
ともに、ドレイン領域−半導体基板間にゲート電極の電
位に応じて変化する第2設定電圧差以上の電圧が印加さ
れると、ゲート電極と半導体側との界面において絶縁膜
の価電子帯と半導体の価電子帯とのバンドギャップ(又
は絶縁膜の伝導帯と半導体側の伝導帯とのバンドギャッ
プ)以上に半導体側のバンドが曲げられ、電荷が絶縁膜
の価電子帯(又は伝導帯)を越えて絶縁膜内にトラップ
され、絶縁膜が“1”状態に保持される。この電荷は、
逆電圧の印加あるいは逆極性の電荷の注入等がない限り
不揮発であるので、不揮発で“1”状態が記憶され、半
導体記憶装置に一定の記憶内容を書き込んで、PROM
用素材として使用することが可能になる。
【0077】請求項4の発明では、予め上方記憶部に記
憶された情報又は上記請求項3の発明における書込手段
により情報記憶部に書き込まれた情報が、上記請求項2
の発明と同様の作用により、読出手段で非破壊に読み出
される。したがって、半導体記憶装置がPROMとして
使用可能になる。
【0078】請求項5の発明では、電荷を保持し“1”
状態にある記憶素子において、消去手段により、ゲート
電極−半導体側に所定電圧以上の電圧が印加されると、
絶縁膜から電荷が半導体側に引き抜かれて、絶縁膜内の
保持電荷が消滅し、その記憶内容が“0”に変更され
る。したがって、半導体記憶装置に予め書き込まれた記
憶内容を書換えることが可能になる。
【0079】請求項6の発明では、電荷を保持し“1”
状態にある記憶素子において、消去手段により、ゲート
電極−半導体側に所定電圧以上の電圧が印加されると、
上記請求項5の発明と同様の作用が得られる。したがっ
て、半導体記憶装置が、記憶の書き込み,読みだし及び
消去可能なEEPROM又は不揮発のRAMとして機能
することになる。
【0080】請求項7の発明では、電荷を保持し“1”
状態にある記憶素子において、消去手段により、絶縁膜
の両面間に高電界が印加されると、FN電流が生じて、
絶縁膜内に保持電荷とは逆極性の電荷が流入する。そし
て、この流入した電荷と保持電荷とが再結合して、絶縁
膜内の保持電荷が消滅し、その記憶内容が“0”に変更
される。したがって、半導体記憶装置の記憶内容の書き
換えが可能になる。
【0081】請求項8の発明では、電荷を保持し“1”
状態にある記憶素子において、消去手段により、絶縁膜
の両面間に高電界が印加されると、上記請求項7の発明
と同様の作用が得られる。したがって、半導体記憶装置
が電気的に記憶の書き込み,読みだし及び消去可能なE
EPROM又は不揮発のRAMとして機能することにな
る。
【0082】請求項9の発明では、予めすべての記憶素
子の絶縁膜が“1”状態に保持されており、この状態か
ら“0”状態に変更されることで“0”書き込みが行わ
れ、再び“1”状態にすることで記憶内容の消去が可能
になる。その場合、記憶内容を読み出す際には、絶縁膜
に電荷が保持された“1”状態の方がゲート誘導ドレイ
ンリーク電流値が小さいので、現実に使用される記憶素
子の割合が通常少ないことを考慮すると、“0”状態の
記憶素子を“1”状態にすることで書き込みを行うもの
に比べて、消費電流が少なくて済むことになる。
【0083】請求項10の発明では、書込手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶素子への選択書き込みが行われる。す
なわち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域及び絶縁
膜のバンド状態の調整によりトンネリングと価電子帯間
(又は伝導帯間)の飛び越えを利用した記憶の書き込み
を行うようにしたことで、単純な電位の設定による選択
書き込みが可能になる。したがって、書き込み動作が高
速となり、かつ電源回路等の周辺回路が単純化されて、
高集積化が可能になるとともに、半導体記憶装置が1ビ
ット単位の選択書き込みが可能なPROMとして機能す
ることになる。
【0084】請求項11の発明では、読出手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶素子の記憶内容の選択読みだしが行わ
れる。すなわち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域
及び絶縁膜のバンド状態の調整によりトンネリングによ
るゲート誘導ドレインリーク電流の大小を利用した記憶
の読みだしを行うようにしたことで、単純な電位の設定
による選択読みだしが可能になる。したがって、読みだ
し動作が高速となり、かつ電源回路等の周辺回路が単純
化されて、高集積化が可能になるとともに、半導体記憶
装置が1ビット単位の選択読みだしが可能なROM或い
はPROMとして機能することになる。
【0085】請求項12の発明では、書込手段及び読出
手段により、ワード線の設定電位を2値とし、ビット線
の設定電位を3値として、記憶素子の記憶内容の選択書
き込み及び選択読みだしが行われる。したがって、高速
動作及び高集積化が可能になるとともに、半導体記憶装
置が1ビット単位で選択書き込み,選択読みだしが可能
なPROMとして機能することになる。
【0086】請求項13の発明では、書込手段及び読出
手段により、ワード線の設定電位を3値とし、ビット線
の設定電位を2値として、記憶素子の記憶内容の選択書
き込み及び選択読みだしが行われる。したがって、上記
請求項12の発明と同様の作用が得られる。
【0087】請求項14の発明では、消去手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶内容の選択消去が行われる。すなわ
ち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域及び絶縁膜の
バンド状態の調整によりトンネリングと価電子帯間(又
は伝導帯間)の飛び越しを利用した記憶保持機能が設け
られているので、単純な電位の設定による選択消去が可
能になる。したがって、消去動作が高速となり、かつ電
源回路等の周辺回路が単純化されて、高集積化が可能に
なるとともに、半導体記憶装置が1ビット単位で選択消
去つまり記憶内容の選択書き換えが可能なPROMとし
て機能することになる。
【0088】請求項15の発明では、書込手段,読出手
段及び消去手段により、ワード線の設定電位を3値と
し、ビット線の設定電位を3値として、記憶素子への選
択書き込みと,記憶内容の選択読みだし及び選択消去が
行われる。したがって、単純な電位の設定によって、動
作の高速化が可能となり、かつ電源回路等の周辺回路が
単純化されて、高集積化が可能になるとともに、半導体
記憶装置が1ビット単位で選択書き込み,選択読みだし
及び選択消去が可能なEEPROMとして、或いは不揮
発のRAMとして機能することになる。
【0089】請求項16の発明では、書込手段,読出手
段及び消去手段により、ワード線の設定電位を4値と
し、ビット線の設定電位を2値として、記憶素子への選
択書き込みと,記憶内容の選択読みだし及び選択消去が
行われる。したがって、単純な電位の設定によって、上
記請求項15の発明と同様の作用が得られる。
【0090】請求項17の発明では、半導体記憶装置の
記憶素子において、絶縁膜の価電子帯を越える電荷が入
ると絶縁膜に電荷が不揮発状態でトラップされるように
構成されているので、この電荷のトラップ状態の有無を
“0”状態と“1”状態とに区別して記憶しておくこと
が可能になる。
【0091】その場合、1ビットの記憶素子が半導体基
板とゲート電極とドレイン領域とソース領域の4端子で
構成されるが、ソース領域がドレイン領域と同じ第2の
導電型で構成されているので、集積回路を構成した場合
に、ソース−ドレイン間の干渉を回避することが容易と
なる。したがって、半導体記憶装置の高集積化が可能に
なる。
【0092】請求項18の発明では、読出手段により、
ドレイン領域−ゲート電極間に第1設定電圧差以上の電
圧が印加されると、半導体側のバンドが伝導帯と価電子
帯とのバンドギャップ以上に曲げられて、バンド間トン
ネリングによるゲート誘導ドレインリーク電流が生じ
る。そのとき、絶縁膜に電荷が保持されて“1”状態に
ある時には、電荷により電界が緩和されるので、電荷が
保持されていずに“0”状態にあるときよりもゲート誘
導ドレインリーク電流の値が小さい。したがって、この
電流値の相違から、絶縁膜の記憶内容が“0”か“1”
かが読み出されることになる。
【0093】また、ドレイン領域−ゲート電極間の電圧
が第2設定電圧差よりも低いために、電荷が絶縁膜の価
電子帯(又は伝導帯)を越えて絶縁膜内に入ることがな
い。つまり、絶縁膜の記憶内容は影響を受けず、非破壊
読み出しである。したがって、例えば予め一定のパター
ンで各記憶素子の記憶状態が“0”又は“1”状態に設
定されていると、半導体記憶装置がROMとして機能す
ることになる。
【0094】請求項19の発明では、書込手段により、
ドレイン領域−ゲート電極間に第1設定電圧差以上の電
圧が印加されると、半導体側のバンドが伝導帯と価電子
帯とのバンドギャップ以上に曲げられて、バンド間トン
ネリングによるゲート誘導ドレインリーク電流が生じる
とともに、ドレイン領域−ゲート電極間にゲート電極の
電位に応じて変化する第2設定電圧差以上の電圧が印加
されると、ゲート電極と半導体側との界面において絶縁
膜の価電子帯と半導体の価電子帯とのバンドギャップ
(又は絶縁膜の伝導帯と半導体側の伝導帯とのギャッ
プ)以上に半導体側のバンドが曲げられ、電荷が絶縁膜
の価電子帯(又は伝導帯)を越えて絶縁膜内にトラップ
され、絶縁膜が“1”状態に保持される。この電荷は、
逆電圧の印加あるいは逆極性の電荷の注入等がない限り
不揮発であるので、不揮発で“1”状態が記憶され、半
導体記憶装置に一定の記憶内容を書き込んで、PROM
用素材として使用することが可能になる。
【0095】請求項20の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子と、電荷が保持されずに
“0”状態にある記憶素子の記憶状態が上記請求項19
の発明と同様の作用により読出手段で非破壊に読み出さ
れる。したがって、半導体記憶装置がPROMとして機
能することになる。
【0096】請求項21の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
ゲート電極−半導体側に所定電圧以上の電圧が印加され
ると、絶縁膜から電荷が半導体側に引き抜かれて、絶縁
膜内の保持電荷が消滅し、その記憶内容が“0”に変更
される。したがって、半導体記憶装置に予め書き込まれ
た記憶内容を書換えることが可能になる。
【0097】請求項22の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
ゲート電極−半導体側に所定電圧以上の電圧が印加され
ると、上記請求項21の発明と同様の作用が得られる。
したがって、半導体記憶装置が、記憶の書き込み,読み
だし及び消去可能なEEPROMとして機能することに
なる。
【0098】請求項23の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
絶縁膜の両面間に高電界が印加されると、FN電流が生
じて、絶縁膜内に保持電荷とは逆極性の電荷が流入す
る。そして、この流入した電荷と保持電荷とが再結合し
て、絶縁膜内の保持電荷が消滅し、その記憶内容が
“0”に変更される。したがって、半導体記憶装置の記
憶内容の書き換えが可能になる。
【0099】請求項24の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
絶縁膜の両面間に高電界が印加されると、上記請求項2
3の発明と同様の作用が得られる。したがって、半導体
記憶装置が電気的に記憶の書き込み,読みだし及び消去
可能なEEPROMとして機能することになる。
【0100】請求項25の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
所定のゲートバイアス下でドレイン−ソース間に一定電
圧が印加されると、ドレイン−ソース間の半導体基板表
面にチャネル電流が流れるとともに、ドレイン電位によ
ってチャネル方向に高電界が印加されているので、チャ
ネル電流の一部がホットキャリアとなって絶縁膜に流入
する。そして、このホットキャリアは絶縁膜の保持電荷
とは逆極性となることから、絶縁膜の保持電荷が中和さ
れ、“1”状態から“0”状態に変更される。したがっ
て、半導体記憶装置の記憶内容の書き換えが可能にな
る。
【0101】請求項26の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
所定のゲートバイアス下でドレイン−ソース間に一定電
圧が印加されると、上記請求項25の発明と同様の作用
が得られる。したがって、半導体記憶装置が電気的に記
憶の書き込み,読みだし及び消去可能なEEPROMと
して機能することになる。
【0102】請求項27の発明では、当初から予めすべ
ての記憶素子の絶縁膜が“1”状態に保持されており、
この状態から“0”状態に変更されることで“0”書き
込みが行われ、再び“1”状態にすることで記憶内容の
消去が可能になる。その場合、記憶内容を読み出す際に
は、絶縁膜に電荷が保持された“1”状態の方がゲート
誘導ドレインリーク電流値が小さいので、現実に使用さ
れる記憶素子の割合が通常少ないことを考慮すると、
“0”状態の記憶素子を“1”状態にすることで書き込
みを行うものに比べて、消費電流が少なくて済むことに
なる。
【0103】請求項28の発明では、書込手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶素子への選択書き込みが行われる。す
なわち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域及び絶縁
膜のバンド状態の調整によりトンネリングと価電子帯間
(又は伝導帯間)の飛び越しを利用した記憶の書き込み
を行うようにしたことで、単純な電位の設定による選択
書き込みが可能になる。したがって、書き込み動作が高
速となり、かつ電源回路等の周辺回路が単純化されて、
高集積化が可能になるとともに、半導体記憶装置が1ビ
ット単位の選択書き込みが可能なPROMとして機能す
ることになる。
【0104】請求項29の発明では、読出手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶素子の記憶内容の選択読みだしが行わ
れる。すなわち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域
及び絶縁膜のバンド状態の調整によりトンネリングによ
るゲート誘導ドレインリーク電流の大小を利用した記憶
の読みだしを行うようにしたことで、単純な電位の設定
による選択読みだしが可能になる。したがって、読みだ
し動作が高速となり、かつ電源回路等の周辺回路が単純
化されて、高集積化が可能になるとともに、半導体記憶
装置が1ビット単位の選択読みだしが可能なROM又は
PROMとして機能することになる。
【0105】請求項30の発明では、書込手段及び読出
手段により、ワード線の設定電位を2値とし、ビット線
の設定電位を3値として、記憶素子の記憶内容の選択書
き込み及び選択読みだしが行われる。したがって、高速
動作及び高集積化が可能になるとともに、半導体記憶装
置が1ビット単位で選択書き込み,選択読みだしが可能
なPROMとして機能することになる。
【0106】請求項31の発明では、書込手段,読出手
段及び消去手段により、ワード線の設定電位を3値と
し、ビット線の設定電位を3値として、記憶素子への選
択書き込み及び記憶内容の選択読みだしと、ワード線単
位の部分消去とが行われる。したがって、単純な電位の
設定によって、動作の高速化が可能となり、かつ電源回
路等の周辺回路が単純化されて、高集積化が可能になる
とともに、半導体記憶装置が、1ビット単位で選択書き
込み及び選択読みだしが可能で、ワード線単位で部分消
去が可能なEEPROMとして機能することになる。
【0107】請求項32の発明では、書込手段,読出手
段及び消去手段により、上記請求項31の発明における
設定電位とは異なる大小関係で、ワード線の設定電位を
3値とし、ビット線の設定電位を3値として、記憶素子
への選択書き込み及び記憶内容の選択読みだしと、ワー
ド線単位の部分消去とが行われる。したがって、上記請
求項31の発明と同様の作用が得られる。
【0108】請求項33の発明では、半導体基板がSi
で構成され、情報を記憶する絶縁膜としてSiO2 膜が
使用されるので、Si基板の酸化による絶縁膜の形成が
可能になり、絶縁膜の特性が良好になるとともに、半導
体装置の製造が容易かつ安価なものとなる。また、Si
2 とSiとの親和性が良好で、Si基板に生じる応力
が比較的小さくなる。さらに、SiとSiO2 とのバン
ドの障壁高さが3.5eV程度であるために、TTLレ
ベルの動作電圧が実現することになる。
【0109】請求項34の発明では、絶縁膜が多層膜構
造とされているので、そのうちの一つの絶縁膜に誘電率
の高い膜を使用すれば膜厚の増大が可能となり、電気的
耐圧が向上する。また、絶縁膜同士の界面に電荷がトラ
ップされやすいので、書込み時のトラップ効率が向上
し、“0”状態と“1”状態との読みだし電流の差が拡
大して、読みだしが容易となる。この読みだし電流差の
拡大によって、メモリセルの微細化や周辺の電流増幅回
路の縮小が可能になり、よりいっそうの高集積化が可能
になる。
【0110】請求項35の発明では、絶縁膜内に設けら
れたフローティングゲート電極により、電荷がトラップ
されるので、“0”状態と“1”状態との読みだし電流
の差が拡大して、上記請求項34の発明と同様の作用が
得られる。また、絶縁膜自体に電荷をトラップ及びデト
ラップさせるのに比べて、絶縁膜の耐久性が向上する。
【0111】
【実施例】以下、半導体記憶回路の実施例を図面を参照
しながら説明する。
【0112】(第1実施例)まず、請求項1〜16の発
明に係る第1実施例について説明する。
【0113】図1(a)は本発明の第1実施例における
半導体記憶装置の1ビットの記憶素子の断面構造を示
す。同図において、P型(第1導電型)の半導体基板1
表面には、リン等をドーピングしてなるN型(第2導電
型)のドレイン領域5が形成されている。そして、半導
体基板1上には、上記ドレイン領域5の端部と一部が重
なるように形成されたSiO2 からなる絶縁膜であるゲ
ート酸化膜2が設けられ、このゲート酸化膜2は、後述
のように、電荷をトラップして不揮発状態で情報を記憶
する部位である。さらに、上記ゲート酸化膜2の左方は
素子分離部6として厚膜に形成され、ゲート酸化膜2の
端部から素子分離部6の一部に亘る面上には、多結晶S
i膜からなるゲート電極3が積層されている。上記半導
体基板1,ドレイン領域5,ゲート酸化膜2及びゲート
電極3により、1ビットのメモリセルが構成されてい
る。
【0114】なお、今回、試作した前記半導体記憶装置
では、ゲート酸化膜2の厚さToxは7nm、ゲート電極
3にはn+多結晶Si膜を用い、ゲート電極3の幅Wは
20μmとしている。また、ドレイン領域5は加速エネ
ルギー40KeV、ドーズ量6.0×1015(ions
/cm2 )のAsイオン注入により形成されている。
【0115】上記半導体記憶装置にはソース領域がない
ため、上記メモリセルは、回路図では図1(b)に示す
記号で表現され、3端子メモリセルである。そして、半
導体記憶回路のワード線WLnはゲート電極3に、ビット
線BLnはドレイン領域5の電極に接続される。
【0116】また、半導体記憶装置の集積回路は、図2
に示すようにメモリセルアレーとワード線WLnを選択す
る行デコーダとビット線BLnを選択する列デコーダとビ
ット線から読みだされたデータを増幅するセンスアンプ
とからなる。
【0117】まず、P型Si基板とN型ドレインとSi
2 ゲート酸化膜を使用した場合について、上記メモリ
セルにおける書き込み,読み込み,消去の基本動作を説
明する。
【0118】1.基本動作 1) “1”書き込み動作(1) 図3(a)は、第1実施例における“1”書き込み動作
(1)の場合の基本動作を示す断面図、図3(b)は図
3(a)のb−b線に沿った方向におけるバンド図、図
3(c)は図3(a)のc−c線に沿ったドレイン領域
5−半導体基板1間におけるバンド図である。
【0119】すなわち、ゲート電位Vgを0V、基板電
位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを8V以上にす
ると、ゲートドレインオーバーラップ領域5aにおい
て、図3(b)に示すように、半導体Siのバンド(伝
導帯11及び価電子帯12)がSi−ゲート酸化膜2の
界面に垂直な方向にバンドギャップφsi以上に曲げら
れ、バンド間トンネリングにより電子9a、9b、9c
とホール8a、8b、8cが発生する。同時に,図4
(c)に示すように、Si−SiO2 界面に沿った方向
にも半導体Siのバンド11,12が曲げられ、さらに
ゲート酸化膜2のバンド(伝導帯13及び価電子帯1
4)も曲げられることにより、例えばバンド間トンネリ
ングにより発生したホール8cのエネルギー準位はSi
基板1領域の価電子帯14よりも低く、ホール8cはS
i−SiO2界面においてゲート酸化膜2の価電子帯1
4を容易に飛び越え、図3(b)に示すように、ゲート
酸化膜2内にトラップされる。つまり、後述のように、
不揮発状態で“1”状態(電荷保持状態)が記憶された
ことになり、上記動作により、請求項3の発明にいう書
込手段が構成されている。
【0120】ここで、ホール8がゲート酸化膜2の価電
子帯14を容易に飛び越えるためには、ドレイン−基板
間電圧は、Si基板1領域のゲート酸化膜2(Si
2 )の価電子帯14とSi基板1の価電子帯12との
差φox以上でなければならない。
【0121】図4は上記“1”書き込み動作における電
流−電圧特性を示し、図中、横軸はドレイン−基板間電
圧Vds、縦軸はドレイン電流Idである。ここで、基
板電位Vsub及びゲート電極3の電位Vgを0Vにし
た状態で、ドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから9V
までスイープして、ドレイン電流Idを測定すると、ゲ
ートドレインオーバーラップ領域5aにおいてゲート誘
導ドレインリーク電流(Gate Induced Drain Leakage C
urrent)が発生することにより、ドレイン−基板間に電
流が流れる。図4において実線で示す曲線C0 は一回目
に測定したドレイン電流−ドレイン電圧特性曲線、破線
で示す曲線C1 は二回目以降に測定したドレイン電流−
ドレイン電圧特性曲線を示している。一回目より二回目
以降のゲート誘導リーク電流の閾値電圧が高くなること
が観測され、二回目以降のゲート誘導リーク電流の閾値
電圧は高いまま一定に保たれている。
【0122】なお、以下の特性図においては、すべての
曲線Co は“0”状態を、すべての曲線C1 は“1”状
態を表すものとする。
【0123】さらに、ゲート誘導リーク電流の閾値電圧
が高くなった前記半導体記憶装置にゲート電位Vgを−
7V、ドレイン−基板間電圧Vdsを0V、基板電位V
subを0Vにして、FN電流(Fowler-Nordheim Curr
ent )を発生させた後に、図4と同じ測定条件、すなわ
ち基板バイアスを0V、ゲート電位Vgを0V、ドレイ
ン−基板間電圧Vdsを0Vから9Vまでスイープして
ドレイン電流Idを測定すれば、図4の曲線C0 と同じ
ドレイン電流−ドレイン電圧特性曲線になる。すなわち
FN電流によって前記半導体記憶装置のゲート誘導ドレ
インリーク電流の閾値電圧は初期状態に戻る。
【0124】図4において、ゲート誘導ドレインリーク
電流が発生し始める点Aをサブブレークダウンポイント
(このときのドレイン−ゲート間の電圧差が請求項1の
発明にいう第1設定電圧差である)、“0”状態と
“1”状態のゲート誘導ドレインリーク電流が等しくな
る点Bをディープブレークダウンポイント(このときの
所定ゲート電位下におけるドレイン−基板間の電圧差が
請求項1の発明にいう第2設定電圧差)とする。つま
り、ドレイン−基板間電圧Vdsがサブブレークダウン
点A以下では、上述のバンド間トンネリングが起こらな
いが、ドレイン−基板間電圧Vdsがディープブレーク
ダウン点B以上になると、バンド間トンネリング及び電
荷の価電子帯間の飛び越しによるホール8のトラップが
大きく起こることが分かる。
【0125】ここで、上記サブブレークダウンポイント
Aにおいて、ドレイン−ゲート間の電圧差(=第1設定
電圧差(例えば2.1V))に相当するギャップ値
(2.1eV)が、ゲート酸化膜2への印加分をも考慮
すると、シリコン(Si)のバンドギャップ値(=1.
1eV)よりも大きいようになされている。つまり、半
導体側における伝導帯と価電子帯とのバンドギャップ
は、ドレイン−ゲート間の第1設定電圧差以下の値に設
定されている。また、後述のように、ディープブレーク
ダウンポイントBは、ゲート電圧Vgに依存して変化す
る。そして、この第1設定電圧差及び第2設定電圧差
は、半導体記憶装置の読みだし,書込み,消去を行う電
位差を設計すれば、それに応じて、適度に決定すること
ができ、さらに、この第1設定電圧差及び第1設定電圧
差に基づいて、ドレイン領域5の不純物ドーズ量や、ゲ
ート酸化膜2の膜厚,材質等を調整し、半導体基板1,
ドレイン領域5,ゲート酸化膜2等のバンドギャップ値
を適合させることができる。したがって、第1設定電圧
差及び第2設定電圧差の具体的な値は、本実施例の値に
限定されるものではない。
【0126】なお、本実施例では、P型の半導体基板1
を使用しているために、絶縁膜2の価電子帯と半導体基
板側の価電子帯とのバンドギャップを第2設定電圧差に
相当するギャップ値に設定したが、N型の半導体基板を
使用した場合には、絶縁膜2の伝導帯と半導体基板側の
伝導帯とのバンドギャップが第2設定電圧差に相当する
ギャップ値に設定されていればよい。、以上のようなヒ
ステリシス効果を利用して、ゲート誘導リーク電流の閾
値電圧が低い場合、すなわち図4の曲線C0 の場合を
“0”状態、閾値電圧が高い場合、すなわち図4の曲線
C1 の場合を“1”状態とし、電荷保持の有無によって
変化するゲート誘導ドレインリーク電流の相違に基づ
き、これをメモリーとして使用することができる。
【0127】2) “1”書き込み動作(2) 上述の説明では、ゲート電位を0Vに、ドレイン電位を
8Vにしたが、本発明の書込手段は、かかる電圧の印加
方法に限定されるものではなく、図5に示すように、ゲ
ート電位Vgを−3V、基板電位Vsubを0V、ドレ
イン電位を5V以上にした場合についても同様にして起
こる。図6にはゲート電位Vgを−3V、基板電位Vs
ubを0V、ドレイン電位Vdsを5V以上にした場合
の“1”書き込み動作における電流−電圧特性を示し、
横軸はドレイン−基板間電圧Vds、縦軸はドレイン電
流Idである。サブブレークダウン点AはVds=0V
になり、ディープブレークダウン点BはVds=5Vに
なる。つまり、ディープブレークダウンポイントBの電
圧値はゲート電極3の電位に応じて変化するものであ
る。その場合、図6に示すように、ゲート電位Vgを負
にすればドレイン−基板間電圧Vdsを小さくできる利
点がある。
【0128】3) 読みだし動作(1) 図7(a)は、メモリセルにおける読みだし動作(1)
で“1”状態を読みだした場合の断面構造、図7(b)
は、上記図7(a)のb−b線に沿った方向におけるバ
ンド図である。
【0129】すなわち、“1”書き込み動作でゲート酸
化膜2内にトラップされたホール8cはゲートドレイン
オーバーラップ領域5aの電界を緩和するため、ゲート
電位Vgを0V、基板電位Vsubを0V、ドレイン電
位Vdsを5Vにしても、ゲートドレインオーバーラッ
プ領域5aにおいては、図7(b)に示すように半導体
Siのバンド11,12がSi−ゲート酸化膜2の界面
に垂直な方向にほとんど曲げられず、バンド間トンネリ
ングがほとんど起こらないことが示されている。
【0130】次に、図8(a)は、メモリセルにおける
読みだし動作(1)で“0”状態を読みだした場合の断
面図、図8(b)は、図8(a)のb−b線に沿った方
向におけるバンド図、図8(c)は、図8(a)のc−
c線に沿った方向におけるバンド図である。
【0131】すなわち、“0”状態(後述の消去後)の
半導体記憶装置においては、ゲート酸化膜2内にホール
がトラップされていないためゲートドレインオーバーラ
ップ領域5aの電界が緩和されず、ゲート電位Vgを0
V、基板電位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを5
Vにすると、ゲートドレインオーバーラップ領域5aに
おいて、図8(b)に示すように半導体Siのバンド1
1,12がSi−ゲート酸化膜2の界面に垂直な方向に
バンドギャップφsi以上に曲げられ、バンド間トンネ
リングにより電子9とホール8が発生し、ドレイン電流
が生じる。一方、図8(c)に示すように、Si−Si
2 界面に沿った方向には半導体Siの伝導帯11もゲ
ート酸化膜2の伝導帯13もあまり曲げられず、バンド
間トンネリングにより発生したホール8のエネルギー準
位はSi基板1領域の価電子帯14よりも高いので、ホ
ール8はSi−SiO2 の界面においてゲート酸化膜2
の価電子帯14を飛び越えられず、ゲート酸化膜2内に
トラップされない。従って、本発明の半導体記憶装置は
非破壊読みだしである。上記動作により、請求項2又は
4の発明にいう読出手段が構成されている。
【0132】ここで、読みだしは、上記図4において、
ドレイン−基板間電圧Vdsをサブブレークダウン点A
とディープブレークダウン点Bの間の電位にして(つま
り、第1設定電圧差以上、かつ第2設定電圧差よりも低
い電圧の印加状態で)、その時のドレイン電流値Idの
大きさにより行なう。今回試作した半導体記憶装置の場
合にはゲート電位Vgを0V、基板電位Vsubを0V
にする場合にはVds=5Vを読みだし電位にすれば
“0”状態の電流値と“1”状態の電流値の比が最も大
きい。
【0133】図9は、ゲート電位Vgを0V、基板電位
Vsubを0Vにした場合の電流−電圧特性を示す。横
軸はドレイン−基板間電圧Vds、縦軸はドレイン電流
Idであって、ドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから
5Vまでと、5Vから0Vまでの双方向でスイープして
いる。“0”状態と“1”状態がそれぞれ保たれてお
り、本発明の半導体記憶装置が不揮発性であることが分
かる。
【0134】また、図10にはドレイン電位Vdsを5
V、基板電位Vsubを0Vにした場合の電流−電圧特
性を示す。横軸はゲート電位Vg、縦軸はドレイン電流
Idである。ゲート電位Vgを0Vから3Vまでと、3
Vから0Vまでの双方向でスイープしている。この場合
も“0”状態と“1”状態がそれぞれ保たれていること
が分かる。このデータからVg=3VにしてVd=5V
にした後Vg=0Vにすることによっても読みだし動作
を行えることになる。これは、ソース電極が存在しない
場合の利点の1つである。
【0135】4) 読みだし動作(2) 以上の動作は、“1”状態の半導体記憶装置において
は、ゲート電位Vgを−3V、基板電位Vsubを0
V、ドレイン電位を2Vにした場合についても略同様で
ある。図11(a)は、このときのメモリセルの断面
図、図11(b)は、b−b線に沿った方向におけるバ
ンド図であって、このバンド状態から上述の場合、図7
(b)と同様の理由によって、バンド間トンネリングが
ほとんど起こらないことが分かる。
【0136】一方、“0”状態(消去後)の半導体記憶
装置においては、図12(a)の断面図及び同図(b)
のバンド図に示すように、ゲート電位Vgを−3V、基
板電位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを2Vにす
ると、バンド間トンネリングが生じる。ただし、ゲート
酸化膜2の価電子帯14へのホール8の飛び越しは生じ
ず、ホール8はゲート酸化膜2内にトラップされない。
【0137】図13にはゲート電位Vgを−3V、基板
電位Vsubを0Vにした場合の電流−電圧特性を示
す。横軸はドレイン電位Vds、縦軸はドレイン電流I
dである。ドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから3V
までと、3Vから0Vまでの双方向でスイープしてい
る。“0”状態と“1”状態がそれぞれ保たれている。
【0138】 5) “0”書き込み動作(消去動作)(1) 図14(a)はメモリセルの断面図、図14(b)は、
同図(a)のb−b線に沿った方向におけるバンド図を
示す。
【0139】すなわち、ゲート電位Vgを8V以上、基
板電位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを0Vにす
ると、図14(b)に示すようにゲート酸化膜2にゲー
ト電極3から基板1方向に高電界がかかり、トラップさ
れていたホール8cがデトラップされ、メモリセルは
“0”状態(初期状態)に戻る。
【0140】図15は、上述の“0”書き込み動作にお
ける電流−電圧特性を示す。横軸はドレイン−基板間電
圧Vds、縦軸はドレイン電流Idであり、基板電圧V
subは0Vである。図15の破線で示すように“1”
状態であるメモリセルのゲート電位Vgを8Vにしてド
レイン−基板間電圧Vdsを5Vから0Vまでスイープ
し、連続して図15の実線で示すようにゲート電位Vg
を−3Vにしてドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから
5Vまでスイープしている。図15の一点鎖線C1sは、
“1”状態であるメモリセルのゲート電位Vgを−3V
にしてドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから5Vまで
スイープした場合の特性である。ゲート電位Vgを8V
にしてドレイン−基板間電圧Vdsを5Vから0Vまで
スイープしたことにより“1”状態から“0”状態にな
っている。上述の動作により、請求項5又は6の発明に
いう消去手段が構成されている。
【0141】尚、上記図15では、“0”書き込み動作
にゲート電位Vgを8Vにしてドレイン−基板間電圧V
dsを5Vから0Vまでスイープして行ったが、ドレイ
ン−基板間電圧Vdsを0Vにしてゲート電位Vgを8
Vにするだけでも“0”書き込みを行える。
【0142】 6) “0”書き込み動作(消去動作)(2) 図16(a)は、“0”書き込み(2)時におけるメモ
リセルの断面図、図16(b)は、図16(a)のb−
b線に沿った方向におけるバンド図である。
【0143】ここで、電圧−電流特性は省略するが、ゲ
ート電位Vgを−8V以上、基板電位Vsubを0V、
ドレイン電位Vdsを0Vにすると、図16(b)に示
すようにゲート酸化膜2に基板1からゲート3方向に高
電界がかかり、FN電流による電子9dとトラップされ
ていたホール8cが再結合17をすることにより、ゲー
ト酸化膜2内のホール8cが消滅して、メモリセルは
“0”状態(初期状態)に戻る。上述の電圧の印加動作
により、請求項7又は8の発明にいう消去手段が構成さ
れている。
【0144】なお、N型Si基板とP型ドレインを使用
した場合についても同様の記憶特性が得られるが、以上
の説明において電圧は正負が逆になり、電界の方向も逆
になり、さらに“1”書き込み動作ではゲート酸化膜の
伝導帯に電子がトラップされることにより行われる。
【0145】2.回路動作 次に、上記メモリセルを集積してなる集積回路の回路動
作について説明する。半導体記憶装置の集積回路におい
て、読みだし動作を1セル単位で行えるだけならROM
であり、さらに“1”書き込み動作を1セル単位で行え
ることでPROMまたはEEPROMになり、さらに
“0”書き込み動作を1セル単位で行うことでRAMに
なる。
【0146】以下、P型Si基板とN型ドレインとSi
2 ゲート酸化膜を使用した半導体記憶装置を使った4
ビット集積回路の場合について説明する。以下の説明に
おいて、メモリセルWは選択されるセル、メモリセルX
はメモリセルWと同じワード線上にある非選択セルを代
表しており、メモリセルYはメモリセルWと同じビット
線上にある非選択セルを代表しており、メモリセルZは
メモリセルWとはワード線もビット線も異なる非選択セ
ルを代表している。
【0147】1) “1”書き込み回路動作 図17(a)は、第1実施例の半導体集積回路のメモリ
セルアレーの一部を抜き出した回路図であり、図17
(b),(c),(d)は、それぞれメモリセルWを
“1”状態に選択書き込みを行なう場合の各メモリセル
W,X,Y,Zにおける動作特性を示す特性図である。
【0148】図17(a)のように、ワード線WLnとビ
ット線BLnが網の目のように配置された半導体記憶装置
の集積回路において、メモリセルWのみを選択して
“1”状態に書き込むために、上述の“1”書き込み動
作(2)を使う。ワード線WL0に−3V(選択ワード線
電位Vkcw )、ワード線WL1に0V(非選択ワード線電
位Vknw )、ビット線BLoに5V(選択ビット線電位V
kcb )、ビット線BL1に0V(非選択ビット線電位Vkn
b )を印加すると、つまり上記ワード線の設定電位を選
択ワード線電位Vkcw と非選択ワード線電位Vknw との
2値とし、上記ビット線の設定電位を選択ビット線電位
Vcbと非選択ビット線電位Vnbとの2値とし、Vkcw <
Vknw かつVknb <Vkcb に設定する。メモリセルWは
図17(b)に示すwの状態になり“1”書き込み動作
(2)である。この動作により、請求項10の発明にい
う書込手段の選択書き込みの機能が構成されている。
【0149】そのとき、メモリセルXは図17(b)に
示す点xの状態にあり、ドレイン−基板間電圧Vdsが
0Vであるからバンド間トンネリングが起こらないため
“1”書き込みにはならず、ゲート電圧Vgが−3Vで
あるからデトラップも起こらず、またFN電流も発生し
ないから“0”書き込みにもならない。一方、メモリセ
ルYは、図17(c)に示す点y0、y1の状態にあ
り、読みだし動作(1)に相当しており、“1”及び
“0”状態が変化しない。メモリセルZは図17(c)
に示す点zの状態にあり、Vds=Vg=基板電圧Vs
ub=0Vとなっているので、“1”状態及び“0”状
態が変化しない。
【0150】尚、ワード線WL とビット線BL の電圧の
設定はどちらからでもよく、同時に行なってもよい。
【0151】尚、上記した説明では1個のメモリセルW
のみを“1”状態に書き込んだが、1個以上のメモリセ
ルを同時に“1”状態に書き込んでもよい。例えばメモ
リセルW及びX、またはメモリセルW及びY、またはメ
モリセルW,X,Y及びZは同時に“1”書き込みでき
る。
【0152】また、N型基板ではVkcw >Vknw かつV
knb >Vkcb に設定することで、上述と同様の作用が得
られる。
【0153】2) 読みだし回路動作(1) 次に、メモリセルWのみを選択して読みだすために、読
みだし動作(1)を使う場合について説明する。
【0154】図18(a)は、上記図17(a)と同様
の集積回路における各ワード線WL0,WL1及びビット線
BLo,BL1n に対する電圧の印加状態を示し、図18
(b),(c),(d)は、メモリセルWの選択読みだ
し(1)を行なう際における各メモリセルW,X,Y,
Zの動作特性をそれぞれ示す。
【0155】図18(a)に示すように、ワード線WLo
に0V(選択ワード線電位Wycw )、ワード線WL1に3
V(非選択ワード線電位Vynw )、ビット線BLoに5V
(選択ビット線電位Vycb )、ビット線BL1に0V(非
選択ビット線電位Vynb )を印加、つまりワード線WL
o,WL1の設定電位を選択ワード線電位Vycw と非選択
ワード線電位Vynw との2値とし、ビット線BLo,BL1
の設定電位を選択ビット線電位Vycb と非選択ビット線
電位Vynb との2値とし、Vycw <Vynw かつVynb <
Vycb の関係とする。
【0156】そのとき、メモリセルWは図18(b)に
示す点wo 、w1 の状態または図18(c)に示す点
w'o、w'1の状態になり、上述の読みだし動作(1)と
なる。一方、メモリセルXは図18(b)に示す点xの
状態にあり、Vds=Vg=Vsub=0Vであり
“1”及び“0”状態が変化しない。メモリセルYは図
18(c)に示す点y、または図18(d)に示す点
y’の状態にあり、Vds−Vg=2Vであるからバン
ド間トンネリングがほとんど起こらないため読みだし電
流の点w0状態よりもドレイン電流は3桁以上小さくメ
モリセルWの状態を識別することができ、かつ“1”書
き込みにはならず、ゲート電圧Vgが3Vであるからデ
トラップも起こらず、FN電流も発生しないから“0”
書き込みにもならない。また、メモリセルZは、図18
(d)に示す点zの状態にあり、ドレイン−基板間電圧
Vdsが0Vであるからバンド間トンネリングが起こら
ないため“1”書き込みにはならず、ゲート電圧Vgが
3Vであるからデトラップも起こらず、FN電流も発生
しないから“0”書き込みにもならない。上述の動作に
より、請求項11の発明にいう読出手段の選択読みだし
の機能が構成されている。
【0157】尚、ワード線とビット線の電圧の設定はど
ちらからでもよく同時に行なってもよいが、ワード線の
電圧の設定を先に行なったほうが消費電力は小さい。
【0158】尚、上述の説明では1個のメモリセルWの
みを読みだしたが、同じワード線に接続されているメモ
リセルならば1個以上のメモリセルを同時に読みだして
もよい。例えばメモリセルWとXとは同時に読みだすこ
とができる。
【0159】また、N型基板ではVycw >Vynw かつV
ynb >Vycb に設定することで、上記と同様の作用が得
られる。
【0160】3) 読みだし回路動作(2) 次に、メモリセルWのみを選択して読みだすために、読
みだし動作(2)を使う場合について説明する。図19
(a)は、上記図17(a)と同様の集積回路における
各ワード線WL0,WL1及びビット線BLo,BL1nに対す
る電圧の印加状態を示し、図19(b),(c)は、上
記集積回路においてメモリセルWを選択読みだし(2)
を行なう際における各メモリセルW,X,Y,Zの動作
特性を示す。
【0161】同図(a)に示すように、電位設定を、ワ
ード線WLoに−3V、ワード線WL1に0V、ビット線B
Loに2V、ビット線BL1に0Vとすると、つまり上記読
みだし回路動作(1)と同様に、つまりワード線WLo,
WL1の設定電位を選択ワード線電位Vycw と非選択ワー
ド線電位Vynw との2値とし、ビット線BLo,BL1の設
定電位を選択ビット線電位Vycb と非選択ビット線電位
Vynbとの2値とし、Vycw <Vynw かつVynb <Vycb
の関係とすると、メモリセルWは図19(b)に示す
点w0、w1の状態になり、これを読みだし動作(2)
とする。
【0162】このとき、メモリセルXは図19(b)に
示す点xの状態にあり、Vds=0Vであるからバンド
間トンネリングが起こらないため“1”書き込みにはな
らず、Vg=−3Vであるからデトラップも起こらず、
またFN電流も発生しないから“0”書き込みにもなら
ない。メモリセルYは図19(c)に示す点yの状態に
あり、Vds−Vg=2Vであるからバンド間トンネリ
ングが起こらないため読みだし電流の点w0状態よりも
ドレイン電流は4桁以上小さくメモリセルWの状態を識
別することができ、かつ“1”書き込みにはならず、ゲ
ート電圧Vg=0Vであるからデトラップも起こらず、
またFN電流も発生しないから“0”書き込みにもなら
ない。メモリセルZは図19(c)に示す点zの状態に
あり、Vds=Vg=Vsub=0Vであり、“1”及
び“0”状態が変化しない。
【0163】尚、ワード線とビット線の電圧の設定はど
ちらからでもよく同時に行なってもよいが、ワード線の
電圧の設定を先に行なったほうが消費電力は小さい。
【0164】尚、上記した説明では1個のメモリセルW
のみを読みだしたが、同じワード線に接続されているメ
モリセルならば1個以上のメモリセルを同時に読みだし
てもよい。例えばメモリセルWとメモリセルXは同時に
読みだすことができる。
【0165】4) “0”書き込み(消去)回路動作 メモリセルWのみを選択して“0”書き込む動作を説明
する。図20(a)は、上記図17(a)と同様の集積
回路における各ワード線WL0,WL1及びビット線BLo,
BL1n に対する電圧の印加状態を示し、図19(b),
(c)は、上記集積回路においてメモリセルWを選択
“0”書込(消去)を行なう際における各メモリセル
W,X,Y,Zの動作特性を示す。
【0166】ワード線WLoに8V(選択ワード線電位V
scw )、ワード線WL1に0V(非選択ワード線電位Vsn
w )、ビット線BLoに0V(選択ビット線電位Vscb
)、ビット線BL1に5V(非選択ビット線電位Vsnb
)の電圧を印加すると、つまり、ワード線の設定電位
を選択ワード線電位Vscw と非選択ワード線電位Vsnw
との2値とし、上記ビット線の設定電位を選択ビット線
電位Vscb と非選択ビット線電位Vsnb との2値とし、
Vscw >Vsnw かつVsnb >Vscb とすると、メモリセ
ルWは図20(b)に示すVg=8Vでドレイン−基板
間電圧Vdsを正方向から0Vに達した点wの状態であ
り、“0”書き込む動作である。メモリセルXは図20
(c)に示す点xの状態にあり、Vds−Vg=−3V
であるからバンド間トンネリングが起こらないため
“1”書き込みにはならず、かつデトラップも起こら
ず、またFN電流も発生しないから“0”書き込みにも
ならない。通常のソース領域のある半導体記憶装置では
この状態でチャネル電流が発生しメモリのソフト書き込
みになったり、消費電力の増大になるが、本発明ではそ
れがない。メモリセルYは図20(d)に示す点yの状
態にあり、Vds=Vg=Vsub=0Vであるため
“1”及び“0”状態が変化しない。メモリセルZは図
20(d)に示す点z0、z1の状態にあり、読みだし
動作(1)に相当しており、“1”及び“0”状態が変
化しない。この動作により、請求項14の発明にいう消
去手段の選択消去機能が構成されている。
【0167】尚、“0”書き込み(消去)回路動作はビ
ット線の電圧設定を先に行なってからワード線の電圧設
定を行なわなければならず、またワード線の電圧設定を
元に戻してから、ビット線の電圧設定を元に戻さなけれ
ばならない。
【0168】尚、上記した説明では1個のメモリセルW
のみを“0”状態に書き込んだが、1個以上のメモリセ
ルを同時に“0”状態に書き込んでもよい。例えばメモ
リセルW及びX、又はメモリセルW及びY、又はメモリ
セルW,X,Y及びZは同時に“0”書き込みできる。
しかしメモリセルW及びZだけを同時に“0”書き込み
し、かつメモリセルX及びYの状態を保つことはできな
い。
【0169】なお、N型基板ではVscw <Vsnw かつV
snb >Vscb に設定した状態で、上述と同様に、記憶内
容を選択的に消去することができる。
【0170】尚、上記した全ての回路動作説明ではワー
ド線2本ビット線2本の4ビットのメモリセルアレーを
用いたが、ワード線ビット線それぞれ少なくとも1本以
上あればよい。
【0171】5) 回路動作タイミングチャート 次に、上述の“1”書き込み,“0”書き込み(消去)
及び読みだしの基本動作を連続的に行う場合の回路動作
について、図21のタイミングチャートに基づき説明す
る。その場合、下記のタイミングチャートにおいて、デ
ータ保持状態では全てのワード線、ビット線の電位は0
Vである。
【0172】そして、図21(a)は“1”書き込み動
作のタイミングを示し、データ保持状態から、選択ワー
ド線WLoの電位を−3Vに、選択ビット線BLoの電位を
5Vにし、他の電位はデータ保持状態のままにしておく
ことにより、つまり上述のように、ワード線の電圧を−
3V、0Vの2値に、ビット線の電圧を0V、5Vの2
値に設定することにより、“1”書き込みが行われる。
【0173】図21(b)は“0”書き込み動作のタイ
ミングを示し、データ保持状態から非選択ビット線BL1
の電位を5Vにした後、選択ワード線WLoの電位を8V
にすることにより、つまり上述のように、ワード線の電
圧を0V、8Vの2値に、ビット線の電圧を0V、5V
の2値に設定することにより、“0”書き込みが行われ
る。
【0174】図21(c)は上記読みだし動作(2)の
タイミングを示し、データ保持状態から、選択ワード線
WLoの電位を−3Vに、選択ビット線BLoの電位を2V
に設定することにより、つまり上述のように、ワード線
の電圧を−3V、0Vの2値に、ビット線の電圧を0
V、2Vの2値に設定することにより、読みだしが行わ
れる。
【0175】なお、上述の読みだし動作は電流値を直接
読みだす場合であるが、そのほかに、ビット線をプリチ
ャージしてビット線の電位の変化により読みだす場合も
ある。図21(d)は、プリチャージを伴う読みだし動
作(2′)のタイミングを示し、データ保持状態から、
選択ビット線BLoの電位を2Vにプリチャージした後、
選択ワード線WLoの電位を−3Vにすると、“1”状態
と“0”状態とで選択ビット線BLoの電位の変化が異な
ることを利用して、読出が行われる。
【0176】以上のタイミングチャートにおいて、読み
だし動作のみを使えばROMに、“1”書き込み動作と
読みだし動作を使えばEPROMに、全メモリセル一括
または部分“0”書き込み(消去)動作と“1”書き込
み動作と読みだし動作を使えばEEPROMに、選択
“0”書き込み(消去)動作と“1”書き込み動作と読
みだし動作を使えばRAMになる。そして、上述のタイ
ミングチャートから容易に理解されるように、本発明の
半導体装置をROMとして使用した場合は、読みだし動
作だけが行われるので、ワード線の電圧は−3V、0V
の2値で、ビット線の電圧は0V、2Vの2値で構成さ
れる。一方、PROMとして利用する場合には、“1”
書き込み動作と読みだし動作とが行われるので、ワード
線の電圧は−3V、0Vの2値で、ビット線の電圧は0
V、2V、5Vの3値で構成されるこの動作により、請
求項12の発明にいう書込手段及び読出手段による選択
書き込み及び選択読みだしの機能が構成されている。
【0177】さらに、EEPROM又はRAMとして利
用する場合には、“1”書き込み動作,“0”書き込み
動作及び読みだし動作が行われるので、ワード線の電圧
は−3V、0V、8Vの3値で、ビット線の電圧は0
V、2V、5Vの3値で構成される。この動作により、
請求項15の発明にいう書込手段,読出手段及び消去手
段による選択書き込み,選択読みだし及び選択消去の機
能が構成されている。
【0178】次に、読みだし動作(1)の回路動作につ
いて説明する。読みだし回路動作(1)は“0”状態と
“1”状態の電流の比が大きいので読みだしに有利であ
る。図22(a)は読みだし回路動作(1)のタイミン
グチャートを示し、ワード線の電圧は0V、3Vの2値
と、ビット線の電圧は0V、5Vの2値でできる。読み
だし回路動作(1)を使うと、ROMの場合にはワード
線の電圧が0V、3Vの2値で、ビット線の電圧が0
V、5Vの2値で構成される。また、PROMの場合に
はワード線の電圧が−3V、0V、3Vの3値で、ビッ
ト線の電圧が0V、5Vの2値で構成される。この動作
により、請求項13の発明にいう書込手段及び読出手段
による選択書き込み及び選択読みだしの機能が構成され
ている。
【0179】さらに、EEPROMまたはRAMの場合
にはワード線の電圧が−3V、0V、3V、8Vの4値
で、ビット線の電圧が0V、5Vの2値で構成される。
この動作により、請求項16の発明にいう書込手段,読
出手段及び消去手段による選択書き込み,選択読みだし
及び選択消去の機能が構成されている。
【0180】なお、読みだし動作には電流値を直接読み
だす場合のほかに、ビット線をプリチャージしてビット
線の電位の変化により読みだす場合もあり、図22
(b)はプリチャージを伴う場合のタイミングチャート
である。
【0181】この時、プリチャージ時はメモリセルはゲ
ート電極に3V、ドレイン電極に5Vがかかり、メモリ
セルが従来のMOSトランジスタの場合にはメモリセル
がON状態になりビット線をプリチャージできないが、
本発明に使用するメモリセルはソース電極がないためメ
モリセルには電流が流れずビット線をプリチャージでき
る。
【0182】なお、以上の回路動作のタイミングは4ビ
ット以上のメモリセルアレーの場合でも同様にして1ビ
ット単位のメモリセルのみを選択して書き込み、読みだ
し動作が行なえる。
【0183】また、本実施例においては1ビット単位の
メモリセルのみを選択して書き込み、読みだし動作が行
なえることを説明したが、全てのメモリセルあるいは一
部のメモリセルを一括して“1”状態に書き込んだり、
あるいは“0”状態に書き込んだりもでき、効率よく書
き込みを行なえる。
【0184】上記第1実施例では、1ビットの記憶素子
が、半導体基板1、ドレイン領域5及びゲート電極3の
3端子で構成され、ソース領域がないという単純な構成
でありながら、ドレイン領域5とゲート電極3との間の
ゲート酸化膜2が不揮発のメモリとして利用しうるよう
に構成されているので、その各端子間の単純な電位設定
により、書き込み,読みだし及び消去を各ビット単位で
行うことができる。特に、記憶素子をEEPROM又は
RAMとして使用した場合には、上述のように、1ビッ
ト単位で選択書き込み,選択読みだし及び選択消去が行
えるRAMでありながら、各メモリセルには不揮発性が
あり、リフレッシュ動作が不要であり、かつデータ保持
時にはメモリセルにかかる電圧が0Vであるため低消費
電力であるという利点がある。そして、ソースがないこ
とから、チャネルもなくなり、集積度が飛躍的に向上す
ることを期待しうる。
【0185】なお、上記図21及び図22に示したタイ
ミングチャートには書き込み動作直前及び読みだし動作
直前にデータ保持状態を設けているが、高速化のために
データ保持状態を省略してもよい。
【0186】また、上記実施例では、半導体記憶装置の
各メモリセルは当初“0”状態に形成されていることを
前提として説明したが、当初から全てのメモリセルを一
括して“1”状態に書き込んでおいてもよく、或いは起
動時に一括して“1”状態に書き込んだ後に記憶動作を
開始するようにしてもよい。この場合は、“1”状態に
あるメモリセルを“0”状態に消去することにより記憶
の書き込み(“0”書き込み)が行われるものである。
すなわち、通常の半導体記憶回路では比較的短期間の使
用時には80パーセント程度のメモリセルは書き込み動
作も読みだし動作も行なうことがないが、本発明に使用
する半導体記憶装置は、“1”状態の方が“0”状態に
比べて読みだし電流値が小さい。したがって、請求項9
の発明のように、全てのメモリセルをあらかじめ一括し
て“1”状態に書き込んでおくことにより、半導体記憶
装置の低消費電力化を図ることができる。
【0187】(第2実施例)次に、請求項17〜32の
発明に係る第2実施例について説明する。
【0188】図23(a)は、第2実施例における半導
体記憶装置の1ビットの断面構造を示す。同図におい
て、本第2実施例では、上記第1実施例における半導体
記憶装置の構成とは異なり、第1導電型であるP型の半
導体基板1表面には、リン等をドーピングしてなるN型
(第2導電型)のソース領域4が同じくN型のドレイン
領域5と共に形成されている。そして、半導体基板1上
には、上記ドレイン領域5の端部と一部が重なり、かつ
ソース領域4の端部に亘って形成されたSiO2 からな
る絶縁膜であるゲート酸化膜2が設けられ、このゲート
酸化膜2上に多結晶Si膜からなるゲート電極3が積層
されている。上記半導体基板1,ソース領域4,ドレイ
ン領域5,ゲート酸化膜2及びゲート電極3により、1
ビットのメモリセルが構成されている。
【0189】なお、ゲート酸化膜2の厚さTox,ゲート
電極3の幅W,ドレイン領域5の形成方法は上記第1実
施例と同様であり、また、ソース領域4の形成状態は上
記ドレイン領域5と同じであるが、本発明は必ずしもド
レイン領域5とソース領域4の導電特性が同じものに限
定されるものでない。
【0190】上記半導体記憶装置のメモリセルは、回路
図では図23(b)に示す記号で表現され、4端子メモ
リセルである。そして、後述の図26(a)等に示すよ
うに、半導体記憶回路のワード線WLnはゲート電極3
に、ビット線BLnはドレイン領域5の電極に、ソース線
SL は共通化されて各メモリセルのソース領域4に接続
されている。
【0191】また、半導体記憶装置の集積回路は省略す
るが、上記第1実施例における図2において、メモリセ
ルを4端子メモリセルに置き換えたものである。
【0192】まず、P型半導体基板1,N型ドレイン領
域5,N型ソース領域4及びSiO2 のゲート酸化膜2
を使用した場合について、上記メモリセルにおける書き
込み,読み込み,消去の基本動作を説明する。
【0193】1.基本動作 1) “1”書き込み動作(1) 図は省略するが、書き込み動作は基本的に上記第1実施
例における図3(a)〜(c)に示すと同様であり、電
圧の印加(第2設定電圧差以上)によるバンド間トンネ
リングと、バンド間トンネリングにより発生したホール
の半導体基板1領域の価電子帯14からゲート酸化膜2
の価電子帯14への飛び越えを利用して、ホールをゲー
ト酸化膜2内にトラップすることにより、“1”状態へ
の書き込みが行われる。この動作により、請求項19の
発明にいう書込手段が構成されている。
【0194】なお、第2実施例においても、上記第1実
施例における書き込み動作(1)及び(2)のいずれも
が可能である。
【0195】2) 読みだし動作 図は省略するが、読みだし動作も上記第1実施例におけ
る図12(a),(b)及び図13に示す読みだし動作
(2)と同様であり、ゲート酸化膜2内にホールがトラ
ップされているときにはゲートドレインオーバーラップ
領域5aの電界が緩和される結果、同じ電圧(第2設定
電圧差以下)の印加に対して生じるゲート誘導ドレイン
リーク電流Idが“0”状態におけるよりも小さいこと
を利用して、記憶状態を読み出すようになされている。
この動作により、請求項18又は20の発明にいう読出
手段が構成されている。
【0196】 3) “0”書き込み動作(消去動作)(1) 第2実施例においても、上記第1実施例における消去動
作(1)及び(2)が可能である。
【0197】すなわち、上述のごとく、図14(a),
(b)及び図15に示すように、ゲート酸化膜2にゲー
ト電極3から基板1方向に高電界がかかり、トラップさ
れていたホール8cがデトラップされ、メモリセルは
“0”状態(初期状態)に戻ることにより、“0”状態
への書き込み(消去)が行われる。この動作により、請
求項21又は22の発明にいう消去手段が構成されてい
る。
【0198】 4) “0”書き込み動作(消去動作)(2) また、第1実施例で説明した図16(a),(b)に示
すように、ゲート酸化膜2に基板1からゲート3方向に
高電界をかけて、FN電流による電子9dをトラップさ
れていたホール8cに再結合させることにより、ゲート
酸化膜2内のホール8cを消滅させて、メモリセルを
“0”状態に書き込む(消去)することが可能である。
この動作により、請求項23又は24の発明にいう消去
手段が構成されている。
【0199】なお、N型Si基板とP型ドレインを使用
した場合についても同様の記憶特性が得られるが、以上
の説明において電圧は正負が逆になり、電界の方向も逆
になり、さらに“1”書き込み動作ではゲート酸化膜の
伝導帯に電子がトラップされることにより行われる。こ
れも上記第1実施例と同様である。
【0200】 5) “0”書き込み動作(消去動作)(3) ここで、本第2実施例では、上記第1実施例と異なり、
ソース領域4を設けたことで、消去動作(3)が可能に
なる。図24に示すように、ゲート電位Vgを4V以
上、基板電位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを5
V以上にすると、ゲート酸化膜2の界面にチャネル電流
が流れる。そして、ドレイン電位Vdsを5V以上にし
たことで、チャネル方向に高電界が印加され、チャネル
電流の一部がチャネルホットエレクトロン9hとなり、
ゲート酸化膜2にトラップされていたホール8がエレク
トロン9hと中和され、“0”状態に書き込まれる(消
去される)。この動作により、請求項25又は26の発
明にいう消去手段が構成されている。
【0201】図25は、上述の“0”書き込み動作
(3)における電流−電圧特性を示し、横軸はゲート電
圧Vg、縦軸はドレイン電流Idである。図25の破線
C1 に示す“1”状態にあるメモリセルに対し、ドレイ
ン電位Vdsを5Vにして、ゲート電位Vgを0Vから
4Vまでスイープし、さらに再度図25の実線Co に示
すように、ドレイン電位Vdsを4Vにしてゲート電位
を0Vから4Vまでスイープしている。
【0202】2.回路動作 1) “1”書き込み回路動作 本実施例における“1”書き込み回路動作は上記第1実
施例と同様である。すなわち、図26(a)に示すよう
に、ワード線WLnを各メモリセルW〜Zのゲート電極3
に、ビット線BLnを各メモリセルW〜Zのドレイン領域
5に接続し、網目状に配置された半導体記憶装置の集積
回路を形成する。ただし、各メモリセルW〜Zのソース
領域4は共通のソース線SL に接続される。そして、ワ
ード線WL0に−3V(選択ワード線電位kcw )、ワード
線WL1に0V(非選択ワード線電位Vknw )、ビット線
BLoに5V(選択ビット線電位Vkcb )、ビット線BL1
に0V(非選択ビット線電位Vknb )を印加すると、つ
まり上記ワード線の設定電位を選択ワード線電位Vkcw
と非選択ワード線電位Vknw との2値とし、上記ビット
線の設定電位を選択ビット線電位Vcbと非選択ビット線
電位Vnbとの2値とし、Vkcw <Vknw かつVknb <V
kcb に設定することで、図26(b)〜(d)のような
各メモリセルW〜Xの動作特性が得られる(上記第1実
施例における図17(b)〜(d)の説明参照)。つま
り、メモリセルWのみを“1”状態に選択書き込み
(“1”書き込み動作(2))を行なう。この動作によ
り、請求項28の発明にいう書込手段の選択書き込み機
能が構成されている。
【0203】2) 読みだし回路動作(2) 本第2実施例における読みだし回路動作は、上記第1実
施例における読みだし回路動作(2)と同様である。す
なわち、図27(a)に示すように、ワード線WLoに−
3V、ワード線WL1に0V、ビット線BLoに2V、ビッ
ト線BL1に0Vにすると、つまり上記読みだし回路動作
(2)と同様に、ワード線WLo,WL1の設定電位を選択
ワード線電位Vycw と非選択ワード線電位Vynw との2
値とし、ビット線BLo,BL1の設定電位を選択ビット線
電位Vycb と非選択ビット線電位Vynb との2値とし、
Vycw <Vynw かつVynb <Vycb の関係とすること
で、図27(b),(c)に示すような動作特性が得ら
れ、メモリセルWの選択読みだし(2)が行われる(上
記第1実施例における図19(a),(b)の説明参
照)。この動作により、請求項29の発明にいう読出手
段の選択読みだしの機能が構成されている。
【0204】3)“0”書き込み回路動作 本第2実施例では、半導体記憶装置を部分消去を行うE
EPROMに適用した場合について説明する。
【0205】図28(a)に示すように、ワード線WLo
に4V、ワード線WL1に0V、ビット線BLoに5V、ビ
ット線BL1に5Vの電圧を印加すると、メモリセルW及
びXは図28(b)に示す点wxの状態にあり、“0”
書き込み動作となる。一方、メモリセルY及びZは、図
28(c)に示すように、“0”状態のときには点yz
o の状態に、“1”状態のときには点yz1 の状態にあ
る。これは読みだし動作に相当し、メモリセルY及びZ
の状態は変化しない。つまり、書き込みや消去は行われ
ない。なお、図28(b)の点I及びJにおける電流値
は図28(d)の点I及びJにおける電流値と等しく、
図28(b)の点wxは“0”書き込み動作になったこ
とがわかる。
【0206】ただし、上述の“0”書き込み回路動作に
おいては、ビット線BLo,BL1の電圧設定をざきに行っ
てからワード線WLo,WL1の電圧設定を行わねばなら
ず、また、終了時には、ワード線の電圧設定を元に戻し
てから、ビット線の電圧設定を元に戻さなければならな
い。
【0207】なお、上述の説明では1本のワード線のメ
モリセルのみを“0”に書き込んだが、1本以上のワー
ド線のメモリセルを同時に“0”状態に書き込んでもよ
いことはいうまでもない。
【0208】さらに、上述の回路動作の説明ではワード
線2本とビット線2本とを備えた4ビットのメモリセル
アレーについて説明したが、ワード線及びビット線がそ
れぞれ少なくとも1本以上あればよい。
【0209】2)回路動作タイミングチャート 次に、図29は、“1”書き込み、“0”書き込み及び
読みだしの各動作のタイミングチャートを示す。
【0210】同図に示すように、“1”書き込み回路動
作では、ワード線WLnの電圧は−3V,0Vの2値で、
ビット線BLnの電圧は0V,5Vの2値である。また、
“0”書き込み回路動作では、ワード線WLnの電圧は0
V,4Vの2値で、ビット線BLnの電圧は0V,5Vの
2値である。さらに、読みだし回路動作では、ワード線
WLnの電圧は−3V,0Vの2値で、ビット線BLnの電
圧は0V,2Vの2値である。
【0211】つまり、ROMの場合には、ワード線WLn
の電圧を−3V,0Vの2値で、ビット線BLnの電圧を
0V,2Vの2値で構成することができる。PROMの
場合には、ワード線WLnの電圧を−3V,0Vの2値
で、ビット線BLnの電圧を0V,2V,5Vの3値で構
成することができる。この動作により、請求項30の発
明にいう書込手段及び読出手段の選択書き込み及び選択
読みだしの機能が構成されている。この場合、上記第1
実施例(請求項12又は13の発明)における選択書き
込み及び選択読みだしと比較して、最高電位を5Vと低
くしうる利点がある(上記第1実施例では、8Vが必要
である)。
【0212】また、EEPROMまたはRAMの場合に
は、ワード線WLnの電圧を−3V,0V,8Vの3値
で、ビット線BLnの電圧を0V,2V,5Vの3値で構
成することができる。この動作により、請求項32の発
明にいう書込手段,読出手段及び消去手段による選択書
き込み,選択読みだし及び部分消去の機能が構成されて
いる。この場合にも、本第2実施例では最高電位を低く
しうる利点がある。
【0213】したがって、上記第2実施例では、ワード
線WLn及びビット線BLnに対する単純な設定電圧で、R
OM,PROM及びEEPROM又は不揮発のRAMを
構成することができ、高速動作と周辺回路の単純化によ
る高集積化とが実現される。その場合、ドレイン領域5
とソース領域4とが同じ導電型で形成されているので、
領域間の干渉を防止するため分離絶縁膜等の製造が容易
であり、高集積化を容易に実現することができる。
【0214】なお、図面は省略するが、下記表3に示す
ように各端子の電位を設定して、選択書き込み,選択読
みだし及び各ワード線ごとの部分消去を行ってもよい。
この動作により、請求項31の発明にいう書込手段,読
出手段及び消去手段による選択書き込み,選択読みだし
及び部分消去の機能が構成されている。
【0215】
【表2】 上記第2実施例における読みだし動作においては、上記
第1実施例と同様にプリチャージを行うようにしてもよ
い。
【0216】さらに、上記第1実施例のようなソース領
域4を有しないものも含め、ワード線WLn単位で消去す
る場合には、下記表3に示すように各端子の電位を設定
して、選択書き込み,選択読みだし及び部分消去を行う
ことができる。つまり、設定電圧が、ワード線WLn及び
ビット線BLn共に3値となる。
【0217】
【表3】 なお、上記第1実施例及び第2実施例では、半導体記憶
装置の構成において、絶縁膜であるゲート酸化膜2をS
iO2 で形成したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、各種金属の炭化物や酸化物等を使用す
ることができ、また、半導体基板もSiに限定されるも
のではない。ただし、請求項33の発明のごとく、Si
2 を使用した場合、Si基板表面を熱酸化することに
よって、容易にSiO2 膜を形成することができるの
で、製造が容易かつ安価になるだけでなく、膜質が優
れ、膜厚の制御性も良好であり、清浄な表面を容易に得
ることができる等、絶縁膜特性が良好となる。また、S
i基板とSiとの親和性がよく、Si基板に加わるスト
レスが比較的小さいという利点が得られる。さらに、S
i基板とSiO2 膜とのバンドの障壁高さが3.5eV
程度であるので、TTLレベルの動作電圧を実現できる
ことになる。
【0218】また、上記各実施例では、ゲート酸化膜2
をSiO2 膜のみの単層構造としたが、本発明はかかる
実施例に限定されるものではなく、請求項34の発明の
ごとく、例えばSiO2 膜の上に第2の絶縁膜としてS
3 4 膜を形成し、つまり2層の絶縁膜を積層してな
る多層膜構造としてもよい。その場合、第2の絶縁膜と
してSi2 4 膜のごとき誘電率の高い膜を使用するこ
とにより、膜厚を厚くすることができ、電気的耐圧が向
上することになる。また、SiO2 膜とSi3 3 膜と
の界面に電荷がトラップされやすいので、書込み時のト
ラップ効率が向上し、“0”状態と“1”状態との読み
だし電流の差が拡大して、読みだしが容易となる。そし
て、読みだし電流差の拡大により、メモリセルの微細化
や、周辺の電流増幅回路の縮小が可能になり、さらに高
集積化を図ることができる。
【0219】さらに、請求項34の発明では、SiO2
膜の上にSi3 4 膜とSiO2 膜とを形成し(いわゆ
るONO膜)、つまり3層の絶縁膜を積層してなる多層
膜構造としてもよい。その場合、上述の効果に加えて、
Si3 4 膜上のピンホール等の欠陥を埋めて膜質を改
善することができる。また、Siとの接合においては、
Si3 4 よりもSiO2 のほうがSiに生ぜしめるス
トレスが小さいので、Si基板だけでなく、上層のゲー
ト電極3(通常ポリシリコンが使用される)との界面で
生じるストレスを緩和させるという利点がある。なお、
請求項34の発明では、絶縁膜の構成として、2層,3
層の多層膜に限定されるものではなく、4層以上の多層
膜とすることも可能である。
【0220】また、半導体記憶装置の記憶素子の構成と
して、請求項35の発明のごとく、上記各実施例におけ
る絶縁膜であるゲート酸化膜2内にフローティングゲー
ト電極(ポリシリコン等からなる)を設け、フローティ
ングゲート電極に電荷をトラップさせるようにしてもよ
い。その場合、導電体であるフローティングゲート電極
に電荷がトラップされるので、“0”状態と“1”状態
の読みだし電流の差を拡大させることができ、上述の効
果を得ることができる。また、絶縁膜自体に電荷をトラ
ップさせたり、デトラップさせたりするのに比べて、絶
縁膜の耐久性が向上するという利点がある。
【0221】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、半導体記憶装置において、1ビットの記憶素子
を第1導電型の半導体基板と第2導電型のドレイン領域
とゲート電極との3端子で構成し、バンド状態の調整に
より、ドレイン領域−ゲート電極間の絶縁膜を不揮発状
態で情報を記憶しうるように構成したので、ソース領域
の省略による集積度の向上と、動作の高速化とを図るこ
とができる。
【0222】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜を予
め“1”状態にしておき、各端子間への印加電圧をトン
ネリングは発生するが価電子帯間(又は導電帯間)の電
荷の飛び越えは生じないようにして、ドレイン誘導リー
ク電流の値から絶縁膜の記憶状態を読み出すようにした
ので、非破壊状態で記憶の読出が可能なROMを提供す
ることができる。
【0223】請求項3の発明によれば、上記請求項1の
発明において、各端子間への印加電圧をトンネリング及
び価電子帯間(又は導電帯間)の電荷の飛び越えが生じ
るようにして、記憶素子の絶縁膜に電荷をトラップさ
せ、“1”状態を書き込むようにしたので、不揮発状態
で記憶の書き込み可能なPROM用素材を提供すること
ができる。
【0224】請求項4の発明によれば、上記請求項3の
発明において、記憶素子の記憶内容を非破壊で読み出す
ようにしたので、高集積度でかつ高速動作のPROMを
提供することができる。
【0225】請求項5の発明によれば、上記請求項1の
発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜を予
め“1”状態にしておき、“1”状態にある記憶素子の
ゲート電極に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷を
引き抜いて“0”に消去するようにしたので、予め書き
込まれた記憶内容の書き換えが可能なROM等を提供す
ることができる。
【0226】請求項6の発明によれば、上記請求項4の
発明において、“1”状態にある記憶素子のゲート電極
に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷を引き抜いて
“0”に消去するようにしたので、記憶の書き込み,読
みだし及び消去可能なEEPROMを提供することがで
きる。
【0227】請求項7の発明によれば、上記請求項1の
発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜を予
め“1”状態にしておき、“1”状態にある記憶素子の
絶縁膜の両面間に高電界を印加して、FN電流を生ぜし
め、絶縁膜の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、電荷
の再結合により“0”に消去するようにしたので、予め
書き込まれた記憶内容の書き換えが可能なROM等を提
供することができる。
【0228】請求項8の発明によれば、上記請求項4の
発明において、“1”状態にある記憶素子の絶縁膜の両
面間に高電界を印加して、FN電流を生ぜしめ、絶縁膜
の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、電荷の再結合に
より“0”に消去するようにしたので、記憶の書き込
み,読みだし及び消去可能なEEPROM又は不揮発の
RAMを提供することができる。
【0229】請求項9の発明によれば、上記請求項1,
6又は8の発明おいて、予めすべての記憶素子の絶縁膜
を“1”状態に保持しておくようにしたので、この状態
から消去により“0”書き込みを行い、再書き込みによ
り“1”への消去が行われ、“1”状態と“0”状態と
の読みだし電流の差から、低消費電力化を図ることがで
きる。
【0230】請求項10の発明によれば、上記請求項3
の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対して、
各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各ビッ
ト線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワード線
の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を2値とし
て、記憶素子への選択書き込みを行うようにしたので、
単純な電位の設定による選択書き込みにより、書き込み
動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位の
選択書き込みが可能なPROMを提供することができ
る。
【0231】請求項11の発明によれば、上記請求項2
又は4の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対
して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、
各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワ
ード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を2
値として、記憶内容の選択読みだしを行うようにしたの
で、単純な電位の設定による選択読みだしにより、読み
だし動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単
位の選択読みだしが可能なROM又はPROMを提供す
ることができる。
【0232】請求項12の発明によれば、上記請求項4
の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対して、
各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各ビッ
ト線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワード線
の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を3値とし
て、記憶素子の記憶内容の選択書き込み及び選択読みだ
しを行うようにしたので、書き込み及び読みだし動作の
高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位で選択書
き込み,選択読みだしが可能なPROMを提供すること
ができる。
【0233】請求項13の発明によれば、上記請求項4
の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対して、
各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各ビッ
ト線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワード線
の設定電位を3値とし、ビット線の設定電位を2値とし
て、記憶素子の記憶内容の選択書き込み及び選択読みだ
しを行うようにしたので、記請求項12の発明と同様の
効果を得ることができる。
【0234】請求項14の発明によれば、上記請求項5
又は7の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対
して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、
各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワ
ード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を2
値として、記憶内容の選択消去を行うようにしたので、
消去動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単
位で選択消去つまり記憶内容の選択書き換えが可能なP
ROMを提供することができる。
【0235】請求項15の発明によれば、上記請求項6
又は8の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対
して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、
各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワ
ード線の設定電位を3値とし、ビット線の設定電位を3
値として、記憶素子への選択書き込みと,記憶内容の選
択読みだし及び選択消去とを行うようにしたので、各動
作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位で選
択書き込み,選択読みだし及び選択消去が可能なEEP
ROM或いは不揮発のRAMを提供することができる。
【0236】請求項16の発明によれば、上記請求項6
又は8の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対
して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、
各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワ
ード線の設定電位を4値とし、ビット線の設定電位を2
値として、記憶素子への選択書き込みと,記憶内容の選
択読みだし及び選択消去を行うようにしたので、各動作
の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位で選択
書き込み,選択読みだし及び選択消去が可能なEEPR
OM或いは不揮発のRAMを提供することができる。
【0237】請求項17の発明によれば、半導体記憶装
置の記憶素子を、第1導電型の半導体基板と、第2導電
型のドレイン領域と、このドレイン領域と同じ導電型で
ある第2導電型のソース領域と、絶縁膜と、ゲート電極
とで構成し、バンド状態の調整により、ドレイン領域−
ゲート電極間の絶縁膜を不揮発状態で情報を記憶しうる
ように構成したので、ドレイン−ソース間の干渉を容易
に回避しつつ、チャネル長さを短縮することができ、よ
って、集積度の向上と動作の高速化とを図ることができ
る。
【0238】請求項18の発明によれば、上記請求項1
7の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜
を予め“1”状態にしておき、各端子間への印加電圧を
トンネリングは発生するが価電子帯間(又は導電帯間)
の電荷の飛び越えは生じないようにして、ドレイン誘導
リーク電流の値から絶縁膜の記憶状態を読み出すように
したので、非破壊状態で記憶の読出が可能なROMを提
供することができる。
【0239】請求項19の発明によれば、上記請求項1
7の発明において、各端子間への印加電圧をトンネリン
グ及び価電子帯間(又は導電帯間)の電荷の飛び越えが
生じるようにして、記憶素子の絶縁膜に電荷をトラップ
させ、“1”状態を書き込むようにしたので、不揮発状
態で記憶の書き込み可能なPROM用素材を提供するこ
とができる。
【0240】請求項20の発明によれば、上記請求項1
9の発明において、記憶素子の記憶内容を非破壊で読み
出すようにしたので、高集積度でかつ高速動作のPRO
Mを提供することができる。
【0241】請求項21の発明によれば、上記請求項1
7の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜
を予め“1”状態にしておき、“1”状態にある記憶素
子のゲート電極に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電
荷を引き抜いて“0”に消去するようにしたので、予め
書き込まれた記憶内容の書き換えが可能なROM等を提
供することができる。
【0242】請求項22の発明によれば、上記請求項2
0の発明において、“1”状態にある記憶素子のゲート
電極に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷を引き抜
いて“0”に消去するようにしたので、記憶の書き込
み,読みだし及び消去可能なEEPROMを提供するこ
とができる。
【0243】請求項23の発明によれば、上記請求項1
7の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜
を予め“1”状態にしておき、“1”状態にある記憶素
子の絶縁膜の両面間に高電界を印加して、FN電流を生
ぜしめ、絶縁膜の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、
電荷の再結合により“0”に消去するようにしたので、
予め書き込まれた記憶内容の書き換えが可能なROM等
を提供することができる。
【0244】請求項24の発明によれば、上記請求項2
0の発明において、“1”状態にある記憶素子の絶縁膜
の両面間に高電界を印加して、FN電流を生ぜしめ、絶
縁膜の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、電荷の再結
合により“0”に消去するようにしたので、記憶の書き
込み,読みだし及び消去可能なEEPROMを提供する
ことができる。
【0245】請求項25の発明によれば、上記請求項1
7記載の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶
縁膜を予め“1”状態にしておき、“1”状態にある記
憶素子のドレイン−ソース間に一定電圧を印加して、チ
ャネル電流によるホットキャリアを生ぜしめ、絶縁膜の
保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、電荷の再結合によ
り“0”に消去するようにしたので、予め書き込まれた
記憶内容の書き換えが可能なROM等を提供することが
できる。
【0246】請求項26の発明によれば、上記請求項2
0の発明において、“1”状態にある記憶素子のドレイ
ン−ソース間に一定電圧を印加して、チャネル電流を生
ぜしめ、絶縁膜の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、
電荷の再結合により“0”に消去するようにしたので、
記憶の書き込み,読みだし及び消去可能なEEPROM
を提供することができる。
【0247】請求項27の発明によれば、上記請求項1
7,22,24又は26の発明おいて、予めすべての記
憶素子の絶縁膜を“1”状態に保持しておくようにした
ので、この状態から消去により“0”書き込みを行い、
再書き込みにより“1”への消去が行われ、“1”状態
と“0”状態との読みだし電流の差から、低消費電力化
を図ることができる。
【0248】請求項28の発明によれば、上記請求項1
9の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対し
て、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各
ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワー
ド線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を2値
として、記憶素子への選択書き込みを行うようにしたの
で、単純な電位の設定による選択書き込みにより、書き
込み動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単
位の選択書き込みが可能なPROMを提供することがで
きる。
【0249】請求項29の発明によれば、上記請求項1
8又は20の発明において、少なくとも4個の記憶素子
に対して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続
し、各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続し
て、ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電
位を2値として、記憶内容の選択読みだしを行うように
したので、単純な電位の設定による選択読みだしによ
り、読みだし動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1
ビット単位の選択読みだしが可能なROM又はPROM
を提供することができる。
【0250】請求項30の発明によれば、上記請求項2
0の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対し
て、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各
ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワー
ド線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を3値
として、記憶素子の記憶内容の選択書き込み及び選択読
みだしを行うようにしたので、書き込み及び読みだし動
作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位で選
択書き込み,選択読みだしが可能なPROMを提供する
ことができる。
【0251】請求項31の発明によれば、上記請求項2
2,24又は26の発明において、少なくとも4個の記
憶素子に対して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極
を接続し、各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接
続して、ワード線の設定電位を3値とし、ビット線の設
定電位を3値として、記憶素子への選択書き込み及び記
憶内容の選択読みだしと、ワード線単位の部分消去とを
行うようにしたので、各動作の高速化と高集積化とを図
りつつ、1ビット単位で選択書き込み,選択読みだしが
可能でかつワード線単位で部分消去が可能なEEPRO
Mを提供することができる。
【0252】請求項32の発明によれば、上記請求項2
2,24又は26の発明において、少なくとも4個の記
憶素子に対して、上記請求項31の発明における設定電
位とは異なる大小関係で、各ワード線に各記憶素子のゲ
ート電極を接続し、各ビット線に各記憶素子のドレイン
領域を接続して、ワード線の設定電位を3値とし、ビッ
ト線の設定電位を3値として、記憶素子への選択書き込
み及び記憶内容の選択読みだしと、ワード線単位の部分
消去とを行うようにしたので、上記請求項31の発明と
同様の効果を得ることができる。
【0253】請求項33の発明によれば、上記請求項1
又は17の発明において、半導体基板をSiで、絶縁膜
をSiO2 膜で構成したので、半導体装置の製造の容易
化と低コスト化とを図ることができるとともに、良好な
絶縁膜特性を得ることができる。
【0254】請求項34の発明によれば、上記請求項1
又は17の発明において、絶縁膜を多層膜構造としたの
で、高誘電率膜の付加による電気的耐圧の向上と、
“0”状態−“1”状態間の読みだし電流差の拡大によ
る読みだしの容易化,高集積化とを図ることができる。
【0255】請求項35の発明によれば、上記請求項1
又は17の発明において、絶縁膜内フローティングゲー
ト電極を設け、フローティングゲート電極に電荷をトラ
ップさせるようにしたので、“0”状態−“1”状態間
の読みだし電流差の拡大により、上記請求項34の発明
と同様の効果が得られるとともに、絶縁膜の耐久性の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における半導体記憶装置の単位素子
の断面構造及び回路記号を示す図である。
【図2】第1実施例における集積回路のブロック図であ
る。
【図3】第1実施例における“1”書き込み動作(1)
の説明図である。
【図4】“1”書き込み動作(1)における電流−電圧
特性を示す特性図である。
【図5】第1実施例における“1”書き込み動作(2)
の説明図である。
【図6】“1”書き込み動作(2)における電流−電圧
特性を示す特性図である。
【図7】第1実施例における“1”読みだし動作(1)
の説明図である。
【図8】第1実施例における“0”読みだし動作(1)
の説明図である。
【図9】読みだし動作(1)における電流−電圧特性を
示す特性図である。
【図10】読みだし動作(1′)における電流−電圧特
性を示す特性図である。
【図11】第1実施例における“1”読みだし動作
(2)の説明図である。
【図12】第1実施例における“0”読みだし動作
(2)の説明図である。
【図13】読みだし動作(2)における電流−電圧特性
を示す特性図である。
【図14】第1実施例における“0”書き込み動作
(1)の説明図である。
【図15】“0”書き込み動作(1)における電流−電
圧特性を示す特性図である。
【図16】第1実施例における“0”書き込み動作
(2)の説明図である。
【図17】第1実施例における“1”書き込み回路動作
の説明図である。
【図18】第1実施例における読みだし回路動作(1)
の説明図である。
【図19】第1実施例における読みだし回路動作(2)
の説明図である。
【図20】第1実施例における“0”書き込み回路動作
の説明図である。
【図21】第1実施例における“1”書き込み回路動
作,“0”書き込み回路動作及び読みだし(2)回路動
作のタイミングチャート図である。
【図22】第1実施例における読みだし回路動作(1)
のタイミングチャート図である。
【図23】第2実施例における半導体記憶装置の単位素
子の断面構造及び回路記号を示す図である。
【図24】第2実施例における“0”書き込み動作
(3)の説明図である。
【図25】“0”書き込み動作(3)における電流−電
圧特性を示す特性図である。
【図26】第2実施例における“1”書き込み回路動作
の説明図である。
【図27】第2実施例における読みだし回路動作の説明
図である。
【図28】第2実施例における“0”書き込み回路動作
(3)の説明図である。
【図29】第2実施例における“1”書き込み回路動
作,“0”書き込み回路動作及び読みだし(2)回路動
作のタイミングチャート図である。
【図30】従来のフラッシュ型EEROMの断面構造及
び回路配線構造を示す図である。
【図31】従来の別導電型ドレイン−ソース構造による
半導体記憶装置の断面構造及び領域間の干渉を示す断面
図である。
【図32】従来の別導電型ドレイン−ソース構造による
半導体記憶装置の領域間の干渉を示す平面図である。
【図33】従来の絶縁膜へのイオン注入による半導体記
憶装置の断面構造及び電流−電圧特性を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 ゲート酸化膜(絶縁膜) 3 ゲート電極 4 ソース領域 5 ドレイン領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 半導体記憶装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MIS型の半導体記憶
装置に係り、特に超高集積化を図るための対策に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、超高集積半導体記憶回路としてフ
ラッシュ型EEPROMが考えられている(H.Kume et
c.VLSI Symp.pp.,1991 )。以下図30の(a),
(b)を参照にしながら、従来の半導体記憶回路を説明
する。同図(a)は従来の半導体記憶装置の構造断面図
である。P型半導体基板aの上には、酸化絶縁膜である
第1のSiO2 膜b1 が形成され、さらに第1のSiO
2 膜b1 の上には、多結晶Si膜で形成したフローティ
ングゲートdと、第2のSiO2 膜b2 と、多結晶Si
膜で形成したコントロールゲート電極cとが順に積層さ
れている。そして、上記半導体基板aの表面領域におい
て、上記第1のSiO2 膜b1 の両端部には、ドレイン
領域eと、ソース領域fとが形成されている。また、層
間絶縁膜hを介してビット線を形成するアルミニウム金
属層gが積層されている。
【0003】このようなフラッシュ型EEPROMはD
RAMに比べてキャパシタがないので高集積化が可能で
ある。同図(b)はその回路配線構造例を示し、ビット
線D0,D1が各メモリセルA,B,C,Dのドレイン
に接続され、各ワード線W0,W1が各メモリセル
A,B,C,Dのコントロールゲート電極cに接続さ
れ、ソース線Sが各メモリセルA,B,C,Dのソース
fに接続されている。同図に示されるように、フラッシ
ュ型EEPROMではDRAMに比べて簡単な回路で実
現されている。下記表1にはメモリセルAを消去、
“1”書き込み、読みだし動作する時のW0、W1、
S、D0、D1の電位を示している。
【0004】
【表1】 従来のフラッシュ型EEPROMでは高集積で、かつ高
速動作の半導体記憶装置集積回路を実現するために複数
のメモリセルを一括して消去する方式(セクターイレイ
ズ)か、あるいはブロック単位で一括して消去する方式
が採用されている。
【0005】一方、特開平3―166768号公報に開
示される如く、図31に示すように、第1導電型(P
型)の半導体基板上に、第1導電型(P型)のドレイン
領域iと、第2導電型(N型)のソース領域jを選択的
に形成し、上記ドレイン領域iからソース領域jにかけ
てトンネリングが可能な膜厚の絶縁膜kを形成し、この
絶縁膜kの上に電荷をトラップする情報記憶層lと、ゲ
ート電極mとを積層しておき、記憶内容の書き込み時、
ゲート電極mに所定の高電圧を与えて、ゲート電極m直
下のドレイン領域iの表面部i1 にバンド間トンネリン
グを生じさせ、このトンネリングにより発生した電子を
絶縁膜kを通過させて情報記憶層lにトラップさせるこ
とにより、不揮発情報を記憶させる一方、この記憶情報
の読みだしは、ゲート電極mに所定の読みだし電圧を与
え、ゲート電極m直下のドレイン領域iの表面部i1 に
バンド間トンネリングが生じてオンするか否かを検出す
ることで、行うようにしたものがある。すなわち、短チ
ャネル効果をなくすことでチャネル長さの短縮つまり高
集積化を可能とし、同時に読みだし動作の高速化をも図
ろうとするものである。
【0006】また、特開平2―106068号公報に開
示される如く、図33(a)に示すように、第1導電型
の半導体基板oの表面に各々第2導電型のソース領域p
とドレイン領域qとを形成し、半導体基板oのソース領
とドレイン領域qの端部間にSiO2 膜rを設け、
この上にゲート電極tを設けるとともに、上記SiO2
膜rの基板側に加速エネルギーが約15KeVのSi(又
はGe等のIV族元素)イオン注入によりSiO2膜r中
にイオン注入領域sを形成して、このイオン注入領域s
への電荷の注入,放出を制御することにより、イオン注
入領域sに不揮発性メモリ機能をもたせるようにしたも
のも公知の技術である。すなわち、同図(b)に示すよ
うに、横軸をゲート−ソース間の電圧Vgs、縦軸をド
レイン電流Idとし、ドレイン−ソース間の電圧Vds
を0.1V、基板バイアスを0Vとした状態で、ゲート
−ソース間電圧Vgsを−5Vから5vまでスイープす
る場合(図中の曲線co)と、ゲート−ソース間電圧V
gsを5Vから−5Vまでスイープする場合(図中の曲
線c1 )とでは閾値電圧が異なるというヒステリシス現
象を利用したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
フラッシュ型EEPROMでは、ワード線はTTLレベ
ルより大きい負の電位−9Vを必要とし、また、上記表
1のごとく、負の電位を含めて0V、5V、10Vの4
値の電位を必要としている。さらに、ビット線の電位も
0V、1V、4Vとフローティングの4値を必要として
いるため、高速動作の実現が困難であるばかりでなく、
電源回路などの周辺回路の規模を大きくすることにな
り、高集積化の実現も困難である。加えて、ソース線に
も0V、5Vの2値の電位を必要としているため、高速
動作及び、高集積化の実現も困難であるという問題点も
有している。
【0008】一方、従来最も高集積な半導体記憶回路と
されるDRAMは1ビット単位で読みだし書き込みが可
能であるが破壊読みだしであり、また読みだし及び書き
込み時に選択されたメモリセルと同一のワード線に接続
されている全てのメモリセルのデータが破壊されてしま
うため、各ビット線に検知増幅装置を接続して、破壊さ
れたデータを読みだし及び書き込みと同時に前記選択さ
れたメモリセルと同一のワード線に接続されている全て
のメモリセルを書き込み直してやらねばならない。さら
に、データの保持時間が1秒程度と非常に短いためにリ
フレッシュ動作も必要になり、動作速度を極めて遅く
し、かつ消費電力を大きくするという問題点も有してい
る。
【0009】また、従来最も高速の半導体記憶回路とさ
れるSRAMは1ビット単位で読みだし書き込みが可能
であり、非破壊読みだしであり、かつリフレッシュ動作
が不要であるが、1ビットの記憶素子が4個以上のMO
Sトランジスタで構成され、かつ1個のメモリセルに2
本のビット線が接続されているため、高集積化が困難で
あるという問題点を有している。すなわち、通常、SR
AMの集積度はDRAMの4分の1であり、また、メモ
リセルはデータ保持状態でも電源を必要とするため消費
電力が大きい。
【0010】一方、上記前者の公報のものは、不揮発な
情報を記憶することができ、かつ1トンジスタメモリ
セルとなっているので、上述のようなDRAMやSRA
Mに比べ比較的高集積化の可能性はあるが、一方で下記
のような問題があった。
【0011】すなわち、ドレイン領域iとソース領域j
とが逆導電型であるために、図32に示すように、高集
積化すると、ソース領域リーク電流(図中の実線部)
や、ドレイン領域リーク電流(図中の破線部)が生じ、
これを防止するには、深い絶縁層等を形成する必要があ
る等の実用上困難な問題がある。
【0012】また、上記後者の公報のものでは、ドレイ
ン領域qとソース領域pとが同じ導電型で形成されてい
るために、上述のようなリーク電流を回避することは容
易であるが、短チャネル効果により、ゲート長が短くな
るとパンチスルーが生じるため、集積度を上げることが
困難であるという問題があった。
【0013】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、半導体基板のドレイン−ゲート間の
絶縁膜に不揮発の記憶機能をもたせることにより、集積
度の高いかつ高速動作の半導体記憶装置を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の解決手段は、半導体記憶装置の1ビ
ットの記憶素子を、半導体基板とドレインとゲートとの
3端子構造にして、ソースを省略した構造とし、ドレイ
ン−ゲート間の絶縁膜をバンド状態の調整により不揮発
状態で電荷を保持する構造とし、かつその保持状態によ
ってゲート誘導ドレインリーク電流を変化させるヒステ
リシス効果を利用することにより、各端子間の印加電圧
に応じて、情報の記憶,読みだし,消去を行う半導体記
憶装置を提供することにある。
【0015】具体的に、請求項1の発明講じた手段
は、図1に示すように、半導体記憶装置の構成として、
第1導電型の半導体基板上に、該半導体基板表面に選択
的に形成された第2導電型のドレイン領域と、該ドレイ
ン領域の端部の少なくとも一部と重なるように上記半導
体基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成され
たゲート電極とからなる記憶素子を設ける。
【0016】そして、上記記憶素子において、上記ドレ
イン領域を含む半導体側における伝導帯と価電子帯との
エネルギーギャップをドレイン領域−ゲート電極間の第
1設定電圧差に相当するギャップ値以下の値に、かつ上
記半導体側と絶縁膜との界面における絶縁膜の価電子帯
と半導体側の価電子帯とのエネルギーギャップ又は絶縁
膜の伝導帯と半導体側の伝導帯とのエネルギーギャップ
をゲート電極の電位に応じて変化するドレイン領域−半
導体基板間の第2設定電圧差に相当するギャップ値に設
定することで、上記絶縁膜を、電荷の保持により不揮発
状態で情報を記憶可能に設けたものである。
【0017】請求項2の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁
膜を予め電荷をトラップした“1”状態に保持してお
く。
【0018】そして、上記ドレイン領域−ゲート電極間
に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上記ド
レイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差よりも
低い電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流値
に基づいて、記憶内容を読み出す読出手段を設けたもの
である。
【0019】請求項3の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、上記ドレイン領域−ゲート電極間
に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上記ド
レイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差以上の
電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流を発生
させることにより、上記絶縁膜に電荷をトラップさせて
“1”状態にする書込手段を設けたものである。
【0020】請求項4の発明の講じた手段は、上記請求
項3の発明において、上記ドレイン領域−ゲート電極間
に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上記ド
レイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差よりも
低い電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流値
に基づいて、記憶内容を読み出す読出手段を設けたもの
である。
【0021】請求項5の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁
膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしておく。
【0022】そして、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子のゲート電極−半導体側間に所定の電圧を印加
して、絶縁膜から電荷を引き抜くことにより、絶縁膜を
“0”状態にする消去手段を設けたものである。
【0023】請求項6の発明の講じた手段は、上記請求
項4の発明において、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子のゲート電極−半導体側間に所定の電圧を印加
して、絶縁膜から電荷を引き抜くことにより、絶縁膜を
“0”状態にする消去手段を設けたものである。
【0024】請求項7の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁
膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしておく。
【0025】そして、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子の絶縁膜の両面間に高電界を印加し、FN電流
を生ぜしめて、保持電荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜
内に注入することにより、絶縁膜を“0”状態にする消
去手段を設けたものである。
【0026】請求項8の発明の講じた手段は、上記請求
項4の発明において、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子の絶縁膜の両面間に高電界を印加し、FN電流
を生ぜしめて、保持電荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜
内に注入することにより、絶縁膜を“0”状態にする消
去手段を設けたものである。
【0027】請求項9の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、当初に予めすべての記憶素子の絶
縁膜に電荷をトラップして、“1”状態にしておくよう
にしたものである。
【0028】請求項10の発明の講じた手段は、上記請
求項3の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0029】そして、書込手段を、選択ワード線電位V
kcw ,非選択ワード線電位Vknw ,選択ビット線電位V
kcb 及び非選択ビット線電位Vknb について、P型基板
ではVkcw <Vknw かつVknb <Vkcb に、N型基板で
はVkcw >Vknw かつVknb>Vkcb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に書き込むように構成したもので
ある。
【0030】請求項11の発明の講じた手段は、上記請
求項2又は4の発明において、記憶素子を少なくとも4
個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本の
ビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2
個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線に
は少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続して
おく。
【0031】そして、読出手段を、選択ワード線電位V
ycw ,非選択ワード線電位Vynw ,選択ビット線電位V
ycb 及び非選択ビット線電位Vynb について、P型基板
ではVycw <Vynw かつVynb <Vycb に、N型基板で
はVycw >Vynw かつVynb>Vycb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に読み出すように構成したもので
ある。
【0032】請求項12の発明の講じた手段は、上記請
求項4の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0033】そして、書込手段及び読出手段を、書込時
の選択ワード線電位Vkcw ,書込時の非選択ワード線電
位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び読出時
の非選択ワード線電位Vynw ,書込時の選択ビット線電
位Vkcb ,書込時の非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び読出時の非選択ビット線
電位Vynb について、P型基板では、Vkcw =Vycw <
Vknw =Vynw 、かつVknb =Vynb <Vycb <Vkcb
に、N型基板では、Vkcw =Vycw >Vknw =Vynw 、
かつVknb =Vynb >Vycb >Vkcb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を3値にし
て、選択的に書き込み,読み出しを行うように構成した
ものである。
【0034】請求項13の発明の講じた手段は、上記請
求項4の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0035】そして、書込手段及び読出手段を、書込時
の選択ワード線電位Vkcw ,書込時の非選択ワード線電
位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び読出時
の非選択ワード線電位Vynw ,書込時の選択ビット線電
位Vkcb ,書込時の非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び読出時の非選択ビット線
電位Vynb について、P型基板では、Vkcw <Vknw =
Vycw <Vynw ,かつVknb =Vynb <Vkcb =Vycb
に、N形基板では、Vkcw >Vknw =Vycw >Vynw ,
かつVknb =Vynb >Vkcb =Vycb に設定し、ワード
線の設定電位を3値にビット線の設定電位を2値にし
て、選択的に書き込み,読み出しを行うように構成した
ものである。
【0036】請求項14の発明の講じた手段は、上記請
求項5又は7の発明において、記憶素子を少なくとも4
個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本の
ビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2
個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線に
は少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続して
おく。
【0037】そして、消去手段を、選択ワード線電位V
scw ,非選択ワード線電位Vsnw ,選択ビット線電位V
scb 及び非選択ビット線電位Vsnb について、P型基板
ではVscw >Vsnw かつVsnb >Vscb に、N型基板で
はVscw <Vsnw かつVsnb<Vscb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に消去するように構成したもので
ある。
【0038】請求項15の発明の講じた手段は、上記請
求項6又は8の発明において、記憶素子を少なくとも4
個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本の
ビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2
個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線に
は少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続して
おく。
【0039】そして、書込手段,読出手段及び消去手段
を、書込時の選択ワード線電位Vkcw 及び非選択ワード
線電位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び非
選択ワード線電位Vynw ,消去時の選択ワード線電位V
scw 及び非選択ワード線電位Vsnw ,書込時の選択ビッ
ト線電位Vkcb 及び非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット線電位Vyn
b,並びに消去時の選択ビット線電位Vscb 及び非選択
ビット線Vsnb について、P型基板では、Vkcw =Vyc
w <Vknw =Vynw =Vsnw <Vscw 、かつVknb =V
ynb =Vscb <Vycb <Vkcb =Vsnb に、N型基板で
は、Vkcw =Vycw >Vknw =Vynw =Vsnw >Vscw
、かつVknb =Vynb =Vscb >Vycb >Vkcb =Vs
nb に設定し、ワード線の設定電位を3値にビット線の
設定電位を3値として、選択的に書き込み,読み出し及
び消去を行うように構成したものである。
【0040】請求項16の発明の講じた手段は、上記請
求項6又は8の発明において、記憶素子を少なくとも4
個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本の
ビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2
個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線に
は少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続して
おく。
【0041】そして、書込手段,読出手段及び消去手段
を、書込時の選択ワード線電位Vkcw 及び非選択ワード
線電位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び非
選択ワード線電位Vynw ,消去時の選択ワード線電位V
scw 及び非選択ワード線電位Vsnw ,書込時の選択ビッ
ト線電位Vkcb 及び非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット線電位Vyn
b,並びに消去時の選択ビット線電位Vscb 及び非選択
ビット線Vsnb について、P型基板では、Vkcw <Vkn
w =Vycw =Vsnw <Vynw <Vscw ,かつVknb =V
ynb =Vscb <Vkcb =Vycb =Vsnb に、N型基板で
は、Vkcw >Vknw =Vycw =Vsnw >Vynw >Vscw
,かつVknb =Vynb =Vscb >Vkcb =Vycb =Vs
nb に設定し、ワード線の設定電位を4値にビット線の
設定電位を2値にして、選択的に書き込み,読み出し及
び消去を行うように構成したものである。
【0042】また、本発明の第2の解決手段は、半導体
記憶装置の1ビットの記憶素子を、第1導電型の半導体
基板と、第2導電型のソース及びドレインと、ゲートと
の4端子構造にして、ドレイン−ソース間の干渉の回避
を容易としながら、ドレイン−ゲート間の絶縁膜をバン
ド状態の調整により不揮発状態で電荷を保持する構造と
し、かつその保持状態によってゲート誘導ドレインリー
ク電流を変化させるヒステリシス効果を利用することに
より、各端子間の印加電圧に応じて、情報の記憶,読み
だし,消去を行う半導体記憶装置を提供することにあ
る。
【0043】具体的に、請求項17の発明の講じた手段
は、図23に示すように、半導体記憶装置の構成とし
て、第1導電型の半導体基板上に、該半導体基板表面に
選択的に形成された第2導電型のドレイン領域と、該ド
レイン領域とは所定の距離を隔てて半導体基板表面に選
択的に形成された第2導電型のソース領域と、上記ドレ
イン領域の端部の少なくとも一部と重なり、かつ上記ソ
ース領域の端部に亘るように上記半導体基板上に形成さ
れた絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたゲート電極とか
らなる記憶素子を設ける。
【0044】そして、上記ドレイン領域を含む半導体側
における伝導帯と価電子帯とのエネルギーギャップをド
レイン領域−ゲート電極間の第1設定電圧差に相当する
ギャップ値以下の値に、かつ上記半導体側と絶縁膜との
界面における絶縁膜の価電子帯と半導体側の価電子帯と
のエネルギーギャップ又は絶縁膜の伝導帯と半導体側の
伝導帯とのエネルギーギャップをゲート電極の電位に応
じて変化するドレイン領域−半導体基板間の第2設定電
圧差に相当するギャップ値に設定し、上記絶縁膜を、電
荷の保持により不揮発状態で情報を記憶可能に設けたも
のである。
【0045】請求項18の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、少なくとも1つの記憶素子の
絶縁膜を予め電荷をトラップした“1”状態に保持して
おく。
【0046】そして、上記ドレイン領域−ゲート電極間
に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上記ド
レイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差よりも
低い電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流値
に基づいて、記憶内容を読み出す読出手段を設ける構成
としたものである。
【0047】請求項19の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、上記ドレイン領域−ゲート電
極間に上記第1設定電圧差以上の電圧を印加し、かつ上
記ドレイン領域−半導体基板間に上記第2設定電圧差以
上の電圧を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流を
発生させることにより、上記絶縁膜に電荷をトラップさ
せて“1”状態にする書込手段を設けたものである。
【0048】請求項20の発明の講じた手段は、上記請
求項19の発明において、上記ゲート電極に所定の電圧
を印加し、かつ上記ドレイン領域−半導体基板間に上記
第2設定電圧差よりも低い電圧を印加して、ゲート誘導
ドレインリーク電流値に基づいて、記憶内容を読み出す
読出手段を設けたものである。
【0049】請求項21の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、少なくとも1つの記憶素子の
絶縁膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしてお
く。
【0050】そして、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子のゲート電極に所定の電圧を印加して、絶縁膜
から電荷を引き抜くことにより、絶縁膜を“0”状態に
する消去手段を設けたものである。
【0051】請求項22の発明の講じた手段は、上記請
求項20の発明において、電荷を保持した“1”状態に
ある記憶素子のゲート電極に所定の電圧を印加して、絶
縁膜から電荷を引き抜くことにより、絶縁膜を“0”状
態にする消去手段を設けたものである。
【0052】請求項23の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、少なくとも1つの記憶素子の
絶縁膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしてお
く。
【0053】そして、電荷を保持した“1”状態にある
記憶素子の絶縁膜の両面間に高電界を印加し、FN電流
を生ぜしめて、保持電荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜
に注入することにより、絶縁膜を“0”状態にする消去
手段を設けたものである。
【0054】請求項24の発明の講じた手段は、上記請
求項20の発明において、電荷を保持した“1”状態に
ある記憶素子の絶縁膜の両面間に高電界を印加し、FN
電流を生ぜしめて、保持電荷とは逆極性の電荷を上記絶
縁膜内に注入することにより、絶縁膜を“0”状態にす
る消去手段を設けたものである。
【0055】請求項25の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、少なくとも1つの記憶素子の
絶縁膜を予め電荷をトラップした“1”状態にしてお
く。
【0056】そして、ゲート電極を所定電位にしてドレ
イン領域−ソース領域間に一定電圧を印加して、ドレイ
ン−ソース間電流によって生じた,保持電荷とは逆極性
のホットキャリアを上記絶縁膜内に注入することによ
り、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を設けたもので
ある。
【0057】請求項26の発明の講じた手段は、上記請
求項20の発明において、ゲート電極を所定電位にして
ドレイン領域−ソース領域間に一定電圧を印加して、ド
レイン−ソース間電流によって生じた,保持電荷とは逆
極性のホットキャリアを上記絶縁膜内に注入することに
より、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を設けたもの
である。
【0058】請求項27の発明の講じた手段は、上記請
求項17の発明において、当初に予めすべての記憶素子
の絶縁膜に電荷をトラップして、“1”状態にしておく
ようにしたものである。
【0059】請求項28の発明の講じた手段は、上記請
求項19の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0060】そして、書込手段を、選択ワード線電位V
kcw ,非選択ワード線電位Vknw ,選択ビット線電位V
kcb 及び非選択ビット線電位Vknb について、P型基板
ではVkcw <Vknw かつVknb <Vkcb に、N型基板で
はVkcw >Vknw かつVknb>Vkcb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に書き込むように構成したもので
ある。
【0061】請求項29の発明の講じた手段は、上記請
求項18又は20の発明において、記憶素子を少なくと
も4個設け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2
本のビット線とを設けて、上記各ワード線には少なくと
も2個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット
線には少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続
しておく。
【0062】そして、読出手段を、選択ワード線電位V
ycw ,非選択ワード線電位Vynw ,選択ビット線電位V
ycb 及び非選択ビット線電位Vynb について、P型基板
ではVycw <Vynw かつVynb <Vycb に、N型基板で
はVycw >Vynw かつVynb>Vycb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を2値にし
て、記憶内容を選択的に読み出すように構成したもので
ある。
【0063】請求項30の発明の講じた手段は、上記請
求項20の発明において、記憶素子を少なくとも4個設
け、少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビッ
ト線とを設けて、上記各ワード線には少なくとも2個の
記憶素子のゲート電極を接続し、上記各ビット線には少
なくとも2個の記憶素子のドレイン領域を接続してお
く。
【0064】そして、書込手段及び読出手段を、書込時
の選択ワード線電位Vkcw ,書込時の非選択ワード線電
位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び読出時
の非選択ワード線電位Vynw ,書込時の選択ビット線電
位Vkcb ,書込時の非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び読出時の非選択ビット線
電位Vynb について、P型基板では、Vkcw =Vycw <
Vknw =Vynw 、かつVknb =Vynb <Vycb <Vkcb
に、N型基板では、Vkcw =Vycw >Vknw =Vynw 、
かつVknb =Vynb >Vycb >Vkcb に設定し、ワード
線の設定電位を2値にビット線の設定電位を3値にし
て、選択的に書き込み,読み出しを行うように構成した
ものである。
【0065】請求項31の発明の講じた手段は、上記請
求項22,24又は26の発明において、記憶素子を少
なくとも4個設け、少なくとも2本のワード線と少なく
とも2本のビット線とを設けて、上記各ワード線には少
なくとも2個の記憶素子のゲート電極を接続し、上記各
ビット線には少なくとも2個の記憶素子のドレイン領域
を接続しておく。
【0066】そして、書込手段,読出手段及び消去手段
を、書込時の選択ワード線電位Vkcw 及び非選択ワード
線電位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び非
選択ワード線電位Vynw ,消去時の選択ワード線電位V
scw 及び非選択ワード線電位Vsnw ,書込時の選択ビッ
ト線電位Vkcb 及び非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット線電位Vyn
b,並びに消去時の選択ビット線電位Vscb 及び非選択
ビット線Vsnb について、P型基板では、Vkcw =Vyc
w <Vknw =Vynw =Vsnw <Vscw 、かつVknb =V
ynb =Vscb =Vsnb <Vycb <Vkcb に、N型基板で
は、Vkcw =Vycw >Vknw =Vynw =Vsnw >Vscw
、かつVknb =Vynb =Vscb =Vsnb >Vycb >Vk
cb に設定し、ワード線の設定電位を3値にビット線の
設定電位を3値にして、選択的に書き込み,読み出し、
かつ同一ワード線に接続される全記憶素子の記憶情報を
同時に消去するように構成したものである。
【0067】請求項32の発明の講じた手段は、上記請
求項22,24又は26記載の半導体記憶装置におい
て、記憶素子を少なくとも4個設け、少なくとも2本の
ワード線と少なくとも2本のビット線とを設けて、上記
各ワード線には少なくとも2個の記憶素子のゲート電極
を接続し、上記各ビット線には少なくとも2個の記憶素
子のドレイン領域を接続しておく。
【0068】そして、書込手段,読出手段及び消去手段
を、書込時の選択ワード線電位Vkcw 及び非選択ワード
線電位Vknw ,読出時の選択ワード線電位Vycw 及び非
選択ワード線電位Vynw ,消去時の選択ワード線電位V
scw 及び非選択ワード線電位Vsnw ,書込時の選択ビッ
ト線電位Vkcb 及び非選択ビット線電位Vknb ,読出時
の選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット線電位Vyn
b,並びに消去時の選択ビット線電位Vscb 及び非選択
ビット線Vsnb について、P型基板では、Vkcw =Vyc
w <Vknw =Vsnw =Vynw <Vscw ,かつVknb =V
ynb <Vycb <Vkcb =Vscb =Vsnb に、N型基板で
は、Vkcw =Vycw >Vknw =Vsnw =Vynw >Vscw
,かつVknb =Vynb >Vycb >Vkcb =Vscb =Vs
nb に設定し、ワード線の設定電位を3値にビット線の
設定電位を3値にして、選択的に書き込み,読み出し、
かつ全ワード線に接続された記憶素子の記憶内容を消去
するように構成したものである。
【0069】請求項33の発明の講じた手段は、上記請
求項1又は17記載の半導体記憶装置において、半導体
基板をSiで構成し、絶縁膜をSiO2 膜で構成したも
のである。
【0070】請求項34の発明の講じた手段は、上記請
求項1又は17の発明において、絶縁膜を多層膜で構成
したものである。
【0071】請求項35の発明の講じた手段は、上記請
求項1又は17の発明において、絶縁膜内に、フローテ
ィングゲート電極を設け、該フローティングゲート電極
に電荷をトラップさせる構成としたものである。
【0072】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、半導
体記憶装置の記憶素子において、絶縁膜の価電子帯(又
は伝導帯)を越える電荷が入ると絶縁膜に電荷が不揮発
状態でトラップされるように構成されているので、この
電荷のトラップ状態の有無を“0”状態と“1”状態と
に区別して記憶しておくことが可能になる。
【0073】その場合、1ビットの記憶素子が半導体基
板とゲート電極とドレイン領域との3端子で構成され、
1トランジスタメモリセルであるとともに、ソース領域
が不要なので、必然的にソース−ドレイン間のチャンネ
ルも不要となる。さらに、ドレイン領域しかないので、
集積回路を構成した場合に、ドレイン−ソース間の電流
の干渉のような回避困難な干渉が生ずることがない。し
たがって、半導体記憶装置の大幅な高集積化が可能にな
る。
【0074】請求項2の発明では、読出手段により、ド
レイン領域−ゲート電極間に第1設定電圧差以上の電圧
が印加されると、半導体側のバンドが伝導帯と価電子帯
とのエネルギーギャップ以上に曲げられて、バンド間ト
ンネリングによるゲート誘導ドレインリーク電流が生じ
る。そのとき、絶縁膜に電荷が保持されて“1”状態に
ある時には、電荷により電界が緩和されるので、電荷が
保持されていずに“0”状態にあるときよりもゲート誘
導ドレインリーク電流の値が小さい。したがって、この
電流値の相違から、絶縁膜の記憶内容が“0”か“1”
かが読み出されることになる。
【0075】また、ドレイン領域−ゲート電極間の電圧
が第2設定電圧差よりも低いために、電荷が絶縁膜の価
電子帯(又は伝導帯)を越えて絶縁膜内に入ることがな
い。つまり、絶縁膜の記憶内容は影響を受けず、非破壊
読み出しである。したがって、例えば予め一定のパター
ンで各記憶素子の記憶状態が“0”又は“1”状態に設
定されていると、半導体記憶装置がROMとして機能す
ることになる。
【0076】請求項3の発明では、書込手段により、ド
レイン領域−ゲート電極間に第1設定電圧差以上の電圧
が印加されると、半導体側のバンドが伝導帯と価電子帯
とのエネルギーギャップ以上に曲げられて、バンド間ト
ンネリングによるゲート誘導ドレインリーク電流が生じ
るとともに、ドレイン領域−半導体基板間にゲート電極
の電位に応じて変化する第2設定電圧差以上の電圧が印
加されると、ゲート電極と半導体側との界面において絶
縁膜の価電子帯と半導体の価電子帯とのエネルギーギャ
ップ(又は絶縁膜の伝導帯と半導体側の伝導帯とのエネ
ルギーギャップ)以上に半導体側のバンドが曲げられ、
電荷が絶縁膜の価電子帯(又は伝導帯)を越えて絶縁膜
内にトラップされ、絶縁膜が“1”状態に保持される。
この電荷は、逆電圧の印加あるいは逆極性の電荷の注入
等がない限り不揮発であるので、不揮発で“1”状態が
記憶され、半導体記憶装置に一定の記憶内容を書き込ん
で、PROM用素材として使用することが可能になる。
【0077】請求項4の発明では、予め情報記憶部に記
憶された情報又は上記請求項3の発明における書込手段
により情報記憶部に書き込まれた情報が、上記請求項2
の発明と同様の作用により、読出手段で非破壊に読み出
される。したがって、半導体記憶装置がPROMとして
使用可能になる。
【0078】請求項5の発明では、電荷を保持し“1”
状態にある記憶素子において、消去手段により、ゲート
電極−半導体側に所定電圧が印加されると、絶縁膜から
電荷が半導体側に引き抜かれて、絶縁膜内の保持電荷が
消滅し、その記憶内容が“0”に変更される。したがっ
て、半導体記憶装置に予め書き込まれた記憶内容を書換
えることが可能になる。
【0079】請求項6の発明では、電荷を保持し“1”
状態にある記憶素子において、消去手段により、ゲート
電極−半導体側に所定電圧が印加されると、上記請求項
5の発明と同様の作用が得られる。したがって、半導体
記憶装置が、記憶の書き込み,読みだし及び消去可能な
EEPROM又は不揮発のRAMとして機能することに
なる。
【0080】請求項7の発明では、電荷を保持し“1”
状態にある記憶素子において、消去手段により、絶縁膜
の両面間に高電界が印加されると、FN電流が生じて、
絶縁膜内に保持電荷とは逆極性の電荷が流入する。そし
て、この流入した電荷と保持電荷とが再結合して、絶縁
膜内の保持電荷が消滅し、その記憶内容が“0”に変更
される。したがって、半導体記憶装置の記憶内容の書き
換えが可能になる。
【0081】請求項8の発明では、電荷を保持し“1”
状態にある記憶素子において、消去手段により、絶縁膜
の両面間に高電界が印加されると、上記請求項7の発明
と同様の作用が得られる。したがって、半導体記憶装置
が電気的に記憶の書き込み,読みだし及び消去可能なE
EPROM又は不揮発のRAMとして機能することにな
る。
【0082】請求項9の発明では、予めすべての記憶素
子の絶縁膜が“1”状態に保持されており、この状態か
ら“0”状態に変更されることで“0”書き込みが行わ
れ、再び“1”状態にすることで記憶内容の消去が可能
になる。その場合、記憶内容を読み出す際には、絶縁膜
に電荷が保持された“1”状態の方がゲート誘導ドレイ
ンリーク電流値が小さいので、現実に使用される記憶素
子の割合が通常少ないことを考慮すると、“0”状態の
記憶素子を“1”状態にすることで書き込みを行うもの
に比べて、消費電流が少なくて済むことになる。
【0083】請求項10の発明では、書込手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶素子への選択書き込みが行われる。す
なわち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域及び絶縁
膜のバンド状態の調整によりトンネリングと価電子帯間
(又は伝導帯間)の飛び越えを利用した記憶の書き込み
を行うようにしたことで、単純な電位の設定による選択
書き込みが可能になる。したがって、書き込み動作が高
速となり、かつ電源回路等の周辺回路が単純化されて、
高集積化が可能になるとともに、半導体記憶装置が1ビ
ット単位の選択書き込みが可能なPROMとして機能す
ることになる。
【0084】請求項11の発明では、読出手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶素子の記憶内容の選択読みだしが行わ
れる。すなわち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域
及び絶縁膜のバンド状態の調整によりトンネリングによ
るゲート誘導ドレインリーク電流の大小を利用した記憶
の読みだしを行うようにしたことで、単純な電位の設定
による選択読みだしが可能になる。したがって、読みだ
し動作が高速となり、かつ電源回路等の周辺回路が単純
化されて、高集積化が可能になるとともに、半導体記憶
装置が1ビット単位の選択読みだしが可能なROM或い
はPROMとして機能することになる。
【0085】請求項12の発明では、書込手段及び読出
手段により、ワード線の設定電位を2値とし、ビット線
の設定電位を3値として、記憶素子の記憶内容の選択書
き込み及び選択読みだしが行われる。したがって、高速
動作及び高集積化が可能になるとともに、半導体記憶装
置が1ビット単位で選択書き込み,選択読みだしが可能
なPROMとして機能することになる。
【0086】請求項13の発明では、書込手段及び読出
手段により、ワード線の設定電位を3値とし、ビット線
の設定電位を2値として、記憶素子の記憶内容の選択書
き込み及び選択読みだしが行われる。したがって、上記
請求項12の発明と同様の作用が得られる。
【0087】請求項14の発明では、消去手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶内容の選択消去が行われる。すなわ
ち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域及び絶縁膜の
バンド状態の調整によりトンネリングと価電子帯間(又
は伝導帯間)の飛び越しを利用した記憶保持機能が設け
られているので、単純な電位の設定による選択消去が可
能になる。したがって、消去動作が高速となり、かつ電
源回路等の周辺回路が単純化されて、高集積化が可能に
なるとともに、半導体記憶装置が1ビット単位で選択消
去つまり記憶内容の選択書き換えが可能なPROMとし
て機能することになる。
【0088】請求項15の発明では、書込手段,読出手
段及び消去手段により、ワード線の設定電位を3値と
し、ビット線の設定電位を3値として、記憶素子への選
択書き込みと,記憶内容の選択読みだし及び選択消去が
行われる。したがって、単純な電位の設定によって、動
作の高速化が可能となり、かつ電源回路等の周辺回路が
単純化されて、高集積化が可能になるとともに、半導体
記憶装置が1ビット単位で選択書き込み,選択読みだし
及び選択消去が可能なEEPROMとして、或いは不揮
発のRAMとして機能することになる。
【0089】請求項16の発明では、書込手段,読出手
段及び消去手段により、ワード線の設定電位を4値と
し、ビット線の設定電位を2値として、記憶素子への選
択書き込みと,記憶内容の選択読みだし及び選択消去が
行われる。したがって、単純な電位の設定によって、上
記請求項15の発明と同様の作用が得られる。
【0090】請求項17の発明では、半導体記憶装置の
記憶素子において、絶縁膜の価電子帯を越える電荷が入
ると絶縁膜に電荷が不揮発状態でトラップされるように
構成されているので、この電荷のトラップ状態の有無を
“0”状態と“1”状態とに区別して記憶しておくこと
が可能になる。
【0091】その場合、1ビットの記憶素子が半導体基
板とゲート電極とドレイン領域とソース領域の4端子で
構成されるが、ソース領域がドレイン領域と同じ第2の
導電型で構成されているので、集積回路を構成した場合
に、ソース−ドレイン間の干渉を回避することが容易と
なる。したがって、半導体記憶装置の高集積化が可能に
なる。
【0092】請求項18の発明では、読出手段により、
ドレイン領域−ゲート電極間に第1設定電圧差以上の電
圧が印加されると、半導体側のバンドが伝導帯と価電子
帯とのエネルギーギャップ以上に曲げられて、バンド間
トンネリングによるゲート誘導ドレインリーク電流が生
じる。そのとき、絶縁膜に電荷が保持されて“1”状態
にある時には、電荷により電界が緩和されるので、電荷
が保持されていずに“0”状態にあるときよりもゲート
誘導ドレインリーク電流の値が小さい。したがって、こ
の電流値の相違から、絶縁膜の記憶内容が“0”か
“1”かが読み出されることになる。
【0093】また、ドレイン領域−ゲート電極間の電圧
が第2設定電圧差よりも低いために、電荷が絶縁膜の価
電子帯(又は伝導帯)を越えて絶縁膜内に入ることがな
い。つまり、絶縁膜の記憶内容は影響を受けず、非破壊
読み出しである。したがって、例えば予め一定のパター
ンで各記憶素子の記憶状態が“0”又は“1”状態に設
定されていると、半導体記憶装置がROMとして機能す
ることになる。
【0094】請求項19の発明では、書込手段により、
ドレイン領域−ゲート電極間に第1設定電圧差以上の電
圧が印加されると、半導体側のバンドが伝導帯と価電子
帯とのエネルギーギャップ以上に曲げられて、バンド間
トンネリングによるゲート誘導ドレインリーク電流が生
じるとともに、ドレイン領域−ゲート電極間にゲート電
極の電位に応じて変化する第2設定電圧差以上の電圧が
印加されると、ゲート電極と半導体側との界面において
絶縁膜の価電子帯と半導体の価電子帯とのエネルギー
ャップ(又は絶縁膜の伝導帯と半導体側の伝導帯とのギ
ャップ)以上に半導体側のバンドが曲げられ、電荷が絶
縁膜の価電子帯(又は伝導帯)を越えて絶縁膜内にトラ
ップされ、絶縁膜が“1”状態に保持される。この電荷
は、逆電圧の印加あるいは逆極性の電荷の注入等がない
限り不揮発であるので、不揮発で“1”状態が記憶さ
れ、半導体記憶装置に一定の記憶内容を書き込んで、P
ROM用素材として使用することが可能になる。
【0095】請求項20の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子と、電荷が保持されずに
“0”状態にある記憶素子の記憶状態が上記請求項19
の発明と同様の作用により読出手段で非破壊に読み出さ
れる。したがって、半導体記憶装置がPROMとして機
能することになる。
【0096】請求項21の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
ゲート電極に所定電圧が印加されると、絶縁膜から電荷
が半導体側に引き抜かれて、絶縁膜内の保持電荷が消滅
し、その記憶内容が“0”に変更される。したがって、
半導体記憶装置に予め書き込まれた記憶内容を書換える
ことが可能になる。
【0097】請求項22の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
ゲート電極に所定電圧が印加されると、上記請求項21
の発明と同様の作用が得られる。したがって、半導体記
憶装置が、記憶の書き込み,読みだし及び消去可能なE
EPROMとして機能することになる。
【0098】請求項23の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
絶縁膜の両面間に高電界が印加されると、FN電流が生
じて、絶縁膜内に保持電荷とは逆極性の電荷が流入す
る。そして、この流入した電荷と保持電荷とが再結合し
て、絶縁膜内の保持電荷が消滅し、その記憶内容が
“0”に変更される。したがって、半導体記憶装置の記
憶内容の書き換えが可能になる。
【0099】請求項24の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
絶縁膜の両面間に高電界が印加されると、上記請求項2
3の発明と同様の作用が得られる。したがって、半導体
記憶装置が電気的に記憶の書き込み,読みだし及び消去
可能なEEPROMとして機能することになる。
【0100】請求項25の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
所定のゲートバイアス下でドレイン−ソース間に一定電
圧が印加されると、ドレイン−ソース間の半導体基板表
面にチャネル電流が流れるとともに、ドレイン電位によ
ってチャネル方向に高電界が印加されているので、チャ
ネル電流の一部がホットキャリアとなって絶縁膜に流入
する。そして、このホットキャリアは絶縁膜の保持電荷
とは逆極性となることから、絶縁膜の保持電荷が中和さ
れ、“1”状態から“0”状態に変更される。したがっ
て、半導体記憶装置の記憶内容の書き換えが可能にな
る。
【0101】請求項26の発明では、電荷を保持し
“1”状態にある記憶素子において、消去手段により、
所定のゲートバイアス下でドレイン−ソース間に一定電
圧が印加されると、上記請求項25の発明と同様の作用
が得られる。したがって、半導体記憶装置が電気的に記
憶の書き込み,読みだし及び消去可能なEEPROMと
して機能することになる。
【0102】請求項27の発明では、当初から予めすべ
ての記憶素子の絶縁膜が“1”状態に保持されており、
この状態から“0”状態に変更されることで“0”書き
込みが行われ、再び“1”状態にすることで記憶内容の
消去が可能になる。その場合、記憶内容を読み出す際に
は、絶縁膜に電荷が保持された“1”状態の方がゲート
誘導ドレインリーク電流値が小さいので、現実に使用さ
れる記憶素子の割合が通常少ないことを考慮すると、
“0”状態の記憶素子を“1”状態にすることで書き込
みを行うものに比べて、消費電流が少なくて済むことに
なる。
【0103】請求項28の発明では、書込手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶素子への選択書き込みが行われる。す
なわち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域及び絶縁
膜のバンド状態の調整によりトンネリングと価電子帯間
(又は伝導帯間)の飛び越しを利用した記憶の書き込み
を行うようにしたことで、単純な電位の設定による選択
書き込みが可能になる。したがって、書き込み動作が高
速となり、かつ電源回路等の周辺回路が単純化されて、
高集積化が可能になるとともに、半導体記憶装置が1ビ
ット単位の選択書き込みが可能なPROMとして機能す
ることになる。
【0104】請求項29の発明では、読出手段により、
ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を
2値として、記憶素子の記憶内容の選択読みだしが行わ
れる。すなわち、記憶素子の半導体基板,ドレイン領域
及び絶縁膜のバンド状態の調整によりトンネリングによ
るゲート誘導ドレインリーク電流の大小を利用した記憶
の読みだしを行うようにしたことで、単純な電位の設定
による選択読みだしが可能になる。したがって、読みだ
し動作が高速となり、かつ電源回路等の周辺回路が単純
化されて、高集積化が可能になるとともに、半導体記憶
装置が1ビット単位の選択読みだしが可能なROM又は
PROMとして機能することになる。
【0105】請求項30の発明では、書込手段及び読出
手段により、ワード線の設定電位を2値とし、ビット線
の設定電位を3値として、記憶素子の記憶内容の選択書
き込み及び選択読みだしが行われる。したがって、高速
動作及び高集積化が可能になるとともに、半導体記憶装
置が1ビット単位で選択書き込み,選択読みだしが可能
なPROMとして機能することになる。
【0106】請求項31の発明では、書込手段,読出手
段及び消去手段により、ワード線の設定電位を3値と
し、ビット線の設定電位を3値として、記憶素子への選
択書き込み及び記憶内容の選択読みだしと、ワード線単
位の部分消去とが行われる。したがって、単純な電位の
設定によって、動作の高速化が可能となり、かつ電源回
路等の周辺回路が単純化されて、高集積化が可能になる
とともに、半導体記憶装置が、1ビット単位で選択書き
込み及び選択読みだしが可能で、ワード線単位で部分消
去が可能なEEPROMとして機能することになる。
【0107】請求項32の発明では、書込手段,読出手
段及び消去手段により、上記請求項31の発明における
設定電位とは異なる大小関係で、ワード線の設定電位を
3値とし、ビット線の設定電位を3値として、記憶素子
への選択書き込み及び記憶内容の選択読みだしと、ワー
ド線単位の部分消去とが行われる。したがって、上記請
求項31の発明と同様の作用が得られる。
【0108】請求項33の発明では、半導体基板がSi
で構成され、情報を記憶する絶縁膜としてSiO2 膜が
使用されるので、Si基板の酸化による絶縁膜の形成が
可能になり、絶縁膜の特性が良好になるとともに、半導
体装置の製造が容易かつ安価なものとなる。また、Si
2 とSiとの親和性が良好で、Si基板に生じる応力
が比較的小さくなる。さらに、SiとSiO2 とのバン
ドの障壁高さが3.5eV程度であるために、TTLレ
ベルの動作電圧が実現することになる。
【0109】請求項34の発明では、絶縁膜が多層膜構
造とされているので、そのうちの一つの絶縁膜に誘電率
の高い膜を使用すれば膜厚の増大が可能となり、電気的
耐圧が向上する。また、絶縁膜同士の界面に電荷がトラ
ップされやすいので、書込み時のトラップ効率が向上
し、“0”状態と“1”状態との読みだし電流の差が拡
大して、読みだしが容易となる。この読みだし電流差の
拡大によって、メモリセルの微細化や周辺の電流増幅回
路の縮小が可能になり、よりいっそうの高集積化が可能
になる。
【0110】請求項35の発明では、絶縁膜内に設けら
れたフローティングゲート電極により、電荷がトラップ
されるので、“0”状態と“1”状態との読みだし電流
の差が拡大して、上記請求項34の発明と同様の作用が
得られる。また、絶縁膜自体に電荷をトラップ及びデト
ラップさせるのに比べて、絶縁膜の耐久性が向上する。
【0111】
【実施例】以下、半導体記憶回路の実施例を図面を参照
しながら説明する。
【0112】(第1実施例)まず、請求項1〜16の発
明に係る第1実施例について説明する。
【0113】図1(a)は本発明の第1実施例における
半導体記憶装置の1ビットの記憶素子の断面構造を示
す。同図において、P型(第1導電型)の半導体基板1
表面には、リン等をドーピングしてなるN型(第2導電
型)のドレイン領域5が形成されている。そして、半導
体基板1上には、上記ドレイン領域5の端部と一部が重
なるように形成されたSiO2 からなる絶縁膜であるゲ
ート酸化膜2が設けられ、このゲート酸化膜2は、後述
のように、電荷をトラップして不揮発状態で情報を記憶
する部位である。さらに、上記ゲート酸化膜2の左方は
素子分離部6として厚膜に形成され、ゲート酸化膜2の
端部から素子分離部6の一部に亘る面上には、多結晶S
i膜からなるゲート電極3が積層されている。上記半導
体基板1,ドレイン領域5,ゲート酸化膜2及びゲート
電極3により、1ビットのメモリセルが構成されてい
る。
【0114】なお、今回、試作した前記半導体記憶装置
では、ゲート酸化膜2の厚さToxは7nm、ゲート電極
3にはn+多結晶Si膜を用い、ゲート電極3の幅Wは
20μmとしている。また、ドレイン領域5は加速エネ
ルギー40KeV、ドーズ量6.0×1015(ions
/cm2 )のAsイオン注入により形成されている。
【0115】上記半導体記憶装置にはソース領域がない
ため、上記メモリセルは、回路図では図1(b)に示す
記号で表現され、3端子メモリセルである。そして、半
導体記憶回路のワード線WLnはゲート電極3に、ビット
線BLnはドレイン領域5の電極に接続される。
【0116】また、半導体記憶装置の集積回路は、図2
に示すようにメモリセルアレーとワード線WLnを選択す
る行デコーダとビット線BLnを選択する列デコーダとビ
ット線から読みだされたデータを増幅するセンスアンプ
とからなる。
【0117】まず、P型Si基板とN型ドレインとSi
2 ゲート酸化膜を使用した場合について、上記メモリ
セルにおける書き込み,読み込み,消去の基本動作を説
明する。
【0118】1.基本動作 1) “1”書き込み動作(1) 図3(a)は、第1実施例における“1”書き込み動作
(1)の場合の基本動作を示す断面図、図3(b)は図
3(a)のb−b線に沿った方向におけるバンド図、図
3(c)は図3(a)のc−c線に沿ったドレイン領域
5−半導体基板1間におけるバンド図である。
【0119】すなわち、ゲート電位Vgを0V、基板電
位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを8V以上にす
ると、ゲートドレインオーバーラップ領域5aにおい
て、図3(b)に示すように、半導体Siのバンド(伝
導帯11及び価電子帯12)がSi−ゲート酸化膜2の
界面に垂直な方向にエネルギーギャップφsi以上に曲
げられ、バンド間トンネリングにより電子9a、9b、
9cとホール8a、8b、8cが発生する。同時に,
3(c)に示すように、Si−SiO2 界面に沿った方
向にも半導体Siのバンド11,12が曲げられ、さら
にゲート酸化膜2のバンド(伝導帯13及び価電子帯1
4)も曲げられることにより、例えばバンド間トンネリ
ングにより発生したホール8cのエネルギー準位はSi
基板1領域の価電子帯14よりも低く、ホール8cはS
i−SiO2 界面においてゲート酸化膜2の価電子帯1
4を容易に飛び越え、図3(b)に示すように、ゲート
酸化膜2内にトラップされる。つまり、後述のように、
不揮発状態で“1”状態(電荷保持状態)が記憶された
ことになり、上記動作により、請求項3の発明にいう書
込手段が構成されている。
【0120】ここで、ホール8がゲート酸化膜2の価電
子帯14を容易に飛び越えるためには、ドレイン−基板
間電圧は、Si基板1領域のゲート酸化膜2(Si
2 )の価電子帯14とSi基板1の価電子帯12との
差φox以上でなければならない。
【0121】図4は上記“1”書き込み動作における電
流−電圧特性を示し、図中、横軸はドレイン−基板間電
圧Vds、縦軸はドレイン電流Idである。ここで、基
板電位Vsub及びゲート電極3の電位Vgを0Vにし
た状態で、ドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから9V
までスイープして、ドレイン電流Idを測定すると、ゲ
ートドレインオーバーラップ領域5aにおいてゲート誘
導ドレインリーク電流(Gate Induced Drain Leakage C
urrent)が発生することにより、ドレイン−基板間に電
流が流れる。図4において実線で示す曲線C0 は一回目
に測定したドレイン電流−ドレイン電圧特性曲線、破線
で示す曲線C1 は二回目以降に測定したドレイン電流−
ドレイン電圧特性曲線を示している。一回目より二回目
以降のゲート誘導リーク電流の閾値電圧が高くなること
が観測され、二回目以降のゲート誘導リーク電流の閾値
電圧は高いまま一定に保たれている。
【0122】なお、以下の特性図においては、すべての
曲線Co は“0”状態を、すべての曲線C1 は“1”状
態を表すものとする。
【0123】さらに、ゲート誘導ドレインリーク電流
閾値電圧が高くなった前記半導体記憶装置にゲート電位
Vgを−7V、ドレイン−基板間電圧Vdsを0V、基
板電位Vsubを0Vにして、FN電流(Fowler-Nordh
eim Current )を発生させた後に、図4と同じ測定条
件、すなわち基板バイアスを0V、ゲート電位Vgを0
V、ドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから9Vまでス
イープしてドレイン電流Idを測定すれば、図4の曲線
C0 と同じドレイン電流−ドレイン電圧特性曲線にな
る。すなわちFN電流によって前記半導体記憶装置のゲ
ート誘導ドレインリーク電流の閾値電圧は初期状態に戻
る。
【0124】図4において、ゲート誘導ドレインリーク
電流が発生し始める点Aをサブブレークダウンポイント
(このときのドレイン−ゲート間の電圧差が請求項1の
発明にいう第1設定電圧差である)、“0”状態と
“1”状態のゲート誘導ドレインリーク電流が等しくな
る点Bをディープブレークダウンポイント(このときの
所定ゲート電位下におけるドレイン−基板間の電圧差が
請求項1の発明にいう第2設定電圧差)とする。つま
り、ドレイン−基板間電圧Vdsがサブブレークダウン
点A以下では、上述のバンド間トンネリングが起こらな
いが、ドレイン−基板間電圧Vdsがディープブレーク
ダウン点B以上になると、バンド間トンネリング及び電
荷の価電子帯間の飛び越しによるホール8のトラップが
大きく起こることが分かる。
【0125】ここで、上記サブブレークダウンポイント
Aにおいて、ドレイン−ゲート間の電圧差(=第1設定
電圧差(例えば2.1V))に相当するギャップ値
(2.1eV)が、ゲート酸化膜2への印加分をも考慮
すると、シリコン(Si)のバンドギャップ値(=1.
1eV)よりも大きいようになされている。つまり、半
導体側における伝導帯と価電子帯とのエネルギーギャッ
プは、ドレイン−ゲート間の第1設定電圧差以下の値に
設定されている。また、後述のように、ディープブレー
クダウンポイントBは、ゲート電圧Vgに依存して変化
する。そして、この第1設定電圧差及び第2設定電圧差
は、半導体記憶装置の読みだし,書込み,消去を行う電
位差を設計すれば、それに応じて、適度に決定すること
ができ、さらに、この第1設定電圧差及び第2設定電圧
に基づいて、ドレイン領域5の不純物ドーズ量や、ゲ
ート酸化膜2の膜厚,材質等を調整し、半導体基板1,
ドレイン領域5,ゲート酸化膜2等のエネルギーギャッ
プ値を適合させることができる。したがって、第1設定
電圧差及び第2設定電圧差の具体的な値は、本実施例の
値に限定されるものではない。
【0126】なお、本実施例では、P型の半導体基板1
を使用しているために、絶縁膜2の価電子帯と半導体基
板側の価電子帯とのエネルギーギャップを第2設定電圧
差に相当するギャップ値に設定したが、N型の半導体基
板を使用した場合には、絶縁膜2の伝導帯と半導体基板
側の伝導帯とのエネルギーギャップが第2設定電圧差に
相当するギャップ値に設定されていればよい。、以上の
ようなヒステリシス効果を利用して、ゲート誘導リーク
電流の閾値電圧が低い場合、すなわち図4の曲線C0 の
場合を“0”状態、閾値電圧が高い場合、すなわち図4
の曲線C1 の場合を“1”状態とし、電荷保持の有無に
よって変化するゲート誘導ドレインリーク電流の相違に
基づき、これをメモリーとして使用することができる。
【0127】2) “1”書き込み動作(2) 上述の説明では、ゲート電位を0Vに、ドレイン電位を
8Vにしたが、本発明の書込手段は、かかる電圧の印加
方法に限定されるものではなく、図5に示すように、ゲ
ート電位Vgを−3V、基板電位Vsubを0V、ドレ
イン電位を5V以上にした場合についても同様にして起
こる。図6にはゲート電位Vgを−3V、基板電位Vs
ubを0V、ドレイン電位Vdsを5V以上にした場合
の“1”書き込み動作における電流−電圧特性を示し、
横軸はドレイン−基板間電圧Vds、縦軸はドレイン電
流Idである。サブブレークダウン点AはVds=0V
になり、ディープブレークダウン点BはVds=5Vに
なる。つまり、ディープブレークダウンポイントBの電
圧値はゲート電極3の電位に応じて変化するものであ
る。その場合、図6に示すように、ゲート電位Vgを負
にすればドレイン−基板間電圧Vdsを小さくできる利
点がある。
【0128】3) 読みだし動作(1) 図7(a)は、メモリセルにおける読みだし動作(1)
で“1”状態を読みだした場合の断面構造、図7(b)
は、上記図7(a)のb−b線に沿った方向におけるバ
ンド図である。
【0129】すなわち、“1”書き込み動作でゲート酸
化膜2内にトラップされたホール8cはゲートドレイン
オーバーラップ領域5aの電界を緩和するため、ゲート
電位Vgを0V、基板電位Vsubを0V、ドレイン電
位Vdsを5Vにしても、ゲートドレインオーバーラッ
プ領域5aにおいては、図7(b)に示すように半導体
Siのバンド11,12がSi−ゲート酸化膜2の界面
に垂直な方向にほとんど曲げられず、バンド間トンネリ
ングがほとんど起こらないことが示されている。
【0130】次に、図8(a)は、メモリセルにおける
読みだし動作(1)で“0”状態を読みだした場合の断
面図、図8(b)は、図8(a)のb−b線に沿った方
向におけるバンド図、図8(c)は、図8(a)のc−
c線に沿った方向におけるバンド図である。
【0131】すなわち、“0”状態(後述の消去後)の
半導体記憶装置においては、ゲート酸化膜2内にホール
がトラップされていないためゲートドレインオーバーラ
ップ領域5aの電界が緩和されず、ゲート電位Vgを0
V、基板電位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを5
Vにすると、ゲートドレインオーバーラップ領域5aに
おいて、図8(b)に示すように半導体Siのバンド1
1,12がSi−ゲート酸化膜2の界面に垂直な方向に
エネルギーギャップφsi以上に曲げられ、バンド間ト
ンネリングにより電子9とホール8が発生し、ドレイン
電流が生じる。一方、図8(c)に示すように、Si−
SiO2 界面に沿った方向には半導体Siの伝導帯11
もゲート酸化膜2の伝導帯13もあまり曲げられず、バ
ンド間トンネリングにより発生したホール8のエネルギ
ー準位はSi基板1領域の価電子帯14よりも高いの
で、ホール8はSi−SiO2 の界面においてゲート酸
化膜2の価電子帯14を飛び越えられず、ゲート酸化膜
2内にトラップされない。従って、本発明の半導体記憶
装置は非破壊読みだしである。上記動作により、請求項
2又は4の発明にいう読出手段が構成されている。
【0132】ここで、読みだしは、上記図4において、
ドレイン−基板間電圧Vdsをサブブレークダウン点A
とディープブレークダウン点Bの間の電位にして(つま
り、第1設定電圧差以上、かつ第2設定電圧差よりも低
い電圧の印加状態で)、その時のドレイン電流値Idの
大きさにより行なう。今回試作した半導体記憶装置の場
合にはゲート電位Vgを0V、基板電位Vsubを0V
にする場合にはVds=5Vを読みだし電位にすれば
“0”状態の電流値と“1”状態の電流値の比が最も大
きい。
【0133】図9は、ゲート電位Vgを0V、基板電位
Vsubを0Vにした場合の電流−電圧特性を示す。横
軸はドレイン−基板間電圧Vds、縦軸はドレイン電流
Idであって、ドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから
5Vまでと、5Vから0Vまでの双方向でスイープして
いる。“0”状態と“1”状態がそれぞれ保たれてお
り、本発明の半導体記憶装置が不揮発性であることが分
かる。
【0134】また、図10にはドレイン電位Vdsを5
V、基板電位Vsubを0Vにした場合の電流−電圧特
性を示す。横軸はゲート電位Vg、縦軸はドレイン電流
Idである。ゲート電位Vgを0Vから3Vまでと、3
Vから0Vまでの双方向でスイープしている。この場合
も“0”状態と“1”状態がそれぞれ保たれていること
が分かる。このデータからVg=3VにしてVd=5V
にした後Vg=0Vにすることによっても読みだし動作
を行えることになる。これは、ソース電極が存在しない
場合の利点の1つである。
【0135】4) 読みだし動作(2) 以上の動作は、“1”状態の半導体記憶装置において
は、ゲート電位Vgを−3V、基板電位Vsubを0
V、ドレイン電位を2Vにした場合についても略同様で
ある。図11(a)は、このときのメモリセルの断面
図、図11(b)は、b−b線に沿った方向におけるバ
ンド図であって、このバンド状態から上述の場合、図7
(b)と同様の理由によって、バンド間トンネリングが
ほとんど起こらないことが分かる。
【0136】一方、“0”状態(消去後)の半導体記憶
装置においては、図12(a)の断面図及び同図(b)
のバンド図に示すように、ゲート電位Vgを−3V、基
板電位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを2Vにす
ると、バンド間トンネリングが生じる。ただし、ゲート
酸化膜2の価電子帯14へのホール8の飛び越しは生じ
ず、ホール8はゲート酸化膜2内にトラップされない。
【0137】図13にはゲート電位Vgを−3V、基板
電位Vsubを0Vにした場合の電流−電圧特性を示
す。横軸はドレイン電位Vds、縦軸はドレイン電流I
dである。ドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから3V
までと、3Vから0Vまでの双方向でスイープしてい
る。“0”状態と“1”状態がそれぞれ保たれている。
【0138】 5) “0”書き込み動作(消去動作)(1) 図14(a)はメモリセルの断面図、図14(b)は、
同図(a)のb−b線に沿った方向におけるバンド図を
示す。
【0139】すなわち、ゲート電位Vgを8V以上、基
板電位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを0Vにす
ると、図14(b)に示すようにゲート酸化膜2にゲー
ト電極3から基板1方向に高電界がかかり、トラップさ
れていたホール8cがデトラップされ、メモリセルは
“0”状態(初期状態)に戻る。
【0140】図15は、上述の“0”書き込み動作にお
ける電流−電圧特性を示す。横軸はドレイン−基板間電
圧Vds、縦軸はドレイン電流Idであり、基板電圧V
subは0Vである。図15の破線で示すように“1”
状態であるメモリセルのゲート電位Vgを8Vにしてド
レイン−基板間電圧Vdsを5Vから0Vまでスイープ
し、連続して図15の実線で示すようにゲート電位Vg
を−3Vにしてドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから
5Vまでスイープしている。図15の一点鎖線C1sは、
“1”状態であるメモリセルのゲート電位Vgを−3V
にしてドレイン−基板間電圧Vdsを0Vから5Vまで
スイープした場合の特性である。ゲート電位Vgを8V
にしてドレイン−基板間電圧Vdsを5Vから0Vまで
スイープしたことにより“1”状態から“0”状態にな
っている。上述の動作により、請求項5又は6の発明に
いう消去手段が構成されている。
【0141】尚、上記図15では、“0”書き込み動作
にゲート電位Vgを8Vにしてドレイン−基板間電圧V
dsを5Vから0Vまでスイープして行ったが、ドレイ
ン−基板間電圧Vdsを0Vにしてゲート電位Vgを8
Vにするだけでも“0”書き込みを行える。
【0142】 6) “0”書き込み動作(消去動作)(2) 図16(a)は、“0”書き込み(2)時におけるメモ
リセルの断面図、図16(b)は、図16(a)のb−
b線に沿った方向におけるバンド図である。
【0143】ここで、電圧−電流特性は省略するが、ゲ
ート電位Vgを−8V以下、基板電位Vsubを0V、
ドレイン電位Vdsを0Vにすると、図16(b)に示
すようにゲート酸化膜2に基板1からゲート3方向に高
電界がかかり、FN電流による電子9dとトラップされ
ていたホール8cが再結合17をすることにより、ゲー
ト酸化膜2内のホール8cが消滅して、メモリセルは
“0”状態(初期状態)に戻る。上述の電圧の印加動作
により、請求項7又は8の発明にいう消去手段が構成さ
れている。
【0144】なお、N型Si基板とP型ドレインを使用
した場合についても同様の記憶特性が得られるが、以上
の説明において電圧は正負が逆になり、電界の方向も逆
になり、さらに“1”書き込み動作ではゲート酸化膜の
伝導帯に電子がトラップされることにより行われる。
【0145】2.回路動作 次に、上記メモリセルを集積してなる集積回路の回路動
作について説明する。半導体記憶装置の集積回路におい
て、読みだし動作を1セル単位で行えるだけならROM
であり、さらに“1”書き込み動作を1セル単位で行え
ることでPROMまたはEEPROMになり、さらに
“0”書き込み動作を1セル単位で行うことでRAMに
なる。
【0146】以下、P型Si基板とN型ドレインとSi
2 ゲート酸化膜を使用した半導体記憶装置を使った4
ビット集積回路の場合について説明する。以下の説明に
おいて、メモリセルWは選択されるセル、メモリセルX
はメモリセルWと同じワード線上にある非選択セルを代
表しており、メモリセルYはメモリセルWと同じビット
線上にある非選択セルを代表しており、メモリセルZは
メモリセルWとはワード線もビット線も異なる非選択セ
ルを代表している。
【0147】1) “1”書き込み回路動作 図17(a)は、第1実施例の半導体集積回路のメモリ
セルアレーの一部を抜き出した回路図であり、図17
(b),(c),(d)は、それぞれメモリセルWを
“1”状態に選択書き込みを行なう場合の各メモリセル
W,X,Y,Zにおける動作特性を示す特性図である。
【0148】図17(a)のように、ワード線WLnとビ
ット線BLnが網の目のように配置された半導体記憶装置
の集積回路において、メモリセルWのみを選択して
“1”状態に書き込むために、上述の“1”書き込み動
作(2)を使う。ワード線WL0に−3V(選択ワード線
電位Vkcw )、ワード線WL1に0V(非選択ワード線電
位Vknw )、ビット線BLoに5V(選択ビット線電位V
kcb )、ビット線BL1に0V(非選択ビット線電位Vkn
b )を印加すると、つまり上記ワード線の設定電位を選
択ワード線電位Vkcw と非選択ワード線電位Vknw との
2値とし、上記ビット線の設定電位を選択ビット線電位
Vkcb と非選択ビット線電位Vknb との2値とし、Vkc
w <Vknw かつVknb <Vkcb に設定する。メモリセル
Wは図17(b)に示すwの状態になり“1”書き込み
動作(2)である。この動作により、請求項10の発明
にいう書込手段の選択書き込みの機能が構成されてい
る。
【0149】そのとき、メモリセルXは図17(b)に
示す点xの状態にあり、ドレイン−基板間電圧Vdsが
0Vであるからバンド間トンネリングが起こらないため
“1”書き込みにはならず、ゲート電圧Vgが−3Vで
あるからデトラップも起こらず、またFN電流も発生し
ないから“0”書き込みにもならない。一方、メモリセ
ルYは、図17(c)に示す点y0、y1の状態にあ
り、読みだし動作(1)に相当しており、“1”及び
“0”状態が変化しない。メモリセルZは図17(c)
に示す点zの状態にあり、Vds=Vg=基板電圧Vs
ub=0Vとなっているので、“1”状態及び“0”状
態が変化しない。
【0150】尚、ワード線WL とビット線BL の電圧の
設定はどちらからでもよく、同時に行なってもよい。
【0151】尚、上記した説明では1個のメモリセルW
のみを“1”状態に書き込んだが、1個以上のメモリセ
ルを同時に“1”状態に書き込んでもよい。例えばメモ
リセルW及びX、またはメモリセルW及びY、またはメ
モリセルW,X,Y及びZは同時に“1”書き込みでき
る。
【0152】また、N型基板ではVkcw >Vknw かつV
knb >Vkcb に設定することで、上述と同様の作用が得
られる。
【0153】2) 読みだし回路動作(1) 次に、メモリセルWのみを選択して読みだすために、読
みだし動作(1)を使う場合について説明する。
【0154】図18(a)は、上記図17(a)と同様
の集積回路における各ワード線WL0,WL1及びビット線
BLo,BL1n に対する電圧の印加状態を示し、図18
(b),(c),(d)は、メモリセルWの選択読みだ
し(1)を行なう際における各メモリセルW,X,Y,
Zの動作特性をそれぞれ示す。
【0155】図18(a)に示すように、ワード線WLo
に0V(選択ワード線電位Vycw )、ワード線WL1に3
V(非選択ワード線電位Vynw )、ビット線BLoに5V
(選択ビット線電位Vycb)、ビット線BL1に0V(非
選択ビット線電位Vynb )を印加、つまりワード線WL
o,WL1の設定電位を選択ワード線電位Vycw と非選択
ワード線電位Vynw との2値とし、ビット線BLo,BL1
の設定電位を選択ビット線電位Vycb と非選択ビット線
電位Vynb との2値とし、Vycw <Vynw かつVynb <
Vycb の関係とする。
【0156】そのとき、メモリセルWは図18(b)に
示す点wo 、w1 の状態または図18(c)に示す点
w'o、w'1の状態になり、上述の読みだし動作(1)と
なる。一方、メモリセルXは図18(b)に示す点xの
状態にあり、Vds=Vg=Vsub=0Vであり
“1”及び“0”状態が変化しない。メモリセルYは図
18(c)に示す点y、または図18(d)に示す点
y’の状態にあり、Vds−Vg=2Vであるからバン
ド間トンネリングがほとんど起こらないため読みだし電
流の点w0状態よりもドレイン電流は3桁以上小さくメ
モリセルWの状態を識別することができ、かつ“1”書
き込みにはならず、ゲート電圧Vgが3Vであるからデ
トラップも起こらず、FN電流も発生しないから“0”
書き込みにもならない。また、メモリセルZは、図18
(d)に示す点zの状態にあり、ドレイン−基板間電圧
Vdsが0Vであるからバンド間トンネリングが起こら
ないため“1”書き込みにはならず、ゲート電圧Vgが
3Vであるからデトラップも起こらず、FN電流も発生
しないから“0”書き込みにもならない。上述の動作に
より、請求項11の発明にいう読出手段の選択読みだし
の機能が構成されている。
【0157】尚、ワード線とビット線の電圧の設定はど
ちらからでもよく同時に行なってもよいが、ワード線の
電圧の設定を先に行なったほうが消費電力は小さい。
【0158】尚、上述の説明では1個のメモリセルWの
みを読みだしたが、同じワード線に接続されているメモ
リセルならば1個以上のメモリセルを同時に読みだして
もよい。例えばメモリセルWとXとは同時に読みだすこ
とができる。
【0159】また、N型基板ではVycw >Vynw かつV
ynb >Vycb に設定することで、上記と同様の作用が得
られる。
【0160】3) 読みだし回路動作(2) 次に、メモリセルWのみを選択して読みだすために、読
みだし動作(2)を使う場合について説明する。図19
(a)は、上記図17(a)と同様の集積回路における
各ワード線WL0,WL1及びビット線BLo,BL1nに対す
る電圧の印加状態を示し、図19(b),(c)は、上
記集積回路においてメモリセルWを選択読みだし(2)
を行なう際における各メモリセルW,X,Y,Zの動作
特性を示す。
【0161】同図(a)に示すように、電位設定を、ワ
ード線WLoに−3V、ワード線WL1に0V、ビット線B
Loに2V、ビット線BL1に0Vとすると、つまり上記読
みだし回路動作(1)と同様に、つまりワード線WLo,
WL1の設定電位を選択ワード線電位Vycw と非選択ワー
ド線電位Vynw との2値とし、ビット線BLo,BL1の設
定電位を選択ビット線電位Vycb と非選択ビット線電位
Vynbとの2値とし、Vycw <Vynw かつVynb <Vycb
の関係とすると、メモリセルWは図19(b)に示す
点w0、w1の状態になり、これを読みだし動作(2)
とする。
【0162】このとき、メモリセルXは図19(b)に
示す点xの状態にあり、Vds=0Vであるからバンド
間トンネリングが起こらないため“1”書き込みにはな
らず、Vg=−3Vであるからデトラップも起こらず、
またFN電流も発生しないから“0”書き込みにもなら
ない。メモリセルYは図19(c)に示す点yの状態に
あり、Vds−Vg=2Vであるからバンド間トンネリ
ングが起こらないため読みだし電流の点w0状態よりも
ドレイン電流は4桁以上小さくメモリセルWの状態を識
別することができ、かつ“1”書き込みにはならず、ゲ
ート電圧Vg=0Vであるからデトラップも起こらず、
またFN電流も発生しないから“0”書き込みにもなら
ない。メモリセルZは図19(c)に示す点zの状態に
あり、Vds=Vg=Vsub=0Vであり、“1”及
び“0”状態が変化しない。
【0163】尚、ワード線とビット線の電圧の設定はど
ちらからでもよく同時に行なってもよいが、ワード線の
電圧の設定を先に行なったほうが消費電力は小さい。
【0164】尚、上記した説明では1個のメモリセルW
のみを読みだしたが、同じワード線に接続されているメ
モリセルならば1個以上のメモリセルを同時に読みだし
てもよい。例えばメモリセルWとメモリセルXは同時に
読みだすことができる。
【0165】4) “0”書き込み(消去)回路動作 メモリセルWのみを選択して“0”書き込む動作を説明
する。図20(a)は、上記図17(a)と同様の集積
回路における各ワード線WL0,WL1及びビット線BLo,
BL1n に対する電圧の印加状態を示し、図19(b),
(c)は、上記集積回路においてメモリセルWを選択
“0”書込(消去)を行なう際における各メモリセル
W,X,Y,Zの動作特性を示す。
【0166】ワード線WLoに8V(選択ワード線電位V
scw )、ワード線WL1に0V(非選択ワード線電位Vsn
w )、ビット線BLoに0V(選択ビット線電位Vscb
)、ビット線BL1に5V(非選択ビット線電位Vsnb
)の電圧を印加すると、つまり、ワード線の設定電位
を選択ワード線電位Vscw と非選択ワード線電位Vsnw
との2値とし、上記ビット線の設定電位を選択ビット線
電位Vscb と非選択ビット線電位Vsnb との2値とし、
Vscw >Vsnw かつVsnb >Vscb とすると、メモリセ
ルWは図20(b)に示すVg=8Vでドレイン−基板
間電圧Vdsを正方向から0Vに達した点wの状態であ
り、“0”書き込む動作である。メモリセルXは図20
(c)に示す点xの状態にあり、Vds−Vg=−3V
であるからバンド間トンネリングが起こらないため
“1”書き込みにはならず、かつデトラップも起こら
ず、またFN電流も発生しないから“0”書き込みにも
ならない。通常のソース領域のある半導体記憶装置では
この状態でチャネル電流が発生しメモリのソフト書き込
みになったり、消費電力の増大になるが、本発明ではそ
れがない。メモリセルYは図20(d)に示す点yの状
態にあり、Vds=Vg=Vsub=0Vであるため
“1”及び“0”状態が変化しない。メモリセルZは図
20(d)に示す点z0、z1の状態にあり、読みだし
動作(1)に相当しており、“1”及び“0”状態が変
化しない。この動作により、請求項14の発明にいう消
去手段の選択消去機能が構成されている。
【0167】尚、“0”書き込み(消去)回路動作はビ
ット線の電圧設定を先に行なってからワード線の電圧設
定を行なわなければならず、またワード線の電圧設定を
元に戻してから、ビット線の電圧設定を元に戻さなけれ
ばならない。
【0168】尚、上記した説明では1個のメモリセルW
のみを“0”状態に書き込んだが、1個以上のメモリセ
ルを同時に“0”状態に書き込んでもよい。例えばメモ
リセルW及びX、又はメモリセルW及びY、又はメモリ
セルW,X,Y及びZは同時に“0”書き込みできる。
しかしメモリセルW及びZだけを同時に“0”書き込み
し、かつメモリセルX及びYの状態を保つことはできな
い。
【0169】なお、N型基板ではVscw <Vsnw かつV
snb >Vscb に設定した状態で、上述と同様に、記憶内
容を選択的に消去することができる。
【0170】尚、上記した全ての回路動作説明ではワー
ド線2本ビット線2本の4ビットのメモリセルアレーを
用いたが、ワード線ビット線それぞれ少なくとも1本以
上あればよい。
【0171】5) 回路動作タイミングチャート 次に、上述の“1”書き込み,“0”書き込み(消去)
及び読みだしの基本動作を連続的に行う場合の回路動作
について、図21のタイミングチャートに基づき説明す
る。その場合、下記のタイミングチャートにおいて、デ
ータ保持状態では全てのワード線、ビット線の電位は0
Vである。
【0172】そして、図21(a)は“1”書き込み動
作のタイミングを示し、データ保持状態から、選択ワー
ド線WLoの電位を−3Vに、選択ビット線BLoの電位を
5Vにし、他の電位はデータ保持状態のままにしておく
ことにより、つまり上述のように、ワード線の電圧を−
3V、0Vの2値に、ビット線の電圧を0V、5Vの2
値に設定することにより、“1”書き込みが行われる。
【0173】図21(b)は“0”書き込み動作のタイ
ミングを示し、データ保持状態から非選択ビット線BL1
の電位を5Vにした後、選択ワード線WLoの電位を8V
にすることにより、つまり上述のように、ワード線の電
圧を0V、8Vの2値に、ビット線の電圧を0V、5V
の2値に設定することにより、“0”書き込みが行われ
る。
【0174】図21(c)は上記読みだし動作(2)の
タイミングを示し、データ保持状態から、選択ワード線
WLoの電位を−3Vに、選択ビット線BLoの電位を2V
に設定することにより、つまり上述のように、ワード線
の電圧を−3V、0Vの2値に、ビット線の電圧を0
V、2Vの2値に設定することにより、読みだしが行わ
れる。
【0175】なお、上述の読みだし動作は電流値を直接
読みだす場合であるが、そのほかに、ビット線をプリチ
ャージしてビット線の電位の変化により読みだす場合も
ある。図21(d)は、プリチャージを伴う読みだし動
作(2′)のタイミングを示し、データ保持状態から、
選択ビット線BLoの電位を2Vにプリチャージした後、
選択ワード線WLoの電位を−3Vにすると、“1”状態
と“0”状態とで選択ビット線BLoの電位の変化が異な
ることを利用して、読出が行われる。
【0176】以上のタイミングチャートにおいて、読み
だし動作のみを使えばROMに、“1”書き込み動作と
読みだし動作を使えばEPROMに、全メモリセル一括
または部分“0”書き込み(消去)動作と“1”書き込
み動作と読みだし動作を使えばEEPROMに、選択
“0”書き込み(消去)動作と“1”書き込み動作と読
みだし動作を使えばRAMになる。そして、上述のタイ
ミングチャートから容易に理解されるように、本発明の
半導体装置をROMとして使用した場合は、読みだし動
作だけが行われるので、ワード線の電圧は−3V、0V
の2値で、ビット線の電圧は0V、2Vの2値で構成さ
れる。一方、PROMとして利用する場合には、“1”
書き込み動作と読みだし動作とが行われるので、ワード
線の電圧は−3V、0Vの2値で、ビット線の電圧は0
V、2V、5Vの3値で構成されるこの動作により、請
求項12の発明にいう書込手段及び読出手段による選択
書き込み及び選択読みだしの機能が構成されている。
【0177】さらに、EEPROM又はRAMとして利
用する場合には、“1”書き込み動作,“0”書き込み
動作及び読みだし動作が行われるので、ワード線の電圧
は−3V、0V、8Vの3値で、ビット線の電圧は0
V、2V、5Vの3値で構成される。この動作により、
請求項15の発明にいう書込手段,読出手段及び消去手
段による選択書き込み,選択読みだし及び選択消去の機
能が構成されている。
【0178】次に、読みだし動作(1)の回路動作につ
いて説明する。読みだし回路動作(1)は“0”状態と
“1”状態の電流の比が大きいので読みだしに有利であ
る。図22(a)は読みだし回路動作(1)のタイミン
グチャートを示し、ワード線の電圧は0V、3Vの2値
と、ビット線の電圧は0V、5Vの2値でできる。読み
だし回路動作(1)を使うと、ROMの場合にはワード
線の電圧が0V、3Vの2値で、ビット線の電圧が0
V、5Vの2値で構成される。また、PROMの場合に
はワード線の電圧が−3V、0V、3Vの3値で、ビッ
ト線の電圧が0V、5Vの2値で構成される。この動作
により、請求項13の発明にいう書込手段及び読出手段
による選択書き込み及び選択読みだしの機能が構成され
ている。
【0179】さらに、EEPROMまたはRAMの場合
にはワード線の電圧が−3V、0V、3V、8Vの4値
で、ビット線の電圧が0V、5Vの2値で構成される。
この動作により、請求項16の発明にいう書込手段,読
出手段及び消去手段による選択書き込み,選択読みだし
及び選択消去の機能が構成されている。
【0180】なお、読みだし動作には電流値を直接読み
だす場合のほかに、ビット線をプリチャージしてビット
線の電位の変化により読みだす場合もあり、図22
(b)はプリチャージを伴う場合のタイミングチャート
である。
【0181】この時、プリチャージ時はメモリセルはゲ
ート電極に3V、ドレイン電極に5Vがかかり、メモリ
セルが従来のMOSトランジスタの場合にはメモリセル
がON状態になりビット線をプリチャージできないが、
本発明に使用するメモリセルはソース電極がないためメ
モリセルには電流が流れずビット線をプリチャージでき
る。
【0182】なお、以上の回路動作のタイミングは4ビ
ット以上のメモリセルアレーの場合でも同様にして1ビ
ット単位のメモリセルのみを選択して書き込み、読みだ
し動作が行なえる。
【0183】また、本実施例においては1ビット単位の
メモリセルのみを選択して書き込み、読みだし動作が行
なえることを説明したが、全てのメモリセルあるいは一
部のメモリセルを一括して“1”状態に書き込んだり、
あるいは“0”状態に書き込んだりもでき、効率よく書
き込みを行なえる。
【0184】上記第1実施例では、1ビットの記憶素子
が、半導体基板1、ドレイン領域5及びゲート電極3の
3端子で構成され、ソース領域がないという単純な構成
でありながら、ドレイン領域5とゲート電極3との間の
ゲート酸化膜2が不揮発のメモリとして利用しうるよう
に構成されているので、その各端子間の単純な電位設定
により、書き込み,読みだし及び消去を各ビット単位で
行うことができる。特に、記憶素子をEEPROM又は
RAMとして使用した場合には、上述のように、1ビッ
ト単位で選択書き込み,選択読みだし及び選択消去が行
えるRAMでありながら、各メモリセルには不揮発性が
あり、リフレッシュ動作が不要であり、かつデータ保持
時にはメモリセルにかかる電圧が0Vであるため低消費
電力であるという利点がある。そして、ソースがないこ
とから、チャネルもなくなり、集積度が飛躍的に向上す
ることを期待しうる。
【0185】なお、上記図21及び図22に示したタイ
ミングチャートには書き込み動作直前及び読みだし動作
直前にデータ保持状態を設けているが、高速化のために
データ保持状態を省略してもよい。
【0186】また、上記実施例では、半導体記憶装置の
各メモリセルは当初“0”状態に形成されていることを
前提として説明したが、当初から全てのメモリセルを一
括して“1”状態に書き込んでおいてもよく、或いは起
動時に一括して“1”状態に書き込んだ後に記憶動作を
開始するようにしてもよい。この場合は、“1”状態に
あるメモリセルを“0”状態に消去することにより記憶
の書き込み(“0”書き込み)が行われるものである。
すなわち、通常の半導体記憶回路では比較的短期間の使
用時には80パーセント程度のメモリセルは書き込み動
作も読みだし動作も行なうことがないが、本発明に使用
する半導体記憶装置は、“1”状態の方が“0”状態に
比べて読みだし電流値が小さい。したがって、請求項9
の発明のように、全てのメモリセルをあらかじめ一括し
て“1”状態に書き込んでおくことにより、半導体記憶
装置の低消費電力化を図ることができる。
【0187】(第2実施例)次に、請求項17〜32の
発明に係る第2実施例について説明する。
【0188】図23(a)は、第2実施例における半導
体記憶装置の1ビットの断面構造を示す。同図におい
て、本第2実施例では、上記第1実施例における半導体
記憶装置の構成とは異なり、第1導電型であるP型の半
導体基板1表面には、リン等をドーピングしてなるN型
(第2導電型)のソース領域4が同じくN型のドレイン
領域5と共に形成されている。そして、半導体基板1上
には、上記ドレイン領域5の端部と一部が重なり、かつ
ソース領域4の端部に亘って形成されたSiO2 からな
る絶縁膜であるゲート酸化膜2が設けられ、このゲート
酸化膜2上に多結晶Si膜からなるゲート電極3が積層
されている。上記半導体基板1,ソース領域4,ドレイ
ン領域5,ゲート酸化膜2及びゲート電極3により、1
ビットのメモリセルが構成されている。
【0189】なお、ゲート酸化膜2の厚さTox,ゲート
電極3の幅W,ドレイン領域5の形成方法は上記第1実
施例と同様であり、また、ソース領域4の形成状態は上
記ドレイン領域5と同じであるが、本発明は必ずしもド
レイン領域5とソース領域4の導電特性が同じものに限
定されるものでない。
【0190】上記半導体記憶装置のメモリセルは、回路
図では図23(b)に示す記号で表現され、4端子メモ
リセルである。そして、後述の図26(a)等に示すよ
うに、半導体記憶回路のワード線WLnはゲート電極3
に、ビット線BLnはドレイン領域5の電極に、ソース線
SL は共通化されて各メモリセルのソース領域4に接続
されている。
【0191】また、半導体記憶装置の集積回路は省略す
るが、上記第1実施例における図2において、メモリセ
ルを4端子メモリセルに置き換えたものである。
【0192】まず、P型半導体基板1,N型ドレイン領
域5,N型ソース領域4及びSiO2 のゲート酸化膜2
を使用した場合について、上記メモリセルにおける書き
込み,読み込み,消去の基本動作を説明する。
【0193】1.基本動作 1) “1”書き込み動作(1) 図は省略するが、書き込み動作は基本的に上記第1実施
例における図3(a)〜(c)に示すと同様であり、電
圧の印加(第2設定電圧差以上)によるバンド間トンネ
リングと、バンド間トンネリングにより発生したホール
の半導体基板1領域の価電子帯12からゲート酸化膜2
の価電子帯14への飛び越えを利用して、ホールをゲー
ト酸化膜2内にトラップすることにより、“1”状態へ
の書き込みが行われる。この動作により、請求項19の
発明にいう書込手段が構成されている。
【0194】なお、第2実施例においても、上記第1実
施例における書き込み動作(1)及び(2)のいずれも
が可能である。
【0195】2) 読みだし動作 図は省略するが、読みだし動作も上記第1実施例におけ
る図12(a),(b)及び図13に示す読みだし動作
(2)と同様であり、ゲート酸化膜2内にホールがトラ
ップされているときにはゲートドレインオーバーラップ
領域5aの電界が緩和される結果、同じ電圧(第2設定
電圧差以下)の印加に対して生じるゲート誘導ドレイン
リーク電流Idが“0”状態におけるよりも小さいこと
を利用して、記憶状態を読み出すようになされている。
この動作により、請求項18又は20の発明にいう読出
手段が構成されている。
【0196】 3) “0”書き込み動作(消去動作)(1) 第2実施例においても、上記第1実施例における消去動
作(1)及び(2)が可能である。
【0197】すなわち、上述のごとく、図14(a),
(b)及び図15に示すように、ゲート酸化膜2にゲー
ト電極3から基板1方向に高電界がかかり、トラップさ
れていたホール8cがデトラップされ、メモリセルは
“0”状態(初期状態)に戻ることにより、“0”状態
への書き込み(消去)が行われる。この動作により、請
求項21又は22の発明にいう消去手段が構成されてい
る。
【0198】 4) “0”書き込み動作(消去動作)(2) また、第1実施例で説明した図16(a),(b)に示
すように、ゲート酸化膜2に基板1からゲート3方向に
高電界をかけて、FN電流による電子9dをトラップさ
れていたホール8cに再結合させることにより、ゲート
酸化膜2内のホール8cを消滅させて、メモリセルを
“0”状態に書き込む(消去)することが可能である。
この動作により、請求項23又は24の発明にいう消去
手段が構成されている。
【0199】なお、N型Si基板とP型ドレインを使用
した場合についても同様の記憶特性が得られるが、以上
の説明において電圧は正負が逆になり、電界の方向も逆
になり、さらに“1”書き込み動作ではゲート酸化膜の
伝導帯に電子がトラップされることにより行われる。こ
れも上記第1実施例と同様である。
【0200】 5) “0”書き込み動作(消去動作)(3) ここで、本第2実施例では、上記第1実施例と異なり、
ソース領域4を設けたことで、消去動作(3)が可能に
なる。図24に示すように、ゲート電位Vgを4V以
上、基板電位Vsubを0V、ドレイン電位Vdsを5
V以上にすると、ゲート酸化膜2の界面にチャネル電流
が流れる。そして、ドレイン電位Vdsを5V以上にし
たことで、チャネル方向に高電界が印加され、チャネル
電流の一部がチャネルホットエレクトロン9hとなり、
ゲート酸化膜2にトラップされていたホール8がエレク
トロン9hと中和され、“0”状態に書き込まれる(消
去される)。この動作により、請求項25又は26の発
明にいう消去手段が構成されている。
【0201】図25は、上述の“0”書き込み動作
(3)における電流−電圧特性を示し、横軸はゲート電
圧Vg、縦軸はドレイン電流Idである。図25の破線
C1 に示す“1”状態にあるメモリセルに対し、ドレイ
ン電位Vdsを5Vにして、ゲート電位Vgを0Vから
4Vまでスイープし、さらに再度図25の実線Co に示
すように、ドレイン電位Vdsを4Vにしてゲート電位
を0Vから4Vまでスイープしている。
【0202】2.回路動作 1) “1”書き込み回路動作 本実施例における“1”書き込み回路動作は上記第1実
施例と同様である。すなわち、図26(a)に示すよう
に、ワード線WLnを各メモリセルW〜Zのゲート電極3
に、ビット線BLnを各メモリセルW〜Zのドレイン領域
5に接続し、網目状に配置された半導体記憶装置の集積
回路を形成する。ただし、各メモリセルW〜Zのソース
領域4は共通のソース線SL に接続される。そして、ワ
ード線WL0に−3V(選択ワード線電位kcw )、ワード
線WL1に0V(非選択ワード線電位Vknw )、ビット線
BLoに5V(選択ビット線電位Vkcb )、ビット線BL1
に0V(非選択ビット線電位Vknb )を印加すると、つ
まり上記ワード線の設定電位を選択ワード線電位Vkcw
と非選択ワード線電位Vknw との2値とし、上記ビット
線の設定電位を選択ビット線電位Vcbと非選択ビット線
電位Vnbとの2値とし、Vkcw <Vknw かつVknb <V
kcb に設定することで、図26(b)〜(d)のような
各メモリセルW〜Xの動作特性が得られる(上記第1実
施例における図17(b)〜(d)の説明参照)。つま
り、メモリセルWのみを“1”状態に選択書き込み
(“1”書き込み動作(2))を行なう。この動作によ
り、請求項28の発明にいう書込手段の選択書き込み機
能が構成されている。
【0203】2) 読みだし回路動作(2) 本第2実施例における読みだし回路動作は、上記第1実
施例における読みだし回路動作(2)と同様である。す
なわち、図27(a)に示すように、ワード線WLoに−
3V、ワード線WL1に0V、ビット線BLoに2V、ビッ
ト線BL1に0Vにすると、つまり上記読みだし回路動作
(2)と同様に、ワード線WLo,WL1の設定電位を選択
ワード線電位Vycw と非選択ワード線電位Vynw との2
値とし、ビット線BLo,BL1の設定電位を選択ビット線
電位Vycb と非選択ビット線電位Vynb との2値とし、
Vycw <Vynw かつVynb <Vycb の関係とすること
で、図27(b),(c)に示すような動作特性が得ら
れ、メモリセルWの選択読みだし(2)が行われる(上
記第1実施例における図19(a),(b)の説明参
照)。この動作により、請求項29の発明にいう読出手
段の選択読みだしの機能が構成されている。
【0204】3)“0”書き込み回路動作 本第2実施例では、半導体記憶装置を部分消去を行うE
EPROMに適用した場合について説明する。
【0205】図28(a)に示すように、ワード線WLo
に4V、ワード線WL1に0V、ビット線BLoに5V、ビ
ット線BL1に5Vの電圧を印加すると、メモリセルW及
びXは図28(b)に示す点wxの状態にあり、“0”
書き込み動作となる。一方、メモリセルY及びZは、図
28(c)に示すように、“0”状態のときには点yz
o の状態に、“1”状態のときには点yz1 の状態にあ
る。これは読みだし動作に相当し、メモリセルY及びZ
の状態は変化しない。つまり、書き込みや消去は行われ
ない。なお、図28(b)の点I及びJにおける電流値
は図28(d)の点I及びJにおける電流値と等しく、
図28(b)の点wxは“0”書き込み動作になったこ
とがわかる。
【0206】ただし、上述の“0”書き込み回路動作に
おいては、ビット線BLo,BL1の電圧設定をざきに行っ
てからワード線WLo,WL1の電圧設定を行わねばなら
ず、また、終了時には、ワード線の電圧設定を元に戻し
てから、ビット線の電圧設定を元に戻さなければならな
い。
【0207】なお、上述の説明では1本のワード線のメ
モリセルのみを“0”に書き込んだが、1本以上のワー
ド線のメモリセルを同時に“0”状態に書き込んでもよ
いことはいうまでもない。
【0208】さらに、上述の回路動作の説明ではワード
線2本とビット線2本とを備えた4ビットのメモリセル
アレーについて説明したが、ワード線及びビット線がそ
れぞれ少なくとも1本以上あればよい。
【0209】2)回路動作タイミングチャート 次に、図29は、“1”書き込み、“0”書き込み及び
読みだしの各動作のタイミングチャートを示す。
【0210】同図に示すように、“1”書き込み回路動
作では、ワード線WLnの電圧は−3V,0Vの2値で、
ビット線BLnの電圧は0V,5Vの2値である。また、
“0”書き込み回路動作では、ワード線WLnの電圧は0
V,4Vの2値で、ビット線BLnの電圧は0V,5Vの
2値である。さらに、読みだし回路動作では、ワード線
WLnの電圧は−3V,0Vの2値で、ビット線BLnの電
圧は0V,2Vの2値である。
【0211】つまり、ROMの場合には、ワード線WLn
の電圧を−3V,0Vの2値で、ビット線BLnの電圧を
0V,2Vの2値で構成することができる。PROMの
場合には、ワード線WLnの電圧を−3V,0Vの2値
で、ビット線BLnの電圧を0V,2V,5Vの3値で構
成することができる。この動作により、請求項30の発
明にいう書込手段及び読出手段の選択書き込み及び選択
読みだしの機能が構成されている。この場合、上記第1
実施例(請求項12又は13の発明)における選択書き
込み及び選択読みだしと比較して、最高電位を5Vと低
くしうる利点がある(上記第1実施例では、8Vが必要
である)。
【0212】また、EEPROMまたはRAMの場合に
は、ワード線WLnの電圧を−3V,0V,8Vの3値
で、ビット線BLnの電圧を0V,2V,5Vの3値で構
成することができる。この動作により、請求項32の発
明にいう書込手段,読出手段及び消去手段による選択書
き込み,選択読みだし及び部分消去の機能が構成されて
いる。この場合にも、本第2実施例では最高電位を低く
しうる利点がある。
【0213】したがって、上記第2実施例では、ワード
線WLn及びビット線BLnに対する単純な設定電圧で、R
OM,PROM及びEEPROM又は不揮発のRAMを
構成することができ、高速動作と周辺回路の単純化によ
る高集積化とが実現される。その場合、ドレイン領域5
とソース領域4とが同じ導電型で形成されているので、
領域間の干渉を防止するため分離絶縁膜等の製造が容易
であり、高集積化を容易に実現することができる。
【0214】なお、図面は省略するが、下記表2に示す
ように各端子の電位を設定して、選択書き込み,選択読
みだし及び各ワード線ごとの部分消去を行ってもよい。
この動作により、請求項31の発明にいう書込手段,読
出手段及び消去手段による選択書き込み,選択読みだし
及び部分消去の機能が構成されている。
【0215】
【表2】 上記第2実施例における読みだし動作においては、上記
第1実施例と同様にプリチャージを行うようにしてもよ
い。
【0216】さらに、上記第1実施例のようなソース領
域4を有しないものも含め、ワード線WLn単位で消去す
る場合には、下記表3に示すように各端子の電位を設定
して、選択書き込み,選択読みだし及び部分消去を行う
ことができる。つまり、設定電圧が、ワード線WLn及び
ビット線BLn共に3値となる。
【0217】
【表3】 なお、上記第1実施例及び第2実施例では、半導体記憶
装置の構成において、絶縁膜であるゲート酸化膜2をS
iO2 で形成したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、各種金属の炭化物や酸化物等を使用す
ることができ、また、半導体基板もSiに限定されるも
のではない。ただし、請求項33の発明のごとく、Si
2 を使用した場合、Si基板表面を熱酸化することに
よって、容易にSiO2 膜を形成することができるの
で、製造が容易かつ安価になるだけでなく、膜質が優
れ、膜厚の制御性も良好であり、清浄な表面を容易に得
ることができる等、絶縁膜特性が良好となる。また、S
i基板とSiとの親和性がよく、Si基板に加わるスト
レスが比較的小さいという利点が得られる。さらに、S
i基板とSiO2 膜とのバンドの障壁高さが3.5eV
程度であるので、TTLレベルの動作電圧を実現できる
ことになる。
【0218】また、上記各実施例では、ゲート酸化膜2
をSiO2 膜のみの単層構造としたが、本発明はかかる
実施例に限定されるものではなく、請求項34の発明の
ごとく、例えばSiO2 膜の上に第2の絶縁膜としてS
3 4 膜を形成し、つまり2層の絶縁膜を積層してな
る多層膜構造としてもよい。その場合、第2の絶縁膜と
してSi3 4 膜のごとき誘電率の高い膜を使用するこ
とにより、膜厚を厚くすることができ、電気的耐圧が向
上することになる。また、SiO2 膜とSi3 4 膜と
の界面に電荷がトラップされやすいので、書込み時のト
ラップ効率が向上し、“0”状態と“1”状態との読み
だし電流の差が拡大して、読みだしが容易となる。そし
て、読みだし電流差の拡大により、メモリセルの微細化
や、周辺の電流増幅回路の縮小が可能になり、さらに高
集積化を図ることができる。
【0219】さらに、請求項34の発明では、SiO2
膜の上にSi3 4 膜とSiO2 膜とを形成し(いわゆ
るONO膜)、つまり3層の絶縁膜を積層してなる多層
膜構造としてもよい。その場合、上述の効果に加えて、
Si3 4 膜上のピンホール等の欠陥を埋めて膜質を改
善することができる。また、Siとの接合においては、
Si3 4 よりもSiO2 のほうがSiに生ぜしめるス
トレスが小さいので、Si基板だけでなく、上層のゲー
ト電極3(通常ポリシリコンが使用される)との界面で
生じるストレスを緩和させるという利点がある。なお、
請求項34の発明では、絶縁膜の構成として、2層,3
層の多層膜に限定されるものではなく、4層以上の多層
膜とすることも可能である。
【0220】また、半導体記憶装置の記憶素子の構成と
して、請求項35の発明のごとく、上記各実施例におけ
る絶縁膜であるゲート酸化膜2内にフローティングゲー
ト電極(ポリシリコン等からなる)を設け、フローティ
ングゲート電極に電荷をトラップさせるようにしてもよ
い。その場合、導電体であるフローティングゲート電極
に電荷がトラップされるので、“0”状態と“1”状態
の読みだし電流の差を拡大させることができ、上述の効
果を得ることができる。また、絶縁膜自体に電荷をトラ
ップさせたり、デトラップさせたりするのに比べて、絶
縁膜の耐久性が向上するという利点がある。
【0221】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、半導体記憶装置において、1ビットの記憶素子
を第1導電型の半導体基板と第2導電型のドレイン領域
とゲート電極との3端子で構成し、バンド状態の調整に
より、ドレイン領域−ゲート電極間の絶縁膜を不揮発状
態で情報を記憶しうるように構成したので、ソース領域
の省略による集積度の向上と、動作の高速化とを図るこ
とができる。
【0222】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜を予
め“1”状態にしておき、各端子間への印加電圧をトン
ネリングは発生するが価電子帯間(又は導電帯間)の電
荷の飛び越えは生じないようにして、ゲート誘導ドレイ
ンリーク電流の値から絶縁膜の記憶状態を読み出すよう
にしたので、非破壊状態で記憶の読出が可能なROMを
提供することができる。
【0223】請求項3の発明によれば、上記請求項1の
発明において、各端子間への印加電圧をトンネリング及
び価電子帯間(又は導電帯間)の電荷の飛び越えが生じ
るようにして、記憶素子の絶縁膜に電荷をトラップさ
せ、“1”状態を書き込むようにしたので、不揮発状態
で記憶の書き込み可能なPROM用素材を提供すること
ができる。
【0224】請求項4の発明によれば、上記請求項3の
発明において、記憶素子の記憶内容を非破壊で読み出す
ようにしたので、高集積度でかつ高速動作のPROMを
提供することができる。
【0225】請求項5の発明によれば、上記請求項1の
発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜を予
め“1”状態にしておき、“1”状態にある記憶素子の
ゲート電極に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷を
引き抜いて“0”に消去するようにしたので、予め書き
込まれた記憶内容の書き換えが可能なROM等を提供す
ることができる。
【0226】請求項6の発明によれば、上記請求項4の
発明において、“1”状態にある記憶素子のゲート電極
に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷を引き抜いて
“0”に消去するようにしたので、記憶の書き込み,読
みだし及び消去可能なEEPROMを提供することがで
きる。
【0227】請求項7の発明によれば、上記請求項1の
発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜を予
め“1”状態にしておき、“1”状態にある記憶素子の
絶縁膜の両面間に高電界を印加して、FN電流を生ぜし
め、絶縁膜の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、電荷
の再結合により“0”に消去するようにしたので、予め
書き込まれた記憶内容の書き換えが可能なROM等を提
供することができる。
【0228】請求項8の発明によれば、上記請求項4の
発明において、“1”状態にある記憶素子の絶縁膜の両
面間に高電界を印加して、FN電流を生ぜしめ、絶縁膜
の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、電荷の再結合に
より“0”に消去するようにしたので、記憶の書き込
み,読みだし及び消去可能なEEPROM又は不揮発の
RAMを提供することができる。
【0229】請求項9の発明によれば、上記請求項1,
6又は8の発明おいて、予めすべての記憶素子の絶縁膜
を“1”状態に保持しておくようにしたので、この状態
から消去により“0”書き込みを行い、再書き込みによ
り“1”への消去が行われ、“1”状態と“0”状態と
の読みだし電流の差から、低消費電力化を図ることがで
きる。
【0230】請求項10の発明によれば、上記請求項3
の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対して、
各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各ビッ
ト線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワード線
の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を2値とし
て、記憶素子への選択書き込みを行うようにしたので、
単純な電位の設定による選択書き込みにより、書き込み
動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位の
選択書き込みが可能なPROMを提供することができ
る。
【0231】請求項11の発明によれば、上記請求項2
又は4の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対
して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、
各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワ
ード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を2
値として、記憶内容の選択読みだしを行うようにしたの
で、単純な電位の設定による選択読みだしにより、読み
だし動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単
位の選択読みだしが可能なROM又はPROMを提供す
ることができる。
【0232】請求項12の発明によれば、上記請求項4
の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対して、
各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各ビッ
ト線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワード線
の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を3値とし
て、記憶素子の記憶内容の選択書き込み及び選択読みだ
しを行うようにしたので、書き込み及び読みだし動作の
高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位で選択書
き込み,選択読みだしが可能なPROMを提供すること
ができる。
【0233】請求項13の発明によれば、上記請求項4
の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対して、
各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各ビッ
ト線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワード線
の設定電位を3値とし、ビット線の設定電位を2値とし
て、記憶素子の記憶内容の選択書き込み及び選択読みだ
しを行うようにしたので、記請求項12の発明と同様の
効果を得ることができる。
【0234】請求項14の発明によれば、上記請求項5
又は7の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対
して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、
各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワ
ード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を2
値として、記憶内容の選択消去を行うようにしたので、
消去動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単
位で選択消去つまり記憶内容の選択書き換えが可能なP
ROMを提供することができる。
【0235】請求項15の発明によれば、上記請求項6
又は8の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対
して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、
各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワ
ード線の設定電位を3値とし、ビット線の設定電位を3
値として、記憶素子への選択書き込みと,記憶内容の選
択読みだし及び選択消去とを行うようにしたので、各動
作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位で選
択書き込み,選択読みだし及び選択消去が可能なEEP
ROM或いは不揮発のRAMを提供することができる。
【0236】請求項16の発明によれば、上記請求項6
又は8の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対
して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、
各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワ
ード線の設定電位を4値とし、ビット線の設定電位を2
値として、記憶素子への選択書き込みと,記憶内容の選
択読みだし及び選択消去を行うようにしたので、各動作
の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位で選択
書き込み,選択読みだし及び選択消去が可能なEEPR
OM或いは不揮発のRAMを提供することができる。
【0237】請求項17の発明によれば、半導体記憶装
置の記憶素子を、第1導電型の半導体基板と、第2導電
型のドレイン領域と、このドレイン領域と同じ導電型で
ある第2導電型のソース領域と、絶縁膜と、ゲート電極
とで構成し、バンド状態の調整により、ドレイン領域−
ゲート電極間の絶縁膜を不揮発状態で情報を記憶しうる
ように構成したので、ドレイン−ソース間の干渉を容易
に回避しつつ、チャネル長さを短縮することができ、よ
って、集積度の向上と動作の高速化とを図ることができ
る。
【0238】請求項18の発明によれば、上記請求項1
7の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜
を予め“1”状態にしておき、各端子間への印加電圧を
トンネリングは発生するが価電子帯間(又は導電帯間)
の電荷の飛び越えは生じないようにして、ゲート誘導ド
レインリーク電流の値から絶縁膜の記憶状態を読み出す
ようにしたので、非破壊状態で記憶の読出が可能なRO
Mを提供することができる。
【0239】請求項19の発明によれば、上記請求項1
7の発明において、各端子間への印加電圧をトンネリン
グ及び価電子帯間(又は導電帯間)の電荷の飛び越えが
生じるようにして、記憶素子の絶縁膜に電荷をトラップ
させ、“1”状態を書き込むようにしたので、不揮発状
態で記憶の書き込み可能なPROM用素材を提供するこ
とができる。
【0240】請求項20の発明によれば、上記請求項1
9の発明において、記憶素子の記憶内容を非破壊で読み
出すようにしたので、高集積度でかつ高速動作のPRO
Mを提供することができる。
【0241】請求項21の発明によれば、上記請求項1
7の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜
を予め“1”状態にしておき、“1”状態にある記憶素
子のゲート電極に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電
荷を引き抜いて“0”に消去するようにしたので、予め
書き込まれた記憶内容の書き換えが可能なROM等を提
供することができる。
【0242】請求項22の発明によれば、上記請求項2
0の発明において、“1”状態にある記憶素子のゲート
電極に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷を引き抜
いて“0”に消去するようにしたので、記憶の書き込
み,読みだし及び消去可能なEEPROMを提供するこ
とができる。
【0243】請求項23の発明によれば、上記請求項1
7の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜
を予め“1”状態にしておき、“1”状態にある記憶素
子の絶縁膜の両面間に高電界を印加して、FN電流を生
ぜしめ、絶縁膜の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、
電荷の再結合により“0”に消去するようにしたので、
予め書き込まれた記憶内容の書き換えが可能なROM等
を提供することができる。
【0244】請求項24の発明によれば、上記請求項2
0の発明において、“1”状態にある記憶素子の絶縁膜
の両面間に高電界を印加して、FN電流を生ぜしめ、絶
縁膜の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、電荷の再結
合により“0”に消去するようにしたので、記憶の書き
込み,読みだし及び消去可能なEEPROMを提供する
ことができる。
【0245】請求項25の発明によれば、上記請求項1
7記載の発明において、少なくとも1つの記憶素子の絶
縁膜を予め“1”状態にしておき、“1”状態にある記
憶素子のドレイン−ソース間に一定電圧を印加して、チ
ャネル電流によるホットキャリアを生ぜしめ、絶縁膜の
保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、電荷の再結合によ
り“0”に消去するようにしたので、予め書き込まれた
記憶内容の書き換えが可能なROM等を提供することが
できる。
【0246】請求項26の発明によれば、上記請求項2
0の発明において、“1”状態にある記憶素子のドレイ
ン−ソース間に一定電圧を印加して、チャネル電流を生
ぜしめ、絶縁膜の保持電荷とは逆極性の電荷を注入し、
電荷の再結合により“0”に消去するようにしたので、
記憶の書き込み,読みだし及び消去可能なEEPROM
を提供することができる。
【0247】請求項27の発明によれば、上記請求項1
7,22,24又は26の発明おいて、予めすべての記
憶素子の絶縁膜を“1”状態に保持しておくようにした
ので、この状態から消去により“0”書き込みを行い、
再書き込みにより“1”への消去が行われ、“1”状態
と“0”状態との読みだし電流の差から、低消費電力化
を図ることができる。
【0248】請求項28の発明によれば、上記請求項1
9の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対し
て、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各
ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワー
ド線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を2値
として、記憶素子への選択書き込みを行うようにしたの
で、単純な電位の設定による選択書き込みにより、書き
込み動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単
位の選択書き込みが可能なPROMを提供することがで
きる。
【0249】請求項29の発明によれば、上記請求項1
8又は20の発明において、少なくとも4個の記憶素子
に対して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続
し、各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続し
て、ワード線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電
位を2値として、記憶内容の選択読みだしを行うように
したので、単純な電位の設定による選択読みだしによ
り、読みだし動作の高速化と高集積化とを図りつつ、1
ビット単位の選択読みだしが可能なROM又はPROM
を提供することができる。
【0250】請求項30の発明によれば、上記請求項2
0の発明において、少なくとも4個の記憶素子に対し
て、各ワード線に各記憶素子のゲート電極を接続し、各
ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接続して、ワー
ド線の設定電位を2値とし、ビット線の設定電位を3値
として、記憶素子の記憶内容の選択書き込み及び選択読
みだしを行うようにしたので、書き込み及び読みだし動
作の高速化と高集積化とを図りつつ、1ビット単位で選
択書き込み,選択読みだしが可能なPROMを提供する
ことができる。
【0251】請求項31の発明によれば、上記請求項2
2,24又は26の発明において、少なくとも4個の記
憶素子に対して、各ワード線に各記憶素子のゲート電極
を接続し、各ビット線に各記憶素子のドレイン領域を接
続して、ワード線の設定電位を3値とし、ビット線の設
定電位を3値として、記憶素子への選択書き込み及び記
憶内容の選択読みだしと、ワード線単位の部分消去とを
行うようにしたので、各動作の高速化と高集積化とを図
りつつ、1ビット単位で選択書き込み,選択読みだしが
可能でかつワード線単位で部分消去が可能なEEPRO
Mを提供することができる。
【0252】請求項32の発明によれば、上記請求項2
2,24又は26の発明において、少なくとも4個の記
憶素子に対して、上記請求項31の発明における設定電
位とは異なる大小関係で、各ワード線に各記憶素子のゲ
ート電極を接続し、各ビット線に各記憶素子のドレイン
領域を接続して、ワード線の設定電位を3値とし、ビッ
ト線の設定電位を3値として、記憶素子への選択書き込
み及び記憶内容の選択読みだしと、ワード線単位の部分
消去とを行うようにしたので、上記請求項31の発明と
同様の効果を得ることができる。
【0253】請求項33の発明によれば、上記請求項1
又は17の発明において、半導体基板をSiで、絶縁膜
をSiO2 膜で構成したので、半導体装置の製造の容易
化と低コスト化とを図ることができるとともに、良好な
絶縁膜特性を得ることができる。
【0254】請求項34の発明によれば、上記請求項1
又は17の発明において、絶縁膜を多層膜構造としたの
で、高誘電率膜の付加による電気的耐圧の向上と、
“0”状態−“1”状態間の読みだし電流差の拡大によ
る読みだしの容易化,高集積化とを図ることができる。
【0255】請求項35の発明によれば、上記請求項1
又は17の発明において、絶縁膜内フローティングゲー
ト電極を設け、フローティングゲート電極に電荷をトラ
ップさせるようにしたので、“0”状態−“1”状態間
の読みだし電流差の拡大により、上記請求項34の発明
と同様の効果が得られるとともに、絶縁膜の耐久性の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における半導体記憶装置の単位素子
の断面構造及び回路記号を示す図である。
【図2】第1実施例における集積回路のブロック図であ
る。
【図3】第1実施例における“1”書き込み動作(1)
の説明図である。
【図4】“1”書き込み動作(1)における電流−電圧
特性を示す特性図である。
【図5】第1実施例における“1”書き込み動作(2)
の説明図である。
【図6】“1”書き込み動作(2)における電流−電圧
特性を示す特性図である。
【図7】第1実施例における“1”読みだし動作(1)
の説明図である。
【図8】第1実施例における“0”読みだし動作(1)
の説明図である。
【図9】読みだし動作(1)における電流−電圧特性を
示す特性図である。
【図10】読みだし動作(1′)における電流−電圧特
性を示す特性図である。
【図11】第1実施例における“1”読みだし動作
(2)の説明図である。
【図12】第1実施例における“0”読みだし動作
(2)の説明図である。
【図13】読みだし動作(2)における電流−電圧特性
を示す特性図である。
【図14】第1実施例における“0”書き込み動作
(1)の説明図である。
【図15】“0”書き込み動作(1)における電流−電
圧特性を示す特性図である。
【図16】第1実施例における“0”書き込み動作
(2)の説明図である。
【図17】第1実施例における“1”書き込み回路動作
の説明図である。
【図18】第1実施例における読みだし回路動作(1)
の説明図である。
【図19】第1実施例における読みだし回路動作(2)
の説明図である。
【図20】第1実施例における“0”書き込み回路動作
の説明図である。
【図21】第1実施例における“1”書き込み回路動
作,“0”書き込み回路動作及び読みだし(2)回路動
作のタイミングチャート図である。
【図22】第1実施例における読みだし回路動作(1)
のタイミングチャート図である。
【図23】第2実施例における半導体記憶装置の単位素
子の断面構造及び回路記号を示す図である。
【図24】第2実施例における“0”書き込み動作
(3)の説明図である。
【図25】“0”書き込み動作(3)における電流−電
圧特性を示す特性図である。
【図26】第2実施例における“1”書き込み回路動作
の説明図である。
【図27】第2実施例における読みだし回路動作の説明
図である。
【図28】第2実施例における“0”書き込み回路動作
(3)の説明図である。
【図29】第2実施例における“1”書き込み回路動
作,“0”書き込み回路動作及び読みだし(2)回路動
作のタイミングチャート図である。
【図30】従来のフラッシュ型EEPROMの断面構造
及び回路配線構造を示す図である。
【図31】従来の別導電型ドレイン−ソース構造による
半導体記憶装置の断面構造及び領域間の干渉を示す断面
図である。
【図32】従来の別導電型ドレイン−ソース構造による
半導体記憶装置の領域間の干渉を示す平面図である。
【図33】従来の絶縁膜へのイオン注入による半導体記
憶装置の断面構造及び電流−電圧特性を示す図である。
【符号の説明】 1 半導体基板 2 ゲート酸化膜(絶縁膜) 3 ゲート電極 4 ソース領域 5 ドレイン領域
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図32
【補正方法】変更
【補正内容】
【図32】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11C 16/04 H01L 27/115 8831−4M H01L 27/10 434

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板上に、該半導体
    基板表面に選択的に形成された第2導電型のドレイン領
    域と、該ドレイン領域の端部の少なくとも一部と重なる
    ように上記半導体基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁
    膜上に形成されたゲート電極とからなる記憶素子が設け
    られ、 上記ドレイン領域を含む半導体側における伝導帯と価電
    子帯とのバンドギャップが、ドレイン領域−ゲート電極
    間の第1設定電圧差に相当するギャップ値以下の値に、
    かつ上記半導体側と絶縁膜との界面における絶縁膜の価
    電子帯と半導体側の価電子帯とのバンドギャップ又は絶
    縁膜の伝導帯と半導体側の伝導帯とのバンドギャップ
    が、ゲート電極の電位に応じて変化するドレイン領域−
    半導体基板間の第2設定電圧差に相当するギャップ値に
    設定され、上記絶縁膜は、電荷の保持により不揮発状態
    で情報を記憶可能に設けられていることを特徴とする半
    導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体記憶装置におい
    て、 少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜が予め電荷をトラッ
    プした“1”状態であるとともに、 上記ドレイン領域−ゲート電極間に上記第1設定電圧差
    以上の電圧を印加し、かつ上記ドレイン領域−半導体基
    板間に上記第2設定電圧差よりも低い電圧を印加して、
    ゲート誘導ドレインリーク電流値に基づいて、記憶内容
    を読み出す読出手段を備えたことを特徴とする半導体記
    憶装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体記憶装置におい
    て、 上記ドレイン領域−ゲート電極間に上記第1設定電圧差
    以上の電圧を印加し、かつ上記ドレイン領域−半導体基
    板間に上記第2設定電圧差以上の電圧を印加して、ゲー
    ト誘導ドレインリーク電流を発生させることにより、上
    記絶縁膜に電荷をトラップさせて“1”状態にする書込
    手段を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体記憶装置におい
    て、 上記ドレイン領域−ゲート電極間に上記第1設定電圧差
    以上の電圧を印加し、かつ上記ドレイン領域−半導体基
    板間に上記第2設定電圧差よりも低い電圧を印加して、
    ゲート誘導ドレインリーク電流値に基づいて、記憶内容
    を読み出す読出手段を備えたことを特徴とする半導体記
    憶装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体記憶装置におい
    て、 少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜が予め電荷をトラッ
    プした“1”状態であるとともに、 電荷を保持した“1”状態にある記憶素子のゲート電極
    −半導体側間に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷
    を引き抜くことにより、絶縁膜を“0”状態にする消去
    手段を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の半導体記憶装置におい
    て、 電荷を保持した“1”状態にある記憶素子のゲート電極
    −半導体側間に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷
    を引き抜くことにより、絶縁膜を“0”状態にする消去
    手段を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の半導体記憶装置におい
    て、 少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜が予め電荷をトラッ
    プした“1”状態であるとともに、 電荷を保持した“1”状態にある記憶素子の絶縁膜の両
    面間に高電界を印加し、FN電流を生ぜしめて、保持電
    荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜内に注入することによ
    り、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を備えたことを
    特徴とする半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の半導体記憶装置におい
    て、 電荷を保持した“1”状態にある記憶素子の絶縁膜の両
    面間に高電界を印加し、FN電流を生ぜしめて、保持電
    荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜内に注入することによ
    り、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を備えたことを
    特徴とする半導体記憶装置。
  9. 【請求項9】 請求項1,6又は8記載の半導体記憶装
    置において、 すべての記憶素子の絶縁膜は、当初は予め電荷がトラッ
    プされた“1”状態であることを特徴とする半導体記憶
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の半導体記憶装置におい
    て、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 書込手段は、選択ワード線電位Vkcw ,非選択ワード線
    電位Vknw,選択ビット線電位Vkcb 及び非選択ビット
    線電位Vknb について、P型基板ではVkcw <Vknw か
    つVknb <Vkcb に、N型基板ではVkcw >Vknw かつ
    Vknb>Vkcbに設定し、ワード線の設定電位を2値にビ
    ット線の設定電位を2値にして、記憶内容を選択的に書
    き込むことを特徴とする半導体記憶装置。
  11. 【請求項11】 請求項2又は4記載の半導体記憶装置
    において、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 読出手段は、選択ワード線電位Vycw ,非選択ワード線
    電位Vynw,選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット
    線電位Vynb について、P型基板ではVycw <Vynw か
    つVynb <Vycb に、N型基板ではVycw >Vynw かつ
    Vynb>Vycbに設定し、ワード線の設定電位を2値にビ
    ット線の設定電位を2値にして、記憶内容を選択的に読
    み出すことを特徴とする半導体記憶装置。
  12. 【請求項12】 請求項4記載の半導体記憶装置におい
    て、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 書込手段及び読出手段は、書込時の選択ワード線電位V
    kcw ,書込時の非選択ワード線電位Vknw ,読出時の選
    択ワード線電位Vycw 及び読出時の非選択ワード線電位
    Vynw ,書込時の選択ビット線電位Vkcb ,書込時の非
    選択ビット線電位Vknb ,読出時の選択ビット線電位V
    ycb 及び読出時の非選択ビット線電位Vynb について、
    P型基板では、Vkcw =Vycw <Vknw =Vynw 、かつ
    Vknb =Vynb <Vycb <Vkcb に、N型基板では、V
    kcw =Vycw >Vknw =Vynw 、かつVknb =Vynb >
    Vycb >Vkcb に設定し、ワード線の設定電位を2値に
    ビット線の設定電位を3値にして、選択的に書き込み,
    読み出しを行うことを特徴とする半導体記憶装置。
  13. 【請求項13】 請求項4記載の半導体記憶装置におい
    て、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 書込手段及び読出手段は、書込時の選択ワード線電位V
    kcw ,書込時の非選択ワード線電位Vknw ,読出時の選
    択ワード線電位Vycw 及び読出時の非選択ワード線電位
    Vynw ,書込時の選択ビット線電位Vkcb ,書込時の非
    選択ビット線電位Vknb ,読出時の選択ビット線電位V
    ycb 及び読出時の非選択ビット線電位Vynb について、
    P型基板では、Vkcw <Vknw =Vycw <Vynw ,かつ
    Vknb =Vynb <Vkcb =Vycb に、N形基板では、V
    kcw >Vknw =Vycw >Vynw ,かつVknb =Vynb >
    Vkcb =Vycb に設定し、ワード線の設定電位を3値に
    ビット線の設定電位を2値にして、選択的に書き込み,
    読み出しを行うことを特徴とする半導体記憶装置。
  14. 【請求項14】 請求項5又は7記載の半導体記憶装置
    において、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 消去手段は、選択ワード線電位Vscw ,非選択ワード線
    電位Vsnw,選択ビット線電位Vscb 及び非選択ビット
    線電位Vsnb について、P型基板ではVscw >Vsnw か
    つVsnb >Vscb に、N型基板ではVscw <Vsnw かつ
    Vsnb<Vscbに設定し、ワード線の設定電位を2値にビ
    ット線の設定電位を2値にして、記憶内容を選択的に消
    去することを特徴とする半導体記憶装置。
  15. 【請求項15】 請求項6又は8記載の半導体記憶装置
    において、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 書込手段,読出手段及び消去手段は、書込時の選択ワー
    ド線電位Vkcw 及び非選択ワード線電位Vknw ,読出時
    の選択ワード線電位Vycw及び非選択ワード線電位Vynw
    ,消去時の選択ワード線電位Vscw 及び非選択ワード
    線電位Vsnw ,書込時の選択ビット線電位Vkcb 及び非
    選択ビット線電位Vknb ,読出時の選択ビット線電位V
    ycb 及び非選択ビット線電位Vynb ,並びに消去時の選
    択ビット線電位Vscb 及び非選択ビット線Vsnb につい
    て、P型基板では、Vkcw =Vycw <Vknw =Vynw =
    Vsnw <Vscw 、かつVknb =Vynb =Vscb <Vycb
    <Vkcb =Vsnb に、N型基板では、Vkcw =Vycw >
    Vknw =Vynw =Vsnw >Vscw 、かつVknb =Vynb
    =Vscb >Vycb >Vkcb =Vsnb に設定し、ワード線
    の設定電位を3値にビット線の設定電位を3値として、
    選択的に書き込み,読み出し及び消去を行うことを特徴
    とする半導体記憶装置。
  16. 【請求項16】 請求項6又は8記載の半導体記憶装置
    において、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 書込手段,読出手段及び消去手段は、書込時の選択ワー
    ド線電位Vkcw 及び非選択ワード線電位Vknw ,読出時
    の選択ワード線電位Vycw及び非選択ワード線電位Vynw
    ,消去時の選択ワード線電位Vscw 及び非選択ワード
    線電位Vsnw ,書込時の選択ビット線電位Vkcb 及び非
    選択ビット線電位Vknb ,読出時の選択ビット線電位V
    ycb 及び非選択ビット線電位Vynb ,並びに消去時の選
    択ビット線電位Vscb 及び非選択ビット線Vsnb につい
    て、P型基板では、Vkcw <Vknw =Vycw =Vsnw <
    Vynw <Vscw ,かつVknb =Vynb =Vscb <Vkcb
    =Vycb =Vsnb に、N型基板では、Vkcw >Vknw =
    Vycw =Vsnw >Vynw >Vscw ,かつVknb =Vynb
    =Vscb >Vkcb =Vycb =Vsnb に設定し、ワード線
    の設定電位を4値にビット線の設定電位を2値にして、
    選択的に書き込み,読み出し及び消去を行うことを特徴
    とする半導体記憶装置。
  17. 【請求項17】 第1導電型の半導体基板上に、上記半
    導体基板表面に選択的に形成された第2導電型のドレイ
    ン領域と、該ドレイン領域とは所定の距離を隔てて半導
    体基板表面に選択的に形成された第2導電型のソース領
    域と、上記ドレイン領域の端部の少なくとも一部と重な
    り、かつ上記ソース領域の端部に亘るように上記半導体
    基板上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成された
    ゲート電極とからなる記憶素子が設けられ、 上記ドレイン領域を含む半導体側における伝導帯と価電
    子帯とのバンドギャップが、ドレイン領域−ゲート電極
    間の第1設定電圧差に相当するギャップ値以下の値に、
    かつ上記半導体側と絶縁膜との界面における絶縁膜の価
    電子帯と半導体側の価電子帯とのバンドギャップ又は絶
    縁膜の伝導帯と半導体側の伝導帯とのバンドギャップ
    が、ゲート電極の電位に応じて変化するドレイン領域−
    半導体基板間の第2設定電圧差に相当するギャップ値に
    設定され、上記絶縁膜は、電荷の保持により不揮発状態
    で情報を記憶可能に設けられていることを特徴とする半
    導体記憶装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の半導体記憶装置にお
    いて、 少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜が予め電荷をトラッ
    プした“1”状態であるとともに、 ドレイン領域−ゲート電極間に上記第1設定電圧差以上
    の電圧を印加し、かつ上記ドレイン領域−半導体基板間
    に上記第2設定電圧差よりも低い電圧を印加して、ゲー
    ト誘導ドレインリーク電流値に基づいて、記憶内容を読
    み出す読出手段を備えたことを特徴とする半導体記憶装
    置。
  19. 【請求項19】 請求項17記載の半導体記憶装置にお
    いて、 ドレイン領域−ゲート電極間に上記第1設定電圧差以上
    の電圧を印加し、かつ上記ドレイン領域−半導体基板間
    に上記第2設定電圧差以上の電圧を印加して、ゲート誘
    導ドレインリーク電流を発生させることにより、上記絶
    縁膜に電荷をトラップさせて“1”状態にする書込手段
    を備えたことを特徴とする半導体記憶装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の半導体記憶装置にお
    いて、 ゲート電極に所定の電圧を印加し、かつ上記ドレイン領
    域−半導体基板間に上記第2設定電圧差よりも低い電圧
    を印加して、ゲート誘導ドレインリーク電流値に基づい
    て、記憶内容を読み出す読出手段を備えたことを特徴と
    する半導体記憶装置。
  21. 【請求項21】 請求項17記載の半導体記憶装置にお
    いて、 少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜が予め電荷をトラッ
    プした“1”状態であるとともに、 電荷を保持した“1”状態にある記憶素子のゲート電極
    に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷を引き抜くこ
    とにより、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を備えた
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  22. 【請求項22】 請求項20記載の半導体記憶装置にお
    いて、 電荷を保持した“1”状態にある記憶素子のゲート電極
    に所定の電圧を印加して、絶縁膜から電荷を引き抜くこ
    とにより、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を備えた
    ことを特徴とする半導体記憶装置。
  23. 【請求項23】 請求項17記載の半導体記憶装置にお
    いて、 少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜が予め電荷をトラッ
    プした“1”状態であるとともに、 電荷を保持した“1”状態にある記憶素子の絶縁膜の両
    面間に高電界を印加し、FN電流を生ぜしめて、保持電
    荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜に注入することによ
    り、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を備えたことを
    特徴とする半導体記憶装置。
  24. 【請求項24】 請求項20記載の半導体記憶装置にお
    いて、 電荷を保持した“1”状態にある記憶素子の絶縁膜の両
    面間に高電界を印加し、FN電流を生ぜしめて、保持電
    荷とは逆極性の電荷を上記絶縁膜内に注入することによ
    り、絶縁膜を“0”状態にする消去手段を備えたことを
    特徴とする半導体記憶装置。
  25. 【請求項25】 請求項17記載の半導体記憶装置にお
    いて、 少なくとも1つの記憶素子の絶縁膜が予め電荷をトラッ
    プした“1”状態であるとともに、 ゲート電極を所定電位にしてドレイン領域−ソース領域
    間に一定電圧を印加して、ドレイン−ソース間電流によ
    って生じた,保持電荷とは逆極性のホットキャリアを上
    記絶縁膜内に注入することにより、絶縁膜を“0”状態
    にする消去手段を備えたことを特徴とする半導体記憶装
    置。
  26. 【請求項26】 請求項20記載の半導体記憶装置にお
    いて、 ゲート電極を所定電位にしてドレイン領域−ソース領域
    間に一定電圧を印加し、ドレイン−ソース間電流によっ
    て生じた,保持電荷とは逆極性のホットキャリアを上記
    絶縁膜内に注入することにより、絶縁膜を“0”状態に
    する消去手段を備えたことを特徴とする半導体記憶装
    置。
  27. 【請求項27】 請求項17,22,24又は26記載
    の半導体記憶装置において、 すべての記憶素子の絶縁膜は、当初は予め電荷がトラッ
    プされた“1”状態であることを特徴とする半導体記憶
    装置。
  28. 【請求項28】 請求項19記載の半導体記憶装置にお
    いて、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 書込手段は、選択ワード線電位Vkcw ,非選択ワード線
    電位Vknw,選択ビット線電位Vkcb 及び非選択ビット
    線電位Vknb について、P型基板ではVkcw <Vknw か
    つVknb <Vkcb に、N型基板ではVkcw >Vknw かつ
    Vknb>Vkcbに設定し、ワード線の設定電位を2値にビ
    ット線の設定電位を2値にして、記憶内容を選択的に書
    き込むことを特徴とする半導体記憶装置。
  29. 【請求項29】 請求項18又は20記載の半導体記憶
    装置において、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 読出手段は、選択ワード線電位Vycw ,非選択ワード線
    電位Vynw,選択ビット線電位Vycb 及び非選択ビット
    線電位Vynb について、P型基板ではVycw <Vynw か
    つVynb <Vycb に、N型基板ではVycw >Vynw かつ
    Vynb>Vycbに設定し、ワード線の設定電位を2値にビ
    ット線の設定電位を2値にして、記憶内容を選択的に読
    み出すことを特徴とする半導体記憶装置。
  30. 【請求項30】 請求項20記載の半導体記憶装置にお
    いて、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 書込手段及び読出手段は、書込時の選択ワード線電位V
    kcw ,書込時の非選択ワード線電位Vknw ,読出時の選
    択ワード線電位Vycw 及び読出時の非選択ワード線電位
    Vynw ,書込時の選択ビット線電位Vkcb ,書込時の非
    選択ビット線電位Vknb ,読出時の選択ビット線電位V
    ycb 及び読出時の非選択ビット線電位Vynb について、
    P型基板では、Vkcw =Vycw <Vknw =Vynw 、かつ
    Vknb =Vynb <Vycb <Vkcb に、N型基板では、V
    kcw =Vycw >Vknw =Vynw 、かつVknb =Vynb >
    Vycb >Vkcb に設定し、ワード線の設定電位を2値に
    ビット線の設定電位を3値にして、選択的に書き込み,
    読み出しを行うことを特徴とする半導体記憶装置。
  31. 【請求項31】 請求項22,24又は26記載の半導
    体記憶装置において、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 書込手段,読出手段及び消去手段は、書込時の選択ワー
    ド線電位Vkcw 及び非選択ワード線電位Vknw ,読出時
    の選択ワード線電位Vycw及び非選択ワード線電位Vynw
    ,消去時の選択ワード線電位Vscw 及び非選択ワード
    線電位Vsnw ,書込時の選択ビット線電位Vkcb 及び非
    選択ビット線電位Vknb ,読出時の選択ビット線電位V
    ycb 及び非選択ビット線電位Vynb ,並びに消去時の選
    択ビット線電位Vscb 及び非選択ビット線Vsnb につい
    て、P型基板では、Vkcw =Vycw <Vknw =Vynw =
    Vsnw <Vscw 、かつVknb =Vynb =Vscb =Vsnb
    <Vycb <Vkcb に、N型基板では、Vkcw =Vycw >
    Vknw =Vynw =Vsnw >Vscw 、かつVknb =Vynb
    =Vscb =Vsnb >Vycb >Vkcb に設定し、ワード線
    の設定電位を3値にビット線の設定電位を3値にして、
    選択的に書き込み,読み出し、かつ同一ワード線に接続
    される全記憶素子の記憶情報を同時に消去することを特
    徴とする半導体記憶装置。
  32. 【請求項32】 請求項22,24又は26記載の半導
    体記憶装置において、 記憶素子は少なくとも4個設けられており、 少なくとも2本のワード線と少なくとも2本のビット線
    とを備え、上記各ワード線には少なくとも2個の記憶素
    子のゲート電極が接続され、上記各ビット線には少なく
    とも2個の記憶素子のドレイン領域が接続されていると
    ともに、 書込手段,読出手段及び消去手段は、書込時の選択ワー
    ド線電位Vkcw 及び非選択ワード線電位Vknw ,読出時
    の選択ワード線電位Vycw及び非選択ワード線電位Vynw
    ,消去時の選択ワード線電位Vscw 及び非選択ワード
    線電位Vsnw ,書込時の選択ビット線電位Vkcb 及び非
    選択ビット線電位Vknb ,読出時の選択ビット線電位V
    ycb 及び非選択ビット線電位Vynb ,並びに消去時の選
    択ビット線電位Vscb 及び非選択ビット線Vsnb につい
    て、P型基板では、Vkcw =Vycw <Vknw =Vsnw =
    Vynw <Vscw ,かつVknb =Vynb <Vycb <Vkcb
    =Vscb =Vsnb に、N型基板では、Vkcw =Vycw >
    Vknw =Vsnw =Vynw >Vscw ,かつVknb =Vynb
    >Vycb >Vkcb =Vscb =Vsnb に設定し、ワード線
    の設定電位を3値にビット線の設定電位を3値にして、
    選択的に書き込み,読み出し、かつ全ワード線に接続さ
    れた記憶素子の記憶内容を消去することを特徴とする半
    導体記憶装置。
  33. 【請求項33】 請求項1又は17記載の半導体記憶装
    置において、 半導体基板はSiからなり、絶縁膜はSiO2 膜からな
    ることを特徴とする半導体記憶装置。
  34. 【請求項34】 請求項1又は17記載の半導体記憶装
    置において、 絶縁膜は多層膜からなることを特徴とする半導体記憶装
    置。
  35. 【請求項35】 請求項1又は17記載の半導体記憶装
    置において、 絶縁膜内には、フローティングゲート電極が設けられ、
    該フローティングゲート電極は電荷をトラップするよう
    に構成されていることを特徴とする半導体記憶装置。
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