JPH05120511A - 硬貨選別装置 - Google Patents

硬貨選別装置

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JPH05120511A
JPH05120511A JP3281355A JP28135591A JPH05120511A JP H05120511 A JPH05120511 A JP H05120511A JP 3281355 A JP3281355 A JP 3281355A JP 28135591 A JP28135591 A JP 28135591A JP H05120511 A JPH05120511 A JP H05120511A
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coins
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Mikio Suzuki
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信頼性の高い硬貨選別装置を提供する。 【構成】 硬貨搬送通路上に位置する第一位置と、硬貨
搬送通路上に位置していない第二位置との間を自在に移
行する傾斜面を設け、金種に応じてこの傾斜面を第一位
置または第二位置に移行して硬貨の選別を行う。 【目的】 選別動作を停止することなく、確実な金種毎
の選別を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は異なる金種が混合してい
る複数の硬貨を金種毎に選別する硬貨選別装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の硬貨選別装置としては、例え
ば、米国特許第4,681,204号または特公表昭6
4−500380号公報に記載のものがある。米国特許
第4,681,204号に記載の硬貨選別装置は、搬送
されてくる硬貨の方向をわずかに変える硬貨搬送方向偏
向装置を有している。所望の硬貨が搬送されてきた場合
には、その硬貨はその搬送方向を変更されることなく硬
貨搬送ベルトにより所定の硬貨集積容器まで搬送され
る。一方、所望の硬貨以外の硬貨が搬送されてきた場合
には、硬貨搬送方向偏向装置が作動し、搬送されてきた
硬貨の搬送方向をわずかに偏向させ、硬貨が硬貨搬送通
路上に設けられている選別孔に落下するようにする。こ
のようにして、硬貨は二つの金種に選別される。
【0003】特公表昭64−500380号公報記載の
硬貨選別装置は、硬貨搬送通路上に設けられた複数の溝
を有しており、この溝は硬貨搬送ベルトが延びる方向と
は別の方向に延びている。所望の硬貨が搬送されてきた
場合には、その硬貨はその搬送方向を変更されることな
く硬貨搬送ベルトにより所定の硬貨集積容器まで搬送さ
れる。一方、所望の硬貨以外の硬貨が搬送されてきた場
合には、溝の開始地点付近に設けられたピンが硬貨搬送
通路の下方から硬貨搬送通路上方に突出し、搬送されて
きた硬貨の搬送方向を変える。この結果、搬送されてき
た硬貨はその一端が溝に落ち込み、その状態のまま硬貨
搬送ベルトにより、溝の延びる方向に溝に沿って搬送さ
れる。このようにして、硬貨は二つの金種に選別され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記米国特許に記載さ
れている硬貨選別装置においては、偏向装置と選別孔と
が距離的に離間しており、さらに、硬貨は単一平面上を
搬送されるため、偏向装置により搬送方向を変えられた
硬貨が搬送ベルトのたわみによる影響を受けて、搬送方
向偏向前の位置に戻され、選別孔に落下しないおそれが
ある。
【0005】また、選別孔への硬貨の落下は自由落下で
あり、しかも、大径の硬貨ほど選別孔への落下時に大き
く傾斜するので、落下を促進するための特別なガイド機
構が一般的に必要であるが、このようなガイド機構を設
けることは硬貨選別装置を複雑化する。前記公表公報記
載の硬貨選別装置においては、硬貨の一端を溝に落とし
た状態のまま、すなわち硬貨が斜めになった状態のまま
硬貨搬送ベルトにより搬送するので、硬貨と硬貨搬送ベ
ルトとの間の接触面積は、硬貨を平面上において硬貨搬
送ベルトにより搬送する場合に比較して小さい。このた
め、処理速度が高速になればなるほど、硬貨搬送ベルト
と硬貨との間にスリップが生じ、硬貨搬送がうまく行わ
れないことは容易に推測できる。特に、搬送されてくる
硬貨の外径や、偏向装置に到達した時点における硬貨の
位置によっては、スリップを生じる程度が大きくなって
硬貨搬送に支障を生じたり、あるいは硬貨が溝にうまく
落ちなかったりするおそれがある。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のである。前述の硬貨選別装置における問題点の原因と
考えられる硬貨搬送通路に設けられた選別孔や溝を設け
ることなく、信頼性がより高く、構造がより簡単な硬貨
選別装置を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係る第一の態様の硬貨選別装置は、従来の
硬貨選別装置に改良を加え、硬貨搬送通路上に出没自在
の傾斜面を設ける。すなわち、本発明に係る硬貨選別装
置は、異なる金種が混合した複数の硬貨を受け入れ、該
硬貨を一枚ずつ送り出す硬貨送り出し手段と、該硬貨送
り出し手段から延びている硬貨搬送通路と、該硬貨搬送
通路と直角をなし、硬貨搬送方向に延びる直立壁を有す
る基準レールと、硬貨送り出し手段から送り出された硬
貨を上方から硬貨搬送通路に押しつけ、直立壁にほぼ沿
わせて硬貨を搬送する硬貨搬送ベルトと、硬貨搬送ベル
トにより搬送されてきた硬貨を金種に応じて第一の群と
第二の群とに判別する硬貨判別手段と、硬貨判別手段の
判別結果に応じて、第一の群の硬貨が落下する第一選別
孔と第二の群の硬貨が落下する第二選別孔とを備える従
来形式の硬貨選別装置において、硬貨搬送方向上流側か
ら下流側に向かって上り勾配を有する傾斜面を備える。
この傾斜面は、硬貨搬送通路上において直立壁のほぼ延
長線上に位置する第一位置と、硬貨搬送通路上には位置
しない第二位置との間を移動可能である。本発明に係る
硬貨選別装置は、さらに、傾斜面の頂点と同じ高さ乃至
わずかに低い高さを有し、傾斜面と連続して第一選別孔
まで延びている平面部と、傾斜面から第二選別孔の方向
に延びている曲線状端面とを有する硬貨案内部材を備え
る。さらに、本発明に係る硬貨選別装置は、硬貨判別手
段の判別結果に応じて、第一の群の硬貨が搬送されてき
たときには傾斜面を第一位置に、第二の群の硬貨が搬送
されてきたときには傾斜面を第二位置に移行させる制御
手段を備える。
【0008】また、本発明に係る第二の態様の硬貨選別
装置は、前述の従来形式の硬貨選別装置において、硬貨
搬送方向上流側から下流側に向かって上り勾配を有する
傾斜面を備える。この傾斜面は、硬貨搬送通路上におい
て基準レールのほぼ延長線上に位置する第一位置と、硬
貨搬送方向から外れる第二位置との間を移行可能であ
る。本発明に係る硬貨選別装置は、さらに、硬貨搬送通
路内に突出していない第一位置と、硬貨搬送通路内に突
出する第二位置との間を移行可能な硬貨搬送方向変換手
段と、傾斜面の頂点と同じ高さ乃至わずかに低い高さを
有し、傾斜面と連続して第一選別孔まで延びている平面
部と、第一位置にあるときの傾斜面から第二選別孔の方
向に延びている曲線状端面とを有する硬貨案内部材とを
備える。傾斜面と硬貨搬送方向変換手段は制御手段によ
り作動が制御される。この制御手段は、硬貨判別手段の
判別結果に応じて、第一の群の硬貨が搬送されてきたと
きには傾斜面及び硬貨搬送方向変換手段を各々の第一位
置に、第二の群の硬貨が搬送されてきたときには傾斜面
及び硬貨搬送方向変換手段を各々の第二位置に移行させ
る。
【0009】本発明の好ましい実施態様においては、傾
斜面はロータリーソレノイドの円形出力軸の一方の半円
部分に形成され、他方の半円部分が前記硬貨搬送方向変
換手段をなす。本発明の好ましい実施態様においては、
硬貨が搬送されてきたことを検知し、制御手段に検知信
号を送るセンサが傾斜面または硬貨搬送方向変換手段の
上流側に設けられる。
【0010】本発明の好ましい実施態様においては、傾
斜面及び硬貨搬送方向変換手段は、第一の群の硬貨が連
続して搬送されてきたときには、次の第二の群の硬貨が
搬送されてくるまで第一位置にとどめておかれる。本発
明の好ましい実施態様においては、硬貨選別装置は、傾
斜面または硬貨搬送方向変換手段とほぼ対向して配置さ
れ、硬貨搬送通路上に突出する円錐形凸部を有する第二
硬貨案内部材を備え、該第二硬貨案内部材の円錐形凸部
の周囲と直立壁との間の最短距離は該硬貨選別装置が処
理する硬貨のうちの最小直径硬貨の直径よりも小さく設
定される。
【0011】本発明の好ましい実施態様においては、第
二硬貨案内部材の円錐形凸部の中心は硬貨搬送方向にお
いて硬貨搬送方向変換手段と同位置または硬貨搬送方向
変換手段よりも下流にある。本発明の好ましい実施態様
においては、第二硬貨案内部材の円錐形凸部はその中心
軸の回りに回転可能である。
【0012】本発明の好ましい実施態様においては、第
二硬貨案内部材は弾性体から形成される。本発明の好ま
しい実施態様においては、硬貨案内部材の曲線状端面は
円弧をなしており、この円弧は第二硬貨案内部材の円錐
形凸部の周面が形成する円弧と同心円の関係にある。
【0013】また、本発明に係る第一または第二の態様
の硬貨選別装置を硬貨搬送方向に直列に複数個配置する
ことにより各金種毎に硬貨を選別することができる硬貨
選別装置を形成することもできる。
【0014】
【作用】第一の態様の硬貨選別装置においては、第一群
の硬貨が搬送されてくると、制御手段によって傾斜面は
その第一位置に位置するように制御される。このため、
搬送されてきた第一群の硬貨は基準レール側の一端が傾
斜面に乗り上げる。硬貨は硬貨搬送ベルトにより上方か
ら押さえられているので、硬貨は硬貨搬送ベルトによっ
てそのまま傾斜面を上昇する。傾斜面を上りきった後、
硬貨は硬貨案内部材の平面部に沿って搬送され、第一選
別孔に落下する。
【0015】一方、第二群の硬貨が搬送されてくると、
制御手段によって傾斜面はその第二位置に位置するよう
に制御される。このため、前述の場合と異なり、搬送さ
れてきた硬貨は傾斜面に乗り上げることなく、硬貨搬送
通路上を硬貨案内部材の曲線状端面に沿って硬貨搬送ベ
ルトによって搬送される。硬貨案内部材の曲線状端面は
第二選別孔の方向に延びているので、第二群の硬貨は第
二選別孔に導かれる。このようにして、硬貨は第一の群
と第二の群の二つの金種に選別される。
【0016】第二の態様の硬貨選別装置においては、第
一群の硬貨が搬送されてくると、制御手段によって傾斜
面と硬貨搬送方向変換手段は各々の第一位置にあるよう
に制御される。すなわち、この状態では、傾斜面のみが
硬貨搬送通路上に位置している。このため、搬送されて
きた第一群の硬貨はその一端が傾斜面に乗り上げる。硬
貨は硬貨搬送ベルトにより上方から押さえられているの
で、硬貨は硬貨搬送ベルトによってそのまま傾斜面を上
昇する。傾斜面を上りきった後、硬貨は硬貨案内部材の
平面部に沿って搬送され、第一選別孔に落下する。
【0017】一方、第二群の硬貨が搬送されてくると、
制御手段によって傾斜面及び硬貨搬送方向変換手段は各
々の第二位置に変位する。すなわち、この状態では、硬
貨搬送方向変換手段のみが硬貨搬送通路内に突出してい
る。このため、硬貨搬送ベルトにより搬送されてきた第
二群の硬貨は硬貨搬送方向変換手段に接触してその搬送
方向が基準レールから離れる方向にずらされる。硬貨は
硬貨搬送ベルトにより搬送されているので、搬送方向を
ずらされた硬貨は硬貨搬送通路上を硬貨案内部材の曲線
状端面に沿って硬貨搬送ベルトによって搬送され続け
る。硬貨案内部材の曲線状端面は第二選別孔の方向に延
びているので、この第二群の硬貨は第二選別孔に導かれ
る。このようにして、硬貨は第一の群と第二の群の二つ
の金種に選別される。
【0018】また、第一または第二の態様に係る硬貨選
別装置を硬貨搬送方向に直列に複数硬貨配置することに
よって、複数の金種が混合している複数の硬貨を各金種
毎に選別する全金種選別装置を形成することができる。
【0019】
【実施例】図1及び図2に本発明に係る硬貨選別装置1
を示す。図1は上方から見た平面図、図2は図1に示す
硬貨選別装置1を側方から見た側面図である。硬貨選別
装置1は硬貨送り出し手段として時計方向に回転可能な
回転円盤21を備える。この回転円盤21はその周囲に
沿って回転円盤の上面に適当な支持手段(図示せず)に
より取り付けられた周壁22を有する。周壁22と連続
して分別環23が設けられており、この分別環23は回
転円盤21との間に最大厚さの硬貨の厚さよりもやや大
きい隙間を形成している。さらに、周壁22と連続する
円弧状側面24を有する硬貨ガイド板25が回転円盤2
1の周囲に配置されている。
【0020】回転円盤21と連続して、回転円盤21と
同じ高さに硬貨搬送通路3が形成されており、回転円盤
21に供給された硬貨は回転円盤21からこの硬貨搬送
通路3に送り出される。硬貨搬送通路3上には基準レー
ル4と硬貨搬送ベルト5とが配置されている。基準レー
ル4には、硬貨搬送通路3と直角に形成され、硬貨搬送
方向に延びる直立壁41が設けられている。後述するよ
うに、回転円盤21から送り出された硬貨はこの直立壁
41に端部をほぼ沿わせて搬送される。基準レール4の
回転円盤21側の端部には、硬貨ガイド板25の周端よ
り硬貨搬送方向の下流側に位置するように、回転自在の
基準ローラー42が取り付けられている。この基準ロー
ラー42の回転中心軸は硬貨搬送通路3と直角であり、
基準ローラー42の下面は回転円盤21とほぼ重なるよ
うに取り付けられている。
【0021】硬貨搬送ベルト5は二つのローラー51、
52に架け渡されており、図2の矢印Xの方向に駆動さ
れる。硬貨搬送ベルト5は回転円盤21から送り出され
た硬貨を上方から硬貨搬送通路3に押し付け、かつ硬貨
の端部が直立壁41にほぼ接した状態になるようにして
硬貨を矢印Xの方向に搬送する。ここで、硬貨の端部が
直立壁41にほぼ接した状態とは、図3(A)または図
10に示すように、基準レール4から距離Bの範囲内に
硬貨の一端が位置しているような状態である。ここで、
距離Bとは後述する傾斜面76が基準レール4から硬貨
搬送通路3に突出している距離である。硬貨搬送ベルト
5はさらに後述する硬貨搬送方向変換器7にほぼ対向し
た位置において押さえローラー53によりベルトの張力
が付加されている。
【0022】硬貨搬送ベルト5が形成するループの中に
配置された硬貨判別手段としての硬貨判別器6は、硬貨
の外径または硬貨の磁気的性質を検知することによっ
て、硬貨搬送ベルト5により搬送されてきた硬貨が取り
出したい金種(例えば、100円)の硬貨(以下「指定
硬貨」と呼ぶ)であるか、または、それ以外の金種(1
円、5円、10円、50円、または500円)の硬貨
(以下「非指定硬貨」と呼ぶ)であるかを判別し、判別
結果に応じた判別信号を発する。すなわち、搬送されて
きた硬貨が指定硬貨である場合には信号S1を発し、非
指定硬貨である場合には信号S2を発する。これらの信
号S1、S2は後述する制御回路12に送られる。
【0023】基準レール4の終端付近には硬貨搬送方向
変換器7が設けられている。図2に示すように、硬貨搬
送方向変換器7は、上下方向に移動可能なプランジャー
71を備えた電磁ソレノイド72と、ほぼ三角形形状を
なしているプレート73とを有する。プレート73はピ
ン74を中心として枢動可能であり、その頂点部分75
が硬貨搬送通路3よりも上方に突出するような第一位置
(図2の実線に示す位置)と、頂点部分75が硬貨搬送
通路3の下方に完全に下がるような第二位置(図2の破
線に示す位置)の二つの位置を取り得る。第一位置にお
いては、プレート73の頂点部分75は硬貨搬送通路3
に形成されている長方形状の孔31から突出し、硬貨搬
送方向の上流側から下流側に向かって上り勾配を有する
傾斜面76を形成する。プランジャー71は常態におい
てはバネ77の付勢力によって図2の上方に付勢されて
おり、電磁ソレノイド72が励磁されると、プランジャ
ー71はバネ77の付勢力に打ち勝って電磁ソレノイド
72に吸着される。プレート73はピン78により枢動
自在にプランジャー71と連結しており、電磁ソレノイ
ド72が非励磁状態にあるときは第一位置に、電磁ソレ
ノイド72が励磁されると第二位置に位置するようにさ
れている。
【0024】さらに、硬貨選別装置1は基準レール4の
終端と連続する硬貨案内部材8を有する。硬貨案内部材
8は硬貨搬送通路3と平行に延びる平面部81と、プレ
ート73の頂点部分75が突出する孔31を始点として
硬貨搬送通路3が延びる方向から分岐する方向に曲線を
なして曲がっている曲線状端面82とを有する。この硬
貨案内部材8の厚さt(図2参照)は、エッヂが丸まっ
てしまった硬貨であっても硬貨案内部材8の平面部81
に乗り上げないような高さに選定される。本実施例にお
いては、硬貨選別装置1が扱う硬貨の中で最大厚さの硬
貨の半分程度の厚さに選定されており、また、プレート
73が第一位置にあるときの傾斜面76の頂点の高さも
硬貨案内部材8の厚さtと同じになるように、あるいは
平面部81よりわずかに高くなるように形成される。す
なわち、プレート73の傾斜面76の頂点は硬貨案内部
材8の平面部81と同じ高さになるように、あるいは平
面部81よりわずかに高くなるように設定される。
【0025】硬貨搬送ベルト5が延びる方向において、
硬貨案内部材8の平面部81と並んで第一硬貨集積容器
9が設けられており、さらに、硬貨案内部材8の曲線状
端面82の延びる方向には第二硬貨集積容器10が設け
られている。プレート73の頂点部分75が突出する硬
貨搬送通路3上の孔31のすぐ上流には、硬貨が搬送さ
れてきたことを検知する硬貨搬送検知センサ11が埋め
込まれている。硬貨搬送検知センサ11は搬送されてき
た硬貨によって該センサ11が塞がれると、搬送検知信
号S3を発し、制御回路12に送る。また、搬送されて
きた硬貨がセンサ11を通過し終わると、通過終了信号
を制御回路12に送る。
【0026】図3及び図4に示すように、制御回路12
は電磁ソレノイド72と接続している。制御回路12は
硬貨判別器6から送信されてくる信号S1、S2からな
る信号列を形成し、その信号列をメモリに記憶し、この
信号列を硬貨搬送検知センサ11から送られてくる信号
S3と比較する。すなわち、信号S3がN個送られてき
た場合に、信号S1、S2からなる信号列のN番目の信
号がS1であるときには、制御回路12は電磁ソレノイ
ド72を励磁しない。従って、この場合、バネ77の付
勢力によって、プレート73はその第一位置に位置す
る。一方、信号S1、S2からなる信号列のN番目の信
号がS2であるときには、制御回路12は電磁ソレノイ
ド72を励磁する。従って、この場合、プランジャー7
1はバネ77の付勢力に打ち勝って電磁ソレノイド72
に吸着されるので、プレート73はその第二位置に位置
するに至る。
【0027】以上の構成からなる硬貨選別装置1は次の
ように作動する。回転円盤21に供給された金種の異な
る硬貨が混合した複数の硬貨Cは、回転円盤21から遠
心力を受けて周壁22に接しつつ、回転円盤21ととも
に時計方向に回転する。上下方向に重なり合った硬貨
は、分別環23が回転円盤21との間に形成する隙間を
通る際に上に重なっている硬貨が落とされる。次いで、
硬貨Cは硬貨ガイド板25の円弧状側面24に沿って送
られ、硬貨搬送ベルト5によって硬貨搬送通路3に押し
付けられて、搬送が開始される。硬貨Cは回転自在の基
準ローラー42と衝突し、その反発力をうけることによ
り、ほぼ基準レール4の直立壁41に沿う位置に位置修
正され、以後、基準レール4の直立壁41にほぼ沿って
搬送される。
【0028】硬貨判別器6は硬貨の外径または磁気的性
質により、硬貨が指定硬貨であるか、非指定硬貨である
かを判別し、指定硬貨である場合には信号S1を、非指
定硬貨である場合には信号S2を制御回路12に送る。
制御回路12は硬貨判別器6から送られてきた信号S
1、S2を送られてきた順番にメモリに記憶し、信号S
1、S2からなる信号列を形成する。
【0029】硬貨搬送ベルト5により搬送されてきた硬
貨が硬貨搬送検知センサ11を塞ぐと、センサ11はそ
の度に搬送検知信号S3を制御回路12に送る。制御回
路12は信号S1、S2からなる信号列と搬送検知信号
S3との数とを照合し、信号列における信号S1の順番
と信号S3の数とが一致したときには、電磁ソレノイド
72を励磁せず、信号列における信号S2の順番と信号
S3の数とが一致したときには電磁ソレノイド72を励
磁する。この電磁ソレノイド72の非励磁、励磁によっ
て、プレート73は各々第一位置、第二位置に位置す
る。
【0030】ここで、図3を参照して、回転円盤21か
ら4番目に指定硬貨Rが送り出されてきた場合を考え
る。この場合、硬貨判別器6は4番目の信号として信号
S1を制御回路12に送り、制御回路12は、例えば、
S1、S2、S2、S1からなる信号列を形成する。硬
貨搬送検知センサ11から4番目の信号S3が制御回路
12に送られてきたとき、制御回路12は、それまで励
磁状態にあった電磁ソレノイド72を非励磁状態にす
る。これによって、プランジャー71はバネ77の付勢
力によって図3(B)の左方向(図2の上方向)に移行
し、これに伴って、プレート73はその第一位置に枢動
する。従って、傾斜面76が孔31を介して硬貨搬送通
路3から突出し、硬貨搬送ベルト5により搬送されてき
た指定硬貨Rはその一端において傾斜面76に乗り上げ
(図3のR1に示す状態)、そのまま硬貨搬送ベルト5
により搬送されて傾斜面76を上昇する。指定硬貨Rは
傾斜面76を上昇しきった後、硬貨案内部材8の平面部
81上を硬貨搬送ベルト5により搬送され(図3のR2
に示す状態)、最終的に第一硬貨集積容器9に落下する
(図3のR3に示す状態)。
【0031】次いで、図4を参照して、回転円盤21か
ら5番目に非指定硬貨Nが送り出されてきた場合を考え
る。この場合、硬貨判別器6は5番目の信号として信号
S2を制御回路12に送り、制御回路12は、例えば、
S1、S2、S2、S1、S2からなる信号列を形成す
る。硬貨搬送検知センサ11から5番目の信号S3が制
御回路12に送られてきたとき、制御回路12は、それ
まで非励磁状態にあった電磁ソレノイド72を励磁す
る。これによって、プランジャー71はバネ77の付勢
力に打ち勝って図3(B)の右方向(図2の下方向)に
移動し、これに伴って、プレート73はその第二位置に
枢動する。すなわち、傾斜面76は硬貨搬送通路3の下
方に下がり、硬貨搬送通路3上にはプレート73の頂点
部分75は突出しない。このため、図4に示すように、
硬貨搬送ベルト5により搬送されてきた非指定硬貨Nは
硬貨案内部材8のコーナー83に衝突する(図4のN1
に示す状態)。非指定硬貨Nはコーナー83に衝突した
後もなおも硬貨搬送ベルト5により駆動され続けている
ので、非指定硬貨Nは硬貨搬送ベルト5の駆動力によっ
て基準レール4から離れる方向にわずかに方向転換す
る。コーナー83からは硬貨案内部材8の曲線状端面8
2が連続して形成されているので、以後、非指定硬貨N
は硬貨搬送ベルト5によって曲線状端面82に沿って搬
送される(図4のN2に示す状態)。曲線状端面82は
第二硬貨集積容器10まで延びているので、非指定硬貨
Nは曲線状端面82に沿って進んだ後、第二硬貨集積容
器10に落下する(図4のN3に示す状態)。非指定硬
貨Nがセンサ11を完全に通過し終わった後、センサ1
1は通過終了信号を制御回路12に発し、制御回路12
はこの信号を受けて、プランジャー71の励磁を停止す
る。すなわち、非指定硬貨Nがセンサ11を通過し終わ
ると、プレート73はその第一位置に復帰する。
【0032】なお、非指定硬貨Nがコーナー83に衝突
する際に非指定硬貨Nの搬送速度が減速されるのではな
いかとのおそれが生じるが、硬貨選別装置1において
は、硬貨は予め基準レール4にほぼ沿った状態で搬送さ
れてくるので、硬貨の直径にかかわりなくわずかな横方
向の変位を生じるのみで、搬送速度の減少はほとんど生
じない。ただし、非指定硬貨Nのコーナー83への衝突
の際に、非指定硬貨Nがその衝撃で硬貨搬送ベルト5の
外側に飛び出さないようにすることは必要である。この
ため、押さえローラー53が特に硬貨搬送方向変換器7
の近傍に配置されている。
【0033】以上のように、電磁ソレノイド72の制御
を行い、プレート73を第一位置と第二位置との間で枢
動させることによって、指定硬貨Rと非指定硬貨Nとの
選別が行われる。なお、硬貨搬送方向変換器7は、図5
に示すように、プランジャー71の摺動方向が硬貨搬送
通路3の延びる方向に対して垂直になるように電磁ソレ
ノイド72を配置することによっても形成することがで
きる。すなわち、円形断面のプランジャー71の先端の
幅aの部分に傾斜面76と同一形状の傾斜面78を設け
ておく。プランジャー71を矢印Yの方向に往復動させ
ることによって、指定硬貨Rが搬送されてきたときに
は、プランジャー71が図5に示す位置にあるように
し、非指定硬貨Nが搬送されてきたときには、プランジ
ャー71を電磁ソレノイド72の内部に吸着させて傾斜
面78が硬貨搬送通路3上に位置しないようにする。
【0034】本発明の第二の態様に係る硬貨選別装置の
一実施例を図6乃至図10に示す。この硬貨選別装置1
00は図1乃至図4に示した実施例における硬貨搬送方
向変換器7に代えて硬貨搬送方向変換器110を有す
る。これ以外の要素は図1乃至図4に示した実施例と同
一であり、以下、同じ参照符号は前述の実施例と同じ構
成要素を示すものとする。
【0035】硬貨搬送方向変換器110の概要を図8に
示す。硬貨搬送方向変換器110はロータリーソレノイ
ド111と、ロータリーソレノイド111によって時計
方向及び反時計方向の両方向に回動可能な回転軸112
とを有する。回転軸112の先端端面113には、さら
に、断面が半円形状の半円軸114と、傾斜面115と
が一体に形成されている。この傾斜面115の最下点は
回転軸112の先端端面113上にある。一方、傾斜面
115の頂点は、後述するように、ロータリーソレノイ
ド111を硬貨搬送通路3に埋め込んだときに、傾斜面
115の頂点が硬貨案内部材8の平面部81と同じ高さ
になるように、あるいは平面部81よりわずかに高くな
るように設定される。半円軸114と傾斜面115と
は、半円軸114の弦116を直径とする円柱の半分を
半円軸114に形成し、残りの半分で傾斜面115を形
成するようにして設けられている。
【0036】ロータリーソレノイド111は90度回転
型のもので、正転信号を与えると、例えば時計方向に9
0度回動して停止し、逆転信号を与えると、反時計方向
に90度回動して停止する機能を有する。なお、このロ
ータリーソレノイド111に代えて回転方向及び回転角
度を制御できるモーターを用いることもできる。このロ
ータリーソレノイド111は制御回路12と接続してお
り、硬貨判別器6から送られてくる信号S1、S2に応
じて制御回路12によって回転方向が制御される。これ
によって、ロータリーソレノイド111は次のような第
一位置と第二位置をとることができるようになってい
る。図6に示すように、ロータリーソレノイド111
は、半円軸114の弦116の中点が直立壁41のほぼ
延長線上にあるように埋め込まれており、このため、図
9に示すように、第一位置においては、傾斜面115の
みが硬貨搬送通路3上に突出しており、半円軸114は
硬貨搬送通路3には一切突出していない。一方、図10
に示すように、第二位置においては、半円軸114の右
側半分が硬貨搬送通路3に突出しており、傾斜面115
は半円軸114の硬貨搬送方向の下流側に位置する。こ
のため、後述するように、ロータリーソレノイド111
が第二位置にあるときは、硬貨搬送ベルト5により搬送
されてきた硬貨は半円軸114に衝突することになる。
【0037】このロータリーソレノイド111は、図6
及び図7に示すように、基準レール4と硬貨案内部材8
との間において硬貨搬送通路3に埋め込まれており、回
転軸112の先端端面113が硬貨搬送通路3と同一高
さにあるように配置されている。すなわち、半円軸11
4と傾斜面115のみが硬貨搬送通路3から突出してい
る。さらに、傾斜面115は、図1乃至図4に示した実
施例の場合と同様に、傾斜面115の頂点は硬貨案内部
材8の平面部81と同じ高さになるように、あるいは平
面部81よりわずかに高くなるように設定されている。
【0038】以上の構成からなる硬貨選別装置100は
次のように作動する。前述の実施例の場合と同様に、硬
貨は回転円盤21から一枚づつ送り出され、硬貨搬送ベ
ルト5により硬貨搬送通路3上を基準レール4にほぼ沿
って搬送される。搬送されてきた硬貨は、硬貨判別器6
において、指定硬貨であるか、または非指定硬貨である
かが判別され、硬貨判別器6はその判別結果に応じて信
号S1またはS2を制御回路12に送る。次いで、搬送
されてきた硬貨が硬貨搬送検知センサ11を塞ぐ毎にセ
ンサ11は信号S3を制御回路12に送る。制御回路1
2は信号S1、S2からなる信号列と搬送検知信号S3
との数とを照合し、信号列における信号S1の順番と信
号S3の数とが一致したときには、ロータリーソレノイ
ド111がその第一位置にあるように制御し、信号列に
おける信号S2の順番と信号S3の数とが一致したとき
には、ロータリーソレノイド111がその第二位置にあ
るように制御する。
【0039】ここで、図9を参照して、回転円盤21か
ら4番目に指定硬貨Rが送り出されてきた場合を考え
る。この場合、硬貨判別器6は4番目の信号として信号
S1を制御回路12に送り、制御回路12は、例えば、
S1、S2、S2、S1からなる信号列を形成する。硬
貨搬送検知センサ11から4番目の信号S3が制御回路
12に送られてきたとき、制御回路12は、ロータリー
ソレノイド111がその第一位置に回動するように制御
する。第一位置においては、図9に示すように、傾斜面
115が硬貨搬送通路3に突出している。このため、硬
貨搬送ベルト5により搬送されてきた指定硬貨Rはその
一端において傾斜面115に乗り上げ(図9のR1に示
す状態)、そのまま硬貨搬送ベルト5により搬送されて
傾斜面115を上昇する。指定硬貨Rは傾斜面115を
上昇しきった後、硬貨案内部材8の平面部81上を硬貨
搬送ベルト5により搬送され(図9のR2に示す状
態)、最終的に第一硬貨集積容器9に落下する(図9の
R3に示す状態)。
【0040】次いで、図10を参照して、回転円盤21
から5番目に非指定硬貨Nが送り出されてきた場合を考
える。この場合、硬貨判別器6は5番目の信号として信
号S2を制御回路12に送り、制御回路12は、例え
ば、S1、S2、S2、S1、S2からなる信号列を形
成する。硬貨搬送検知センサ11から5番目の信号S3
が制御回路12に送られてきたとき、制御回路12は、
それまで第一位置にあったロータリーソレノイド111
を時計方向に回動させ、第二位置に移行させる。この第
二位置においては、傾斜面115は半円軸114の硬貨
搬送方向下流側に位置しており、半円軸114のみが硬
貨搬送方向上流側を向いている。このため、図10に示
すように、硬貨搬送ベルト5により搬送されてきた非指
定硬貨Nは半円軸114に衝突する(図10のN1に示
す状態)。非指定硬貨Nは半円軸114に衝突した後も
なおも硬貨搬送ベルト5により駆動され続けているの
で、非指定硬貨Nは硬貨搬送ベルト5の駆動力によっ
て、半円軸114の外周に沿って基準レール4から離れ
る方向に方向転換する。半円軸114の右側端部からは
硬貨案内部材8の曲線状端面82が形成されているの
で、以後、非指定硬貨Nは硬貨搬送ベルト5によって曲
線状端面82に沿って搬送される(図10のN2に示す
状態)。曲線状端面82は第二硬貨集積容器10まで延
びているので、非指定硬貨Nは曲線状端面82に沿って
進んだ後、第二硬貨集積容器10に落下する。なお、非
指定硬貨Nがセンサ11を完全に通過し終わった後、セ
ンサ11は通過終了信号を制御回路12に発し、制御回
路12はこの信号を受けて、ロータリーソレノイド11
1を反時計方向に90度回動させる。すなわち、非指定
硬貨Nがセンサ11を通過し終わると、ロータリーソレ
ノイド111はその第一位置に復帰する。
【0041】以上のように、制御回路12によって、ロ
ータリーソレノイド111を第一位置と第二位置との間
で枢動させることによって、指定硬貨Rと非指定硬貨N
との選別が行われる。前述のように、硬貨選別装置1ま
たは硬貨選別装置100においては、プレート73また
はロータリーソレノイド111が各々の第二位置に移行
したときには、非指定硬貨Nがセンサ11を通過し終わ
る毎に、各々の第一位置に戻していたが、他の制御方法
を取ることもできる。すなわち、複数枚の非指定硬貨N
が連続して搬送されてくるような場合には、プレート7
3またはロータリーソレノイド111を各々の第二位置
にとどめておいておくこともできる。この場合には、最
後の非指定硬貨Nがセンサ11を通過し、次の指定硬貨
Rが搬送されてくる前に、プレート73またはロータリ
ーソレノイド111を各々の第一位置に復帰させればよ
い。このように制御することにより、プレート73また
はロータリーソレノイド111の作動数を減らすことが
できる。
【0042】図11及び図12に本発明に係る硬貨選別
装置の第三の実施例を示す。本実施例における硬貨選別
装置200は、前述の硬貨選別装置1に加えて、第二硬
貨案内部材120を備えている。この第二硬貨案内部材
120は、硬貨搬送方向変換方向器7とほぼ対向する位
置に配置されており、硬貨搬送通路3の上方に突出して
いる円錐面121を備えている。円錐面121の円周周
囲と基準レール4との間の最短距離A(図11参照)は
硬貨選別装置200が選別する硬貨のうちの最小直径硬
貨の直径よりも小さく設定されている。本実施例におい
ては、硬貨搬送通路3上に位置する曲線状端面82の一
部分Sは円弧形状に形成されており、円錐面121は、
その円周が曲線状端面82の一部分Sと同心円の関係を
なすような位置に配置されている。円錐面121の中心
軸122は硬貨搬送方向変換器7よりも硬貨搬送方向に
おいて下流側に位置するように配置されている。なお、
円錐面121の中心軸122は硬貨搬送方向において硬
貨搬送方向変換器7とほぼ同位置にあってもよい。ただ
し、いずれの場合であっても、第二硬貨案内部材120
は、硬貨が硬貨搬送ベルト5により搬送されてきたとき
に、硬貨が硬貨搬送方向変換手段7よりも先に第二硬貨
案内部材120の円錐面121に到達するように配置さ
れている。さらに、この円錐面121はその中心軸12
2の回りに回転可能であるように形成されている。円錐
面121はゴムその他の弾性体からなる。ただし、必要
に応じて、金属その他の材料から形成することもでき
る。
【0043】硬貨搬送ベルト5により搬送されてきた指
定硬貨Rはセンサ11を塞いだ直後に、基準レール4と
は反対側の端部が第二硬貨案内部材120の円錐面12
1に乗り上げる。円錐面121の円周周囲と基準レール
4との間の最短距離A(図11参照)は硬貨選別装置2
00が選別する硬貨のうちの最小直径硬貨の直径よりも
小さく設定されているので、搬送されてきた硬貨は必ず
円錐面121に乗り上げることとなる。指定硬貨Rはそ
の端部が円錐面121に乗り上げたまま硬貨搬送ベルト
5により搬送され続け、傾斜面76に到達する。指定硬
貨Rはその一端が円錐面121に乗り上げている状態で
基準レール4側の端部において傾斜面76に乗り上げ、
その状態で硬貨搬送ベルト5により駆動されて傾斜面7
6を上昇する。指定硬貨Rは傾斜面76を上昇する途中
で円錐面121から離れる。指定硬貨Rは傾斜面76を
上昇しきった後、第一硬貨集積容器9に落下する。
【0044】一方、非指定硬貨Nが搬送されてきた場合
には、非指定硬貨Nは最初に基準レール4とは反対側の
端部において円錐面121に乗り上げ、その状態のま
ま、硬貨搬送ベルト5により曲線状端面82に沿って第
二硬貨集積容器10まで搬送される。以上のように、搬
送されてきた硬貨は最初に円錐面121に乗り上げるの
で、これによって、硬貨は基準レール4側に押し付けら
れる作用を受け、その後に行われる傾斜面76への乗り
上げが容易になる(指定硬貨Rが搬送されてきた場
合)。さらに、円錐面121は回転可能に形成されてい
るので、非指定硬貨Nが曲線状端面82に沿って搬送さ
れる場合、その搬送に伴って円錐面121も回転するの
で、硬貨の搬送が円滑に行われる。加えて、硬貨搬送通
路3上に位置する曲線状端面82の一部分Sと円錐面1
21の円周面とは同心円の関係にあるので、非指定硬貨
Nをその両端部において確実に支持して、第二硬貨集積
容器10まで搬送することが可能である。さらに、円錐
面121は弾性体からなるので、硬貨が円錐面121に
乗り上げたときに円錐面121から受ける反発力が小さ
く、このため、硬貨が硬貨搬送ベルト5から飛び出すな
どの支障を生じるおそれがない。
【0045】硬貨選別装置1、硬貨選別装置100、ま
たは硬貨選別装置200は異種硬貨が混合した複数の硬
貨を各金種毎に選別する全金種選別装置に応用すること
もできる。図13は硬貨選別装置100を用いて形成し
た全金種選別装置の一実施例を示す。例えば、現在の日
本における流通硬貨である1円、5円、10円、50
円、100円、500円の6種の硬貨が混合した複数の
硬貨を各金種毎に選別するためには、硬貨搬送通路3上
に硬貨選別装置100を5個直列に配置する。
【0046】例えば、第一番目の硬貨選別装置において
は1円硬貨を非指定硬貨として第二硬貨集積容器に導
き、第二番目の硬貨選別装置においては5円硬貨を非指
定硬貨として第二硬貨集積容器に導く。以下、同様に、
第五番目の硬貨選別装置まで5回の選別を行うことによ
って、最後に残った金種の硬貨は第一硬貨集積容器に導
かれる。このように、N種類の金種が混合した硬貨を選
別するためには、(N−1)個の硬貨選別装置100を
配置すればよい。
【0047】ただし、N種類の金種が混合した硬貨を選
別するために、N個の硬貨選別装置100を配置しても
よい。この場合は、N個の硬貨選別装置のうちの一つを
偽貨や外国硬貨を排除するために用い、残りの(N−
1)個の硬貨選別装置でN種類の金種の硬貨の選別を行
う。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る硬貨選別装置は、硬貨搬送
通路上に選別孔や搬送方向転換用の溝を設けることなく
硬貨の選別を行うので、選別孔へうまく落下しない、あ
るいは硬貨搬送ベルトと溝に落ちた硬貨との間で硬貨搬
送ベルトがスリップして硬貨がうまく搬送されないとい
うような従来の硬貨選別装置における問題を起こすこと
なく、確実に硬貨の選別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る硬貨選別装置の一実施例の上方か
ら見た平面図である。
【図2】図1に示した硬貨選別装置の側面図である。
【図3】指定硬貨Rが搬送されてきたときの搬送状態を
示す部分的平面図(A)とその側面図(B)である。
【図4】非指定硬貨Nが搬送されてきたときの搬送状態
を示す部分的平面図(A)とその側面図(B)である。
【図5】他の態様の硬貨搬送方向変換器を備えた硬貨選
別装置を示す部分的平面図(A)とその側面図(B)で
ある。
【図6】本発明に係る硬貨選別装置の第二の実施例の上
方から見た平面図である。
【図7】図6に示した硬貨選別装置の側面図である。
【図8】硬貨搬送方向変換器の他の態様を示す斜視図で
ある。
【図9】図6に示す硬貨選別装置において、指定硬貨R
が搬送されてきたときの搬送状態を示す部分的平面図で
ある。
【図10】図6に示す硬貨選別装置において、非指定硬
貨Nが搬送されてきたときの搬送状態を示す部分的平面
図である。
【図11】本発明に係る硬貨選別装置の第三の実施例の
上方から見た平面図である。
【図12】図11に示した硬貨選別装置の側面図であ
る。
【図13】本発明に係る硬貨選別装置を応用した全金種
選別装置を上方から見た平面図である。
【符号の説明】
1 硬貨選別装置 21 回転円盤 22 周壁 25 硬貨ガイド板 3 硬貨搬送通路 4 基準レール 41 直立壁 5 硬貨搬送ベルト 6 硬貨判別器 7 硬貨搬送方向変換器 72 電磁ソレノイド 73 プレート 76 傾斜面 8 硬貨案内部材 81 平面部 82 曲線状端面 9 第一硬貨集積容器 10 第二硬貨集積容器 11 硬貨搬送検知センサ 12 制御回路 110 硬貨搬送方向変換器 111 ロータリーソレノイド 114 半円軸 115 傾斜面 120 第二硬貨案内部材 121 円錐面

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる金種が混合した複数の硬貨を受け
    入れ、該硬貨を一枚ずつ送り出す硬貨送り出し手段と、
    該硬貨送り出し手段から延びている硬貨搬送通路と、該
    硬貨搬送通路と直角をなし、硬貨搬送方向に延びる直立
    壁を有する基準レールと、前記硬貨送り出し手段から送
    り出された硬貨を上方から前記硬貨搬送通路に押しつ
    け、前記直立壁にほぼ沿わせて硬貨を搬送する硬貨搬送
    ベルトと、前記硬貨搬送ベルトにより搬送されてきた硬
    貨を金種に応じて第一の群と第二の群とに判別する硬貨
    判別手段と、前記硬貨判別手段の判別結果に応じて、第
    一の群の硬貨が落下する第一選別孔と第二の群の硬貨が
    落下する第二選別孔とを備える硬貨選別装置において、 硬貨搬送方向上流側から下流側に向かって上り勾配を有
    する傾斜面を備え、該傾斜面は、前記硬貨搬送通路上に
    おいて前記直立壁のほぼ延長線上に位置する第一位置
    と、前記硬貨搬送通路上には位置しない第二位置との間
    を移動可能であり、 前記傾斜面の頂点と同じ高さ乃至わずかに低い高さを有
    し、前記傾斜面と連続して前記第一選別孔まで延びてい
    る平面部と、前記傾斜面から前記第二選別孔の方向に延
    びている曲線状端面とを有する硬貨案内部材を備え、 前記硬貨判別手段の判別結果に応じて、第一の群の硬貨
    が搬送されてきたときには前記傾斜面を前記第一位置
    に、第二の群の硬貨が搬送されてきたときには前記傾斜
    面を前記第二位置に移行させる制御手段を備えることを
    特徴とする硬貨選別装置。
  2. 【請求項2】 異なる金種の複数の硬貨を受け入れ、該
    硬貨を一枚ずつ送り出す硬貨送り出し手段と、該硬貨送
    り出し手段から伸びている硬貨搬送通路と、該硬貨搬送
    通路と直角をなし、硬貨搬送方向に伸びる直立壁を有す
    る基準レールと、前記硬貨送り出し手段から送り出され
    た硬貨を上方から前記硬貨搬送通路に押しつけ、前記直
    立壁にほぼ沿わせて硬貨を搬送する硬貨搬送ベルトと、
    前記硬貨搬送ベルトにより搬送されてきた硬貨を金種に
    応じて第一の群と第二の群とに判別する硬貨判別手段
    と、前記硬貨判別手段の判別結果に応じて、第一の群の
    硬貨が落下する第一選別孔と第二の群の硬貨が落下する
    第二選別孔とを備える硬貨選別装置において、 硬貨搬送方向上流側から下流側に向かって上り勾配を有
    する傾斜面を備え、該傾斜面は、前記硬貨搬送通路上に
    おいて前記基準レールのほぼ延長線上に位置する第一位
    置と、硬貨搬送方向から外れる第二位置との間を移行可
    能であり、 前記硬貨搬送通路内に突出していない第一位置と、前記
    硬貨搬送通路内に突出する第二位置との間を移行可能な
    硬貨搬送方向変換手段を備え、 前記傾斜面の頂点と同じ高さ乃至わずかに低い高さを有
    し、前記傾斜面と連続して前記第一選別孔まで延びてい
    る平面部と、前記第一位置にあるときの前記傾斜面から
    前記第二選別孔の方向に延びている曲線状端面とを有す
    る硬貨案内部材を備え、 前記硬貨判別手段の判別結果に応じて、第一の群の硬貨
    が搬送されてきたときには前記傾斜面及び前記硬貨搬送
    方向変換手段を各々の第一位置に、第二の群の硬貨が搬
    送されてきたときには前記傾斜面及び前記硬貨搬送方向
    変換手段を各々の第二位置に移行させる制御手段を備え
    ることを特徴とする硬貨選別装置。
  3. 【請求項3】 前記傾斜面はロータリーソレノイドの円
    形出力軸の一方の半円部分に形成され、他方の半円部分
    が前記硬貨搬送方向変換手段をなすことを特徴とする請
    求項2に記載の硬貨選別装置。
  4. 【請求項4】 硬貨が搬送されてきたことを検知し、前
    記制御手段に検知信号を送るセンサが前記傾斜面または
    前記硬貨搬送方向変換手段の上流側に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の硬貨選
    別装置。
  5. 【請求項5】 前記傾斜面及び前記硬貨搬送方向変換手
    段は、前記第一の群の硬貨が連続して搬送されてきたと
    きには、次の前記第二の群の硬貨が搬送されてくるま
    で、前記第一位置にとどめておかれることを特徴とする
    請求項1乃至4の何れかに記載の硬貨選別装置。
  6. 【請求項6】 前記傾斜面または前記硬貨搬送方向変換
    手段とほぼ対向して配置され、前記硬貨搬送通路上に突
    出する円錐形凸部を有する第二硬貨案内部材を備え、該
    第二硬貨案内部材の前記円錐形凸部の周囲と前記直立壁
    との間の最短距離は該硬貨選別装置が処理する硬貨のう
    ちの最小直径硬貨の直径よりも小さく設定されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の硬貨選
    別装置。
  7. 【請求項7】 前記第二硬貨案内部材の前記円錐形凸部
    の中心は硬貨搬送方向において前記硬貨搬送方向変換手
    段と同位置または前記硬貨搬送方向変換手段よりも下流
    にあることを特徴とする請求項6に記載の硬貨選別装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第二硬貨案内部材の前記円錐形凸部
    はその中心軸の回りに回転可能であることを特徴とする
    請求項6または7に記載の硬貨選別装置。
  9. 【請求項9】 前記第二硬貨案内部材は弾性体からなる
    ことを特徴とする請求項6乃至8の何れかに記載の硬貨
    選別装置。
  10. 【請求項10】 前記硬貨案内部材の曲線状端面は円弧
    をなしており、この円弧は前記第二硬貨案内部材の前記
    円錐形凸部の周面が形成する円弧と同心円の関係にある
    ことを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の硬貨
    選別装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10の何れかに記載の硬
    貨選別装置を硬貨搬送方向に直列に複数個配置した硬貨
    選別装置。
  12. 【請求項12】 取り扱う硬貨の金種の数より一つ少な
    い数と同数個配置したことを特徴とする請求項11に記
    載の硬貨選別装置。
  13. 【請求項13】 取り扱う硬貨の金種の数と同数個配置
    し、そのうちの一個は非取り扱い硬貨を排除するために
    用いることを特徴する請求項11に記載の硬貨選別装
    置。
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