JPH05117680A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JPH05117680A
JPH05117680A JP31184491A JP31184491A JPH05117680A JP H05117680 A JPH05117680 A JP H05117680A JP 31184491 A JP31184491 A JP 31184491A JP 31184491 A JP31184491 A JP 31184491A JP H05117680 A JPH05117680 A JP H05117680A
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acid
lubricating oil
oil
aluminum
examples
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JP31184491A
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Inventor
Takehisa Sato
剛久 佐藤
Toshiaki Kuribayashi
利明 栗林
Kenji Ashibe
賢二 芦部
Hirotaka Tomizawa
広隆 富沢
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム摺動部材に対して優れた摩擦、
摩耗防止特性を有する潤滑油組成物を提供すること。さ
らに、非塩素系冷媒に対する相溶性に優れ、特に冷凍機
油として好適な潤滑油組成物を提供すること。 【構成】 鉱油および/または合成油に、チオールを
0.05〜5重量%の割合で含有せしめてなることを特
徴とするアルミニウム摺動部材用潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム摺動部材
用潤滑油組成物に関し、さらに詳しくは、特にアルミニ
ウム材で形成された摺動部材に対して優れた摩擦、摩耗
防止特性を有する潤滑油組成物に関する。また、本発明
は、アルミニウム摺動部材を用いるとともに、塩素原子
を含まない冷媒を用いた冷凍機用に好適な潤滑油組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムおよびその合金は、強くて
熱伝導性のよい軽金属であり、重量節減が重要となる輸
送や構造物の分野で汎用されているが、近年、このよう
なアルミニウム材を用いた摺動部材が増加している。
【0003】アルミニウム材を用いた摺動部材(アルミ
ニウム摺動部材)は、一般に、負荷能力が大きく、耐食
性や温度特性に優れており、経済的である。また、アル
ミニウム材を用いた軸受は、軸受すきまの変化が少な
く、かつ、順応性が良好であり、高荷重軸受用アルミニ
ウム合金なども開発されている。
【0004】そこで、例えば、自動車の燃費向上のため
の軽量化の他、自動車の高級化あるいはエレクトロニク
スの性能向上などの目的で、アルミニウム材が例えばエ
ンジン、ドライブトレイン、熱交換器、ブレーキ、ステ
アリング、サスペンション、ボディー、ホイールなどの
各部に使用されているが、軸受やカムその他の摺動部材
としての使用も増大している。
【0005】また、空調、冷房、暖房、冷凍設備(以
下、冷凍機と略記)などの機器類においても、小型化、
軽量化、省エネルギー化が進められており、そのため
に、例えば、冷凍機の冷媒圧縮機の軸受、ピストン、シ
ール部、ベーンなどの摺動部材にアルミニウム材が使用
されるに至っている。
【0006】ところで、摺動部材は、その摩擦部分が過
酷な条件にさらされるため、それ自体耐摩耗性、摩擦特
性に優れていることが必要であるが、通常、摩擦低減、
摩耗低減、焼付き抑制などの目的で潤滑油と接触して使
用されている。潤滑油には、一般に耐摩耗剤や摩擦低減
剤(摩擦調整剤)など各種の添加剤が配合されている
が、従来の鋳鉄などの鉄系材料で形成された摺動部材に
効果のある添加剤が必ずしもアルミニウム材製の摺動部
材に有効であるとは限らない。また、アルミニウム摺動
部材に対して優れた摩擦、摩耗防止特性を示す添加剤を
含有する潤滑油組成物が得られるならば、近年の軽量化
への対応にとって極めて有用である。しかしながら、従
来、特にアルミニウム摺動部材に対して優れた摩擦、摩
耗防止特性を有する潤滑油組成物は提案されていない。
【0007】一方、冷凍機の冷媒として汎用されている
ジクロロジフルオロカーボンやフルオロトリクロロカー
ボンなどのクロロフルオロカーボン(フロン)は、安定
な化合物であるが、成層圏では分解して塩素ラジカルを
発生する。この塩素ラジカルが連鎖反応を起こし、成層
圏のオゾンを消費する。その結果、生体に有害な紫外線
が成層圏を透過しやすくなる。そこで、公害対策の観点
から、現在では、冷凍機の分野においても塩素原子を含
有する塩素系冷媒に代えて、塩素原子を含まない非塩素
系冷媒が使用されるようになってきている。
【0008】冷凍機用の潤滑油(冷凍機油)は、各種冷
媒ガスの圧縮機油として用いられるが、一般潤滑油とは
異なり、空気と遮断され冷媒と常に接触する状態で使用
される。そこで、冷凍機油に要求される性能としては、
一般の潤滑油と同じく、減摩、密封、冷却、さび止め、
腐食防止、清浄などの作用を有するとともに、耐冷媒安
定性に優れること、冷媒との相溶性に優れることが要求
される。
【0009】冷凍機の冷媒としてこれまで汎用されてき
たR12(ジクロロジフルオロメタン)等の塩素系冷媒
は、各種鉱油や合成油のアルキルベンゼンとの相溶性が
良好であるが、塩素原子を含まないR134a(1,
1,1,2−テトラフルオロエタン)等の非塩素系冷媒
は、これら汎用の基油との相溶性に劣るものである。
【0010】また、塩素系冷媒は、それ自体耐摩耗性が
良好であるため、一般に冷凍機油には、あまり耐摩耗剤
は添加されていなかった。ところが、R134a等の非
塩素系冷媒は、耐摩耗性が不十分であるため、冷凍機油
中に耐摩耗剤の使用などによる耐摩耗性対策が必要であ
る。しかしながら、非塩素系冷媒と相溶性のよい基油を
用いたとしても、添加剤の種類によっては、非塩素系冷
媒との相溶性が悪く、潤滑油組成物の相溶性が低下する
ことがある。したがって、冷凍機油の分野においては、
軽量化のためのアルミニウム摺動部材に対する摩擦、摩
耗防止特性に加えて、非塩素系冷媒に対する基油および
添加剤の相溶性が問題となる。
【0011】従来、冷凍機油において、基油として鉱油
やアルキルベンゼンなどの合成油を用い、これに炭素数
14〜20の直鎖または分枝アルキル基を有するメルカ
プタンを添加することにより、フロン(ジクロロジフル
オロカーボン)雰囲気下にある冷凍機の摺動部分の焼き
付き防止やバルブコーキング現象の抑制をはかることが
提案されているが(特公平3−29838号)、アルミ
ニウム摺動部材および非塩素系冷媒に関する前記諸課題
とその解決策については開示されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
アルミニウム摺動部材に対して優れた摩擦、摩耗防止特
性を有する潤滑油組成物を提供することにある。本発明
の他の目的は、アルミニウム摺動部材に対して優れた摩
擦、摩耗防止特性を有するとともに、非塩素系冷媒に対
する相溶性に優れ、特に冷凍機油として好適な潤滑油組
成物を提供することにある。
【0013】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、チオールを潤滑油基油
に添加した潤滑油組成物がアルミニウム摺動部材に対し
て優れた摩擦、摩耗防止性を有することを見出した。ま
た、非塩素系冷媒に対しては、ポリアルキレングリコー
ルやエステル油が相溶性がよいため基油として好適であ
り、また、チオールの中でも、エステル結合、水酸基、
カルボキシル基などの極性基を有する化合物が相溶性が
良好であるため、これらが特に好ましいことを見いだし
た。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至っ
たものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、鉱油および/または合成油に、チオールを0.05
〜5重量%の割合で含有せしめてなることを特徴とする
アルミニウム摺動部材用潤滑油組成物が提供される。以
下、本発明について詳述する。
【0015】(鉱油および/または合成油)本発明で使
用する鉱油および/または合成油としては、特に限定さ
れず、鉱油としては、例えば、軽質ニュートラル油、中
質ニュートラル油、重質ニュートラル油、ブライトスト
ックなどが挙げられる。合成潤滑油としては、例えば、
ポリ−α−オレフィン、ポリブテン、アルキルベンゼ
ン、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、ポリアル
キレングリコール、シリコーン油などが挙げられる。こ
れらの基油は、それぞれ単独で、あるいは二種以上を混
合して使用することができる。
【0016】本発明の潤滑油組成物をR134aなどの
非塩素系冷媒雰囲気下で使用する冷凍機油として用いる
場合には、冷媒との相溶性の観点から、基油として、ポ
リアルキレングリコールやエステル油を用いることが好
ましい。
【0017】ポリアルキレングリコールとしては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどを挙げることができる。エステル油としては、各
種ポリオールエステルやジエステル(二塩基酸エステ
ル)を挙げることができる。以下、詳細に説明する。
【0018】(1)脂肪族多価アルコールと直鎖状また
は分岐状の脂肪酸とのポリエステル類を使用することが
できる。このポリエステル類を形成する脂肪族多価アル
コールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、ジ
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジト
リメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール等を挙げる
ことができる。脂肪酸としては、炭素数3〜12のもの
が好ましく、例えば、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘ
キサン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン
酸、イソ吉草酸、ネオペンタン酸、2−メチル酪酸、2
−エチル酪酸、2−メチルへキサン酸、2−エチルヘキ
サン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン
酸、2,2′−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタ
ン酸等を挙げることができる。
【0019】また、脂肪族多価アルコールと直鎖状また
は分岐状の脂肪酸との部分エステル類も使用できる。こ
の脂肪族多価アルコールとしては、例えば、トリメチロ
ールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロ
ールエタン、ジトリメチロールエタン、ペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリ
トール等を挙げることができる。脂肪酸としては、炭素
数3〜9のものが好ましく、例えば、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノ
ナン酸、2−メチルへキサン酸、2−エチルヘキサン
酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、
2,2′−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸
等を挙げることができる。
【0020】これらの脂肪族多価アルコールと直鎖状ま
たは分岐状の脂肪酸とのエステル類として、特に、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペン
タエリスリトールと、好ましくは炭素数5〜12、より
好ましくは炭素数5〜7の脂肪酸、例えば、吉草酸、ヘ
キサン酸、ヘプタン酸、2−メチルへキサン酸、2−エ
チルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソ
デカン酸、2,2′−ジメチルオクタン酸、2−ブチル
オクタン酸、またはこれらの2種以上の混合物とから形
成されるエステル油は、特に低温での冷媒との相溶性が
良好である。これらの部分エステルは、脂肪族多価アル
コールと脂肪酸の反応モル数を適宜調節して反応させる
ことにより得られる。
【0021】(2)脂肪族多価アルコールとして、ネオ
ペンチルグリコールと炭素数6〜9の直鎖状または分岐
状の脂肪酸、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタ
ン酸、ノナン酸、2−エチル酪酸、2−メチルへキサン
酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナ
ン酸等とのジエステル類を使用することができる。
【0022】(3)脂肪族多価アルコールと炭素数3〜
12の直鎖状または分岐状の脂肪酸との部分エステル類
と、直鎖状または分岐状の脂肪族二塩基酸、芳香族二塩
基酸、芳香族三塩基酸または芳香族四塩基酸等とのコン
プレックスエステル類を使用することもできる。
【0023】脂肪族多価アルコールとしては、例えば、
トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を挙げる
ことができる。炭素数3〜12の脂肪酸としては、例え
ば、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ヘキサン
酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ド
デカン酸、2−メチルへキサン酸、2−エチルヘキサン
酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、
2,2′−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸
等を挙げることができる。
【0024】このコンプレックスエステル類において
は、好ましくは炭素数5〜7のもの、さらに好ましくは
炭素数5〜6の脂肪酸を使用することが望ましく、これ
らにより形成されるエステル油は、特に低温での冷媒と
の相溶性が良好である。このような脂肪酸としては、吉
草酸、ヘキサン酸、イソ吉草酸、2−メチル酪酸、2−
エチル酪酸、またはこれらの2種以上の混合物が挙げら
れ、特にこれらの中でも、炭素数5のものと炭素数6の
ものを重量比で10:90〜90:10の割合で混合し
た脂肪酸を好適に使用することができる。
【0025】また、この脂肪酸とともに多価アルコール
とのエステル化に使用される脂肪族二塩基酸としては、
例えば、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン
酸、アゼライン酸、セパシン酸、ウンデカン二酸、ドデ
カン二酸、トリデカン二酸、カルボキシオクタデカン
酸、カルボキシメチルオクタデカン酸、ドコサン二酸等
を挙げることができ、また、芳香族二塩基酸としてはフ
タル酸やイソフタル酸、芳香族三塩基酸としてはトリメ
リット酸、芳香族四塩基酸としてはピロメリット酸等が
挙げられる。これらは、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0026】脂肪酸と、脂肪族二塩基酸、芳香族二塩基
酸、芳香族三塩基酸または芳香族四塩基酸等との使用割
合は、6:1(モル比)程度とすることが好ましく、ま
た、エステル化反応にあたっては、この脂肪酸と脂肪族
二塩基酸または芳香族二塩基酸等の合計量と脂肪族多価
アルコールの使用量の割合を7:1(モル比)程度とす
ることが好ましい。
【0027】エステル化反応は、まず、多価アルコール
と脂肪族二塩基酸または芳香族二塩基酸等とを所定の割
合で反応させて部分エステル化し、ついで、その部分エ
ステル化物と脂肪酸とを反応させてもよいし、あるい
は、酸の反応順序を逆にしてもよく、また、これらの酸
を混合してエステル化に供してもよい。
【0028】(4)直鎖状または分岐状の脂肪族二塩基
酸のジアルキルエステル類(炭素数16〜22)を使用
することができる。脂肪族二塩基酸としては、例えば、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、
ドデカン二酸、トリデカン二酸、カルボキシオクタデカ
ン酸、カルボキシメチルオクタデカン酸、ドコサン二酸
等を挙げることができる。好ましい脂肪族二塩基酸は、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、
ドデカン二酸、カルボキシオクタデカン酸、カルボキシ
メチルオクタデカン酸等である。
【0029】アルコール成分としては、炭素数5〜8の
アルコールがあり、具体的には、アミルアルコール、ヘ
キシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアル
コール、並びにこれらの異性体を挙げることができる。
好ましくはイソアミルアルコール、イソヘキシルアルコ
ールおよびオクチルアルコールである。脂肪族二塩基酸
のジアルキルエステル類の具体例としては、ジオクチル
アジペート、ジ−イソヘプチルアジペート、ジヘキシル
セバケート、コハク酸ジヘプチル等を挙げることができ
る。
【0030】(5)芳香族二塩基酸のジアルキルエステ
ル類(炭素数18〜28のもの)を使用することができ
る。芳香族二塩基酸としては、例えば、フタル酸、イソ
フタル酸等が挙げられ、また、ジアルキルエステルにお
けるアルコール成分としては、炭素数5〜8のアルコー
ルがあり、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘ
プチルアルコール、オクチルアルコール、およびこれら
の異性体を挙げることができる。好ましいアルコール
は、イソアミルアルコール、イソヘプチルアルコール、
オクチルアルコールである。このような芳香族二塩基酸
のジアルキルエステル類には、ジオクチルフタレート、
ジイソヘプチルフタレート、ジイソアミルフタレート等
が包含される。
【0031】(6)メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等、およびそれらの異性体から選ばれ
る1価アルコール、あるいはグリセリン、トリメチロー
ルプロパン等の多価アルコールと、例えば、エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド、アミレンオキサイド等、およびそれらの異性体から
選ばれるアルキレンオキサイドの1〜10モル、好まし
くは1〜6モル付加物をアルコール成分として用いたジ
エステル類を使用することができる。
【0032】有機カルボン酸エステルとしては、1価ア
ルコールのアルキレンオキサイド付加物を、例えば、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、カルボキシ
オクタデカン酸、カルボキシメチルオクタデカン酸、ド
コサン二酸等の脂肪族二塩基酸、またはフタル酸等の芳
香族二塩基酸によりエステル化して得られるジエステル
類がある。
【0033】また、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン等の多価アルコールのアルキレンオキサイドの1〜1
0モル付加物を、炭素数8〜12の直鎖状または分岐状
の脂肪酸、例えば、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキ
サン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン
酸、ドデカン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘ
キサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン
酸、2,2′−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタ
ン酸等によりエステル化して得られるエステル類を使用
することができる。
【0034】(チオール)本発明で使用するチオールと
は、アルコールの酸素原子を硫黄で置換した化合物であ
れば特に限定されない。チオールの中でも、アルミニウ
ム材の耐摩耗性、非塩素系冷媒との相溶性がよいことか
ら、アルキル基の炭素数が1〜13のRSH(Rは、炭
素数1〜13のアルキル基)、あるいはエステル結合、
カルボキシル基、水酸基などの極性基を有する化合物が
好ましい。
【0035】これらの極性基を有するチオールとして
は、下記一般式〔1〕ないし〔3〕で表わされる化合物
を挙げることができる。これらの化合物は、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することが
できる。
【0036】 HSCn2nCOOR1 〔1〕 (式中、nは1〜18の整数を表わし、R1は炭素数1
〜18のアルキル基、置換または未置換の芳香族基を表
わす。)一般式〔1〕で表わされる化合物としては、例
えば、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチ
ル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸イソオ
クチル、2−メルカプトプロピオン酸エチルなどを挙げ
ることができる。
【0037】 HS−R2−COOH 〔2〕 (式中、R2は、炭素数1〜18のアルキレン基、置換
または未置換の芳香族基を表わす。)一般式〔2〕で表
わされる化合物としては、例えば、2−メルカプトプロ
ピオン酸、チオグリコール酸などを挙げることができ
る。
【0038】 HS−R3−OH 〔3〕 (式中、R3は、炭素数1〜18のアルキレン基、置換
または未置換の芳香族基を表わす。)一般式〔3〕で表
わされる化合物としては、例えば、2−メルカプトエタ
ノール、p−ヒドロキシチオフェノールなどを挙げるこ
とができる。
【0039】これらのチオールは、鉱油および/または
合成油に、チオールを0.05〜5重量%の割合(潤滑
油組成物中の配合割合)で含有せしめる。この配合割合
が少なすぎるとアルミニウム摺動材に対する摩擦、摩耗
防止効果が不十分となる。逆に、多すぎても、摩擦、摩
耗防止効果が飽和する。
【0040】(任意成分)本発明の潤滑油組成物には、
必要に応じて他の耐摩耗剤、摩擦調整剤、金属不活性化
剤、無灰清浄分散剤、酸化防止剤、金属清浄剤、粘度指
数向上剤、流動点降下剤、防錆剤、消泡剤、腐食防止剤
などの各種添加剤を適宜添加することができる。
【0041】(アルミニウム摺動部材)本発明の潤滑油
組成物は、特にアルミニウム材で形成された摺動部材に
対する摩擦、摩耗防止性能を有するが、このようなアル
ミニウム材としては、例えば、純アルミニウムの他、A
l−Mn系、Al−Si系、Al−Mg系、Al−Cu
系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系、Al−
Sn系またはAl−Si−Cd系などの各種アルミニウ
ム合金を挙げることができる。適用対象となる摺動部材
の種類や形状等については特に限定されない。
【0042】(用途)本発明の潤滑油組成物の用途とし
ては、エンジン油、ギヤ油、冷凍機油、油圧作動油、ト
ラクションドライブ油、粘性継手用流体(ビスカスカッ
プリング用、ファンカップリング用等)、コンプレッサ
ー油等を挙げることができる。
【0043】本発明の潤滑油組成物の中でも、潤滑油基
油としてポリアルキレングリコールやエステル油を用
い、かつ、チオールとして前記一般式〔1〕ないし
〔3〕で表わされる化合物を用いた潤滑油組成物は、非
塩素系冷媒に対する相溶性がよいため、特に、アルミニ
ウム摺動部材と非塩素系冷媒を用いた冷凍機油として好
適である。
【0044】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。
【0045】[実施例1〜5、比較例1〜2]潤滑油基
油(ベース油)として、100℃での動粘度が10mm
2/secのエステル油〔ペンタエリスリトールC9酸エ
ステル〕を用い、表1に示す各種チオールまたはトリク
レジルホスフェート(TCP)を添加して潤滑油組成物
を調製した。
【0046】得られた各潤滑油組成物について、SRV
振動摩擦摩耗試験を行ない、アルミニウム板および鋳鉄
板に対する摩耗巾を測定した。 <SRV振動摩擦摩耗試験条件> 試験片:10mmφ鋼球SUJ2)/アルミニウム板
(A−390) 10mmφ鋼球SUJ2)/鋳鉄板(FC−25) 油 温:120℃ ストローク:2.5mm 荷 重:アルミニウム板=25N、鋳鉄板=50N 振動数:15Hz 時 間:30分 試験後のアルミニウム板および鋳鉄板の摩耗巾(mm)
の結果について表1に示す。
【0047】また、非塩素系冷媒であるR134aと基
油および各種チオール化合物との相溶性について、以下
の方法により試験を行なった。 <相溶性試験>ガラス管に試料油と冷媒(1,1,1,
2−テトラフルオロエタン)を試料油/冷媒を3重量
%、10重量%で合計2mlになるように採取して混合
する。加熱装置および冷却装置を有する恒温槽にガラス
管を入れ、試料油と冷媒の分離温度を測定した。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果から明らかなように、最も一般
的なりん酸エステル系の摩耗防止剤であるトリクレジル
ホスフェート(TCP)を添加した潤滑油組成物(比較
例1)は、鋳鉄板に対するよりもアルミニウム板に対す
る耐摩耗性が低下している。また、p−ヒドロキシチオ
フェノールを添加した潤滑油組成物(実施例3)は、鋳
鉄板に対する耐摩耗性が十分ではない。しかし、アルミ
ニウム板に対しては効果が大きい。
【0050】そして、チオール化合物を添加した潤滑油
組成物は、アルミニウム板に対する耐摩耗性がいずれも
顕著である。また、チオール化合物の中でも、エステル
結合や水酸基、カルボキシル基を有する化合物は、R1
34aとの相溶性に優れており、特に、非塩素系冷媒を
用いた冷凍機用の潤滑油組成物として好適であることが
わかる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、特にアルミニウム摺動
部材に対して優れた摩擦、摩耗防止特性を有する潤滑油
組成物が提供される。また、本発明によれば、非塩素系
冷媒を用いた冷凍機用に好適な潤滑油組成物が提供され
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:08 40:25 40:30 (72)発明者 富沢 広隆 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1−3−1 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油および/または合成油に、チオール
    を0.05〜5重量%の割合で含有せしめてなることを
    特徴とするアルミニウム摺動部材用潤滑油組成物。
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