JPH05117203A - エステルの精製方法 - Google Patents
エステルの精製方法Info
- Publication number
- JPH05117203A JPH05117203A JP27776591A JP27776591A JPH05117203A JP H05117203 A JPH05117203 A JP H05117203A JP 27776591 A JP27776591 A JP 27776591A JP 27776591 A JP27776591 A JP 27776591A JP H05117203 A JPH05117203 A JP H05117203A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alcohol
- ester
- steam distillation
- foaming
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 過剰アルコールの回収除去を水蒸気蒸溜で行
う場合、発泡、乳化現象によるコンデンサーの詰まりを
防止し、効率よくエステルを精製することのできるエス
テルの精製方法を提供することを目的としている。 【構成】 炭素数8以上の直鎖アルコールを40重量%
以上含有する1価アルコールと2塩基酸とから、アルコ
ール過剰下のエステル反応により得られる粗エステルに
対し、0.1〜3重量%のシリカ・シリコーン系消泡剤
を添加して水蒸気蒸溜を行うエステルの精製方法。
う場合、発泡、乳化現象によるコンデンサーの詰まりを
防止し、効率よくエステルを精製することのできるエス
テルの精製方法を提供することを目的としている。 【構成】 炭素数8以上の直鎖アルコールを40重量%
以上含有する1価アルコールと2塩基酸とから、アルコ
ール過剰下のエステル反応により得られる粗エステルに
対し、0.1〜3重量%のシリカ・シリコーン系消泡剤
を添加して水蒸気蒸溜を行うエステルの精製方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1価アルコールと2塩
基酸とからアルコール過剰下のエステル化反応により得
られる粗エステルを水蒸気蒸溜によって精製する方法に
関する。
基酸とからアルコール過剰下のエステル化反応により得
られる粗エステルを水蒸気蒸溜によって精製する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、1価アルコールと2塩基酸か
ら、エステルを合成する場合、アルコール過剰でエステ
ルを合成することが行われている。
ら、エステルを合成する場合、アルコール過剰でエステ
ルを合成することが行われている。
【0003】従来より、この合成したエステルを精製す
る方法としては、過剰分のアルコールを、減圧蒸溜また
は水蒸気蒸溜によって回収除去する方法、あるいは真空
蒸溜によって低溜分として回収除去する方法が知られて
いる。
る方法としては、過剰分のアルコールを、減圧蒸溜また
は水蒸気蒸溜によって回収除去する方法、あるいは真空
蒸溜によって低溜分として回収除去する方法が知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水蒸気蒸溜に
よってアルコールを回収する場合、他の方法とは異な
り、比較的凝固点の高い1価の直鎖アルコールを含む系
では、その含有率が大きくなるにつれて発泡が激しく、
同時に溜出アルコールが乳化して、コンデンサー等に詰
り現象が度々発生し、工程上、蒸溜精製が困難となる。
よってアルコールを回収する場合、他の方法とは異な
り、比較的凝固点の高い1価の直鎖アルコールを含む系
では、その含有率が大きくなるにつれて発泡が激しく、
同時に溜出アルコールが乳化して、コンデンサー等に詰
り現象が度々発生し、工程上、蒸溜精製が困難となる。
【0005】この場合、コンデンサーの冷却水温を例え
ば35℃以上に高くすれば、乳化現象を防止することが
可能であることが本発明者の実験により判明したが、そ
うすると、減圧系へのアルコール損失が大きく、二次凝
縮工程でのアルコール回収が不可欠となり、装置面の不
都合などが生じることとなる。
ば35℃以上に高くすれば、乳化現象を防止することが
可能であることが本発明者の実験により判明したが、そ
うすると、減圧系へのアルコール損失が大きく、二次凝
縮工程でのアルコール回収が不可欠となり、装置面の不
都合などが生じることとなる。
【0006】本発明は、係る実情に鑑みてなされたもの
であって、過剰アルコールの回収除去を水蒸気蒸溜で行
う場合、発泡、乳化現象によるコンデンサーの詰まりを
防止し、効率よくエステルを精製することのできるエス
テルの精製方法を提供することを目的としている。
であって、過剰アルコールの回収除去を水蒸気蒸溜で行
う場合、発泡、乳化現象によるコンデンサーの詰まりを
防止し、効率よくエステルを精製することのできるエス
テルの精製方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のエステルの精製方法は、炭素数8以上の直鎖
アルコールを40重量%以上含有する1価アルコールと
2塩基酸とから、アルコール過剰下のエステル化反応に
より得られる粗エステルに対し、0.1〜3重量%のシ
リカ・シリコーン系消泡剤を添加して水蒸気蒸溜するも
のである。
の本発明のエステルの精製方法は、炭素数8以上の直鎖
アルコールを40重量%以上含有する1価アルコールと
2塩基酸とから、アルコール過剰下のエステル化反応に
より得られる粗エステルに対し、0.1〜3重量%のシ
リカ・シリコーン系消泡剤を添加して水蒸気蒸溜するも
のである。
【0008】本発明の対象とする2塩基酸としては、フ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレ
イン酸など、およびこれらの無水物などが挙げられ、ま
た、1価アルコールとしては、炭素数4〜13の直鎖ま
たは分枝アルコールなどが挙げられる。
タル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレ
イン酸など、およびこれらの無水物などが挙げられ、ま
た、1価アルコールとしては、炭素数4〜13の直鎖ま
たは分枝アルコールなどが挙げられる。
【0009】40重量%以上含まれる直鎖アルコールの
炭素数を8以上としたのは、炭素数が7以下では上記し
た発泡乳化現象が起こらないためであり、また、炭素数
8以上の直鎖アルコールを40重量%以上としたのは、
40重量%以上で上記現象が著しいためである。
炭素数を8以上としたのは、炭素数が7以下では上記し
た発泡乳化現象が起こらないためであり、また、炭素数
8以上の直鎖アルコールを40重量%以上としたのは、
40重量%以上で上記現象が著しいためである。
【0010】シリカ・シリコーン系消泡剤は、一般に
は、分散を良くするため、乳化剤で乳化したエマルジョ
ン状、または溶剤で希釈したものなどが使用される。特
に、有効成分4〜10%のO/Wエマルジョン型の消泡
剤を用いることが好ましい。これらの消泡剤の例として
は、サンノプコ社製のSNデフォーマー475L、SN
デフォーマー414、SNデフォーマー483等が市販
されている。
は、分散を良くするため、乳化剤で乳化したエマルジョ
ン状、または溶剤で希釈したものなどが使用される。特
に、有効成分4〜10%のO/Wエマルジョン型の消泡
剤を用いることが好ましい。これらの消泡剤の例として
は、サンノプコ社製のSNデフォーマー475L、SN
デフォーマー414、SNデフォーマー483等が市販
されている。
【0011】このシリカ・シリコーン系消泡剤の添加量
は、0.1重量%未満の場合、発泡・乳化現象が解消さ
れず、コンデンサーの詰り現象が防止できない。また、
3重量%を越えると、消泡剤による効果が飽和するとと
もに、消泡剤のコストが高くなるので望ましくない。
は、0.1重量%未満の場合、発泡・乳化現象が解消さ
れず、コンデンサーの詰り現象が防止できない。また、
3重量%を越えると、消泡剤による効果が飽和するとと
もに、消泡剤のコストが高くなるので望ましくない。
【0012】
【作用】本発明の方法によれば、消泡剤添加により、泡
膜形成分子に付着、浸入した消泡剤粒子の作用で、破泡
され、発泡、乳化が防止されることとなる。
膜形成分子に付着、浸入した消泡剤粒子の作用で、破泡
され、発泡、乳化が防止されることとなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る実施例と、これの比較対
象となる比較例とを挙げ、本発明について優れている所
以を明らかにする。
象となる比較例とを挙げ、本発明について優れている所
以を明らかにする。
【0014】
【実施例1】攪拌機、温度計および冷却管を備えた内容
積1000mlの三つ口フラスコに無水フタル酸222
g、C9 −OH(直鎖率75%)82g、C10−OH
(直鎖率100%)300g、C11−OH(直鎖率75
%)164gを仕込み、触媒を加え、液温160℃、1
60〜60mmHgabs.の減圧状態で約3.5時間反応
を行った。中和、水洗後、このエステル500gを温度
調整器、冷却管、水分離器を備えた蒸溜フラスコに仕込
み、該エステルに対して、1重量%の消泡剤(サンノプ
コ社製シリカ・シリコーン系消泡剤、SNデフォーマー
475L)を添加した。
積1000mlの三つ口フラスコに無水フタル酸222
g、C9 −OH(直鎖率75%)82g、C10−OH
(直鎖率100%)300g、C11−OH(直鎖率75
%)164gを仕込み、触媒を加え、液温160℃、1
60〜60mmHgabs.の減圧状態で約3.5時間反応
を行った。中和、水洗後、このエステル500gを温度
調整器、冷却管、水分離器を備えた蒸溜フラスコに仕込
み、該エステルに対して、1重量%の消泡剤(サンノプ
コ社製シリカ・シリコーン系消泡剤、SNデフォーマー
475L)を添加した。
【0015】そして、液温160℃、20〜10mmH
gabs.の減圧状態、冷却水温度25℃にて過熱蒸気を吹
込みながら、アルコールの溜出が完結するまで水蒸気蒸
溜を行った。
gabs.の減圧状態、冷却水温度25℃にて過熱蒸気を吹
込みながら、アルコールの溜出が完結するまで水蒸気蒸
溜を行った。
【0016】その結果、発泡、乳化現象は、いっさい起
こらなかった。
こらなかった。
【0017】
【実施例2】消泡剤を該エステルに対して、0.1重量
%添加したこと以外は実施例1と同様にして、水蒸気蒸
溜を行った。
%添加したこと以外は実施例1と同様にして、水蒸気蒸
溜を行った。
【0018】蒸溜フラスコ内で発泡が見られたが、溜出
アルコールの乳化は起こらなかった。
アルコールの乳化は起こらなかった。
【0019】
【実施例3】アルコールとして、C8 −OH(直鎖率0
%)328g、C10−OH(直鎖率100%)218g
を使用する以外は、実施例1と同様にして、反応を行っ
た。
%)328g、C10−OH(直鎖率100%)218g
を使用する以外は、実施例1と同様にして、反応を行っ
た。
【0020】中和、水洗後、このエステルに対して、
0.2重量%の消泡剤を添加したこと以外は、実施例1
と同様にして、水蒸気蒸溜を行った。
0.2重量%の消泡剤を添加したこと以外は、実施例1
と同様にして、水蒸気蒸溜を行った。
【0021】その結果、発泡、乳化現象は、まったく起
こらなかった。
こらなかった。
【0022】
【実施例4】アルコールとして、C10−OH(直鎖率1
00%)546gを使用する以外は実施例1と同様にし
て、反応を行った。
00%)546gを使用する以外は実施例1と同様にし
て、反応を行った。
【0023】中和、水洗後の該エステルに対して、1重
量%の消泡剤を添加すること以外は、実施例1と同様に
して、水蒸気蒸溜を行った。
量%の消泡剤を添加すること以外は、実施例1と同様に
して、水蒸気蒸溜を行った。
【0024】その結果、発泡、乳化現象は、いっさい見
られなかった。
られなかった。
【0025】
【比較例1】消泡剤を無添加としたこと以外は、実施例
1と同様にして、水蒸気蒸溜を行った。
1と同様にして、水蒸気蒸溜を行った。
【0026】この場合、蒸溜フラスコでの発泡が激し
く、コンデンサーも溜出アルコールの乳化により、詰り
現象が起こり、蒸溜が困難であった。
く、コンデンサーも溜出アルコールの乳化により、詰り
現象が起こり、蒸溜が困難であった。
【0027】また、水分離器でも、長時間にわたって、
分離不良を起こした。
分離不良を起こした。
【0028】
【比較例2】消泡剤を該エステルに対して、0.05重
量%添加したこと以外は実施例1と同様にして、水蒸気
蒸溜を行った。
量%添加したこと以外は実施例1と同様にして、水蒸気
蒸溜を行った。
【0029】この場合、発泡、乳化現象が解消されず、
コンデンサーの詰りが起こった。ただし、水分離器での
アルコールと水の分離は無添加の場合に比べ、早まっ
た。
コンデンサーの詰りが起こった。ただし、水分離器での
アルコールと水の分離は無添加の場合に比べ、早まっ
た。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によると、消
泡剤添加により、泡膜形成分子に付着、浸入した消泡剤
粒子の作用で、破泡され、発泡、乳化が防止されること
となるので、コンデンサーの詰まりなどの支障を生じる
ことなく、効率の良い蒸溜精製工程を完結することがで
きる。
泡剤添加により、泡膜形成分子に付着、浸入した消泡剤
粒子の作用で、破泡され、発泡、乳化が防止されること
となるので、コンデンサーの詰まりなどの支障を生じる
ことなく、効率の良い蒸溜精製工程を完結することがで
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素数8以上の直鎖アルコールを40重
量%以上含有する1価アルコールと2塩基酸とから、ア
ルコール過剰下のエステル化反応により得られる粗エス
テルに対し、0.1〜3重量%のシリカ・シリコーン系
消泡剤を添加して水蒸気蒸溜することを特徴とするエス
テルの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27776591A JPH05117203A (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | エステルの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27776591A JPH05117203A (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | エステルの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117203A true JPH05117203A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17588024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27776591A Pending JPH05117203A (ja) | 1991-10-24 | 1991-10-24 | エステルの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05117203A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2511256A1 (fr) * | 2011-04-12 | 2012-10-17 | Arkema France | Procede de fabrication de phtalate de dialkyle |
FR2974085A1 (fr) * | 2011-04-12 | 2012-10-19 | Arkema France | Procede de fabrication de phtalate de dialkyle |
-
1991
- 1991-10-24 JP JP27776591A patent/JPH05117203A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2511256A1 (fr) * | 2011-04-12 | 2012-10-17 | Arkema France | Procede de fabrication de phtalate de dialkyle |
FR2974085A1 (fr) * | 2011-04-12 | 2012-10-19 | Arkema France | Procede de fabrication de phtalate de dialkyle |
FR2974086A1 (fr) * | 2011-04-12 | 2012-10-19 | Arkema France | Procede de fabrication de phtalate de dialkyle |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
NZ334936A (en) | Acetic acid recovery system used for the iodide-promoted rhodium catalysed carbonylation of methanol to acetic acid | |
JPS611641A (ja) | エステル化反応混合物から末反応グリコールエーテル及び酸を除去する方法 | |
JP2011504475A (ja) | 不飽和化合物の精製方法、及び製造装置 | |
KR100411641B1 (ko) | 프로필렌의 촉매 산화로 얻은 아크릴산의 정제법 | |
US4142058A (en) | Method of separating and purifying methacrylic acid | |
JPH05117203A (ja) | エステルの精製方法 | |
JP2786823B2 (ja) | メチラ−ルの精製法 | |
CN86104680A (zh) | 羰基化反应残余物中贵金属的回收 | |
JP2001509499A (ja) | メチルメタクリレートの製造方法 | |
JPH051050A (ja) | アクリル(メタクリル)酸グリシジルの精製方法 | |
JP2582127B2 (ja) | メタクリル酸メチルの精製法 | |
JP2001322968A (ja) | メタクリル酸エステルの精製方法 | |
JP2980366B2 (ja) | アクリル酸の精製方法 | |
JP2002193875A (ja) | メタクリル酸の回収方法 | |
JP2002363132A (ja) | 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートの製造方法 | |
JPH07258135A (ja) | ジプロピレングリコールt−ブチルエーテルを製造および採取する方法 | |
US4503255A (en) | Process for recovering triarylphosphine from poisoned rhodium catalyst systems | |
KR930007733B1 (ko) | 메타크릴산의 분리 정제방법 | |
JP4361696B2 (ja) | アリルアルコールの精製方法 | |
JP3380272B2 (ja) | ケトン/アルコール混合物からケトンを分離する方法 | |
EP0432797B1 (en) | Process for purification of 3,4,5,6-tetrahydrophthalic anhydride | |
JP2003238531A (ja) | 水溶性有機溶剤の精製方法 | |
KR20080092379A (ko) | 쌍극성 비양성자성 화합물을 포함하는 수성 혼합물의 처리방법 | |
JP2003246765A (ja) | アクリル酸を回収する方法 | |
JPH0616630A (ja) | 有機溶剤溶液からのフタルイミド過カプロン酸の分離法 |