JP2980366B2 - アクリル酸の精製方法 - Google Patents
アクリル酸の精製方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアクリル酸の精製方法に関し、詳しくは、ア
クリル酸の製造工程で生ずる副反応生成物である酢酸
や、製造工程で用いられる水などを簡単な蒸留操作だけ
で分離してアクリル酸を効率よく精製する方法に関す
る。
クリル酸の製造工程で生ずる副反応生成物である酢酸
や、製造工程で用いられる水などを簡単な蒸留操作だけ
で分離してアクリル酸を効率よく精製する方法に関す
る。
アクリル酸は、プロピレンやアクロレインを、酸化触
媒および水蒸気の存在下、分子状酸素で酸化することに
より得られるが、このとき副反応生成物として、酢酸,
ギ酸,プロピオン酸,アセトアルデヒド,ホルムアルデ
ヒド,二酸化炭素,一酸化炭素などが同時に生成され
る。このような反応生成物および未反応のプロピレンや
アクロレインを含む混合ガスを冷却して水に吸収させる
と、アクリル酸,酢酸,ギ酸,プロピオン酸およびアル
デヒド類などを含む水溶液(粗アクリル酸)が得られ
る。
媒および水蒸気の存在下、分子状酸素で酸化することに
より得られるが、このとき副反応生成物として、酢酸,
ギ酸,プロピオン酸,アセトアルデヒド,ホルムアルデ
ヒド,二酸化炭素,一酸化炭素などが同時に生成され
る。このような反応生成物および未反応のプロピレンや
アクロレインを含む混合ガスを冷却して水に吸収させる
と、アクリル酸,酢酸,ギ酸,プロピオン酸およびアル
デヒド類などを含む水溶液(粗アクリル酸)が得られ
る。
したがって、アクリル酸の製造にあたっては、最終的
に上記粗アクリル酸水溶液からアクリル酸を分離して精
製する工程が必要である。ところが水−酢酸−アクリル
酸の系では、各々の沸点が、100−118−141℃であり、
また各成分の2成分系気液平衡の関係から、蒸留操作に
より水−酢酸の留分をアクリル酸から分離できることが
予想されながらも、実際には容易に分離することができ
ず、従来は抽出法や共沸蒸留法によりアクリル酸の精製
を行っているのが実情である。
に上記粗アクリル酸水溶液からアクリル酸を分離して精
製する工程が必要である。ところが水−酢酸−アクリル
酸の系では、各々の沸点が、100−118−141℃であり、
また各成分の2成分系気液平衡の関係から、蒸留操作に
より水−酢酸の留分をアクリル酸から分離できることが
予想されながらも、実際には容易に分離することができ
ず、従来は抽出法や共沸蒸留法によりアクリル酸の精製
を行っているのが実情である。
しかし上記抽出法は、大規模な設備を必要とするだけ
でなく、消費エネルギーも多大であるという欠点を有し
ている。
でなく、消費エネルギーも多大であるという欠点を有し
ている。
一方の共沸蒸留法は、特公昭63−10691号公報に記載
されるように、たとえばトルエンなどの共沸剤を添加し
て蒸留操作を行い、アクリル酸と酢酸との分離を容易に
するものであるが、酢酸とアクリル酸とを分離するとい
う点では効果的であるものの、共沸剤の回収設備が必要
であることと、精製後のアクリル酸に微量の共沸剤が残
留するという欠点がある。
されるように、たとえばトルエンなどの共沸剤を添加し
て蒸留操作を行い、アクリル酸と酢酸との分離を容易に
するものであるが、酢酸とアクリル酸とを分離するとい
う点では効果的であるものの、共沸剤の回収設備が必要
であることと、精製後のアクリル酸に微量の共沸剤が残
留するという欠点がある。
そこで本発明者らは、前述の水−酢酸−アクリル酸の
3成分系の挙動に注目し、基礎的な2,3成分系の気液平
衡データの測定により、水の分率がある特定のところで
酢酸の濃縮に分岐点があることを見出した。本発明は、
この知見に基づいて成されたものである。
3成分系の挙動に注目し、基礎的な2,3成分系の気液平
衡データの測定により、水の分率がある特定のところで
酢酸の濃縮に分岐点があることを見出した。本発明は、
この知見に基づいて成されたものである。
すなわち本発明は、酢酸および水を含有するアクリル
酸を蒸留により精製するにあたり、第1段の蒸留塔の塔
底から酢酸および10重量%の以下の水を含有するアクリ
ル酸を缶出させ、この缶出物を第2の蒸留塔に供給し、
該第2の蒸留塔の塔頂から水および酢酸を留出させると
ともに、塔底からアクリル酸を缶出させることを特徴と
する方法を提供するものである。
酸を蒸留により精製するにあたり、第1段の蒸留塔の塔
底から酢酸および10重量%の以下の水を含有するアクリ
ル酸を缶出させ、この缶出物を第2の蒸留塔に供給し、
該第2の蒸留塔の塔頂から水および酢酸を留出させると
ともに、塔底からアクリル酸を缶出させることを特徴と
する方法を提供するものである。
まず、本発明では、通常のアクリル酸製造工程を経て
得られる粗アクリル酸水溶液を原料として用いればよ
い。すなわち、前述のように、プロピレンやアクロレイ
ンを酸化触媒および水蒸気の存在下、分子状酸素で酸化
し、得られた反応生成物および未反応のプロピレンやア
クロレインを含む混合ガスを水に吸収させて粗アクリル
酸を得る。
得られる粗アクリル酸水溶液を原料として用いればよ
い。すなわち、前述のように、プロピレンやアクロレイ
ンを酸化触媒および水蒸気の存在下、分子状酸素で酸化
し、得られた反応生成物および未反応のプロピレンやア
クロレインを含む混合ガスを水に吸収させて粗アクリル
酸を得る。
本発明では、このようにして得た粗アクリル酸を水や
酢酸を分離して精製し、高純度のアクリル酸を得るもの
であるが、この粗アクリル酸を得るまでの工程は従来と
同様にして行うことができる。また、このようにして得
られたアクリル酸,酢酸,水などを含む粗アクリル酸
は、必要に応じてストリッピング処理を行い、アルデヒ
ド類を除去した後に本発明の精製工程に供される。
酢酸を分離して精製し、高純度のアクリル酸を得るもの
であるが、この粗アクリル酸を得るまでの工程は従来と
同様にして行うことができる。また、このようにして得
られたアクリル酸,酢酸,水などを含む粗アクリル酸
は、必要に応じてストリッピング処理を行い、アルデヒ
ド類を除去した後に本発明の精製工程に供される。
本発明では、水,酢酸,アクリル酸を含む粗アクリル
酸を蒸留してアクリル酸を分離精製するものであるが、
このときの水の含有量は、通常全体の30〜60重量%であ
る。
酸を蒸留してアクリル酸を分離精製するものであるが、
このときの水の含有量は、通常全体の30〜60重量%であ
る。
第1の蒸留塔における操作条件は、粗アクリル酸の組
成、蒸留後の所望の水含有量により異なるが、通常は塔
頂温度を40〜60℃,塔底温度を80〜100℃,圧力を50〜1
50mmHg,還流比を0.1〜10の範囲に設定すればよい。この
ような条件下で蒸留を行うことにより、塔頂部から水,
酢酸,プロピオン酸が留出し、塔底部から酢酸および水
を10重量%以下、好ましくは酢酸および水を0.1〜7重
量%含有するアクリル酸からなる缶出液を得ることがで
きる。水の含有量が10重量%を越えると、第2の蒸留塔
でのエネルギー付加が増加し、水の含有量が極端に多く
なると、酢酸の分離ができなくなるので好ましくない。
成、蒸留後の所望の水含有量により異なるが、通常は塔
頂温度を40〜60℃,塔底温度を80〜100℃,圧力を50〜1
50mmHg,還流比を0.1〜10の範囲に設定すればよい。この
ような条件下で蒸留を行うことにより、塔頂部から水,
酢酸,プロピオン酸が留出し、塔底部から酢酸および水
を10重量%以下、好ましくは酢酸および水を0.1〜7重
量%含有するアクリル酸からなる缶出液を得ることがで
きる。水の含有量が10重量%を越えると、第2の蒸留塔
でのエネルギー付加が増加し、水の含有量が極端に多く
なると、酢酸の分離ができなくなるので好ましくない。
次にこのように水の含有量を調節した粗アクリル酸を
第2の蒸留塔に供給し、該第2の蒸留塔における蒸留操
作により、塔頂から水および酢酸を留出させるととも
に、塔底から精製アクリル酸を缶出させる。この第2の
蒸留塔における操作条件は、製造工程あるいは第1の蒸
留塔から供給される粗アクリル酸の組成により異なる
が、通常は塔頂温度を40〜60℃,塔底温度を80〜100
℃,圧力を50〜150mmHg,還流比を10〜150の範囲に設定
すればよい。このような条件下で蒸留を行うことによ
り、塔頂部から水および酢酸を留出させ、塔底部からは
缶出液としてアクリル酸を得ることができる。
第2の蒸留塔に供給し、該第2の蒸留塔における蒸留操
作により、塔頂から水および酢酸を留出させるととも
に、塔底から精製アクリル酸を缶出させる。この第2の
蒸留塔における操作条件は、製造工程あるいは第1の蒸
留塔から供給される粗アクリル酸の組成により異なる
が、通常は塔頂温度を40〜60℃,塔底温度を80〜100
℃,圧力を50〜150mmHg,還流比を10〜150の範囲に設定
すればよい。このような条件下で蒸留を行うことによ
り、塔頂部から水および酢酸を留出させ、塔底部からは
缶出液としてアクリル酸を得ることができる。
このように、本発明においては、共沸剤を用いること
なく水含有量を調整した状態で最終的な蒸留を行うだけ
でアクリル酸を分離精製することができるため、精製後
のアクリル酸に共沸剤、たとえばトルエン等が混入する
ことが全くない。
なく水含有量を調整した状態で最終的な蒸留を行うだけ
でアクリル酸を分離精製することができるため、精製後
のアクリル酸に共沸剤、たとえばトルエン等が混入する
ことが全くない。
なお、粗アクリル酸における水含有量が上記のように
30〜60重量%の範囲内であれば2回の蒸留操作でアクリ
ル酸の精製を行うことができ、水やアクリル酸の含有量
によっては3段階以上の蒸留操作を行ってもよい。
30〜60重量%の範囲内であれば2回の蒸留操作でアクリ
ル酸の精製を行うことができ、水やアクリル酸の含有量
によっては3段階以上の蒸留操作を行ってもよい。
次に、本発明の実施例を説明する。
本実施例に使用した精製装置の構成を第1図に示す。
この精製装置は、第1の蒸留塔である脱水塔10と、第2
の蒸留塔である脱酢酸塔20とを備えたもので、それぞれ
のトレイ段数は18段とした。脱水塔10の操作条件は、塔
頂部の圧力が80mmHg,温度が47℃、塔底部の圧力が150mm
Hg,温度が92℃であり、還流比は1.32である。また、脱
酢酸塔20は塔頂部の圧力が50mmHg,温度が51℃、塔底部
の圧力が110mmHg,温度が88℃であり、還流比は121であ
る。
この精製装置は、第1の蒸留塔である脱水塔10と、第2
の蒸留塔である脱酢酸塔20とを備えたもので、それぞれ
のトレイ段数は18段とした。脱水塔10の操作条件は、塔
頂部の圧力が80mmHg,温度が47℃、塔底部の圧力が150mm
Hg,温度が92℃であり、還流比は1.32である。また、脱
酢酸塔20は塔頂部の圧力が50mmHg,温度が51℃、塔底部
の圧力が110mmHg,温度が88℃であり、還流比は121であ
る。
まず、アクリル酸,酢酸,水及びプロピオン酸を含む
粗アクリル酸を、粗アクリル酸供給管11から脱水塔10の
15段目のトレイ部分に導入した。この粗アクリル酸にお
ける上記成分の導入量は、アクリル酸39.99g/h,酢酸2.0
0g/h,水33.69g/h,プロピオン酸0.01g/hとした。また、
重合防止剤としてハイドロキノンを用い、粗アクリル酸
に0.04g/hの量で混合した。脱水塔10の塔頂部の留出流
体および還流液に合計0.06g/hの量でハイドロキノンを
1.63g/hの水とともに導入した。
粗アクリル酸を、粗アクリル酸供給管11から脱水塔10の
15段目のトレイ部分に導入した。この粗アクリル酸にお
ける上記成分の導入量は、アクリル酸39.99g/h,酢酸2.0
0g/h,水33.69g/h,プロピオン酸0.01g/hとした。また、
重合防止剤としてハイドロキノンを用い、粗アクリル酸
に0.04g/hの量で混合した。脱水塔10の塔頂部の留出流
体および還流液に合計0.06g/hの量でハイドロキノンを
1.63g/hの水とともに導入した。
この脱水塔10の塔頂部には、主として水が濃縮されて
管12から導出され、冷却器13で40℃に冷却された後、気
液分離器14に導入される。該気液分離器14で分離した気
相部に含まれる水0.21g/hは管15から排出され、気液分
離器14の液相部は、ポンプ16により抜き出されて、その
一部が脱水塔10の塔頂部に還流し、残部が管17から排出
される。この管17から排出される廃液は、水35.01g/hと
プロピオン酸0.01g/h、すなわち脱水塔10に導入された
ほとんどの水とプロピオン酸とを含み、わずかにアクリ
ル酸0.2g/hを含むものであった。
管12から導出され、冷却器13で40℃に冷却された後、気
液分離器14に導入される。該気液分離器14で分離した気
相部に含まれる水0.21g/hは管15から排出され、気液分
離器14の液相部は、ポンプ16により抜き出されて、その
一部が脱水塔10の塔頂部に還流し、残部が管17から排出
される。この管17から排出される廃液は、水35.01g/hと
プロピオン酸0.01g/h、すなわち脱水塔10に導入された
ほとんどの水とプロピオン酸とを含み、わずかにアクリ
ル酸0.2g/hを含むものであった。
一方、塔底部から導出した缶出液の一部は、ポンプ1
8,加熱器19を介して加熱された後に、再び18段目のトレ
イ部分に導入され、残部の缶出液が、ポンプ21,缶22を
経て脱酢酸塔20の9段目のトレイ部分に導入される。こ
の管22により脱酢酸塔20に導入された液は、アクリル酸
39.79g/h,酢酸2.00g/h,水0.1g/hを含むもので、プロピ
オン酸はほとんど含まれていない状態となっている。こ
のときの水分含有量は、全液量に対して、約0.2重量%
である。
8,加熱器19を介して加熱された後に、再び18段目のトレ
イ部分に導入され、残部の缶出液が、ポンプ21,缶22を
経て脱酢酸塔20の9段目のトレイ部分に導入される。こ
の管22により脱酢酸塔20に導入された液は、アクリル酸
39.79g/h,酢酸2.00g/h,水0.1g/hを含むもので、プロピ
オン酸はほとんど含まれていない状態となっている。こ
のときの水分含有量は、全液量に対して、約0.2重量%
である。
脱酢酸塔20による蒸留操作では、塔頂部に主として酢
酸が濃縮され、留出分として管23から導出される。重合
防止剤としてはフェノチアジンを用い、脱酢酸塔20の塔
頂留出流体と還流液に合計0.04g/hの量で3.16g/hのアク
リル酸とともに導入した。この留出分は、冷却器24で40
℃に冷却された後、気液分離器25に導入される。
酸が濃縮され、留出分として管23から導出される。重合
防止剤としてはフェノチアジンを用い、脱酢酸塔20の塔
頂留出流体と還流液に合計0.04g/hの量で3.16g/hのアク
リル酸とともに導入した。この留出分は、冷却器24で40
℃に冷却された後、気液分離器25に導入される。
気液分離器25で分離した気相部に含まれる酢酸0.91g/
hと0.06g/hおよびアクリル酸0.19g/hは、管26から排出
される。また気液分離器25で分離した液相部は、ポンプ
27により抜き出されて、その一部が脱酢酸塔20の塔頂部
に還流し、残部が管28から排出される。この管28から排
出される廃液は、酢酸1.08g/hと水0.04g/hおよびアクリ
ル酸0.40g/hを含むものであった。すなわち、脱酢酸塔2
0に導入された酢酸と水のほとんどは、上記管26および
管28から排出されることになる。
hと0.06g/hおよびアクリル酸0.19g/hは、管26から排出
される。また気液分離器25で分離した液相部は、ポンプ
27により抜き出されて、その一部が脱酢酸塔20の塔頂部
に還流し、残部が管28から排出される。この管28から排
出される廃液は、酢酸1.08g/hと水0.04g/hおよびアクリ
ル酸0.40g/hを含むものであった。すなわち、脱酢酸塔2
0に導入された酢酸と水のほとんどは、上記管26および
管28から排出されることになる。
一方、脱酢酸塔20の塔底には、この脱酢酸塔20におけ
る蒸留操作によりアクリル酸が濃縮され、缶出液として
管29から導出される。管29から導出された缶出液は、そ
の一部がポンプ30,加熱器31を介して加熱された後に18
段目のトレイ部分に再び導入され、残部の缶出液が、ポ
ンプ32,管33を経て回収される。
る蒸留操作によりアクリル酸が濃縮され、缶出液として
管29から導出される。管29から導出された缶出液は、そ
の一部がポンプ30,加熱器31を介して加熱された後に18
段目のトレイ部分に再び導入され、残部の缶出液が、ポ
ンプ32,管33を経て回収される。
以上のような2段の蒸留操作によって精製アクリル酸
42.35g/hを管33から回収することができた。この時のア
クリル酸の回収率は、約98%であり、得られたアクリル
酸中の酢酸とプロピオン酸はいずれも数ppmであり、水
はほとんど混入していなかった。また、当然のことなが
ら、従来のアクリル酸の精製に用いられているトルエン
などの共沸剤成分は、全く含まれていない。
42.35g/hを管33から回収することができた。この時のア
クリル酸の回収率は、約98%であり、得られたアクリル
酸中の酢酸とプロピオン酸はいずれも数ppmであり、水
はほとんど混入していなかった。また、当然のことなが
ら、従来のアクリル酸の精製に用いられているトルエン
などの共沸剤成分は、全く含まれていない。
なお、上記実施例において、脱水塔10の加熱器19およ
び脱酢酸塔20の加熱器31に要した熱負荷は、71.31kcal/
hであった。
び脱酢酸塔20の加熱器31に要した熱負荷は、71.31kcal/
hであった。
以上説明したように、本発明によれば、蒸留という単
純なプロセスでアクリル酸の精製を行うことができる。
しかもプロピオン酸の混入量が少なく、共沸剤を用いな
いので、共沸剤成分の混入が全くない高純度のアクリル
酸を得ることができる。
純なプロセスでアクリル酸の精製を行うことができる。
しかもプロピオン酸の混入量が少なく、共沸剤を用いな
いので、共沸剤成分の混入が全くない高純度のアクリル
酸を得ることができる。
また、簡単な装置構成で実施することが可能であり、
消費エネルギーも僅かで済むため、低コストでアクリル
酸の精製を行うことができる。
消費エネルギーも僅かで済むため、低コストでアクリル
酸の精製を行うことができる。
第1図は実施例で用いた精製装置の構成を示す系統図で
ある。 10:脱水塔 11:粗アクリル酸供給管 12,15,17,22,23,26,28,29,33:管 13,24:冷却器 14,25:気液分離器 16,18,21,27,30,32,ポンプ 19,31:加熱器 20:脱酢酸塔
ある。 10:脱水塔 11:粗アクリル酸供給管 12,15,17,22,23,26,28,29,33:管 13,24:冷却器 14,25:気液分離器 16,18,21,27,30,32,ポンプ 19,31:加熱器 20:脱酢酸塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−120633(JP,A) 特開 昭60−38342(JP,A) 特公 昭46−18966(JP,B1) 特公 昭46−30493(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 57/07 C07C 51/44 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】酢酸および水を含有するアクリル酸を蒸留
により精製するにあたり、第1段の蒸留塔の塔底から酢
酸および10重量%の以下の水を含有するアクリル酸を缶
出させ、この缶出物を第2の蒸留塔に供給し、該第2の
蒸留塔の塔頂から水および酢酸を留出させるとともに、
塔底からアクリル酸を缶出させることを特徴とするアク
リル酸の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2314326A JP2980366B2 (ja) | 1990-11-21 | 1990-11-21 | アクリル酸の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2314326A JP2980366B2 (ja) | 1990-11-21 | 1990-11-21 | アクリル酸の精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04187657A JPH04187657A (ja) | 1992-07-06 |
JP2980366B2 true JP2980366B2 (ja) | 1999-11-22 |
Family
ID=18051991
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2314326A Expired - Fee Related JP2980366B2 (ja) | 1990-11-21 | 1990-11-21 | アクリル酸の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2980366B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101424522B1 (ko) * | 2006-09-15 | 2014-08-13 | 알케마 인코포레이티드 | 아크릴산의 제조방법 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MY155247A (en) | 2008-10-01 | 2015-09-30 | Arkema Inc | Control of a process for the purification of (meth) acrylic and using on-line, near ir analysis |
CA2781246A1 (en) * | 2011-07-14 | 2013-01-14 | Rohm And Haas Company | Method for removal of organic compounds from waste water streams in a process for production of (meth)acrylic acid |
GB201621975D0 (en) * | 2016-12-22 | 2017-02-08 | Johnson Matthey Davy Technologies Ltd | Process |
US10968160B2 (en) | 2016-12-22 | 2021-04-06 | Eastman Chemical Company | Separation of propionic acid from acrylic acid via azeotropic distillation |
CN110099889B (zh) * | 2016-12-22 | 2023-04-04 | 伊士曼化工公司 | 经由分隔壁塔的丙烯酸提纯 |
-
1990
- 1990-11-21 JP JP2314326A patent/JP2980366B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101424522B1 (ko) * | 2006-09-15 | 2014-08-13 | 알케마 인코포레이티드 | 아크릴산의 제조방법 |
KR101477491B1 (ko) | 2006-09-15 | 2014-12-31 | 알케마 인코포레이티드 | 아크릴산의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04187657A (ja) | 1992-07-06 |
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