JPH0511719A - 表示制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ばらつき補正のための調整が不要でコスト低
減が可能な表示制御装置を得る。 【構成】 入力されたアナログオーディオ信号２６はバ
ンドパスフィルタ２３により各周波数ごとに７つの信号
に分離され、Ａ／Ｄ変換器２２でそれぞれＡ／Ｄ変換さ
れて表示制御部２５に入力され、記憶部３２に一旦格納
される。また、Ａ／Ｄ変換器２８を介して表示制御部２
５に入力されたリカバリ時間設定値も記憶部３２に格納
される。そして、Ａ／Ｄ変換器２２から新たに入力され
る信号の各々について記憶部３２内の現在値と比較し、
現在値以上の信号の入力があったときは、液晶表示器３
３の表示を直ちに更新し、現在値以上の信号入力がない
ときは、記憶部３２内に格納されたリカバリ時間経過後
に表示更新を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は表示装置に係わり、例え
ばオーディオ機器等で用いられる各種のレベル表示器の
表示を制御する表示制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＣＤ、ＤＡＴ等のオーディオ機器やテレ
ビジョン、ＶＴＲ等のビデオ機器においては、入力信号
のレベルを表示する表示器が備えられていることが多
い。このような表示器は、例えば発光ダイオードアレイ
や液晶表示器のような素子で構成され、入力レベルに応
じて表示させるセグメントの数を変化させるようになっ
ている。

【０００３】図５は、このような表示器の一例を表わし
たものである。この表示器には、それぞれ複数の液晶セ
グメントからなる液晶表示器１１−１〜１１−７が備え
られている。このうち、液晶表示器１１−１〜１１−６
はオーディオ入力信号の６種の周波数帯における各入力
レベルを表示し、液晶表示器１１−７は平均の入力レベ
ルを表示するようになっている。

【０００４】このような表示器においては、現在点灯中
の信号レベル以上の入力があったときは、これに応答し
て直ちに対応するセグメントの下側領域をすべて表示さ
せるが、一定時間内に現在点灯中の入力レベル以上の入
力が無かったときは、所定時間ごとにセグメントを順次
消灯して表示レベルを下げていく制御（以下、リカバリ
制御と呼ぶ。）を行うようになっている。これは、入力
信号に即座に応答してレベルを下げる表示を行ったので
は、ユーザの眼が直前の表示レベルを認識できないから
である。

【０００５】このようなリカバリ制御を伴う表示は、オ
ーディオ機器のみならず各種の電子測定器や自動車の表
示パネルにおけるエンジン回転数や速度の表示等、様々
な分野でも行われているが、従来は、このリカバリの時
間の制御は固定されたハードウェアにより行われてい
た。すなわち、液晶表示器の制御用の集積回路チップに
抵抗ＲやコンデンサＣからなるフィルタを外付けし、こ
のＣ、Ｒの値を適当に選択することによりリカバリ時間
を設定するようになっていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のレ
ベル表示器では、Ｃ、Ｒ等からなるフィルタにより表示
のリカバリ時間を設定するようになっていたので、例え
ば図５に示した７バンドの表示器の場合には２０点以上
の部品が必要となり、外付け部品点数が極めて多くなっ
てしまう。特に、リカバリ時間を大きく設定する場合に
はコンデンサＣの値を大きくとる必要があり、コストア
ップの要因となる。また、各使用部品間の値のばらつき
等により製品間のばらつきも多く、目標値への設定が容
易でなかった。このばらつきがあまりに大きい場合に
は、その補正のための調整工程が必要となる場合もあ
り、さらにコストアップの要因となっていた。

【０００７】さらに、例えば製品の仕様変更等によりリ
カバリ時間を変える場合には、各部品を適正な値のもの
に変更する必要があり、製造工程上も大きな手間が掛か
るという問題があった。

【０００８】従って、上記問題点を解決しなければなら
ないという課題がある。

【０００９】この発明は、かかる課題を解決するために
なされたもので、ばらつき補正のための調整が不要でコ
スト低減が可能な表示制御装置を得ることを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明に係る表示制御
装置は、入力信号レベルに応じた表示を行う表示器を制
御する装置であって、(i) 所望のリカバリ時間を設定す
るリカバリ時間設定手段と、(ii)入力信号のレベルを検
出するレベル判定手段と、このレベル判定手段により判
定された入力レベルを現表示値として記憶する現表示値
記憶手段と、(iii) この現表示値記憶手段に記憶された
現表示値と、新たに入力された信号の入力レベルとを比
較する比較手段と、(iv)この比較手段による比較の結
果、新たな入力レベルが現表示値以上であったときは直
ちにこの新たな入力レベルに対応した表示に更新し、新
たな入力レベルが現表示値以下であったときはリカバリ
時間が経過するまで現表示値を保持したのち更新する表
示更新手段とを有するものである。

【００１１】

【作用】この発明に係る表示制御装置では、新たな入力
信号のレベルが現表示値以下である限り現表示をリカバ
リ時間経過時まで保持して表示更新を遅延させることが
でき、また、このリカバリ時間を任意かつ確実に設定・
変更できる。

【００１２】

【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。

【００１３】図１は本発明の一実施例における表示制御
装置及びその周辺回路を表わしたものである。このレベ
ル表示制御装置２１には、アナログ・ディジタル（Ａ／
Ｄ）変換器２２が備えられ、バンドパスフィルタ（ＢＰ
Ｆ）２３から入力される７本のアナログ信号２４をそれ
ぞれＡ／Ｄ変換して表示制御部２５に入力するようにな
っている。バンドパスフィルタ２３は、入力されたアナ
ログのオーディオ信号２６から６つの周波数成分ｆ１〜
ｆ６と平均レベルＬＥＶとを抽出して７本のアナログ信
号２４として出力する。

【００１４】表示制御部２５には他のＡ／Ｄ変換器２８
が設けられ、図示しない入力部より入力されたリカバリ
設定値２９をディジタル値３１にＡ／Ｄ変換するように
なっている。表示制御部２５は、Ａ／Ｄ変換器２２から
入力された７種類のディジタル信号の各々に対応し、液
晶表示器３３への表示を制御するようになっている。ま
た、この装置には記憶部３２が備えられ、必要に応じ表
示制御部２５により参照されるようになっている。この
記憶部３２には次のような各種データが記憶される。

【００１５】(i) Ａ／Ｄ変換器２２から入力されたディ
ジタル値３５：各周波数ごとの最新の入力値が記憶され
る。

【００１６】(ii)Ａ／Ｄ変換器２８から入力されたディ
ジタル値３１とリカバリカウント値との対照テーブル
（図２）：このテーブルでは、ディジタル値３１の上位
４ビットによりリカバリ時間を１６段階に分け、それぞ
れに対し、後述するリカバリカウント値を対応させてい
る。ここでは、１カウント値当たり５０ｍｓの時間を割
り当てている。なお、この図で“＊”印はいかなる値で
もよいことを示す。

【００１７】(iii) Ａ／Ｄ変換器２２から入力されたデ
ィジタル値３５と液晶表示器３３への出力電圧との対照
テーブル（図３）：このテーブルでは、入力されたディ
ジタル値に対し８段階の出力電圧が設定されている。

【００１８】以上のような構成のレベル表示制御装置の
動作を図４と共に説明する。リカバリ時間設定用の入力
部から設定すべきリカバリ設定値２９（図１）が入力さ
れると、これはＡ／Ｄ変換器２８でディジタル値３１に
変換され、表示制御部２５に入力される。表示制御部２
５では、この入力値について記憶部３２のテーブル（図
２）を参照し、該当するリカバリカウント値を読み出
す。例えば、入力されたディジタル値３１が“００１１
００００”であったとすると、図２のテーブルよりリカ
バリカウント値は“１０”、リカバリ時間は５００ｍｓ
となる。

【００１９】次に表示制御部２５は、このリカバリカウ
ント値をリカバリカウンタＣに初期値としてセットする
（ステップＳ１０１）。次にデータＡを取り込んで記憶
部３２に格納したのち（ステップＳ１０２）、現在液晶
表示器３３に出力している表示値Ｂと比較する（ステッ
プＳ１０３）。この結果、新たな入力データＡが現表示
値Ｂよりも大きいときには（ステップＳ１０３；Ｙ）、
ＡをＢにセットし（ステップＳ１０４）、これを新たな
現表示値Ｂとする。そして、記憶部３２内のテーブル
（図３）を参照して対応する出力電圧を抽出し、液晶表
示器３３に出力する（ステップＳ１０５）。そして、リ
カバリカウンタＣに初期値をあらためてセットしたうえ
で（ステップＳ１０６）、このカウンタＣを１デクリメ
ントする（ステップＳ１０７）。

【００２０】一方、新たな入力データＡが現表示値Ｂよ
りも小さいときには（ステップＳ１０３；Ｎ）、表示値
Ｂを変更せず、カウンタＣのデクリメントのみを行う
（ステップＳ１０７）。

【００２１】このような動作（ステップＳ１０２〜Ｓ１
０７）はカウンタＣの値が“０”となるまで繰り返され
る。そして、カウンタＣが“０”となったとき（ステッ
プＳ１０８；Ｙ）、表示値Ｂの値を現在の値から１ステ
ップ下げて（ステップＳ１０９）、これに対応する電圧
を液晶表示器３３に出力する（ステップＳ１１０）。こ
ののち、リカバリカウンタＣに初期値をセットし（ステ
ップＳ１０１）、以下動作終了指示があるまで（ステッ
プＳ１１１；Ｙ）、ステップＳ１０１〜Ｓ１１０の動作
を繰り返し行う。以上の動作は、各周波数ごとの入力信
号ごとに行われる。

【００２２】上記した例のように、例えばリカバリ時間
を５００ｍｓに設定した場合、新たな入力信号レベルが
現表示値よりも大きいときには表示が直ちに更新され、
小さいときには５００ｍｓの間現表示が保持され、その
後表示が更新されることとなる。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所望のリカバリ時間を設定可能にし、新たな入力レベル
が現表示値以上であったときは直ちに表示を更新する一
方、新たな入力レベルが現表示値以下であったときはリ
カバリ時間経過時まで表示更新を遅延させることとした
ので、いわゆるリカバリ表示の遅延時間を任意かつ容易
に設定若しくは変更することができる。従って、ユーザ
によるリカバリ時間の設定・変更も極めて容易となり、
各ユーザごとの差別化や、いわゆるピークホールド表示
以外の付加価値表示も可能となる。

【００２４】また、従来のように外付けのフィルタ部品
が不要になるためコストを低減でき、省スペース化も可
能になると共に、リカバリ時間を目標値に確実に設定で
きることから製品間のばらつきがなく、ばらつき補正の
ための調整も不要になるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における表示制御装置を示す
ブロック図である。

【図２】この表示制御装置の記憶部に格納されたリカバ
リ時間設定入力値とリカバリカウント値との対応関係を
示すテーブルである。

【図３】この表示制御装置の記憶部に格納された入力信
号と表示出力との対応関係を示すテーブルである。

【図４】この表示制御装置の動作を説明するための流れ
図である。

【図５】レベル表示器の一例を示す説明図である。

【符号の説明】 ２１ 表示制御装置 ２２，２８ Ａ／Ｄ変換器 ２３ バンドパスフィルタ ２５ 表示制御部 ２６ オーディオ入力信号 ２９ リカバリ設定値 ３２ 記憶部

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 入力信号レベルに応じた表示を行う表示
   器を制御する装置であって、 所望のリカバリ時間を設定するリカバリ時間設定手段
   と、 入力信号のレベルを検出するレベル判定手段と、 このレベル判定手段により判定された入力レベルを現表
   示値として記憶する現表示値記憶手段と、 この現表示値記憶手段に記憶された現表示値と、新たに
   入力された信号の入力レベルとを比較する比較手段と、 この比較手段による比較の結果、新たな入力レベルが現
   表示値以上であったときは直ちにこの新たな入力レベル
   に対応した表示に更新し、新たな入力レベルが現表示値
   以下であったときは前記リカバリ時間が経過するまで現
   表示値を保持したのち更新する表示更新手段とを具備す
   ることを特徴とする表示制御装置。