JPH05117041A - サイアロン系焼結体の製造方法 - Google Patents

サイアロン系焼結体の製造方法

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JPH05117041A
JPH05117041A JP3281315A JP28131591A JPH05117041A JP H05117041 A JPH05117041 A JP H05117041A JP 3281315 A JP3281315 A JP 3281315A JP 28131591 A JP28131591 A JP 28131591A JP H05117041 A JPH05117041 A JP H05117041A
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JP
Japan
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sialon
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JP3281315A
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English (en)
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Masahiro Asayama
雅弘 浅山
Shinichi Kida
伸一 木田
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Coorstek KK
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温強度や焼結性を低下させることなく、緻
密質で破壊靭性値に優れた、サイアロンを母相とするセ
ラミックス焼結体を得ることを可能にしたサイアロン系
焼結体の製造方法を提供する。 【構成】 アルミニウムアルコキシドを 5〜30重量%の
範囲で含有する窒化ケイ素と、この窒化ケイ素 100重量
部に対して 5〜30重量部の範囲の炭化ケイ素とを混合す
る。さらに、窒化ケイ素 100重量部に対して酸化ハフニ
ウムを 0.2〜40重量部の範囲で混合する。これらの混合
物を所望の形状に成形し、得られた成形体を焼結させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、靭性値を向上させたサ
イアロンを主成分とする焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Si-Al-O-Nを主構成元素とするサイアロ
ン系焼結体は、熱膨脹係数が小さく、耐熱性、耐酸化特
性、耐食性等に優れており、Si3 N 4 系焼結体や SiC系
焼結体と共に構造用材料として使用することが試みられ
ている。このようなサイアロン系焼結体は、Si3 N 4
焼結体に比べて高温域での強度低下が小さく、かつ耐酸
化性に優れる等の特徴を有する半面、靭性が十分でない
という欠点が存在しているため、構造用材料として使用
するには、信頼性の点で劣っていた。
【0003】そこで、窒化ケイ素等の他のセラミックス
焼結体と同様に、 Y2 O 3 等を添加して粒界相の比率を
高め、粒界相によってクラックを伝播させることによ
り、クラックパスを長くすることや、サイアロン系焼結
体の微構造を制御することによって、アスペクト比が大
きい柱状粒子を形成すること等によって、靭性値の向上
を図ること等が試みられている。また、サイアロン系焼
結体中にサイアロンと固溶しない粒子、例えば SiC等の
粒子を分散させ、分散粒子による複合効果によって、靭
性値の向上を図ること等も試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなサイアロン系焼結体の靭性を向上させる手法の
うち、粒界相の比率を高めることは、粒界相が高温で軟
化するため、高温強度が低下してしまい、サイアロン系
焼結体の特徴を十分に生かすことができなくなるという
問題があった。また、微構造制御によってアスペクト比
が大きい柱状粒子を形成しても、一般に得られる柱状の
結晶粒は細く、また粒内破壊が主体となるため、クラッ
クが一直線に伸びてしまい、破壊靭性値がそれほど向上
しないという問題があった。
【0005】一方、 SiC等の粒子を分散含有させるため
に、サイアロン組成を満足する粉末に対して SiC等の異
種粒子を添加すると、著しく焼結性が低下してしまうと
いう問題があった。
【0006】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、高温強度や焼結性を低下させること
なく、緻密質で破壊靭性値に優れた、サイアロンを母相
とするセラミックス焼結体を得ることを可能にしたサイ
アロン系焼結体の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用】すなわち、本発明
のサイアロン系焼結体の製造方法は、アルミニウムアル
コキシドを 5〜30重量%の範囲で含有する窒化ケイ素
と、この窒化ケイ素 100重量部に対して 5〜30重量部の
範囲の炭化ケイ素とを混合する工程と、前記混合物を所
望の形状に成形し、得られた成形体を焼結させる工程と
を有することを特徴としている。また、上記サイアロン
系焼結体の製造方法において、さらに前記窒化ケイ素 1
00重量部に対して酸化ハフニウムを 0.2〜40重量部の範
囲で混合することを特徴としている。
【0008】本発明の製造方法において、窒化ケイ素お
よびアルミニウムアルコキシドは、サイアロン系焼結体
の母相形成材料である。ここで、本発明により得ようと
するサイアロン系焼結体の母相は、ほぼサイアロン組成
を満足するものであればよく、必ずしも全てサイアロン
である必要はない。すなわち、母相の90%以上がサイア
ロンであれば、本発明の効果が得られるため、他にガラ
ス相等の粒界相を微量含んでいてもよい。なお、サイア
ロンにはβ型サイアロン組成とα型サイアロン組成とが
存在するが、本発明のサイアロン系焼結体の母相は、実
質的にはβ型サイアロンである。
【0009】上記母相形成材料のうち、アルミニウムア
ルコキシドは、窒化ケイ素との混合物として焼成するこ
とによりサイアロン相を形成すると共に、得られるサイ
アロンの結晶粒を粗大化する、本発明における特徴的な
成分である。つまり、サイアロン中のAlおよび Oの出発
原料として、アルミニウムアルコキシドを用いることに
より、反応性が向上し、サイアロンの結晶粒を従来法に
よる結晶粒に比べて 2倍〜 5倍程度大きくすることがで
きる。
【0010】このように、サイアロンの結晶粒を粗大化
することによって、クラックが結晶粒内を進展すること
が抑制される。よって、結果的にクラックが粒界を伝播
するために、クラック偏向が生じて破壊靭性値の向上が
図れる。また、粒界自体の存在比率は、特に増大してい
ないため、高温強度等の低下を招くこともない。
【0011】アルミニウムアルコキシドの添加量は、窒
化ケイ素に対して 5〜30重量%の範囲であり、おおよそ
β型サイアロン組成を満足する母相形成材料を調整す
る。アルミニウムアルコキシドから焼成によって変換さ
れる酸化アルミニウムは、窒化ケイ素中に固溶してサイ
アロンを形成するが、その添加量が30重量%を超える高
温強度が低下すると共に、粒界層等の副次的に形成され
る第2相の量が増大し、また 5重量%未満では緻密化が
困難となる。上記アルミニウムアルコキシドとしては、
アルミニウムメトキシドやアルミニウムエトキシド等を
用いることができる。
【0012】また、本発明の原料混合物中には、炭化ケ
イ素を添加している。この炭化ケイ素は、サイアロンの
結晶粒中に固溶しないため、母相組織中に粒子形態で存
在して分散相を構成するものであり、この炭化ケイ素の
分散効果によって、より破壊靭性値の向上が図れる。つ
まり、本発明は、アルミニウムアルコキシドによる結晶
粒の粗大化効果と、炭化ケイ素の分散効果とを共存させ
ることによって、サイアロン系焼結体の破壊靭性値のよ
り一層の向上を図ったものである。また、単に炭化ケイ
素を添加しただけでは、サイアロン相の焼結性が低下し
て緻密化焼結が阻害されるが、本発明においては、アル
ミニウムアルコキシドを用いていることから、炭化ケイ
素を添加した系においても緻密化焼結が容易となる。
【0013】炭化ケイ素の添加量は、上記母相形成材料
100重量部に対して 5〜30重量部の範囲とする。炭化ケ
イ素の添加量が 5重量部未満では靭性向上効果が十分に
得られず、30重量部を超えると、サイアロン系焼結体を
十分に緻密化することが困難となる。
【0014】また、本発明における原料混合物中には、
さらに酸化ハフニウムを添加して用いてもよい。酸化ハ
フニウムは、炭化ケイ素を含みサイアロン組成を実質的
に満足する混合粉末の焼結助剤として機能すると共に、
焼結後は分散粒子として焼結体の機械的強度の向上等に
寄与するものである。
【0015】酸化ハフニウムの添加量は、上記した母相
形成材料 100重量部に対して 0.2〜40重量部の範囲とす
ることが好ましい。酸化ハフニウムの添加量が 0.2重量
部未満では、緻密化向上効果があまり期待できず、40重
量部を超えると、逆に焼結性を阻害したり、比重の増大
を招いてしまう。
【0016】本発明のサイアロン系焼結体の製造方法に
おいては、まず上述したような原料混合物を十分に混合
した後、プレス成形法等の公知の成形法によって所要の
形状に成形する。この後、上記成形体を不活性ガスの非
加圧雰囲気中にて、1700℃〜1900℃程度の温度で焼結さ
せることにより、目的とするサイアロン系焼結体が得ら
れる。
【0017】本発明の製造方法によれば、非加圧焼結に
よってもサイアロン系焼結体の緻密化を図ることがで
き、かつ破壊靭性値の向上を図ることが可能であるが、
その他の焼成法、例えば雰囲気加圧焼結法、ホットプレ
ス法、熱間静水圧焼結法(HIP)等の適用を妨げるも
のではない。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。
【0019】実施例1 まず、平均粒径 0.7μm のSi3 N 4 粉末に対して、Al(0
CH3 3 を10重量%添加し、さらにこれらの混合物 100
重量部に対して平均粒径 0.5μm の SiC粉末を20重量部
添加し、これらをエタノールを分散媒として24時間混合
した後、乾燥して原料混合粉末を調整した。
【0020】次に、上記原料混合粉末 100重量部にバイ
ンダ約 5重量部を添加して造粒した後、 1ton/cm2 の成
形圧で長さ50mm×幅50mm×厚さ 5mmの板状成形体を作製
した。この後、上記成形体に対して窒素ガス雰囲気中で
脱脂を施した後、 5気圧の窒素ガス雰囲気中において18
50℃× 2時間の条件で焼結を行い、サイアロンを母相と
するセラミックス焼結体を作製した。
【0021】また、本発明との比較として、アルミニウ
ムアルコキシドに代えて酸化アルミニウム粉末を用いる
以外は、上記実施例と同一条件でサイアロン系焼結体を
作製した。
【0022】このようにして得た実施例および比較例の
各サイアロン系焼結体の結晶粒の大きさを測定した。ま
た、焼結密度とマイクロインデンテ―ション法による破
壊靭性値KICとをそれぞれ測定した。それらの結果を表
1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果から明らかなように、Alおよび
Oの出発原料としてアルミニウムアルコキシドを用いる
ことにより、焼結密度を低下させることなく、破壊靭性
値の向上を図ることが可能であることが分る。
【0025】また、上記実施例および比較例による各サ
イアロン系焼結体の高温強度を 3点曲げ強度試験により
評価した。その結果を第1図に示す。第1図から明らか
なように、本発明の実施例によるサイアロン系焼結体
は、高温での強度低下が少ないというサイアロン系焼結
体の特性が十分に発揮されていることが分る。
【0026】さらに、上記実施例におけるアルミニウム
アルコキシドの添加量を代える以外は、上記実施例と同
一条件でサイアロン系焼結体を作製し、それらの破壊靭
性値KICを測定した。その結果を第2図に示す。
【0027】実施例2 上記実施例1における原料混合物中に、さらにSi3 N 4
とAl(0CH3 3 との混合物 100重量部に対して、平均粒
径 0.9μm の HfO2 粉末を20重量部添加する以外は、上
記実施例1と同一条件でサイアロン系焼結体を作製し
た。
【0028】このようにして得たサイアロン系焼結体の
結晶粒の大きさは、幅が 0.4μm 〜0.9μm 、長さが 0.
8μm 〜30μm であった。また、焼結密度は92%、破壊
靭性値KICは 7.5とそれぞれ良好な値が得られた。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のサイアロ
ン系焼結体の製造方法によれば、高温強度を低下させる
ことなく、破壊靭性値に優れたサイアロン系焼結体を得
ることができる。したがって、構造材料に適したセラミ
ックス焼結体を容易に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例により得たサイアロン系焼結
体の高温強度を示すグラフである。
【図2】原料混合物中のアルミニウムアルコキシドの添
加量を変化させた際の破壊靭性値を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムアルコキシドを 5〜30重量
    %の範囲で含有する窒化ケイ素と、この窒化ケイ素 100
    重量部に対して 5〜30重量部の範囲の炭化ケイ素とを混
    合する工程と、前記混合物を所望の形状に成形し、得ら
    れた成形体を焼結させる工程とを有することを特徴とす
    るサイアロン系焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のサイアロン系焼結体の製
    造方法において、 さらに、前記窒化ケイ素 100重量部に対して酸化ハフニ
    ウムを 0.2〜40重量部の範囲で混合することを特徴とす
    るサイアロン系焼結体の製造方法。
JP3281315A 1991-10-28 1991-10-28 サイアロン系焼結体の製造方法 Withdrawn JPH05117041A (ja)

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