JPH0977559A - 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法

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JPH0977559A
JPH0977559A JP7237158A JP23715895A JPH0977559A JP H0977559 A JPH0977559 A JP H0977559A JP 7237158 A JP7237158 A JP 7237158A JP 23715895 A JP23715895 A JP 23715895A JP H0977559 A JPH0977559 A JP H0977559A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 AlN焼結体においては、低温焼結で高密度
およびアルミナと比較して良好な熱伝導性を達成すると
共に、ガラス封止性、銅メタライズ性、抗折強度を改善
することが求められている。 【解決手段】 AlN(主構成物)と、B元素、Si元
素、O元素、Al元素、周期律表の3A族元素および2
A族元素からなる構成物(副構成物)とを有するAlN
焼結体であって、上記した副構成物を20〜65重量% の範
囲で含有すると共に、熱伝導率が40〜80W/m K である。
このようなAlN焼結体は、AlN粉末に上述した各元
素の単体または化合物を、これら各元素の主たる出発原
料による元素の組成比を(3A:2A:O:B:Si= 16〜31:4〜1
0:9〜17:0.4〜1.6: 0.3〜1.2)を満足させつつ合計で20
〜65重量% の範囲で添加して焼結体原料を調製し、この
焼結体原料を1673〜 1873Kの温度で焼成することにより
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化アルミニウム
焼結体およびその製造方法に係り、さらに詳しくは、低
温焼結で緻密化が可能で、かつガラス封止や銅メタライ
ズが容易で、高抗折強度を有する窒化アルミニウム焼結
体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ICやLSIのような半導体素子
の高速化、高集積化等に伴って、回路基板や半導体パッ
ケージ等に対する要求特性も厳しくなりつつある。例え
ば、半導体素子から発生する熱を効率よく放散するため
に、高い熱伝導性が要求され、また半導体素子の熱的応
力による破壊等の危険性をできるだけ小さくするため
に、熱膨張係数が半導体素子のそれに近いことや高強度
を有することが要求されている。
【0003】ところで、回路基板やパッケージの絶縁材
料としてのセラミックス材料としては、アルミナ(Al2
O 3 )セラミックスがこれまで一般的に用いられてき
た。しかしながら、アルミナセラミックスは従来のプラ
スチック材料やガラス材料と比べれば熱伝導性が高いも
のの、熱伝導率が20W/m K 程度と不十分であると共に、
熱膨張係数が 7×10-6/Kとシリコンの熱膨張係数(4.5×
10-6/K)の約 2倍であるため、半導体素子の高集積化や
高速化に対応するには十分な特性を有しているとはいえ
ない。
【0004】このようなことから、アルミナセラミック
スに代って窒化アルミニウム(AlN)焼結体が注目さ
れ、多層回路基板の絶縁材料等への応用が多方面で研究
されている。AlN焼結体は熱膨張係数が 4.0×10-6/K
で、シリコンの熱膨張係数とほぼ等しく、半導体素子の
熱的応力を十分小さくできると共に、高熱伝導率を有す
ることから、半導体素子の高集積化や高速化に伴う発熱
量の増大にも十分対応できるものである。しかしなが
ら、窒化アルミニウムは共有結合性が強く、難焼結材料
であるため、緻密な焼結体を得るためには 2073K程度の
焼結温度が必要であった。
【0005】今後、AlN焼結体の用途を拡大させるた
めには低コスト化が急務であり、その試みとして既存の
連続炉の使用を実現すべく、低温焼結が検討されてい
る。近年の研究開発の結果、AlN焼結助剤の改良によ
って、超微紛のAlN粉末等を用いなくとも 1873K前後
の温度まで焼結温度を低下させることが可能になりつつ
ある。
【0006】一方、半導体用パッケージ等として用いる
場合には、AlN焼結体のガラス封止性等を、また回路
基板等として用いる場合には、AlN焼結体の銅メタラ
イズ性を考慮する必要がある。すなわち、AlN焼結体
をQFP(クワァドフラッドパッケージ)等のパッケー
ジ材料に供する場合、半導体素子を搭載した後、この素
子を保護するためにキャップを使用したガラス封止を行
うことがあるため、ガラス封止性が良好であることが望
まれる。同様に、AlN焼結体に回路を形成する場合
に、一般的な銅メタライズを容易に適用し得ることが望
まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のAl
N焼結体の低温焼成化技術としては、例えば希土類元素
化合物とアルカリ土類酸化物とを同時に添加する方法
(特開昭 61-117160号公報参照)が提案されており、こ
の方法では焼成温度が 1973K以下でも焼結は可能である
が、また表面にガラス封止に必要な成分が存在していな
いため、良好なガラス封止性を得ることはできない。
【0008】また、AlN焼結体の低温焼結化、高密度
化、高熱伝導率化等を目的として、周期律表の4A族、
5A族、6A族、7A族および8A族の遷移金属元素か
ら選ばれる少なくとも 1種を添加する方法(特開昭 62-
153173号公報参照)が提案されており、この方法によれ
ば1873〜 1923Kの焼結温度でも緻密化は可能であるが、
ガラス封止性に劣ると共にグレース化も難しく、さらに
銅メタライズも困難であることが予想される。さらに、
周期律表の2A族元素および希土類金属の酸化物とBお
よび遷移金属を同時に添加する方法(特開平2-130064号
公報参照)も提案されているが、同様に良好なガラス封
止性を有するAlN焼結体を得ることは難しいと考えら
れる。
【0009】このように、従来のAlN焼結体において
は、低温焼結で高密度およびアルミナと比較して良好な
熱伝導性を達成した上で、ガラス封止性、銅メタライズ
性、抗折強度等を改善することが課題とされていた。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、1673〜 1873K程度の温度で緻密化さ
せることが可能で、アルミナと比較して良好な熱伝導性
を有し、かつガラス封止性、銅メタライズ性、抗折強度
が良好な窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法を
提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1673〜 1
873K程度の低温焼成で緻密化することができ、焼結体表
面に助剤成分の大量のにじみ出しもなく、しかもアルミ
ナと同等程度まで熱伝導率を低下させずに、ガラスを用
いて容易に封止することができ、グレーズ化が容易で、
さらには銅メタライズが容易で、高抗折強度を有する窒
化アルミニウム焼結体を提供するために、窒化アルミニ
ウムへの添加物種および添加量について種々検討したと
ころ、AlN粉末にB元素、Si元素、O元素、Al元
素、周期律表の3A族元素および2A族元素の単体また
は化合物を合計で20重量% 以上65重量% 以下の範囲で添
加することによって、上記した目的が達成できることを
見出した。
【0012】本発明はこのような知見に基いてなされた
もので、本発明の窒化アルミニウム焼結体は、AlN
と、B元素、O元素、Si元素、Al元素、周期律表の
3A族元素および2A族元素からなる構成物とを有する
窒化アルミニウム焼結体であって、前記構成物を20〜65
重量% の範囲で含有すると共に、前記構成物中のB元
素、Si元素、O元素、3A族元素および2A族元素の
組成比が(3A族元素):(2A族元素):(酸素):
(硼素):(珪素)=(16〜31):(4〜10):(9〜1
7):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)であり、かつ熱伝導率が4
0〜80W/m K であることを特徴としている。
【0013】また、本発明の窒化アルミニウム焼結体の
製造方法は、AlN粉末に、少なくともΒ元素、Si元
素、O元素、周期律表の3A族元素および2A族元素の
単体または化合物を、これら各元素の主たる出発原料に
よる前記元素の組成比を(3A族元素):(2A族元
素):(酸素):(硼素):(珪素)=(16〜31):(4
〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)を満足させ
つつ合計で20〜65重量%の範囲で添加して、焼結体原料
を調製する工程と、前記焼結体原料を1673〜1873K の温
度で焼成する工程とを有することを特徴としている。
【0014】本発明のAlN焼結体は、粒界相成分等と
してのB元素、O元素、Si元素、Al元素、周期律表
の3A族元素および2A族元素からなる構成物(副構成
物)を20〜65重量% の範囲で含有するものであり、この
副構成物は周期律表の3A族元素および2A族元素の少
なくとも一方を含むアルミネート化合物、B元素単体あ
るいはB元素を含む化合物(例えばAlボレート化合物
や希土類ボレート化合物等)、およびSi元素単体ある
いはSi元素を含む化合物等として存在するものであ
る。このような副構成物は、焼成時にはAlN焼結体の
低温焼結を可能にする成分として機能すると共に、焼結
後にはガラス封止性や銅メタライズ性、さらには抗折強
度の向上に寄与する。
【0015】AlN焼結体中の副構成物量が20重量% 未
満であると、AlN焼結体表面に占める副構成相、主に
3A族元素や2A族元素のアルミネート化合物等の酸化
物、さらにはAlボレート化合物や希土類ボレート化合
物の占める面積が低下する。通常粒界相に存在する酸化
物やボレート化合物はガラスとの濡れ性が良好で、ガラ
ス封止に対して有効に作用するにもかかわらず、焼結体
表面での存在量が少ないとグレーズ化やガラス封止を容
易に行うことができず、さらには銅メタライズを良好に
行うことができない。つまり、AlN焼結体の酸化工程
等によって、ガラスの濡れ性が良好な層を常に形成する
ことが必要になってくる。副構成物量は40重量% 以上が
より好ましく、さらにガラス封止性を考慮すると50重量
% 以上が望ましい。
【0016】逆に、AlN焼結体中の副構成物量が65重
量% を超えると、焼結体の微構造の変化から、具体的に
は高熱伝導なAlN結晶粒が隣接するAlN結晶粒と大
きな面で接触しなくなり、熱伝導率がAl2 3の熱伝
導率と同程度となってしまい、高熱伝導性を特徴とする
AlNを用いる利点がなくなる。さらに、焼結体表面に
助剤成分が大量ににじみ出して表面平滑性等が損われ
る。
【0017】そして、副構成物を形成するΒ元素、Si
元素、O元素、周期律表の3A族元素および2A族元素
の単体または化合物を、これら各元素の主たる出発原料
による元素の組成比(重量比)を(3A族元素):(2
A族元素):(酸素):(硼素):(珪素)=(16〜3
1):(4〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)を
満足させてAlN粉末に添加した焼結体原料を用いるこ
とで、低温焼結による緻密化を再現性よく実現すること
が可能となる。言い換えると、本発明のAlN焼結体に
おける副構成物中のΒ元素、Si元素、O元素、周期律
表の3A族元素および2A族元素の組成比を(3A族元
素):(2A族元素):(酸素):(硼素):(珪素)
=(16〜31):(4〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3
〜1.2)とすることで、緻密な焼結体が低温焼結で再現性
よく得られる。
【0018】なお、AlN焼結体における副構成物中の
上記した各元素の組成比は、あくまでも各元素の主たる
出発原料に基く元素の組成比であることが好ましい。こ
こで言う各元素の主たる出発原料による元素量とは、例
えば3A族元素および2A族元素については、Β元素を
これら元素との化合物として添加する場合の3A族元素
および2A族元素は含まず、また酸素に関してはAlN
中に含まれる酸素量とアルミナ中の酸素量の合計であ
り、3A族元素、2A族元素、Si元素を酸化物として
添加する場合の酸素量は含まない。
【0019】また、本発明のAlN焼結体を回路基板等
として使用する場合、焼結体を均一に着色することが好
ましい。着色剤としては、周期律表の4A族、5A族、
6A族元素が有効であり、これらを元素換算で0.05〜
0.9重量% の範囲で含有することで、均一に着色するこ
とができる。
【0020】このように、B元素、Si元素、O元素、
Al元素、周期律表の3A族元素および2A族元素から
なる副構成物を20〜65重量% の範囲で含有するAlN焼
結体は、1673〜 1873K程度の低温焼結で緻密化(例えば
3.29〜3.40g/cm3 )できると共に、40〜80W/m K という
アルミナに比較して良好な熱伝導率を有し、かつ良好な
ガラス封止性、銅メタライズ性、および良好な抗折強度
が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0022】まず、本発明のAlN焼結体を実現するた
めの製造方法について述べる。本発明のAlN焼結体
は、以下に示す製造方法を適用して作製することが好ま
しい。本発明のAlN焼結体を製造するために用いるA
lN粉末は、平均粒子径が0.02〜 1.0μm の範囲で、か
つ不純物酸素量が 0.6〜 2重量% の範囲のものが好まし
く、これら以外については特に限定されるものではな
い。平均粒子径が0.02〜 1.0μm のAlN粉末は、低温
焼結における緻密化に寄与する。より好ましい平均粒子
径は0.04〜 0.8μm の範囲である。なお、 0.1μm 以下
の超微粉はハンドリングが困難になると共に、不純物酸
素量が多くなる可能性があるため、そのような場合には
0.3〜 0.7μm のAlN粉末を使用するとよい。
【0023】また、ΑlN粉末に含まれる酸素は、Al
Nの焼結に寄与するものである。酸素量が 0.6重量% 未
満であると、AlΝの焼結性が低下し、一方酸素量が 2
重量% を超えると熱伝導率がAl2 Ο3 と同程度まで低
下してしまい、40W/m K 以上の熱伝導率の達成が困難と
なる。AlN粉末の酸素含有量は 0.7〜 1.5重量% の範
囲がさらに好ましく、望ましくは 0.8〜 1.3重量% の範
囲である。
【0024】上述したようなAlN粉末に、少なくとも
Β元素、Si元素、O元素、周期律表の3A族元素およ
び2A族元素の単体または化合物を合計で20〜65重量%
の範囲で添加して、焼結体原料を調製する。具体的に
は、焼結助剤としてScおよびYを含む希土類元素の単
体および/または化合物とアルカリ土類元素の単体およ
び/または化合物を添加し、さらに硼素の単体および/
または化合物、珪素の単体および/または化合物を添加
する。また、必要に応じてAlの酸化物等を添加する。
これらは合計で20〜65重量% の範囲で、AlN粉末に添
加される。なお、酸素は3A族元素や2A族元素の酸化
物、あるいはAlの酸化物等や、AlN粉末に含まれる
不純物酸素等として添加される。
【0025】周期律表の3A族元素(ScおよびYを含
む希土類元素)としては、Sc、Y、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Τb、Dy、Ηo、E
r、Τm、Yb、Luがいずれも使用することができ
る。周期律表の2A族元素(アルカリ土類元素)として
は、Ca、Mg、Sr、Ba、Beがいずれも使用する
ことができる。特に工業的には、YとCaが好ましく使
用される。これら元素は酸化物として添加することが特
に好ましく、また焼結条件下で酸化物となる化合物を用
いてもよい。つまり、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、硫
酸塩、水酸化物等を使用することができる。さらに、3
A族元素や2A族元素は、ハロゲン化物、酸ハロゲン化
物、アセチリド化合物、炭化物、水素化物、窒化物、ケ
イ化物、硫化物等の形で添加してもよい。硼素は単体で
添加してもよいし、またAlボレート、希土類ボレー
ト、アルカリ土類ボレート等のボレート化合物、酸化
物、TiやW等の遷移金属との化合物等として添加して
もよい。珪素は単体で添加してもよいし、また窒化物、
酸化物、TiやW等の遷移金属との化合物等として添加
してもよい。
【0026】上述した希土類元素化合物およびアルカリ
土類元素化合物の添加量、原料粉末中に含まれる酸素量
やAl酸化物の添加量、さらには硼素の単体もしくは化
合物や珪素の単体もしくは化合物の添加量は、合計量で
20〜65重量% を満足させると共に、低温焼結による緻密
化をより再現性よく実現するために、(希土類元素):
(アルカリ土類元素):(酸素):(硼素):(珪素)
=(16〜31):(4〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3
〜1.2)の組成比(重量比)を満足させることが好まし
い。この組成の中心値は(希土類元素):(アルカリ土
類元素):(酸素):(硼素):(珪素)=23.6: 7.
1:11: 0.8:0.62である。この前後の値、すなわち上
記範囲内であれば低温焼結を容易に実現することができ
る。より好ましくは、(希土類元素):(アルカリ土類
元素):(酸素):(硼素):(珪素)=(18〜29):
(5〜9):(9〜15):(0.5〜1.4):(0.4〜1.0)であり、さ
らに好ましくは、(希土類元素):(アルカリ土類元
素):(酸素):(硼素):(珪素)=(20〜27):(6
〜8):(10:13):(0.5〜1.2):(0.4〜0.9)である。
【0027】なお、(酸素)量はAlN粉末に含まれる
酸素量と添加するAl酸化物(Al2 3 )中の酸素量
との合計を示すものであり、希土類酸化物やアルカリ土
類酸化物等を用いたときの酸素量は上記組成比には含ま
れないものとする。同様に、着色剤としてWO3 等を用
いたときの酸素や硼素源にΒ2 3 を用いたときの酸素
等も、上記組成比には含まれないものとする。また、硼
素源として希土類ボレートやアルカリ土類ボレートを用
いる場合のこれらボレート化合物に含まれる希土類元素
やアルカリ土類元素の量も、上記組成比には含まれない
ものとする。ただし、全体量としては20〜65重量% の範
囲を満足しなければならない。上述した希土類元素、ア
ルカリ土類金属元素、硼素、珪素および酸素の単体また
は化合物は、40〜65重量% の範囲で添加することがより
好ましく、さらに好ましくは50〜65重量% の範囲であ
る。
【0028】上述したようにして調製したAlN焼結体
原料粉末は、ボールミル等を用いて十分に混合する。焼
結体原料粉末には、必要に応じて焼結体の着色剤を添加
してもよい。着色剤としては、Τi、Zr、Hf、W、
Mo等の周期律表の4A族、6A族の遷移金属の単体、
酸化物、炭化物、弗化物、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸
塩、窒化物(Mn単体または化合物は用いない)等が挙
げられる。
【0029】焼結には、常圧焼結法、ホットプレス法等
を適用することができる。常圧焼結法による場合は、焼
結体原料粉末にバインダを加え、混練、造粒、整粒を行
った後、所望の形状に成形する。成形法としては、金型
プレス、静水圧プレス、シート成形等が適用できる。次
いで、成形体を例えばN2 ガス気流中あるいは空気気流
中で加熱してバインダを除去した後、常圧焼結する。焼
結温度は使用する添加物の種類にもよるが、1673〜 187
3Kの範囲に設定することが好ましい。焼結温度が 1673K
未満であると、本発明による添加物組成を使用しても緻
密化が困難であり、一方 1873Kを超えると低温焼結によ
る製造コストの低減等の実現が困難となる。
【0030】上述した本発明の添加物組成(副構成物組
成)によれば、2A族元素や3A族元素の化合物等を単
独で添加するときよりも低温での焼結が可能となり、さ
らに前述した添加物の好ましい組成比、すなわち(希土
類元素):(アルカリ土類元素):(酸素):(硼
素):(珪素)=(16〜31):(4〜10):(9〜17):
(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)を満足させることによって、こ
の組成範囲外の場合より低温で緻密化焼結が可能とな
る。焼結温度は1733〜〜 1863Kの範囲とすることが好ま
しく、さらに好ましくは1753〜 1853Kの範囲である。焼
結時間は 0.5〜 100時間の範囲とすることが好ましい。
より好ましくは 1〜60時間、さらに好ましくは 4〜30時
間である。
【0031】一方、ホットプレス焼結法による場合は、
前述したボールミル等で混合した焼結体原料粉末をプレ
ス成形してもよいし、また直接ホットプレスしてもよ
い。この際の焼結温度条件等は、上述した常圧焼結と同
様である。
【0032】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0033】実施例1 不純物酸素量が1.00重量% で、平均一次粒子径が 0.6μ
m のAlN粉末50.7重量% に対して、平均粒径 0.1μm
、純度99.9重量% のY2 3 を 19.69重量% 、CaC
3 を 11.65重量% 、平均粒径 0.8μm のAl2 3
14.27重量% 、平均粒径 1μm のLaΒ6 を1.65重量%
、平均粒径 0.5μm のSi3 4 を0.66重量% 、およ
び着色剤としてWO3 を 0.3重量% 添加し、これらにn-
ブタノールを加えて湿式ボールミルにより解砕、混合し
た後、n-ブタノ一ルを除去して焼結体原料粉末とした。
【0034】続いて、上記焼結体原料粉末にアクリル系
バインダを 5重量% 添加して造粒した後、この造粒粉を
50MPa の一軸加圧下で成形して、凹型形状の成形体を作
製した。この成形体を空気雰囲気中で773Kまで加熱し
て、アクリル系バインダを除去した。次いで、脱バイン
ダ体をAlN焼結体からなる焼結容器中にセットし、グ
ラファイト製ヒータ炉で 1気圧の窒素ガス雰囲気下にて
1823Kで 6時間焼成して、AlN焼結体を得た。
【0035】得られたAlN焼結体は、黒色で色ムラや
焼きムラがなく、また清浄な表面を有していた。密度を
アルキメデス法で測定したところ、3.30g/cm3 と十分に
緻密化していた。また、AlN焼結体から直径10mm、厚
さ 3mmの円板を切り出し、294±2Kの室温下で JIS-R161
1に従ってレーザーフラッシュ法で熱伝導率を測定した
ところ、70W/m K と良好な値を示した。
【0036】また、得られた凹型AlN焼結体を 2個重
ねる形で、窒素雰囲気中でガラス封止を行った。封止に
用いたガラス組成は下記の表1に示す通りである。
【0037】
【表1】 封止したAlN焼結体を、 5気圧のへリウムガスで満た
しチャンバ中に40分間放置した後、チャンバ内を 0.1Pa
オーダで真空に引いて、再び空気を 1気圧まで導入し
た。このへリウム洗浄工程を 3回行った後、試料をチャ
ンバから取り出し、空気中で30分間放置した。このよう
に処理した後、へリウムリーク試験(ファインリーク検
知)を行った。へリウムリーク量の検出は質量分析計で
行った。その結果、 1.0×10-10 atm ・cc・ s-1未満と
良好な値を示した。さらに、グロスリーク試験を行っ
た。具体的には、393Kに加温した住友3M社製フロリナ
ート40番中に試料を入れて 3分間放置したが気泡の発生
はなく、グロスリークも確認されなかった。このよう
に、本発明のAlN焼結体はガラス封止性に優れること
が確認された。なお、銅メタライズ性についても良好な
結果が得られた。
【0038】実施例2〜38、比較例1〜9 表2〜表4に示すAlN粉末および添加物を用いて、表
6および表7に示す焼結条件(温度および時間)を適用
する以外は、実施例1と同様な方法でAlN焼結体を作
製した。なお、表5は添加物の組成比(希土類元素:ア
ルカリ土類元素:酸素:硼素:珪素)等を示すものであ
る。得られた各AlN焼結体の特性を実施例1と同様に
して測定した。その結果を表6および表7に併せて示
す。なお、表6および表7における表面状態が良好と
は、色ムラや焼きムラがなく、しかも目視で表面に多大
な析出物が見られないことを意味している。
【0039】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化アル
ミニウム焼結体は、1673〜 1873K前後の低温焼結で緻密
化が可能であると共に、40W/m K 以上の熱伝導率と高抗
折強度を有しており、かつガラス封止や銅メタライズを
良好に行うことができる。従って、回路基板やパッケー
ジ基体等として好適な窒化アルミニウム焼結体を提供す
ることが可能となる。
【0041】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 文雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AlNと、B元素、Si元素、O元素、
    Al元素、周期律表の3A族元素および2A族元素から
    なる構成物とを有する窒化アルミニウム焼結体であっ
    て、前記構成物を20〜65重量% の範囲で含有すると共
    に、前記構成物中のB元素、O元素、Si元素、3A族
    元素および2A族元素の組成比が(3A族元素):(2
    A族元素):(酸素):(硼素):(珪素)=(16〜3
    1):(4〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)で
    あり、かつ熱伝導率が40〜80W/m K であることを特徴と
    する窒化アルミニウム焼結体。
  2. 【請求項2】 AlN粉末に、少なくともΒ元素、Si
    元素、O元素、周期律表の3A族元素および2A族元素
    の単体または化合物を、これら各元素の主たる出発原料
    による前記元素の組成比を(3A族元素):(2A族元
    素):(酸素):(硼素):(珪素)=(16〜31):(4
    〜10):(9〜17):(0.4〜1.6):(0.3〜1.2)を満足させ
    つつ合計で20〜65重量% の範囲で添加して、焼結体原料
    を調製する工程と、 前記焼結体原料を1673〜 1873Kの温度で焼成する工程と
    を有することを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製
    造方法。
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