JPH05115888A - 写真廃液の処理方法 - Google Patents

写真廃液の処理方法

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JPH05115888A
JPH05115888A JP31003891A JP31003891A JPH05115888A JP H05115888 A JPH05115888 A JP H05115888A JP 31003891 A JP31003891 A JP 31003891A JP 31003891 A JP31003891 A JP 31003891A JP H05115888 A JPH05115888 A JP H05115888A
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JP
Japan
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waste liquid
processing
waste
photographic
color
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Application number
JP31003891A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Harada
吉明 原田
Kenichi Yamazaki
健一 山崎
Kiyotaka Hori
清高 堀
Hiroshi Ishizuka
弘 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真廃液のCOD、TOD値、アンモニア分
を有効に低下させ、水質及び大気の両面にわたって環境
汚染のない有効で簡易な写真廃液の無害化手段を提供す
る。 【構成】 写真廃液を含有臭化物イオン濃度が該廃液1
リットル当り1g以下になるように希釈してから、10
0〜370℃の温度で、かつ該廃液が液相を保持する圧
力に保ちつつ、鉄、コバルト、マンガン、ニッケル、ロ
ジウム、パラジウム、イリジウム、白金などの金属又は
これ等金属の不溶性又は難溶性の化合物を担持した触媒
体の存在下でかつ廃液中のアンモニア、有機性物質など
を分解するのに必要な量の酸素の供給下に湿式酸化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料の処理廃液(以下、「写真廃液」という)の公害負
荷を低減する処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】黒白およびカラーのハロゲン化銀写真感
光材料の処理によって生じる写真廃液は通常、有価金属
である銀の回収の目的から感光材料から溶出した銀イオ
ンを多く含むもの(含銀系)とそれ以外のもの(非含銀
系)とに分類して回収され、含銀系からは廃液処理業者
によって銀が回収される。一般に定着処理およびカラー
感光材料処理における漂白処理、一浴漂白定着処理から
の使用済処理廃液は含銀系に分類され、現像処理からの
使用済処理廃液は非含銀系に分類される。水洗処理およ
び安定処理からの使用済処理廃液は含まれる銀イオンの
濃度に応じて含銀系あるいは非含銀系のいずれかにそれ
ぞれ分類される。
【0003】従来、これらの写真廃液のCOD(化学的
酸素要求量)等の公害負荷を低減する処理方法として
は、化学的処理法(特開昭53−12152号、特公昭
57−37396号、特開昭61−241746号
等)、イオン交換法(特公昭51−37704号、特公
昭53−383号、特公昭53−43271号等)、逆
浸透法(特開昭50−22463号)、活性汚泥法(特
公昭55−49559号、特公昭51−12943号
等)、電解酸化法(特開昭48−84462号、特開昭
49−119458号等)等が知られている。しかし、
これらの方法はそれぞれ以下の様な欠点を持っている。
【0004】化学的処理法は、過酸化水素、過硫酸塩、
過ハロゲン酸塩、亜ハロゲン酸及び次亜ハロゲン酸添加
による処理法が知られているが、高いCOD値を有する
写真廃液に対してはどれも処理効率が極めて悪く、常に
必要以上に過剰の薬剤を使用することになり、運転経費
が高くなってしまう。また、イオン交換法や逆浸透法の
ように樹脂や膜を使う場合にも、現像主薬など高分子化
しやすい物質の吸着やよごれで頻繁に樹脂や膜の交換が
必要になり、運転経費が高くなりやすい。
【0005】活性汚泥法については、運転経費は安く済
むものの、生分解性の乏しい素材に対しての効果は薄
く、特に写真廃液中に多量に含まれるEDTA(エチレ
ンジアミン四酢酸)等のキレート剤はほとんど処理され
ない。また電解酸化法については高いCODを有する廃
液を処理するには大量の電流を必要とし運転経費が高い
こと、現像主薬等の有機化合物が高分子化して電極が汚
染されること、チオ硫酸等の低級イオウ化合物を処理す
ると硫化水素等の有害ガスを生成すること等の問題点を
有している。
【0006】さらに、比較的高濃度にCOD成分を含む
一般の廃水の処理法としてチンマーマン法と呼ばれる処
理方法が知られている。これはCOD成分を含む廃水に
対して、高温、高圧下に空気を導入し、該COD成分を
液相酸化によって酸化分解する方法であるが、反応率が
低く、かつ廃水中のアンモニアがほとんど分解されずに
残存するので、写真廃液のごとく、極めて高濃度のCO
D成分を含み、かつ多量のアンモニアを含有する廃水に
は処理能力が不十分であるという問題点を有していた。
【0007】また、この湿式酸化法を触媒の存在下で行
なうことにより、アンモニアの除去、COD成分処理率
の向上をめざした方法(特開昭53−20663、同5
5−86584等)も提案されているが、特異的に臭化
物イオンを多量に含む写真廃液においては十分な処理効
果を得ることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を効果的に解決する新たな方法を提供することを目的
としている。すなわち本発明は第1に水質および大気の
両面にわたって環境汚染のない有効かつ安価な写真廃液
の無害化手段を確立することを目的とする。
【0009】本発明は第2に写真廃液のCOD値を有効
に低下させる処理手段を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々の検討
を行なった結果、写真処理廃液について以下の手段を用
いることにより、本発明の目的が効果的に達成されるこ
とを見出した。すなわち、写真廃液を含有臭化物イオン
濃度が該廃液1リットルあたり1g以下になるように調
整してから、100〜370℃の温度かつ該廃液が液相
を保持する圧力に保ちつつ鉄、コバルト、マンガン、ニ
ッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウ
ム、白金、銅、金及びタングステン並びにこれ等金属の
水に不溶性又は難溶性の化合物の少なくとも一種を担持
した触媒体の存在下かつ廃液中のアンモニア、有機性物
質および無機性物質を分解するのに必要な量の酸素を含
有するガスにより湿式酸化することを特徴とする写真廃
液の処理方法である。
【0011】本発明について、詳細に説明する。本発明
の方法に用いられる写真処理廃液としては、ハロゲン化
銀写真感光材料を現像処理したときに生じる処理液であ
る。ここでいうハロゲン化銀感光材料としてはカラー感
光材料と黒白感光材料がある。例えばカラー感光材料と
してはカラーペーパー、カラー反転ペーパー、撮影用カ
ラーネガフィルム、カラー反転フィルム、映画用ネガも
しくはポジカラーフィルム、直接ポジカラー感光材料な
どを挙げることができ、黒白感光材料としては、Xレイ
フィルム、印刷用感光材料、マイクロフィルム、撮影用
黒白フィルムなどを挙げることができる。
【0012】通常、これらの処理によって排出される使
用済処理廃液は、有価金属である銀の回収の目的からハ
ロゲン化銀写真感光材料から処理液中に溶出した銀イオ
ンを多く含むもの(含銀系)とそれ以外のもの(非含銀
系)とに分類されて回収される。一般に黒白現像におけ
る定着処理やカラー現像における漂白処理、定着処理及
び漂白定着処理からの使用済処理廃液は含銀系に分類さ
れ、カラー現像及び黒白現像における現像処理からの使
用済処理廃液は非含銀系に分類される。カラー現像及び
黒白現像における水洗処理および安定処理からの使用済
処理廃液は、含まれる銀イオンの濃度に応じて含銀系あ
るいは非含銀系にそれぞれ分類され、含銀系の廃液に銀
回収処理を施したものは銀回収系廃液、非含銀系の廃液
は現像系廃液として扱われる。本発明においてはこれら
銀回収系廃液、現像系廃液あるいはこれらの混合廃液の
いずれについても適用することができる。
【0013】本発明においては写真廃液を100〜37
0℃の温度且つ該廃液が液相を保持する圧力に保ちつつ
触媒の存在下に酸素を含有するガスにより湿式酸化処理
を行なうことにより有機性、無機性のCOD負荷を有す
る成分が酸化分解され、さらにアンモニア、硝酸等の窒
素含有成分が分解、除去される。これによってBOD、
COD、全窒素含有量等廃液の公害負荷の指標を安価に
効率良く低下させることができる。
【0014】この際廃液中に含まれる臭化物イオンの濃
度を廃液1リットルあたり1g以下になるよう調整して
から処理を行なうと、調整、例えば希釈を行なわずに処
理を行なった場合に比べ著しく処理率(除去率)が向上
することを本発明者らは見出した。通常の廃液において
は、廃液の酸化により生じる熱を有効に使用することな
どの理由から、できる限り高濃度で処理することが望ま
しいとされていることを鑑みると、これは驚くべき効果
である。写真廃液中には多量の無機塩類が含まれてお
り、これらを多量に含んだまま処理を行なおうとすると
酸化反応がこれらによって阻害されること、特に写真廃
液特有に多く含まれる臭化物イオンによって反応が阻害
されることが原因として考えられる。
【0015】本発明で使用する触媒有効成分としては、
鉄、コバルト、マンガン、ニッケル、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、イリジウム、白金、銅、金及びタン
グステン、並びにこれ等の酸化物、塩化ルテニウム、二
塩化白金等の塩化物、硫化ルテニウム、硫化ロジウム等
の硫化物等の水に対し不溶性乃至難溶性の化合物が挙げ
られ、これ等の1種又は2種以上が担体上に担持され
る。触媒の有効成分は常法に従って、アルミナ、シリ
カ、シリカ−アルミナ、チタニア、ジルコニア、活性炭
等の粒状担体或いはニッケル、ニッケル−クロム、ニッ
ケル−クロム−鉄等の金属多孔粒状担体、ハニカム担
体、その他各種の形状をもつ担体等に担持させた状態で
使用する。尚、本発明において触媒は、球状のほか、ペ
レット状、円柱状、ハニカム状、破砕片状、粉末状等の
種々の形状のものを利用することができる。触媒有効成
分の担持量は、担体重量の通常0.05〜25%程度、
より好ましくは0.5〜3%程度である。
【0016】ハニカム担体を用いる場合の構造として
は、開口部が四角形、五角形、六角形、円形等の任意の
形状のもので良い。単位容量当りの面積、開口率等も特
に限定されるものではないが、通常単位容量当りの面積
200〜800m2 /m3 程度、開口率40〜80%程
度のものを使用する。ハニカム構造体の材質としては、
チタニア、ジルコニア等が例示される。
【0017】また、本発明において使用する酸素を含有
するガスとしては、空気、酸素富化空気、酸素等であ
る。これらのガスの送入量は、廃液中に含まれる有機性
および無機性物質ならびにアンモニアを窒素、炭酸ガ
ス、水、硫酸等にまで酸化分解するに必要な理論酸素量
から求められる。一般に理論酸素量の1.0〜3.0倍
量、より好ましくは1.05〜2.2倍量を使用する。
酸素含有ガスは一度に供給しても良く、あるいは複数回
に分けて供給しても良い。
【0018】反応時の温度は通常100〜370℃、好
ましくは220〜350℃である。また反応時の圧力
は、所定の反応温度において写真廃液が液相を保つ最低
限の圧力以上であればよく、好ましくは50kg/cm
2 から170kg/cm2 の圧力範囲で運転を行なう。
また反応時間は5〜300分、好ましくは15〜180
分である。
【0019】本発明の湿式酸化処理に用いる反応器は反
応時の温度圧力に耐えるものであればオートクレーブ等
を用いた回分式、反応塔等を用いた流通式のいずれの方
式のものでも良い。写真廃液は一般に金属を侵す性質が
強いので反応器は耐食合金(SUS316等)やチタン
材等耐食性のすぐれた素材で構成することが好ましい。
いずれの反応器においても、酸素と被処理水が十分に接
触する攪拌装置や邪魔板等の攪拌手段を有することが好
ましい。
【0020】流通式の反応装置を使用する場合は、固定
床形式のものを使用し、その容積は、液の空間速度が
0.3〜12 l/Hr(空塔規準)程度、より好まし
くは1.0〜4 l/Hr(空塔規準)程度となる様に
するのが良い。本発明に適用される写真処理廃液は、写
真処理液成分を主成分としているが、写真処理廃液に
は、写真処理液に添加されている素材のほか写真処理過
程で生成した現像主薬の酸化体、硫酸塩、ハライドなど
の反応生成物や、感光材料から溶け出した微量のゼラチ
ン、界面活性剤などの成分が含まれている。
【0021】写真処理液にはカラー処理液、黒白処理
液、製版作業に伴う減力液、現像処理タンク洗浄液など
があり、黒白現像液、カラー現像液、定着液、漂白液、
漂白定着液、画像安定化液などが挙げられる。カラー現
像液は、通常、芳香族第一級アミンカラー現像主薬を主
成分として含有する。それは主にp−フェニレンジアミ
ン誘導体であり、代表例はN,N−ジエチル−p−フェ
ニレンジアミン、2−アミノ−5−ジエチルアミノトル
エン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒド
ロキシエチル)アミノ〕アニリン、N−エチル−N−
(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4
−アミノアニリンである。また、これらのp−フェニレ
ンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−ト
ルエンスルホン酸塩などの塩である。該芳香族第一級ア
ミン現像主薬の含有量は現像液1リットル当り約0.5
g〜約10gの範囲である。
【0022】また黒白現像液中には、1−フェニル−3
−ピラゾリドン、1−フェニル−4−ヒドロキシメチル
−4−メチル−3−ピラゾリドン、N−メチル−p−ア
ミノフェノール及びその硫酸塩、ヒドロキノン及びその
スルホン酸塩などが含まれている。カラー及び黒白現像
液には保恒剤として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、メタ亜硫
酸ナトリウム、メタ亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩や、カ
ルボニル亜硫酸付加物を含有するのが普通で、これらの
含有量は現像液1リットル当たり0g〜5gである。
【0023】カラー及び黒白現像液中には、保恒剤とし
て種々のヒドロキシルアミン類を含んでいる。ヒドロキ
シルアミン類は置換又は無置換いずれも用いられる。置
換体としてはヒドロキシルアミン類の窒素原子が低級ア
ルキル基によって置換されているもの、とくに2個のア
ルキル基(例えば炭素数1〜3)によって置換された
N,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミン類が挙げら
れる。またN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミン
とトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンの組
合せも用いられる。ヒドロキシルアミン類の含有量は現
像液1リットル当り0〜5gである。
【0024】カラー及び黒白現像液は、pH9〜12で
ある。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤が用い
られる。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸
塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシン塩、
N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシ
ン塩、グアニン塩、3,5−ジヒドロキシフェニルアラ
ニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−
メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロ
リン塩、トリスヒドロシアミノメタン塩、リシン塩など
を用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ
酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性やpH9.0以
上の高pH領域での緩衝能に優れ、現像液に添加しても
写真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であ
るといった利点を有し、これらの緩衝剤が多く用いられ
る。該緩衝剤の現像液への添加量は通常現像液1リット
ル当たり0.1モル〜1モルである。
【0025】その他、現像液中にはカルシウムやマグネ
シウムの沈澱防止剤として、或いは現像液の安定性向上
のために各種キレート剤が添加される。その代表例とし
てニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニト
リロ−N,N,N−トリメリメチレンホスホン酸、エチ
レンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホ
スホン酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢
酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−
ジアミノプロパン四酢酸、2−ホスホノブタン−1,
2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸等を挙げることができる。これら
のキレート剤は必要に応じて2種以上併用されることも
ある。
【0026】現像液は、各種の現像促進剤を含有する。
現像促進剤としては、チオエーテル系化合物、p−フェ
ニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、p−
アミノフェノール類、アミン系化合物、ポリアルキレン
オキサイド、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒド
ラジン類、メソイオン型化合物、チオン型化合物、イミ
ダゾール類等である。
【0027】多くのカラーペーパー用カラー現像液は、
上記のカラー現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン
塩、炭酸塩、硬水軟化剤などと共にアルキレングリコー
ル類やベンジルアルコール類を含んでいる。一方カラー
ネガ用現像液、カラーポジ用現像液、一部のカラーペー
パー用現像液は、これらのアルコール類を含んでいな
い。
【0028】また、現像液中には、カブリ防止の目的
で、臭素イオンを含有することが多いが、塩化銀を主体
とする感光材料に対しては臭素イオンを含まない現像液
を用いることもある。その他、無機カブリ防止剤として
NaClやKClなどの塩素イオンを与える化合物を含
有していることがある。また各種有機カブリ防止剤を含
有していることも多い。有機カブリ防止剤としては、例
えば、アデニン類、ベンズイミダゾール類、ベンズトリ
アゾール類及びテトラゾール類を含有していてもよい。
これらのカブリ防止剤の含有量は現像液1リットル当り
0.010g〜2gである。これらのカブリ防止剤は処
理中に感光材料中から溶出し、現像流中に蓄積するもの
も含まれる。特に本発明において上記したような臭素イ
オンや塩素イオン等の総ハロゲンイオン濃度が混合液1
リットル当たり1ミリモル以上であるような廃液におい
ても有効に処理することができる。特に臭素イオン濃度
が混合液1リットル当たり1ミリモル以上の場合に有効
である。
【0029】また、現像液中には、アルキルホスホン
酸、アリールホスホン酸、脂肪酸カルボン酸、芳香酸カ
ルボン酸等の各種界面活性剤を含有している。黒白写真
処理においては、現像処理の後に定着処理が行なわれ
る。カラー写真処理においては、発色現像後に漂白処理
し、その後に定着処理される。漂白処理は定着処理と同
時に漂白定着(ブリックス)で行なわれることもある。
漂白液には、酸化剤として鉄(III)又はCo(II
I)のEDTA、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリ
ロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸塩、ホ
スホノカルボン酸塩そのほか過硫酸塩、キノン類などが
含まれている。そのほか、臭化アルカリ、臭化アンモニ
ウムなどの再ハロゲン化剤、硼酸塩類、炭酸塩類、硝酸
塩類を適宜含有する場合もある。定着液や漂白定着液に
は通常チオ硫酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩)、
酢酸塩、ホウ酸塩、アンモニウム又はカリ明ばん亜硫酸
塩などを含有している。
【0030】ハロゲン化銀写真感光材料の処理において
は、定着処理あるいは漂白定着処理を行なった後、水洗
及び/又は安定処理を行なうことが一般的である。水洗
処理においては、その処理槽にバクテリアが繁殖し、生
成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じるこ
とがある。このような問題の解決策として、水洗水に特
開昭61−131632号に記載のカルシウムイオン、
マグネシウムイオンを低減させる方法を用いることがで
きる。また、特開昭57−8542号に記載のイソチア
ゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシア
ヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾト
リアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」、衛生技
術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」、日本防菌防
黴学会編「防菌防黴剤事典」に記載の殺菌剤を用いるこ
ともある。
【0031】このような水洗水による水洗処理に続い
て、あるいは水洗処理の代わりに安定浴による安定化処
理が行なわれることもある。その例として、撮影用カラ
ー感光材料の最終浴として使用される、ホルマリンと界
面活性剤を含有する安定浴を挙げることができる。この
安定浴にも各種キレート剤や防黴剤を加えることもでき
る。
【0032】また、本発明による方法は印刷用刷版とし
て使用されるPS版(感光性平版)の現像処理にともな
い生じる処理廃液についても適用することができる。ま
たこれらは前記ハロゲン化銀写真感光材料廃液との混合
廃液であってもよい。これら被処理廃液中に含まれる臭
化物イオンの濃度が高い場合、臭化物イオン濃度が廃液
1リットルあたり1g以下になるように調整する。調整
法としては硝酸銀を添加し、臭化銀として沈殿させ、こ
れを除去する方法、陰イオン交換膜を使って電気透析に
より除去する方法や水で希釈する方法が挙げられる。特
に水で希釈する方法が容易で、かつ安価であって好まし
く、希釈に用いる水としては水道水、井水、河川水等を
用いることができる。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 〔用いた廃液の説明〕市販の撮影済み多層カラーネガフ
ィルム、フジカラーSUPER HG(以下、SHG
−)100、SHG−200、SHG−400、SHG
−1600、REALA(以下商品名、富士写真フイル
ム社製)、コダカラーGOLD(以下、GOLD−)1
00、GOLD−200、GOLD−400、GOLD
−1600、エクター25、エクター125、エクター
1000(以上商品名、イーストマンコダック社製)、
コニカカラーGX(以下、GX−)100、GX−20
0、GX−400、GX−3200、コニカカラーGX
II(以下、GXII−)100、GX−100M(以
下商品名、コニカ社製)をとくに区別することなく、各
種取り混ぜて順次ミニラボ用のフィルムプロセッサーF
P900AL(商品名、富士写真フイルム社製)で処理
液としてカラーネガ用現像処理済CN−16Q(商品
名、富士写真フイルム社製)を用いて処理した。このと
きの現像浴および水洗浴のオーバーフロー液をカラーネ
ガ現像系廃液とし、漂白浴および定着浴のオーバーフロ
ー液をカラーネガ漂白・定着系廃液とした。また市販の
カラーペーパー(フジカラーペーパーSUPER、F
A、富士写真フイルム社製)にカラーネガからプリント
焼き付けを行って、フジミニラボチャンピオンFA−1
70のプリンタープロセサーPP1800B(商品名、
富士写真フイルム社製)で、処理液としてカラーペーパ
ー用処理済CP−43FA(商品名、富士写真フイルム
社製)を用いて処理した。このときの現像浴のオーバー
フロー液をカラーペーパー現像系廃液とし、漂白定着浴
および水洗浴のオーバーフロー液をカラーペーパー漂白
定着系廃液とした。
【0034】カラーネガ現像系廃液およびカラーペーパ
ー現像系廃液を1:1に混合したものをカラー現像系廃
液とし、カラーネガ漂白・定着系廃液およびカラーペー
パー漂白・定着系廃液を1:1に混合したものをカラー
漂白・定着系廃液とした。市販の撮影済み黒白ネガフィ
ルム・ネオバンSS、ネオバン400PRESTO、ネ
オバン1600SUPER PRESTO(以上商品
名、富士写真フイルム社製)をとくに区別することな
く、各種取り混ぜて順次現像液フジドールと定着液フジ
フィックス(以下商品名、富士写真フイルム社製)を用
いて処理した廃液をそれぞれ5リットルずつと、市販の
黒白ペーパー(フジプロWP富士写真フイルム社製)に
ネガからプリント焼き付けを行って現像液コレクトール
と定着液フジフィックス(以上商品名、富士写真フイル
ム社製)を用いて処理した廃液をそれぞれ5リットルず
つと医療用Xレイ感材、MI−SFおよびMI−SFI
I(以上商品名、富士写真フイルム社製)を現像液RD
−3と定着液Fuji−F(以上商品名、富士写真フイ
ルム社製)で処理したときの廃液をそれぞれ10リット
ルずつおよび印刷用感材システム富士GRADEXシリ
ーズの現像液GR−D1と定着液GR−F1(以上商品
名、富士写真フイルム社製)の廃液をそれぞれ10リッ
トルずつを現像液、定着液に分けて混合し、それぞれ3
0リットルとしてこれを黒白現像系廃液および黒白定着
系廃液とした。
【0035】カラー現像系廃液および黒白現像系廃液を
1:1で混合し、現像系廃液とした。また、カラー漂白
・定着系廃液および黒白定着系廃液を1:1で混合し、
銀回収処理を施したものを銀回収系廃液とした。本実施
例においてはこの現像系廃液と銀回収系廃液を1:1で
混合した処理液を用いた。この混合液の分析結果を表1
に示す。またこの液中の無機塩基の濃度は、12%であ
った。また酸化分解に必要な理論酸素量としての指標で
あるTOD値は82000mg/リットルであった。
【0036】 表 1 項 目 分析値 COD 〔mg/リットル〕 45000 TOC 〔mg/リットル〕 15000 アンモニア性窒素〔mg/リットル〕 9100 臭化物イオン 〔mg/リットル〕 3700 実施例1 上記廃水を水道水で10倍希釈し、空間速度0.67
l/Hr(空塔基準)として円塔型反応塔(チタンクラ
ッド製)下部に供給する。液の質量速度は5.7t/m
2 Hrである。一方酸素含有気体を空間速度100 l
/Hr(空塔基準、標準状態換算)として上記円筒型反
応器下部に供給する。これらは理論酸素量の1.5倍の
酸素が供給されるように調整した。該反応器にはチタニ
ア担体にルテニウム2重量%を担持させた径5mmの球
形触媒が充填されている。
【0037】反応塔内部を温度270℃、圧力86kg
/cm2 に保持し、反応を行なった。触媒反応を終えた
気液混合相を順次反応塔上部から抜き出し、気液分離器
に導き、分離された気相および液相を冷却後系外に取り
出した。分離された液相を処理水1とし、その分析結果
を表2No.1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】処理水1は透明、清澄な液であり、COD
値、アンモニア性窒素量とともに小さく、極めて良好な
除去率を示した。またTOC(全有機炭素量)値で示さ
れる残存有機物を検出されなかった。以上のように本発
明を実施することにより良好に写真廃液を無害化するこ
とができる。 比較例 廃液を無希釈あるいは低希釈倍率で処理し、酸素含有気
体をその場合の理論酸素量の1.5倍の酸素が供給され
るように調整した以外は実施例1と同様の操作を行なっ
た。 (イ)廃液を無希釈で処理した。得られた処理水を処理
水2とする。 (ロ)廃液を水道水で2倍に希釈して処理した。得られ
た処理水を処理水3とする。 (ハ)廃液を水道水で3倍に希釈して処理した。得られ
た処理水を処理水4とする。
【0040】処理水2,3,4の分析結果を表2No.
2からNo.4に示す。処理水2,3,4とも黄色の着
色が見られ、特にCOD値、TOC値の除去率がそれぞ
れ処理水1に比べ著しく悪い。 実施例2 反応温度、圧力として320℃、150kg/cm2
て反応を行なった以外は、実施例1と同様にして反応を
行なった結果、液の空間速度として4.0 l/Hrを
取ることにより、実施例1と同様の水質を得る事ができ
た。 実施例3 反応温度、圧力として350℃、200kg/cm2
て反応を行なった以外は実施例1と同様にして反応を行
なった結果、液の空間速度として8.0 1/Hrを取
ることにより実施例1と同様の水質を得ることができ
た。 実施例4 開口形状が正方形(一辺の長さ3.5mm)であり、セ
ルピッチ4.5mm、開口率59.3%のチタニア製ハ
ニカム構造体にパラジウム2重量%を担持させた触媒を
用いる以外は実施例1と同様にして反応を行なった結
果、液の空間速度として0.4 l/Hrを取る事によ
り実施例1と、同様の水質を得ることができた。 実施例5〜14 触媒を表3に示すものとした以外は実施例1と同様にし
て反応を行なった。処理水の分析結果を表3に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明の処理方法を用いると、有機、無
機のCOD成分とアンモニアの両方を含む写真廃液につ
いて経済的に極めて高除去率でCOD値、TOC値、ア
ンモニア性窒素量を減少させることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/72 M 8017−4G 23/74 M 8017−4G G03C 5/00 A (72)発明者 石塚 弘 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真廃液を含有臭化物イオン濃度が該廃
    液1リットルあたり1g以下になるように調整してか
    ら、100〜370℃の温度かつ該廃液が液相を保持す
    る圧力に保ちつつ鉄、コバルト、マンガン、ニッケル、
    ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白
    金、銅、金及びタングステン並びにこれ等金属の水に不
    溶性又は難溶性の化合物の少なくとも一種を担持した触
    媒体の存在下かつ廃液中のアンモニア、有機性物質およ
    び無機性物質を分解するのに必要な量の酸素を含有する
    ガスにより湿式酸化することを特徴とする写真廃液の処
    理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004121985A (ja) * 2002-10-02 2004-04-22 Fuji Photo Film Co Ltd 有機化合物の分解方法

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JP2004121985A (ja) * 2002-10-02 2004-04-22 Fuji Photo Film Co Ltd 有機化合物の分解方法

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