JPH05115282A - コラゲナーゼの製造方法 - Google Patents

コラゲナーゼの製造方法

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JPH05115282A
JPH05115282A JP28335791A JP28335791A JPH05115282A JP H05115282 A JPH05115282 A JP H05115282A JP 28335791 A JP28335791 A JP 28335791A JP 28335791 A JP28335791 A JP 28335791A JP H05115282 A JPH05115282 A JP H05115282A
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JP
Japan
Prior art keywords
collagenase
producing
bacterium
medium
vibrio
Prior art date
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Pending
Application number
JP28335791A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Nishimoto
真一郎 西本
Atsushi Wakameda
篤 若目田
Seiji Kimura
省二 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Fishery Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Fishery Co Ltd
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Publication date
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 微生物によりコラゲナーゼを生産するに際し
て、魚介類の断片を培地に添加して培養することを特徴
とするコラゲナーゼの製造法。 【効果】 従来よりも大量かつ高活性のコラゲナーゼを
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微生物を用いたコラゲ
ナーゼの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コラゲナーゼは古くから椎間板ヘルニ
ア、火傷、皮膚炎、歯周炎等の治療薬あるいは予防薬と
して臨床領域での利用が試みられてきており、また食肉
の軟化剤としても使用され更に近年においては動物組織
の細胞分散などの生化学試薬として使用されており、極
めて有用な酵素である。コラゲナーゼを産生する微生物
としては、クロストリジウム属、ビブリオ属、シュード
モナス属に属する微生物等が知られている。このうちク
ロストリジウム属に属するクロストリジウム ヒストリ
ティカム (Clostridium histolyticum) の産生するコラ
ゲナーゼは古くから実際に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クロス
トリジウム ヒストリティカムは嫌気性の細菌であるた
め、空気を遮断して培養しなければならず、培養操作及
びその管理において繁雑である。またこの細菌は病原菌
であって毒素を産生し、それが人体に害を及ぼす可能性
もある。このためこの細菌による大規模なコラゲナーゼ
の製造は、経済的な面でも、安全性の面でも問題があ
り、他の微生物によるコラゲナーゼの製造方法の確立が
望まれていた。
【0004】そこで本発明の目的は、クロストリジウム
属以外のコラゲナーゼ生産菌を利用し、コラゲナーゼを
経済的かつ高収率な生産方法を開発することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、コラゲナ
ーゼ生産菌を好気的条件下で培養条件を種々検討したと
ころ、培地に魚介類の体の断片を添加することにより、
従来の培養方法よりも高収率でコラゲナーゼを採取する
ことができることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明はビブリオ・エス・ピー B
-92 などビブリオ属に属する微生物やその他の微生物に
よりコラゲナーゼを生産するに際して、魚介類の断片を
培地に添加して培養することを特徴とするものである。
また、本発明は前記の微生物によりコラゲナーゼを生産
するに際して水で洗浄した魚介類の断片を培地に添加す
ることを特徴とするものである。
【0007】更に本発明は前記の微生物によりコラゲナ
ーゼを生産するに際して、炭素源を含まない培地に魚介
類の断片を培地に添加し培養することを特徴とするもの
である。以下本発明を詳細に説明する。本発明に用いら
れる微生物としてはコラゲナーゼを産生する微生物であ
ればいずれでもよいが、例えばビブリオ属に属する細菌
が挙げられる。この細菌の細菌学的性質は日本水産学会
誌44巻887項 (1978) に記載されており、下記の通りで
ある。
【0008】(1) 形態 グラム陰性で、単極毛を有
し、胞子を形成せず、運動性を有した桿菌である。細菌
のサイズは0.5〜0.8×1.0〜2.0μmである。 (2) 生育状態 寒天培養及び肉汁液体培養のいずれに
おいても、pH7.6で良好に生育する。寒天培地ではスワ
ーミング状のコロニーを形成する。コロニーの色は灰色
がかった白色を呈しており、色素は生成しない。また肉
汁液体培地では、表面に薄膜を形成し、濁った状態で沈
澱物を生成する。
【0009】(3) 生理学的性質 更にビブリオ属の中でも、コラゲナーゼ生産量の大きい
ビブリオ属に属するビブリオ・エス・ピー B-92 が最適
である。この菌株は、通産省工業技術院微生物工業研究
所へ、微工研菌寄第12530号として寄託している。
【0010】微生物を培養する方法は、一般微生物の好
気的培養方法を用いればよく、例えば振とう培養法、通
気攪拌培養法を用いることができる。培養あるいは、培
地滅菌中消泡を必要とする時は、消泡剤が使用できる。
培地は通常のものを用いればよいが、グルコース、デン
プンなどの炭素源を培地に含まない培地も使用できる。
pHは中性付近がよく、特にpH7.6が酵素産生に最適であ
る。また必要に応じて培地に無機塩、金属塩も加えるこ
とができる。コラゲナーゼ生産菌は10〜30℃で生育する
が、コラゲナーゼの生産には、通常15〜25℃が好まし
い。25℃で培養を行うと18〜20時間後にコラゲナーゼの
活性が最大となる。
【0011】次に、培地に添加する魚介類の断片につい
て説明する。本発明に用いることのできる魚介類として
は、魚類、甲殻類、軟体動物等食用にされるほとんどす
べての水産生物が挙げられる。断片としては、体のどの
部分でもよいが、好ましくは、表皮、頭部、骨、鰭等の
比較的コラーゲン含量の多い部分がよい。添加する際に
は、これらのうち特定の部分だけを添加してもよいが複
数の部分を混合して添加する方が望ましい。実際に用い
られるものとしては、コスト上の関係から水産物加工過
程で生じる廃棄物を用いるのがよく、例えば冷凍すり身
製造工程中に廃棄される残渣がよい、培地に添加する量
は、特に制限はないが、冷凍すり身製造工程中に廃棄さ
れる残渣の粉砕物であれば0.1〜2重量%が適当であ
る。
【0012】これらの魚介類の断片を水で洗浄し水溶性
成分を除去し、コラーゲン含有量を多くしたものを用い
てもよい。しかしコラーゲンだけを添加したものは、本
発明にみられるような優れた効果は奏しない。またこれ
らの魚介類の断片を保存のため冷凍または冷凍乾燥させ
て用いても効果に影響はない。
【0013】培養液からコラゲナーゼの抽出分離する方
法は、種々の方法を組合せることによりおこない得る。
即ち、限外濾過膜を使用した不純物の除去、濾過、濃縮
及び脱塩等の限外濾過法、硫安あるいは有機溶媒による
沈澱法、各種イオン交換体によるクロマトグラフィー、
透析法、凍結乾燥法などの手段が組合せて利用される。
特に好ましくは、デアエ−セルロース (DEAE-cellulose
など) などの陰イオン交換樹脂を使用するクロマトグラ
フィーが使用される。
【0014】具体的な方法としては、例えば、培養後遠
心分離をおこない、陰イオン交換樹脂系の充填剤 (例え
ば、DEAE-cellulose) を使用したカラムクロマトグラフ
ィーで溶出分離してコラゲナーゼを得ることができる。
コラゲナーゼの活性の測定は、ペイクルコフスキー (B.
Peicrkofsky) の方法〔メソズ・エンザイモル (Method
s Enzymol)、第82巻、第453-471項 (1982年)〕によって
行えばよい。
【0015】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。但し、本発明はこの実施例により、その技術的範囲
が限定されるものではない。
【実施例1】冷凍すり身残渣 (凍結乾燥粉末) 1.0%、
塩化ナトリウム3.0%からなる培地20Lを30L容量のジ
ャーにとり、滅菌後、pH7.6に調製した培地にビブリオ
B-92株を植菌して、25℃で18時間好気的に攪拌培養し
た。なお対照としてポリペプトン0.5%、酵母エキス0.
1%、ゼラチン0.4%、塩化ナトリウム3.0%からなる
培地とした。各培養液18Lを15,000回転で連続的に遠心
分離して菌体を除き、菌体残渣を限外濾過膜 (分子量10
0,000以上分画) を用いて取除きその後、限外濾過膜
(分子量10,000以上分画) を用いて濃縮、脱塩をおこな
った。得られた粗酵素液をデアエ−セルロース (DEAE-c
ellulose) を充填したカラムに吸着させ、0〜1.0M の
塩化ナトリウム−トリス緩衝液 (pH7.6) で溶出した。
0.4M NaCl濃度付近から溶出された画分を採取し、限外
濾過膜 (分子量10,000以上分画) を使用して脱塩及び凍
結乾燥をおこなった。冷凍すり身残渣を基本培地とする
製造法からは粗酵素粉末は60mg、活性は28U/mgであっ
た。一方、対照とした基本培地からの製造法からは粗酵
素粉末は20mg、活性は12U/mgであった。
【0016】なお、酵素活性の測定は以下の方法によ
る。基質として80メッシュ (0.177mm)以下にそろえた不
溶性コラーゲン (牛アキレス腱由来コラーゲン) を50mM
Tris-塩酸緩衝液(pH7.6) (5mM 塩化カルシウムを含む)
に最終濃度2% (20mg/ml)になるように調製した。こ
の基質溶液0.5mlに酵素溶液0.5mlを加えて30℃で1時
間反応させる。 (コントロール100℃で酵素液を失活さ
せておいたものを加える) 反応停止は0.1M酢酸を2.0ml
添加することでおこなった。反応終了後、15,000rpm 15
分間の遠心分離をおこない、上清0.1mlにニンヒドリン
試薬1.0mlを加え、20分間沸騰水中で加熱する。その後
流水中で冷却し、液量を蒸留水で5.0mlに調製し15分後
に波長570nm で吸光度を測定する。L−ロイシンを標準
とする標準曲線から反応中遊離したアミノ酸量を求め
る。酵素単位はpH7.6 30℃で1分間に1μmol の酸可溶
性タンパク質を遊離する酵素量を1単位(U) とした。
【0017】
【発明の効果】本発明のコラゲナーゼの製造方法を用い
ると、従来よりも大量かつ高活性のコラゲナーゼを得る
ことができ、産業上極めて有益である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物によりコラゲナーゼを生産するに
    際して、魚介類の断片を培地に添加し培養することを特
    徴とするコラゲナーゼの製造方法。
  2. 【請求項2】 魚介類の断片がそれを水で洗浄したもの
    である請求項1記載のコラゲナーゼの製造方法。
  3. 【請求項3】 微生物がビブリオ属に属する微生物であ
    る請求項1記載のコラゲナーゼの製造方法。
  4. 【請求項4】 ビブリオ属に属する微生物がビブリオ・
    エス・ピーB-92 (Vibrio sp. B-92)である請求項3記載
    のコラゲナーゼの製造方法。
  5. 【請求項5】 微生物によりコラゲナーゼを生産するに
    際して、炭素源を含まない培地に魚介類の断片を添加し
    て培養することを特徴とするコラゲナーゼの製造方法。
JP28335791A 1991-10-29 1991-10-29 コラゲナーゼの製造方法 Pending JPH05115282A (ja)

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