JPH054067B2 - - Google Patents

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JPH054067B2
JPH054067B2 JP62263553A JP26355387A JPH054067B2 JP H054067 B2 JPH054067 B2 JP H054067B2 JP 62263553 A JP62263553 A JP 62263553A JP 26355387 A JP26355387 A JP 26355387A JP H054067 B2 JPH054067 B2 JP H054067B2
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JP
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chitosan
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Hideyuki Matsuda
Yoji Komura
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SANIN KENSETSU KOGYO KK
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SANIN KENSETSU KOGYO KK
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、微生物及びそれを用いる甲殻類の殻
の処理方法に係り、特にカニガラ等の甲殻類の殻
を微生物培養処理することにより、キチン分解酵
素類やキトサン等の有用な生成物を採取する技術
に関するものである。
(背景技術) 近年、これまで廃棄処理されていたカニガラ等
の甲殻類の殻について、その廃棄処理上の問題等
から、かかる甲殻類の殻を化学処理して、有用物
質としてのキトサンを採取することが、行なわれ
ている。そして、この化学処理法では、先ず、カ
ニガラ等の甲殻類の殻を脱カルシウム処理して得
られる脱カルシウム殻を、1%アルカリ若しくは
プロテアーゼ処理して除蛋白することにより、キ
チン質を取り出し、次いでそれを40%アルカリ水
溶液処理して、脱アセチル化を行なうことによ
り、目的とするキトサンを得る工程が採用されて
いるのである。
ところで、このようにして得られるキトサン
は、数少ない天然の塩基性多糖類の一つであり、
主として排水処理用凝集剤等として用いられてお
り、また手術用糸、人工皮膚、肥料等としても有
用であることが認められているが、化学処理法な
るが故に、その生産コストが比較的高く、同種製
品との競合性に欠ける問題があつたのであり、ま
たキトサン以外の他の有用な物質を採取すること
が出来ないことからも、原料コストがそのままキ
トサンコストに影響することとなる問題も内在し
ていたのである。
一方、かかるカニガラ等の甲殻類に殻の広く分
布しているキチンに関して、それから、微生物培
養による分解処理によつて、キチナーゼ等の有用
なキチン分解酵素類を生産することも行なわれて
いる。而して、このキチナーゼを生産する従来法
は、ストレプトマイセス・グリセウス、アエロモ
ナス・ハイドロフイラ、セラチア・マルセセンス
等の微生物を培養し、その培養終了後に、培養瀘
液から、硫安沈澱、各種イオンクロマトグラフイ
ー、ゲル濾過、ヒドロキシルアパタイトカラムク
ロマトグラフイー、焦点電気泳動法等により、長
時間をかけて、複雑な手法にてキチナーゼを精製
していたのであり、それ故に、この手法では大量
処理が難しく、精製ステツプが多く、時間がかか
るところから、酸素がしばしば途中で変性、失活
することがある等の、各種の問題を内在していた
のである。
なお、このキチナーゼを始め、キトサナーゼ、
キチンデアセチラーゼ等のキチン分解酵素類は、
キチンの液化、糖化、N−アセチルグルコサミン
の生産(キチナーゼ)、キトサンの分解(キトサ
ナーゼ)及びキトサンの生産(キチンデアセチラ
ーゼ)に利用され得るものであることは勿論のこ
と、フザリウム菌等の病原性微生物の増殖阻止、
植物成長促進、異常増殖細胞の生育阻止等の優れ
た機能を持つ他、細胞壁融解酵素としての利用価
値が高く、農薬、医薬品、研究用試薬等として多
くの需要が見込まれているが、現時点では、上記
の如く、生産工程が極めて複雑である等の理由か
ら、極めて高価なものとなつており、それ故に、
安価に且つ豊富に品質の良い上記酵素類の供給が
望まれているのである。
(発明の構成) ここにおいて、本発明者らは、上記した事情に
鑑みて、キチンをよく分解し、特に甲殻類の殻の
キチンの分解能力に優れ、しかもキトサンや各種
キチン分解酵素類の生産能力の高い微生物を広く
自然界から検索した結果、フラボバクテリウム・
MP−1c、更にはこれとシユードモナス・MP−
1dを含む混合微生物が優れた結果を与えること
を見い出し、本発明を完成するに至つたのであ
る。
すなわち、本発明に従う甲殻類の殻の処置方法
は、そのような甲殻類の殻の存在下に、フラボバ
クテリウム属のMP−1c株またはこれとシユード
モナス属のMP−1d株を含む混合微生物を培養す
ることを、その特徴とするものである。
(発明の効果) このような本発明に従う特定の菌株(フラボバ
クテリウム・MP−1c)は、キチンを最も効率的
に分解する微生物として単離されたものであつ
て、そのような微生物を用いてカニガラ等の甲殻
類の殻を処理することにより、かかる殻中のキチ
ンが効果的に分解されることとなり、以てキトサ
ン、N−アセチルグルコサミンのポリマー等が生
産される一方、それらの生産に際して生じる有用
なキチン分解酵素類、即ちキチナーゼ、キトビア
ーゼ、キチンデアセチラーゼ、キトサナーゼを、
限外濾過膜分画手法等によつて効率的に採取する
ことが出来ることとなつたのである。
なお、本発明においては、微生物の持つ有用な
機能を複合的、効率的に利用する上において、前
記キチンを資化する菌株を含む混合微生物、特に
前記フラボバクテリウム・MP−1c株と共に、微
工研菌寄第9516号として寄託されたシユードモナ
ス・MP−1d株を含む混合微生物を用いることが
推奨され、これによつて最も効率よくキチナー
ゼ、キトサナーゼ等の酵素やキトサンを生産せし
め得るのである。
また、このように、甲殻類の殻の処理を微生物
処理にて行なうことにより、従来の化学的処理法
とは異なり、高価な化学薬品の使用量が少なく、
しかも排水処理等の問題も生じないところから、
キトサンの製造コストを著しく低減することが出
来ることとなつたことは勿論、品質の良いキチン
分解酵素類を豊富に、また低コストにて提供し得
ることとなつたのである。
(発明の具体的説明) 先ず、本発明に用いられる微生物は、フラボバ
クテリウム属及びシユードモナス属に属する菌株
であつて、フラボバクテリウム・MP−1c及びシ
ユードモナス・MP−1dと称されるものである。
これらの菌株は、島根県美保関漁港にて採取され
た海水より得られ、脱カルシウムカニガラ粉末及
び0.2%K2HPO4のみを含む培地で、キチン分解
活性を誘導させるために、約5ケ月間、10回の連
続培養を行なつたものから単離されたものであつ
て、それぞれ、工業技術院微生物工業技術研究所
に、昭和62年8月10日に、前者は「微工研菌寄第
9515号(FERM P−9515)」として、また後者
は「微工研菌寄第9516号(FERM P−9516)」
として受託されており、それぞれの菌学的性質
は、以下の通りである。
() 形態学的性質 (a) MP−1c株 本菌株は桿菌(0.3〜0.7μm×1.0〜2.0μm)
で、グラム陰性である。胞子は形成しない。
(b) MP−1d株 本菌株は桿菌(0.3〜0.7μm×1.0〜2.0μm)
で、グラム陰性である。胞子は形成しない。
() 各種培地上の性質 (a) MP−1c株 (1) コロイダル寒天培地 1〜2日のうちにコロイダルキチンを資
化し、コロニーの周囲が透明になる。コロ
ニーの表面は円滑で、隆起は余りない。コ
ロニーの色は淡黄色で、半透明である。コ
ロニーは略円形で、その周囲は多少波打つ
ている。
(2) 普通寒天培地 コロニーの表面は円滑で、中央に突起が
ある。コロニーの色は黄色である。コロニ
ーは略円形で、その周囲は多少波打つてい
る。
(b) MP−1d株 (1) コロイダル寒天培地 1〜2日のうちにコロイダルキチンを資
化し、コロニーの周囲が透明になる。コロ
ニーの表面は円滑で、凸になつている。コ
ロニーの色は、白色で半透明である。コロ
ニーは略円形で、その周囲は多少波打つて
いる。
(2) 普通寒天培地 コロニーの表面は円滑で凸になつてい
る。コロニーの色はベージユである。コロ
ニーは略円形で、その周囲は多少波打つて
いる。
() 生理的性質 (a) MP−1c株 生育温度範囲…14〜40℃ 最適温度は30℃である。
硝酸塩の還元性…陽性 硫化水素の生成…陽性(弱い) インドールの生成…陰性 V−Pテスト…陰性 O−Fテスト…酸化 メチルレツドテスト…陰性 カタラーゼ…陽性 オキシダーゼ…陽性 糖から酸とガスの生成 酸を生成し、ガスは発生しない。
…フラクトース、マンノース、キシロース、
グルコース 酸を生成せず、ガスも発生しない。
…アラビノース、マルトース、ガラク
トース、イノシトール、ラクトース、ソル
ブトール、マンニトール、グリセロール、
サツカロース *以上9種の糖は、PHがアルカリ側にあり、
BTB液を含んだ培地が青色となつていた。
(b) MP−1d株 生育温度範囲…10〜43℃(但し、10℃と40℃
以上では生育が余りよくない)。最適温度は
20℃である。
硝酸塩の還元性…陽性 硫化水素の生成…陰性 インドールの生成…陰性 V−Pテスト…陰性 O−Fテスト…酸化 メチルレツドテスト…陰性 カタラーゼ…陽性 オキシダーゼ…陽性 糖から酸とガスの生成 酸を生成し、ガスは発生しない。
…フラクトース、キシロース 酸を生成せず、ガスも発生しない。
…アラビノース、マルトース、ガラクトー
ス、イノシトール、ラクトース、ソルビト
ール、マンニトール、グリセロール、サツ
カロース、マンノース、グルコース *以上11種の糖は、PHがアルカリ側にあり、
BTB液を含んだ培地が青色となつていた。
() 同定 (a) MP−1c株 以上の諸性質から、本菌株は、フラボバク
テリウム属の菌と考えられるが、バージー
ズ・マニユアル(Bergey′s Manual of
Determinative Bacteriology)の第8版の
どの種にも一致しないので、フラボバクテリ
ウム(Flavobacterium)・MP−1cと命名し
た。
(b) MP−1d株 以上の諸性質から、本菌株は、シユードモ
ナス属の菌と考えられるが、上記のバージー
ズ・マニユアルの第8版におけるシユードモ
ナス属のどの種にも完全に一致しないので、
シユードモナス(Pseudomonas)・MP−1d
と命名した。
() 微生物の培養 それぞれの菌株の培養には、通常の放線菌の
培養方法が用いられる。培養基の炭素源として
は、菌に誘導されたキチン分解活性を喪失させ
ないためにも、コロイダルキチン等のキチンを
主体とし、これに必要に応じて公知の適当な炭
素源を組み合わせて用いられることとなる。ま
た、窒素源としては、アンモニウム塩、硝酸
塩、酵母エキス、ペプトン等が単独でまたは組
み合わせて用いられ、更にP源として燐酸塩等
が用いられることとなる。更にその他、必要に
応じて、無機塩、例えばアルカリ金属塩、硫酸
マグネシウム、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩化マンガ
ン等が適宜に添加されることとなる。
なお、培養方法としては、固体培地上での培
養も可能であるが、一般の酸素生産の方法と同
様に、液体培養を採用することが好ましく、そ
の際には、例えば次の如き組成の液体培地が用
いられる。コロイダルキチン:4g、
K2HPO4:0.7g、KH2PO4:0.3g、MgSO4
5H2O:0.5g、FeSO4・7H2O:0.01g、
ZnSO4:0.001g、MnCl2:0.001g、酵母エキ
ス:0.25g、ペプトン:0.25g、寒天:15g、
蒸溜水:1000ml、PH:7.5。また、かかる培養
は、好気的条件下で行なわれる振盪培養法や撹
拌と通気による深部培養法などにて実施され、
そして培養温度は、一般に20〜40℃程度であ
る。
そして、本発明は、上記のフラボバクテリウ
ム・MP−1c若しくはこの菌株と共に、シユード
モナス・MP−1dを用いて、好適にはそれら菌株
を含む混合微生物を用いて、カニガラ等の甲殻類
の殻を処理しようとするものであるが、この微生
物処理には、有利には、甲殻類の殻を塩酸等の適
当な酸にて処理することにより脱カルシウム化さ
れた、換言すれば殻中のCaCO3が酸で溶出除去
されたものが、粉末状態において供されることと
なる。特に、このような脱カルシウム処理を行な
うことにより、殻全体の容積を減じることが出
来、以てその取扱いが容易になると共に、微生物
処理タンク中のカルシウム処理が不要となる利点
があり、また黒変微生物の殺菌が同時に行なわれ
得る利点があるところから、カニガラ処理に有利
に採用されることとなる。
さらに、かかる甲殻類の殻は、水等の適当な分
散媒体中に分散せしめられて分散液とされ、次い
で適当な反応容器(バイオリアクター)に収容さ
れて、本発明に従う前記特定の微生物を用いて微
生物処理が行なわれるのである。なお、この微生
物処理に際して、前記培養液構成と同様な成分が
適宜に添加され、そして、20〜40℃の温度に保持
されて、撹拌下に、10〜15日程度培養することに
より、目的とする甲殻類の殻の処理が行なわれる
のである。
なお、かかる反応容器内に収容される分散液中
の甲殻類の殻の割合や微生物の添加量、更には培
養温度、培養期間等は、目的とする採取生成物の
種類に従つて、例えばキトサンを採取するのか或
いはキチン分解酵素類のうちのどのような分解酵
素を採取するのかに従つて、その目的物の培養液
中の生産量が最大になるように適宜に決定される
こととなる。
また、このような微生物処理によつて、次のよ
うに反応が進行することとなる。即ち、甲殻類の
殻、特に脱カルシウム殻は、その微生物処理によ
つて除蛋白されてキチンとなり、このキチンによ
り、誘導生成したキチン分解酵素としてのキチナ
ーゼが培養液中に蓄積されると共に、キチンが分
解され、N−アセチルグルコサミンポリマーが生
成する。更に、かかるN−アセチルグルコサミン
ポリマーの蓄積により、キチン分解酵素の一つと
してのキトビアーゼを誘導生成して、かかるN−
アセチルグルコサミンポリマーはN−アセチルグ
ルコサミンまで分解されるようになるのである。
一方、キチンの微生物処理により、また、キチン
デアセチラーゼが生成して、キトサンを生成せし
め、更にこのキトサンからグルコサミンポリマ
ー、そしてグルコサミンへの分解に際して、それ
ぞれキトサナーゼが生成するようになるのであ
る。
そして、このような微生物処理による反応によ
つて、生成する培養物は、目的とする生成物の生
産量が最大に達した時点において、その培養が停
止されて、目的とする生成物が単離精製されるこ
ととなるが、この一つの手法としては、遠心分画
による方法がある。即ち、この遠心分画により、
培養物を上澄み液(培養瀘液)と沈澱物に分画せ
しめ、沈澱物からはキトサン粉末を採取する一
方、その上澄み液からは、限外濾過膜分画・乾燥
によつて、キチナーゼ、クトサナーゼ等の有用な
分解酵素類を採取するのである。
また、本発明にあつては、培養タンク内におい
て連続的に微生物処理を行ないつつ、培養物を取
り出し、それより順次生成物を分離する方式も採
用可能である。即ち、所定期間の間、微生物処理
された培養タンクから培養物を取り出し、例えば
分子量(MW)が20万以上のものをカツトするフ
イルタ(膜)を用いて分離することにより、微生
物菌体、キチン、キトサンを取り出し、その中か
らキトサンを分離する一方、微生物菌体やキチン
を再び培養タンク内に戻し、また必要な脱カルシ
ウムカニガラ等の原料を培養タンク内に供給し
て、かかる培養タンクにて微生物処理を続行せし
める一方、前記MW=20万以上のフイルタを通過
した瀘液は、再度MW=7万以上のフイルタ
(膜)にて濾過され、これによつて、MW=11万
のキチナーゼやMW=11万のキトビアーゼが採取
される。また、このMW=7万以上のフイルタを
通過した瀘液は、更にMW=3万以上のフイルタ
(膜)を用いて処理されることにより、MW=4
万のキトサナーゼが分離採取されるのである。な
お、このMW=20万以上のフイルタ、MW=7万
以上のフイルタ及びMW=3万以上のフイルタを
用いた濾過は、一般に限外濾過手法にて実施され
得るものである。
さらに、上記の限外濾過によつてMW=3万以
上のフイルタを通過した瀘液は、MW=500のフ
イルタ(膜)等を用いて逆浸透等の手法にて濾過
処理され、低分子蛋白質やキトビオース等が分離
される一方、その残液は同様に逆浸透手法にて濃
縮され、その残渣、即ちグルコサミン、N−アセ
チルグルコサミン、アミノ酸、無機塩等の生成物
には、適当な有機肥料が配合されて、抗菌性有機
肥料として利用される。
このように、各微生物によつて生産される同種
のキチナーゼ、キトサナーゼ、キチンデアセチラ
ーゼ等の酵素は、膜分離法により、効率的に分画
精製されるのであり、更に必要に応じて、各種の
クロマトグラフイーまたは高速液体クロマトグラ
フイー等により高度に精製され得るのである。要
するに、各酵素は比較的熱に安定であるところか
ら、それぞれの酵素蛋白質の分子量の差を利用し
て、低温条件下限外濾過膜分離手法によつて、効
率的に各酵素を分画し得て、そしてまた得られた
部分精製酵素は、必要に応じて更に各種のクロマ
トグラフイー或いは高速液平クロマトグラフイー
により高速に精製し得て、ここに、酵素を大量に
且つ短時間に、そして効率よく連続的に精製する
手法が実現され得たのである。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発
明を更に具体的に明らかにすることとするが、本
発明が、そのような実施例の記載によつて、何等
の制約をも受けるものでないことは、言うまでも
ないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更
には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づい
て種々なる変更、修正、改良等を加え得るもので
あることが、理解されるべきである。
なお、以下の実施例中の百分率は、特に断わり
のない限り、重量基準によつて示されるものであ
る。
実施例 1 1%のHCl水溶液にて脱カルシウム処理された
脱Caカニガラ粉末:150g、0.025%酵母エキス、
0.025%ペプトン及び0.2%K2HPO4を含み、更に
フラボバクテリウム・MP−1c及びシユードモナ
ス・MP−1dを含む混合微生物からなる種培養菌
700mlを含むPH7.5の培養液:10を準備し、これ
を30℃の温度に保持しつつ、10日間振とう培養を
行なつた。そして、かかる培養の後、得られた培
養物を遠心分画処理して、沈澱物と培養濾液(上
澄み液)に分離した後、得られた沈澱物から10%
酢酸で1回、5%酢酸で2回、キトサンを可溶化
して抽出し、その後、10NのNaOH液で中和して
キトサンを沈澱させ、更にその沈澱物を乾燥せし
めることにより、キトサンを得た。また、上記の
培養瀘液の一定量を採り、可溶化しているN−ア
セチルグルコサミンとグルコサミンをエルソン・
モルガン法で測定した。
また、上記の培養処理によつて精製した各酵素
の活性測定法は、キチナーゼについては0.5%コ
ロイダルキチン水溶液1ml、0.1Mクエン酸−
0.2Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(PH7.0)2
ml及び上記の培養瀘液(粗酵素液)1mlの計4ml
を、30℃、20分間インキユベーシヨンし、更に
100℃で3分間煮沸して酵素を失活させ、生じた
還元末端をシエーレス(Schales)の変法で定量
して求めた。なお、1μmolのN−アセチルグルコ
サミン相当の還元糖を精製する酵素量を1単位
(unit)とした。
そしてまた、キトサナーゼ活性の測定は、1%
可溶性キトサン(PH6.0)1mlに上記の培養瀘液
の1mlを加えて、30℃の温度で30分間インキユベ
ーシヨンし、その後、100℃の温度で3分間煮沸
して、酵素反応を失活させた後、遊離した還元糖
をシエーレスの変法で定量して求めた。なお、1
分間に1μmolのグルコサミンを精製する酵素量を
1単位とする。
さらに、キチンデアシラーゼ活性は、0.5%コ
ロイダルキチン水溶液1ml、0.1Mクエン酸−
0.2Mリン酸水素二ナトリウム緩衝液(PH7.0)2
ml及び上記の培養瀘液1mlの計4mlを、30℃の温
度下で30分間インキユベーシヨンし、その後、酵
素を100℃の温度で30分間加熱することによつて
失活せしめ、そして生じたNH2基をコロイド滴
定法によつて測定して求めた。
以上の結果、最高で68gのキサトンが生産さ
れ、また8gのN−アセチルグルコサミン及びグ
ルコサミンが得られることが判つた。キチンから
キトサンの生成率は約45%となる。このときキチ
ナーゼ及びキトサナーゼ酵素は、酵素蛋白質とし
て30〜50mg生産された。酵素の酵素単位を1μm
molのβ−1,4−グルコシド結合を1分間に切
断する酵素量を1単位とすると、60〜100単位と
なる。同様に、キチンデアセチラーゼは酵素蛋白
質として20〜30mg生産され、酵素量としては35〜
50単位となることが判つた。
実施例 2 実施例1においては、フラボバクテリウム・
MP−1c及びシユードモナス・MP−1dを含む混
合微生物の例を示した。ここでは、単離菌:フラ
ボバクテリウム・MP−1cのみによるカニガラ処
理の結果を示す。培養条件及び分析条件はすべて
実施例1と同じである。
その結果、下記のように、カニガラ粉末の分解
処理は可能であつたが、得られた成績は実施例1
より劣つたものであつた。
すなわち、脱Caカニガラ粉末150gからキトサ
ンが5〜10g生産され、キチンの低分子化物のN
−アセチルグルコサミンのオリゴマーが15〜25g
生産された。キトサンの生産率は3〜7%とな
る。また、0.5〜1gのN−アセチルグルコサミ
ン及びグルコサミンが得られることが判つた。こ
のとき、キチナーゼ及びキトサナーゼ酵素は酵素
蛋白質として10〜15mg、酵素量として20〜30単位
生産されていると推測された。キチンデアセチラ
ーゼは酵素蛋白質として4〜6mg生産され、酵素
量としては10〜15単位と推定された。
上記の実施例の結果から明らかなように、単離
菌:フラボバクテリウム・MP−1cによるキトサ
ンの生産率に比べ、フラボバクテリウム・MP−
1cとシユードモナス・MP−1dを含む混合微生物
の生産率は、一段と優れているのである。その理
由としては、両微生物が互いに作用し合つて、キ
トサン生産能を効率的、複合的に利用しているこ
とが推測される。また、生成したキトサンの分解
が低く抑えられていることが考えられる。自然界
における化合物の分解、合成、変換は、通常複数
の微生物等により効率的に進められていると考え
られることから、本実施例の結果は、それを反映
しているといえよう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 甲殻類の殻の存在下に、フラボバクテリウム
    属のMP−1c株の単独若しくはこの菌株と共にシ
    ユードモナス属のMP−1d株を含む混合微生物を
    培養することを特徴とする甲殻類の殻の処理方
    法。 2 前記甲殻類の殻が、酸処理によつて脱カルシ
    ウムされたカニガラである特許請求の範囲第1項
    記載の処理方法。 3 前記培養によつて生成する培養物から、少な
    くとも1種のキチン分解酵素を採取するようにし
    た特許請求の範囲第1項または第2項記載の処理
    方法。 4 前記キチン分解酵素が、キチナーゼ、キトサ
    ナーゼ、キトビアーゼ、またはキチンデアセチラ
    ーゼである特許請求の範囲第3項記載の処理方
    法。 5 前記培養によつて生成する培養物から、キト
    サンを採取する特許請求の範囲第1項乃至第4項
    の何れかに記載の処理方法。
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