JPH0511515A - 電子写真感光性平版印刷版の溶出処理を含む製版方法 - Google Patents

電子写真感光性平版印刷版の溶出処理を含む製版方法

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JPH0511515A
JPH0511515A JP19062691A JP19062691A JPH0511515A JP H0511515 A JPH0511515 A JP H0511515A JP 19062691 A JP19062691 A JP 19062691A JP 19062691 A JP19062691 A JP 19062691A JP H0511515 A JPH0511515 A JP H0511515A
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photosensitive layer
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elution
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JP19062691A
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Yuji Handa
優司 半田
Jun Yamada
旬 山田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子写真感光性平版印刷版の製版方法の内、特
に溶出処理方法において溶出液の疲労を抑え、電子写真
平版印刷版全面の溶出ムラを無くし、製版画像のサイド
エッチを抑えて極めて鮮明な画像再現が得られる溶出処
理方法を提供する。 【構成】電子写真感光性平版印刷版の溶出処理を含む製
版方法において、帯電、露光、トナー現像、定着工程を
順次処理された電子写真平版印刷版の、溶出処理すべき
非画像部感光層をアルカリ性能を有し珪酸カリウム等を
主成分とする水溶液で膨潤させてから、次処理槽で酸性
性能を有しリン酸及びクエン酸を主成分とする水容液中
で画像部感光層への膨潤の進行を制御し、超音波発振装
置により28KHz,400W又は、38KHz,50
0Wの超音波を発振させ、膨潤されている非画像部感光
層を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平版印刷版の溶出処理を
含む製版方法に関するものであり、更に詳しくは有機光
導電性感光層を有する平版印刷版材料を使用し、静電写
真法によってトナー画像を顕像形成された版の非画像部
を溶出処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の溶出方式、例えば支持体に感光層
を有するPS版等の溶出方式に於いては、溶出工程でア
ルカリ液等からなる溶出液を、一定の温度に制御して、
水平に移動する版面上からシャワー形式により供給し、
版面より回収された液をタンク槽に戻し、ポンプにより
循環させながら行われている。そして同一タンク槽内で
一定時間だけ版に溶出液を浸透させた後で、ブラッシン
グローラー等からなる掻き落し部によって非画像部感光
層を掻き落とすことが行われている。従って溶出液内
に、処理枚数を重ねるに従って掻き落としされた非画像
部感光層が混入し、溶出液の疲労が早く、又、ブラッシ
ングローラー等によりトナー画像及び、その感光層を傷
つけてしまい、又、ブラッシングローラー等と版との接
触圧の左右バランスの不均一性から掻き落としによる溶
出処理のムラが起きるという欠点があった。
【0003】2つめの例として、溶出工程で溶出液によ
り浸透膨潤された非画像部感光層をリンス工程において
ブラッシングローラー等で掻き落とす方式がある。しか
し、該方式であると前述した例と同様にブラッシングロ
ーラー等によりトナー画像及び、その感光層を傷つけて
しまい、又、ブラッシングローラー等と版との接触圧の
左右バランスの不均一性から掻き落としによる溶出処理
のムラが起きるという欠点があった。
【0004】3つめの例として、電子写真感光性平版印
刷版の溶出は、感光性平版印刷版(PS版)に於けるア
ルカリ溶出方式と異なり、トナー画像部と非画像部感光
層とのアルカリ溶出性における差を利用したものであっ
て、トナー画像部の感光層はトナーのアルカリ不溶出性
によって溶出が阻害されるが、トナー画像部の感光層自
体がアルカリ不(或いは難)溶出性になる訳ではないの
で、溶出が過度に促進されれば、サイドエッチと呼称さ
れる感光層側面からの溶出液の浸透によって画像部感光
層をも浸蝕し良好な画像再現が得られない。又、溶出が
アンダーであると非画像部感光層の溶出除去が不完全と
なり良好な画像再現が得られず、さらには非画像部支持
体上に、溶出されるべき有機光導電性化合物が残存し、
印刷により地汚れが発生する場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶出
液浸漬部を有する溶出工程でブラッシングローラー等に
よる掻き落とし工程を施こさず、溶出液内に非画像部感
光層を混入することなく、溶出液の疲労が極めて少ない
ようにした平版印刷版の溶出処理を含む製版方法を提供
する事にある。本発明の他の目的は、溶出液浸漬部を有
する溶出工程及び、リンス工程における非画像部感光層
のブラッシングローラー等による掻き落とし工程でのト
ナー画像及び感光層の入傷の防止、ブラッシングローラ
ー等と版との接触圧の左右バランスの不均一性から生じ
る掻き落としによる溶出処理のムラを防止できるように
した平版印刷版の溶出処理を含む製版方法を提供する事
にある。本発明のその他の目的として、電子写真感光性
平版印刷版の難癖である前記サイドエッチを防止し、溶
出の過不足を制御し良好な画像が得られる平版印刷版の
溶出処理を含む製版方法を提供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は導電性支
持体上に有機光導電性感光層を有した平版印刷版材料
を、帯電工程・露光工程・トナー現像工程・定着工程に
より順次処理し、トナー画像の顕像を形成した版を、膨
潤液(溶出液)を用いる膨潤工程及びリンス液を用いる
リンス工程により処理を行う電子写真感光性平版印刷版
の溶出処理を含む製版方法において、該膨潤工程では、
膨潤液(溶出液)により膨潤された非画像部感光層の掻
き落とし手段を有さず、且つ該リンス工程で前記非画像
部感光層を超音波により溶出する事を特徴とする電子写
真感光性平版印刷版の溶出処理を含む製版方法によって
達成される。
【0007】本発明の実施に際し、平版印刷原版は電解
粗面化、陽極酸化等により、砂目立て処理されたアルミ
ニウム支持体上に、フタロシアニン等の有機光導電性顔
料をフェノール樹脂等の樹脂中に分散含有させた有機光
導電性感光層を塗設することにより得られる。
【0008】この平版印刷原版は、コロナ放電により帯
電させる帯電工程、原稿台に製版されるべき画像を有す
る反射原稿を設置し、該原稿にキセノンランプ等の可視
光を照射し、レンズ、ミラー等の光学系を通し、前記有
機光導電性感光層上に露光を行い、静電潜像を形成させ
る反射露光工程、製版されるべき画像を有するポジフィ
ルム、ネガフィルムを前記有機光導電性感光層と密着さ
せハロゲンランプ等の可視光を透過で有機光導電性感光
層上に露光を行い静電替像を形成させる透過露光工程、
又は、半導体レーザー、ヘリウム−ネオンレーザー、ア
ルゴンレーザー及びLED光を光学系を通し、前記有機
光導電性感光層上に直接露光し静電潜像を形成させる走
査露光工程の該反射、透過、走査露光工程のいずれかの
露光工程、電気絶縁性液体中に着色剤、エマルジョン、
電荷抑制剤を分散含有させて得られる湿式トナー現像剤
を用い、画像部となる前記有機光導電性感光層上にトナ
ー画像を形成させるトナー現像工程、赤外線熱により該
トナー画像を固化させ、又、版に付着した電気絶縁性液
体を乾燥させる定着工程により順次処理され、該平版印
刷原版上にトナー画像の顕像が形成される。
【0009】次に、主にアルカリ性能を有する膨潤液
(溶出液)を一定温度に制御し、シャワー形式で版面に
供給するか、あるいは版を膨潤液(溶出液)中に漬ける
方法により膨潤液(溶出液)を非画像部感光層に一定時
間だけ浸漬膨潤させ、同一槽内におけるブラッシングロ
ーラー等からなる掻き落とし手段による掻き落としを施
こさず、膨潤液(溶出液)が非画像部感光層を膨潤させ
た状態で、次処理工程であるリンス工程に案内搬送し
た。次いで、酸性〜弱アルカリ性能を有するリンス液を
一定温度に制御し、膨潤された非画像部感光層を有する
版が該リンス液中に漬けられ、同時に金属版に覆われた
同一槽内で超音波を発し、該非画像部感光層を超音波に
より振動溶出し、必要に応じブラッシングローラー形式
・シャワー形式・スクリュー形式により版面上の溶出す
べき非画像部感光層に接触したリンス液を攪拌流動させ
る事により、リンス液中に該非画像部感光層を分散溶出
させる。
【0010】次に、ガム工程に版を案内搬送させ、版面
上の酸化、傷等を保護する性能を有するガム液を画像部
及び溶出処理された非画像部に薄く均一に塗設し、該ガ
ム液層を温風ヒーター等による熱風乾燥工程を通過させ
て平版印刷版を得る。
【0011】又、リンス液を用いる前記リンス工程にお
いては、第1リンス工程と第2リンス工程に分離され、
第1リンス工程において前工程で版面に付着した余剰な
膨潤液(溶出液)を洗い流し、次工程である第2リンス
工程へのpH値変動の負担を制御しする。第2リンス工
程において超音波により非画像部感熱層を振動溶出し、
さらに必要に応じ同一工程槽内でブラッシングローラー
形式、シャワー形式、スクリュー形式により、版面上の
溶出が行われるべき非画像部感光層に接触したリンス液
を攪拌流動させる事により溶出を促進させる。該第2リ
ンス工程は前記リンス工程と同特徴を有し、又超音波は
平版印刷版全面の非画像部感光層を左右前後均一に振動
溶出させる為、超音波発信装置を処理方向に対し、直角
に等間隔で数個並べられている事が好ましい。
【0012】
【実施例】
実施例1 電解粗面化及び陽極酸化して砂目立て処理の行われたア
ルミニウム板の粗面化表面に、有機光導電性顔料である
ビスアゾ顔料をポリ酢酸ビニル系樹脂と共に、メチルプ
ロピレングリコール中に分散含有させたアルカリ可溶性
を有する有機光導電性感光層を塗設し、乾燥させて得た
平版印刷原版を、コロナ放電機により発せられたコロナ
放電により有機光導電性感光層上を静電雰囲気にし、原
稿台に製版されるべき画像を有する反射原稿を設置し、
該原稿にキセノンランプから発せられる可視光を照射
し、その反射光がレンズ、ミラーによって構成される光
学系を経て前記有機光導電性感光層に露光を行い、静電
潜像を形成した。
【0013】静電潜像を形成した有機光導電性感光層を
有する平版印刷原版を、市販の平版印刷版用の湿式トナ
ー現像剤であるLOM−EDIII(三菱製紙株式会社
製)で現像し有機光導電性感光層上にトナー画像を形成
し、平版印刷原版上に付着したトナー中に含有するイソ
パラフィン系炭化水素等からなる電気絶縁性液体を蒸発
させて乾燥後、赤外線熱により定着させ、該有機光導電
性感光層上に製版されるべきトナー画像の顕像を形成さ
せた。
【0014】前記トナー画像の顕像を形成させた有機光
導電性感光層を有する平版印刷原版をpH12.9のア
ルカリ性能を有する主成分が珪酸カリウム水溶液からな
る、30℃に液温制御された溶出液中に数秒間漬け、該
平版印刷原版の非画像部感光層を膨潤させた。前記膨潤
させた非画像部感光層を有する平版印刷原版を、金属板
によって覆われた槽内の、pH4.5の酸性性能を有す
る水溶液でリン酸とクエン酸を主成分とする15℃の液
温のリンス液中に漬け、同時に38KHz,500Wの
出力を有する超音波発振機により超音波を発振させ、非
画像部感光層の膨潤促進を低下させると共に超音波によ
る振動溶出を行い、該非画像部感光層とリンス液の接触
部分をスクリューを用い攪拌流動させ、リンス液中へ非
画像部感光層を分散溶出させた。
【0015】ここで、製版目的とする画像を有し、印刷
版としての性能を有する平版印刷版は得られるが、さら
に非画像部としてのアルミニウム板の粗面化表面の酸化
防止、画像部、非画像部の入傷を保護する為、該酸化、
入傷を保護する性能を有し、天然ゴム水溶液からなるガ
ム保護液を該平版印刷版表面に薄く均一に塗設し、該ガ
ム液層を温風ヒーターにより風熱乾燥させ、平版印刷版
を得た。
【0016】得られた平版印刷版で印刷を実施したとこ
ろ、極めて鮮明な印刷画像が得られると共に高耐刷力を
有する事が可能となった。又、該溶出液の疲労度も低下
し、溶出液の長期使用及び許容される版の溶出処理枚数
の増加が可能になり、又、膨潤された非画像部感光層を
溶出する方法として、ブラッシングローラー等を使用し
た掻き落しを施さない為、版面上において左右前後にお
ける溶出ムラの防止も可能となった。
【0017】比較例1 前記、実施例1の操作に於て、定着を施された、トナー
画像の顕像を有機光導電性感光層上に有する平版印刷原
版を、実施例1と同液であるpH12.9のアルカリ性
能を有する主成分が珪酸カリウム水溶液からなる30℃
に液温制御された溶出液中に数秒間漬け、該平版印刷原
版の非画像部感光層を膨潤させた。前記膨潤させた非画
像部感光層を有する平版印刷原版を、水洗槽である次槽
に案内搬送しブラッシングローラーにより掻き落しを行
い、pH7.7を有する水道水をシャワーにより版面上
に噴出させ、水道水中に非画像部感光層を分散溶出させ
た。
【0018】ここで、製版目的とする画像を有し、印刷
としての性能を有する平版印刷版は得られるが、さらに
非画像部としてのアルミニウム板の粗面化表面の酸化防
止・画像部、非画像部の入傷を保護する為、該酸化、入
傷を保護する性能を有し、天然ゴム水溶液からなるガム
保護液を該平版印刷版表面に薄く均一に塗設し、該ガム
液層を温風ヒーターにより風熱乾燥させ、平版印刷版を
得た。
【0019】実施例1と比較例1を比較すると、ブラッ
シングローラーによる掻き落しを施すと溶出性にムラが
でき易く、解像力においても実施例1の場合、18本/
mmの製版再現があるのに対し、比較例1の場合、12
本/mmであり、日本語のように画数の多い文字,高線
数における網点等の高解像力が、製版及び印刷において
必要な場合特に有効であり、耐刷力も実施例1,比較例
1ともに差はなく、超音波を用いて溶出させても印刷枚
数10万枚以上の高耐刷力を保持することも可能であっ
た。
【0020】又、比較例1の場合、ブラッシングローラ
ーにより微細なトナー画像を掻き落としてしまい、網点
画像のハイライト部等の微細なトナー画像は掻き落とさ
れてしまい製版再現されにくく、網点画像のシャドー部
のような微細な非画像部においては溶出が不完全となり
製版再現されにくい。実施例1では網点画像のハイライ
ト部及びシャドー部の製版再現が比較例1より非常に良
い印刷版を得ることができた。比較例1の場合、印刷版
とブラッシングローラーとの接触圧のバランスの調整が
難しく、印刷版上の左右前後における溶出ムラが出来易
い。実施例1の場合、超音波の出力を一定に制御するこ
とが簡易なため、溶出ムラも起こらず、印刷において汚
れにくい印刷版を得ることが出来た。又、処理液の疲労
度は、製版ランニング試験において実施例1が300m
2以上/20lに対し、比較例1は250m2/20lで
あり、実施例1のように非画像部感光層を膨潤させる処
理液槽内での溶出を行わなければ処理液の疲労度は低下
する。
【0021】実施例2 電解粗面化及び陽極酸化して砂目立て処理の行われたア
ルミニウム板の粗面化表面に、有機光導電性顔料である
X型無金属フタロシアニンを酸価を有するポリ酢酸ビニ
ル系樹脂と共に1,4−ジオキサン中に分散含有させた
アルカリ可溶性を有する有機光導電性感光層を塗設して
得た平版印刷原版を、コロナ放電機により発せられたコ
ロナ放電により、有機光導電性感光層上を正帯電し、コ
ンピューターから得られる製版されるべき画像のデータ
をオンラインにより半導体レーザー出力機と接合させ、
平面走査露光により該有機光電導性感光層上に3.3m
Wの半導体レーザー光(780nm)を照射し、該有機
光導電性感光層上に静電潜像を形成させた。
【0022】静電潜像を形成した有機光導電性感光層を
有する平版印刷原版をイソパラフィン系炭化水素等から
なる電気絶縁性液中にオイルブラック等からなる着色
剤、及び酢酸ビニル/アクリル樹脂等からなるエマルシ
ョン、ステベライトレジンのAl塩のキシレン溶液等か
らなる電荷制御剤を分散含有させて得られる湿式トナー
現像剤で、該静電潜像を形成した有機光導電性感光層上
にトナー画像を形成し、該平版印刷原版上に付着したイ
ソパラフィン系炭化水素からなる電気絶縁性液体を蒸発
させて乾燥させ、赤外線熱により該有機光導電性感光層
上に製版されるべきトナー画像の顕像を形成させた。
【0023】前記トナー画像の顕像を形成させた有機光
導電性感光層を有する平版印刷原版に、pH12.25
のアルカリ性能を有する珪酸ナトリウム及び水酸化カリ
ウムを含む水溶液からなる30℃に液温制御された溶出
液をシャワーにより供給し、数秒間で該平版印刷原版の
非画像部感光層を膨潤させた。前記膨潤させた非画像部
感光層を有する平版印刷原版に、pH値が中性性能を有
する第一リンス液中に漬ける方法により、版面上の余剰
に付着した溶出液を洗い流し、金属版によって覆われた
槽内の、pH4.5の酸性性能を有するリン酸とくえん
酸を主成分とする15℃の液温を有する第2リンス液中
に漬け、平版印刷版の処理方向と直角で、また処理幅等
間隔で直線上に超音波発振機を3機設置し、それぞれの
超音波発振機にて28KHz,400Wの出力を有する
超音波を発し、膨潤された非画像部感光層の溶出促進を
第1,第2リンス液により順次低下させると共に振動溶
出を行い、さらに非画像部感光層と接触しているリンス
液をブラッシングローラーで攪拌流動させる事により、
該非画像部感光層を第2リンス液中に分散溶出させた。
【0024】ここで製版目的とする画像を有し、印刷版
としての性能を有する平版印刷版は得られるが、さらに
非画像部としてのアルミニウム板の粗面化表面の酸化防
止・画像部・非画像部の入傷を保護する為、該酸化・入
傷を保護する性能を有し、天然ゴム水溶液からなるガム
保護液を該平版印刷版表面に薄く均一に塗設し、該ガム
液層を温風ヒーターにより風熱乾燥させ、平版印刷版を
得た。
【0025】得られた平版印刷版で印刷を実施したとこ
ろ、極めて鮮明な印刷画像と高耐刷力を有する事が可能
となった。又、該溶出液の疲労度も低下し、溶出液の長
期使用及び許容される版の溶出処理枚数の増加が可能に
なり、又、膨潤された非画像部感光層を溶出する方法と
してブラッシングローラー等を使用した掻き落しを施さ
ない為、版面上において左右前後における溶出ムラの防
止も可能となった。さらに、非画像部感光層の溶出を施
す要因となる溶出液・リンス液の処理経時に従事したp
H変動の補充液による制御も、第1リンス液と第2リン
ス液にリンス液を分離する事により簡易に行う事が可能
となった。又、従来の溶出方式では、前記サイドエッチ
が5〜6μmであったものが、本方式では、2μm程で
とどめることができた。
【0026】比較例2 前記、実施例2の操作に於て、定着を施されたトナーの
顕像を有機光導電性感光層上に有する平版印刷原版をす
る平版印刷原版に、実施例2と同液であるpH12.2
5のアルカリ性能を有する珪酸ナトリウムと水酸化カリ
ウムを含む水溶液からなる30℃に液温制御された溶出
液をシャワーにより供給し、数秒間で該平版印刷原版の
非画像部感光層を膨潤させ、同槽内に於てブラッシング
ローラーで非画像部感光層を掻き落し、該非画像部感光
層を液中に分散溶出させた。非画像部感光層を溶出させ
た該平版印刷原版を水洗槽である次槽に案内搬送し、シ
ャワーによりpH7.7を有する水道水を版面上に噴出
し、更にブラッシングローラーにより版面上に残ってい
る除去不完全であった非画像部感光層を完全に水道水中
に分散除去した。
【0027】ここで、製版目的とする画像を有し、印刷
版としての性能を有する平版印刷版は得られるが、さら
に非画像部としてのアルミニウム板の粗面化表面の酸化
防止・画像部、非画像部の入傷を保護する為、該酸化、
入傷を保護する性能を有し、天然ゴム水溶液からなるガ
ム保護液を該平版印刷版表面に薄く均一に塗設し、該ガ
ム液層を温風ヒーターにより風熱乾燥させ、平版印刷版
を得た。
【0028】実施例2と比較例2を比較すると、比較例
2の場合、網点画像のハイライト部のような微細な画像
部をブラッシングローラーにより掻き落としてしまい、
網点画像のシャドー部の微細な非画像部を完全に溶出除
去事が非常に難しく、高解像力を必要とする製版及び印
刷は困難である。実施例2の場合、前記実施例1の様に
高解像力に富んだ印刷版を得ることが出来た。
【0029】又、比較例2の場合、印刷版とブラッシン
グローラーとの接触圧のバランスの調整が難しく、印刷
版上の左右前後における溶出ムラが出来易い。実施例2
の場合、超音波の出力を一定に制御することが簡易なた
め、溶出ムラも起こらず、印刷において汚れにくい印刷
版を得ることが出来た。
【0030】
【発明の効果】本発明の製版方法により得られた平版印
刷版は、極めて鮮明な印刷画像と高耐刷力を有し、膨潤
液(溶出液)は同一槽内で非画像部感光層を掻き落とし
た方法に比べ疲労度は低下し、長期使用及び許容される
版の溶出処理枚数の増加が可能となった。又、膨潤工程
及び溶出工程において、膨潤液(溶出液)により膨潤さ
れた非画像部感光層をブラッシングローラー等により掻
き落とす手段を有さない為、版面上に傷つけずに、又、
ブラッシングローラー等と版との接触圧の左右バランス
の不均一性から起こる掻き落としによる溶出処理のムラ
の防止も可能になり、版の前後に起こる溶出ムラの防止
も可能になり、前記サイドエッチの抑制にも効果がある
溶出を行うことが可能になった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に有機光導電性感光層を有
    した平版印刷版材料を、帯電工程・露光工程・トナー現
    像工程・定着工程により順次処理し、トナー画像の顕像
    を形成した版を、膨潤液(溶出液)を用いる膨潤工程及
    びリンス液を用いるリンス工程により処理を行う電子写
    真感光性平版印刷版の溶出処理を含む製版方法におい
    て、該膨潤工程では、膨潤液(溶出液)により膨潤され
    た非画像部感光層の掻き落とし手段を有さず、且つ該リ
    ンス工程で前記非画像部感光層を超音波により溶出する
    事を特徴とする電子写真感光性平版印刷版の溶出処理を
    含む製版方法。
  2. 【請求項2】リンス工程では、膨潤工程で膨潤された非
    画像部感光層の超音波による振動溶出を行うと同時に溶
    出が行われるべき非画像部感光層に接触したリンス液を
    攪拌流動させる事によって溶出促進を行う事を特徴とす
    る請求項1記載の電子写真感光性平版印刷版の溶出処理
    を含む製版方法。
  3. 【請求項3】溶出工程の後工程として、ガム液を用いる
    ガム塗設工程、その後に乾燥工程を有する事を特徴とす
    る請求項1又は2のいずれかに記載の電子写真感光性平
    版印刷版の溶出処理を含む製版方法。
JP19062691A 1991-07-03 1991-07-03 電子写真感光性平版印刷版の溶出処理を含む製版方法 Pending JPH0511515A (ja)

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JP19062691A Pending JPH0511515A (ja) 1991-07-03 1991-07-03 電子写真感光性平版印刷版の溶出処理を含む製版方法

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JP (1) JPH0511515A (ja)

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