JPH0511407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、バタフライバルブに関するものであ
る。

従来の技術 従来のバタフライバルブとしては、バルブ本体
の内部に流入通孔及び流出通孔を互に連通して設
け、流入通孔と流出通孔との間に弁座を形成し、
弁座に流入通孔と流出通孔とを開閉する円板状の
弁体を回動自在に配設したものが知られている。

考案が解決しようとする課題 ところが、従来のバタフライバルブでは、弁体
の開放に際し、弁体の上流側の開口部が弁座より
も流入通孔側に位置すると共に、流路がこの開口
部から流出通孔側に向かつて末広がりとなるた
め、この流路を通過する流体が弁座部分で境界層
の剥離等によるキヤビテーシヨンを発生し、弁座
がキヤビテーシヨンの衝撃圧力により破損するお
それがあつた。

本考案の目的は、上述する問題点に対処して、
弁体をバルブ本体の弁座に対して回動することに
より、バルブ本体の流入通孔と流出通孔とが互に
連通し、流体を流入通孔から弁体を介して流出通
孔に流通し、弁体のバルブ本体の弁座に対する開
放に際し、弁体の側面の下流側にある突出部の傾
斜面と半球状面との接合部が弁座よりも流出通孔
側に位置し、弁体の側面の上流側にある開口部が
突出部の傾斜面を介して一定の間隔で流出通孔と
連通し、弁体を通過する流体が弁座に部分で境界
層の剥離等によるキヤビテーシヨンを発生するこ
とがなく、弁座のキヤビテーシヨンの衝撃圧力に
よる破損を確実に防止することが可能なバタフラ
イバルブを提供することにある。

課題を解決するための手段 本考案のバタフライバルブは、バルブ本体の内
部に流入通孔及び流出通孔を互に連通して設け、
前記流入通孔と流出通孔との間に弁座を形成し、
前記弁座に前記流入通孔と流出通孔とを開閉する
弁体を回動自在に配設したバタフライバルブにお
いて、前記弁体の前記流出通孔に臨む側面に突出
部を設け、前記突出部を前記弁体の最大開放角度
位置で通孔に平行な傾斜面と該傾斜面に続く半球
状面とで形成し、前記弁体の開放時に前記傾斜面
と前記半球状部の接合部を前記弁座よりも前記流
出通孔側に位置させたことを特徴とする構成を有
するものである。

作 用 バルブ本体の内部に互に連通して設けた流入通
孔と流出通孔との間に形成した弁座に配設した弁
体を回動することにより、バルブ本体の流入通孔
と流出通孔とが互に連通し、流体を流入通孔から
弁体を介して流出通孔に流通する。

また、弁体のバルブ本体の弁座に対する開放に
際し、弁体の下流側にある流出通孔に臨む側面に
設けた突出部の傾斜面と半球状面との接合部が弁
座よりも流出通孔側に位置し、弁体の側面の上流
側にある開口部が突出部の傾斜面を介して一定の
間隔で流出通孔と連通し、弁体を通過する流体が
弁座に部分で境界層の剥離等によるキヤビテーシ
ヨンを発生せず、弁座のキヤビテーシヨンの衝撃
圧力による破損を防止する。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図において、１は流入口と流出口とを互に
直交する方向に向かつて形成したアングル型のバ
タフライバルブのバルブ本体であり、バルブ本体
１の上部にはバルブ制御装置を取付けるための制
御装置取付部１ａが一体に形成されている。

バルブ本体１の流入口の下部にはガスケツト２
を介して管用テーパーネジ３ａを有するユニオン
ニツプル３が配設され、ユニオンニツプル３はユ
ニオンナツト４をバルブ本体１の外周面のめねじ
部に螺着することにより固定されている。

バルブ本体１の流出口の側部にはガスケツト５
を介して管用テーパーネジ６ａを有するユニオン
ニツプル６が配設され、ユニオンニツプル６はユ
ニオンナツト７をバルブ本体１の外周面のめねじ
部に螺着することにより固定されている。

バルブ本体１の内部には流入通孔３５及び流出
通孔３６が互に連通して設けられ、流入通孔３５
と流出通孔３６との間には弁座となるデイスク取
付部３７（第４図参照）が形成され、デイスク取
付部３７には流入通孔３５と流出通孔３６とを開
閉する弁体となるデイスク８が回動自在に配設さ
れている。

９はバルブ本体１の流出口側の端部とユニオン
ニツプル６の端部との間に挾着された消音用のネ
ツトである。
バルブ本体１の制御装置
取付部１ａの上部には、第２図に示すように、バ
ルブ制御装置を収納する円筒状のケース本体１０
が設けられると共に、ケース本体１０の上部には
カバー１１が設けられ、ケース本体１０の下端が
制御装置取付部１ａに嵌合され、ケース本体１０
は制御装置取付部１ａに対してワツシヤを介して
ネジにより固定され、カバー１１はケース本体１
０の上端に対してワツシヤを介してネジにより固
定されている。

ケース本体１０内のバルブ本体１の制御装置取
付部１ａの上部には、第１図に示すように、制御
装置固定板１２が配設され、制御装置固定板１２
は制御装置取付部１ａの上面にワツシヤを介して
ネジにより固定されている。

ケース本体１０内の制御装置固定板１２の上部
には取付金具１４が固定され、取付金具１４には
変圧器１３が保持されている。

Ｍはバルブ本体１の内部のデイスク取付部３７
に配設したデイスク８を回動するためのサーボモ
ータであり、サーボモータＭの下部にはモータ固
定板１５が設けられ、モータ固定板１５は固定板
取付ロツド１６によつて制御装置固定板１２の上
方に配置され、固定板取付ロツド１６の下端のボ
ルト部１７は制御装置固定板１２に対して座金を
介してナツト１８により固定されている。

固定板取付ロツド１６の上部には上部固定板１
９が設けられ、上部固定板１９は固定板取付ロツ
ド１６の上端にワツシヤを介してネジにより固定
されている。

ケース本体１０内の上部固定板１９上には、第
３図に示すように、配線用の端子２０、ヒユーズ
２１を装着するヒユーズ収納体２２及びセツトス
イツチ２３がそれぞれ配設されている。

２４は上部固定板１９の下方で固定板取付ロツ
ド１６の上端寄りに設けた固定板であり、固定板
２４の上部にはサーボモータＭの制御回路部２５
が設けられ、制御装置固定板１２とモータ固定板
１５との間にサーボモータＭの回転を減速するた
めの減速機２６が設けられている。

２７はケース本体１０の上端寄りの周壁に配設
された配線連絡体で、配線連絡体２７はケース本
体１０内の端子２０に接続する外部からの配線を
挿通するための配線挿通孔２８を有している。

２９は制御装置固定板１２の下面寄り下方に向
かつて突出した回転軸であり、サーボモータＭの
回転が減速機２６を介して回転軸２９を回転する
ようになつている。

回転軸２９の下端には嵌合取付部２９ａが形成
され、嵌合取付部２９ａの下端には鉛直方向の同
軸上にデイスク８を支持する弁棒３０が設けられ
ている。

弁棒３０はバルブ本体１の内部に形成した嵌合
部によつて回動自在に支持されている。

３１は回転軸２９の嵌合取付部２９ａに設けた
回転板、３２は制御装置固定板１２の下面に装着
されたリミツトスイツチであり、リミツトスイツ
チ３２には回転板３１の外周縁の一部が係合さ
れ、リミツトスイツチ３２は回転板３１の回動に
よりデイスク８を設定位置でモータ電流を切ると
共にブレーキを働かせて停止させるようになつて
いる。

３３はバルブ本体１にその先端を挿入して設け
た温度センサーであり、温度センサー３３は制御
回路部２５に連絡され、バルブ本体１内の通孔を
流通する流体が温水の場合には暖房に、冷水の場
合には冷房に温度センサー３３により自動的に切
換えられるようになつている。

次に、バルブ本体１について説明する。

バルブ本体１の内部には、第４図に示すよう
に、鉛直方向に向かつて流入口と連通する流入通
孔３５が設けられ、流入通孔３５の上方には流出
口に向かつて屈曲した屈曲部３５ａが形成され、
屈曲部３５ａと流出口との間には水平方向に向か
つて流出通孔３６が設けられ、流入通孔３５の屈
曲部３５ａと流出通孔３６との間にはデイスク取
付部３７が形成されている。

デイスク取付部３７にはデイスク８の外周面と
係合する球面の一部となる係合面３８，３８′が
それぞれ形成され、デイスク取付部３７の上部に
は上方よりグランドパツキンとＯリングを嵌合す
る嵌合部３９及び弁棒３０を回動自在に軸支する
支持孔４０が連通してそれぞれ穿設されている。

デイスク取付部３７の下部には弁棒３０の下端
を回動自在に軸支する支持穴４１が穿設されてい
る。

４２は温度センサー３３の感知部となる先端を
挿入するセンサー取付穴である。

バルブ本体１の流入通孔３５の内径ｄは流出通
孔３６の内径Ｄよりも小さくなつており、流入通
孔３５の中心軸O′−O′は流出通孔３６の水平方
向の中心軸Ｏ−Ｏに対して流入通孔３５の屈曲部
３５ａの曲率中心寄りに流出通孔３６の内径Ｄと
流入通孔３５の内径ｄとの差の半分Ｘだけ下方に
偏心して形成されている。

また、デイスク取付部３７は弁棒３０が挿通さ
れる鉛直方向の上下の係合面３８のシート幅Ａが
中間の係合面３８′のシート幅Ｂよりも広い幅と
されている。

次に、バルブ本体１の内部に配設されるデイス
ク８について説明する。

デイスク８は、第５図に示すように、上下両端
を平面に切欠いた略円板状の芯金４５と、芯金４
５周囲に外覆される円形のゴム、合成樹脂等の弾
性体４６とからなり、芯金４５には、第６図に示
すように、回転軸上に沿つて縦方向に膨出したボ
ス部４７が設けられ、ボス部４７には弁棒３０を
挿通するための弁棒取付孔４８が形成されてい
る。

弾性体４６は、第６図に示すように、上下方向
を除いた円形の周面がバルブ本体１の係合面３
８′と係合するような一部球面の肉厚B′を有し、
ボス部４７の弁棒３０の挿通される上下端寄り
は、第７図に示すように、バルブ本体１の係合面
３８と係合するような肉厚B′よりも幅の広い一
部球面の肉厚A′とされている。

デイスク８の弾性体４６の流出通孔３６に臨む
一側面には突出部４９が設けられ、突出部４９は
弁体の最大角度位置で通孔に平行になるよう弾性
体４６の側面に対して傾斜する傾斜角30°の傾斜
面５０が形成されると共に、傾斜面５０に続いて
半球状面５１が形成され、デイスク８の開放時に
傾斜面５０と半球状部５１の接合部がデイスク取
付部３７よりも流出通孔３６側に位置され、デイ
スク８は弁棒３０が60°の回転で全開となり、弾
性体４６は芯金４５の腐蝕を防止する役目も行う
ようになつている。

なお、半球状面５１には多数のデインプル加工
あるいは弁棒３０の軸に平行な多数の溝加工を行
うことも可能である。

次に、デイスク８のバルブ本体１の内部への取
付けを説明する。

バルブ本体１のデイスク取付部３７は、第４図
に示すように、中間の係合面３８′のシート幅Ｂ
のほうが弁棒３０を挿通する方向の上下の係合面
３８のシート幅Ａよりも狭く形成されていて、第
９図に示すデイスク取付部３７と流出通孔３６と
の連通する部分の横方向の幅の方が第８図に示す
デイスク取付部３７と流出通孔３６との連通する
部分の縦方向の幅よりも広いので、デイスク８の
回転方向を90°ずらして水平方向にしてデイスク
８を横にしておき、デイスク８の弾性体４６をバ
ルブ本体１の流出通孔３６よりデイスク取付部３
７の係合面３８′に係合するように挿入した後、
デイスク８を90°回動して突出部４９の半球状面
５１が流出口側に向くようにし、デイスク８の弁
棒取付孔４８をバルブ本体１の支持孔４０及び支
持穴４１に対して位置合せしておく。

次いで、Ｏリング５２及びグランドパツキン５
３を、第８図に示すように、バルブ本体１の嵌合
部３９の内部にそれぞれ嵌入した後、回転軸２９
の下端に一体に装着した弁棒３０をデイスク８の
弁棒取付孔４８に挿通することにより、デイスク
８を弁棒３０に対して軸止すると同時に、弁棒３
０をバルブ本体１の支持孔４０及び支持穴４１に
対して回動自在に軸支し、デイスク８の回動軸に
直交する水平方向の中心軸がバルブ本体１の流出
通孔３６の中心軸Ｏ−Ｏに対して同一軸線上とな
り、流入通孔３５の中心軸O′−O′が流出通孔３
６の中心軸Ｏ−Ｏより屈曲部３５ａの曲率中心寄
りにＸだけ下方に偏心する。

５４は回転軸２９の嵌合取付部２９ａに支持さ
れた回転板３１を係止するための係止リングであ
る。

なお、バルブ本体１の流出通孔３６にネツト９
を設けなくても良い。

次に、この実施例の作用について説明する。

まず、デイスク８がバルブ本体１の内部の流入
通孔３５と流出通孔３６との間のデイスク取付部
３７を閉塞した状態において、サーボモータＭを
駆動すると、回転軸２９がサーボモータＭの駆動
により減速機２６を介して回動すると共に、弁棒
３０がバルブ本体１の支持孔４０及び支持穴４１
に対して回転軸２９と同方向に回動し、デイスク
８が弁棒３０の回動に伴つて流入通孔３５と流出
通孔３６との間のデイスク取付部３７を開放し、
バルブ本体１の流入通孔３５と流出通孔３６とが
デイスク取付部３７を介して互に連通し、流体は
バルブ本体１の流入口より流出口に向かつて流通
する。

また、バルブ本体１の内部の流入通孔３５より
デイスク８を介して流出通孔３６に流通する流体
は、第８図に示すように、流入通孔３５の中心軸
O′−O′が流出通孔３６の中心軸Ｏ−Ｏよりも屈
曲部３５ａの曲率中心寄りにＸだけ下方に偏心さ
れており、デイスク８直前の空間Ｓが流体の流入
通孔３５の屈曲部３５ａの外周寄りの流速を緩和
し、屈曲部３５ａの外周寄りの流速と屈曲部３５
ａの内周寄りの流速との流速差が小さくなると共
に、流入通孔３５からデイスク８に至る屈曲部３
５ａの流体の流速が一様となる。

さらに、デイスク８は、第９図に示すように、
弁棒３０の60°の回動により全開状態となり、デ
イスク８の一側面の下流側にある突出部４９の傾
斜面５０と半球状面５１との接合部がバルブ本体
１のデイスク取付部３７よりも流出通孔３６側に
位置し、デイスク８の一側面の上流側にある開口
部が弾性体４６の突出部４９の傾斜面５０を介し
て一定の間隔でバルブ本体１の流出通孔３６と連
通し、デイスク８の他側面の下流側にある開口部
がデイスク取付部３７よりも流出通孔３６側に位
置し、デイスク８を通過する流入通孔３５の屈曲
部３５ａからの一様な流速の流体はデイスク取付
部３７で境界層の剥離等によるキヤビテーシヨン
を発生することがなく、デイスク取付部３７のキ
ヤビテーシヨンの衝撃圧力による破損を防止す
る。

なお、デイスク８はバルブ本体１の流入通孔と
流出通孔を同一軸方向に形成したストレート型の
バタフライバルブに使用することも可能であり、
弁棒３０はＯリング５２とグランドパツキン５３
により流体の液もれが確実に防止される。

考案の効果 以上に述べたように、本考案のバタフライバル
ブによれば、弁体をバルブ本体の弁座に対して回
動することにより、バルブ本体の流入通孔と流出
通孔とが互に連通するので、流体を流入通孔から
弁体を介して流出通孔に流通することができ、弁
体のバルブ本体の弁座に対する開放に際し、弁体
の側面の下流側にある突出部の傾斜面と半球状面
との接合部が弁座よりも流出通孔側に位置し、弁
体の側面の上流側にある開口部が突出部の傾斜面
を介して一定の間隔で流出通孔と連通するので、
弁体を通過する流体が弁座部分で境界層の剥離等
によるキヤビテーシヨンを発生することがなく、
弁座のキヤビテーシヨンの衝撃圧力による破損を
確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例のバタフライバルブ
の要部切断正面図、第２図は、第１図の右側面
図、第３図は、第２図の要部切断平面図、第４図
は、第１図のバルブ本体の要部拡大断面図、第５
図は、第１図のデイスクの正面図、第６図は、第
５図の要部切断平面図、第７図は、第５図の半部
切断右側面図、第８図は、デイスクのバルブ本体
への取付け状態を示す要部拡大断面図、第９図
は、デイスクのバルブ本体に対する開放状態を示
す要部切断平面図である。 １……バルブ本体、１ａ……制御装置取付部、
２……ガスケツト、３……ユニオンニツプル、３
ａ……管用テーパーネジ、４……ユニオンナツ
ト、５……ガスケツト、６……ユニオンニツプ
ル、６ａ……管用……テーパーネジ、７……ユニ
オンナツト、８……デイスク、９……ネツト、１
０……ケース本体、１１……カバー、１２……制
御装置固定板、１３……変圧器、１４……取付金
具、１５……モータ固定板、１６……固定板取付
ロツド、１７……ボルト部、１８……ナツト、１
９……上部固定板、２０……端子、２１……ヒユ
ーズ、２２……ヒユーズ収納体、２３……セツト
スイツチ、２４……固定板、２５……制御回路
部、２６……減速機、２７……配線連絡体、２８
……配線挿通孔、２９……回転軸、２９ａ……嵌
合取付部、３０……弁棒、３１……回転板、３２
……リミツトスイツチ、３３……温度センサー、
３５……流入通孔、３５ａ……屈曲部、３６……
流出通孔、３７……デイスク取付部、３８，３
８′……係合面、３９……嵌合部、４０……支持
孔、４１……支持穴、４２……センサー取付穴、
４５……芯金、４６……弾性体、４７……ボス
部、４８……弁棒取付孔、４９……突出部、５０
……傾斜面、５１……半球状面、５２……Ｏリン
グ、５３……グランドパツキン、５４……係止リ
ング、Ｍ……サーボモータ、Ｓ……空間、Ａ，Ｂ
……シート幅、Ｏ−Ｏ，O′−O′……中心軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブ本体の内部に流入通孔及び流出通孔を互
   に連通して設け、前記流入通孔と流出通孔との間
   に弁座を形成し、前記弁座に前記流入通孔と流出
   通孔とを開閉する弁体を回動自在に配設したバタ
   フライバルブにおいて、前記弁体の前記流出通孔
   に臨む側面に突出部を設け、前記突出部を前記弁
   体の最大開放角度位置で通孔に平行な傾斜面と該
   傾斜面に続く半球状面とで形成し、前記弁体の開
   放時に前記傾斜面と前記半球状部の接合部を前記
   弁座よりも前記流出通孔側に位置させたことを特
   徴とするバタフライバルブ。