JPH05112613A - 塩化ビニル系不飽和単量体の懸濁重合方法 - Google Patents

塩化ビニル系不飽和単量体の懸濁重合方法

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JPH05112613A
JPH05112613A JP30277891A JP30277891A JPH05112613A JP H05112613 A JPH05112613 A JP H05112613A JP 30277891 A JP30277891 A JP 30277891A JP 30277891 A JP30277891 A JP 30277891A JP H05112613 A JPH05112613 A JP H05112613A
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JP
Japan
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organic peroxide
vinyl chloride
polymerization
water emulsion
fatty acid
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JP30277891A
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Nobuyuki Satomi
信行 里見
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重合開始剤として用いる有機過酸化物の水エ
マルション中の脂肪酸成分の含有量が多くなっても、重
合工程の生産性をダウンさせず、併せて、初期着色性を
改善した塩化ビニル系のポリマーを製造する。 【構成】 純度が少なくとも80%であるシス−9−オ
クタデセン酸と多価アルコールから製造された脂肪酸エ
ステルの少なくとも1種を含む有機過酸化物の水エマル
ションを重合開始剤をとして用いて、塩化ビニル系不飽
和単量体を懸濁重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系不飽和単
量体の懸濁重合方法に関するものである。更に詳しく
は、特定の界面活性剤を含む有機過酸化物の水エマルシ
ョンを重合開始剤として用いることにより、重合反応速
度を低下させずに、初期着色性及び可塑剤吸収性に優れ
たポリマー製造のための塩化ビニル系不飽和単量体の重
合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、塩化ビニル等の懸濁重合におい
て、生産性の向上をはかり、且つ、環境汚染を防止する
ために重合設備を大型化し、そして製造系統を自動連続
化している。このような変化に対応するため、大量輸送
し易く、且つ、安全性の高い重合開始剤、つまり有機過
酸化物の水エマルションが開発された。
【0003】例えば、有機過酸化物、非イオン性界面活
性剤、水溶性アルコールそして水から製造された重合開
始剤を用いる方法(特開昭57−139105号公報)
が知られている。
【0004】又有機過酸化物、ソルビタン脂肪酸エステ
ルやサッカロース脂肪酸エステル、水溶性アルコールそ
して水から製造された重合開始剤を用いる方法(特開昭
58−134103号公報)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の重合開始剤中に
は脂肪酸を原料とする界面活性剤が含まれる。しかしな
がら、従来の市販の脂肪酸は、炭素鎖長や不飽和度の異
なる脂肪族同族体そして各種の微量不純物を含有してい
る。前記の水エマルションの脂肪酸は特定されておら
ず、不純物の含有は許容されると思われる。このような
不純物を含む脂肪酸を使って製造された重合開始剤を用
いて塩化ビニル系不飽和単量体の懸濁重合を行うと、次
に述べる欠点の生ずる虞れがある。
【0006】(1)得られるポリマーは、初期着色性が
劣り、そして耐熱性も劣っている。特に、ペルオキシエ
ステルを主体とする重合開始剤を用いる場合には、他の
有機過酸化物よりも初期着色性が良い利点が消えてしま
うという大きな問題がある。そして得られるポリマーの
可塑剤吸収性も悪くなる傾向にある。
【0007】(2)前述の界面活性剤の含有量の多い重
合開始剤を使用すればするほど、重合反応速度が遅くな
り、重合の完結時間が長くなる傾向にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の従来
技術の欠点を解消し、重合特性とポリマー物性の両面に
優れた塩化ビニル系不飽和単量体の懸濁重合方法を求め
て鋭意検討を進めた結果、特定の界面活性剤を有する重
合開始剤を用いることにより目的を達成することを確認
し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明はシス−9−オクタデセン酸
を少なくとも80重量%含有する脂肪酸と多価アルコー
ルとの脂肪酸エステルである界面活性剤の少なくとも1
種、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル及
びジアシルペルオキシドからなる群から選ばれる少なく
とも1種の有機過酸化物、水及び水溶性アルコールから
なる有機過酸化物の水エマルションを重合開始剤として
用いることを特徴とするものである。
【0010】次に本発明について詳しく説明する。本発
明方法においては、重合開始剤中に含まれる界面活性剤
に特徴があるので、先ず界面活性剤について説明する。
本発明の界面活性剤はシス−9−オクタデセン酸が少な
くとも80重量%以上、好ましくは90重量%以上であ
る脂肪酸と多価アルコールから製造された脂肪酸エステ
ルを主体とするものである。前記のシス−9−オクタデ
セン酸純度の高い脂肪酸は、例えば市販の天然脂肪酸を
尿素分割法等により精製すれば得られる。市販のオレイ
ン酸はシス−9−オクタデセン酸の純度としてたかだか
78%、通常50〜72%である。このように純度が低
いものではリノール酸、リノレン酸などのポリ不飽和脂
肪酸や微量不純物を多量に含んでいる。このような低純
度のシス−9−オクタデセン酸より製造された脂肪酸エ
ステルを含む重合開始剤を用いた場合、生成ポリマーの
初期着色性は改善されない。
【0011】又多価アルコールとは、ソルビトール、グ
リセリン、プロピレングリコール、ペンタエリスリトー
ル、トリメチロールプロパン、サッカロース及びこれら
多価アルコールの脱水縮合物、例えば、ソルビタンやポ
リグリセリンが含まれる。これらの中でソルビタンを主
成分とする多価アルコールから製造された脂肪酸エステ
ル(界面活性剤)を含む本発明の有機過酸化物の水エマ
ルションは貯蔵安定性が良いので好ましい。そして脂肪
酸エステルを製造するときの脂肪酸と多価アルコールと
の比率は、多価アルコール分子中の水酸基を全てエステ
ル化するまで任意の割合にすることが可能である。特に
好ましい脂肪酸対多価アルコールの比率は1対1から3
対1であるが、脂肪酸エステル(界面活性剤)における
脂肪酸と多価アルコールの比率、多価アルコールの種類
は水エマルション中における有機過酸化物によって適宜
選ばれる。又、有機過酸化物の水エマルション中の含有
量は通常0.01〜10重量%である。多すぎても少な
すぎても貯蔵安定性が悪く、好ましくは0.1〜5重量
%である。
【0012】本発明に用いられる有機過酸化物の水エマ
ルションにおいて、有機過酸化物としては、例えばジ
(n−プロピル)ペルオキシジカーボネート、ジ(イソ
プロピル)ペルオキシジカーボネート、ジ(sec−ブ
チル)ペルオキシジカーボネート、ジカプリルペルオキ
シジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキ
シジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)ペルオキ
シジカーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)ペルオ
キシジカーボネートなどのペルオキシジカーボネート、
t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ク
ミルペルオキシネオデカノエート、α,α′−ビス(ネ
オアルカノイルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、
t−ブチルペルオキシピバレート、t−アミルペルオキ
シピバレート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t
−オクチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキ
シネオデカノエート、t−アミルペルオキシネオデカノ
エート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t
−オクチルペルオキシネオデカノエート、1−エチル−
1,5−ジメチルヘキシルペルオキシネオデカノエー
ト、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ
ネオデカノエートなどのペルオキシエステル、ジプロピ
オニルペルオキシド、ジイソブチリルペルオキシド、ジ
(3、5、5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド
などのジアシルペルオキシドが用いられる。
【0013】前記有機過酸化物中、好ましいのはペルオ
キシエステルである。なぜなら従来の界面活性剤を含む
これら有機過酸化物の水エマルションを重合開始剤とし
て使用すると、生成ポリマーの初期着色性が大幅に低下
してしまうが、本発明の脂肪酸エステル(界面活性剤)
を同様に使用する場合には、これら有機過酸化物の単独
使用時と同じ位に良好なポリマーとなるからである。つ
まりこれら有機過酸化物の本来の良い性質を損なわない
からである。
【0014】本発明の有機過酸化物の水エマルションに
おいて前記有機過酸化物の含有量は通常5〜80重量%
であり、実用的に好ましいのは10〜65重量%であ
る。有機過酸化物の配合量が40重量%を越える量から
65重量%の範囲にある場合にも本発明では低温度で低
粘度になるので好ましい。有機過酸化物の含有量が5重
量%に達しない場合は、有効成分が少ないため実用的で
ない。又65重量%をこえると、粘度が高過ぎるため取
り扱いにくい欠点がある。本発明に用いられる有機過酸
化物の水エマルションにおいて、希釈剤で希釈した有機
過酸化物も使用できる。希釈剤としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、脂肪族炭化水素等の有機溶剤やジメチル
フタレートやジオクチルフタレートなどの可塑剤があ
る。この場合希釈剤の含有量は、通常有機過酸化物の水
エマルション中の40重量%以内である。
【0015】又、水溶性アルコールとしては、分子量が
100以下のアルコールが好ましく用いられる。例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリ
コール、グリセリン等がある。特に好ましいのはメチル
アルコール、その理由は生成ポリマーの物性への悪影響
が小さいからである。前記水溶性アルコールは水エマル
ションの凝固点降下の効果がある。その使用量は少なす
ぎると効果が小さく、多すぎると有機過酸化物が不安定
になるため、通常は2重量%から30重量%を含有させ
るが、凝固温度を−25℃以下で、且つ低温度で低粘度
にできるので10重量%を越える量が好ましい。
【0016】本発明で用いる塩化ビニル系不飽和単量体
とは、塩化ビニル単独の単量体に限らず、塩化ビニル及
び塩化ビニルと共重合性のある単量体の混合物も含む。
この場合の塩化ビニルと共重合される単量体としては、
ビニルエステル、ビニルエーテル、アクリル酸もしくは
メタクリル酸エステル、α−オレフィン、芳香族ビニ
ル、塩化ビニル以外のハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビ
ニリデン、マレイン酸あるいはフマル酸エステルなどが
例示され、これらは本発明では塩化ビニルとの混合物と
した場合最大30重量%である。
【0017】次に本発明方法に用いられる有機過酸化物
の水エマルションの製造方法について述べる。例えば脂
肪酸エステル(界面活性剤)及び分子量100以下の水
溶性アルコールを水に溶解ないし分散させた混合液を、
撹拌しながら有機過酸化物に添加又は前記水溶液に有機
過酸化物を添加するという方法によって行う。この際、
脂肪酸エステル(界面活性剤)は有機過酸化物に溶解さ
せて使用することもできる。このようにして得られた有
機過酸化物の水エマルションは、通常水を連続相とする
ものであり、そのため安全性及び安定性において優れた
性質を示す。尚、エマルションの安定性を向上させ、そ
して優れたポリマーを得るには、分散剤を使用した方が
好ましい。
【0018】分散剤としては、例えば、グアーガム、ロ
ーカストビーンガム、トロロアオイ、トラガントゴム、
アラビアゴム、ビスコース、メチルセルロース、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、可溶
性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒド
デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナト
リウム、部分ないし完全鹸化ポリ酢酸ビニルである。こ
れの中から選ばれる1種又は2種以上使用できる。
【0019】これらの中では、低粘度なため自動仕込が
容易である点で、鹸化度が50〜90モル%、平均重合
度が10〜2000である部分鹸化ポリ酢酸ビニルが好
ましい。最も好ましい範囲は鹸化度が60〜99モル
%、平均重合度が100〜1000である部分鹸化ポリ
酢酸ビニルである。
【0020】分散剤の種類及び量は有機過酸化物の種類
と所望粘度により適宜選ばれる。又それは2種以上の混
合物であっても良い。有機過酸化物の水エマルション中
に含有させる場合は通常0.01〜10重量%である。
少なすぎると添加の効果はなく、多過ぎると経済的に不
利となるため好ましくは0.1〜5重量%である。
【0021】本発明の懸濁重合に用いられる有機過酸化
物の水エマルションを製造するために使う装置は、従来
から知られている装置を用いることができる。例えばか
い型、プロぺラ型、タービン型の機械回転式の撹拌機、
コロイドミル、ホモジナイザー、高速せん断装置、ライ
ンミキサー、超音波ホモジナイザーなどが使用できる。
これらの装置を用いて分散する粒の平均径が10μm以
下の有機過酸化物の水エマルションを製造することによ
り極めて安定にできる。
【0022】本発明の方法は、重合開始剤として前述の
有機過酸化物の水エマルションを用いる他は、通常の塩
化ビニル系不飽和単量体の懸濁重合方法と同様の方法に
よって行われる。例えば、撹拌装置を有するステンレス
スチール製あるいはグラスライニングを施した高耐圧容
器を用い、これに重合体全量の100〜400重量%の
懸濁剤水溶液及び本発明の重合開始剤を仕込み、系内を
充分に窒素置換した後、単量体を圧入し、以後撹拌下に
所定の温度で重合を行う。
【0023】本発明で用いる懸濁安定剤は、通常の塩化
ビニル系不飽和単量体の懸濁重合方法に用いられる懸濁
安定剤の全てを使用できる。例えば、ポリビニルアルコ
ール、セルローズ誘導体等である。
【0024】そして重合系には必要に応じて添加剤を混
合することもできる。例えば、スケール防止剤、重合度
調節剤、重合禁止剤、加工性改良剤、帯電防止剤、pH
調節剤等が挙げられる。これら添加剤の仕込については
溶剤に溶かしたり、水媒体に分散させる等によれば良
く、仕込の形態には依存しない。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法は上述のように構成されて
いるため、以下に示すような幾つかの利点を有してい
る。
【0026】第1に、本発明の方法により製造されたポ
リマーは初期着色性が良いので、熱安定性の良いポリマ
ーとして広範囲な用途展開ができる。第2に、界面活性
剤である脂肪酸エステルの含有量の多い重合開始剤を使
用しても、重合の完結時間が長くなることがないので、
生産性をアップできる。
【0027】第3に、本発明に用いられる水エマルショ
ンは貯蔵安定性が良くて、且つ、低温での流動性が優れ
ているので、塩化ビニル系単量体を自動チャージシステ
ムにより好都合に重合できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例及び参考例に
より具体的に説明する。参考例は本発明及び比較例で用
いる有機過酸化物の水エマルションの製造例である。尚
各例中のパーセントは特に断わらない限り全て重量基準
である。
【0029】(本発明方法に用いる有機過酸化物の水エ
マルションの製造例) 参考例 1 シス−9−オクタデセン酸(純度:90%、以下同様)
282g、ソルビタン164g、炭酸ナトリウム1.2
g及び亜リン酸0.6gを水分離管付凝縮器、温度計、
温度調節器及び窒素ガス吹込み管を備えた1リットルの
四つ口フラスコにとり、窒素ガスを吹込んでフラスコ内
の空気を置換した。そして窒素ガスを吹込みながら23
0℃迄昇温し、5時間エステル化反応を行った。そして
減圧下に濾過して、390gのソルビタンオレエートを
得た。
【0030】次に通常の撹拌装置を備えた500ミリリ
ットルの三つ口フラスコに表1の組成になるように水、
メチルアルコール及び分散剤(UMR−30H…ユニチ
カケミカル(株)製)を入れ、溶解後浴温を5〜10℃
にした。次にt−ブチルペルオキシネオデカノエート及
び前述の如く製造されたソルビタンオレエートの混合溶
液(表1の組成になるように混合)を前記溶解液に滴下
しながら激しく撹拌した。滴下完了後更に30分間撹拌
を続けて有機過酸化物の水エマルションを得た。
【0031】参考例 2 シス−9−オクタデセン酸(純度:90%)282gの
代りにシス−9−オクタデセン酸(純度:80%)28
2gを用いてソルビタンオレエートを製造し、それを用
いて有機過酸化物の水エマルション(組成は表1に記
載)を製造する以外は参考例1に準じて有機過酸化物の
水エマルションを製造した。
【0032】参考例 3 シス−9−オクタデセン酸(純度:90%)282gの
代りにシス−9−オクタデセン酸(純度:99%)28
2gを用いてソルビタンオレエートを製造し、そしてt
−ブチルペルオキシネオデカノエートの代りにt−ヘキ
シルペルオキシデカノエートを用いて有機過酸化物の水
エマルション(組成は表1に記載)を製造する以外は参
考例1に準じて有機過酸化物の水エマルションを製造し
た。
【0033】参考例 4 ソルビタンオレエートの含有量を10倍とした以外(組
成は表1に記載)は参考例1に準じて有機過酸化物の水
エマルションを製造した。
【0034】参考例 5 シス−9−オクタデセン酸(純度:90%)282g、
グリセリン92g、炭酸ナトリウム1.2g及び亜リン
酸0.6gを水分離管付凝縮器、温度計、温度調節器及
び窒素ガス吹込み管を備えた1リットルの四つ口フラス
コにとり、窒素ガスを吹込んでフラスコ内の空気を置換
した。そして窒素ガスを吹込みながら110℃まで昇温
し、そのまま5時間エステル化反応を行った。そして減
圧下に濾過して、330gのグリセリンオレエートを得
た。ソルビタンオレエートの代りにこのグリセリンオレ
エートを用い、又、t−ブチルペルオキシネオデカノエ
ートの代りにジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカ
ーボネートを用いた以外(組成は表1に記載)参考例1
に準じて有機過酸化物の水エマルションを製造した。
【0035】参考例 6 シス−9−オクタデセン酸(純度:90%)282g、
ヘキサグリセリン(ダイセル(株)製PGC06,水酸
基価:960)468g、炭酸ナトリウム1.2g及び
亜リン酸0.6gを水分離管付凝縮器、温度計、温度調
節器及び窒素ガス吹込み管を備えた1リットルの四つ口
フラスコにとり、窒素ガスを吹込んでフラスコ内の空気
を置換した。そして窒素ガスを吹込みながら210℃ま
で昇温し、そのまま1.5時間エステル化反応を行っ
た。そして減圧下に濾過して、700gのヘキサグリセ
リンオレエートを得た。ソルビタンオレエートの代りに
このヘキサグリセリンオレエートを用いること以外は参
考例1に準じて有機過酸化物の水エマルション(組成は
表1に記載)を製造した。
【0036】参考例 7 シス−9−オクタデセン酸(純度:90%)282g、
プロピレングリコール76g、炭酸ナトリウム1.2g
及び亜リン酸0.6gを水分離管付凝縮器、温度計、温
度調節器及び窒素ガス吹込み管を備えた1リットルの四
つ口フラスコにとり、窒素ガスを吹込んでフラスコ内の
空気を置換した。そして窒素ガスを吹込みながら230
℃迄昇温し、そのまま4時間エステル化反応を行った。
そして減圧下に濾過して、315gのプロピレングリコ
ールオレエートを得た。次に、このプロピレングリコー
ルオレエートをソルビタンオレエートと共に用い分散剤
としてゴーセノールKH−20を用い、更にメチルアル
コールの代りにエチレングリコールを用いること以外は
参考例1に準じて有機過酸化物の水エマルション(組成
は表1に記載)を製造した。
【0037】(比較例方法に用いる有機過酸化物の水エ
マルションの製造例) 参考例 8 シス−9−オクタデセン酸(純度:90%)282gの
代りに市販シス−9−オクタデセン酸(純度:70%)
282gを用いてソルビタンオレエートを製造し、それ
を含むようにすること以外は参考例1に準じて有機過酸
化物の水エマルション(組成は表1に記載)を製造し
た。
【0038】参考例 9 シス−9−オクタデセン酸(純度:90%)282gの
代りに市販シス−9−オクタデセン酸(純度:70%)
282gを用いてソルビタンオレエートを製造し、それ
を参考例8の10倍量含むようにすること以外は参考例
1に準じて有機過酸化物の水エマルション(組成は表1
に記載)を製造した。
【0039】参考例 10 シス−9−オクタデセン酸(純度:90%)282gの
代りにシス−9−オクタデセン酸(純度:76%)28
2gを用いてソルビタンオレエートを製造し、それを含
むようにすること以外は参考例1に準じて有機過酸化物
の水エマルション(組成は表1に記載)を製造した。
【0040】
【表1】
【0041】実施例 1〜7、比較例 1〜3 撹拌機付きの内容積200リットルの重合機の内部を窒
素ガスで置換し、次いで純水100kg、懸濁剤として
部分鹸化ポリ酢酸ビニル(鹸化度80モル%、平均重合
度2000)49g、塩化ビニル50kg及び重合開始
剤として表2に記載の有機過酸化物及び添加量の水エマ
ルションからなる混合物を仕込、且つ混合物を表2に示
される温度になるように調整し、撹拌しながら単量体を
重合させた。重合器の内圧が5kg/cm2 に低下した
時点で重合を停止した。そして未反応単量体を回収し、
脱水乾燥したところ、白色粉状の塩化ビニル重合体を得
た。得られた各ポリマーについて、下記に示した測定方
法により、初期着色性、可塑剤吸収性を夫々測定し、結
果を表2に示した。
【0042】初期着色性 得られたポリマー100重量部にジオクチルフタレート
50重量部、ジブチル錫マレート系安定剤5重量部、ス
テアリン酸ソーダ2重量部を添加し、160℃の熱ロー
ルで5分間混練りしてシートを作成し、得られたシート
の透明性、着色状態を観察した。
【0043】可塑剤吸収性 目の粗さG−2のガラスフィルターにポリマー5gを精
秤してとり、ポリマーに対して過剰のDOP可塑剤(約
10ml)を添加してよく混合する。その後、回転数5
00RPMの遠心分離機でDOPを分離し、ポリマーの
DOP吸収量を求める。単位はポリマー100部あたり
のDOP吸収量(phr)である。
【0044】
【表2】
【0045】本発明の製造方法により、界面活性剤が多
くなっても重合時間は長くなることはなく、又得られた
ポリ塩化ビニルの物性、特に初期着色性や可塑剤吸収性
は従来のものに比べて著しく改善されていることは表か
ら明らかである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シス−9−オクタデセン酸を少なくとも
    80重量%含有する脂肪酸と多価アルコールとの脂肪酸
    エステルである界面活性剤の少なくとも1種、ペルオキ
    シジカーボネート、ペルオキシエステル及びジアシルペ
    ルオキシドからなる群から選ばれる少なくとも1種の有
    機過酸化物、水及び水溶性アルコールからなる有機過酸
    化物の水エマルションを重合開始剤として用いることを
    特徴とする塩化ビニル系不飽和単量体の懸濁重合方法。
JP30277891A 1991-10-23 1991-10-23 塩化ビニル系不飽和単量体の懸濁重合方法 Pending JPH05112613A (ja)

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