JPH05112543A - コイキソールの製造方法 - Google Patents
コイキソールの製造方法Info
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- JPH05112543A JPH05112543A JP3269759A JP26975991A JPH05112543A JP H05112543 A JPH05112543 A JP H05112543A JP 3269759 A JP3269759 A JP 3269759A JP 26975991 A JP26975991 A JP 26975991A JP H05112543 A JPH05112543 A JP H05112543A
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- Japan
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- coixol
- culture
- medium
- cultured mixture
- cultured
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ハトムギ、トウモロコシ又は小麦の植物体組
織片又は細胞を栄養培地で組織培養し、その培養物を加
熱又はアルカリ処理して、コイキソールを抽出する。 【効果】 コイキソールを安定的かつ大量に得ることが
できる。
織片又は細胞を栄養培地で組織培養し、その培養物を加
熱又はアルカリ処理して、コイキソールを抽出する。 【効果】 コイキソールを安定的かつ大量に得ることが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハトムギ、トウモロコ
シ又は小麦の植物体組織片又は細胞を栄養培地で組織培
養した培養物からコイキソール(6−メトキシベンゾオ
キサゾリノン)を採取するコイキソールの製造法に関す
る。
シ又は小麦の植物体組織片又は細胞を栄養培地で組織培
養した培養物からコイキソール(6−メトキシベンゾオ
キサゾリノン)を採取するコイキソールの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コイキソールは、ハトムギ等のイネ科植
物の茎葉、根及び種子に含まれていることが知られてい
る。しかし、これらの植物体からコイキソールを得るこ
とは、コイキソール含量が低いことや植物体の生産が天
候、自然環境、収穫時期等の影響を受けること等により
困難であった。
物の茎葉、根及び種子に含まれていることが知られてい
る。しかし、これらの植物体からコイキソールを得るこ
とは、コイキソール含量が低いことや植物体の生産が天
候、自然環境、収穫時期等の影響を受けること等により
困難であった。
【0003】またハトムギを組織培養した例として例え
ば以下の報告が有る。Plant cellorgan culuture 5.17
5,(1986) には、ハトムギの幼植物を2.4−ジクロロ
フェノキシ酢酸(2.4−D)を含むN−6培地に置床
することにより容易にカルス化することが報告されてい
る。更にこのように培養したハトムギカルスのメタノー
ル抽出液中にコイキソールが存在することも確認されて
いる。しかしこのような方法により得られるコイキソー
ルはきわめて、微量であり、これを産業的に利用してい
くことは、不可能であった。このためハトムギ、トウモ
ロコシおよび小麦の組織培養物より大量にコイキソール
を採取する方法を確立することが望まれていた。
ば以下の報告が有る。Plant cellorgan culuture 5.17
5,(1986) には、ハトムギの幼植物を2.4−ジクロロ
フェノキシ酢酸(2.4−D)を含むN−6培地に置床
することにより容易にカルス化することが報告されてい
る。更にこのように培養したハトムギカルスのメタノー
ル抽出液中にコイキソールが存在することも確認されて
いる。しかしこのような方法により得られるコイキソー
ルはきわめて、微量であり、これを産業的に利用してい
くことは、不可能であった。このためハトムギ、トウモ
ロコシおよび小麦の組織培養物より大量にコイキソール
を採取する方法を確立することが望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するものであり、その目的とするところは、コイ
キソールを安定的かつ大量にハトムギ、トウモロコシ又
は小麦の植物体組織片又は細胞を栄養培地で組織培養し
た培養物から得ることにある。
を解決するものであり、その目的とするところは、コイ
キソールを安定的かつ大量にハトムギ、トウモロコシ又
は小麦の植物体組織片又は細胞を栄養培地で組織培養し
た培養物から得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ハトム
ギ、トウモロコシ又は小麦の植物体組織片又は細胞を栄
養培地で組織培養し、培養物からコイキソールを抽出す
る際に加熱又はアルカリ処理を行うことにより、大量に
コイキソールが得られることを見い出し本発明を完成し
た。
ギ、トウモロコシ又は小麦の植物体組織片又は細胞を栄
養培地で組織培養し、培養物からコイキソールを抽出す
る際に加熱又はアルカリ処理を行うことにより、大量に
コイキソールが得られることを見い出し本発明を完成し
た。
【0006】すなわち本発明は、ハトムギ、トウモロコ
シ又は小麦の植物体組織片又は、細胞を栄養培地で組織
培養し、その培養物を加熱又は、アルカリ処理してコイ
キソールを抽出することを特徴とするものである。本発
明によりコイキソールを生産する為には、まずハトム
ギ、トウモロコシ又は小麦の無菌植物を調製し、この茎
葉、根等から誘導を行なう。このカルス、誘導カルスを
再分化させ生ずる不定根もしくは無菌植物の根を栄養培
地で培養した培養物から抽出することにより生産出来
る。
シ又は小麦の植物体組織片又は、細胞を栄養培地で組織
培養し、その培養物を加熱又は、アルカリ処理してコイ
キソールを抽出することを特徴とするものである。本発
明によりコイキソールを生産する為には、まずハトム
ギ、トウモロコシ又は小麦の無菌植物を調製し、この茎
葉、根等から誘導を行なう。このカルス、誘導カルスを
再分化させ生ずる不定根もしくは無菌植物の根を栄養培
地で培養した培養物から抽出することにより生産出来
る。
【0007】ここで使用される培地としては、植物の培
養に使用される培地がいずれも使用出来る。そのような
培地としては、ムラシゲスクーグ培地(MS培地)、リ
ンスマイヤースクーグ培地(LS培地)、ホワイトの培
地、B−5培地、ヘーラーの培地、N−6培地等があ
る。上記培地中の炭素源としては、ショ糖、グルコー
ス、フルクトースが例示できその濃度は0.1%から5%
が好適である。
養に使用される培地がいずれも使用出来る。そのような
培地としては、ムラシゲスクーグ培地(MS培地)、リ
ンスマイヤースクーグ培地(LS培地)、ホワイトの培
地、B−5培地、ヘーラーの培地、N−6培地等があ
る。上記培地中の炭素源としては、ショ糖、グルコー
ス、フルクトースが例示できその濃度は0.1%から5%
が好適である。
【0008】又、上記培地中には、カゼイン、カゼイン
加水分解物、酵母エキス、マルトエキス、ココナッツミ
ルク等の有機成分を少量添加して培養しても良い。さら
に、上記培地中には、植物ホルモンが添加される。その
ホルモンとしては、2.4−ジクロロフェノキシ酢酸
(2.4−D)、ナフタレン酢酸(NAA)、インドー
ル酢酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)等のオー
キシン類及びカイネチン、ゼアチン、ベンジルアデニン
等のサイトカイニン類が例示できる。これらの添加量は
通常100ppm 以下が好適である。培養液のpHは中性付近
が好ましくpH4〜pH8程度が良い。
加水分解物、酵母エキス、マルトエキス、ココナッツミ
ルク等の有機成分を少量添加して培養しても良い。さら
に、上記培地中には、植物ホルモンが添加される。その
ホルモンとしては、2.4−ジクロロフェノキシ酢酸
(2.4−D)、ナフタレン酢酸(NAA)、インドー
ル酢酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)等のオー
キシン類及びカイネチン、ゼアチン、ベンジルアデニン
等のサイトカイニン類が例示できる。これらの添加量は
通常100ppm 以下が好適である。培養液のpHは中性付近
が好ましくpH4〜pH8程度が良い。
【0009】培養は、寒天やゲランガムで固めた固体培
地のいずれもが使用できるが、通常は液体培地が好適に
用いられる。液体培地を用いた場合は 10〜200回転/分
程度の振盪培養やジャーファメンターを用いた通気攪拌
培養を行なえば良い。培養温度は20〜35℃が好ましく、
暗所でも光を照射してもどちらでも良い。このようにし
て、通常2〜5週間に1回の割合で新しい培地に植え継
ぎ、継代培養が行なわれる。
地のいずれもが使用できるが、通常は液体培地が好適に
用いられる。液体培地を用いた場合は 10〜200回転/分
程度の振盪培養やジャーファメンターを用いた通気攪拌
培養を行なえば良い。培養温度は20〜35℃が好ましく、
暗所でも光を照射してもどちらでも良い。このようにし
て、通常2〜5週間に1回の割合で新しい培地に植え継
ぎ、継代培養が行なわれる。
【0010】培養した培養物を加熱処理する場合は、培
養液を培養物から分離せずそのまま加熱してもよくまた
遠心分離等で培養液を除去した後に水、アルコール等を
加えてから加熱してもよい。加熱温度は40〜70℃で、4
時間以上加熱すれば充分な量のコイキソールを抽出する
ことができる。アルカリ処理する場合は、メタノール、
エタノール等のアルコールにカセイソーダ、カセイカ
リ、アンモニア、炭酸ソーダ、重曹、水酸化カルシウム
等のアルカリ剤を0.02規定以上になるように加えたもの
で抽出すればよい。
養液を培養物から分離せずそのまま加熱してもよくまた
遠心分離等で培養液を除去した後に水、アルコール等を
加えてから加熱してもよい。加熱温度は40〜70℃で、4
時間以上加熱すれば充分な量のコイキソールを抽出する
ことができる。アルカリ処理する場合は、メタノール、
エタノール等のアルコールにカセイソーダ、カセイカ
リ、アンモニア、炭酸ソーダ、重曹、水酸化カルシウム
等のアルカリ剤を0.02規定以上になるように加えたもの
で抽出すればよい。
【0011】こうして得られた抽出液から、コイキソー
ルを精製するには通常用いられる溶媒分画、カラムクロ
マトグラフィー、活性炭吸着溶出(アルカリ性エタノー
ル溶出)等の方法を利用することが出来る。こうように
して得られるコイキソールは新鮮培養細胞1g当たり10
μg以上になり培養条件、培地組成、細胞の選抜によ
り、新鮮培養細胞1g当たり10mg程度になることがあ
る。
ルを精製するには通常用いられる溶媒分画、カラムクロ
マトグラフィー、活性炭吸着溶出(アルカリ性エタノー
ル溶出)等の方法を利用することが出来る。こうように
して得られるコイキソールは新鮮培養細胞1g当たり10
μg以上になり培養条件、培地組成、細胞の選抜によ
り、新鮮培養細胞1g当たり10mg程度になることがあ
る。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、ハトムギ、トウモロコ
シ又は小麦植物体組織片又は細胞を栄養培地で組織培養
した培養物からコイキソールが安定的かつ大量に得られ
る。このようにして得られるコイキソールは、鎮静作用
を有しているので、心身の緊張を緩和し、心身を安定に
保つ為の機能性食品や健康食品の成分として利用され
る。
シ又は小麦植物体組織片又は細胞を栄養培地で組織培養
した培養物からコイキソールが安定的かつ大量に得られ
る。このようにして得られるコイキソールは、鎮静作用
を有しているので、心身の緊張を緩和し、心身を安定に
保つ為の機能性食品や健康食品の成分として利用され
る。
【0013】実験例1 コイキソール抽出条件の検討−1 100ml容三角フラスコに1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地( pH6.0 )10mlを
加え滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25
℃、振幅5cm、回転数100rpmで4週間培養した。この培
養根を用いてコイキソール抽出条件の検討を行なった。
%カゼイン加水分解物含有MS培地( pH6.0 )10mlを
加え滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25
℃、振幅5cm、回転数100rpmで4週間培養した。この培
養根を用いてコイキソール抽出条件の検討を行なった。
【0014】培養根0.1gに各種抽出溶媒を1ml加え、3
0℃に24時間放置した後、3000rpmで10分間遠心分離した
上清0.5μmのフィルターでろ過し、高速液体クロマト
グラフィーにより分析し培養根中のコイキソール含量を
求めた。その結果を表1に示した。
0℃に24時間放置した後、3000rpmで10分間遠心分離した
上清0.5μmのフィルターでろ過し、高速液体クロマト
グラフィーにより分析し培養根中のコイキソール含量を
求めた。その結果を表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】表1より、アンモニア、KOH、NaOH
等のアルカリ剤を含むアルコールを用いると、抽出液中
のコイキソール含量が増大するのがみられ、またアルカ
リ剤の濃度は0.02N以上が適当であることがわかった。 実験例2 コイキソール抽出条件の検討−2 100ml 容三角フラスコに1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地( pH6.0 )10mlを
加え滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25
℃、振幅5cm、回転数100rpmで4週間培養した。この培
養根を用いてコイキソール抽出条件の検討を行なった。
等のアルカリ剤を含むアルコールを用いると、抽出液中
のコイキソール含量が増大するのがみられ、またアルカ
リ剤の濃度は0.02N以上が適当であることがわかった。 実験例2 コイキソール抽出条件の検討−2 100ml 容三角フラスコに1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地( pH6.0 )10mlを
加え滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25
℃、振幅5cm、回転数100rpmで4週間培養した。この培
養根を用いてコイキソール抽出条件の検討を行なった。
【0017】培養根0.1gに水1mlを加え、各種温度に
4、6又は24時間放置した後、10000rpmで20分間遠心分
離した上清を0.5μmのフィルターでろ過し、高速液体
クロマトグラフィーにより分析し培養根中のコイキソー
ル含量を求めた。その結果を表2に示した。
4、6又は24時間放置した後、10000rpmで20分間遠心分
離した上清を0.5μmのフィルターでろ過し、高速液体
クロマトグラフィーにより分析し培養根中のコイキソー
ル含量を求めた。その結果を表2に示した。
【0018】
【表2】
【0019】表2より水を用いて抽出する場合、40〜70
℃で4時間以上加熱すると多量のコイキソールが抽出さ
れることがわかった。 実験例3 コイキソール抽出条件の検討−3 100ml容三角フラスコに1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地( pH6.0 )10mlを
加え滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25
℃、振幅5cm、回転数100rpmで4週間培養した。この培
養根を含んだ培養液を各種温度に4、6又は24時間放置
し、10000rpmで20分間遠心分離した上清を0.5 μmのフ
ィルターでろ過し、高速液体クロマトグラフィーにより
分析し培養上清中のコイキソール含量を求めた。その結
果を表3に示した。
℃で4時間以上加熱すると多量のコイキソールが抽出さ
れることがわかった。 実験例3 コイキソール抽出条件の検討−3 100ml容三角フラスコに1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地( pH6.0 )10mlを
加え滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25
℃、振幅5cm、回転数100rpmで4週間培養した。この培
養根を含んだ培養液を各種温度に4、6又は24時間放置
し、10000rpmで20分間遠心分離した上清を0.5 μmのフ
ィルターでろ過し、高速液体クロマトグラフィーにより
分析し培養上清中のコイキソール含量を求めた。その結
果を表3に示した。
【0020】
【表3】
【0021】表3より、培養終了後、培養物を分解しな
いでそのまま加熱する場合でも40〜70℃で4時間以上加
熱すると多量のコイキソールが抽出されることがわかっ
た。 実験例4 コイキソール抽出条件の検討−4 100ml容三角フラスコに1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地 (pH6.0 )10mlを
加え滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25
℃、振幅5cm、回転数100rpmで4週間培養した。この培
養根を用いてコイキソールの抽出条件の検討を行なっ
た。
いでそのまま加熱する場合でも40〜70℃で4時間以上加
熱すると多量のコイキソールが抽出されることがわかっ
た。 実験例4 コイキソール抽出条件の検討−4 100ml容三角フラスコに1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地 (pH6.0 )10mlを
加え滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25
℃、振幅5cm、回転数100rpmで4週間培養した。この培
養根を用いてコイキソールの抽出条件の検討を行なっ
た。
【0022】培養根0.1gに水又は0.1Nアンモニア水を
1ml加え、50℃に4時間放置した後、10000rpmで20分間
遠心分離した上清を 0.5μmのフィルターでろ過し、高
速液体クロマトグラフィーにより分析し培養根中のコイ
キソール含量を求めた。その結果を表4に示した。
1ml加え、50℃に4時間放置した後、10000rpmで20分間
遠心分離した上清を 0.5μmのフィルターでろ過し、高
速液体クロマトグラフィーにより分析し培養根中のコイ
キソール含量を求めた。その結果を表4に示した。
【0023】
【表4】
【0024】表4より水抽出の場合はアンモニアを加え
るとコイキソール含量が低下するのがわかった。
るとコイキソール含量が低下するのがわかった。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0026】
【実施例1】 ハトムギカルスの誘導 ハトムギ無菌植物及び無菌種子を調製し各部位を2ppm
2.4−D、2%ショ糖、0.2%カゼイン加水分解物、
0.8%寒天含有MS培地(pH6.0)に置床し30℃にて3〜
4週間放置してカルスを誘導した。誘導カルスを2回同
じ培地に植え継ぎ増殖させた後にコイキソール生成量を
測定した。コイキソール生成は30株に認められ、その含
量は10〜20μg/gカルスだった。
2.4−D、2%ショ糖、0.2%カゼイン加水分解物、
0.8%寒天含有MS培地(pH6.0)に置床し30℃にて3〜
4週間放置してカルスを誘導した。誘導カルスを2回同
じ培地に植え継ぎ増殖させた後にコイキソール生成量を
測定した。コイキソール生成は30株に認められ、その含
量は10〜20μg/gカルスだった。
【0027】尚、コイキソールの定量は高速液体クロマ
トグラフィーを用いた。カラムはYMC PACK A
M−302−3(ODS 4.6×150mm)を用いた。溶媒は、
アセトニトリル:6.3mMリン酸=75:95、流速は0.4ml
/min.カラム温度40℃、検出はUV 290nmの吸収で行な
った。サンプルは培養カルス抽出液10μlを用いた。
尚、カルス抽出液は、カルスに5〜10倍量の水を加え攪
拌した後、50℃に4時間放置し3000rpmで10分間遠心分
離した上清を0.5μmのフィルターでろ過することによ
り調製した。
トグラフィーを用いた。カラムはYMC PACK A
M−302−3(ODS 4.6×150mm)を用いた。溶媒は、
アセトニトリル:6.3mMリン酸=75:95、流速は0.4ml
/min.カラム温度40℃、検出はUV 290nmの吸収で行な
った。サンプルは培養カルス抽出液10μlを用いた。
尚、カルス抽出液は、カルスに5〜10倍量の水を加え攪
拌した後、50℃に4時間放置し3000rpmで10分間遠心分
離した上清を0.5μmのフィルターでろ過することによ
り調製した。
【0028】一方、高速液体クロマトグラフィーで抽出
液のコイキソール分画を分取し濃縮乾固後融点を測定し
た。融点は158 ℃で、コイキソールの文献値158〜160℃
と一致した。また分離したコイキソール分画のUVスペ
クトルを取ったところコイキソールと全く一致した。こ
れらのことにより、組織培養によりコイキソールが生産
されることが明らかになった。
液のコイキソール分画を分取し濃縮乾固後融点を測定し
た。融点は158 ℃で、コイキソールの文献値158〜160℃
と一致した。また分離したコイキソール分画のUVスペ
クトルを取ったところコイキソールと全く一致した。こ
れらのことにより、組織培養によりコイキソールが生産
されることが明らかになった。
【0029】
【実施例2】 液体培養カルス 100ml容三角フラスコに1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地(pH6.0)10mlを加え
滅菌後カルス0.2gを移植し、25℃、振幅5cm回転数100
rpmで3〜4週間培養した。培養後カルスを分離し新鮮
カルス1g当たりのコイキソール生成量と成長率を求め
た。尚、成長率は(成長率=収穫重量/移植重量)とし
て求めた。又、コイキソールの抽出には 0.1N-アンモニ
アエタノール溶液を用いて30℃で24時間抽出した。さら
にコイキソールの定量法は実施例1と同様に高速液体ク
ロマトグラフィーを用いた。
%カゼイン加水分解物含有MS培地(pH6.0)10mlを加え
滅菌後カルス0.2gを移植し、25℃、振幅5cm回転数100
rpmで3〜4週間培養した。培養後カルスを分離し新鮮
カルス1g当たりのコイキソール生成量と成長率を求め
た。尚、成長率は(成長率=収穫重量/移植重量)とし
て求めた。又、コイキソールの抽出には 0.1N-アンモニ
アエタノール溶液を用いて30℃で24時間抽出した。さら
にコイキソールの定量法は実施例1と同様に高速液体ク
ロマトグラフィーを用いた。
【0030】コイキソール生成量は20μg/gカルスで
あり、成長率は5.0であった。
あり、成長率は5.0であった。
【0031】
【実施例3】 器官分化培養 100ml容三角フラスコに0.1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解含有MS培地 (pH6.0)10mlを加え
滅菌後カルス0.2gを移植し、25℃振幅5cm、回転数100
rpmで5〜6週間不定根を形成させ、この不定根を同様
の培地に植え4週間培養した。培養後、不定根を分離し
た。この不定根のコイキソール含量は80μg/g不定根
であった。尚、コイキソールの抽出及び定量法は実施例
1と同様の方法を用いた。
%カゼイン加水分解含有MS培地 (pH6.0)10mlを加え
滅菌後カルス0.2gを移植し、25℃振幅5cm、回転数100
rpmで5〜6週間不定根を形成させ、この不定根を同様
の培地に植え4週間培養した。培養後、不定根を分離し
た。この不定根のコイキソール含量は80μg/g不定根
であった。尚、コイキソールの抽出及び定量法は実施例
1と同様の方法を用いた。
【0032】
【実施例4】 根の培養 100ml容三角フラスコに1ppmNAA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地(pH6.0)10mlを加え
滅菌後ハトムギ無菌後の根0.1gを移植し、25℃、振幅
5cm、回転数100rpmで3〜4週間培養した。培養後、培
養根を分離した。この培養根のコイキソール含量は380
μg/g培養根でだった。尚、コイキソールの抽出及び
定量法は実施例1と同様の方法を用いた。
%カゼイン加水分解物含有MS培地(pH6.0)10mlを加え
滅菌後ハトムギ無菌後の根0.1gを移植し、25℃、振幅
5cm、回転数100rpmで3〜4週間培養した。培養後、培
養根を分離した。この培養根のコイキソール含量は380
μg/g培養根でだった。尚、コイキソールの抽出及び
定量法は実施例1と同様の方法を用いた。
【0033】
【実施例5】 根の培養 100ml容三角フラスコに5ppmIBA、2%ショ糖、0.2
%カゼイン加水分解物含有MS培地(pH6.0)10mlを加え
滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25℃、振
幅5cm、回転数100rpmで3〜4週間培養した。培養後、
培養根を分離した。この培養根のコイキソール含量は48
0μg/g培養根だった。尚、コイキソールの抽出及び
定量法は実施例1と同様の方法を用いた。
%カゼイン加水分解物含有MS培地(pH6.0)10mlを加え
滅菌後ハトムギ無菌植物の根0.1gを移植し、25℃、振
幅5cm、回転数100rpmで3〜4週間培養した。培養後、
培養根を分離した。この培養根のコイキソール含量は48
0μg/g培養根だった。尚、コイキソールの抽出及び
定量法は実施例1と同様の方法を用いた。
【0034】
【実施例6】 細胞の選抜 実施例5で培養した根を1cmの大きさに細かく切り、5
ppmIBA、2%ショ糖、0.2%カゼイン加水分解物含有
MS培地(pH6.0)10mlに移植し6週間培養し、培養根を
分離した後にコイキソール含量を測定した。コイキソー
ル含量の多い株は同様の操作を5回繰り返しコイキソー
ル含量を測定した。根の選抜を繰り返すことによりコイ
キソール含量は5mg/g培養根になった。尚、コイキソ
ールの抽出及び定量法は実施例1と同様の方法を用い
た。
ppmIBA、2%ショ糖、0.2%カゼイン加水分解物含有
MS培地(pH6.0)10mlに移植し6週間培養し、培養根を
分離した後にコイキソール含量を測定した。コイキソー
ル含量の多い株は同様の操作を5回繰り返しコイキソー
ル含量を測定した。根の選抜を繰り返すことによりコイ
キソール含量は5mg/g培養根になった。尚、コイキソ
ールの抽出及び定量法は実施例1と同様の方法を用い
た。
【0035】
【実施例7】 トウモロコシの組織培養 トウモロコシの無菌植物を調製し、その根を2ppm 2.
4−D、2%ショ糖、0.2%カゼイン加水分解物、0.8%
寒天含有MS培地(pH6.0)に置床し、30℃にて5週間放
置してカルスを誘導した。誘導カルス0.1gを1.0ppmN
AA、2%ショ糖、0.2%カゼイン加水分解物含有MS
培地(pH6.0)10mlに移植し、25℃で3週間培養した。培
養後、50℃に4時間放置し、カルス中のコイキソールを
培養液に溶出させた。培養液中のコイキソール濃度は30
μg/mlだった。尚、コイキソールの定量には実施例1
と同様の方法を用いた。出願人 フードデザイン技術
研究組合代理人 弁理士 平木 祐輔同
弁理士 石井 貞次同 弁理士 早川 康
4−D、2%ショ糖、0.2%カゼイン加水分解物、0.8%
寒天含有MS培地(pH6.0)に置床し、30℃にて5週間放
置してカルスを誘導した。誘導カルス0.1gを1.0ppmN
AA、2%ショ糖、0.2%カゼイン加水分解物含有MS
培地(pH6.0)10mlに移植し、25℃で3週間培養した。培
養後、50℃に4時間放置し、カルス中のコイキソールを
培養液に溶出させた。培養液中のコイキソール濃度は30
μg/mlだった。尚、コイキソールの定量には実施例1
と同様の方法を用いた。出願人 フードデザイン技術
研究組合代理人 弁理士 平木 祐輔同
弁理士 石井 貞次同 弁理士 早川 康
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友松 弘幸 愛知県名古屋市熱田区三本松町1−1 (72)発明者 田野 仁 愛知県名古屋市熱田区三本松町1−1 (72)発明者 佐藤 忠彦 愛知県名古屋市熱田区三本松町1−1
Claims (1)
- 【請求項1】 ハトムギ、トウモロコシ又は小麦の植物
体組織片又は細胞を栄養培地で組織培養し、その培養物
を加熱またはアルカリ処理して、コイキソールを抽出す
ることを特徴とするコイキソール製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3269759A JPH05112543A (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | コイキソールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3269759A JPH05112543A (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | コイキソールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05112543A true JPH05112543A (ja) | 1993-05-07 |
Family
ID=17476759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3269759A Pending JPH05112543A (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | コイキソールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05112543A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000013697A1 (fr) * | 1998-09-04 | 2000-03-16 | Freund Industrial Co., Ltd. | Agent antibacterien issu de l'herbe aux perles et son procede de production |
CN102516193A (zh) * | 2011-12-20 | 2012-06-27 | 苏州宝泽堂医药科技有限公司 | 一种从薏苡根中提取薏苡素的方法 |
-
1991
- 1991-10-17 JP JP3269759A patent/JPH05112543A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000013697A1 (fr) * | 1998-09-04 | 2000-03-16 | Freund Industrial Co., Ltd. | Agent antibacterien issu de l'herbe aux perles et son procede de production |
CN102516193A (zh) * | 2011-12-20 | 2012-06-27 | 苏州宝泽堂医药科技有限公司 | 一种从薏苡根中提取薏苡素的方法 |
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