JPH05107981A

JPH05107981A - 熱定着装置の温度過昇防止装置

Info

Publication number: JPH05107981A
Application number: JP3271603A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Hasegawa; 健一長谷川
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1991-10-21
Filing date: 1991-10-21
Publication date: 1993-04-30
Anticipated expiration: 2015-01-31
Also published as: JP3005343B2

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、熱定着装置の温度過昇防止装置に
関し、温度過昇防止手段を停止中に予熱することによ
り、作動温度までの必要加熱量を減少させ、起動時にお
ける熱応答性を高めることを目的とする。【構成】内部にハロゲンヒータ２を有する定着ローラ
１と、定着ローラ表面温度を検知するサーミスタ７と、
所定作動温度にてハロゲンヒータ２への通電を遮断し定
着ローラ温度の過昇を防止する温度ヒューズ３と、ヒュ
ーズ３を所定作動温度以下に加熱するハロゲンヒータ２
とは別個の定温度ヒータ５と、装置本体の電源スイッチ
が切られているときに温度ヒューズ３を加熱するよう定
温度ヒータ５を制御するヒューズ制御回路９とを備える
ように構成する。なお、前記電源の投入時点より所定時
間前に定温度ヒータ５を作動させ、又は／および電源投
入後所定時間の間に温度ヒューズ３を加熱することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置に装備さ
れる熱定着装置が異常に温度上昇するのを防止する熱定
着装置の温度過昇防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機等の画像形成装置においては、定
着装置の異常発生時にヒューズやサーモスタット等によ
り給電停止して温度過昇を防止する温度過昇防止装置が
ある。このような熱定着装置の温度過昇防止装置では、
温度過昇防止手段が定着ローラとは比接触状態に配置さ
れるため、給電停止時における応答の遅れが生じる。ま
た、定着ローラの通常の加熱温度が１８０℃前後である
ため、過昇防止手段を定着ローラに接近させたりその作
動温度を下げたりして応答性を高めることには難点があ
る。

【０００３】そこで従来、温度過昇防止手段を予熱又は
加熱する手段を設けたものがある。この種の熱定着装置
の温度過昇防止装置としては、例えば特開昭５８−１５
９５６５号公報、特開昭５８−１５９５６６号公報、特
開昭５９−３８７８８号公報、特開昭６０−１０２６７
６号公報、又は、特開昭６１−１１７７５号公報に記載
されたものが知られており、これらの装置では、定着ヒ
ータを有するローラが異常に昇温したとき、前記温度過
昇防止手段を作動させて定着ヒータへの給電を停止する
一方、装置本体への通電開始（発熱源への通電開始）と
同時に専用の加熱部材により温度過昇防止手段を加熱
し、温度過昇防止手段の熱応答性を高め、さらに温度過
昇防止手段の設置作業、設定作業等を容易化している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の熱定着装置の温度過昇防止装置にあっては、
装置本体の起動時に略室温の温度過昇防止手段を急加熱
する構成であったため、温度過昇防止手段を作動せるた
めの熱量、すなわち、温度過昇防止手段の熱容量×（作
動温度−室温）だけの熱量を与える時間が長くなり、特
に前記作動温度と室温の差が大きい場合に熱応答性が悪
くなっていた。また、複写機等において、例えばその電
源投入時にその制御回路が暴走して定着ヒータが最大出
力で点灯し続けたような場合、温度過昇防止手段が迅速
に作動しないため定着ローラ温度が３４０℃〜４５０℃
にも達し、定着装置の発煙や発火を生じるおそれがあっ
た。さらに、定着ヒータ（発熱源）と温度過昇防止手段
加熱用のヒータとが直列接続される方式のものにあって
は、温度過昇防止手段にヒートサイクルによるストレス
が生じ、経年劣化が加速されてしまうという問題があっ
た。

【０００５】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、装置本体の電源ＯＦＦ時に温度過
昇防止手段を予熱することにより、装置本体の電源投入
時に温度過昇防止手段を作動させるための必要熱量を少
なくして、制御回路の暴走時等にも温度過昇防止手段を
迅速に作動させることのできるよう、熱応答性の改善を
図ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項１記載の発明は、内部に発熱源を有し、装置本体に
回転自在に支持された定着ローラと、定着ローラの表面
温度を検知する温度検知手段と、所定作動温度にて発熱
源への通電を遮断し、定着ローラ温度の過昇を防止する
温度過昇防止手段と、温度過昇防止手段を前記所定作動
温度以下に加熱する前記発熱源とは別個の加熱手段と、
前記装置本体の電源スイッチが切られているときに温度
過昇防止手段を加熱するよう前記加熱手段を制御する制
御手段と、を備えたことを特徴とするものである。

【０００７】また、請求項２記載の発明は、前記装置本
体の電源スイッチをタイマーによってオン・オフさせる
オン・オフ切替手段を設け、前記制御手段が、オン・オ
フ切替手段により装置本体の電源を投入する時点より所
定時間前に、前記加熱手段を作動させて温度過昇防止手
段を加熱させることを特徴とするものであり、請求項３
記載の発明は、前記制御手段が、前記装置本体の電源投
入後所定時間の間に温度過昇防止手段を加熱するよう加
熱手段を制御することを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】請求項１記載の発明では、装置本体の電源スイ
ッチが切られているときに温度過昇防止手段が加熱さ
れ、温度過昇防止手段が予熱された状態で装置本体が起
動されることになる。したがって、その起動時に温度過
昇防止手段を作動させるための必要熱量が大幅に減少
し、制御回路の暴走等による温度過昇時にも温度過昇防
止手段を迅速に作動させることができる。

【０００９】請求項２記載の発明では、オン・オフ切替
手段のタイマーにより電源スイッチをＯＮにして装置本
体の電源を投入する際、制御手段によってその電源投入
時点より所定時間前に前記加熱手段が作動され、温度過
昇防止手段が有効な短時間の加熱で予熱される。したが
って、予熱に要する消費エネルギーが減少する。請求項
３記載の発明では、装置本体の電源スイッチが切られて
いるときおよび電源投入後所定時間の間に温度過昇防止
手段が加熱される。したがって、より短時間で温度過昇
防止手段を作動温度まで加熱することができ、熱応答性
がより向上する。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
１〜図４は、本発明に係る熱定着装置の温度過昇防止装
置の一実施例を示す図である。図１、図２において、１
は、装置本体（詳細は図示していない）に回転自在に支
持された略円筒状の定着ローラであり、定着ローラ１は
その内部に発熱源であるハロゲンヒータ２を有してい
る。この定着ローラ１は装置本体に支持された図示しな
い加圧ローラと所定圧で平行に接触し、互いに逆回転方
向に向かって同時に回転する。そして、両ローラの前記
回転時に、両ローラのニップ部分を通るトナー画像転写
済みのシートが定着ローラ１によって加熱され、画像が
定着されるようになっている。

【００１１】図２に示すように、ハロゲンヒータ２には
温度過昇防止手段である温度ヒューズ３および無接点リ
レーであるＳＳＲ（ソリッドステーリレー）10が直列に
接続されており、定着ローラ１の表面温度を検知するサ
ーミスタ７（温度検知手段）の検出信号に基づいて、ロ
ーラ制御回路８がＳＳＲ10をＯＮ−ＯＦＦ制御すること
で、定着ローラ１の表面温度が略１８０℃に保たれるよ
うになっている。

【００１２】温度ヒューズ３は、所定の作動温度にて溶
断しハロゲンヒータ２への通電を遮断することにより定
着ローラ１の温度の過昇（異常な温度上昇）を防止する
温度過昇防止手段であり、例えば絶縁チューブ４によっ
て被覆された状態で支持部材６に支持されている。ま
た、温度ヒューズ３の近傍には、温度ヒューズ３をその
所定の作動温度以下に加熱する定温度ヒータ５が設けら
れている。

【００１３】この定温度ヒータ５は温度ヒューズ３を前
記所定作動温度以下に加熱するハロゲンヒータ２とは別
個の加熱手段であり、切替手段11と電源12とに直列に接
続されて、ヒューズ制御回路９（制御手段）によりＯＮ
／ＯＦＦ切替えされるようになっている。このヒューズ
制御回路９は、例えば図３（ａ）に示すように、装置本
体の電源スイッチ（図示していない）が切られていると
きにのみ温度ヒューズ３を加熱するよう定温度ヒータ５
を制御するようになっている。

【００１４】このような構成を有する本実施例の温度過
昇防止装置においては、例えば、仮にローラ制御回路８
に異常が発生してハロゲンヒータ２が点灯し続けたよう
な場合、定着ローラ１が異常に温度上昇（昇温）しよう
とする。このとき、温度ヒューズ３が作動し、ハロゲン
ヒータ２への通電が停止（遮断）される。また、本実施
例では、装置本体の電源スイッチが切られているときに
温度ヒューズ３が加熱され、予熱された状態で装置本体
が起動されることになるから、その起動時に温度ヒュー
ズ３を作動させるための必要熱量は少なくて済み、熱応
答性の高いものになる。したがって、このような時点で
制御回路の暴走等による温度過昇が発生したとしても、
温度ヒューズ３を迅速に作動させることができる。この
結果、簡単な制御によって画像形成装置およびその定着
装置を確実に保護することができ、装置の信頼性を向上
させることができる。

【００１５】なお、図４は、通常運転中における定着ロ
ーラ１および温度ヒューズ３の表面温度の変化の一例を
示すグラフであり、温度ヒューズ３にはその作動温度が
１６９℃のもの、ハロゲンヒータ２にはその出力が７５
０Ｗ（ワット）のものを用いて、常温の状態からハロゲ
ンヒータ２を点灯し続けた場合の温度変化を示してい
る。同図において、従来のヒューズ用ヒータ（加熱手
段）のないものにおいては、定着ローラ温度が３４３℃
の時点で温度ヒューズが作動した。本実施例の場合に
は、温度ヒューズ３の初期温度が約１２０℃となるよう
にして、同様の実験をおこなったところ、３０４℃で温
度ヒューズ３が作動した。したがって、定着ローラ１の
上昇温度は３９℃だけ低減されたことになる。

【００１６】なお、温度ヒューズ３および定温度ヒータ
５の取付けの態様としては、例えば図５に示すようにす
ることができる。すなわち、同図において、温度ヒュー
ズ３および定温度ヒータ５は、押えバネ13によって支持
部材16の先端部16ａに取り付けられており、この状態に
おいて定温度ヒータ５は温度ヒューズ加熱面以外の面で
支持部材16に当接している。また、支持部材16の先端部
16ａは断面コの字形に形成され、定着ローラ１の上方で
下向きに設置されている。このようにすると、温度ヒュ
ーズ３に対する予熱効果を高めることができる。

【００１７】また、本実施例においては、ヒューズ制御
回路９が、装置本体の電源を投入する時点より所定時間
前に定温度ヒータ５を作動させて温度ヒューズ３を予熱
するようになっていたが、本発明はこれに限らず、例え
ば図３（ｂ）に示すように、前記装置本体の電源投入後
所定時間の間にも定温度ヒータ５を作動させ、温度ヒュ
ーズ３を加熱することができる。このようにすると、ヒ
ューズ制御回路９は上述例より若干複雑なもの（電源Ｏ
Ｎ後所定時間で切れるタイマー回路等が付加されたも
の）になるが、電源ＯＮ後の温度ヒューズ温度が周囲の
雰囲気によって落込むのを防止することができ、応答性
性を更に向上させることができる。

【００１８】また、ヒューズ制御回路９を、前記装置本
体の電源スイッチを図示しないタイマーによってオン・
オフさせるオン・オフ切替手段の機能を有するものに
し、図３（ｃ）に示すように、その機能により装置本体
の電源を投入する時点より所定時間前に、定温度ヒータ
５を作動させ、温度ヒューズ３を予熱（加熱）するよう
にしてもよい。このようにすると、無駄な予熱時間を無
くして省エネルギー化を図ることができる。

【００１９】さらに、図３（ｃ）の場合と同様な予熱開
始を行うとともに、図３（ｄ）又は図３（ｅ）に示すよ
うに、装置本体の電源スイッチをＯＦＦする時、又は前
記電源ＯＮ後所定時間（例えばウォームアップ時間）経
過したとき定温度ヒータ５をＯＦＦするようにし、上記
の作用効果を併せ持つようにすることもできる。

【００２０】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、装置本体
の電源スイッチが切られているときに温度過昇防止手段
を加熱し、温度過昇防止手段が予熱された状態で装置本
体を起動させるようにしているので、その起動時に温度
過昇防止手段を作動させるための必要熱量を大幅に減少
させて熱応答性を高めることができ、起動時の制御回路
の暴走等による温度過昇時に温度過昇防止手段を迅速に
作動させて装置の保護を確実化することができる。

【００２１】請求項２記載の発明では、オン・オフ切替
手段のタイマーによって装置本体の電源を投入する時点
より所定時間前に加熱手段を作動させるようにしている
ので、温度過昇防止手段を必要最小限の時間だけ予熱し
て省エネルギー化を図ることができる。請求項３記載の
発明では、装置本体の電源スイッチが切られているとき
および電源投入後所定時間の間に温度過昇防止手段を加
熱するようにしているので、より短時間で所定の作動温
度まで加熱することができ、温度過昇防止手段の熱応答
性をより向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る熱定着装置の温度過昇防止装置の
一実施例を示す側面図である。

【図２】一実施例の全体の概略構成図である。

【図３】一実施例の加熱手段の加熱タイミングの各種態
様を示すタイミングチャートである。

【図４】発熱源を連続作動させた場合の定着ローラの温
度変化と予熱の有無による温度ヒューズの温度変化の違
いとを表すグラフである。

【図５】加熱手段の支持構造の変形態様を示す側面図で
ある。

【符号の説明】

１定着ローラ２ハロゲンヒータ（発熱源）３温度ヒューズ（温度過昇防止手段）５定温度ヒータ（加熱手段）７サーミスタ（温度検知手段）９ヒューズ制御回路（制御手段）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内部に発熱源を有し、装置本体に回転自在
に支持された定着ローラと、定着ローラの表面温度を検知する温度検知手段と、所定作動温度にて発熱源への通電を遮断し、定着ローラ
温度の過昇を防止する温度過昇防止手段と、温度過昇防止手段を前記所定作動温度以下に加熱する前
記発熱源とは別個の加熱手段と、前記装置本体の電源スイッチが切られているときに温度
過昇防止手段を加熱するよう前記加熱手段を制御する制
御手段と、を備えたことを特徴とする熱定着装置の温度
過昇防止装置。
【請求項２】前記装置本体の電源スイッチをタイマーに
よってオン・オフさせるオン・オフ切替手段を設け、前記制御手段が、オン・オフ切替手段により装置本体の
電源を投入する時点より所定時間前に、前記加熱手段を
作動させて温度過昇防止手段を加熱させることを特徴と
する請求項１記載の熱定着装置の温度過昇防止装置。
【請求項３】前記制御手段が、前記装置本体の電源投入
後所定時間の間に温度過昇防止手段を加熱するよう加熱
手段を制御することを特徴とする請求項１又は２記載の
熱定着装置の温度過昇防止装置。