JPH09106212A - 熱定着装置の異常検知方法 - Google Patents

熱定着装置の異常検知方法

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JPH09106212A
JPH09106212A JP26323495A JP26323495A JPH09106212A JP H09106212 A JPH09106212 A JP H09106212A JP 26323495 A JP26323495 A JP 26323495A JP 26323495 A JP26323495 A JP 26323495A JP H09106212 A JPH09106212 A JP H09106212A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、高温であることを検知できない状
況があって異常を十分に検知できず、コネクタの接触不
良による誤動作が生ずるという課題を解決しようとする
ものである。 【解決手段】 この発明は、定着ローラ11の加熱手段
14による加熱温度が定着可能温度まで上昇しているに
も拘らず定着ローラ11の加熱手段13による加熱温度
が定着可能温度まで上昇していないと判断した時に異常
と判定して加熱手段13及び加熱手段14の両者あるい
は加熱手段13への通電を中止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、ファクシミ
リ、プリンタ等に用いられる熱定着装置の異常検知方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ
等の画像形成装置に用いられる熱定着装置においては、
定着ローラをヒータで加熱し、定着ローラと加圧ローラ
とをバネ等の加圧手段で圧接させて駆動機構により互い
に逆の方向へ回転させ、用紙が定着ローラと加圧ローラ
とのニップを通過する際に用紙上のトナーを加圧と加熱
により定着させている。また、定着ローラの表面温度が
サーミスタで検知され、コントローラがそのサーミスタ
の温度検知信号をもとにヒータをオン/オフさせて定着
ローラの表面温度を一定に制御している。さらに、サー
ミスタはコネクタにより配線される。
【0003】このような熱定着装置は、ヒータの暴走時
には発煙、発火等の不具合が発生し、これが火事等の二
次災害につながる危険性があるので、温度ヒューズ等の
設置が安全規格上定められ、温度ヒューズ等により装置
内の過熱を検知した場合にはブレーカを作動させてい
る。また、特開平1ー118911号公報には、定着ロ
ーラの温度を検知するセンサを複数としてその少なくと
も1つのセンサが異常である場合にヒータを非通電とす
る温度制御機器の安全装置が記載されている。
【0004】特開昭64ー105979号公報には、熱
源の温度制御用のセンサとは別に定着装置内の雰囲気温
度を監視するセンサーを設け、異常の場合には熱源への
給電を遮断することにより、ヒータの暴走による発火を
防止する定着装置の安全装置が記載されている。特開昭
63ー52169号公報には、転写紙にトナーを加熱定
着する高温ローラと、該高温ローラの画像形成領域に配
置された第一温度センサーと、前記高温ローラの非画像
形成領域に配置された第二温度センサーと、該両センサ
ーからの出力温度信号によって高温ローラに設けられた
加熱手段への通電を制御する制御装置とが設けられ、該
制御装置は、前記第一温度センサー及び第二温度センサ
ーで検知した温度差が所定の値に達したときに前記加熱
手段への通電を停止する機能を有せしめられたことを特
徴とする転写紙巻付検知装置が記載されている。
【0005】特開昭60ー191280号公報には、所
定時間毎に定着装置の温度を検出し、所定温度以上の際
は定着装置の駆動の停止と状態検知とを行うことによ
り、定着装置の自動温度調整装置が故障した場合にも定
着装置を安全側に動作させる定着装置の制御方式が記載
されている。特開昭60ー193025号公報には、ヒ
ータを駆動する出力ポートの出力を積分し、この積分値
をCPUのA/Dコンバータ入力端子に入力することに
より、CPUの暴走によるヒータの点灯異常を防止する
ヒータ点灯制御装置が記載されている。
【0006】特開昭60ー176076号公報には、定
着装置用ヒータと、前記定着装置の温度を測定する手段
と、前記測定温度を設定値と比較する手段と、比較結果
に基づいて定着装置の温度が設定範囲を超えたときには
前記定着装置用ヒータへの通電を遮断し、一方、前記定
着装置の温度が設定範囲以下になったときには前記定着
装置用ヒータへの通電を開始する電流制御手段とを有す
る電子複写機用定着装置の故障検知装置であって、前記
定着装置用ヒータへの連続通電時間を測定するタイマ
と、前記連続通電時間を基準値と比較する手段と、前記
比較手段の比較結果に基づいて前記連続通電時間が基準
値よりも長いときに定着装置の故障信号を出力・表示す
る手段と、メインスイッチの投入時から、定着装置の温
度が設定範囲に達するまでは前記比較手段の作動を禁止
する手段とを具備したことを特徴とする電子複写機用定
着装置の故障検知装置が記載されている。
【0007】特開昭60ー176077号公報には、被
測温物体の温度情報を記憶部に格納しておき、温度セン
サの出力と記憶部の温度情報を比較することにより、正
確に温度を制御すると共に、故障による異常温度を確実
に検出する測温状態検出装置が記載されている。
【0008】特開昭64ー48083号公報には、主と
してマイクロプロセサにより複数のヒータへの通電を制
御する装置において、前記複数のヒータが作動している
ことを直接的に検知するヒータ作動検知手段と、パワー
スイッチの投入直後において前記マイクロプロセサによ
り前記複数のヒータへの通電を所定時間間隔で断続制御
する信号を各ヒータへ独立して出力するとともに、この
とき前記複数ヒータに通電していない制御状態であるに
も拘らず前記ヒータ作動検知手段がヒータの作動を検知
しているとき、及び前記マイクロプロセサからの断続制
御信号が前記所定時間間隔で変化しない場合に前記複数
ヒータの通電ラインを遮断するように制御する制御手段
とを含むことを特徴とするヒータの異常点灯制御装置が
記載されている。
【0009】特開平1ー201691号公報には、定着
ヒータによって加熱された定着ローラにより用紙上に転
写されたトナーを前記用紙に定着する定着ユニットと、
前記定着ローラの温度を検出する温度検出部と、該温度
検出部の出力に応じて前記定着ヒータをオン・オフする
ことにより前記定着ローラの温度を適正な温度範囲内に
保持する温度制御部と、前記温度検出部の出力が前記適
正な温度範囲外にある時にその異常を検出して前記定着
ヒータを強制的にオフさせるシーケンス制御部とよりな
る画像形成装置の定着温度制御装置において、前記温度
検出部の出力の時間的変化によっても異常を検出して前
記定着ヒータを強制的にオフさせる手段を設けたことを
特徴とする画像形成装置の定着温度制御装置が記載され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記熱定着装置では、
温度ヒューズ等の設置が安全規格上定められているが、
温度ヒューズ等が作動する時点に至ってはヒータの暴走
による過熱で各部品のダメージが大きくなり、ほぼ全損
に近い状態になるのが常であった。また、ヒータの暴走
自体は用紙の詰まり(いわゆるジャム)によりサーミス
タが定着ローラから離れてしまったりコネクタの接触不
良により異常温度検知をしてしまったりすることで生
じ、これらを根絶し得る技術は未だ完成されていないの
が現状である。また、上述の如く、温度ヒューズ等によ
り装置内の過熱を検知してブレーカを作動させるだけで
なく、制御手段上で異常を検知してヒータの通電を遮断
する装置があるが、これは、高温を検知してから異常を
検知してヒータの通電を遮断するものなどであり、いず
れも十分ではない。
【0011】また、極希に、サーミスタの配線を行うコ
ネクタの接触不良によりその部分で抵抗を持つようにな
ることがあり、その抵抗値がちょうど定着可能温度に相
当する値を示す場合がある。この場合、定着ローラの温
度は、実際には定着可能温度より低い温度であるにも拘
らず、定着可能温度であると判断されてしまう。この状
態で複写機等にて画像形成動作が行われると、熱定着装
置は、定着不良が発生してしまい、未定着トナーの回り
込みによる汚れで再生不能となってしまったり未定着画
像の排出により使用者が手や服を汚してしまったりする
不具合を生じていた。
【0012】本発明は、高温であることを検知できない
状況でも異常を検知して加熱手段への通電を中止するこ
とができ、コネクタの接触不良による誤動作を防止する
ことができる熱定着装置の異常検知方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、用紙上のトナーを定着させ
る定着ローラと、この定着ローラを加熱する第1の加熱
手段及び第2の加熱手段と、前記定着ローラの前記第1
加熱手段による加熱温度を検知する第1の温度検知手段
と、前記定着ローラの前記第2加熱手段による加熱温度
を検知する第2の温度検知手段と、前記第1の温度検知
手段の温度検知信号をもとに前記第1の加熱手段を制御
し前記第2の温度検知手段の温度検知信号をもとに前記
第2の加熱手段を制御する温度制御手段とを有し、前記
定着ローラの温度が前記定着ローラの前記第1の加熱手
段及び前記第2の加熱手段による加熱で定着可能温度に
上昇する過程において正常時には前記定着ローラの前記
第1加熱手段による加熱温度が前記定着ローラの前記第
2加熱手段による加熱温度よりも早く所定の温度に達す
る熱定着装置の異常検知方法において、前記定着ローラ
の前記第2の加熱手段による加熱温度が定着可能温度ま
で上昇して前記定着ローラの前記第1の加熱手段による
加熱温度が定着可能温度まで上昇しているかどうかを判
断し、前記定着ローラの前記第2の加熱手段による加熱
温度が定着可能温度まで上昇しているにも拘らず前記定
着ローラの前記第1の加熱手段による加熱温度が定着可
能温度まで上昇していないと判断した時に即刻あるいは
所定の時間をおいて異常と判定して前記第1の加熱手段
及び前記第2の加熱手段の両者あるいは前記第1の加熱
手段への通電を中止させる。
【0014】請求項2記載の発明は、用紙上のトナーを
定着させる定着ローラと、この定着ローラを加熱する第
1の加熱手段及び第2の加熱手段と、前記定着ローラの
前記第1加熱手段による加熱温度を検知する第1の温度
検知手段と、前記定着ローラの前記第2加熱手段による
加熱温度を検知する第2の温度検知手段と、前記第1の
温度検知手段の温度検知信号をもとに前記第1の加熱手
段を制御し前記第2の温度検知手段の温度検知信号をも
とに前記第2の加熱手段を制御する温度制御手段とを有
し、前記定着ローラの温度が前記定着ローラの前記第1
の加熱手段及び前記第2の加熱手段による加熱で定着可
能温度に上昇する過程において正常時には前記定着ロー
ラの前記第1加熱手段による加熱温度が前記定着ローラ
の前記第2加熱手段による加熱温度よりも早く所定の温
度に達する熱定着装置の異常検知方法において、前記定
着ローラの前記第1の加熱手段による加熱温度が定着可
能温度に上昇しているにも拘らず前記定着ローラの前記
第2の加熱手段による加熱温度が定着可能温度にまで達
していない状態において、正常であれば前記定着ローラ
の前記第2の加熱手段による加熱温度が定着可能温度に
まで達している時間を越え、かつ、前記定着ローラの第
2の加熱手段による加熱温度が連続して上昇した時に前
記定着ローラが所定の部位に異常を来す温度になる時間
未満である所定の時間で異常と判定して前記第1の加熱
手段及び前記第2の加熱手段の両者あるいは前記第2の
加熱手段への通電を中止させる。
【0015】請求項3記載の発明は、用紙上のトナーを
定着させる定着ローラと、この定着ローラを加熱する第
1の加熱手段及び第2の加熱手段と、前記定着ローラの
前記第1加熱手段による加熱温度を検知する第1の温度
検知手段と、前記定着ローラの前記第2加熱手段による
加熱温度を検知する第2の温度検知手段と、前記第1の
温度検知手段の温度検知信号をもとに前記第1の加熱手
段を制御し前記第2の温度検知手段の温度検知信号をも
とに前記第2の加熱手段を制御する温度制御手段とを有
し、前記定着ローラの温度が前記定着ローラの前記第1
の加熱手段及び前記第2の加熱手段による加熱で定着可
能温度に上昇する過程において正常時には前記定着ロー
ラの前記第1加熱手段による加熱温度が前記定着ローラ
の前記第2加熱手段による加熱温度よりも早く所定の温
度に達する熱定着装置の異常検知方法において、前記第
1の温度検知手段の検知温度と前記第2の温度検知手段
の検知温度が正常時における各公差を考慮した最悪の温
度上昇率を共に下回った場合に異常と判定して前記第1
の加熱手段及び前記第2の加熱手段への通電を中止させ
る。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1〜3記載
の各熱定着装置の異常検知方法を併せて行う。請求項5
記載の発明は、請求項1、2、3または4記載の熱定着
装置の異常検知方法において、前記定着ローラの停止時
にのみ前記定着ローラの温度を検知する。請求項6記載
の発明は、請求項1記載の熱定着装置の異常検知方法に
おいて、前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段の
両方あるいは一方の点灯時間が正常時の点灯時間に比較
して少ない場合に異常と判定して使用者に異常を伝え
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1及び図3は請求項1〜6記載
の発明を適用した熱定着装置の一実施形態例の正常状態
を示し、図2はこの実施形態例のジャム状態を示す。定
着ローラ11及び加圧ローラ12は回転可能に設けら
れ、加圧ローラ12は図示しないバネ等の圧接手段によ
り定着ローラ11に圧接される。定着ローラ11の内部
には定着ローラ11の互いに異なる領域(一部重複して
もよい)をそれぞれ加熱するための複数の加熱手段とし
てのヒータ13、14が設置され、ヒータ13は定着ロ
ーラ11の中央部を加熱するように定着ローラ11内の
中央部に配置される。ヒータ14は定着ローラ11の両
端部を加熱するように定着ローラ11内の両端部に配置
される。
【0018】温度検知手段としてのサーミスタ15、1
6は定着ローラ11においてヒータ13、14により加
熱される各領域に対応して設置されて定着ローラ11の
表面に当接され、つまり、サーミスタ15がヒータ13
のみで加熱される定着ローラ11の中央の表面に当接さ
れてサーミスタ16がヒータ14のみで加熱される定着
ローラ11の一端の表面に当接される。定着ローラ11
及び加圧ローラ12は定着時には図示しない駆動機構に
より互いに逆の方向へ回転駆動される。この実施形態例
の熱定着装置が用いられる複写機等の画像形成装置にお
いて、トナーが表面に付着された用紙は、案内部材17
により案内されて定着ローラ11と加圧ローラ12のニ
ップを通過する際に定着ローラ11と加圧ローラ12に
より加熱及び加圧でトナーが定着される。
【0019】また、図7に示すようにサーミスタ15、
16は図示しないコネクタを介して制御手段としてのコ
ントローラ19に接続され、ヒータ13、14はそれぞ
れスイッチ素子としてのソリッドステートリレー(SS
R)20、21を介して交流電源22、23に接続され
る。温度ヒューズ24は定着ローラ11の端部近傍で雰
囲気温度を検知し、コントローラ19は温度ヒューズ2
4からの温度検知信号により温度ヒューズ24の検知温
度が定着可能温度より高い所定の高温に達した時にブレ
ーカを作動させて交流電源22、23をオフさせる。
【0020】コントローラ19は、サーミスタ15から
の温度検知信号をもとに定着ローラ11の中央部の温度
が定着可能温度になるようにSSR20を制御して交流
電源22からヒータ13への供給電力を独立に制御し、
サーミスタ16からの温度検知信号をもとに定着ローラ
11の端部の温度が定着可能温度になるようにSSR2
1を制御して交流電源23からヒータ14への供給電力
を独立に制御する。
【0021】図4は、この実施形態例の正常時における
温度の状態を示す。図4において、Aは定着ローラ11
のヒータ13により加熱される中央部の温度特性を示す
曲線であり、Bは定着ローラ11のヒータ14により加
熱される端部の温度特性を示す曲線である。電源スイッ
チがオンされて交流電源22、23がオンした時には定
着ローラ11の中央部及び端部の温度T0は定着可能温
度T3より低いから、コントローラ19はSSR20、
21をオンさせて交流電源22、23からヒータ13、
14へ電力を供給させる。したがって、ヒータ13、1
4が定着ローラ11の中央部及び端部をそれぞれ加熱
し、定着ローラ11の中央部及び端部の温度が上昇す
る。
【0022】コントローラ19は、各種温度制御方法で
SSR20、21を制御して定着ローラ11の中央部及
び端部の温度を定着可能温度に制御することができる
が、例えば電源スイッチが投入されて交流電源22、2
3がオンした後に時間tMでサーミスタ15の検知温度
が定着可能温度T3に達すると、SSR20をオフさせ
て交流電源22からヒータ13への供給電力を遮断させ
る。これにより、定着ローラ11の中央部はヒータ13
による加熱が停止されて温度が低下する。以後、コント
ローラ19は、サーミスタ15の検知温度が定着可能温
度T3より低いかどうかを判断してサーミスタ15の検
知温度が定着可能温度T3より低い時にSSR20をオ
ンさせ、サーミスタ15の検知温度が定着可能温度T3
より低くない時にSSR20をオフさせることで、定着
ローラ11の中央部の温度を定着可能温度T3に制御す
る。
【0023】同様に、コントローラ19は、電源スイッ
チが投入されて交流電源22、23がオンした後に時間
Sでサーミスタ16の検知温度が定着可能温度T3に達
すると、SSR21をオフさせて交流電源23からヒー
タ14への供給電力を遮断させる。これにより、定着ロ
ーラ11の端部はヒータ14による加熱が停止されて温
度が低下する。以後、コントローラ19は、サーミスタ
16の検知温度が定着可能温度T3より低いかどうかを
判断してサーミスタ16の検知温度が定着可能温度T3
より低い時にSSR21をオンさせ、サーミスタ16の
検知温度が定着可能温度T3より低くない時にSSR2
1をオフさせることで、定着ローラ11の端部の温度を
定着可能温度T3に制御する。
【0024】ここに、正常な立ち上がり時には、定着ロ
ーラ11の中央部の温度がヒータ13による定着ローラ
11の中央部の加熱で定着可能温度T3まで上昇する時
点tMは、定着ローラ11の端部の温度がヒータ14に
よる定着ローラ11の端部の加熱で定着可能温度T3
で上昇する時点tSより早い時点となる。したがって、
サーミスタ15の検知温度はサーミスタ16の検知温度
より早く定着可能温度T3に達する。
【0025】定着ローラ11の温度が定着可能温度T3
まで上昇する立ち上がり時に、図2に示すように用紙1
8が定着ローラ11に巻き付いてジャムになると、サー
ミスタ15が定着ローラ11に巻き付いた用紙18によ
り変形を来たしり定着ローラ11から離れたりする場合
があり、この場合にはサーミスタ15の検知温度は定着
ローラ11の実際の温度より低い温度となる。このと
き、コントローラ19は、従来のように定着ローラ11
の温度が正常な立ち上がり時と同様に上昇するにも拘ら
ず、定着ローラ11の実際の温度より低いサーミスタ1
5の検知温度を定着ローラ11の温度と判断してヒータ
13、14を点灯させ続けると、定着ローラ11の中央
部及び端部の温度が定着ローラ11の溶融温度Tmax
に達してしまい、定着ローラ11の溶融などのダメージ
を受ける。
【0026】そこで、コントローラ19は、電源スイッ
チの投入による立ち上げ開始後において、正常な立ち上
がり時に必ず定着可能温度T3に早く達する方のサーミ
スタ15の検知温度よりも、正常な立ち上がり時に必ず
定着可能温度T3に遅く達する方のサーミスタ16の検
知温度が先に定着可能温度T3に達してしまった場合に
は、即刻、あるいは、サーミスタ16の検知温度が定着
可能温度T3に達した時点と、定着ローラ11の温度が
定着ローラ11の溶融温度Tmaxに達するまでの時間
1との間の任意の時間をおいて異常と判定してSSR
20、21の両者あるいはSSR20をオフさせること
によりヒータ13、14の両者あるいはヒータ13への
通電を中止させ、異常を表示部に表示させて使用者に知
らせる。
【0027】具体的には、コントローラ19は、立ち上
げ開始後に、図8に示すようにサーミスタ15(サーミ
スタ1)からの温度検知信号によりサーミスタ15の検
知温度が定着可能温度T3に立ち上がった(OKであ
る)か否かを判断し、サーミスタ15の検知温度が定着
可能温度T3に立ち上がっていない場合にはサーミスタ
16(サーミスタ2)からの温度検知信号によりサーミ
スタ16の検知温度が定着可能温度T3に立ち上がった
(OKである)か否かを判断してサーミスタ16の検知
温度が定着可能温度T3に立ち上がった場合には異常
(NG)と判定してSSR20、21の両者あるいはS
SR20をオフさせることによりヒータ13、14の両
者あるいはヒータ13への通電を中止させ、異常を表示
部に表示させて使用者に知らせる。
【0028】また、コントローラ19は、サーミスタ1
5の検知温度が定着可能温度T3に立ち上がった場合に
はサーミスタ16(サーミスタ2)からの温度検知信号
によりサーミスタ16の検知温度が定着可能温度T3
立ち上がった(OKである)か否かを判断してサーミス
タ16の検知温度が定着可能温度T3に立ち上がった
(OKである)場合には正常(OK)であると判定す
る。
【0029】このように、この実施形態例は、請求項1
記載の発明を適用した熱定着装置の実施形態例であっ
て、用紙上のトナーを定着させる定着ローラ11と、こ
の定着ローラ11を加熱する第1の加熱手段としてのヒ
ータ13及び第2の加熱手段としてのヒータ14と、定
着ローラ11の第1加熱手段13による加熱温度を検知
する第1の温度検知手段としてのサーミスタ15と、定
着ローラ11の第2加熱手段14による加熱温度を検知
する第2の温度検知手段としてのサーミスタ16と、第
1の温度検知手段15の温度検知信号をもとに第1の加
熱手段13を制御し第2の温度検知手段16の温度検知
信号をもとに第2の加熱手段14を制御する温度制御手
段としてのコントローラ19とを有し、定着ローラ11
の温度が定着ローラ11の第1の加熱手段13及び第2
の加熱手段14による加熱で定着可能温度に上昇する過
程において正常時には定着ローラ11の第1加熱手段1
3による加熱温度が定着ローラ11の第2加熱手段14
による加熱温度よりも早く所定の温度に達する熱定着装
置の異常検知方法において、制御手段としてのコントロ
ーラ19にて、定着ローラ11の第2の加熱手段14に
よる加熱温度が定着可能温度まで上昇して(立ち上がっ
て)定着ローラ11の第1の加熱手段13による加熱温
度が定着可能温度まで上昇した(立ち上がった)かどう
かを判断し、定着ローラ11の第2の加熱手段14によ
る加熱温度が定着可能温度まで上昇しているにも拘らず
定着ローラ11の第1の加熱手段13による加熱温度が
定着可能温度まで上昇していないと判断した時に即刻あ
るいは所定の時間をおいて異常と判定して第1の加熱手
段13及び第2の加熱手段14の両者あるいは第1の加
熱手段13への通電を中止させるので、複数の加熱手段
を各々温度検知手段の検知温度により独立に制御し得る
構成の熱定着装置そのままで、高温であることを検知で
きない状況でも異常を検知して加熱手段への通電を中止
することができ、非常に短時間で異常を検知することが
できる。しかも、定着ローラの中央部の温度が定着可能
温度T3に立ち上がった状態から定着ローラの初期の温
度T0に無関係に異常の有無を判定でき、従来の例えば
最初に加熱手段への通電を開始した時からの時間で異常
を検知する方式に比べて正確に異常を検知することがで
きる。
【0030】また、この実施形態例は、請求項2記載の
発明を適用した熱定着装置の実施形態例であり、図4に
示すように立ち上げ開始後に、定着ローラ11の端部の
ヒータ14による加熱温度が定着可能温度T3にまで立
ち上がった時間tSを越え、かつ、正常であれば定着ロ
ーラ11のヒータ14による加熱温度が連続して上昇し
た時に定着ローラ11が所定の部位に異常を来す温度
(定着ローラ11や加圧ローラ12の溶融、用紙の発火
等が生ずる温度)になる時間t2未満である範囲内の任
意の時間で、サーミスタ15により検知される定着ロー
ラ11の中央部のヒータ13による加熱温度が定着可能
温度T3に立ち上がっているにも拘らず、サーミスタ1
6により検知される定着ローラ11の端部のヒータ14
による加熱温度が定着可能温度T3に立ち上がっていな
ければ異常と判定してSSR20、21の両者あるいは
SSR21をオフさせることによりヒータ13、14の
両者あるいはヒータ14への通電を中止させ、異常を表
示部に表示させて使用者に知らせる。
【0031】具体的には、コントローラ19は、立ち上
げ開始後に、図9に示すようにサーミスタ15(サーミ
スタ1)からの温度検知信号によりサーミスタ15の検
知温度が定着可能温度T3に立ち上がった(OKであ
る)か否かを判断し、サーミスタ15の検知温度が定着
可能温度T3に立ち上がった時にタイマーをスタートさ
せて計時する。そして、コントローラ19は、そのタイ
マーの計時した時間が所定のチェック時間、つまり、t
Sからt2までの間の任意に設定された時間に達した時に
サーミスタ16(サーミスタ2)からの温度検知信号に
よりサーミスタ16の検知温度が定着可能温度T3に立
ち上がった(OKである)か否かを判断してサーミスタ
16の検知温度が定着可能温度T3に立ち上がっていれ
ば正常(OK)と判定する。また、コントローラ19
は、サーミスタ16の検知温度が定着可能温度T3に立
ち上がっていなければ異常(NG)と判定してSSR2
0、21の両者あるいはSSR21をオフさせることに
よりヒータ13、14の両者あるいはヒータ14への通
電を中止させ、異常を表示部に表示させて使用者に知ら
せる。
【0032】このように、この実施形態例は、請求項2
記載の発明を適用した熱定着装置の実施形態例であっ
て、用紙上のトナーを定着させる定着ローラ11と、こ
の定着ローラ11を加熱する第1の加熱手段としてのヒ
ータ13及び第2の加熱手段としてのヒータ14と、定
着ローラ11の第1加熱手段13による加熱温度を検知
する第1の温度検知手段としてのサーミスタ15と、定
着ローラ11の第2加熱手段14による加熱温度を検知
する第2の温度検知手段としてのサーミスタ16と、第
1の温度検知手段15の温度検知信号をもとに第1の加
熱手段13を制御し第2の温度検知手段16の温度検知
信号をもとに第2の加熱手段14を制御する温度制御手
段としてのコントローラ19とを有し、定着ローラ11
の温度が定着ローラ11の第1の加熱手段13及び第2
の加熱手段14による加熱で定着可能温度に上昇する過
程において正常時には定着ローラ11の第1加熱手段1
3による加熱温度が定着ローラ11の第2加熱手段14
による加熱温度よりも早く所定の温度に達する熱定着装
置の異常検知方法において、制御手段としてのコントロ
ーラ19にて、定着ローラ11の第1の加熱手段13に
よる加熱温度が定着可能温度に上昇しているにも拘らず
定着ローラ11の第2の加熱手段14による加熱温度が
定着可能温度にまで達していない状態において、正常で
あれば定着ローラ11の第2の加熱手段14による加熱
温度が定着可能温度にまで達している時間を越え、か
つ、定着ローラ11の第2の加熱手段14による加熱温
度が連続して上昇した時に定着ローラ11が所定の部位
に異常を来す温度になる時間未満である所定の時間で異
常と判定して第1の加熱手段13及び第2の加熱手段1
4の両者あるいは第2の加熱手段14への通電を中止さ
せるので、複数の加熱手段を各々温度検知手段の検知温
度により独立に制御し得る構成の熱定着装置そのままで
高温であることを検知できない状況でも異常を検知して
加熱手段への通電を中止することができ、非常に短時間
で異常を検知することができる。しかも、定着ローラの
中央部の温度が定着可能温度T3に立ち上がった状態か
ら定着ローラの初期の温度T0に無関係に異常の有無を
判定でき、従来の例えば最初に加熱手段への通電を開始
した時からの時間で異常を検知する方式に比べて正確に
異常を検知することができる。
【0033】また、この実施形態例は、請求項3記載の
発明を適用した熱定着装置の実施形態例であり、正常時
には部品のバラツキ(ヒータのワット数[出力]やサー
ミスタの抵抗値)、交流電源からの入力電圧のバラツキ
を考慮した定着ローラ11の温度上昇率が図5に示すよ
うなT1=a1t+T0、T2=a2t+T0なる直線で囲ま
れた領域(OK領域)である場合に、ヒータ13、14
に最初に通電を開始する立ち上げ開始時から一定時間が
経過した後における定着ローラ11の中央部及び端部の
温度がそのOK領域外の領域(NG領域)にあるときに
異常と判定し、ヒータへの通電を停止させる。
【0034】具体的には、コントローラ19は、立ち上
げ開始後に、図10に示すように1回目のチェック時間
が経過した時点でサーミスタ15、16からの温度検知
信号によりサーミスタ15、16の検知温度が温度T1
より低いか否かを判断し、サーミスタ15、16の検知
温度が共に温度T1より低い場合には異常(NG)と判
定してSSR20、21をオフさせることによりヒータ
13、14への通電を中止させ、異常を表示部に表示さ
せて使用者に知らせる。
【0035】ここに、1回目のチェック時間乃至3回目
のチェック時間は立ち上げ開始からtMまでの間で任意
に設定した時間であり、T1、T2、T3は1回目のチ
ェック時間乃至3回目のチェック時間におけるOK領域
の下限値であり、正常時における各公差(ヒータのワッ
ト数、交流電源22、23からの入力電圧等の公差)を
考慮した最悪の温度上昇率での1回目のチェック時間乃
至3回目のチェック時間における温度である。また、T
1<T2<T3である。
【0036】また、コントローラ19は、2回目のチェ
ック時間が経過した時点でサーミスタ15、16からの
温度検知信号によりサーミスタ15、16の検知温度が
共に温度T2より低いか否かを判断し、サーミスタ1
5、16の検知温度が共に温度T2より低い場合には異
常(NG)と判定してSSR20、21をオフさせるこ
とによりヒータ13、14への通電を中止させ、異常を
表示部に表示させて使用者に知らせる。
【0037】また、コントローラ19は、3回目のチェ
ック時間が経過した時点でサーミスタ15、16からの
温度検知信号によりサーミスタ15、16の検知温度が
共に温度T3より低いか否かを判断してサーミスタ1
5、16の検知温度が共に温度T3より低い場合には異
常(NG)と判定してSSR20、21をオフさせるこ
とによりヒータ13、14への通電を中止させ、異常を
表示部に表示させて使用者に知らせる。また、コントロ
ーラ19は、サーミスタ15、16の検知温度のいずれ
かが温度T3より低くない場合には正常(OK)と判定
する。
【0038】このように、この実施形態例は、請求項3
記載の発明を適用した熱定着装置の実施形態例であっ
て、用紙上のトナーを定着させる定着ローラ11と、こ
の定着ローラ11を加熱する第1の加熱手段としてのヒ
ータ13及び第2の加熱手段としてのヒータ14と、定
着ローラ11の第1加熱手段13による加熱温度を検知
する第1の温度検知手段としてのサーミスタ15と、定
着ローラ11の第2加熱手段14による加熱温度を検知
する第2の温度検知手段としてのサーミスタ16と、第
1の温度検知手段15の温度検知信号をもとに第1の加
熱手段13を制御し第2の温度検知手段16の温度検知
信号をもとに第2の加熱手段14を制御する温度制御手
段としてのコントローラ19とを有し、定着ローラ11
の温度が定着ローラ11の第1の加熱手段13及び第2
の加熱手段14による加熱で定着可能温度に上昇する過
程において正常時には定着ローラ11の第1加熱手段1
3による加熱温度が定着ローラ11の第2加熱手段14
による加熱温度よりも早く所定の温度に達する熱定着装
置の異常検知方法において、制御手段としてのコントロ
ーラ19にて、第1の温度検知手段15の検知温度と第
2の温度検知手段16の検知温度が正常時における各公
差を考慮した最悪の温度上昇率を共に下回った場合に異
常と判定して第1の加熱手段13及び第2の加熱手段1
4への通電を中止させるので、全ての温度検知手段が異
常を来たしても事前にその異常を検知でき、かつ、コネ
クタが接触不良により定抵抗となってしまった(例えば
定着ローラの実際の温度がT3のときにサーミスタの検
知温度がT3より低くT0より高い温度となってしまっ
た)時でも、その異常を検知でき、装置の破損を防ぐこ
とができる。
【0039】また、この実施形態例は、請求項4記載の
発明を適用した熱定着装置の実施形態例であって、請求
項1〜3記載の各熱定着装置の異常検知方法を併せて行
うので、上述した効果を全て得ることができる。
【0040】また、この実施形態例は、請求項5記載の
発明を適用した熱定着装置の実施形態例であり、コント
ローラ19がサーミスタ15、16から温度検知信号を
待機時や立ち上げ直後の定着ローラ11停止時にのみサ
ンプリングして読み込むことにより、定着ローラ11の
停止時にのみ定着ローラ11の温度検知を行う。このた
め、定着ローラ11の回転による温度低下で誤って定着
ローラ11温度を検知してしまうことを防ぐことができ
る。
【0041】また、この実施形態例は、請求項6記載の
発明を適用した熱定着装置の実施形態例であり、サーミ
スタが正常である場合には図6(b)に示すようなヒー
タのオン/オフに対応してサーミスタの検知温度が図6
(a)の特性曲線Cに示すように変化するが、サーミス
タの検知温度が図6(b)の特性曲線Dに示すような異
常値TXを示した場合にはヒータは図6(c)に示すよ
うにオンしない。よって、ヒータのオン/オフ状態を調
べればサーミスタの正否の判定が可能となる。そこで、
コントローラ19は、例えばサーミスタ15、16の正
常時にヒータ13、14がオンするオン時間を予めメモ
リに記憶しておき、実際にヒータ13、14がオンする
オン時間を各々、そのメモリに記憶したヒータ13、1
4の正常なオン時間と比較してそれらの差からサーミス
タの正否を判定し、つまり、ヒータ13、14の点灯時
間が正常時の点灯時間に比較して少ないかどうかを判定
することでサーミスタ15、16が異常であるかどうか
を判定し、サーミスタ15、16の両方あるいは一方が
異常であると判定した時にはSSR20、21をオフさ
せることによりヒータ13、14への通電を中止させ、
異常を表示部に表示させて使用者に知らせる。
【0042】また、定着ローラ11が定着可能温度T3
を維持するには必ずヒータ13、14がオンしなければ
ならない。そこで、コントローラ19は、定着ローラ1
1が定着可能温度T3に制御されている時に、ヒータ1
3、14がオフするオフ時間がそれぞれ特定の時間を越
えたか否かを判断することによりヒータ13、14の点
灯時間が正常時の点灯時間に比較して少ないかどうかを
判定し、ヒータ13、14の両方あるいは一方のオフ時
間が特定の時間を越えた場合には異常と判定してSSR
20、21をオフさせることによりヒータ13、14へ
の通電を中止させ、異常を表示部に表示させて使用者に
知らせるようにしてもよい。
【0043】このように、この実施形態例は、請求項6
記載の発明を適用した熱定着装置の実施形態例であっ
て、第1の加熱手段としてのヒータ13及び第2の加熱
手段としてのヒータ14の両方あるいは一方の点灯時間
が正常時の点灯時間に比較して少ない場合に異常と判定
して使用者に異常を伝えるので、サーミスタの接触不良
による誤動作を防止でき、定着ローラ及び加圧ローラか
らなる定着部へのトナー回り込みや、未定着画像排出に
よる使用者への不快項目(手や衣服の汚れ等)を解消す
ることができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、用紙上のトナーを定着させる定着ローラと、この定
着ローラを加熱する第1の加熱手段及び第2の加熱手段
と、前記定着ローラの前記第1加熱手段による加熱温度
を検知する第1の温度検知手段と、前記定着ローラの前
記第2加熱手段による加熱温度を検知する第2の温度検
知手段と、前記第1の温度検知手段の温度検知信号をも
とに前記第1の加熱手段を制御し前記第2の温度検知手
段の温度検知信号をもとに前記第2の加熱手段を制御す
る温度制御手段とを有し、前記定着ローラの温度が前記
定着ローラの前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手
段による加熱で定着可能温度に上昇する過程において正
常時には前記定着ローラの前記第1加熱手段による加熱
温度が前記定着ローラの前記第2加熱手段による加熱温
度よりも早く所定の温度に達する熱定着装置の異常検知
方法において、前記定着ローラの前記第2の加熱手段に
よる加熱温度が定着可能温度まで上昇して前記定着ロー
ラの前記第1の加熱手段による加熱温度が定着可能温度
まで上昇したかどうかを判断し、前記定着ローラの前記
第2の加熱手段による加熱温度が定着可能温度まで上昇
しているにも拘らず前記定着ローラの前記第1の加熱手
段による加熱温度が定着可能温度まで上昇していないと
判断した時に即刻あるいは所定の時間をおいて異常と判
定して前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段の両
者あるいは前記第1の加熱手段への通電を中止させるの
で、高温であることを検知できない状況でも異常を検知
して加熱手段への通電を中止することができ、非常に短
時間で異常を検知することができる。しかも、定着ロー
ラの温度が定着可能温度に立ち上がった状態から定着ロ
ーラの初期の温度に無関係に異常の有無を判定でき、従
来の例えば最初に加熱手段への通電を開始した時からの
時間で異常を検知する方式に比べて正確に異常を検知す
ることができる。
【0045】請求項2記載の発明によれば、用紙上のト
ナーを定着させる定着ローラと、この定着ローラを加熱
する第1の加熱手段及び第2の加熱手段と、前記定着ロ
ーラの前記第1加熱手段による加熱温度を検知する第1
の温度検知手段と、前記定着ローラの前記第2加熱手段
による加熱温度を検知する第2の温度検知手段と、前記
第1の温度検知手段の温度検知信号をもとに前記第1の
加熱手段を制御し前記第2の温度検知手段の温度検知信
号をもとに前記第2の加熱手段を制御する温度制御手段
とを有し、前記定着ローラの温度が前記定着ローラの前
記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段による加熱で
定着可能温度に上昇する過程において正常時には前記定
着ローラの前記第1加熱手段による加熱温度が前記定着
ローラの前記第2加熱手段による加熱温度よりも早く所
定の温度に達する熱定着装置の異常検知方法において、
前記定着ローラの前記第1の加熱手段による加熱温度が
定着可能温度に上昇しているにも拘らず前記定着ローラ
の前記第2の加熱手段による加熱温度が定着可能温度に
まで達していない状態において、正常であれば前記定着
ローラの前記第2の加熱手段による加熱温度が定着可能
温度にまで達している時間を越え、かつ、前記定着ロー
ラの第2の加熱手段による加熱温度が連続して上昇した
時に前記定着ローラが所定の部位に異常を来す温度にな
る時間未満である所定の時間で異常と判定して前記第1
の加熱手段及び前記第2の加熱手段の両者あるいは前記
第2の加熱手段への通電を中止させるので、高温である
ことを検知できない状況でも異常を検知して加熱手段へ
の通電を中止することができ、非常に短時間で異常を検
知することができる。しかも、定着ローラの温度が定着
可能温度に立ち上がった状態から定着ローラの初期の温
度に無関係に異常の有無を判定でき、従来の例えば最初
に加熱手段への通電を開始した時からの時間で異常を検
知する方式に比べて正確に異常を検知することができ
る。
【0046】請求項3記載の発明によれば、用紙上のト
ナーを定着させる定着ローラと、この定着ローラを加熱
する第1の加熱手段及び第2の加熱手段と、前記定着ロ
ーラの前記第1加熱手段による加熱温度を検知する第1
の温度検知手段と、前記定着ローラの前記第2加熱手段
による加熱温度を検知する第2の温度検知手段と、前記
第1の温度検知手段の温度検知信号をもとに前記第1の
加熱手段を制御し前記第2の温度検知手段の温度検知信
号をもとに前記第2の加熱手段を制御する温度制御手段
とを有し、前記定着ローラの温度が前記定着ローラの前
記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段による加熱で
定着可能温度に上昇する過程において正常時には前記定
着ローラの前記第1加熱手段による加熱温度が前記定着
ローラの前記第2加熱手段による加熱温度よりも早く所
定の温度に達する熱定着装置の異常検知方法において、
前記第1の温度検知手段の検知温度と前記第2の温度検
知手段の検知温度が正常時における各公差を考慮した最
悪の温度上昇率を共に下回った場合に異常と判定して前
記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段への通電を中
止させるので、全ての温度検知手段が異常を来たしても
事前にその異常を検知でき、かつ、温度検知手段を配線
するコネクタが接触不良により定抵抗となってしまった
時でもその異常を検知でき、装置の破損を防ぐことがで
きる。
【0047】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜
3記載の各熱定着装置の異常検知方法を併せて行うの
で、これらの方法の効果を全て得ることができる。
【0048】請求項5記載の発明によれば、請求項1、
2、3または4記載の熱定着装置の異常検知方法におい
て、前記定着ローラの停止時にのみ前記定着ローラの温
度を検知するので、定着ローラの回転による温度低下で
誤って定着ローラ温度を検知してしまうことを防ぐこと
ができる。
【0049】請求項6記載の発明によれば、請求項1記
載の熱定着装置の異常検知方法において、前記第1の加
熱手段及び前記第2の加熱手段の両方あるいは一方の点
灯時間が正常時の点灯時間に比較して少ない場合に異常
と判定して使用者に異常を伝えるので、温度検知手段の
接触不良による誤動作を防止でき、定着部へのトナー回
り込みや、未定着画像排出による使用者への不快項目
(手や衣服の汚れ等)を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜6記載の発明を適用した熱定着装置
の一実施形態例の正常状態を示す側面図である。
【図2】同実施形態例のジャム状態を示す側面図であ
る。
【図3】同実施形態例を示す断面図である。
【図4】同実施形態例の正常時における温度の状態を示
す特性曲線図である。
【図5】同実施形態例における定着ローラの温度上昇率
の正常範囲及び異常範囲を示す図である。
【図6】同実施形態例を説明するための図である。
【図7】同実施形態例を示す概略図である。
【図8】同実施形態例におけるコントローラの処理フロ
ーの一部を示すフローチャートである。
【図9】同実施形態例におけるコントローラの処理フロ
ーの他の一部を示すフローチャートである。
【図10】同実施形態例におけるコントローラの処理フ
ローの他の一部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 定着ローラ 12 加圧ローラ 13、14 ヒータ 15、16 サーミスタ 19 コントローラ 20、21 SSR 22、23 交流電源 24 温度ヒューズ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】用紙上のトナーを定着させる定着ローラ
    と、この定着ローラを加熱する第1の加熱手段及び第2
    の加熱手段と、前記定着ローラの前記第1加熱手段によ
    る加熱温度を検知する第1の温度検知手段と、前記定着
    ローラの前記第2加熱手段による加熱温度を検知する第
    2の温度検知手段と、前記第1の温度検知手段の温度検
    知信号をもとに前記第1の加熱手段を制御し前記第2の
    温度検知手段の温度検知信号をもとに前記第2の加熱手
    段を制御する温度制御手段とを有し、前記定着ローラの
    温度が前記定着ローラの前記第1の加熱手段及び前記第
    2の加熱手段による加熱で定着可能温度に上昇する過程
    において正常時には前記定着ローラの前記第1加熱手段
    による加熱温度が前記定着ローラの前記第2加熱手段に
    よる加熱温度よりも早く所定の温度に達する熱定着装置
    の異常検知方法において、前記定着ローラの前記第2の
    加熱手段による加熱温度が定着可能温度まで上昇して前
    記定着ローラの前記第1の加熱手段による加熱温度が定
    着可能温度まで上昇したかどうかを判断し、前記定着ロ
    ーラの前記第2の加熱手段による加熱温度が定着可能温
    度まで上昇しているにも拘らず前記定着ローラの前記第
    1の加熱手段による加熱温度が定着可能温度まで上昇し
    ていないと判断した時に即刻あるいは所定の時間をおい
    て異常と判定して前記第1の加熱手段及び前記第2の加
    熱手段の両者あるいは前記第1の加熱手段への通電を中
    止させることを特徴とする熱定着装置の異常検知方法。
  2. 【請求項2】用紙上のトナーを定着させる定着ローラ
    と、この定着ローラを加熱する第1の加熱手段及び第2
    の加熱手段と、前記定着ローラの前記第1加熱手段によ
    る加熱温度を検知する第1の温度検知手段と、前記定着
    ローラの前記第2加熱手段による加熱温度を検知する第
    2の温度検知手段と、前記第1の温度検知手段の温度検
    知信号をもとに前記第1の加熱手段を制御し前記第2の
    温度検知手段の温度検知信号をもとに前記第2の加熱手
    段を制御する温度制御手段とを有し、前記定着ローラの
    温度が前記定着ローラの前記第1の加熱手段及び前記第
    2の加熱手段による加熱で定着可能温度に上昇する過程
    において正常時には前記定着ローラの前記第1加熱手段
    による加熱温度が前記定着ローラの前記第2加熱手段に
    よる加熱温度よりも早く所定の温度に達する熱定着装置
    の異常検知方法において、前記定着ローラの前記第1の
    加熱手段による加熱温度が定着可能温度に上昇している
    にも拘らず前記定着ローラの前記第2の加熱手段による
    加熱温度が定着可能温度にまで達していない状態におい
    て、正常であれば前記定着ローラの前記第2の加熱手段
    による加熱温度が定着可能温度にまで達している時間を
    越え、かつ、前記定着ローラの第2の加熱手段による加
    熱温度が連続して上昇した時に前記定着ローラが所定の
    部位に異常を来す温度になる時間未満である所定の時間
    で異常と判定して前記第1の加熱手段及び前記第2の加
    熱手段の両者あるいは前記第2の加熱手段への通電を中
    止させることを特徴とする熱定着装置の異常検知方法。
  3. 【請求項3】用紙上のトナーを定着させる定着ローラ
    と、この定着ローラを加熱する第1の加熱手段及び第2
    の加熱手段と、前記定着ローラの前記第1加熱手段によ
    る加熱温度を検知する第1の温度検知手段と、前記定着
    ローラの前記第2加熱手段による加熱温度を検知する第
    2の温度検知手段と、前記第1の温度検知手段の温度検
    知信号をもとに前記第1の加熱手段を制御し前記第2の
    温度検知手段の温度検知信号をもとに前記第2の加熱手
    段を制御する温度制御手段とを有し、前記定着ローラの
    温度が前記定着ローラの前記第1の加熱手段及び前記第
    2の加熱手段による加熱で定着可能温度に上昇する過程
    において正常時には前記定着ローラの前記第1加熱手段
    による加熱温度が前記定着ローラの前記第2加熱手段に
    よる加熱温度よりも早く所定の温度に達する熱定着装置
    の異常検知方法において、前記第1の温度検知手段の検
    知温度と前記第2の温度検知手段の検知温度が正常時に
    おける各公差を考慮した最悪の温度上昇率を共に下回っ
    た場合に異常と判定して前記第1の加熱手段及び前記第
    2の加熱手段への通電を中止させることを特徴とする熱
    定着装置の異常検知方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3記載の各熱定着装置の異常検
    知方法を併せて行うことを特徴とする熱定着装置の異常
    検知方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載の熱定着装
    置の異常検知方法において、前記定着ローラの停止時に
    のみ前記定着ローラの温度を検知することを特徴とする
    熱定着装置の異常検知方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の熱定着装置の異常検知方法
    において、前記第1の加熱手段及び前記第2の加熱手段
    の両方あるいは一方の点灯時間が正常時の点灯時間に比
    較して少ない場合に異常と判定して使用者に異常を伝え
    ることを特徴とする熱定着装置の異常検知方法。
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