JPH05106196A - 紙 - Google Patents
紙Info
- Publication number
- JPH05106196A JPH05106196A JP24015391A JP24015391A JPH05106196A JP H05106196 A JPH05106196 A JP H05106196A JP 24015391 A JP24015391 A JP 24015391A JP 24015391 A JP24015391 A JP 24015391A JP H05106196 A JPH05106196 A JP H05106196A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paper
- water
- gypsum
- secondary particles
- calcium silicate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Silicon Compounds (AREA)
- Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 紙として要求される諸要素を維持しながら不
燃性乃至難燃性を有する石膏含有紙を提供すること。 【構成】 (イ)珪酸カルシウムからなる二次粒子を水
の存在下に硫酸アルミニウム及び硫酸鉄から選ばれた水
溶性硫酸塩と接触せしめて得たシリカゲル及び石膏の複
合二次粒子の多数が繊維質物質とからまり合いながら圧
縮変形された状態で連結し、且つ繊維質物質の含量が5
0重量%以下であって、(ロ)上記連結状態は、曲率1
0mmRで紙を捲回した場合にその表面に割れを生じな
いことを特徴とする紙。
燃性乃至難燃性を有する石膏含有紙を提供すること。 【構成】 (イ)珪酸カルシウムからなる二次粒子を水
の存在下に硫酸アルミニウム及び硫酸鉄から選ばれた水
溶性硫酸塩と接触せしめて得たシリカゲル及び石膏の複
合二次粒子の多数が繊維質物質とからまり合いながら圧
縮変形された状態で連結し、且つ繊維質物質の含量が5
0重量%以下であって、(ロ)上記連結状態は、曲率1
0mmRで紙を捲回した場合にその表面に割れを生じな
いことを特徴とする紙。
Description
本発明は石膏を含有する紙並びにその製法に関する。
【0001】紙は現在各分野に亘り広い範囲で使用され
ているが、その難点は燃え易いということである。紙に
不燃性乃至難燃性を賦与できれば更に新しい分野が開拓
されるばかりでなく、現在の使用分野でも極めて有利と
なる。このため紙として要求される諸要素を維持したま
まで不燃性乃至難燃性を賦与することが強く要望されて
いる。
ているが、その難点は燃え易いということである。紙に
不燃性乃至難燃性を賦与できれば更に新しい分野が開拓
されるばかりでなく、現在の使用分野でも極めて有利と
なる。このため紙として要求される諸要素を維持したま
まで不燃性乃至難燃性を賦与することが強く要望されて
いる。
【0002】従来石膏を含有する紙は知られている。し
かしながら、石膏結晶はそれ自身水性分散液から抄造し
たとき、フィブリル化されたセルロース繊維のように繊
維どうしが接着して強度を発現するという性質を有しな
い。そのため、これを主体とするシートを得ようとする
と結晶を長く成長させて、分散乃至抄造時に結晶繊維を
絡合させて強度を発現させるしかなかった。例えば、特
開昭52−6726号には100μ以上に成長させた石
膏ウイスカーを主体とするシートが記されている。この
ようなシートは、不燃性を有するが、機械的強度が極端
に小さく、しかも捲回すると表面に割れが生じ、単なる
不燃性シートであって、到底紙とは言い得ないものであ
る。
かしながら、石膏結晶はそれ自身水性分散液から抄造し
たとき、フィブリル化されたセルロース繊維のように繊
維どうしが接着して強度を発現するという性質を有しな
い。そのため、これを主体とするシートを得ようとする
と結晶を長く成長させて、分散乃至抄造時に結晶繊維を
絡合させて強度を発現させるしかなかった。例えば、特
開昭52−6726号には100μ以上に成長させた石
膏ウイスカーを主体とするシートが記されている。この
ようなシートは、不燃性を有するが、機械的強度が極端
に小さく、しかも捲回すると表面に割れが生じ、単なる
不燃性シートであって、到底紙とは言い得ないものであ
る。
【0003】一方、長く成長させた石膏結晶をセルロー
ス繊維に充填材として配合して紙を得ることも知られて
いる。例えば、特開昭49−63694号には0.5〜
10cmにも成長させた繊維状結晶石膏が紙の充填材と
して用いられていることが記され、また特開昭52−8
105号には100μm以上に成長させた石膏ウィスカ
ーを50%以下配合して紙を得ることが記されている。
殊に後者公報は50%を超えて石膏結晶を配合すると紙
の機械的強度が低下するために50%以下配合すること
が不可欠である旨明記されており、しかも石膏結晶の配
合量が増大すると折り曲げ時に表面に割れが生じ易くな
り、50%もの多量の石膏結晶が配合されると折り曲げ
ると表面に割れが生じ到底紙とは言い得ないものとなっ
てしまう。然るに石膏結晶の配合量が全体の半量にも満
たない場合、紙に不燃性はもとより充分な難燃性を付与
することはできない。
ス繊維に充填材として配合して紙を得ることも知られて
いる。例えば、特開昭49−63694号には0.5〜
10cmにも成長させた繊維状結晶石膏が紙の充填材と
して用いられていることが記され、また特開昭52−8
105号には100μm以上に成長させた石膏ウィスカ
ーを50%以下配合して紙を得ることが記されている。
殊に後者公報は50%を超えて石膏結晶を配合すると紙
の機械的強度が低下するために50%以下配合すること
が不可欠である旨明記されており、しかも石膏結晶の配
合量が増大すると折り曲げ時に表面に割れが生じ易くな
り、50%もの多量の石膏結晶が配合されると折り曲げ
ると表面に割れが生じ到底紙とは言い得ないものとなっ
てしまう。然るに石膏結晶の配合量が全体の半量にも満
たない場合、紙に不燃性はもとより充分な難燃性を付与
することはできない。
【0004】本発明は、前記要望に応え、紙として要求
される諸要素を維持しながら不燃性乃至難燃性を有する
石膏含有紙を提供することを目的としてなされたもので
ある。
される諸要素を維持しながら不燃性乃至難燃性を有する
石膏含有紙を提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0005】本発明のこの目的は(イ)珪酸カルシウム
からなる二次粒子を水の存在下に硫酸アルミニウム及び
硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩と接触せしめて得たシ
リカ及び石膏の複合二次粒子の多数が繊維質物質とから
まり合いしながら圧縮変形された状態で連結し、且つ繊
維質物質の含量が50重量%以下であって、(ロ)上記
連結状態は、曲率10mmRで紙を捲回した場合にその
表面に割れを生じないことを特徴とする紙を提供するこ
とによって達成される。
からなる二次粒子を水の存在下に硫酸アルミニウム及び
硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩と接触せしめて得たシ
リカ及び石膏の複合二次粒子の多数が繊維質物質とから
まり合いしながら圧縮変形された状態で連結し、且つ繊
維質物質の含量が50重量%以下であって、(ロ)上記
連結状態は、曲率10mmRで紙を捲回した場合にその
表面に割れを生じないことを特徴とする紙を提供するこ
とによって達成される。
【0006】斯かる本発明の石膏含有紙は、珪酸カルシ
ウムからなる二次粒子を水の存在下で硫酸アルミニウム
及び硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩と接触させ、シリ
カゲルと石膏の複合二次粒子を生成せしめ、該複合二次
粒子の水性分散液を全固形重量分に対し50重量%以下
の繊維質物質と混合し、次いで抄造することによって得
られる。
ウムからなる二次粒子を水の存在下で硫酸アルミニウム
及び硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩と接触させ、シリ
カゲルと石膏の複合二次粒子を生成せしめ、該複合二次
粒子の水性分散液を全固形重量分に対し50重量%以下
の繊維質物質と混合し、次いで抄造することによって得
られる。
【0007】また、本発明の紙は、(イ)珪酸カルシウ
ムの多数の二次粒子が繊維質物質とからまり合いながら
圧縮変形された状態で連結し、(ロ)上記連結状態は、
曲率10mmRで紙を捲回した場合にその表面に割れを
生じないことを特徴とする珪酸カルシウム紙を、(ハ)
硫酸アルミニウム及び硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩
と水の存在下で接触させ、珪酸カルシウム二次粒子をシ
リカゲルと石膏との複合二次粒子に変換せしめることに
よっても得られる。
ムの多数の二次粒子が繊維質物質とからまり合いながら
圧縮変形された状態で連結し、(ロ)上記連結状態は、
曲率10mmRで紙を捲回した場合にその表面に割れを
生じないことを特徴とする珪酸カルシウム紙を、(ハ)
硫酸アルミニウム及び硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩
と水の存在下で接触させ、珪酸カルシウム二次粒子をシ
リカゲルと石膏との複合二次粒子に変換せしめることに
よっても得られる。
【0008】本発明者の研究によれば、珪酸カルシウム
から成る二次粒子を水の存在下で硫酸アルミニウム及び
硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩と接触させると、珪酸
カルシウム二次粒子は崩壊したり分散したりすることな
くその形状を失わずにシリカゲルと石膏との複合二次粒
子となること及びこの複合二次粒子と繊維状物質の水性
分散液を抄造すると複合二次粒子が繊維物質とからまり
ながら相互に連結し、機械的強度を備え、且つ折り曲げ
ても表面に割れを生ずることのない紙としての特性を備
えたシリカゲル−石膏含有紙が得られることが見出され
た。また、本発明者の研究によれば、珪酸カルシウムの
二次粒子と繊維質物質の水性分散液を抄造して得られる
珪酸カルシウム紙を水の存在下で、硫酸アルミニウム及
び硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩で処理すると、紙を
構成している珪酸カルシウム二次粒子は、崩壊したり分
散したりすることなくその形状を失わずに且つ相互の連
結状態に実質的な変化を伴うことなくシリカゲルと石膏
との複合二次粒子となり、その結果珪酸カルシウム紙
は、紙の形態のままでシリカゲル−石膏含有紙に変換さ
れ、しかも折り曲げても割れが生じないという珪酸カル
シウム紙の特性をそのまま保持していることが見出され
た。本発明はこれらの発見に基づき完成されたのであ
る。
から成る二次粒子を水の存在下で硫酸アルミニウム及び
硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩と接触させると、珪酸
カルシウム二次粒子は崩壊したり分散したりすることな
くその形状を失わずにシリカゲルと石膏との複合二次粒
子となること及びこの複合二次粒子と繊維状物質の水性
分散液を抄造すると複合二次粒子が繊維物質とからまり
ながら相互に連結し、機械的強度を備え、且つ折り曲げ
ても表面に割れを生ずることのない紙としての特性を備
えたシリカゲル−石膏含有紙が得られることが見出され
た。また、本発明者の研究によれば、珪酸カルシウムの
二次粒子と繊維質物質の水性分散液を抄造して得られる
珪酸カルシウム紙を水の存在下で、硫酸アルミニウム及
び硫酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩で処理すると、紙を
構成している珪酸カルシウム二次粒子は、崩壊したり分
散したりすることなくその形状を失わずに且つ相互の連
結状態に実質的な変化を伴うことなくシリカゲルと石膏
との複合二次粒子となり、その結果珪酸カルシウム紙
は、紙の形態のままでシリカゲル−石膏含有紙に変換さ
れ、しかも折り曲げても割れが生じないという珪酸カル
シウム紙の特性をそのまま保持していることが見出され
た。本発明はこれらの発見に基づき完成されたのであ
る。
【0009】即ち、本発明の石膏含有紙は、シリカゲル
と石膏との複合二次粒子を主体として構成されるから、
優れた難燃性乃至不燃性を有し、しかも曲率10mmR
で捲回しても表面に割れが生じないという紙としての特
性を備え、従って紙としての広い利用分野はもとより不
燃性乃至難燃性の要求される各種分野において使用する
ことができる。しかもシリカゲルと石膏を構成主体とす
るから、該主体材料の特性を利用し得る用途に用いるこ
とができる。
と石膏との複合二次粒子を主体として構成されるから、
優れた難燃性乃至不燃性を有し、しかも曲率10mmR
で捲回しても表面に割れが生じないという紙としての特
性を備え、従って紙としての広い利用分野はもとより不
燃性乃至難燃性の要求される各種分野において使用する
ことができる。しかもシリカゲルと石膏を構成主体とす
るから、該主体材料の特性を利用し得る用途に用いるこ
とができる。
【0010】本発明の紙は次の点で特長づけられる。
【0011】即ち本発明の紙は、珪酸カルシウム二次粒
子を硫酸アルミニウム又は硫酸鉄と水の存在下に接触せ
しめて生成したシリカゲルと石膏の複合二次粒子が多数
繊維質物質とからまり合いながら圧縮変形された状態で
相互に連結して構成されていることである。この圧縮変
形された状態としては上記複合二次粒子の形態がかなり
はっきりと残存している程度から該粒子が著しく圧縮変
形されてほとんど扁平化してもとの粒子の形をほとんど
残さない程度にまで変形された状態まで包含される。こ
の様に本発明の紙においては、シリカゲルと石膏との複
合二次粒子の形が残存した程度の変形から殆んど該粒子
の形が残らない程度にまで著しく圧縮変形させたものま
で広い範囲でその変形状態が含まれる。
子を硫酸アルミニウム又は硫酸鉄と水の存在下に接触せ
しめて生成したシリカゲルと石膏の複合二次粒子が多数
繊維質物質とからまり合いながら圧縮変形された状態で
相互に連結して構成されていることである。この圧縮変
形された状態としては上記複合二次粒子の形態がかなり
はっきりと残存している程度から該粒子が著しく圧縮変
形されてほとんど扁平化してもとの粒子の形をほとんど
残さない程度にまで変形された状態まで包含される。こ
の様に本発明の紙においては、シリカゲルと石膏との複
合二次粒子の形が残存した程度の変形から殆んど該粒子
の形が残らない程度にまで著しく圧縮変形させたものま
で広い範囲でその変形状態が含まれる。
【0012】次いで本発明の紙の第2の特徴として繊維
質物質の含有量が50重量%以下であることである。
質物質の含有量が50重量%以下であることである。
【0013】本発明の紙はシリカゲルと石膏との複合二
次粒子を主体として構成され、繊維質物質の含有量は5
0重量%以下である点に大きな特徴があり、繊維質物質
はあくまで副原料である。従って、有機繊維に石膏を充
填材として得られる石膏含有紙とは異なり、優れた難燃
性乃至不燃性を有する。
次粒子を主体として構成され、繊維質物質の含有量は5
0重量%以下である点に大きな特徴があり、繊維質物質
はあくまで副原料である。従って、有機繊維に石膏を充
填材として得られる石膏含有紙とは異なり、優れた難燃
性乃至不燃性を有する。
【0014】第3番目の本発明の紙の特長として上記シ
リカゲル−石膏複合二次粒子と繊維質物質との連結状態
が次の点で規定されていることである。即ち、本発明の
紙を曲率10mmRで捲回したときにその表面に割れを
生じないということである。この際の割れとは実質的に
複合二次粒子の絡合した連結状態が決裂した状態を云
う。この特長は本発明の石膏含有紙が紙として要求され
る柔軟性乃至しなやかさを有し、紙の特性を有している
ことを示している。
リカゲル−石膏複合二次粒子と繊維質物質との連結状態
が次の点で規定されていることである。即ち、本発明の
紙を曲率10mmRで捲回したときにその表面に割れを
生じないということである。この際の割れとは実質的に
複合二次粒子の絡合した連結状態が決裂した状態を云
う。この特長は本発明の石膏含有紙が紙として要求され
る柔軟性乃至しなやかさを有し、紙の特性を有している
ことを示している。
【0015】また本発明の紙は次の様な性質を有してい
る。即ち、その厚さは通常1mm以下程度であり、その
秤量は400g/m2以下ということである。
る。即ち、その厚さは通常1mm以下程度であり、その
秤量は400g/m2以下ということである。
【0016】本発明の紙は珪酸カルシウムの二次粒子を
水の存在下に硫酸アルミニウム及び硫酸鉄から選ばれた
水溶性硫酸塩と接触させて、珪酸カルシウムをシリカゲ
ルと石膏との複合二次粒子に変換せしめ、次いでこれに
全固形分重量に対し50%以下の繊維質物質を添加し、
得られる混合物の水性分散液を抄造することにより製造
される。
水の存在下に硫酸アルミニウム及び硫酸鉄から選ばれた
水溶性硫酸塩と接触させて、珪酸カルシウムをシリカゲ
ルと石膏との複合二次粒子に変換せしめ、次いでこれに
全固形分重量に対し50%以下の繊維質物質を添加し、
得られる混合物の水性分散液を抄造することにより製造
される。
【0017】本発明に於て原料として使用する珪酸カル
シウムから成るほぼ球状の二次粒子又はこれが水に分散
したスラリー自体は本出願前すでに良く知られたもので
あり、例えば特公昭52−43494号、特公昭53−
12526号、特公昭53−18533号、特公昭54
−4968号、特公昭558−29952号公報に記載
されたものを例示することができる。また撹拌法以外の
方法で調製された球状二次粒子から成るスラリーも使用
出来、例えば原料スラリーをオートクレーブ中で撹拌す
ることなく水熱反応せしめ、必要に応じ若干粉砕したも
のを例示できる。これ等珪酸カルシウム球状二次粒子は
珪酸カルシウム一次粒子が多数三次元的に絡合して二次
粒子を形成したものである。また二次粒子が主体となる
限り、二次粒子を形成しない珪酸カルシウムの一次粒子
が混在していてもよい。この際の珪酸カルシウムとして
は、珪酸カルシウムの結晶ばかりでなく所謂準結晶と呼
ばれるトベルモライトグループの各種の珪酸カルシウム
水和物が包含され、またカリウム、ナトリウム、リチウ
ム等のアルカリ、マグネシヤ、アルミナ等を含むものも
使用できる。具体的には、ゾーノトライト、トベルモラ
イト、ワラストナイト、ジャイロライト、トリカルシウ
ムシリケートの如き結晶、トベルモライトグループの各
種化合物、ナトリウムカルシウムシリケート、ペクトラ
イト等を例示することが出来る。
シウムから成るほぼ球状の二次粒子又はこれが水に分散
したスラリー自体は本出願前すでに良く知られたもので
あり、例えば特公昭52−43494号、特公昭53−
12526号、特公昭53−18533号、特公昭54
−4968号、特公昭558−29952号公報に記載
されたものを例示することができる。また撹拌法以外の
方法で調製された球状二次粒子から成るスラリーも使用
出来、例えば原料スラリーをオートクレーブ中で撹拌す
ることなく水熱反応せしめ、必要に応じ若干粉砕したも
のを例示できる。これ等珪酸カルシウム球状二次粒子は
珪酸カルシウム一次粒子が多数三次元的に絡合して二次
粒子を形成したものである。また二次粒子が主体となる
限り、二次粒子を形成しない珪酸カルシウムの一次粒子
が混在していてもよい。この際の珪酸カルシウムとして
は、珪酸カルシウムの結晶ばかりでなく所謂準結晶と呼
ばれるトベルモライトグループの各種の珪酸カルシウム
水和物が包含され、またカリウム、ナトリウム、リチウ
ム等のアルカリ、マグネシヤ、アルミナ等を含むものも
使用できる。具体的には、ゾーノトライト、トベルモラ
イト、ワラストナイト、ジャイロライト、トリカルシウ
ムシリケートの如き結晶、トベルモライトグループの各
種化合物、ナトリウムカルシウムシリケート、ペクトラ
イト等を例示することが出来る。
【0018】本発明に於ては、硫酸アルミニウム及び硫
酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩を用いることを不可欠と
し、斯かる硫酸塩を用いることによって機械的強度に優
れたシリカゲル−石膏含有紙が得られる。
酸鉄から選ばれた水溶性硫酸塩を用いることを不可欠と
し、斯かる硫酸塩を用いることによって機械的強度に優
れたシリカゲル−石膏含有紙が得られる。
【0019】珪酸カルシウム二次粒子と上記水溶性硫酸
塩とを接触させるに際しては水の存在下で行なう。従っ
て上記二次粒子が水性スラリーの場合には、硫酸塩はそ
のまま添加しても良く又水溶液として添加してもよい。
又粉末状の二次粒子を使用する場合には硫酸塩は水溶液
の形で適用する。この際の硫酸塩の添加量は、珪酸カル
シウムが反応するに必要な量であればよい。硫酸塩を添
加して珪酸カルシウムと硫酸塩とを反応せしめるが、こ
の反応は常温・常圧で進行するが加圧・加温することも
出来る。反応時間は使用する硫酸塩の種類や量により一
定しないが、通常数分〜数時間程度である。
塩とを接触させるに際しては水の存在下で行なう。従っ
て上記二次粒子が水性スラリーの場合には、硫酸塩はそ
のまま添加しても良く又水溶液として添加してもよい。
又粉末状の二次粒子を使用する場合には硫酸塩は水溶液
の形で適用する。この際の硫酸塩の添加量は、珪酸カル
シウムが反応するに必要な量であればよい。硫酸塩を添
加して珪酸カルシウムと硫酸塩とを反応せしめるが、こ
の反応は常温・常圧で進行するが加圧・加温することも
出来る。反応時間は使用する硫酸塩の種類や量により一
定しないが、通常数分〜数時間程度である。
【0020】珪酸カルシウム二次粒子と硫酸塩とが反応
した結果、珪酸カルシウムはシリカゲルと石膏に変化
し、珪酸カルシウム二次粒子は崩壊したり分散したりす
ることなくその形態を失わずシリカゲルと石膏との複合
二次粒子となる。
した結果、珪酸カルシウムはシリカゲルと石膏に変化
し、珪酸カルシウム二次粒子は崩壊したり分散したりす
ることなくその形態を失わずシリカゲルと石膏との複合
二次粒子となる。
【0021】反応が終了したものは通常水洗した後、繊
維質物質及び水と混合する。
維質物質及び水と混合する。
【0022】繊維質物質としては有機質繊維並びに無機
質繊維の1種又は2種以上が使用され、前者としては、
セルロース繊維の他にポリアミド、ポリエステル、ポリ
オレフィンの如き各種合成繊維が、また後者としてはグ
ラスファイバー、岩綿、石綿、シリカファイバー、セラ
ミックファイバー、炭素繊維、無機ウイスカー等を例示
できる。
質繊維の1種又は2種以上が使用され、前者としては、
セルロース繊維の他にポリアミド、ポリエステル、ポリ
オレフィンの如き各種合成繊維が、また後者としてはグ
ラスファイバー、岩綿、石綿、シリカファイバー、セラ
ミックファイバー、炭素繊維、無機ウイスカー等を例示
できる。
【0023】繊維質物質を混合するに際しては、該繊維
を水に懸濁し、就中有機繊維の場合は好ましくはこれを
叩解してフィブリル化した後、石膏含有粒子よりも含有
量が少なくなるように添加する。抄紙操作、条件等は従
来から使用されて来た操作や条件がそのまま適用でき、
またサイズ剤その他添加剤が必要に応じ適宜に添加され
る。この際の添加剤としては例えば紙力増強剤、撥水
剤、耐湿性樹脂、合成ゴムラテックス、難燃剤等を例示
出来、これ等添加剤は目的とする紙の用途に応じて混
合、含浸または塗工により容易に添加される。
を水に懸濁し、就中有機繊維の場合は好ましくはこれを
叩解してフィブリル化した後、石膏含有粒子よりも含有
量が少なくなるように添加する。抄紙操作、条件等は従
来から使用されて来た操作や条件がそのまま適用でき、
またサイズ剤その他添加剤が必要に応じ適宜に添加され
る。この際の添加剤としては例えば紙力増強剤、撥水
剤、耐湿性樹脂、合成ゴムラテックス、難燃剤等を例示
出来、これ等添加剤は目的とする紙の用途に応じて混
合、含浸または塗工により容易に添加される。
【0024】本発明の紙はまた次のような方法にても製
造することができる。即ち、上記珪酸カルシウム二次粒
子のスラリーに、上記繊維質物質を混合し、これから常
法に従って抄紙して珪酸カルシウム紙を得、これを水の
存在下に水溶性硫酸塩と接触せしめて珪酸カルシウム二
次粒子を、その形態を残したままで該二次粒子を構成す
る珪酸カルシウムをシリカゲルと石膏に変換せしめ、両
者の複合二次粒子に変換せしめる方法である。上記方法
に於て珪酸カルシウムを構成している個々の珪酸カルシ
ウム二次粒状はその形状を残したままで且つ相互の連結
状態に実質的な変化を伴うことなくシリカゲルと石膏と
の複合二次粒子に変換される。その結果、珪酸カルシウ
ム紙は紙の形態のままで、シリカゲル−石膏含有紙に変
換され、折り曲げても割れを生じないという珪酸カルシ
ウム紙の特性をそのまま保持している。
造することができる。即ち、上記珪酸カルシウム二次粒
子のスラリーに、上記繊維質物質を混合し、これから常
法に従って抄紙して珪酸カルシウム紙を得、これを水の
存在下に水溶性硫酸塩と接触せしめて珪酸カルシウム二
次粒子を、その形態を残したままで該二次粒子を構成す
る珪酸カルシウムをシリカゲルと石膏に変換せしめ、両
者の複合二次粒子に変換せしめる方法である。上記方法
に於て珪酸カルシウムを構成している個々の珪酸カルシ
ウム二次粒状はその形状を残したままで且つ相互の連結
状態に実質的な変化を伴うことなくシリカゲルと石膏と
の複合二次粒子に変換される。その結果、珪酸カルシウ
ム紙は紙の形態のままで、シリカゲル−石膏含有紙に変
換され、折り曲げても割れを生じないという珪酸カルシ
ウム紙の特性をそのまま保持している。
【0025】珪酸カルシウム紙を製造するに当って繊維
質物質は得られる紙中50重量%以下の含量となるよう
に配合する。反応に当っては、紙を構成する珪酸カルシ
ウムが反応するに必要な量の硫酸水溶液を添加すれば良
く、反応は常圧下、加圧下でもよい。
質物質は得られる紙中50重量%以下の含量となるよう
に配合する。反応に当っては、紙を構成する珪酸カルシ
ウムが反応するに必要な量の硫酸水溶液を添加すれば良
く、反応は常圧下、加圧下でもよい。
【0026】珪酸カルシウムより製造する上記方法で製
造された紙は石膏含有粒子スラリーから調整された紙に
比し、機械的強度が優れている。
造された紙は石膏含有粒子スラリーから調整された紙に
比し、機械的強度が優れている。
【0027】本発明の紙は珪酸カルシウム紙に比し耐酸
性並びに吸湿性が優れているという特徴がある。
性並びに吸湿性が優れているという特徴がある。
【0028】本発明に於いて抄紙後カレンダー処理を行
うと平滑で緻密な紙となり、更にスーパーカレンダー掛
けを行うことにより表面に光沢を賦与出来美しい紙とす
ることができる。
うと平滑で緻密な紙となり、更にスーパーカレンダー掛
けを行うことにより表面に光沢を賦与出来美しい紙とす
ることができる。
【0029】本発明の紙は不燃性乃至難燃性並びに防炎
性に優れるだけでなく、吸着性、吸脱湿性、断熱性、電
気絶縁性、加工性に優れているので、従来から使用され
ている難燃防炎壁紙、天井材、ハニカムコア材、クッシ
ョクフロア材、工業用断熱材、パッキング材、電気絶縁
材、空調熱交換器用エレメント、ガス吸着シート、酸性
液用濾紙、酸性薬品の包装材等の用途にも有効に使用出
来る。
性に優れるだけでなく、吸着性、吸脱湿性、断熱性、電
気絶縁性、加工性に優れているので、従来から使用され
ている難燃防炎壁紙、天井材、ハニカムコア材、クッシ
ョクフロア材、工業用断熱材、パッキング材、電気絶縁
材、空調熱交換器用エレメント、ガス吸着シート、酸性
液用濾紙、酸性薬品の包装材等の用途にも有効に使用出
来る。
【0030】また本発明の紙は、これに有機質繊維又は
バインダー、難燃剤を添加した場合、燃焼時に有毒ガス
を発生したとしても、これ等のガスは紙自体に吸着され
る。即ち本発明の紙はこれ等ガスの吸着性能を有し、例
えばポリ塩化ビニルの場合には燃焼時に発生するHCl
は、吸着され全くまたは著しく低減されたガスしか発生
しない。 実施例1 生石灰47.4重量部及びシリカフラワー 52.6重量部を水2400重量部と混合した後、オー
トクレーブに装入し、温度200℃、圧力15kg/c
m2の飽和水蒸気圧下で撹拌し乍ら5時間水熱反応せし
め、ゾーノトライト結晶よりなるスラリーを得た。
バインダー、難燃剤を添加した場合、燃焼時に有毒ガス
を発生したとしても、これ等のガスは紙自体に吸着され
る。即ち本発明の紙はこれ等ガスの吸着性能を有し、例
えばポリ塩化ビニルの場合には燃焼時に発生するHCl
は、吸着され全くまたは著しく低減されたガスしか発生
しない。 実施例1 生石灰47.4重量部及びシリカフラワー 52.6重量部を水2400重量部と混合した後、オー
トクレーブに装入し、温度200℃、圧力15kg/c
m2の飽和水蒸気圧下で撹拌し乍ら5時間水熱反応せし
め、ゾーノトライト結晶よりなるスラリーを得た。
【0031】上記で得られたスラリーを光学顕微鏡で観
察した。第1図はその結果を示す光学顕微鏡写真(20
0倍)である。第1図から明らかなようにゾーノトライ
ト結晶は、直径約10〜60μmで鞠藻状のほぼ球状の
ゾーノトライト結晶二次粒子を形成していた。また、該
二次粒子を超音波分散させ電子顕微鏡下で観察した。電
子顕微鏡写真(1万倍)を示す第2図から上記二次粒子
は、幅約0.03〜0.3μm、長さ約1〜20μmの
多数のゾーノトライト針状結晶かから構成されているこ
とが認められた。
察した。第1図はその結果を示す光学顕微鏡写真(20
0倍)である。第1図から明らかなようにゾーノトライ
ト結晶は、直径約10〜60μmで鞠藻状のほぼ球状の
ゾーノトライト結晶二次粒子を形成していた。また、該
二次粒子を超音波分散させ電子顕微鏡下で観察した。電
子顕微鏡写真(1万倍)を示す第2図から上記二次粒子
は、幅約0.03〜0.3μm、長さ約1〜20μmの
多数のゾーノトライト針状結晶かから構成されているこ
とが認められた。
【0032】次いで該スラリーを乾燥した後、これを市
販の硫酸アルミニウム水溶液(SO3濃度で約18%)
を4倍量(容量)に希釈したものと混合し5分間経過後
濾過水洗し、スラリーを得た。
販の硫酸アルミニウム水溶液(SO3濃度で約18%)
を4倍量(容量)に希釈したものと混合し5分間経過後
濾過水洗し、スラリーを得た。
【0033】生成物をX線回折分析した結果ゾーノトラ
イト結晶に基づくピークは消失しており硫酸カルシウム
結晶のピークのみが確認された。上記スラリーを光学顕
微鏡下で観察した。第3図はその結果を示す光学顕微鏡
写真(200倍)であり、これよりゾーノトライト結晶
の二次粒子は、その形状をそのまま残して直径が約10
〜60μmで鞠藻状のほぼ球状のシリカゲルと石膏との
複合二次粒子に変化していることが認められた。複合二
次粒子の外に見える単結晶は硫酸カルシウム結晶であ
る。
イト結晶に基づくピークは消失しており硫酸カルシウム
結晶のピークのみが確認された。上記スラリーを光学顕
微鏡下で観察した。第3図はその結果を示す光学顕微鏡
写真(200倍)であり、これよりゾーノトライト結晶
の二次粒子は、その形状をそのまま残して直径が約10
〜60μmで鞠藻状のほぼ球状のシリカゲルと石膏との
複合二次粒子に変化していることが認められた。複合二
次粒子の外に見える単結晶は硫酸カルシウム結晶であ
る。
【0034】次いで、上記で得たスラリーと、叩解度S
R26゜のセルロース繊維(パルプ)を固形分重量比で
4/1と成るように調製したもの(No.1)と同じく
3/2に調製したもの(No.2)を水に均一に分散さ
せ、これをタッピースタンダードマシン(目数100メ
ッシュ)で抄紙し、これをプレス後乾燥した。
R26゜のセルロース繊維(パルプ)を固形分重量比で
4/1と成るように調製したもの(No.1)と同じく
3/2に調製したもの(No.2)を水に均一に分散さ
せ、これをタッピースタンダードマシン(目数100メ
ッシュ)で抄紙し、これをプレス後乾燥した。
【0035】この時の歩留りは86%であった。
【0036】得られた紙の特性は第1表の通りである。
【0037】尚、難燃性試験方法はJIS A1322
2のメッケルバーナー法に準拠し加熱時間を3分間とし
て、炭化長、残炎、残塵を測定し合否を判定した。又、
pHはJIS P8133の紙及び板紙のpH試験方法
に従って測定した。
2のメッケルバーナー法に準拠し加熱時間を3分間とし
て、炭化長、残炎、残塵を測定し合否を判定した。又、
pHはJIS P8133の紙及び板紙のpH試験方法
に従って測定した。
【0038】
【表1】 また、上記で得た紙を曲率10mmRで捲回した所、そ
の表面に割れを生じなかった。 実施例2 生石灰47重量部と珪石粉53重量部を、水 2400
重量部と混合した後、オートクレーブに装入し、温度2
00℃、圧力15kg/cm2の飽和水蒸気圧下で撹拌
し乍ら5時間水熱反応せしめ、ゾーノトライト結晶より
なるスラリーを得た。
の表面に割れを生じなかった。 実施例2 生石灰47重量部と珪石粉53重量部を、水 2400
重量部と混合した後、オートクレーブに装入し、温度2
00℃、圧力15kg/cm2の飽和水蒸気圧下で撹拌
し乍ら5時間水熱反応せしめ、ゾーノトライト結晶より
なるスラリーを得た。
【0039】上記で得られたスラリーを光学顕微鏡で観
察すると、直径が約10〜60μmで鞠藻状のほぼ球状
の二次粒子がみられ、また、該スラリーを超音波分散さ
せて電子顕微鏡下で観察したところ約0.03〜0.3
μmの幅、約1〜20μmの長さの多数のゾーノトライ
ト結晶針状結晶がみられた。
察すると、直径が約10〜60μmで鞠藻状のほぼ球状
の二次粒子がみられ、また、該スラリーを超音波分散さ
せて電子顕微鏡下で観察したところ約0.03〜0.3
μmの幅、約1〜20μmの長さの多数のゾーノトライ
ト結晶針状結晶がみられた。
【0040】次いで、上記で得たゾーノトライト二次粒
子よりなるスラリーと、叩解度SR26゜のセルロース
繊維(パルプ)を固形分重量比で4/1となるように調
製したものを水に分散させ、これをタッピースタンダー
ドマシン(目数100メッシュ)で抄造し、これをプレ
ス後乾燥した。
子よりなるスラリーと、叩解度SR26゜のセルロース
繊維(パルプ)を固形分重量比で4/1となるように調
製したものを水に分散させ、これをタッピースタンダー
ドマシン(目数100メッシュ)で抄造し、これをプレ
ス後乾燥した。
【0041】次いで上記で得られた紙に、市販の硫酸ア
ルミニウム溶液(SO3濃度で約18%)を4倍量に希
釈したものを5分間含浸した後水洗し乾燥した。
ルミニウム溶液(SO3濃度で約18%)を4倍量に希
釈したものを5分間含浸した後水洗し乾燥した。
【0042】これをX線回折分析したところ、ゾーノト
ライト結晶に基づくピークは消失しており、硫酸カルシ
ウム結晶のピークとパルプのピークが認められた。
ライト結晶に基づくピークは消失しており、硫酸カルシ
ウム結晶のピークとパルプのピークが認められた。
【0043】得られた紙の特性は第2表の通りである。
【0044】
【表2】 また、上記で得た紙を曲率10mmRで捲回したとこ
ろ、その表面に割れを生じなかった。 実施例3 実施例2と同様にして得られた珪酸カルシウム紙に、市
販の硫酸アルミニウム溶液(SO3濃度で約18%)
に、15分間含浸した後水洗し乾燥した。
ろ、その表面に割れを生じなかった。 実施例3 実施例2と同様にして得られた珪酸カルシウム紙に、市
販の硫酸アルミニウム溶液(SO3濃度で約18%)
に、15分間含浸した後水洗し乾燥した。
【0045】これをX線回折分析したところ、ゾーノト
ライト結晶に基づくピークは消失しており、硫酸カルシ
ウム結晶のピークとパルプのピークが、認められた。
ライト結晶に基づくピークは消失しており、硫酸カルシ
ウム結晶のピークとパルプのピークが、認められた。
【0046】得られた紙の特性は第3表の通りである。
【0047】
【表3】 また、上記で得た紙を曲率10mmRで捲回したとこ
ろ、その表面に割れを生じなかった。 実施例4 沈降容積48mlに調製した石灰乳(生石灰として47
重量部)と珪石粉53重量部と水を混合して、水体固形
分重量比を24:1に調製した後、オートクレーブに装
入し、温度200℃、圧力15kg/cm2の飽和水蒸
気圧下で撹拌し乍ら4時間水熱反応せしめゾーノトライ
ト結晶よりなるスラリーを得た。次いで上記スラリーを
水体スラリーの固形分重量比が3/1になるように調製
した後硫酸第1鉄(FeSO4・7H2O)溶液 (SO3濃度で約18%)を上記調製したスラリーに投
入し5分間経過後濾過水洗し、スラリーを得た。
ろ、その表面に割れを生じなかった。 実施例4 沈降容積48mlに調製した石灰乳(生石灰として47
重量部)と珪石粉53重量部と水を混合して、水体固形
分重量比を24:1に調製した後、オートクレーブに装
入し、温度200℃、圧力15kg/cm2の飽和水蒸
気圧下で撹拌し乍ら4時間水熱反応せしめゾーノトライ
ト結晶よりなるスラリーを得た。次いで上記スラリーを
水体スラリーの固形分重量比が3/1になるように調製
した後硫酸第1鉄(FeSO4・7H2O)溶液 (SO3濃度で約18%)を上記調製したスラリーに投
入し5分間経過後濾過水洗し、スラリーを得た。
【0048】次いで上記で得たスラリーと、叩解度SR
26のセルロース繊維(パルプ)を固形分重量比で3/
2となるように調製したものを水に均一に分散させ、こ
れをタッピースタンダードマシン(目数100メッシ
ュ)で抄紙しこれをプレス後乾燥した。
26のセルロース繊維(パルプ)を固形分重量比で3/
2となるように調製したものを水に均一に分散させ、こ
れをタッピースタンダードマシン(目数100メッシ
ュ)で抄紙しこれをプレス後乾燥した。
【0049】尚、沈降容積の測定方法は米国特許第41
62924号明細書に記載の方法に従い、水対石灰の固
形分の比が24倍の石灰乳50mlを直径が1.3c
m、容積が50ml以上の円柱状容器中で20分間静置
した後、石灰粒子が沈降した容積(ml)を測定するこ
とにより行った。
62924号明細書に記載の方法に従い、水対石灰の固
形分の比が24倍の石灰乳50mlを直径が1.3c
m、容積が50ml以上の円柱状容器中で20分間静置
した後、石灰粒子が沈降した容積(ml)を測定するこ
とにより行った。
【0050】得られた紙の特性は第4表の通りである。
【0051】
【表4】 実施例5 珪石粉100.6重量部、生石灰74.4重量部及び水
2100重量部を混合し、これを内容積3lの撹拌機つ
きオートクレーブに入れ、密閉後加熱し温度及び内圧が
191℃、12kg/cm2の飽和水上気圧下で撹拌し
ながら5時間水熱反応した。反応終了後、徐冷して常圧
に戻し、オートクレーブからスラリー状の反応生成物を
取り出した。
2100重量部を混合し、これを内容積3lの撹拌機つ
きオートクレーブに入れ、密閉後加熱し温度及び内圧が
191℃、12kg/cm2の飽和水上気圧下で撹拌し
ながら5時間水熱反応した。反応終了後、徐冷して常圧
に戻し、オートクレーブからスラリー状の反応生成物を
取り出した。
【0052】この反応生成物は、X線回折分析を行った
結果、トベルモライトを主体とするスラリーであること
が判明した。
結果、トベルモライトを主体とするスラリーであること
が判明した。
【0053】また、スラリーを光学顕微鏡下で観察する
と、直径が約10〜100μmのほぼ球状の二次粒子が
みられた。
と、直径が約10〜100μmのほぼ球状の二次粒子が
みられた。
【0054】次いで、上記スラリーを実施例1と同様に
処理せしめて得たスラリーをパルプ(叩解度SR30
゜)と該スラリーとパルプの固形分重量比を4/1とな
るように調製したものを水に均一に分散し、これをタッ
ピースタンダードマシン(目数100メッシュ)で抄造
した後、プレスし、乾燥した。
処理せしめて得たスラリーをパルプ(叩解度SR30
゜)と該スラリーとパルプの固形分重量比を4/1とな
るように調製したものを水に均一に分散し、これをタッ
ピースタンダードマシン(目数100メッシュ)で抄造
した後、プレスし、乾燥した。
【0055】得られた紙の特性は第5表の通りである。
【0056】
【表5】 実施例6 シリカフラワー68.8重量部、生石灰81.2重量
部、及び水2100重量部を混合し、これを内容積3l
の撹拌機つきオートクレーブに入れ、密閉後加熱し温度
及び内圧が200℃、15kg/cm2の飽和水上気圧
下で撹拌しながら25時間水熱反応した。反応終了後、
徐冷して常圧に戻し、オートクレーブからスラリー状の
反応生成物を取り出した。
部、及び水2100重量部を混合し、これを内容積3l
の撹拌機つきオートクレーブに入れ、密閉後加熱し温度
及び内圧が200℃、15kg/cm2の飽和水上気圧
下で撹拌しながら25時間水熱反応した。反応終了後、
徐冷して常圧に戻し、オートクレーブからスラリー状の
反応生成物を取り出した。
【0057】この反応生成物は、X線回折分析を行った
結果、トベルモライトを主体とするスラリーであること
が判明した。
結果、トベルモライトを主体とするスラリーであること
が判明した。
【0058】また、スラリーを光学顕微鏡下で観察する
と、直径が約10〜50μmのほぼ球状の二次粒子がみ
られた。
と、直径が約10〜50μmのほぼ球状の二次粒子がみ
られた。
【0059】次いで、上記スラリーを実施例1と同様に
処理せしめて得たスラリーをパルプ(叩解度SR30
゜)と該スラリーとパルプの固形分重量比を4/1とな
るように調製したものを水に均一に分散し、これをタッ
ピースタンダードマシン(目数100メッシュ)で抄造
した後、プレスし、乾燥した。
処理せしめて得たスラリーをパルプ(叩解度SR30
゜)と該スラリーとパルプの固形分重量比を4/1とな
るように調製したものを水に均一に分散し、これをタッ
ピースタンダードマシン(目数100メッシュ)で抄造
した後、プレスし、乾燥した。
【0060】得られた紙の特性は第6表の通りである。
【0061】
【表6】 比較例1 5%のホワイトカーボンスラリー(SiO2として7
1.60g)を5%の水酸化カルシウムスラリー(Ca
Oとして33.40g)を大気圧下25℃で1時間混合
した後、オートクレーブに装入し、温度200℃、圧力
15kg/cm2の飽和水上気圧下で撹拌しながら15
時間水熱反応せしめた。
1.60g)を5%の水酸化カルシウムスラリー(Ca
Oとして33.40g)を大気圧下25℃で1時間混合
した後、オートクレーブに装入し、温度200℃、圧力
15kg/cm2の飽和水上気圧下で撹拌しながら15
時間水熱反応せしめた。
【0062】上記で得られたスラリーをX線回折分析し
た結果、ジャイロライト型珪酸カルシウムであることが
確認された。
た結果、ジャイロライト型珪酸カルシウムであることが
確認された。
【0063】次いで該スラリーを乾燥後SO3濃度0.
8%の硫酸溶液に投入し、撹拌しながら1時間保持した
後、濾過水洗した。これをX線回折分析した結果、硫酸
カルシウムのピークのみが認められた。
8%の硫酸溶液に投入し、撹拌しながら1時間保持した
後、濾過水洗した。これをX線回折分析した結果、硫酸
カルシウムのピークのみが認められた。
【0064】次いで、上記で得られたスラリーと叩解度
SR30゜のパルプを固形分重量比で4/1となるよう
に調製したものを水に均一に分散させこれをタッピース
タンダードマシンで抄紙した後、プレス後乾燥した。
SR30゜のパルプを固形分重量比で4/1となるよう
に調製したものを水に均一に分散させこれをタッピース
タンダードマシンで抄紙した後、プレス後乾燥した。
【0065】この時の歩留りは63.2%であった。
【0066】得られた紙の特性は第7表の通りである。
【0067】
【表7】 比較例2 実施例1に於いて硫酸アルミニウム溶液に代えて硫酸
(SO3濃度で約0.8%)を使用し、その他は全く同
様に処理した。得られた紙の物性は次の通り。
(SO3濃度で約0.8%)を使用し、その他は全く同
様に処理した。得られた紙の物性は次の通り。
【0068】
【表8】
【図1】実施例1で得られたゾーノトライト二次粒子を
示す光学顕微鏡写真(200倍)である。
示す光学顕微鏡写真(200倍)である。
【図2】第1図に示したゾーノトライト二次粒子を構成
するゾーノトライト一次粒子を示す電子顕微鏡写真(1
万倍)である。
するゾーノトライト一次粒子を示す電子顕微鏡写真(1
万倍)である。
【図3】第1図に示すゾーノトライト二次粒子に水溶性
硫酸塩を接触させることにより得られる石膏とシリカゲ
ルから成る複合二次粒子を示す光学顕微鏡写真である。
硫酸塩を接触させることにより得られる石膏とシリカゲ
ルから成る複合二次粒子を示す光学顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 17/63
Claims (1)
- 【請求項1】 (イ)珪酸カルシウムからなる二次粒子
を水の存在下に硫酸アルミニウム及び硫酸鉄から選ばれ
た水溶性硫酸塩と接触せしめて得たシリカゲル及び石膏
の複合二次粒子の多数が繊維質物質とからまり合いなが
ら圧縮変形された状態で連結し、且つ繊維質物質の含量
が50重量%以下であって、 (ロ)上記連結状態は、曲率10mmRで紙を捲回した
場合にその表面に割れを生じないことを特徴とする紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3240153A JPH0796759B2 (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | 紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3240153A JPH0796759B2 (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | 紙 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19747581A Division JPS5898493A (ja) | 1981-12-07 | 1981-12-07 | 紙及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05106196A true JPH05106196A (ja) | 1993-04-27 |
JPH0796759B2 JPH0796759B2 (ja) | 1995-10-18 |
Family
ID=17055288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3240153A Expired - Lifetime JPH0796759B2 (ja) | 1991-06-14 | 1991-06-14 | 紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0796759B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007015874A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Ehime Univ | ハイドロキシアパタイト含有体、ハイドロキシアパタイト−ゼオライト複合体、ハイドロキシアパタイト、ハイドロキシアパタイト−酸化チタン複合体、ハイドロキシアパタイト−ゼオライト−酸化チタン複合体の製造方法および機能性繊維 |
JP4771640B2 (ja) * | 2000-01-28 | 2011-09-14 | サッピ ネザーランズ サービシーズ ビー ヴィー | 印刷物の製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS569499A (en) * | 1979-06-30 | 1981-01-30 | Tokuyama Soda Kk | Filler used in producing paper |
JPS5628640A (en) * | 1979-08-18 | 1981-03-20 | Tokuyama Soda Co Ltd | Molded product for absorbing liquid |
-
1991
- 1991-06-14 JP JP3240153A patent/JPH0796759B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS569499A (en) * | 1979-06-30 | 1981-01-30 | Tokuyama Soda Kk | Filler used in producing paper |
JPS5628640A (en) * | 1979-08-18 | 1981-03-20 | Tokuyama Soda Co Ltd | Molded product for absorbing liquid |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4771640B2 (ja) * | 2000-01-28 | 2011-09-14 | サッピ ネザーランズ サービシーズ ビー ヴィー | 印刷物の製造方法 |
JP2007015874A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Ehime Univ | ハイドロキシアパタイト含有体、ハイドロキシアパタイト−ゼオライト複合体、ハイドロキシアパタイト、ハイドロキシアパタイト−酸化チタン複合体、ハイドロキシアパタイト−ゼオライト−酸化チタン複合体の製造方法および機能性繊維 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0796759B2 (ja) | 1995-10-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4144121A (en) | Method for producing asbestos-free calcium silicate board and the board produced thereby | |
US4529653A (en) | Flexible, asbestos-free gasket material | |
US5294299A (en) | Paper, cardboard or paperboard-like material and a process for its production | |
EP0127960B1 (en) | A process for the manufacture of autoclaved fibre-reinforced shaped articles | |
JP2547008B2 (ja) | 軽量断熱ボ−ド及びその製造方法 | |
US4780180A (en) | Nonflammable paper | |
EP0166789B1 (en) | Formed article of calcium silicate and method of the preparation thereof | |
EP0047158B1 (en) | A process for the manufacture of fibre reinforced shaped articles | |
JPS6111902B2 (ja) | ||
JPH05106196A (ja) | 紙 | |
JP2571993B2 (ja) | トベルモライト結晶球状二次粒子の製造方法 | |
JPH0611958B2 (ja) | 不燃性乃至難燃性ペーパー | |
JPH0684599B2 (ja) | 珪酸カルシウム紙及びその製法 | |
US4430157A (en) | Calcined serpentine as inorganic charge in sheet materials | |
AU620470B2 (en) | Paper-like or cardboard-like raw material and process for making it | |
JPH0246718B2 (ja) | ||
JPH054480B2 (ja) | ||
JPH064955B2 (ja) | 珪酸紙及びその製法 | |
JPH11241297A (ja) | 断熱性シート | |
GB2130264A (en) | Starch-bound non-asbestos paper | |
JPH11279994A (ja) | 難燃紙 | |
JP2519075B2 (ja) | 珪酸カルシウム結晶のボ―ド | |
WO1990007472A1 (en) | Lightweight molding and production thereof | |
EP1132356A1 (en) | High temperature insulation product based on calcium silicate | |
JPH11172594A (ja) | 不燃性耐熱シート |