JP2519075B2 - 珪酸カルシウム結晶のボ―ド - Google Patents

珪酸カルシウム結晶のボ―ド

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は珪酸カルシウム結晶のボードに関する。
背景技術 日本国特許公告昭48−40896号には、ゾノトライト結
晶の二次粒子と木質繊維とから形成された珪酸カルシウ
ム結晶のボードが記されている。上記ボードはゾノトラ
イト結晶の二次粒子の水性スラリーに木質繊維を配合し
フォーミングマシンを用いて一層のウェットマットと
し、これを加熱下にプレス成形して製造されている。こ
のような方法により得られる珪酸カルシウム結晶のボー
ドは、一層のウェットマットをプレスして構成されてお
り且つ二次粒子と木質繊維とを構成成分として構成され
ている。
上記構成の珪酸カルシウム結晶のボードは、強度殊に
曲げ強度が木質繊維含量が50%をこえる木質繊維主体領
域に於てさへ不充分であり、この傾向は木質繊維含量が
少くなり珪酸カルシウム結晶の量が50%を越える結晶主
体領域では一層顕著となる。殊に珪酸カルシウム結晶の
量が80%を越える領域では強度は不満足なものとなる。
一方不燃性の見地から木質繊維量は少なければ少ない程
好ましいが、上記技術では不燃性と満足すべき大きな強
度とを同時に充足させることはできない。また上記方法
では強度ある製品を得る為には木質繊維を配合すること
が不可欠であり、木質繊維を配合することなくこれに代
えて無機質繊維を配合することを教えていない。しかも
上記ボードではボード厚が大きくなると内部及び外部に
珪酸カルシウム結晶と繊維との組成差が生じ強度的に不
均一となり、曲げ強度が低下する傾向がある。殊にこの
傾向はボードの肉厚が20mm以上になると著るしくなる。
発明の開示 本発明は機械的強度殊に曲げ強度に優れた珪酸カルシ
ウム結晶のボードを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は珪酸カルシウム結晶を主体として
含有し、木質繊維含量が少なく或いはこれに代えて無機
質繊維を含有し従って不燃性であり、しかも機械的強度
に優れた珪酸カルシウム結晶のボードを提供することを
目的とする。
本発明の他の目的は肉厚が厚くなっても内部迄均質で
優れた機械的強度を有する珪酸カルシウム結晶のボード
を提供することにある。
本発明の珪酸カルシウム結晶のボードは、珪酸カルシ
ウム結晶の二次粒子を含有し更に繊維質物質及び該二次
粒子表面部に吸着された凝集剤を含有し且つ上記二次粒
子が相互に連結して形成される厚さ2mm以下の薄葉体が
複数枚積層されて形成され、上記積層された薄葉体相互
がその表面部の珪酸カルシウム結晶二次粒子により強固
に連結され一体化されていることにより特徴付けられ
る。
本発明者の研究によれば、珪酸カルシウム結晶の二次
粒子と繊維質物質から構成される珪酸カルシウム結晶の
ボードにおいて上記二次粒子がその表面部に凝集剤を吸
着保持し、且つ該二次粒子が相互に連結して薄葉体を形
成すると共に複数の薄葉体が積層された状態で各薄葉体
表面部の二次粒子により強固に連結され一体化されるこ
とにより、珪酸カルシウム結晶が主体となっても著るし
く大きな機械的強度を有すること、木質繊維量が20重量
%よりも少なく或いはこれに代えて合成繊維や無機質繊
維が配合されても大きな機械的強度を発現すること及び
厚さが大きくなっても全体として均一で大きな機械的強
度を有することが見出された。
しかも本発明珪酸カルシウム結晶のボードは、従来公
知の石綿スレート板等と異なって低比重で高強度であ
り、釘打ち性等の加工性が良好で、表面への模様付けも
容易にできるという利点がある。
また本発明に於てボードを形成する複数の薄葉体の各
々が珪酸カルシウム結晶二次粒子、繊維質物質及び凝集
剤と共に炭素質物質、炭化物、窒化物、珪化物及び金属
酸化物の少くとも1種である不活性物質を含有するとき
は、広い温度領域殊に高温領域で高い断熱性を有するボ
ードが得られる。従って本発明ボードに上記不活性物質
を含有せしめることは本発明の好ましい実施態様であ
る。
本発明ボードを形成する珪酸カルシウム結晶の二次粒
子は、トベルモライト結晶、ゾノトライト結晶及びワラ
ストナイト結晶の二次粒子であり、これら結晶は1種の
みでなく2種以上の混合系であってもよい。上記珪酸カ
ルシウム結晶の二次粒子は、例えば特公昭53−12526
号、特開昭53−146997号の方法で製造することができ
る。即ち、珪酸原料と石灰原料とをオートクレーブ中で
撹拌しながら加圧加熱して水熱合成反応せしめることに
より製造することができる。
上記珪酸カルシウム結晶を製造するための珪酸原料は
天然無定形珪酸、珪砂、シリカゲル、シリカフラワー
(フェロシリコンダスト等)、ホワイトカーボン、珪藻
土、湿式リン酸製造プロセスで副生する珪フッ化水素酸
と水酸化アルミニウムとを反応させて得られるシリカ等
を例示できる。また石灰原料としては、生石灰、消石
灰、カーバイト滓、セメント等を例示できる。これら珪
酸及び石灰原料物質は単独でもしくは2種以上混合して
使用できる。また、珪酸原料と石灰原料のCaO/SiO2モル
比はトベルモライト結晶を合成しようとする場合は、0.
7〜0.9程度、ゾノトライト結晶を合成しようとする場合
は0.90〜1.15程度である。
上記珪酸原料と石灰原料に更に水を加えて原料スラリ
ーが調製される。この原料スラリーを調製する際の水の
量は原料スラリーの固形分に対し5重量倍以上、好まし
くは10〜50重量倍である。かくして調製された原料スラ
リーは次いで撹拌下に水熱合成反応に供される。この反
応は通常4kg/cm2以上、好ましくは6〜30kg/cm2の飽和
水蒸気圧下で、通常0.5〜20時間程度行われることによ
り珪酸カルシウム結晶二次粒子が得られる。また上記の
水熱合成反応で得られたゾノトライト結晶を更に1000℃
程度で焼成することによりその形状(二次粒子)を変化
させることなく、これを構成する結晶をβ−ワラストナ
イトとすることができる。
本発明において使用される繊維質物質としては有機質
繊維及び無機質繊維が包含される。有機質繊維としては
例えば木材パルプ、古紙パルプ、ノットカス、麻、 レーヨン等のセルロース繊維、ポリアミド、ポリエステ
ル、ビニロン、ポリオレフィン等の合成繊維を使用でき
る。また無機質繊維としては、岩綿、スラグウール、ガ
ラス繊維、シリカファイバー、セラミックファイバー、
炭素繊維、無機ウィスカー、石綿等を使用できる。これ
等繊維質物質は1種のみでなく適宜2種以上混合して使
用できる。
本発明においては珪酸カルシウム結晶を主体とし、こ
れに少量の繊維質物質を配合しても大きな強度を有する
ボードを得ることができる。従って少量の有機質繊維を
配合して不燃性に優れた高強度ボードを得ることが可能
となる。また有機質繊維を用いることなく無機質繊維の
みを配合して強度大なる不燃性ボードを得ることができ
る。繊維質物質含量は成形体中に於て2−30重量%とい
う少ない量でよく、斯かる珪酸カルシウム結晶主体領域
に於て本発明ボードは優れた強度を備えしかも製造に当
たっての抄造性も良好である。特に好ましい繊維質物質
の含有量は2〜20重量%、殊に5〜15重量%の範囲であ
る。
本発明に於て用いられる凝集剤はカチオン性凝集剤、
アニオン性凝集剤及びノニオン性凝集剤を包含する。こ
れら凝集剤は単独で或いは適宜組合わせて使用できる。
殊にカチオン性凝集剤とアニオン性凝集剤を組合わせ使
用するのが好ましい。凝集剤の使用により本発明ボード
を製造するに当り、水性が高められ効率良く抄造でき
ると共に強度あるボードを得ることが可能となる。好ま
しい凝集剤は高分子凝集剤である。カチオン性凝集剤の
具体例として、ポリエチレンイミン、ジアルキルアミン
・エピクロルヒドリン重縮合物、ポリアミドアミン・エ
ピクロルヒドリン変性物、カチオン化ポリアクリルアミ
ド等のカチオン性高分子凝集剤があげられる。またポリ
塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ソー
ダ、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等のカチオン
性無機凝集剤を用いることもできる。また、アニオン性
凝集剤の具体例として、ポリアクリル酸アンモニウム
や、ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸塩及びア
クリルアミド・アクリル酸共重合体等があげられる。ま
た、ノニオン性凝集剤の具体例として、ポリアクリルア
ミドや、ポリエチレンオキサイド等があげられる。
本発明成形体中における凝集剤の含量はカチオン性、
アニオン性又はノニオン性凝集剤を単独で配合する場合
は、1.5重量%以下好ましくは0.05〜1.0重量%であり、
またカチオン性凝集剤とアニオン性又はノニオン性凝集
剤を併用するときはカチオン性凝集剤0.05〜1.0重量%
程度アニオン性凝集剤又はノニオン性凝集剤を0.01〜1.
0重量%程度とし、且つ両者の合計添加量が1.5重量%程
度を越えないようにするのがよい。
本発明に於てこのような凝集剤の使用による効果が得
られるのは、カチオン性凝集剤又はアニオン性凝集剤或
いはノニオン性凝集剤をそれぞれ単独で使用すると、該
凝集剤が珪酸カルシウム二次粒子表面部に吸着され二次
粒子及び繊維質物質を包含凝集させるためと考えられ
る。そしてカチオン性凝集剤又はノニオン性凝集剤を併
用する場合は負の電荷をもつ珪酸カルシウム二次粒子に
カチオン性凝集剤が吸着されて正電荷に帯電し、この正
に荷電された珪酸カルシウム二次粒子を、アニオン性凝
集剤又はノニオン性凝集剤で強く接合凝集させ、これら
により、スラリー中の固形分の水性が向上するものと
考えられる。
本発明ボードは断熱性殊に高温域での断熱性を改善す
るために必要に応じ炭素物質、炭化物、窒化物、珪化物
又は金属酸化物等の不活性物質が配合され得る。上記不
活性物質としては炭素物質、炭化物、窒化物、珪化物及
び金属酸化物の少なくとも1種を使用する。具体的に
は、例えば活性炭、木炭、石炭、カーボンブラック、黒
鉛等の炭素物質、炭化珪素、炭化硼素、炭化チタン等の
炭化物、窒化珪素、窒化硼素、窒化チタン等の窒化物、
珪化カルシウム等の珪化物、酸化鉄(ヘマタイト、マグ
ネタイト等)、酸化チタン(ルチル等)、酸化錫、酸化
マンガン、酸化ジルコニウム、イルメナイト、ジルコ
ン、クロマイト、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イ
ットリウム、酸化ネオジム等の金属酸化物を挙げること
ができ、これらは1種又は2種以上混合して用いること
ができる。また、用いる不活性物質の粒径は、通常0.00
1〜120μm程度、好ましくは0.001〜100μmが適当であ
る。
本発明ボードの不活性物質含量は広い範囲に亘り得る
が通常2〜70重量%。好ましくは5〜50重量%の範囲で
ある。
本発明ボードを製造するにに当っては、先ず珪酸カル
シウム結晶の二次粒子の水性スラリーを調製する。この
水性スラリーは石炭原料と珪酸原料とを前述した如く水
熱合成反応させることにより製造できるし、また二次粒
子の粉末を水に分散させることによっても製造できる。
この水性スラリーに繊維質物質、凝集剤及び必要に応じ
不活性物質が配合される。夫々の配合量は固形分として
目的とするボード中での各成分の所望含量に一致させれ
ばよい。不活性物質は珪酸カルシウム結晶の二次粒子調
製に先立って珪酸原料と石炭原料とを含む原料スラリー
に添加し、水熱合成反応に従わしめてもよく、これによ
り不活性物質は珪酸カルシウム結晶の二次粒子と一体化
され、その結果、ボードの強度が大きなものとなる。
次いで珪酸カルシウム結晶の二次粒子、繊維質物質、
凝集剤及び必要に応じ不活性物質を含有する水性スラリ
ーを抄造する。抄造に当ってスラリー中の固形分濃度を
0.2〜3重量%程度に調製するのが望ましい。
抄造に当たっては連続式抄造(丸網式、長網式、短網
式等)やバッチ式抄造(CTC法、チャツプマン法等)の
何れでも使用できる。抄造した薄葉体を複数葉積層す
る。積層した抄造シートを次いで必要に応じカッターで
切断した後、所定厚さとなるようホットプレス等により
加熱下に加圧成形と同時に乾燥するのが好ましい。加熱
温度は150〜200℃程度が適当であり、成形圧は10〜50kg
/cm2程度が適当である。
このように積層された薄葉体シートを加熱下に加圧成
形することにより抄造された各薄葉体内に於て珪酸カシ
ルウム結晶二次粒子が相互に連結しその結果各薄葉体自
体が強度あるものとなりしかも各薄葉体表面部の珪酸カ
ルシウム結晶二次粒子が相互に連結し、その結果薄葉体
が相互に強固に一体化された強度大なるボードが得られ
る。本発明ボードの断面を70倍の光学顕微鏡で観察する
と各層は珪酸カルシウム結晶二次粒子により一体的に結
合しており各層の境界を顕微鏡的に認識することはでき
ない。
本発明ボードを形成する各薄葉体は厚さ2mm以下殊に
好ましくは0.2〜1.0mm程度であり、本発明ボードは上記
薄葉体の複数枚殊に3〜200枚が積層して一体化されて
形成される。本発明ボードは肉厚となっても内部迄均一
で大きな曲げ強度を有し、従って厚さ20mm以上の強度大
きな肉厚ボードを得ることが可能となる。
実 施 例 以下、製造例及び実施例を挙げて、更に具体的に説明
する。各例中「部」及び「%」とあるのは、特記がない
限り、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
製造例 約85℃の温水で消和した生石灰49部と珪石粉末51部
(CaO/SiO2モル比1.0)を固形分の12倍の水になるよう
に水の量を調整して原料スラリーとし、15kg/cm2の圧力
で4時間撹拌下水熱合成反応させてゾノトライト結晶の
二次粒子の水性スラリーを得た。
実施例1 ゾノトライト結晶二次粒子と繊維とを所定の割合で混
合した後更に水を加えて2.0重量%の濃度に調製した
後、カチオン製凝集剤「ポリマスターR607)(伯東化学
(株)製、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合
物)を0.1%添加し、更にアニオン製凝集剤「ポリマス
ターR623S」(伯東化学(株)製、ポリアクリルアミド
・ポリアクリル酸共重合物)を所定量添加して原料スラ
リーを調製した。
この原料スラリーを用いて短網式抄造機にて抄造を行
ない厚さ約0.7mmの生シートを抄造し更に得られた生シ
ートを30枚積層した後ホットプレスにて185℃で加熱し
ながら加圧成形して厚さ9mmの珪酸カシルウム成形板を
得た。
配合割合及び物性結果を第1表に示す。
実施例2 ゾノトライト結晶二次粒子、パルプ、ガラス繊維を所
定の割合で混合した後、更に水を加えて2.0重量%の濃
度に調製した後、高分子凝集剤を所定の割合にて添加し
て原料スラリーを調合した。
この原料スラリーに更に水を加えて濃度を0.6%(液
量5)に調製した後、過面積32cm×32cm、60メッシ
ュ金網使用のタッピングマシンを使ってシートを作成
し、水性を評価した。
更にこのようにして得られた厚さ約1mmの生シートを9
0枚積層した後実施例1と同様にして加圧成形して厚さ4
0mmの珪酸カルシウム成形板を得た。
配合割合及び成形板物性を第2表に示す。
尚比較の為に凝集剤を用いることなく上記と同様にし
て得た成形板の物性を比較例として示す。
実施例3 実施例1と同様の方法にて製造した抄造用スラリーを
用いて短網式抄造機にて抄造を行ない厚さ約0.7mmの生
シートを抄造し更に得られた生シートをメーキングロー
ルにて加圧しながら巻き取った後展開して厚さ17.5mm板
状体を得た。更にこの板状体を4層積層した後ホットプ
レスにて185℃で加熱しながら加圧成形して厚さ60mmの
珪酸カルシウム成形板を得た。
配合割合及び成形体物性を第3表に示す。
試験例1 実施例1の試料No.4の成分を用いてガラス質繊維量の
違いによる物性を調べた。比較品として、珪酸カルシウ
ム結晶(ゾノトライト結晶二次粒子)12.2%、ガラス繊
維2%、セラミック繊維85.5%及び凝集剤0.3%を配合
した。次いで、この混合物を実施例1と同様に抄造して
薄葉体を作成し、これを積層してホットプレスにて加圧
成形して厚さ9mmの成形板を得ようとしたが、プレス後
成形機から取り出した後に成形板が厚さ11.7mmまで膨ら
み、軽い成形板しか得られなかった。また、この成形板
は、シート間の結合が弱く、容易に層状に剥離するもの
であった。
得られた成形板の物性を下表に示す。なお、比較のた
め、実施例1の試料No.4と同じ組成でこの成形板と同程
度の密度・厚みにした成形板(本発明品)および上記試
料No.4の物性も併記する。
以上の結果より、上記比較品は、本発明品と密度・厚
みが同程度であるにもかかわらず、曲げ強さが著しく劣
るものであることがわかる。
これに対し、本発明品は、曲げ強度に優れ、また膨
張、層状剥離等も起こらず、優れた特性を発揮すること
がわかる。
実施例4 生石灰(CaO95%)80℃の温水中で消和して石灰乳を
得た。この石灰乳に平均粒子径7.1μmの珪石粉末(SiO
294%)をCaO/SiO2モル比が1.00となるように加え、更
に所定量の酸化チタン粉末(ルチル、平均粒子径1.2μ
m)及び水を添加して、全体の水量が固形分の12倍量と
なるように混合して原料スラリーを得た。
これを飽和蒸気圧12kg/cm2、温度191℃でオートクレ
ーブ中で回転数40r.p.m.で撹拌しながら6時間水熱合成
反応を行なって結晶スラリーを得た。
上記で得たスラリーを100℃で24時間乾燥してX線回
折分析したところゾノトライト結晶と酸化チタン粉末を
添加したものについてはルチル結晶のピークが認められ
た。
このスラリーにパルプ8%、ガラス繊維2%をそれぞ
れ混合した後、更に水を加えてスラリー濃度を2.0%に
した後カチオン性凝集剤(ポリマスターR−607)(伯
東化学(株)製)をスラリー固形分に対して0.1%添加
した後、更にアニオン性凝集剤(ポリマスターR−623
S)(伯東化学(株)製)をスラリー固形分に対して0.2
%添加した。
次いで、このスラリーに水を加えて濃度を1.0%に調
整した後、短網式抄造機を用いて抄造し、厚さ約0.7mm
の生シートを抄造し更に得られた生シートを90枚積層し
た後ホットプレスにて加圧成形して厚さ40mmの珪酸カル
シウム結晶のボードを得た。得られた成形体の物性は、
JIS A9510の方法に準じて測定し、その結果を第4表に
示す。
実施例5 実施例4において、酸化チタン粉末を添加しないこと
以外は同様の方法でゾノトライト結晶スラリーを得た。
このスラリーに所定の不活性物質を成形体中の含有量
が25%となるように添加した後、実施例1と同様にして
成形して厚さ25mmの珪酸カルシウム結晶のボードを得た
(成形体中の組成はゾノトライト二次粒子64.7%、不活
性物質25%、パルプ8%、ガラス繊維2%、カチオン性
凝集剤0.1%、アニオン性凝集剤0.2%)。
得られた成形体の物性は第5表の通りであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:30) C04B 14:30)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪酸カルシウム結晶の二次粒子を含有し更
    に繊維質物質及び該二次粒子表面部に吸着された凝集剤
    を含有し且つ上記二次粒子が相互に連結して形成される
    厚さ2mm以下の薄葉体が複数枚積層されて形成され、上
    記積層された薄葉体相互がその表面部の珪酸カルシウム
    結晶二次粒子により強固に連結され一体化され、該繊維
    質物質を2〜30重量%含有することを特徴とする珪酸カ
    ルシウム結晶のボード。
  2. 【請求項2】珪酸カルシウム結晶が、トベルモライト結
    晶、ゾノトライト結晶及び(又は)ワラストナイト結晶
    である請求の範囲第1項記載の珪酸カルシウム結晶のボ
    ード。
  3. 【請求項3】凝集剤が高分子凝集剤であることを特徴と
    する請求の範囲第1項記載の珪酸カルシウム結晶のボー
    ド。
  4. 【請求項4】高分子凝集剤がカチオン性高分子凝集剤と
    アニオン又はノニオン性高分子凝集剤であることを特徴
    とする請求の範囲第3項に記載の珪酸カルシウム結晶の
    ボード。
  5. 【請求項5】繊維質物質の含有量が2〜20重量%である
    請求の範囲第1項記載の珪酸カルシウム結晶のボード。
  6. 【請求項6】繊維質物質の含有量が5〜15重量%である
    請求の範囲第5項記載の珪酸カルシウム結晶のボード。
  7. 【請求項7】薄葉体が珪酸カルシウム結晶二次粒子、繊
    維質物質及び凝集剤と共に、更に炭素物質、炭化物、窒
    化物、珪化物及び金属酸化物の少なくとも1種である不
    活性物質を含有する請求の範囲第1項記載の珪酸カルシ
    ウム結晶のボード。
  8. 【請求項8】上記不活性物質が2〜70重量%配合されて
    いる請求の範囲第7項記載の珪酸カルシウム結晶のボー
    ド。
  9. 【請求項9】炭素物質が木炭、石炭、カーボンブラック
    及び黒鉛の少なくとも1種であり、炭化物が炭化珪素、
    炭化硼素及び炭化チタンの少なくとも1種であり、窒化
    物が窒化珪素、窒化硼素及び窒化チタンの少なくとも1
    種であり、珪化物が珪化カルシウムであり、金属酸化物
    が酸化鉄、酸化チタン、酸化錫、酸化マンガン、酸化ジ
    ルコニウム、イルメナイト、ジルコン、クロマイト、酸
    化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム及び酸化
    ネオジウムの少なくとも1種である請求の範囲第7項記
    載の珪酸カルシウム結晶のボード。
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JPS5991009A (ja) * 1982-11-17 1984-05-25 松下電工株式会社 セメント製品の製法
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