JPH0684599B2 - 珪酸カルシウム紙及びその製法 - Google Patents

珪酸カルシウム紙及びその製法

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JPH0684599B2
JPH0684599B2 JP56198052A JP19805281A JPH0684599B2 JP H0684599 B2 JPH0684599 B2 JP H0684599B2 JP 56198052 A JP56198052 A JP 56198052A JP 19805281 A JP19805281 A JP 19805281A JP H0684599 B2 JPH0684599 B2 JP H0684599B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は珪酸カルシウム紙及びその製法に関する。
紙は現在各分野に亘り広い範囲で使用されているが、そ
の難点は燃え易いということである。紙に不燃性乃至難
燃性を付与できれば更に新しい分野が開拓されるばかり
でなく、現在の使用分野でも極めて有利となる。このた
め紙として要求される諸要素を維持したままで不燃性乃
至難燃性を付与することが強く要望さている。
本発明の目的は上記要望にこたえることであって、本発
明のこの目的は、(イ)ワラストナイト族、トベルモラ
イト族、トリカルシウムシリケート水和物及びα−ダイ
カルシウムシリケート水和物の群から選ばれた珪酸カル
シウムの二次粒子が多数繊維物質と絡まり合いながら圧
縮変形された状態で連結し、 (ロ)上記珪酸カルシウムの含量が50重量%以上であっ
て、且つ有機質繊維の含量が30重量%以下であり、 (ハ)上記連結状態は、曲率10mmRで紙を捲回した場合
にその表面に割れを生ぜず、且つ (ニ)樹脂結合剤を含有しない ことを特徴とする珪酸カルシウム紙を提供することによ
って達成される。
本発明の珪酸カルシウム紙は次の各点で特徴づけられ
る。第1の特徴は、珪酸カルシウムからなる二次粒子が
多数繊維質物質とからまり合いながら圧縮変形された状
態で連結していることである。この圧縮変形された状態
としては状態二次粒子の形態がかなりはっきりと残存し
ている程度から該二次粒子が著しく圧縮変形されてほと
んど扁平化してもとの二次粒子の形をほとんど残さない
程度にまで変形された状態まで包含される。この様に本
発明の珪酸カルシウム紙に於いては、いまだ二次粒子の
形が残存した程度の変形からほとんど該二次粒子の形が
残らない程度にまで著しく圧縮変形させたものまで広い
範囲でその変形状態が含まれる。
次いで本発明の紙の第2の特徴として珪酸カルシウムの
含有量が50重量%以上且つ有機質繊維の含量が30重量%
以下であることである。本発明の紙は珪酸カルシウムが
主原料であって紙の填料として使用されているものでは
なく、その含有量も50重量%以上である点に大きな特徴
があり、繊維質物質はあくまで副原料である。また、本
発明者の研究した所によると、繊維質物質の含量が40重
量%以下特に30重量%以下になると、使用する珪酸カル
シウムの種類によって得られる紙の強度に差が生ずるこ
とが判明した。特に珪酸カルシウムがジャイロライトの
場合には得られる紙の強度が大きく低下するので、本発
明ではジャイロライトは使用しない。また珪酸カルシウ
ムがワラストナイト族のものの場合には、繊維質物質の
含量にほとんど関係なく優れた強度を有する紙が得られ
ることも併せ見出された。更に、繊維質物質として有機
質繊維を用いる時はその量を30%以下とし且つ樹脂結合
剤を用いないことにより、優れた防炎性能を発揮するこ
とを見出した。
第3番目の本発明の特徴は、樹脂結合剤を含有しないこ
とにある。従来珪酸カルシウム、アルミナシリカ等の無
機粉体を用いてシート状物を形成しようとすると、樹脂
結合剤が存在しない限り、シートを形成することは不可
能であった。然るに樹脂結合剤を使用すると得られるシ
ート状物の防炎性能は極端に低下し、防炎3級に合格す
ることは不可能となる。この事実は、特開昭56−4799号
の実施例1と同様の配合を用いて実施した比較例2の結
果から明らかである。然るに本発明者の研究によれば本
発明の紙は珪酸カルシウム結晶の二次粒子が多数繊維質
物質と絡まり合い乍ら連結しているので、樹脂結合剤が
なくとも充分な強度を有し、しかも珪酸カルシウムを主
たる成分として含有するにも拘らず、10mm捲回しても割
れを生じないという柔軟性乃至しなやかさを発現するこ
とが見出された。更に、樹脂結合剤を含まないが故に優
れた防炎性能を発揮し、有機質繊維を含むものでも防炎
3級に合格し、その量を減少させれば防炎1級にも合格
できることが見出された。
第4番目の本発明の紙の特徴として上記二次粒子と繊維
質物質との連結状態が次の点で規定されていることであ
る。先ず本発明の紙を曲率10mmRで捲回したときにその
表面に割れを生じないということである。この際の割れ
とは実質的に珪酸カルシウムの結晶または準結晶同士の
絡合した連結状態が決裂した状態を言う。この特徴は本
発明の紙の柔軟性乃至しなやかさを示している。主なる
成分が珪酸カルシウムであり、しかも樹脂結合剤を含ま
ないにも拘らず割れを生じないことは本発明者により始
めて発見された事実であり、これは二次粒子と繊維質物
質との絡み合いにより達成される。本発明の紙としては
好ましくは、更に次の特徴を有するものである。
即ち抄紙方向での裂断長が0.3Km以上であるということ
である。ここで裂断長は次の式で表わされる。
即ち本発明の紙はかなりの柔軟性乃至しなやかさを有す
る反面、ある程度の引張りに対してはかなりの抵抗力を
有し、少々の引張り力ではやぶけないことを示してい
る。
また本発明の紙は次の様な性質を有している。まずその
厚さは通常1mm以下程度であり、その坪量は400g/m2以下
である。また珪酸カルシウムが優先配向していること即
ち比較的大きな強度を保持し得る特徴がある。本発明の
紙にX線を照射し、その特定面の回折ピークの強度変化
によって珪酸カルシウム結晶の優先配向度を測定したと
ころ、その(00l)面の底面回折強度が異常に高くな
り、優先配向していることが確認された。また、この回
折強度は抄造時のロールプレスの圧力または抄き合わせ
の場合の抄き合わせ単位層の厚さによって異なるもので
あった。
尚、本発明に示すゾーノトライト系珪酸カルシウム結晶
の優先配向度(P)は次の方法で測定される。
成形体の一部を採取して微粉砕し、この微粉1gとレイク
−サイドセメント0.2gとペンタジオキサン5ccとを十分
に混合し、約80℃で加熱しながら攪拌し、溶媒を蒸発さ
せる。次に残滓を乳鉢で粉砕し、それによって無配向粉
末試料を作る。優先配向度(P)を測定しようとする成
形体から、X線が照射される特定面、例えば圧縮方向に
垂直な面を持つ別の試料を作る。
この2つの試料の(320)及び(001)面の回折強度をそ
れぞれ測定する。優先配向度(P)は なる式によって与えられる。
本発明の珪酸カルシウム紙を調製するに際しては、公知
の珪酸カルシウム結晶の二次粒子が水に分散した水性ス
ラリーに、繊維質物質を添加し、混合し、次いで得られ
る紙の中の珪酸カルシウム結晶の含有量が50重量%以上
となるように抄紙する。
本発明の紙の主原料となる珪酸カルシウムからなる二次
粒子またはこれが水に分散したスラリー自体は本出願前
すでに良く知られたものであり、例えば特公昭52-43494
号、特公昭53-12526号、特公昭53-18533号、特公昭54-4
968号、特公昭55-29952号公報に記載されたものを例示
することができる。また攪拌法以外の方法で調製された
二次粒子からなるスラリーも使用出来、例えば原料スラ
リーをオートクレーブ中で攪拌することなく水熱反応せ
しめ、必要に応じ若干粉砕したものを例示できる。これ
ら珪酸カルシウム二次粒子は原則的には珪酸カルシウム
が多数三次元的に絡合してほぼ球状の二次粒子を形成し
たものであって、その表面には珪酸カルシウムに基づく
多数のひげが突出している。
また二次粒子が主体となるかぎり珪酸カルシウムの一次
粒子が混在していてもよい。この際の珪酸カルシウムと
してはワラストナイト族、トベルモライト族、トリカル
シウムシリケート水和物及びα−ダイカルシウムシリケ
ート水和物の群から選ばれた少なくとも1種が使用され
る。
本発明者の研究によると次のことが明らかとなった。
(A)珪酸カルシウム紙の調製に際しては使用する珪酸
カルシウムの種類によって得られる紙の紙として要求さ
れる物性就中各種機械的強度が著しく異なり、上記4つ
の種類の珪酸カルシウムが特に優れた物性を示すこと。
特にジャイロライトは機械的強度が著しく低いこと。
(B)珪酸カルシウムとしては特にワラストナイト族の
ものが得られる紙の機械的強度が優れていること。
(C)得られる紙の機械的強度のバラツキ即ち一枚の紙
でも場所によって著しく強度の差が出るという難点につ
いても使用する珪酸カルシウムの種類によって左右さ
れ、特にジャイロライトを使用した場合は著しいが、上
記本発明で使用する4種の珪酸カルシウムではバラツキ
が著しく少ないこと。
従って本発明に於いては上記4種の珪酸カルシウムを使
用することを原則とし、これに依り紙としての優れた物
性を有する難燃紙が収得できる。
ワラストナイト族としてはゾーノトライト、フオシャジ
ャイト、β−ワラストナイトを、またトベルモライト族
としてはトベルモライト、CSH(I)を具体的として例
示できる。但しトベルモライトゲルは使用しない。その
他本発明に於いてはナトリウム、カルシウムシリケート
やペクトライトも使用することが出来る。
繊維質物質としては有機質繊維及び無機質繊維の1種ま
たは2種以上が使用され、前者としては、セルロース繊
維の他のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンの
如き各種合成繊維が、また後者としてはグラスファイバ
ー、岩綿、石綿、シリカファイバー、セラミックファイ
バー、炭素繊維、無機ウイスカー等を例示できる。
この場合、繊維質物質として有機質繊維を用いる場合
は、その含量が30重量%以下となるように添加する。有
機質繊維の含量が30重量%を超えると難燃性が低下し、
十分な防炎性能を発揮できなくなる。尚、無機質繊維の
含量は50重量%以下であればよい。
繊維質物質を該珪酸カルシウム結晶スラリーに添加する
に際しては、該繊維を水に懸濁し、就中有機繊維の場合
は好ましくはこれを叩解してフイブリル化した後に添加
する。
抄紙操作、条件等は、従来から使用されてきた操作、条
件等をそのまま採用できる。また、樹脂結合剤は防炎性
能の見地より全く使用しない。尚、樹脂結合剤以外の添
加剤、例えば定着剤、撥水剤、難燃剤等の通常紙の製造
において用いられる添加剤は、紙の防炎性能を失わない
範囲内で用いることは可能である。
本発明の製法に於いては、上記珪酸カルシウムの二次粒
子を原料として使用するので、この粒子の大きな表面積
に基づく接触面積の大きいことが、繊維質物質の混抄を
極めて容易となし、珪酸カルシウム結晶が繊維質物質と
分離して沈澱することもなく、その結果得られた紙の地
合いが均一となる利点がある。また本発明製法に於いて
抄紙後カレンダー処理を行うと平滑で緻密な紙となり、
更にスーパーカレンダー掛けを行うことにより表面に光
沢を付与出来美しい紙とすることが出来る。
本発明の珪酸カルシウム紙は不燃性乃至難燃性並びに防
災性に優れるだけでなく、吸着性、断熱性、電気絶縁
性、加工性に優れているので、従来から使用されている
難燃防災壁紙、天井材、ハニカムコア材、クッションフ
ロア材、工業用断熱材、パッキング材、電気絶縁材、空
調熱交換器用エレメント、ガス吸着シート等の用途にも
有効に使用出来る。
実施例1 シリカフラワー52.6重量部、生石灰47.4重量部、水2000
重量部を混合し、これを内容積3lの攪拌機つきオートク
レーブに入れ、密閉後加熱し、温度及び内圧が191℃、1
2kg/cm2の飽和水蒸気圧下で攪拌しながら8時間水熱反
応した。反応終了後、徐冷して常圧に戻し、オートクレ
ーブからスラリー状の反応生成物をとり出した。
この反応生成物は、X線回折分析を行なった結果、ゾー
ノトライト結晶(6CaO・6SiO2・H2O)を主とする結晶
であることがわかった。また、この生成物をよく分散さ
せて電子顕微鏡下で観察したところ約0.03〜0.3μmの
幅約1〜20μmの長さの多数の針状結晶がみられた。
また、スラリーを分散させずにそのまま走査顕微鏡下又
は光学顕微鏡下で観察すると、直径が約25〜50μmでそ
の周辺が鞠藻状の球状二次粒子がみられた。
叩解(叩解度SR30°)したセルロース繊維(以下パルプ
という)または分散したグラスファイバーと上記したゾ
ーノトライトスラリーを水に均一に分散し、これをタッ
ピースタンダードマシン(目数100メッシュ)で抄造し
紙を形成した後、これを28kg/cm2の圧力でプレスし、乾
燥した。
得られた紙の特性は第1表乃至第4表の通りである。
なお、難燃性試験方法はJISA1322のメッケルバーナー法
に準拠し、加熱時間を3分間として炭化長、残炎、残塵
を測定し合否を測定した。また、巻き付け試験法は、JI
S,P−8125(こわさ試験)の紙試験法を応用した。即
ち、直径10mmのステンレス鋼製パイプにサンプル紙(15
mm×150mm)の端部を両面粘着テープで貼り付け、もう
一方の端部をクリッフに挟み、そこに重さ100gの重りを
付けた後、パイプを回転させながらサンプル紙を巻き付
け、その場合の紙の表面の割れ状態を肉眼で観察するこ
とにより評価した。試験は紙の表裏について行なった。
評価基準は、Aが試験前後において紙の表面に変化がな
いもの、Bが若干変化が生じるが復元するもの、Cが紙
の表面に割れが生じたものをそれぞれ示す。
実施例2 実施例1で製造したゾーノトライト結晶スラリーとセラ
ミックファイバー、ロックウール及びグラスファイバー
を水に均一に分散し、これをタッピースタンダードマシ
ンを用いて抄造し、紙を形成した後、これを28kg/cm2
圧力でプレスし、乾燥した。なおNo.17の紙にアルミナ
ゾル5%溶液を表面に噴霧した後110℃の温度下で28kg/
cm2の圧下でプレスしたものをNo.18に示す。得られた紙
の特性は第5表の通りである。
実施例3 生石灰48重量部、珪石粉52重量部及び水1200重量部を混
合した後オートクレーブに入れ200℃、15kg/cm2の飽和
水蒸気圧下で5hr攪拌しながら水熱反応した。反応終了
後徐冷してオートクレーブからスラリー状の反応生成物
をとり出した。
この反応生成物はX線回折分析を行なった結果、ゾーノ
トライト結晶を主とする結晶であることがわかった。ま
た、この生成物をよく分散させて電子顕微鏡下で観察し
たところ、幅約0.03〜0.5μm、長さ約1〜20μmの多
数の貼り状結晶がみられた。また、スラリーを分散させ
ずにそのまま走査電子顕微鏡下または光学顕微鏡下で観
察すると大多数は直径が25〜100μmでその周辺がマリ
藻状の球状二次粒子がみられた。ポリエステル系合成パ
ルプまたは叩解(叩解度SR30°)したパルプと上記のゾ
ーノトライトスラリーとを水に均一に分散し、これをタ
ッピースタンダードマシン(目数100メッシュ)で抄造
し、紙を形成した後これを28kg/cm2の圧力でプレスし乾
燥した。得られた紙の特性及び優先配向度は第6表の通
りである。尚、No.22及び24はさらにスーパーカレンダ
ー処理したものである。得られた紙の物性は実施例1と
同様に測定した。
実施例4 実施例1と同様の条件で製造したゾーノトライト型結晶
構造を有する珪酸カルシウムに二次粒子を水に分散して
濃度約3重量%のスラリーとした。濃度約3重量%のポ
リエステルフイブリッドを珪酸カルシウムスラリーに配
合し、珪酸カルシウムとポリエステルフイブリッドとの
重量比が7:3、6:4、5:5の混合スラリーを3種類調製し
た。それぞれの混合スラリーは長網抄紙機を用いて紙に
抄造した。抄速は50m/minスライス上の紙料濃度は約0.2
重量%とし、スライス前で、非イオン性高分子凝集剤
(三洋化成、サンフロックN−OP)を珪酸カルシウム及
びポリエステルフイブリッドに対して0.07重量%を添加
した。抄紙結果を第10表に掲げる。尚No.27はNo.26をス
ーパーカレンダー処理したものである。
実施例5 珪石粉100.6重量部、生石灰74.4重量部、及び水2100重
量部を混合し、これを内容積3lの攪拌機つきオートクレ
ーブに入れ、密閉後加熱し温度及び内圧が191℃、12kg/
cm2の飽和水蒸気圧下で攪拌しながら5時間水熱反応し
た。反応終了後、徐冷して常圧に戻し、オートクレーブ
からスラリー状の反応生成物をとり出した。
この反応生成物は、X線回折分析を行った結果、トベル
モライトを主体とするスラリーであることが判明した。
また、スラリーをそのまま走査型電子顕微鏡下又は光学
顕微鏡下で観察すると、直径が10〜100μmのほぼ球状
の二次粒子がみられた。
次いで、上記スラリーとパルプ(叩解度SR30°)を水に
均一に分散し、これをタツピースタンダードマシン(目
数100メッシュ)で抄造した後、プレスし、乾燥した。
得られた紙の特性は第8表の通りである。
実施例6 シリカフラワー68.8重量部、生石灰81.2重量部及び水21
00重量部を混合し、これを内容積3lの攪拌機つきオート
クレーブに入れ、密閉後加熱し温度及び内圧が200℃、1
5kg/cm2の飽和水蒸気圧下で攪拌しながら25時間水熱反
応した。反応終了後、徐冷して常圧に戻し、オートクレ
ーブからスラリー状の反応生成物をとり出した。
この反応生成物は、X線回折分析を行った結果、フォシ
ャジャイトを主体とするスラリーであることが判明し
た。
また、スラリーをそのまま走査型電子顕微鏡下又は光学
顕微鏡下で観察すると、直径が10〜50μmのほぼ球状の
二次粒子がみられた。
次いで、上記スラリーとパルプ(叩解度SR30°)を水に
均一に分散し、これをタツピースタンダードマシン(目
数100メッシュ)で抄造した後、プレスし、乾燥した。
得られた紙の特性は第9表の通りである。
実施例7 珪石粉91.0重量部、生石灰84.0重量部及び水2100重量部
を混合し、これを内容積3lのオートクレーブに入れ、密
閉後加熱し温度及び内圧が191℃、12kg/cm2の飽和水蒸
気圧8時間水熱反応した。反応終了後、徐冷して常圧に
戻し、オートクレーブからスラリー状の反応生成物をと
り出した。
この反応生成物は、X線回折分析を行った結果、ゾーノ
トライトを主体とするスラリーであることが判明した。
また、スラリーをそのまま走査型電子顕微鏡下又は光学
顕微鏡下で観察すると、直径が10〜80μmのほぼ球状の
二次粒子がみられた。
次いで、上記スラリーとパルプ(叩解度SR30°)を水に
均一に分散し、これをタツピースタンダードマシン(目
数100メッシュ)で抄造した後、プレスし、乾燥した。
得られた紙の特性は第10表のとおりである。
比較例1 5%のホワイトカーボンスラリー(SiO2として71.60g)
と5%の水酸化カルシウムスラリー(CaOとして33.40
g)を大気圧下25℃で1時間混合した後、オートクレー
ブに装入し、温度200℃、圧力15kg/cm2の飽和水蒸気圧
下で攪拌し乍ら15時間水熱反応せしめた。
上記で得られたスラリーをX線回折分析した結果、ジャ
イロライト型珪酸カルシウムであることが確認された。
次いで上記スラリーとパルプ(叩解度SR30°)を水に均
一に分散し、これをタッピースタンダードマシン(目数
100メッシュ)で抄造した後プレスし、乾燥した。
得られた紙の特性は第15表の通りである。
比較例2 下記の原料を用い、実施例と同様にして紙を製造した。
原料配合 主原料粉体 硅藻土 40重量部 ゼオライト 10重量部 珪酸及び酸化カルシウム 10重量部 補 強 材 晒クラフト 20重量部 ガラス繊維 10重量部 ビニロン糸繊維 10重量部 結 合 剤 PVA 2重量部 SBR 15重量部 定 着 剤 熱硬化性樹脂 2重量部 ポリアクリルアミド 1重量部 硫酸磐土 3重量部 アニオン系高分子凝集剤 微量 カチオン系高分子凝集剤 微量 なお、硅藻土、ゼオライト、珪酸及び酸化カルシウムは
350メッシュ通過のもので5〜20ミクロンの主要分布を
もつものを用いた。珪酸はSiO2純度98%の珪石粉を、酸
化カルシウムはCaO純度95%の生石灰を供給源として用
いた。晒クラフトは叩解度23°Rのものを使用した。ガ
ラス繊維は6mmカット長のマイクロガラス(日本板ガラ
ス(株)製)を、ビニロン糸繊維は3mmカット長の「VPB
105−1」(クラレ(株)製)を用いた。PVAは「ゴウセ
ノール」(日本合成化学工業(株)製)を、SBRは「LX
−432A」(日本ゼオン(株)製)を用いた。熱硬化性樹
脂はエポキシ樹脂「ポリフィックス301」(昭和高分子
(株)製)を、ポリアクリルアミドは「ポリストロン11
7」(荒川化学工業(株)製)を用いた。アニオン系及
びカチオン系高分子凝集剤は、「ファイレックスRC−10
4」及び「ファイレックスM」(明成化学工業(株)
製)をそれぞれ用いた。
次に、得られた紙の特性について調べた。その結果を下
記に示す。
坪量(g/m2) 240 厚み(mm) 0.533 密度(g/cm3) 0.450 引張強度(kg/15mm) 3.75 防炎試験 炎を上げて燃焼 この結果より、上記で得られた紙は、樹脂結合剤を含有
するので、難燃性に欠け、防炎試験に耐え得るものでは
ないことが明らかである。
比較例3 結合剤を用いない以外は、比較例2と同様にして紙を製
造した。得られた紙の特性を下記に示す。
坪量(g/m2) 222 厚み(mm) 0.587 密度(g/cm3) 0.378 引張強度(kg/15mm) 0.74 防炎試験 防炎2級 また、この紙を曲率10mmRで捲回したところ、その表面
に割れが生じた。
この結果より、結合剤を添加しない場合には、難燃性は
達成できるものの、強度及び捲回性において紙としての
特性を発現しなくなることが明らかである。
試験例1 各実施例及び比較例1で得られた紙について巻き付け試
験を行なった。その結果を第12表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−4799(JP,A) 特公 昭53−18533(JP,B1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)ワラストナイト族、トベルモライト
    族、トリカルシウムシリケート水和物及びα−ダイカル
    シウムシリケート水和物の群から選ばれた珪酸カルシウ
    ムの二次粒子が多数繊維物質と絡まり合いながら圧縮変
    形された状態で連結し、 (ロ)上記珪酸カルシウムの含量が50重量%以上であっ
    て、且つ有機質繊維の含量が30重量%以下であり、 (ハ)上記連結状態は、曲率10mmRで紙を捲回した場合
    にその表面に割れを生ぜず、且つ (ニ)樹脂結合剤を含有しない ことを特徴とする珪酸カルシウム紙。
  2. 【請求項2】珪酸カルシウムが、ワラストナイト族珪酸
    カルシウムである特許請求の範囲第1項記載の珪酸カル
    シウム紙。
  3. 【請求項3】ワラストナイト族、トベルモライト族、ト
    リカルシウムシリケート水和物及びα−ダイカルシウム
    シリケート水和物の群から選ばれた珪酸カルシウムから
    なる二次粒子を多数水に分散した水性スラリーと繊維質
    物質との混合物を、該珪酸カルシウムが50重量%以上と
    なるように抄造することを特徴とする珪酸カルシウム紙
    の製法。
JP56198052A 1981-12-08 1981-12-08 珪酸カルシウム紙及びその製法 Expired - Lifetime JPH0684599B2 (ja)

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JP56198052A JPH0684599B2 (ja) 1981-12-08 1981-12-08 珪酸カルシウム紙及びその製法

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