JPH0510596Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、植物の傾倒防止用やトンネルハウス
のフイルム材支持用等に利用される農園芸用支柱
に関する。

〔従来の技術〕

従来の農園芸用支柱は鋼管や鋼棒を合成樹脂被
覆層で覆つてあり、曲げ剛性の大きいものであつ
た。

また、従来は、トンネルハウスのフイルム材を
支持するために上記農園芸用支柱をアーチ形状に
曲げて使用していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述のように従来の農園芸用支柱は曲げ剛性が
大きかつたため、トンネルハウスのフイルム材を
支持するための農園芸用支柱（以下、トンネル支
柱という。）には比較的曲げやすい細目の農園芸
用支柱が用いられていた。しかしながら、農園芸
用支柱は細いほど剛性が小さくて曲げやすいもの
であるけれども、その反面で強固でかつ安定した
支持状態を得にくくなる。この点を考慮し、従来
ではトンネル支柱の設置間隔を狭くして必要な支
持強度を得ていたため、多数のトンネル支柱が必
要になるという問題があつた。

また、従来の農園芸用支柱をトンネル支柱とし
て使用した場合、それを再びまつすぐに延ばすこ
とが困難で手間がかかるため、農閑期等のトンネ
ル支柱の不使用時にはアーチ形状のトンネル支柱
をそのままの形状で保管することを余儀無くされ
て広い保管スペースが必要になり、保管スペース
を有効利用しにくいという問題があつた。

本考案はこれらの問題に鑑みてなされたもの
で、アーチ形状のその他の種々の形状に屈伸させ
やすいものでありながら、トンネルハウスのフイ
ルム材等を支持させるときの支持強度が高く、し
かも支持状態が安定する農園芸用支柱を提供する
ことを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の農園芸用支柱は、芯材が合成樹脂被覆
層により覆われてなる農園芸用支柱において、上
記芯材が長尺の帯板材をその幅方向の端部をラツ
プさせた状態で螺旋状に巻回することにより構成
された屈伸可能な棒状体よりなるものである。

〔作用〕

本考案の農園芸用支柱は、人力で曲げ方向の力
を加えると、芯材における帯板材のラツプ箇所が
位置ずれすることと、合成樹脂被覆層が多少の伸
縮を有することにより、太いか細いかに関係なく
容易にアーチ形状やその他の形状に曲げられる。
また、一旦曲げた農園芸用支柱をまつすぐに延ば
すことも容易である。

〔実施例〕

第１図は本考案の実施例による農園芸用支柱Ａ
を示す一部破断側面図で、１は芯材、２は合成樹
脂被覆層であつて、芯材１が合成樹脂被覆層２に
より覆われている。芯材１は長尺の帯板材を螺旋
状に巻回することにより構成された棒状体よりな
る。この棒状体の具体的構成としては、帯板材を
その幅方向の端部をラツプさせた状態で螺旋状に
巻回しただけのもの、或いは第２図のように幅方
向の一端部と他端部を互いに反対方向に折り曲げ
ることによつて形成された全長に亘る係止条３，
４を具備する帯板材を上記のように幅方向の端部
をラツプさせた状態で巻回すると共に、これらの
係止条３，４を互いにがたつきを持たせて噛み合
わせたもの等を採用でき、第２図の構成にした場
合には、農園芸用支柱Ａが曲げられたとき、即ち
芯材１が曲げられたときに係止条３，４同士が係
合して帯板材のラツプ部分が離反することが防止
され、その結果、合成樹脂被覆材２の伸長部分が
引きちぎられることが未然に防止される利点があ
る。

合成樹脂被覆層２にはポリ塩化ビニル樹脂やポ
リエチレン樹脂等の成形可能な熱可塑性樹脂を好
適に用いることができる。また、合成樹脂被覆層
２は上記棒状体をこれらの合成樹脂と共に押出成
形ダイを通して引き出すことにより連続成形され
るが、他の方法、例えば溶融合成樹脂中に上記棒
状体をデイツピングすることにより形成してもよ
い。なお、芯材１と合成樹脂被覆層２とは好まし
くは接着材を介して接着される。

以上説明した農園芸用支柱Ａは人力で曲げ方向
の力を加えると、芯材１における帯板材のラツプ
箇所が位置ずれすることと、合成樹脂被覆層２が
合成樹脂の特質によつて伸縮することにより容易
に折れ曲がる。

第１図で説明した農園芸用支柱Ａはその両端部
にキヤツプ１０，１１が具備されている。このよ
うな支柱Ａは例えばアーチ形状ないし弓形に曲げ
ることによりトンネル支柱として使える。

また、第３図に示すように上記キヤツプ１０，
１１の双方又はいずれか一方に代えてジヨイント
５，６，７を具備させておけば、それらを利用し
て農園芸用支柱Ａ，Ａ同士、或いは農園芸用支柱
Ａ，Ａと従来の農園芸用支柱とを簡単に連結する
ことが可能になる。そのため、例えば第３図のよ
うに本考案の農園芸用支柱Ａ，Ａを連結すると共
に、アーチ形状に折れ曲げ、それらの農園芸用支
柱Ａ，Ａのそれぞれの端部に従来のまつすぐな農
園芸用支柱Ｂ，Ｂを連結することによつて、まつ
すぐな脚部を有するアーチを構成することも可能
である。このようなアーチは例えば菊をアーチ形
に造形するときなどに好適に使用できる。

なお、合成樹脂被覆層２に竹類に見られる節目
を付けたり凹凸を付けたりすることは必要に応じ
て実施される。

〔考案の効果〕

本考案の農園芸用支柱は、太さに関係なく容易
にアーチ形状やその他の種々の形状に容易に曲げ
ることができるため、例えば太いものをトンネル
支柱として用いることにより少ない本数で強固か
つ安定した支持状態が得られる利点がある。ま
た、一旦曲げたものを再びまつすぐに延ばすこと
も容易であるため、農閑期等の不使用時にはそれ
をまつすぐに延ばして保管できるようになり、保
管スペースが狭くて済む。このことにより保管ス
ペースを有効利用しやすくなる利点がある。その
ほか、芯材は長尺の帯板材を螺旋状に巻回するこ
とにより構成された屈伸可能な棒状体よりなり、
芯材自体の構成が簡単であるために安価に製作で
きる利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例による農園芸用支柱の
一部破断側面図、第２図は要部の拡大断面図、第
３図は使用例の側面図である。 １……芯材、２……合成樹脂被覆層、Ａ……農
園芸用支柱。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 芯材が合成樹脂被覆層により覆われてなる農園
   芸用支柱において、 上記芯材が長尺の帯板材をその幅方向の端部を
   ラツプさせた状態で螺旋状に巻回することにより
   構成された屈伸可能な棒状体よりなることを特徴
   とする農園芸用支柱。