JPH05104735A - インクカ−トリツジ、インク受給部、及びインク供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクカートリッジからのインクの漏れが少
なくかつインクカートリッジの多数回の脱着に耐え得る
インクカートリッジ、インク受給部、及びインク供給装
置を提供する。 【構成】 インクカートリッジ２０は、インクを含浸す
るための多孔質部材２４を内蔵したハウジング２３と、
このハウジング２３に設けられたインク吐出口２７と、
多孔質部材２４と接触してインク吐出口２７に設けられ
ており多孔質部材２４より高密度の多孔質部材又は繊維
束部材２６とを備えている。インク受給部２１は、一端
が記録ヘッド２２のノズルに連通しており他端が上述の
インクカ−トリッジ２０に連通すべく開口したインク通
路３６と、このインク通路３６内に設けられ高密度の多
孔質部材又は繊維束部材２６に接触するための弾性多孔
質部材３３と、この弾性多孔質部材３３の内側のインク
通路内に設けられておりインクのみを通過させるフィル
タ部材３４とを備えている

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録ヘッ
ド用のインクカートリッジ、インク受給部、及びインク
供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ワードプロセッサ、パーソナルコンピュ
ータ等の電子機器の出力装置として、インクジェット式
の記録ヘッドを設けたプリンタが知られている。この種
の記録ヘッドの中には、脱着式のインクカートリッジを
使用するものがある。

【０００３】図２はこの種の従来のインク供給装置及び
インクジェット記録ヘッド部分を示す概略説明図であ
る。

【０００４】同図において、１０はインク供給装置の一
部である脱着式のインクカ−トリッジ、１１はこれもイ
ンク供給装置の一部であり固定位置に設けられたインク
受給部、１２はインクジェット記録ヘッドをそれぞれ示
している。インクジェット記録ヘッド１２はインクタン
ク１３に連結されており、このインクジェット記録ヘッ
ド１２及びインクタンク１３はキャリッジ１４上に設け
られている。なお、同図において、１５はプラテンを示
している。インクタンク１３は、チューブ１６を介して
インク受給部１１内の中空針１７に連通している。

【０００５】インクカ−トリッジ１０内のインク袋１８
にはインクが充填されており、インクカ−トリッジ１０
をインク受給部１１へ取り付ける場合は、その中空針１
７を針挿入ゴム部１９へ挿入せしめてインク袋１８とイ
ンクタンク１３とを連通させる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述したごとき従来技
術では、インク袋にインク液を収納しているため、イン
クカートリッジのシールが困難であった。特に、針挿入
ゴム部からインク液の漏れる恐れがあり、中空針をこの
針挿入ゴム部に再挿入した場合にその漏れが著しくな
る。このため、カートリッジの脱着回数に限度が生じて
しまう。また、インクカートリッジを一度装着した後取
り外すと、中空針を挿入した部分に穴が生じてここから
インク漏れが発生してしまう。

【０００７】また、従来技術ではキャリッジ上にインク
タンクを設けているため、特に多色印字を行う場合にキ
ャリッジ上の部材の形状がかなり大きくなり、それに伴
ってキャリッジ駆動用に多大の電気容量を確保する必要
がありコストアップにもつながる。

【０００８】従って本発明は、インクカートリッジから
のインクの漏れが少なくかつインクカートリッジの多数
回の脱着に耐え得るインクカートリッジ、インク受給
部、及びインク供給装置を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本願の第１の発明によれ
ば、インクを含浸するための多孔質部材を内蔵したハウ
ジングと、このハウジングに設けられたインク吐出口
と、多孔質部材と接触してインク吐出口に設けられてお
り多孔質部材より高密度の多孔質部材又は繊維束部材と
を備えたインクカートリッジが提供される。

【００１０】本願の第２の発明によれば、一端が記録ヘ
ッドのノズルに連通しており他端が上述のインクカ−ト
リッジに連通すべく開口したインク通路と、このインク
通路内に設けられ高密度の多孔質部材又は繊維束部材に
接触するための弾性多孔質部材と、この弾性多孔質部材
の内側のインク通路内に設けられておりインクのみを通
過させるフィルタ部材とを備えたインク受給部が提供さ
れる。

【００１１】本願の第３の発明によれば、一端が記録ヘ
ッドのノズルに連通しており他端が上述のインクカ−ト
リッジに連通してそれぞれ構成されたインク通路と、こ
のインク通路内に設けられ高密度の多孔質部材又は繊維
束部材に接触する弾性多孔質部材と、この弾性多孔質部
材の内側のインク通路内に設けられておりインクのみを
通過させるフィルタ部材とを備えたインク供給装置が提
供される。

【００１２】

【作用】インクカ−トリッジ内の多孔質部材に含浸され
たインクは、多孔質部材と接触したこの多孔質部材より
高密度の多孔質部材又は繊維束部材を通ってインク受給
部側へ供給される。インク受給部内において、インク
は、上述の多孔質部材又は繊維束部材に接触した弾性多
孔質部材からフィルタ部材を通過して記録ヘッド側へ送
られる。

【００１３】

【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明する。

【００１４】図１は本発明の一実施例であるオンデマン
ド式インクジェットプリンタにおける脱着可能なインク
カ−トリッジ２０とこのインクカ−トリッジ２０が装着
されるインク受給部２１とインクジェット記録ヘッド２
２とを示す断面図である。

【００１５】同図に示すように、インクカートリッジ２
０は、例えば樹脂製のハウジング２３を備えており、こ
のハウジング２３の内部にインクを適量含浸した多孔質
部材２４が充填されている。多孔質部材２４は、毛細管
経路が複雑に入り組んでいる部材であり、例えばポリエ
ステル又は他の材質のスポンジもしくはフェルトのよう
に液体を含浸しやすい部材で形成されている。

【００１６】ハウジング２３の一面、例えば図において
下面にはインクの吐出口２５が設けられており、この吐
出口２５内には多孔質部材２４より高密度の繊維束部材
２６が多孔質部材２４の下面に接触して設けられてい
る。繊維束部材２６は、複数のプラスチックファイバ、
グラスファイバ、又は金属線等の線状の部材を帯状に束
ねて構成されている。このように複数の線状の部材が束
ねられることにより線状の部材間に毛細管経路が形成さ
れている。繊維束部材２６の代りに同様の毛細管機能を
有する高密度の多孔質部材を用いてもよい。

【００１７】吐出口２５の外側周囲には汚れ防止用のガ
ード２７が設けられている。また、ハウジング２３の上
部には、エア導入穴２８及びエア導入リブ２９が設けら
れている。

【００１８】インクカ−トリッジ２０が装着されるイン
ク受給部２１は、固定位置に設けられており、カートリ
ッジベース部３０とその上に載置固着されるホルダ部３
１とを具備している。ホルダ部３１にはインクカートリ
ッジ２０からインクを受け取る受給口３２が設けられて
おり、この受給口３２内には弾性多孔質部材３３が設け
られている。インクカートリッジ２０が装着された場
合、その繊維束部材２６の先端面がこの弾性多孔質部材
３３に接触してこれを押圧するように構成されている。

【００１９】受給口３２内の弾性多孔質部材３３の後側
には、気泡やほこりの通過を阻止するための例えば多細
孔体によるフィルタ部材３４が取り付けられている。こ
のフィルタ部材３４は、ホルダ部３１の肩部とカートリ
ッジベース部３０の端部上のパッキン３５とによって挟
持されており、カートリッジベース部３０内のインク通
路３６は気泡やほこりから隔離されている。このインク
通路３６はインク搬送用チューブ３７を介してインクジ
ェット記録ヘッド２２側に連通している。上述のフィル
タ部材３４を構成する多細孔体は、インクが通過可能な
網状の部材であり、例えばポリエステル等の樹脂、ステ
ンレス、又はガラス等の繊維を布状に織って形成されて
いる。

【００２０】インクジェット記録ヘッド２２は、キャリ
ッジ３８上に設けられている。本実施例においてインク
タンクは設けられておらず、圧電アクチュエータ３９に
よって吐出駆動されるインクの存在するインク室４０
は、チューブ振動によるインク衝撃波吸収用のフィルタ
部材４１を介して直接的にチューブ３７と連通してお
り、さらにこのチューブ３７を介してインク受給部２１
のインク通路３６と連通している。

【００２１】インクカートリッジ２０が装着された状態
でインクジェット記録ヘッド２２の圧電アクチュエータ
３９に電圧が印加されインク室４０が駆動されると、イ
ンクカートリッジ２０内の多孔質部材２４に含浸されて
いるインクは、多孔質部材２４→繊維束部材２６→弾性
多孔質部材３３→フィルタ部材３４→インク通路３６→
インク搬送用チューブ３７→フィルタ部材４１→インク
室４０へと吸引される。

【００２２】このように、従来技術のごとくインクカー
トリッジにインク液のみを入れたカートリッジと異な
り、含浸インク多孔質部材２４とこれより高密度の繊維
束部材２６とをインクカートリッジ２０内に設けている
ため、カートリッジからのインク漏れを防止でき、従来
のインクカートリッジで最も大きな問題であったインク
漏れによる汚れを解消することができる。また、インク
漏れがなくなるため、カートリッジの吐出口のシールが
不要となり、さらにインク袋がいらないため構造が簡単
となり製造コストも低減化することができる。

【００２３】インクカートリッジ２０が装着されるイン
ク受給部２１に弾性多孔質部材３３及びフィルタ部材３
４が設けられていため、カートリッジからのインクの受
給がよりスムーズとなり、また、カートリッジ２０を何
回でも脱着することができて取扱いが非常に便利であ
る。

【００２４】インクジェット記録ヘッド２２にインクタ
ンクを設けずに構成しているため、キャリッジ３８上の
構造を大幅に小型化できる。これは特に多色インクを使
用する場合に極めて有利である。

【００２５】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、インクカートリッジがインクを含浸するための多孔
質部材を内蔵したハウジングと、このハウジングに設け
られたインク吐出口と、多孔質部材と接触してインク吐
出口に設けられており多孔質部材より高密度の多孔質部
材又は繊維束部材とを備えており、また、インク受給部
が一端が記録ヘッドのノズルに連通しており他端が上述
のインクカ−トリッジに連通すべく開口したインク通路
と、このインク通路内に設けられ高密度の多孔質部材又
は繊維束部材に接触するための弾性多孔質部材と、この
弾性多孔質部材の内側のインク通路内に設けられており
インクのみを通過させるフィルタ部材とを備えているた
め、さらに、インク供給装置が一端が記録ヘッドのノズ
ルに連通しており他端が上述のインクカ−トリッジに連
通してそれぞれ構成されたインク通路と、このインク通
路内に設けられ高密度の多孔質部材又は繊維束部材に接
触する弾性多孔質部材と、この弾性多孔質部材の内側の
インク通路内に設けられておりインクのみを通過させる
フィルタ部材とを備えているため、インクカートリッジ
からのインクの漏れが少なくかつインクカートリッジの
多数回の脱着に耐え得るインクカートリッジ、インク受
給部、及びインク供給装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるインクカ−トリッジ
とインク受給部とインクジェット記録ヘッドとを示す断
面図である。

【図２】従来のインク供給装置及びインクジェット記録
ヘッド部分を示す概略説明図である。

【符号の説明】

２０ インクカ−トリッジ ２１ インク受給部 ２２ インクジェット記録ヘッド ２３ ハウジング ２４ 多孔質部材 ２５ 吐出口 ２６ 繊維束部材 ２７ 汚れ防止用のガード ２８ エア導入穴 ２９ エア導入リブ ３０ カートリッジベース部 ３１ ホルダ部 ３２ 受給口 ３３ 弾性多孔質部材 ３４ フィルタ部材 ３５ パッキン ３６ インク通路 ３７ インク搬送用チューブ ３８ キャリッジ ３９ 圧電アクチュエータ ４０ インク室 ４１ インク衝撃波吸収用のフィルタ部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクを含浸するための多孔質部材を内
   蔵したハウジングと、該ハウジングに設けられたインク
   吐出口と、前記多孔質部材と接触して前記インク吐出口
   に設けられており前記多孔質部材より高密度の多孔質部
   材又は繊維束部材とを備えたことを特徴とするインクカ
   ートリッジ。
2. 【請求項２】 一端が記録ヘッドのノズルに連通してお
   り他端が請求項１に記載のインクカ−トリッジに連通す
   べく開口したインク通路と、該インク通路内に設けられ
   前記高密度の多孔質部材又は繊維束部材に接触するため
   の弾性多孔質部材と、該弾性多孔質部材の内側の前記イ
   ンク通路内に設けられておりインクのみを通過させるフ
   ィルタ部材とを備えたことを特徴とするインク受給部。
3. 【請求項３】 一端が記録ヘッドのノズルに連通してお
   り他端が請求項１に記載のインクカ−トリッジに連通し
   てそれぞれ構成されたインク通路と、該インク通路内に
   設けられ前記高密度の多孔質部材又は繊維束部材に接触
   する弾性多孔質部材と、該弾性多孔質部材の内側の前記
   インク通路内に設けられておりインクのみを通過させる
   フィルタ部材とを備えたことを特徴とするインク供給装
   置。