JP3171105B2 - プリンタおよびインクタンク - Google Patents

プリンタおよびインクタンク

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JP3171105B2
JP3171105B2 JP12007596A JP12007596A JP3171105B2 JP 3171105 B2 JP3171105 B2 JP 3171105B2 JP 12007596 A JP12007596 A JP 12007596A JP 12007596 A JP12007596 A JP 12007596A JP 3171105 B2 JP3171105 B2 JP 3171105B2
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伊知朗 富川
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和之 小田
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクを吐出させ
て記録を行なう記録ヘッドと、記録ヘッドに供給するた
めのインクを保有するインクタンクを有し、インクタン
クが着脱自在に構成されたプリンタ、及び、そのインク
タンクに関するものであり、特に、インクタンクが装着
されるジョイント部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンタは、高画
質の印字画像が得られるとともに、低騒音であることか
ら、広く利用されるようになってきている。特に、小型
のプリンタが製造可能であることから、個人向けに開発
されたものも多い。このような個人向けの小型プリンタ
においては、使用者本人がインクタンクやプリントヘッ
ドと一体のインクジェットカートリッジを交換し、イン
クの補充を行なうように構成されている。特に、インク
タンクのみの場合には、安価に交換可能であり、ランニ
ングコストを低減させることができる。
【0003】このようなインクタンクが交換可能に構成
されたプリンタにおいては、従来、インクタンクの交換
時に、インクタンクを装着するジョイント部の近傍にイ
ンクがしみだし、使用者の手を汚したり、機械本体にイ
ンクがたれるなどの問題があった。
【0004】このような問題を解決するための一つの方
法として、例えば、特開平3−92356号公報に開示
されているように、インクタンク下部のインク取り出し
口をゴム栓で構成し、このゴム栓に金属性のインク供給
針を貫通させて記録ヘッドへのインク流路と接続するよ
うに構成したものがある。この構成においては、インク
供給針はインクに対する耐食性を備え、ゴム栓の貫通が
可能なように、パイプの先端を極めて鋭利に形成してい
る。インクタンクを取り外しても、ゴム栓の弾性力によ
りインクタンクのインク供給口は閉じ、インクは漏れな
い。しかし、不用意な取扱いを行なうと鋭利なパイプの
先端に触れ、怪我をするという問題を抱えていた。さら
に、インク供給針そのものは内径が細いため、インク供
給針の内部に突き破られたゴム栓の破片が混入した場
合、インクの供給を妨げるという問題も抱えていた。
【0005】このような問題を解決するために、例え
ば、特開昭50−74341号公報に開示されているよ
うに、インク供給口の先端にあらかじめ透孔を有するゴ
ムなどの蓋板を設け、この透孔を割れ目を有するゴムな
どの薄膜により封止して、比較的鋭利ではない導液管の
挿入を可能とした構成のものも提案されている。しか
し、この構成の場合は、やはり透孔および割れ目からイ
ンクが微小に漏れるという問題があった。
【0006】別の方法として、例えば、特開平2−21
4665号公報や特開平6−966号公報などに開示さ
れているように、インクタンクの接続部を封止部材で封
止しておき、一方、プリンタ側の接続部を周囲に孔あけ
用の突起を配した剛体の多孔質材で形成し、インクタン
クの装着によって孔あけ用の突起でインクタンクの封止
部材を破り、多孔質材をインクタンク内の多孔質体に押
圧して接続している。このような構成では、多孔質材を
配したインク供給管の先端部は比較的広く、詰まること
はない。また、孔あけ用突起もそれほど鋭利である必要
はないので、けがの心配もない。さらに、インクタンク
はその初期状態において、封止部材で封止されているの
で、インクが漏れることはない。しかし、このような構
成では、剛体の多孔質材の部分には、常にインクが潤沢
に供給されているので、インクタンクの離脱時には供給
されたインクがぼた落ちするという問題があった。
【0007】近年、カラーのプリンタが多く開発されて
いる。カラープリンタにおいては、複数の色を印字可能
な一体型の記録ヘッドが用いられるようになってきてい
る。このような一体型の記録ヘッドの場合には、上述の
インクの漏れやぼた落ちは、インクの混色につながりや
すいという問題も抱えている。
【0008】このようなインクの漏れやぼた落ちをなく
すため、例えば、特願平6−272747号公報に記載
されているように、インクタンクの結合部にインクタン
クの装着時と取り外し時で体積の異なる多孔質体を設け
た構成を提案している。この構成によれば、インクタン
クを取り外す際に多孔質体が膨張してインクを吸収する
ので、ぼた落ちなどが発生しない。しかし、多孔質体が
膨張する際に、インクとともに空気を吸い込み、再度イ
ンクタンクを装着すると多孔質体が吸い込んだ空気がイ
ンクの流路に残り、印字不良を引き起こすという問題が
ある。
【0009】また、圧接はインクの供給が不安定になり
がちである。例えば、米国特許第4771295号明細
書の請求項11のdに記載されているように、伸びたパ
イプが毛管部材に圧接し、毛管部材の密度を高めてイン
クを供給するものがある。この構成において、圧接量が
少ないと毛管部材の密度が小さくなり、インクの供給時
に空気も同時に引き込んでしまう。逆に圧接量が大きい
と毛管部材の密度が高くなりすぎ、インクの供給に影響
を及ぼす。このように毛管部材と圧接する構成では、特
性が圧接量に左右されやいため、製品のばらつきも発生
しやすく、印字不良も多いという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、インクタンクの着脱時に発
生するインク漏れ等を防止するとともに、インクタンク
の装着によるインクの流路への空気の侵入を防止し、印
字不良などの不具合を軽減したプリンタおよびインクタ
ンクを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、プリンタにおいて、インクを吐出させて記録を行な
う記録ヘッドと、該記録ヘッドに供給するための前記イ
ンクを保有するインクタンクを有し、該インクタンク
は、大気連通孔とインクを供給するための連通孔が設け
られた主インク室と、該主インク室の内部に収容された
インク室毛管部材と、前記連通孔に設けられ前記インク
室毛管部材に接して配置され複数の微小孔が形成された
第1のメニスカス形成部材と、該第1のメニスカス形成
部材を介して前記連通孔により前記主インク室と連通し
底部に前記記録ヘッドとの結合部が設けられた中間室を
少なくとも有し、前記結合部に結合部毛管部材が設けら
れており、前記記録ヘッドは、前記インクタンクの前記
結合部と着脱自在に結合するインク導入部を有してお
り、該インク導入部の前記インクタンクの前記結合部と
対向する面にはフィルタが設けられており、前記インク
タンクの装着時に前記インク導入部の前記フィルタが前
記結合部毛管部材と当接することを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項2に記載の発明は、プリンタにおい
て、インクを吐出させて記録を行なう記録ヘッドと、該
記録ヘッドに供給するための前記インクを保有するイン
クタンクを有し、該インクタンクは、大気連通孔とイン
クを供給するための連通孔が設けられた主インク室と、
該主インク室の内部に収容されたインク室毛管部材と、
前記連通孔に設けられ前記インク室毛管部材に接して配
置され複数の微小孔が形成された第1のメニスカス形成
部材と、該第1のメニスカス形成部材を介して前記連通
孔により前記主インク室と連通し底部に前記記録ヘッド
との結合部が設けられた中間室を少なくとも有し、前記
結合部に結合部毛管部材が設けられているとともに、前
記結合部毛管部材の前記中間室側に複数の微小孔が形成
された第2のメニスカス形成部材が設けられており、前
記記録ヘッドは、前記インクタンクの前記結合部と着脱
自在に結合するインク導入部を有しており、該インク導
入部の前記インクタンクの前記結合部と対向する面には
フィルタが設けられており、前記インクタンクの装着時
に前記インク導入部の前記フィルタが前記結合部毛管部
材と当接することを特徴とするものである。
【0013】請求項3に記載の発明は、プリンタにおい
て、インクを吐出させて記録を行なう記録ヘッドと、該
記録ヘッドに供給するための前記インクを保有するイン
クタンクを有し、該インクタンクは、大気連通孔とイン
クを供給するための連通孔が設けられた主インク室と、
該主インク室の内部に収容されたインク室毛管部材と、
前記連通孔に設けられ前記インク室毛管部材に接して配
置され複数の微小孔が形成された第1のメニスカス形成
部材と、該第1のメニスカス形成部材を介して前記連通
孔により前記主インク室と連通し底部に前記記録ヘッド
との結合部が設けられた中間室を少なくとも有し、前記
結合部に複数の微小孔が形成された第2のメニスカス形
成部材が設けられており、前記記録ヘッドは、前記イン
クタンクの前記結合部と着脱自在に結合するインク導入
部を有しており、該インク導入部の前記インクタンクの
前記結合部と対向する面には結合部毛管部材が設けられ
ているとともに、前記結合部毛管部材の前記記録ヘッド
側にフィルタが設けられており、前記インクタンクの装
着時に前記インク導入部の前記結合部毛管部材が前記第
2のメニスカス形成部材と当接することを特徴とするも
のである。
【0014】請求項4に記載の発明は、プリンタにおい
て、インクを吐出させて記録を行なう記録ヘッドと、該
記録ヘッドに供給するための前記インクを保有するイン
クタンクを有し、該インクタンクは、大気連通孔とイン
クを供給するための連通孔が設けられた主インク室と、
該主インク室の内部に収容されたインク室毛管部材と、
前記連通孔に設けられ前記インク室毛管部材に接して配
置され複数の微小孔が形成された第1のメニスカス形成
部材と、該第1のメニスカス形成部材を介して前記連通
孔により前記主インク室と連通し底部に前記記録ヘッド
との結合部が設けられた中間室を少なくとも有し、前記
結合部に複数の微小孔が形成された第2のメニスカス形
成部材が設けられており、前記記録ヘッドは、前記イン
クタンクの前記結合部と着脱自在に結合するインク導入
部を有しており、該インク導入部の前記インクタンクの
前記結合部と対向する面にはフィルタが設けられてお
り、前記インクタンクの装着時に前記インク導入部の前
記フィルタが前記第2のメニスカス形成部材と当接する
ことを特徴とするものである。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1または
2に記載のプリンタにおいて、前記結合部毛管部材の密
度は、前記インク室毛管部材の密度より高いものである
ことを特徴とするものである。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
5のいずれか1項に記載のプリンタにおいて、前記フィ
ルタは、金属メッシュにより構成されていることを特徴
とするものである。
【0017】請求項7に記載の発明は、インクを吐出さ
せて記録を行なうプリンタに着脱可能に装着され、装着
時にフィルタを有する記録ヘッドのインク導入部に結合
される結合部を有するインクタンクにおいて、大気連通
孔とインクを供給するための連通孔が設けられた主イン
ク室と、該主インク室の内部に収容されたインク室毛管
部材と、前記連通孔に設けられ前記インク室毛管部材に
接して配置され複数の微小孔が形成された第1のメニス
カス形成部材と、該第1のメニスカス形成部材を介して
前記連通孔により前記主インク室と連通し底部に前記記
録ヘッドとの結合部が設けられた中間室と、該結合部に
配置された結合部毛管部材を有し、該結合部毛管部材
は、インクタンクの装着時に前記インク導入部の前記フ
ィルタに当接するように設けられていることを特徴とす
るものであり、請求項8に記載の発明は、請求項7に記
載のインクタンクにおいて、前記結合部毛管部材の前記
中間室側に複数の微小孔が形成された第2のメニスカス
形成部材が設けられていることを特徴とするものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のプリンタ及びイ
ンクタンクの第1の実施の形態における要部断面図、図
2は同じく要部斜視図である。図中、1はインクタン
ク、2はジョイント部、3はプリントヘッド、4はイン
ク導入部、11は主インク室、12はインク室毛管部
材、13は大気連通口、14は第1のメニスカス形成部
材、15はインク誘導部材、16は中間室、17は第2
のメニスカス形成部材、18は結合部毛管部材、19は
ジョイント外周部、20はインク誘導部材押さえ、21
は接合部材、22はフィルタ、23はインク流路であ
る。図1および図2では、インクタンク1を装着する前
の状態を示している。また、図1,図2では、プリント
ヘッド3がプリンタに装着されており、プリントヘッド
3にインクタンク1を装着する構成を示し、インクタン
ク1と、プリントヘッド3のインク流路の部分のみを図
示している。なお、図2は、インクタンク1の側壁の1
面と、インク室毛管部材12を取り除いて示している。
インクタンク1は、プリントヘッド3とジョイント部2
において接続される。インクタンク1のジョイント部2
がプリントヘッド3のインク導入部4に当接することに
よってインクの流路が接続され、インクタンク1からイ
ンクを供給される。
【0019】インクタンク1の内部には、主インク室1
1と、その下部に中間室16が設けられている。主イン
ク室11の内部には、インク室毛管部材12が配置され
ている。このインク室毛管部材12は、毛細管力により
インクを保持し、負圧を保っている。主インク室11の
上部には、インク室毛管部材12と大気連通可能な大気
連通口13が設けられている。主インク室11の下部に
は、連通孔が設けられており、中間室16と連通してい
る。インク室毛管部材12は、その上部で大気と連通
し、大気圧解放されているので、インク供給時には、イ
ンク室毛管部材12内のインクは大気圧により押され、
また、インク室毛管部材12の下方から負圧により中間
室16側へ引き出される。また、主インク室11の底面
は、連通孔を最低部とするような斜面で形成されてい
る。
【0020】主インク室11の底面に設けられた連通孔
には、多数の微細孔を有する第1のメニスカス形成部材
14が配置されている。第1のメニスカス形成部材14
には、インク室毛管部材12の底部が圧接されて配置さ
れる。インク室毛管部材12内にインクが含浸されてい
るときは、インクは第1のメニスカス形成部材14を通
過して中間室16に移動する。インク室毛管部材12に
インクがなくなった場合、インク室毛管部材12に接し
た第1のメニスカス形成部材14の微細孔に張っている
インクのメニスカスを押し、表面張力に打ち勝ってこれ
を通過し、気泡となって中間室16へ移動する。これに
より、プリントヘッド3へのインクの供給圧を一定以下
に保っている。
【0021】第1のメニスカス形成部材14の下部に
は、インク誘導部材15が設けられている。インク誘導
部材15は、連通孔の周囲の壁面から突出するインク誘
導部材押さえ20によって支持されている。あるいは、
第1のメニスカス形成部材14の一部をインク誘導部材
15としてもよい。インク誘導部材15は、中間室16
の底面まで延在している。第1のメニスカス形成部材1
4の下面に気泡が溜り、空気の層ができてしまったり、
あるいは、中間室16内のインクの液面が低下したと
き、インク誘導部材15が中間室16内のインクを吸い
上げて第1のメニスカス形成部材14にインクを供給す
る。これにより、第1のメニスカス形成部材14を常に
濡れた状態に保ち、負圧を保つ。また、インクを使いき
るまで、インクの供給圧を最良の状態を維持することが
できる。
【0022】中間室16は、連通孔よりも上方に延在す
る部分を有している。図1では、中間室16の周辺部の
方が連通孔の部分よりも高くなるように、中間室16の
上壁を斜めにしている。中間室16は、第1のメニスカ
ス形成部材14および第2のメニスカス形成部材17を
通過して侵入してきた気泡を周辺部の連通孔よりも高い
部分に集積し、ジョイント部2からプリントヘッド3へ
の気泡の混入を防止し、また、結合部に残留する空気を
除去している。
【0023】中間室16の底部には、プリントヘッド3
との接続を行なうためのジョイント部2が設けられてい
る。ジョイント部2には、多数の微細孔が設けられた第
2のメニスカス形成部材17および結合部毛管部材18
がこの順で設けられている。インクタンク1が取り外さ
れて放置された状態においては、この第2のメニスカス
形成部材17に設けられた微細孔に形成されるインクの
表面張力によって、中間室16内のインクがジョイント
部2から漏れ出すことはない。また、インクタンク1が
装着されている状態では、インクタンク1にかかる振動
および衝撃、加速度による圧力変動、および、プリント
ヘッド3のノズル側からの気泡混入を防止する。第2の
メニスカス形成部材17としては、例えば、ステンレス
材のメッシュフィルタの濾過粒度40ミクロン品等を使
用することができる。
【0024】ジョイント部2に設けられた結合部毛管部
材18は、インクタンク1の装着時には、第2のメニス
カス形成部材17とプリントヘッド3のフィルタ22の
間を埋めるため、結合部における空気の残留量を大幅に
減少させることができ、気泡による印字不良を減少させ
ることができる。また、インクタンク1の取り外し時に
は、この結合部毛管部材18がインクを吸収するので、
インクが垂れることはない。また、仮に結合部毛管部材
18の保持許容量を超えた場合でも、インクタンク1内
の負圧によって、許容量を超えたインクはインクタンク
1内へ吸い込まれ、結合部毛管部材18は所定のインク
を保持してバランスを保つ。このとき、従来のような結
合部毛管部材18の体積変化はほとんどないので、結合
部毛管部材18内に空気が侵入することもほとんどな
い。
【0025】結合部毛管部材18としては、インクの吸
収力に優れた材料が用いられ、具体的には、例えば、製
造上容易な繊維状のフェルト等を用いることができる。
フェルトの材質としては、ポリエステルやアクリル、ポ
リプロピレンなどが用いられる。フェルトの利点として
は、インクに対するぬれ性がよいことや、密度を自在に
変えることが可能であること等が挙げられる。
【0026】結合部毛管部材18の密度は、主インク室
11に装填されているインク室毛管部材12の密度より
も高くする。これによって、インクタンク1が取り外さ
れたときのインクの垂れを防止することができる。結合
部毛管部材18の密度は、インク室毛管部材12の密度
の2倍程度以上であれば、インクの供給や、メンテナン
ス時の吸引動作等において支障はなかった。また、この
結合部毛管部材18の厚みは、圧力損失を考えてなるべ
く薄い方が望ましい。プリントヘッド3のフィルタ22
との当接を考慮して決定すればよい。一例としては、2
〜5mm程度とすることができる。
【0027】ジョイント部2のジョイント外周部19
は、プリントヘッド3に設けられている接合部材21が
当接しやすいように、平坦な面が形成されている。
【0028】一方、プリントヘッド3は、インク導入部
4においてインクタンク1のジョイント部2と接続され
る。インク導入部4の周囲には、接合部材21が配置さ
れている。この接合部材21は、インクタンク1が装着
されたとき、インクタンク1のジョイント外周部19の
面に当接変形し、接合部を密閉する。これにより、接合
部からのインクの漏れなどを防ぐことができる。接合部
材21の材料としては、例えば、シリコンゴムやブチル
ゴムなどを用いることができる。この接合部材21を設
けずに構成することも可能である。
【0029】インク導入部4の先端には、フィルタ22
が配置されている。このフィルタ22は、インクタンク
1が取り外された状態でインク導入部4に付着するゴミ
等をインク流路23内に混入させないために設けられて
いる。また、フィルタ22の微小孔に形成されるインク
のメニスカスによってインクを保持し、ノズルからのイ
ンクの流出を防いでいる。フィルタ22の材料として
は、例えば、濾過粒度が5から60ミクロンのステンレ
ス材のメッシュフィルタ等を使用することができる。そ
の他の材料としては、例えば、セラミック製のフィルタ
などを利用することができる。具体的には、例えば、ス
テンレス材のメッシュフィルタの濾過粒度20ミクロン
品を使用することができる。
【0030】図3は、インクタンク1の分解図である。
図中、図1と同様の部分には同じ符号を付してある。3
1はトップカバー、32はタンクケース、33はボトム
カバー、34はラベルである。インクタンク1は、トッ
プカバー31、タンクケース32、ボトムカバー33に
より構成されている。タンクケース32は、図1におけ
る主インク室11の側面と底面、および、中間室16の
上面と側面を構成する。タンクケース32の底面には、
主インク室と中間室との連通孔が形成されており、その
連通孔に第1のメニスカス形成部材14が配設される。
さらに、タンクケース32内にはインク室毛管部材12
が挿入される。タンクケース32の上に、大気連通口を
有するトップカバー31が設けられ、主インク室が形成
される。第1のメニスカス形成部材14の下には、イン
ク誘導部材15が設けられ、さらにボトムカバー33が
設けられる。これにより中間室が形成される。ボトムカ
バー33にはジョイント部2が形成されており、ジョイ
ント部2に第2のメニスカス形成部材17と結合部毛管
部材18が配置される。なお、タンクケース32の側面
に案内事項等を記載したラベル34を貼着してもよい。
【0031】図4は、インク導入部4の分解拡大図であ
る。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付してあ
る。41はジョイントブロック、42はマニホールドで
ある。インク導入部4には、上述したように、接合部材
21およびフィルタ22が設けられている。ジョイント
ブロック41にフィルタ22、および、接合部材21が
装着され、ジョイントブロックアッセンブリが作製され
る。また、マニホールド42は、インクを吐出するため
のノズルを備えたヘッドチップと結合され、ヘッドチッ
プにインクを供給するためのインク流路が形成されてい
る。また、ヘッドチップには、インクを吐出するための
気泡を発生する発熱体が各ノズルに対応して設けられて
いる。ジョイントブロックアッセンブリは、マニホール
ド42に装着され、プリントヘッド3の主要部を構成す
る。このほか、プリントヘッド3には、マニホールド4
2に組み込まれたヘッドチップに電力および制御信号を
供給するための配線、および、記録する画像にあわせて
発熱体を駆動するための駆動回路等が設けられた基板も
組み込まれる。
【0032】図5は、本発明のプリンタおよびインクタ
ンクの第1の実施の形態におけるインクタンク取り外し
時のジョイント部付近の拡大断面図、図6は、同じくイ
ンクタンク装着時のジョイント部付近の拡大断面図であ
る。図中の符号は図1と同様である。インクタンク1の
装着時には、図6に示すように、ジョイント部2に設け
た結合部毛管部材18は、インク導入部4に設けられて
いるフィルタ22に当接し、インクをプリントヘッド3
へ供給する。このとき、結合部毛管部材18をフィルタ
22に圧接させる必要はなく、両者を当接させればよ
い。実際には、当接によって結合部毛管部材18は多少
変形するが、その変形量は0.3〜0.5mm程度と非
常に少ない。また、インクの供給性能はこの変形量に大
きく左右されず、安定している。
【0033】また、インク導入部4の周囲に配置されて
いる接合部材21は、ジョイント外周部19の平面に圧
接され、その先端部分が弾性変形している。これによ
り、気密性を保持して、インクの流路を外気と遮断して
いる。インクタンク1内のインクは、圧縮状態にある結
合部毛管部材18を通過し、プリントヘッド3へ供給さ
れる。このとき、結合部毛管部材18は、第2のメニス
カス形成部材17とフィルタ22の間のインクの流路と
なっている。
【0034】上述のように、ジョイント部2の部分はイ
ンクの流路となっているため、この部分にインクが存在
している。通常、図5に示すようにインクタンク1を取
り外す時には、ジョイント部2に存在しているインクが
ジョイント部2の周辺に流出しようとする。しかし、ジ
ョイント部2に配置した結合部毛管部材18がジョイン
ト部2に存在するインクを保持し、ジョイント部2に残
留していたインクは、ジョイント部2から漏れ出すこと
はない。プリントヘッド3側では、インクを吐出するノ
ズルのインクの表面張力と、フィルタ22の微細孔に形
成されるインクのメニスカスによる表面張力がバランス
し、ノズルなどからインクが漏出することはない。
【0035】また、図6に示すようにインクタンク1が
装着されるときには、結合部毛管部材18とフィルタ2
2が当接し、結合部の流路が結合部毛管部材18によっ
て確保されるため、結合部に残留する空気の量を低減す
ることができ、気泡による印字不良を減少させて印字品
質を向上させることができる。仮に結合部に気泡が残留
しても、メンテナンス時に吸引動作を行なえば、十分除
去可能である。
【0036】上述の構成において、特に図5に示した構
成では、インクタンク1を取り外した状態の時に結合部
毛管部材18が外気に触れており、この部分からインク
が蒸散する。これを防ぐため、例えば、インクタンク1
の出荷時にはジョイント部2にシールを貼着したり、キ
ャップなどによってジョイント部2を覆うように構成す
ることができる。
【0037】図7は、本発明のプリンタの第2の実施の
形態におけるジョイント部付近の拡大断面図である。図
中の符号は図1と同様である。この実施の形態では、結
合部毛管部材18をプリントヘッド3側に設けている。
このような構成においても、インクタンクの装着時は、
上述の図6に示したように、結合部毛管部材18は、第
2のメニスカス形成部材17に当接させることができ
る。これにより、インクタンク1側の第2のメニスカス
形成部材17とプリントヘッド3側のフィルタ22との
間が結合部毛管部材18によって満たされるので、この
結合部に残留する空気を低減して印字不良を減少させ、
印字品質を向上させることができる。
【0038】また、インクタンク1が取り外された場合
には、インクタンク1内のインク室毛管部材12の負圧
と、第2のメニスカス形成部材17の微細孔に形成され
るインクのメニスカスによる表面張力がバランスし、ジ
ョイント部2からインクが漏れ出すことはない。結合部
に存在していたインクは、結合部毛管部材18の毛管力
によって保持されるため、インク導入部4からインクが
流出することはない。
【0039】図8は、本発明のプリンタの第3の実施の
形態におけるジョイント部付近の拡大断面図である。図
中の符号は図1と同様である。この実施の形態では、結
合部毛管部材18を用いずに構成している。このような
構成においても、インクタンク1の第2のメニスカス形
成部材17と、プリントヘッド3側のフィルタ22を直
接当接させ、インクの流路を形成することができる。
【0040】この場合も、インクタンク1の装着によっ
て第2のメニスカス形成部材17とフィルタ22を当接
させるので、両者間に残留する空気を少なくすることが
でき、印字不良を低減することができる。また、インク
タンク1が取り外された場合も、第2の実施の形態と同
様、ジョイント部2からインクが漏れ出すことはない。
なお、第2のメニスカス形成部材17の代わりに結合部
毛管部材18を残し、第2のメニスカス形成部材17を
用いずに構成することも可能である。
【0041】図9は、本発明のプリンタの第4の実施の
形態における要部構成図である。図中、図1ないし図4
と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。5
1はプリント基板、52はヘッドチップである。この実
施の形態では、複数色のインクを用いるカラープリンタ
に本発明を適用した場合の一例を示している。ここで
は、3色のインクを用いることとし、1つのインクタン
ク1からそれぞれの色のインクを供給するように、イン
クタンク1内を3分割している。使用する色としては、
例えば、シアン、マゼンタ、イエローを用いることがで
きる。もちろんこの色に限らない。また、ブラックを含
めた4色を使用したり、2色あるいは5色以上の色を用
いることもでき、その場合には、色の数だけインクタン
ク1内を分割する。あるいは、使用する色数以下の個数
のインクタンクを並置した構成にしてもよい。
【0042】インクタンク1は、内部が3分割され、そ
れぞれ別の色のインクが収容されている。分割されたそ
れぞれの構造は、図1および図3に示した構造と同様で
あり、図1および図3に示した構造の3つのインクタン
クを一体化した構造と同様に機能する。ジョイント部2
もそれぞれの色のインクごとに設けられている。この例
では、3つのジョイント部2がジグザグに配列されてい
る。結合部毛管部材18は、上述の第1の実施の形態と
同様、それぞれのジョイント部2に設けられている。も
ちろん、第2、第3の実施の形態に示した構成を適用す
ることも可能である。
【0043】プリントヘッド3は分解して示している。
ジョイントブロック41には、それぞれの色のインクタ
ンクと接続されるように、3つのインク導入部4を有し
ている。各インク導入部4には、図4に示した構成と同
様に、フィルタ22および接合部材21が設けられてい
る。3つのジョイント部2のジョイント外周部19は、
それぞれ対応するインク導入部4の接合部材21を押圧
し、変形させてそれぞれの結合部を密閉する。また、各
ジョイント部2の結合部毛管部材18が各インク導入部
4のフィルタ22と当接し、それぞれの色のインクの流
路が構成される。
【0044】マニホールド42には、各色ごとのインク
流路が形成されている。また、マニホールド42とヘッ
ドチップ52が液的に接続され、インク流路が形成され
ており、各インク導入部4から導入されたインクをヘッ
ドチップ52に供給する。
【0045】プリント基板51は、ヘッドチップ52に
電力および制御信号、記録すべき画像の信号などを供給
するための配線等が設けられている。記録する画像にあ
わせて発熱体を駆動するための駆動回路等が設けられる
こともある。プリント基板51とヘッドチップ52は、
例えば、ワイヤボンディングなどにより電気的に接続さ
れている。
【0046】図10は、本発明の第4の実施の形態にお
けるヘッドチップの一例を示す正面図である。ヘッドチ
ップ52には、各色のインクを噴射するために、各色ご
とにそれぞれ複数本のノズルが配列されている。この例
では、各色のノズル群が一列に配列されている。このヘ
ッドチップ52が、図中、上下方向に移動しながらイン
クの噴射制御を行なうことによって、各色の帯状領域の
記録を行なうことができる。ヘッドチップ52には、各
ノズルを駆動するための駆動回路が搭載されることがあ
る。なお、各色のノズル群の間に間隙を設けて図示して
いるが、実際にはこの部分および両端部にも記録を行な
わないダミーノズルが配置されることがある。
【0047】この第4の実施の形態によれば、各色ごと
に設けられているインク導入部4において、インクタン
ク1を取り外した際に、インク導入部4付近に存在する
インクは、それぞれの結合部毛管部材18で保持される
ので、インク漏れやインクのぼた落ちなどが発生しな
い。そのため、隣接するインク導入部に異なる色のイン
クが侵入し、混色を起こす事態を回避することができ
る。また、インクタンクの取り外し時に、それぞれの結
合部毛管部材18が空気を取り込むこともないので、再
度のインクタンク1の装着時に、インク流路内への気泡
の侵入を減少させる。さらに、インクタンク1の装着に
より、結合部のインク流路は結合部毛管部材18によっ
て満たされるので、インク流路内への気泡の侵入はさら
に減少させることができる。
【0048】図11は、本発明のプリンタの一例を示す
外観図である。図中、61はプリンタ、62は下部ケー
ス、63は上部ケース、64はトレー挿入口、65はデ
ィップスイッチ、66はメインスイッチ、67は用紙受
け、68はパネルコンソール、69は手差し挿入口、7
0は手差しトレー、71はインクタンク挿入蓋、72は
インクタンク、73は用紙送りローラ、74は用紙トレ
ー、75はインタフェースケーブル、76はメモリカー
ドである。図11では、上述の第1ないし第4の実施の
形態が適用されるプリンタの全体を示している。
【0049】プリンタ61の筺体は、概ね下部ケース6
2と上部ケース63により構成されている。この中に図
示しない電気回路や駆動系部品などが収納されている。
下部ケース62にはトレー挿入口64が設けられ、ここ
から記録するための用紙が収納された用紙トレー74が
挿入され、プリンタ61に用紙が装填される。
【0050】また、下部ケース62にはディップスイッ
チ65およびメインスイッチ66が取り付けられてい
る。ディップスイッチ65は、プリンタ61の動作の一
部を設定するものであり、設定変更の頻度の少ない機能
設定が割り付けられている。このディップスイッチ65
は、使用しないときにはカバーで覆うように構成されて
いる。メインスイッチ66は、プリンタ61の電源を切
入するためのスイッチである。下部ケース62には、さ
らに、図示しないインタフェースコネクタや、メモリカ
ード76の挿入口等が設けられている。インタフェース
コネクタには、インタフェースケーブル75が接続さ
れ、外部のコンピュータなどとのデータ交換が行なわれ
る。メモリカード76は、プリンタ61の動作時に拡張
メモリとして用いられたり、ある場合にはフォントが格
納され、記録時に用いられる。
【0051】上部ケース63には、用紙受け67が形成
されており、記録済みの用紙が排出される。また、パネ
ルコンソール68が設けられており、記録モードの設定
や、給紙、排紙等の指示など、ユーザが頻繁に使用する
入力手段や、プリンタ側からのメッセージの表示手段な
どが配置されている。さらに、手差し挿入口69、手差
しトレー70が設けられており、ここからユーザが手差
しにより給紙することができる。
【0052】また、上部ケース63にはインクタンク挿
入蓋71が設けられている。この蓋を開けることによ
り、内部のインクタンク72の着脱を行なうことができ
る。インクタンク72は、上述の各実施の形態で示した
ような構成のものを用いることができる。ここでは、第
1ないし第3の実施の形態のいずれかで示した単色のイ
ンクタンクと、第4の実施の形態で示した3色一体型の
インクタンクの2つのインクタンク72が装着される。
インクタンク72は、図示しない記録ヘッドに装着され
る。また、記録ヘッドは図示しないキャリッジに取り付
けられている。インクタンク72の装着時には、インク
タンク72の結合部毛管部材とインク導入部のフィルタ
が当接することにより、インクの流路を形成するととも
に、ジョイント部およびインク導入部付近の空気は結合
部毛管部材によって排除し、気泡による印字不良を防止
している。インクタンク72の取り外し時には、上述の
ように結合部毛管部材によって結合部付近のインクが保
持されるので、インクがにじみ出したり、ぼた落ちする
ことはない。そのため、プリンタ本体を汚したり、他の
色のインク導入部にぼた落ちして混色を起こすことはな
い。
【0053】用紙トレー74に収納された用紙は、内部
の図示しない搬送系により1枚ずつ取り出されて搬送さ
れ、あるいは手差し挿入口69から用紙が差し込まれ、
用紙送りローラ73の円周に沿って送られる。インクタ
ンク72が装着された図示しない記録ヘッドが用紙の搬
送方向とは直角方向に移動し、帯状領域ごとに記録を行
なう。そして、用紙送りローラ73によって次の帯状領
域の記録位置まで用紙の長さ方向に用紙を送る。この動
作を繰り返し行なうことにより、用紙上に記録を行な
う。そして、上部ケース63の用紙受け67へ排紙され
る。
【0054】上述の各実施の形態では、インクタンク1
をプリントヘッド3に装着する構成を示したが、例え
ば、プリントヘッド3もプリンタのキャリッジに対して
着脱自在に構成してもよい。なお、上述の例においては
インクタンク1とプリントヘッド3の結合のみによって
全インク流路を形成しているが、例えば、インク流路の
みの部材を間に用いるなど、2つ以上の結合部を有する
場合についても、それぞれの結合部において本発明の構
成を適用することができる。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1,2,5および請求項7,8に記載の発明によれば、
記録ヘッドの結合部に結合部毛管部材が設けられ、イン
クタンクの装着時に記録ヘッドのインク導入部に設けら
れたフィルタが結合部毛管部材に当接するので、結合部
に残留する空気を少なくすることができる。これによ
り、結合部に残留する空気によって生じる印字不良の発
生を減少させ、印字品質を向上させることができる。ま
た、インクタンクの装着時に結合部毛管部材はフィルタ
に当接されるので、結合部毛管部材の体積変化はほとん
どなく、インクタンクが外されたときに、結合部毛管部
材に空気が侵入することはなく、インクの垂れも防止で
きる。
【0056】請求項3に記載の発明によれば、記録ヘッ
ドの結合部に第2のメニスカス形成部材が設けられ、イ
ンクタンクの装着時に記録ヘッドのインク導入部に設け
られた結合部毛管部材に当接するので、結合部に残留す
る空気を少なくすることができる。これにより、結合部
に残留する空気によって生じる印字不良の発生を減少さ
せ、印字品質を向上させることができる。また、インク
タンクの装着時に結合部毛管部材は第2のメニスカス形
成部材に当接されるので、結合部毛管部材の体積変化は
ほとんどない。インクタンクが外されたときは、第2の
メニスカス形成部材により、インクの垂れを防止でき
る。
【0057】請求項4に記載の発明によれば、記録ヘッ
ドの結合部に第2のメニスカス形成部材が設けられ、イ
ンクタンクの装着時に記録ヘッドのインク導入部に設け
られたフィルタが第2のメニスカス形成部材に当接する
ので、結合部に残留する空気を少なくすることができ
る。これにより、結合部に残留する空気によって生じる
印字不良の発生を減少させ、印字品質を向上させること
ができる。また、インクタンクが外されたときに、第2
のメニスカス形成部材によって、インクの垂れを防止で
きる。
【0058】請求項5に記載のように、結合部毛管部材
の密度は、インク室毛管部材の密度より高いものとする
ことができる。また、請求項6に記載のように、フィル
タは、金属メッシュにより構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプリンタ及びインクタンクの第1の
実施の形態における要部断面図である。
【図2】 本発明のプリンタ及びインクタンクの第1の
実施の形態における要部斜視図である。
【図3】 本発明のプリンタ及びインクタンクの第1の
実施の形態におけるインクタンク1の分解図である。
【図4】 本発明のプリンタ及びインクタンクの第1の
実施の形態におけるインク導入部4の分解拡大図であ
る。
【図5】 本発明のプリンタ及びインクタンクの第1の
実施の形態におけるインクタンク取り外し時のジョイン
ト部付近の拡大断面図である。
【図6】 本発明のプリンタ及びインクタンクの第1の
実施の形態におけるインクタンク装着時のジョイント部
付近の拡大断面図である。
【図7】 本発明のプリンタの第2の実施の形態におけ
るジョイント部付近の拡大断面図である。
【図8】 本発明のプリンタの第3の実施の形態におけ
るジョイント部付近の拡大断面図である。
【図9】 本発明のプリンタの第4の実施の形態におけ
る要部構成図である。
【図10】 本発明の第4の実施の形態におけるヘッド
チップの一例を示す正面図である。
【図11】 本発明のプリンタの一例を示す外観図であ
る。
【符号の説明】
1…インクタンク、2…ジョイント部、3…プリントヘ
ッド、4…インク導入部、11…主インク室、12…イ
ンク室毛管部材、13…大気連通口、14…第1のメニ
スカス形成部材、15…インク誘導部材、16…中間
室、17…第2のメニスカス形成部材、18…結合部毛
管部材、19…ジョイント外周部、20…インク誘導部
材押さえ、21…接合部材、22…フィルタ、23…イ
ンク流路、31…トップカバー、32…タンクケース、
33…ボトムカバー、34…ラベル、41…ジョイント
ブロック、42…マニホールド、51…プリント基板、
52…ヘッドチップ、61…プリンタ、62…下部ケー
ス、63…上部ケース、64…トレー挿入口、65…デ
ィップスイッチ、66…メインスイッチ、67…用紙受
け、68…パネルコンソール、69…手差し挿入口、7
0…手差しトレー、71…インクタンク挿入蓋、72…
インクタンク、73…用紙送りローラ、74…用紙トレ
ー、75…インタフェースケーブル、76…メモリカー
ド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 和之 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−52405(JP,A) 特開 平6−255122(JP,A) 特開 平8−132633(JP,A) 特開 平7−101075(JP,A) 特開 平6−286152(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出させて記録を行なう記録ヘ
    ッドと、該記録ヘッドに供給するための前記インクを保
    有するインクタンクを有し、該インクタンクは、大気連
    通孔とインクを供給するための連通孔が設けられた主イ
    ンク室と、該主インク室の内部に収容されたインク室毛
    管部材と、前記連通孔に設けられ前記インク室毛管部材
    に接して配置され複数の微小孔が形成された第1のメニ
    スカス形成部材と、該第1のメニスカス形成部材を介し
    て前記連通孔により前記主インク室と連通し底部に前記
    記録ヘッドとの結合部が設けられた中間室を少なくとも
    有し、前記結合部に結合部毛管部材が設けられており、
    前記記録ヘッドは、前記インクタンクの前記結合部と着
    脱自在に結合するインク導入部を有しており、該インク
    導入部の前記インクタンクの前記結合部と対向する面に
    はフィルタが設けられており、前記インクタンクの装着
    時に前記インク導入部の前記フィルタが前記結合部毛管
    部材と当接することを特徴とするプリンタ。
  2. 【請求項2】 インクを吐出させて記録を行なう記録ヘ
    ッドと、該記録ヘッドに供給するための前記インクを保
    有するインクタンクを有し、該インクタンクは、大気連
    通孔とインクを供給するための連通孔が設けられた主イ
    ンク室と、該主インク室の内部に収容されたインク室毛
    管部材と、前記連通孔に設けられ前記インク室毛管部材
    に接して配置され複数の微小孔が形成された第1のメニ
    スカス形成部材と、該第1のメニスカス形成部材を介し
    て前記連通孔により前記主インク室と連通し底部に前記
    記録ヘッドとの結合部が設けられた中間室を少なくとも
    有し、前記結合部に結合部毛管部材が設けられていると
    ともに、前記結合部毛管部材の前記中間室側に複数の微
    小孔が形成された第2のメニスカス形成部材が設けられ
    ており、前記記録ヘッドは、前記インクタンクの前記結
    合部と着脱自在に結合するインク導入部を有しており、
    該インク導入部の前記インクタンクの前記結合部と対向
    する面にはフィルタが設けられており、前記インクタン
    クの装着時に前記インク導入部の前記フィルタが前記結
    合部毛管部材と当接することを特徴とするプリンタ。
  3. 【請求項3】 インクを吐出させて記録を行なう記録ヘ
    ッドと、該記録ヘッドに供給するための前記インクを保
    有するインクタンクを有し、該インクタンクは、大気連
    通孔とインクを供給するための連通孔が設けられた主イ
    ンク室と、該主インク室の内部に収容されたインク室毛
    管部材と、前記連通孔に設けられ前記インク室毛管部材
    に接して配置され複数の微小孔が形成された第1のメニ
    スカス形成部材と、該第1のメニスカス形成部材を介し
    て前記連通孔により前記主インク室と連通し底部に前記
    記録ヘッドとの結合部が設けられた中間室を少なくとも
    有し、前記結合部に複数の微小孔が形成された第2のメ
    ニスカス形成部材が設けられており、前記記録ヘッド
    は、前記インクタンクの前記結合部と着脱自在に結合す
    るインク導入部を有しており、該インク導入部の前記イ
    ンクタンクの前記結合部と対向する面には結合部毛管部
    材が設けられているとともに、前記結合部毛管部材の前
    記記録ヘッド側にフィルタが設けられており、前記イン
    クタンクの装着時に前記インク導入部の前記結合部毛管
    部材が前記第2のメニスカス形成部材と当接することを
    特徴とするプリンタ。
  4. 【請求項4】 インクを吐出させて記録を行なう記録ヘ
    ッドと、該記録ヘッドに供給するための前記インクを保
    有するインクタンクを有し、該インクタンクは、大気連
    通孔とインクを供給するための連通孔が設けられた主イ
    ンク室と、該主インク室の内部に収容されたインク室毛
    管部材と、前記連通孔に設けられ前記インク室毛管部材
    に接して配置され複数の微小孔が形成された第1のメニ
    スカス形成部材と、該第1のメニスカス形成部材を介し
    て前記連通孔により前記主インク室と連通し底部に前記
    記録ヘッドとの結合部が設けられた中間室を少なくとも
    有し、前記結合部に複数の微小孔が形成された第2のメ
    ニスカス形成部材が設けられており、前記記録ヘッド
    は、前記インクタンクの前記結合部と着脱自在に結合す
    るインク導入部を有しており、該インク導入部の前記イ
    ンクタンクの前記結合部と対向する面にはフィルタが設
    けられており、前記インクタンクの装着時に前記インク
    導入部の前記フィルタが前記第2のメニスカス形成部材
    と当接することを特徴とするプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記結合部毛管部材の密度は、前記イン
    ク室毛管部材の密度より高いものであることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のプリンタ。
  6. 【請求項6】 前記フィルタは、金属メッシュにより構
    成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れか1項に記載のプリンタ。
  7. 【請求項7】 インクを吐出させて記録を行なうプリン
    タに着脱可能に装着され、装着時にフィルタを有する記
    録ヘッドのインク導入部に結合される結合部を有するイ
    ンクタンクにおいて、大気連通孔とインクを供給するた
    めの連通孔が設けられた主インク室と、該主インク室の
    内部に収容されたインク室毛管部材と、前記連通孔に設
    けられ前記インク室毛管部材に接して配置され複数の微
    小孔が形成された第1のメニスカス形成部材と、該第1
    のメニスカス形成部材を介して前記連通孔により前記主
    インク室と連通し底部に前記記録ヘッドとの結合部が設
    けられた中間室と、該結合部に配置された結合部毛管部
    材を有し、該結合部毛管部材は、インクタンクの装着時
    に前記インク導入部の前記フィルタに当接するように設
    けられていることを特徴とするインクタンク。
  8. 【請求項8】 前記結合部毛管部材の前記中間室側に複
    数の微小孔が形成された第2のメニスカス形成部材が設
    けられていることを特徴とする請求項7に記載のインク
    タンク。
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