JPH0510283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はバネ体によるシヤツタ開閉機構を備え
た記録用デイスク収納ケースに関する。

（従来の技術） 従来、CDROM等の記録用デイスクの収納ケー
スにおいて蓋体取着面と反対側（以下裏側と呼
ぶ）には記録又は再生をおこなうためデイスクの
一部を適宜露出させるシヤツタ板が設けられてい
る。第６図ないし第８図はこのシヤツタ板の開閉
機構を示すもので、第６図に示す如く、シヤツタ
板１は常態においてはバネ体２によつて完全に閉
じられている。なお、この第６図において、３は
中央にデイスク収納部４を設けたケース本体であ
つて、その表面開口部にはケース本体左右両側に
穿設された係合孔３ａを介して板状蓋体（図示し
ない）が開閉自在に枢着されている。シヤツタ板
１は所定の装置内において記録、再生をおこなう
場合はバネ体２の弾性力に抗して本図面左側方向
に向けて平行移動する。バネ体２は平面ほぼくの
字形をなし、一端２ａがケース本体３の一隅角部
に設けられた細溝３ｂに沿つて摺動自在に遊嵌さ
れ、他端２ｂがケース本体３の上記隅角部に対向
するシヤツタ板１の一側に係止されている。この
バネ体２はシヤツタ板１の移動にともなつて第７
図および第８図に示す如き動きを示す。すなわ
ち、シヤツタ板１が中間位置まで開口したとき、
バネ体の一端２ａは細溝３ｂに沿つて溝の一端か
ら他端に向つて移動し始め（第７図）、シヤツタ
板１が全開したとき、このバネ体２一端２ａが第
８図に示す如く細溝３ｂの他端に当接した状態と
なる。このようにバネ体２の一端２ａを細溝３ｂ
に沿つて移動可能にすることによつてバネ体２よ
る反揆力を一定に保ちシヤツタ板１の開閉が円滑
になるように考慮されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、上述の従来のデイスク収納ケースの場
合、このようなバネ体２の動きにおいて、バネ体
２の細溝３ｂ内の一端２ａがシヤツタ開放動作の
当初においては第６図に示すように細溝３ｂの一
隅角部に嵌り込み、シヤツタ全開時においても細
溝３ｂの他の隅角部に嵌り込む状態になるため、
このバネ体２の一端２ａしばしば円滑に移動せ
ず、そのためシヤツタ板１の開閉動作が円滑とな
らないという問題があつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたものであつ
て、バネ体２の上記一端２ａが上記細溝３ｂ内を
常時円滑に移動することができ、それによつてシ
ヤツタ板１の開閉動作が極めて円滑となる記録用
デイスク収納ケースを提供することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するための手段とし
て、上記細溝に遊嵌された側のバネ体端部が内側
に向けて、さらに平面くの字形に折曲されたバネ
体を用いた。

すなわち、本考案は、記録用デイスク収納部を
有するケースと、該ケースの一側に沿つて摺動し
記録用デイスクの一部を適宜露出させるシヤツタ
板と、一端が該ケースの一隅角部に設けられた細
溝に沿つて摺動自在に遊嵌され、他端が上記ケー
スの一隅角部と対向するシヤツタ板の一側に係止
され、該シヤツタ板を閉塞する方向に付勢させて
設けられた平面ほぼくの字形のバネ体とを具備し
てなる記録用デイスク収納ケースにおいて、上記
バネ体の上記細溝に遊嵌された側の端部が内側に
向けてさらに平面くの字形に折曲されていて、こ
のくの字形の角部がシヤツタ板の開閉動作時にケ
ースの周壁に圧接されつつバネ体の上記遊嵌側端
部が上記細溝に沿つて摺動するようにしたことを
特徴とする上記デイスク収納ケースを提供するも
のである。

（作用） 本考案はケースの隅角部に設けられた細溝に遊
嵌された側のバネ体端部をさらに平面くの字形に
折曲させ、このくの字形の角部がシヤツタ板の開
閉動作時にケースの周壁に当接しつつバネ体の一
端を上記細溝に沿つて摺動させるようにしたか
ら、このバネ体の一端は細溝の隅角部に嵌り込み
ことなく円滑に移動し、したがつてシヤツタ板の
移動の円滑化を図ることができる。

（実施例） 本考案のケースはケース本体１１と蓋体からな
り第１図はケース本体１１の平面図を示すもので
あつて、中央にデイスク収納部１２が形成され、
その表面開口部にはケース本体１１の左右両側に
穿設された一対の係止孔１３を介して板状蓋体
（図示しない）が開閉自在に枢着されている。な
お、この蓋体を開閉自在とせず、ケース本体に固
定してもよい。このデイスク収納部１２の底面の
一部には窓部１０が形成されていて、この窓部１
０は常態において、シヤツタ板１４によつて閉じ
られている。しかし、所定の装置内において記
録、再生をおこなう場合はシヤツタ板１４が矢線
ａ方向に平行移動し、窓部１０を開口するように
なつている。このシヤツタ板１４は一側に係合溝
が形成されていて、これがケース本体１１の一側
縁１１ａと摺動自在に係合し、この一側縁１１ａ
に沿つて平行移動するようになつている。また、
この平行移動によるシヤツタ板１４の開閉は平面
ほぼくの字形のバネ体１５の付勢下でおこなわれ
る。すなわち、このバネ体１５の一端１５ａはケ
ース本体１１の一隅角部に設けられた細溝１６内
に遊嵌されていて、この細溝１６の長手方向に沿
つて摺動自在となつている。バネ体１５の他端１
５ｂはケース本体１１の上記細溝１５に対向する
シヤツタ板１４の上記係合溝の端部１４ａに係止
されている。

バネ体１５は第２図に示す如く、平面ほぼくの
字形のコイルバネからなり、細溝１６に遊嵌され
る側の一端１５ａは、さらに水平に約60°内側に
向けて平面くの字形に折曲されており、その最先
端部１５a′は第３図に示す如くほぼ垂直に下方向
に向けて折曲されている。他方、上記係合溝の端
部に係止された側の他端１５ｂは第２図および第
３図に示す如く上方に向けて鉤形に折曲されてい
る。

このバネ体１５はシヤツタ板１４の開閉移動に
ともなつて、第１図の完全閉塞状態から、第４図
の中間開口状態、さらに第５図の全開状態におい
てこれら図示の如き動きを示す。すなわち、シヤ
ツタ板１４が完全閉塞状態にあるときはバネ体１
５の最先端部１５a′は細溝１６の図面左上隅角部
に圧接しているが、第４図に示す如きシヤツタ板
１４の半開口状態までバネ体１５が絞られたと
き、その一端１５ａのくの字形角部がケース本体
１１の周壁１１ｂに圧接し、最先端部１５a′がこ
れにより細溝１６の内方に若干押された状態とな
り、同時にその状態で矢線に示す方向に移動し始
める。さらにシヤツタ板１４が開口し第５図に示
す如く全開状態となつたとき、バネ体１５の一端
１５ａのくの字形角部がケース本体１１の周壁１
１ｂに圧接された状態で最先端部１５a′は細溝１
６の図面下部の中間付近に位置される。その結
果、バネ体１５の最先端部１５a′が細溝１６の隅
角部に嵌り込むおそれは全くなくなる。したがつ
てシヤツタ板１４が閉じるときにも、この最先端
部１５a′は円滑に再び移動し、元の位置に戻る。

なお、バネ体１５の一端１５ａのくの字形折曲
の折り曲げ角度は上述の60°の場合に限らず、そ
の前後で適当に定めてもよい。

（考案の効果） 本考案に係わる記録用デイスク収納ケースによ
ればシヤツタ板開閉用の平面ほぼくの字形のバネ
体の遊嵌端部をさらに平面くの字形に折曲し、そ
の角部がシヤツタ板の開閉時にケースの周壁に圧
接し、これによりバネ体の摺動側端部の最先端部
を細溝の中央部分に押し出すようにしたから、従
来の如くバネ体の遊嵌端部が細溝の隅角部に嵌り
込んで、この遊嵌端部の円滑な摺動が妨げられる
おそれは全くなくなり、シヤツタ板の円滑な開閉
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる記録用デイスク収納ケ
ースの蓋体を除去した状態を示す平面図、第２図
は上記デイスク収納ケースのシヤツタ板の開閉機
構に用いられるバネ体の平面、第３図は同じくそ
のバネ体の側面図、第４図および第５図は上記バ
ネ体の動きを説明する要部平面図、第６図は従来
の記録用デイスク収納ケースの蓋体を除去した状
態を示す平面図、第７図および第８図は従来の記
録用デイスク収納ケースのシヤツタ板開閉にとも
なうバネ体の動きを説明する要部平面図である。 図中、１……シヤツタ板、２……バネ体、２ａ
……バネ体の一端、２ｂ……バネ体の他端、３…
…ケース本体、３ａ……係合孔、３ｂ……細溝、
４……デイスク収納部、１０……窓、１１……ケ
ース本体、１２……デイスク収納部、１３……係
止孔、１４……シヤツタ板、１５……バネ体、１
５ａ……バネ体の一端、１５a′……バネ体の最先
端部、１５ｂ……バネ体の他端、１６……細溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 記録用デイスク収納部を有するケースと、該
   ケースの一側に沿つて摺動し記録用デイスクの
   一部を適宜露出させるシヤツタ板と、一端が該
   ケースの一隅角部に設けられた細溝にこれに沿
   つて摺動自在に遊嵌され、他端が上記ケースの
   一隅角部と対向するシヤツタ板の一側に係止さ
   れ、該シヤツタ板を閉塞する方向に付勢させて
   設けられた平面ほぼくの字形のバネ体とを具備
   してなる記録用デイスク収納ケースにおいて、
   上記バネ体の上記細溝に遊嵌された側の端部が
   内側に向けてさらに平面くの字形に折曲されて
   いて、このくの字形の角部がシヤツタ板の開閉
   動作時にケースの周壁に圧接されつつバネ体の
   上記遊嵌側端部が上記細溝に沿つて摺動するよ
   うにしたことを特徴とする上記デイスク収納ケ
   ース。 (2) 上記くの字形折曲部の折曲角度が60°前後で
   ある実用新案登録請求の範囲第１項記載のデイ
   スク収納ケース。