JPH0510195U - 立体艇庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な装置で大量の舟艇を、安全かつ効率的に
入出庫及び保管できる艇庫を提案する。 【構成】多数の単位区画１３を横並びに配列し、この単
位区画１３上に走行クレーン２２を設け、この単位区画
１３内にガイド２３を設け、ボートＢを搭載したパレッ
ト１４をガイド２３で案内して積層するようにした立体
艇庫。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は立体艇庫、より詳しくはボートやヨットの如き小型の舟艇を着水・揚 収し、かつ立体的に格納する立体艇庫に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近来、海洋レジャーの活発化に伴ない、レジャーボートの如き小型の舟艇が増 加して来ている。ところで、通常は舟艇を使用しないときには桟橋等に係留され るが、このように係留すると係留場所に制約がある上に係留中に海中生物が付着 すると言う問題がある。このような事情から、この種の小型の舟艇を地上に多段 に格納するように立体艇庫が提案されている。

【０００３】 この立体艇庫を具体的に指摘すれば、図８及び図９に示すように四隅に支柱１ を植立して縦長の区画２を形成し、横桁材３の上に巻上装置４を配置し、これよ り延長された連結部材５で間隔をあけて移動床６を吊り、この移動床６を前記支 柱１に沿って上下に移動可能ににしている。そして台車７上に載置した舟艇８を 前記移動床６上に次々搭載し、吊り上げて舟艇８を多段に格納するようにした立 体艇庫９が提案されている（実開昭５９−１２８８５８号）。又、他の形式のも のとしてフォークリフトを用いて格納棚に舟艇を格納する立体艇庫も知られてい る（例えば、実開平２−１０５４５４号）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、図８及び図９に示す立体艇庫９においては、移動床６の隅部を連結 部材５で連結し、これを巻上装置４によって上下させてこの移動床６を順次上昇 下降させるようにしているので、これに搭載されている舟艇８の出し入れが極め て煩雑である。また、移動床６はワイヤ等の連結部材５で間隔をあけて連結され ているために、この移動床６を所定の位置に保持するためには巻上装置４に常時 ブレーキを作用させておかなければならないという問題があり、個々の立体艇庫 ９に巻上装置４を設けなければならないために設備費が増加するという問題もあ る。一方、フォークリフトによる格納する立体艇庫においてはフォークリフトを 移動させるための特別のスペースが必要であり、そのため、ボートの収納効率を 低下させてしまうという問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記したような問題点を解決するためになされたものであって、本考 案にかかる立体艇庫は複数本の支柱を平行に植立し、この支柱の上端を海面上に 突出する水平桁材で連結すると共に、この水平桁材の上に走行レールを配置し、 前記支柱の間を水平桁材で接続して縦長の区画を形成し、この区画内に上下方向 に延びて複数のパレットを多段に収納可能な単位区画を複数列配置し、前記走行 レール上に走行クレーンを配置すると共に、前記複数の単位区画の集合体の内に 一つの単位区画内に収容されるパレットの数より一個少ない容積を持つボイドス ペースを形成して構成されている。そしてパレットには四隅に上端に係合部を有 する直立部材が配置され、更にボート受台が設けられている。

【０００６】

【作 用】

パレットは走行クレーンによって水平桁材上を移送され、その突出部において 海中に卸されてボートが搭載（発進）される。そしてこのパレットは巻上げられ た後、立体艇庫上を所定の駐艇位置の単位区画上まで移送され、この単位区画に 沿って設けられているガイドで案内して艇庫内に卸される。そしてこのパレット を形成している直立部材によって上段のパレットを支持してボートが搭載されて いるパレットを多段積みすることができる。

【０００７】

【実 施 例】

以下図１乃至図７に基づき、本考案による立体艇庫の一実施例を説明する。 図１は立体艇庫１０の側面図、図２はその平面図、図３は図１のＡ−Ａ矢視図 である。 この立体艇庫１０は地盤上に複数本の支柱１１を植立し、この支柱１１を水平 桁材１２で連結して縦長の単位区画１３を形成し、これを多数平面的に配列した ものである。この単位区画１３は複数のパレット１４を多段に収納可能にしたも のであり、このパレット１４自体が単位区画１３内において一種の棚段を構成し ており、このパレット１４が舟艇１５を収容するための収容区画１６を形成して いることになる。支柱１１を連結する複数本の水平桁材１２の内、支柱１１の上 端を連結する水平桁材１２ａは上面に走行レール１７が配置されるとともにその 一端は海面１８上に突出している。また、各支柱１１の間はブレース１９によっ て補強されている。

【０００８】 走行レール１７上には吊索２０により吊具であるスプレッダー２１を巻上げ、 巻卸しする走行クレーン２２が配置されるとともに、このスプレッダー２１には 連結金具としての遠隔操作のツイストロック機構によりパレット１４に着脱可能 なようになっている。そして単位区画１３内には上下方向に４本のガイド２３が 延長して配置され、このガイド２３にパレット１４の四隅がガイドされて、この 単位区画１３内へパレット１４をスムーズに出し入れすることができるようにな っている。

【０００９】 パレット１４は、図４乃至図６に示されるように水平材２４により構成された 水平枠体２４ａの四隅に柱部材２５を植立し、この柱部材２５の中間位置に水平 補強部材２６と斜め補強部材２７で補強し、更に水平枠体２４ａ上にボート受台 ２８を配置して構成される。また、柱部材２５の上端部にはツイストロック用の 隅金物２９が設けられている。

【００１０】 この立体艇庫は、複数のパレットが積層可能な単位区画を集合させたものであ り、単位区画にＮ個のパレットを積層した場合には、最下段のパレットを出庫す るためには（Ｎ−１）個のパレットを仮置できるボイドスペースが必要である。 前記構成からなる立体艇庫１０において、今、ボートＢを海面１８から収納し ようとする場合、図１に示されるように走行クレーン２２を水平桁材１２ａの突 出部まで移動させ、パレット１４を海中まで吊り卸し、このパレット１４内にボ ートＢを収納する。そして図示しない巻上げ装置によりこのパレット１４を吊上 げ、所定の収容区画１６（パレット１４を収容する空間）の単位区画１３の上方 に移動し、この単位区画１３内に設けられいてるガイド２３に沿ってこの単位区 画１３内に搬送したパレット１４を吊り下し、所定の収容区画１６内に収納する ことができる。

【００１１】 一方、図７に示されるように第７の単位区画１３−７の最低部（この実施例に おいては４段）の収容区画１６−４に収納されているパレット１４−４を出庫し ようとする場合を考えると、先ず単位区画１３−７内に収容されている上段の３ 台のパレット１４−１〜３を走行クレーン２２により、最上段に形成されている ボイドスペースＶ内に移動させる。そして最下部に収容されているパレット１４ −４を走行クレーン２２により吊上げて出庫する。

【００１２】 本実施例においては所定の段数の収容区画１６（パレット１４を収容できる空 間）を形成できる単位区画１３を横１列に平面的に配置して立体艇庫１０を構成 するようにしたが、勿論この単位区画１３を平面的に複数配列することにより連 続した大型の立体艇庫を形成することができる。この場合、各列毎に走行レール １７が形成されており、各走行レール１７毎に走行クレーン２２を設けることに よって効率的に駐艇操作を行うことができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案による立体艇庫は、複数本の支柱を平行に植立し、この支柱の上端を海 面上に突出する水平桁材で連結すると共に、この水平桁材の上に走行レールを配 置し、前記支柱の間を水平桁材で接続して縦長の区画を形成し、この区画内に上 下方向に延びて複数のパレットを多段に収納可能な単位区画を複数列配置し、前 記走行レール上に走行クレーンを配置すると共に、前記複数の単位区画の集合体 の内に一つの単位区画内に収容されるパレットの数より一個少ない容積を持つボ イドスペースを形成している。

【００１４】 従って、本考案はボートを収納するパレットの吊上げ、吊卸しや移動は全て走 行クレーンにより行なうことができるため、操作が容易であり、しかも余分のス ペースが必要でないため効率的なボートの格納が可能となる。また、パレットの 収容には単位区画内のガイドを利用し、あたかもコンテナ船にコンテナを搭載す る時のように操作することができるので、効率的、かつ安全に作業を行うことが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による立体艇庫の側面図である。

【図２】本考案による立体艇庫の平面図である。

【図３】本考案による立体艇庫の側面図である。

【図４】本考案による立体艇庫のパレットの側面図であ
る。

【図５】本考案による立体艇庫のパレットの正面図であ
る。

【図６】本考案による立体艇庫のパレットの平面図であ
る。

【図７】本考案による立体艇庫のパレット出庫時の説明
図である。

【図８】従来の立体艇庫の一例を示す側面図である。

【図９】従来の立体艇庫の一例を示す正面図である。

【符号の説明】

１０ 立体艇庫 １１ 支柱 １２ 水平部材
１２ａ 水平部材 １３ 単位区画 １４ パレット １５ 船艇
１６ 収容区画 １７ 走行レール ２１ スプレッダー ２２ 走
行クレーン ２３ ガイド ２４ 水平部材 ２４ａ 水平枠
体 ２５ 柱部材 ２８ ボート受け台 ２９ 隅金物 Ｖ ボイドス
ペース。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数本の支柱を平行に植立し、この支柱
   の上端を海面上に突出する水平桁材で連結すると共に、
   この水平桁材の上に走行レールを配置し、前記支柱の間
   を水平桁材で接続して縦長の区画を形成し、この区画内
   に上下方向に延びて複数のパレットを多段に収納可能な
   単位区画を複数列配置し、前記走行レール上にスプレッ
   ダー付走行クレーンを配置すると共に、前記複数の単位
   区画の集合体の内に一つの単位区画内に収容されるパレ
   ットの数より一個少ない容積を持つボイドスペースを形
   成するようにした立体艇庫。
2. 【請求項２】 区画内には少なくともパレットの四隅を
   案内するガイドが設けられ、更にパレットは上端にスプ
   レッダーのツイストロックピンとの係合部を有する直立
   部材を四隅に配置し、上面にボート受台を設けた請求項
   １記載のパレット。