JPS5826231Y2 - モジュ−ル運搬船 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はモジュール運搬船に関するものである。

近年遠隔地におけ 遺物の据え付は工事を簡易化
する必要性 多量の大型重量構造物、例えば規格寸
法で ロック毎に構成された円筒構造体または大型
のブロック構造物等（以下モジュールと称する）を運搬
する大型船の建造が提唱されている。

ところで上記モジュールを効率よく運搬するため、大型
タンカーを利用してモジュール運搬船に改造することが
考えられているが、このタンカーには大型重量構造物の
荷役設備がないので貨物倉に積みつけたモジュールを揚
荷するクレーン等の吊り上げ機械が必要となる。

また上記モジュ・−ル積付は場所を貨物倉に限らず上甲
板上にも設けて貨物積載量の増大及び平均化をはかる必
要がある。

本考案は以上の点を考慮してなされたもので、既存タン
カーの中心線タンクを利用して中央部にモジュール昇降
装置を構成すると共に、その周辺部に複数段の固定デツ
キを有する貨物倉に改造し、さらにウィングタンク上部
の上甲板上にモジュール積付は用架台を新設し、多数の
モジュールをその体積に応じて貨物倉のみならず上甲板
上にも積載し得るモジュール運搬船を提供するものであ
る。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案を適用して改造したモジュール運搬船の
横断面図、第２図は改造後の船体の縦断面図を示したも
ので、１は船体、２は船体１の長さ方向中心線にある貨
物油タンク、３は旧船体のまま両舷側に残置されたウィ
ングタンクである。

そして上記中心線貨物油タンク２を利用して中央部にモ
ジュール４の昇降装置１７を構成すると共に、その周辺
部に複数段の固定デツキ２４を有する貨物倉５に改造し
、上甲板６上にもウイングタツク３上部全長にわたって
モジュール積付は用架台７を新設する。

先づ上記中心線貨物油タンクを貨物倉に改造する場合、
既存の上甲板構造（上甲板、縦横桁）を中心線貨物油タ
ンク２の幅より小さい幅で切断し、各中心線貨物油タン
ク毎にハツチ開口８を設け、切断した上甲板構造はその
まま貨物倉５底部に降ろして船底横桁９および船底縦桁
１０上に設置して貨物倉内に積付けるモジュールの受は
台１１として活用する。

さらに上記貨物倉５上部に形成したハツチ開口８の周辺
に方形状のハツチコーミング１２を取付け、このハツチ
コーミング１２上には貨物倉内にモジュールの積込時に
油圧駆動による取り外し可能なハツチカバー１３を新設
し、該ハツチカバー１３上に複数条の縦横桁１４と上部
に取付けた鋼板１５からなるモジュールの受は台１６が
設けられている。

また貨物倉５内に設けたモジュールの受は台１１は第２
図〜第４図に示すように、方形状のハツチコーミング１
２内側の対向位置に船底に達するガイド支柱１８を立設
し、このガイド支柱１８の側面にほぼ全長にわたって固
着されたラック１９と、該ラック１９と噛合した受は台
１１両側の下方に設けたモーター２０と直結されたビニ
オン２１からなる昇降装置１７が構成され、上記各々の
モーター２０の昇降速度は自動制御においてコントロー
ルしてもモジュール受は台１１の昇降姿勢が水平状態と
なるように調整しうるものである。

一方、上記ハツチ開口８の新設に伴ない上甲板部の縦強
度が不足するが、この不足をカバーする目的と上甲板６
上のモジュール積付は用架台７を兼ねた複数条の縦桁２
２を上甲板上のハツチ開口８をさけてウィングタンク３
上部全長にわたって設けている。

この上甲板上の縦桁２２は横桁とによって格子状のモジ
ュール積付は用架台７を構成し、その上面は上記ハツチ
カバー１３上のモジュールの受は台１６と面一になる高
さとし、上甲板上の各架台にかかるモジュール荷重の平
均化をはかりうるようになっている。

なお上記モジュール積付は架台１の下部は通路として利
用出来るように開口２３が設けられている。

本考案は上記のような構成であって、貨物倉５内及び上
甲板６上の各架台７，１６にモジュールを積み込む場合
、第１図及び第２図に示すようにあらかじめハツチカバ
ー１３を油圧駆動により架台上面まで持上げモジュール
積付は用架台７上の点線で示すａ位置までスライドさせ
ておき、貨物倉５内のモジュール受は台１１を昇降装置
１７によりモジュール積付は用架台７の上面位置まで上
昇し、この受は台１１上にモジュール４Ａを積載してか
らガイド支柱１８に沿って下降させて両側各階の固定デ
ツキ２４土に積込む。

そしてモジュール４Ｂをその体積に応じて貨物倉５の中
央部長さ方向前後部にも積載する。

なお大型モジュールを積付ける場合は前後都合せて１個
を積むことも可能である。

次に上記ハツチカバー１３をスライドさせ、ハツチコー
ミング１２上に設置する。

そしてウィングタンク３上部全長にわたって設けられた
モジュール積付は用架台７とハツチカバー上面の受は台
１６にそれぞれモジュール４を積載する。

また本船が目的地に到着後、モジュールを岸壁２５に揚
荷する場合は、先づ両舷のウィングタンク３に淡水した
バラストにより、岸壁２５の上部と上甲板上のモジュー
ル積付は用架台７の頂部とが面一状態になるように調整
し、モジュールの引きおろしに適した高さにする。

そしてモジュールの揚荷作業は上記積込み時とは逆に、
海上クレーン等によりモジュール積付は用架台７上と、
ハツチカバー上部の受は台１６上に積載したモジュール
４をそれぞれ岸壁２５上に移送し、ハツチカバー１３を
油圧駆動により架台上面まで持ち上げ架台７上にスライ
ド移送し、貨物倉５内中央部のモジュール４Ｂと両側固
定甲板２４上のモジュール４Ａを受は台１１の昇降装置
１７により上甲板６上に上昇させ、隣設の架台７上を経
由して岸壁２３上に移動して揚荷作業を完了する。

以上、実施例で述べた本考案によると、既存タンカーの
船体及び中心線貨物油タンクをモジュール運搬船の船体
及び貨物倉として有効利用できるため、此の種運搬船の
建造工期を短縮しうると共に、建造費を低減することが
でき、しかも多数のモジュールをその体積に応じて貨物
倉のみならず上甲板上にも積載できる構造であるから、
積荷の増大と平均化をはかることができる。

さらに貨物倉にモジュールの昇降装置を設けであるので
、貨物の積付は及び揚荷作業を容易かつ迅速化すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は本考案
を適用して改造したモジュール運搬船の横断面図、第２
図は改造後の船体の縦断面図、第３図は第２図のＸ−Ｘ
線における平面図、第４図は昇降装置の駆動部を拡大し
た一部切欠き平面図である。 １・・・・・・船体、２・・・・・・中心線貨物油タン
ク、３・・・・・・ウィングタンク、４，４Ａ、４１３
・・・・・・モジュール、５・・・・・・貨物倉、６・
・・・・・上甲板、７・・・・・・モジュール積付は用
架台、８・・・・・・ハツチ開口、９・・・・・・船底
横桁、１０・・・・・・船底縦桁、１１．１６・・・・
・・モジュールの受は台、１２・・・・・・ハツチコー
ミング、１３・・・・・・ハツチカバー １７・・・・
・・モジュールの昇降装置、１８・・・・・・ガイド支
柱、１９・・・・・・ラック、２０・・・・・・モータ
ー ２１・・・・・・ピニオン、２４・・・・・・固定
デツキ、２５・・・・・・岸壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既存タンカーの中心線タンク上の上甲板構造を切断して
   ハツチ開口を形成し、この切断した上甲板構造を当該中
   心線タンクの船底横桁及び縦桁上にモジュールの受は台
   として設置し、上記ハツチ開口周辺にコーミングを取付
   け、このコーミング上部に上面に受は台を有するハツチ
   カバーを設け、さらにコーミング内側の対向位置に船底
   に達するガイド支柱を立設し、このガイド支柱の側面に
   ほぼ全長にわたって固着されたラックと、該ラックと噛
   合するピニオンからなるモジュール受は台の昇降装置を
   構成すると共に、ウィングタンクの上部全長にわたる上
   甲板上にも上記ハツチカバー上の受は台と面−高さのモ
   ジュール積付は用架台を設けてなるモジュール運搬船。