JPH05101462A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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Publication number
JPH05101462A
JPH05101462A JP25361491A JP25361491A JPH05101462A JP H05101462 A JPH05101462 A JP H05101462A JP 25361491 A JP25361491 A JP 25361491A JP 25361491 A JP25361491 A JP 25361491A JP H05101462 A JPH05101462 A JP H05101462A
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JP
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film
magneto
optical recording
group
atomic
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Application number
JP25361491A
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English (en)
Inventor
Masahiro Miyazaki
崎 正 裕 宮
Kiyotaka Shindo
藤 清 孝 進
Kunihiko Mizumoto
本 邦 彦 水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】基板上に、第1保護膜、光磁気記録膜、第2保
護膜、金属膜がこの順序で積層されてなる光磁気記録媒
体であって、第1保護膜がSiCxからなり、光磁気記
録膜が、(i)3d遷移金属から選ばれる少なくとも1
種と、(ii)希土類から選ばれる少なくとも1種の元素
とからなる、膜面に垂直な磁化容易軸を有する非晶質合
金薄膜からなり、金属膜が、アルミニウム合金からなる
ことを特徴とする光磁気記録媒体。SiCxのxは、
0.5≦x≦3であることが好ましく、光磁気記録膜
は、(i)、(ii)に加えて(iii)耐腐食性金属を含
有していてもよい。また、基板はエチレンと環状オレフ
ィンとのランダム共重合体からなることか好ましい。 【効果】長期信頼性に優れるとともに生産性に優れてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、長期信頼性に優れるとと
もに生産性に優れた光磁気記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【発明の技術的背景】鉄、コバルト等の遷移元素と、テ
ルビウム(Tb)、ガドリニウム(Gd)等の希土類元素
との合金からなる光磁気記録膜は、膜面と垂直な方向に
磁化容易軸を有し、一方向に全面磁化された膜面にこの
全面磁化方向とは逆向きの小さな反転磁区を形成するこ
とができることが知られている。この反転磁区の有無を
「1」、「0」に対応させることによって、上記のよう
な光磁気記録膜にデジタル信号を記録させることが可能
となる。
【0003】このような遷移元素と希土類元素とからな
る光磁気記録膜としては、例えば特公昭57−2069
1号公報には15〜30原子%のTbを含むTb-Fe系光
磁気記録膜が開示されている。またTb-Feに第3の金
属を添加してなる光磁気記録膜も用いられている。さら
にTb-Co系、Tb-Fe-Co系等の光磁気記録膜も知られ
ている。Tb-Fe系、Tb-Co系等の光磁気記録膜中に、
この薄膜の耐酸化性を向上させるために、第3の金属を
添加する方法が種々試みられている。
【0004】このような光磁気記録膜を基板上に積層し
てなる光磁気記録媒体では、長期間使用しても読み取り
エラーが発生し難く長期信頼性に優れていることが望ま
れている。
【0005】このような光磁気記録媒体は、基板上に、
第1保護膜、光磁気記録膜、第2保護膜、金属膜がこの
順序で積層されており、各膜は通常スパッタリング法に
より形成される。これを製造ラインで生産する場合、そ
れぞれの材料からなるターゲットが設置された薄膜形成
装置を並べ、各膜を基板上に連続的に成膜するのが一般
的である。第1保護膜は、各膜の中で一番厚く、しかも
一般にSiNx等の誘電体からなる材料であるため、スパ
ッタリング速度は、光磁気記録膜、金属膜に比べてはる
かに遅い。したがって光磁気記録膜や金属膜の成膜工程
は終わっているのに、第1保護膜のみがスパッタリング
を行っているというアンバランスを生じている。生産量
を増やすためにスループットを上げようとしたとき、第
1保護膜の成膜速度の遅さがネックとなる。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、長期の使用によっても読み取
りエラーが生じ難く、長期信頼性に優れるとともに、生
産性に優れる光磁気記録媒体を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る光磁気記録媒体は、基板上
に、第1保護膜、光磁気記録膜、第2保護膜、金属膜が
この順序で積層されてなる光磁気記録媒体であって、第
1保護膜がSiCx からなり、光磁気記録膜が、(i)
3d遷移元素から選ばれる少なくとも1種と、(ii)希
土類から選ばれる少なくとも1種の元素とからなる、膜
面に垂直な磁化容易軸を有する非晶質合金薄膜からな
り、金属膜が、アルミニウム合金からなることを特徴と
している。
【0008】本発明では、前記光磁気記録膜が、(i)
3d遷移元素から選ばれる少なくとも1種と、(ii)希
土類から選ばれる少なくとも1種の元素と、(iii)耐
腐食性金属とからなり、上記耐腐食性金属の含有量が5
〜30原子%である、膜面に垂直な磁化容易軸を有する
非晶質合金薄膜から形成されていてもよい。
【0009】また、本発明に係る光磁気記録媒体では、
前記第1保護膜を構成するSiCxにおいて、xが原子比
で0.5≦x≦3であると長期信頼性に優れ、しかも再
生レーザー光の光学的吸収が少ない。
【0010】本発明では、上記基板が(A)エチレン
と、下記一般式[I]および/または[II]で表される
環状オレフィンとのランダム共重合体、(B)下記一般
式[III]で表される繰り返し単位を含む重合体または
共重合体、(C)下記一般式[IV]で表される繰り返し
単位を含む重合体または共重合体よりなる群から選ばれ
る少なくとも一種の重合体または共重合体からなること
が好ましい。
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】(式[I]中、nは0または1であり、m
は0または正の整数であり、qは0または1であり、R
1〜R18およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子および炭化水素基よりな群から選ばれ
る原子もしくは基であり、R15〜R18は、互いに結合し
て単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環ま
たは多環が二重結合を有していてもよく、また、R15
16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成
していてもよい。
【0016】式[II]中、pは0または1以上の整数で
あり、qおよびrは、0、1また2であり、R1〜R15
はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化
水素基、芳香族炭化水素基、およびアルコキシ基よりな
る群から選ばれる原子もしくは基であり、R5(または
6)とR9(またはR7)とは、炭素数1〜3のアルキ
レン基を介して結合していてもよく、また何の基も介さ
ずに直接結合していてもよい。
【0017】式[III]および[IV]中、n、m、kお
よびR1 〜R18は、式[I]と同様の意味である。)
【0018】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る光磁気記録媒
体について具体的に説明する図1は、本発明に係る光磁
気記録媒体の一実施例を示す概略断面図である。
【0019】本発明に係る光磁気記録媒体10は、基板
1上に、第1保護膜2、光磁気記録膜3、第2保護膜
4、金属膜5がこの順序で積層されている。 [基板1]基板は、透明基板であることが望ましく、具
体的には、ガラスあるいはアルミニウム等の無機材料の
他に、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、
ポリカーボネートとポリスチレンのポリマーアロイ、米
国特許4614778号明細書に示されるような非晶質
ポリオレフィン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、エポキシ
樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリ
エーテルイミド等の有機材料を使用することができる
が、特に後述するような基板が好ましく用いられる。
【0020】本発明に係る光磁気記録媒体の基板には、
一般式[I]および/または[II]で表される環状オレ
フィンとエチレンとのランダム共重合体、一般式[II
I]で表される繰り返し単位を含む重合体または共重合
体、一般式[IV]で表される繰り返し単位を含む重合体
または共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の重合体または共重合体が好ましく用いられる。
【0021】ここで一般式[III]で表される繰り返し
単位は、一般式[I]で表される環状オレフィンを開環
重合することにより形成され、一般式[IV]で表される
繰り返し単位は、一般式[III]で表される繰り返し単
位を水素添加することによって形成される。
【0022】一般式[I]において、nは0または1で
あり、好ましくは0である。また、mは0または正の整
数であり、好ましくは0〜3である。また一般式[II]
において、pは0または1以上の整数であり、好ましく
は0〜3の整数である。
【0023】そして、一般式[I]におけるR1 〜R18
ならびにRaおよびRb、あるいは一般式[II]における
1〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もしく
は基を表す。炭化水素基としては、通常は炭素原子数1
〜6のアルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル
基を挙げることができ、アルキル基の具体的な例として
は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル
基、アミル基等を挙げることができ、シクロアルキル基
の具体的な例としては、シクロプロピル基、シクロブチ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げる
ことができる。
【0024】なお、一般式[I]において、kが0の場
合は、kを用いて表される環は五員環を形成する。さら
に、一般式[I]において、R15〜R18は互いに結合し
て(共同して)単環または多環を形成していてもよく、
かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよい。
このような単環または多環としては、以下に挙げる単環
または多環を例示することができる。さらに、これらの
環は、メチル基等の置換基を有していてもよい。
【0025】
【化9】
【0026】なお、上記式において、1および2を付し
て示した炭素原子は、式[I]においてR15〜R18で表
される基が結合している脂環構造の炭素原子を表す。ま
た、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基
は、通常は炭素原子数2〜4のアルキリデン基を挙げる
ことができ、その具体的な例としては、エチリデン基、
プロピリデン基、イソプロピリデン基およびイソブチリ
デン基を挙げることができる。
【0027】上記一般式[I]または[II]で表される
環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と、相応する
オレフィン類あるいは環状オレフィン類とをディールス
・アルダー反応により縮合させることにより容易に製造
することができる。
【0028】上記一般式[I]または[II]で表される
環状オレフィンとしては、具体的には、例えば、ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト-2-エン又はその誘導体、テトラシク
ロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン又はその誘導体、
ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.11 0,13.02,7.09,14]-4-ヘ
プタデセン又はその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.
12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセン又
はその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.
09,14]-4-ヘキサデセン又はその誘導体、ヘプタシクロ
-5-エイコセン又はその誘導体、ヘプタシクロ-5-ヘンエ
イコセン又はその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3
-デセン又はその誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]-3-
ウンデセン又はその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.
13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン又はその誘導体、ペ
ンタシクロペンタデカジエン又はその誘導体、ペンタシ
クロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセン又は
その誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.
112,15.02,7.011,16]-4-エイコセン又はその誘導体、
ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.0
12,21.014,19]-5-ペンタコセン又はその誘導体、ペン
タシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセン
又はその誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.1
13,16.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン又はその誘導
体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.0
4,9.013,22.015,20]-5-ヘキサコセン又はその誘導体、
5-フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチ
ル-5-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ベ
ンジル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-トリル-ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(エチルフェニル)
-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(イソプロピル
フェニル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、1,4-メ
タノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン、1,4-メタノ-
1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセン、シクロペ
ンタジエン-アセナフチレン付加物、5-(α-ナフチル)
-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(アントラセニ
ル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等を挙げること
ができる。
【0029】上記のような環状オレフィン類とエチレン
との共重合体である環状オレフィン系ランダム共重合体
は、エチレンおよび前記環状オレフィンを必須成分とす
るものであるが、必要に応じて他の共重合可能な不飽和
単量体成分を含有していてもよい。任意に共重合されて
いてもよい該不飽和単量体として、具体的には、例えば
生成するランダム共重合体中のエチレン成分単位と等モ
ル未満の範囲のプロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセ
ン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセ
ン、1-エイコセン等の炭素原子数が3〜20のα-オレ
フィン等を例示することができる。
【0030】本発明では、光磁気記録媒体の基板として
上記のような環状オレフィン系ランダム共重合体の他
に、一般式[I]で表される環状オレフィンの開環重合
体もしくは開環共重合体[III]、あるいはこれらの開
環重合体もしくは開環共重合体の水素添加物[IV]を用
いることもでき、このような重合体の例として、テトラ
シクロドデセンの開環重合体、テトラシクロドデセンと
ノルボルネンおよびそれらの誘導体との開環共重合体、
およびこれらの開環共重合体、ならびにこれら開環共重
合体の水素添加物が挙げられる。
【0031】このような環状オレフィン系重合体は、特
開昭60-168708号公報、特開昭61-120816号公報、特開昭
61-115912号公報、特開昭61-115916号公報、特開昭62-2
52406号公報、特開昭62-252407号公報、特開昭61-27130
8号公報、特開昭61-272216号公報等において本出願人が
提案した方法に従って適宜条件を選択することにより製
造することができる。
【0032】本発明に係る光磁気記録媒体の基板には、
このようにして製造される環状オレフィン共重合体の中
でも13C−NMRによって測定されるエチレンに由来す
る繰り返し単位が40〜85モル%、特に50〜75モ
ル%の範囲で存在し、同様にして測定される環状オレフ
ィンに由来する繰り返し単位が15〜60モル%、好ま
しくは25〜50モル%の範囲で存在し、これらのエチ
レンおよび環状オレフィンに由来する繰り返し単位がラ
ンダムに実質上線状に配列している環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体[A](以下共重合体[A]と記載す
る)が好ましく用いられる。またこのように重合体が実
質上線状であり、ゲル状架橋構造を有していないこと
は、該共重合体が135℃のデカリン中に完全に溶解す
ることによって確認できる。
【0033】また本発明に係る光磁気記録媒体の基板に
用いられる共重合体[A]としては、135℃のデカリ
ン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/
g、特に0.08〜5dl/gの範囲にある環状オレフィ
ン系ランダム共重合体が好ましい。
【0034】さらにこのような共重合体[A]は、軟化
温度(TMA)が70℃以上、好ましくは90〜250
℃の範囲であることが望ましい。この軟化温度(TM
A)は、デュポン社製のサーモメカニカル・アナライザ
ーを用いて厚さ1mmのシートの熱変形挙動により測定
される。すなわちシート上に石英製の針をのせ、荷重4
9gをかけ、5℃/分で昇温していき、針がシート中に
0.635mm埋入した際の温度をTMAとした。また
このような共重合体[A]のガラス転移温度(Tg)は
50〜230℃、好ましくは70〜210℃の範囲にあ
ることが望ましい。
【0035】さらに共重合体[A]のX線回析法によっ
て測定した結晶化度は、0〜10%、好ましくは0〜7
%の範囲にあることが望ましい。本発明では、上記のよ
うな共重合体[A]に、エチレンと上記一般式[I]ま
たは[II]で表わされる環状オレフィンとの共重合体で
あって、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.05〜5dl/gの範囲にあり、軟化温度
(TMA)が70℃未満である環状オレフィン系ランダ
ム共重合体[B](以下共重合体[B]と記載する)を
配合してなる環状オレフィン系ランダム共重合体組成物
から基板を形成することが好ましい。
【0036】上記のような共重合体[B]では、前記と
同様にして測定されたエチレンに由来する繰り返し単位
が60〜98モル%の範囲で存在していることが好まし
く、環状オレフィンに由来する繰り返し単位が2〜40
モル%、特に5〜40モル%の範囲で存在していること
が好ましく、前記エチレンに由来する繰り返し単位およ
び環状オレフィンに由来する繰り返し単位がランダムに
実質上線状に配列していることが好ましい。またこのよ
うに重合体が実質上線状であり、ゲル状架橋構造を有し
ていないことは、該共重合体が135℃のデカリン中に
完全に溶解することによって確認できる。
【0037】またこのような共重合体[B]の135℃
のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.05〜
5dl/g、特に0.08〜3dl/gの範囲にあることが
好ましい。
【0038】共重合体[B]は、共重合体[A]と同様
にして測定した軟化温度(TMA)が70℃未満、好ま
しくは−10〜60℃の範囲にあることが望ましい。ま
た該共重合体[B]のガラス転移温度(Tg)は、−3
0〜60℃、好ましくは−20〜50℃の範囲にあるこ
とが望ましい。さらに共重合体[B]のX線回析法によ
って測定した結晶化度は、0〜10%、好ましくは0〜
7%の範囲にあることが望ましい。
【0039】本発明において、基板として環状オレフィ
ン系ランダム共重合体組成物を用いる場合には、前記共
重合体[A]/共重合体[B]の重量比は、100/
0.1〜100/10、好ましくは100/0.3〜10
0/7の範囲にあることが望ましい。共重合体[B]を
この範囲で共重合体[A]に配合することによって基板
自体の優れた透明性と表面平滑性を維持したままで、光
磁気記録層との密着性が共重合体[A]のみの場合に比
べてさらに向上するという効果がある。
【0040】なお、上記のような開環重合体、開環共重
合体、これらの水素添加物および環状オレフィン系ラン
ダム共重合体の一部が無水マレイン酸等の不飽和カルボ
ン酸等で変性されていてもよい。このような変性物は、
上記のような環状オレフィン系樹脂と、不飽和カルボン
酸、これらの無水物、および不飽和カルボン酸のアルキ
ルエステル等の誘導体とを反応させることにより製造す
ることができる。この場合の環状オレフィン系樹脂の変
性物中における変性剤から導かれる構成単位の含有率
は、通常は50〜10モル%以下である。このような環
状オレフィン系樹脂変性物は、所望の変性率になるよう
に環状オレフィン系樹脂に変性剤を配合してグラフト重
合させて製造することもできるし、予め高変性率の変性
物を調製し、次いでこの変性物と未変性の環状オレフィ
ン系樹脂とを混合することによっても製造することがで
きる。
【0041】以上のような開環重合体、開環共重合体、
これらの水素添加物および環状オレフィン系ランダム共
重合体ならびにその変性物は、単独で、あるいは組み合
わせて用いることができる。
【0042】また本発明の光磁気記録媒体の基板には、
上述したような重合体に加えて、衝撃強度を向上させる
ためのゴム成分を配合したり、耐熱安定剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、
防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油等を適当量
配合することができる。
【0043】所望により配合される安定剤としては、フ
ェノール系酸化防止剤、脂肪酸金属塩、多価アルコール
の脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの安定剤は、
単独で配合してもよく、組み合わせて配合してもよい。
【0044】本発明の光磁気記録媒体の基板にはフェノ
ール系酸化防止剤と多価アルコールの脂肪酸エステルと
を組合せて用いることが好ましく、この多価アルコール
の脂肪酸エステルは3価以上の多価アルコールのアルコ
ール性水酸基の一部がエステル化された多価アルコール
脂肪酸エステルであることが好ましい。
【0045】このようなフェノール系酸化防止剤は、例
えば前記[A]成分および[B]成分の合計重量100
重量部に対して0〜10重量部の量で用いることが望ま
しく、また多価アルコールの脂肪酸エステルは、[A]
成分および[B]成分の合計重量100重量部に対して
0〜10重量部の量で用いることが好ましい。
【0046】また本発明の光磁気記録媒体の基板には、
本発明の目的および透明性を損なわない範囲で、シリ
カ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ガラ
ス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、珪酸カルシウ
ム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、
アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、炭化珪
素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ
エステル繊維、ポリアミド繊維等の充填剤を配合しても
よい。
【0047】このような基板の厚みは特に限定されない
が、通常0.5〜5mm、好ましくは0.5〜2mmであ
る。 [第1保護膜2]第1保護膜としては、SiCx で示さ
れる組成の膜が用いられ、SiCx 膜としては例えば、
SiC(炭化珪素)膜が例示できる。
【0048】SiCx で示される第1保護膜では、原子
比で表わした場合に0.5≦x≦3、特に0.8≦x≦
2.5であることが好ましい。xがこの価より小さい
と、再生レザー光の光学的吸収が光磁気信号を減衰させ
るほど大きくなり、またxの価が大きすぎても同様に光
学的吸収が大きくなり光磁気信号を減衰させる。
【0049】第1保護膜は、具体的にはSiC(炭化珪
素)膜あるいは0.5≦x≦3となるようなSiCとSi
との混成膜、あるいはSiCとCとの混成膜が用いられ
る。このようなSiCx で示される第1保護膜は、例え
ばターゲットとしてSiC、SiCとSiとの混合ターゲ
ットあるいはSiCとCとの混合ターゲットを用いてス
パッタリング法により成膜することができる。またSi
を含炭化水素雰囲気中(例えばAr/CH4)等でスパッ
タリングすることによって成膜することもできる。
【0050】このようなSiCx からなる第1保護膜
は、通常1.8以上、好ましくは1.9〜2.6の屈折率
を有していることが望ましい。第1保護膜は、厚さを変
えると光磁気記録媒体のC/N比および反射率が変化す
る。C/N比および反射率は、それぞれが屈折率×膜厚
の関数であるため、C/N比および反射率を変えずに膜
厚を薄くするためには屈折率を大きくすればよい。第1
保護膜で用いられるSiCx は、屈折率が大きいため膜
厚を薄くすることができ、しかもSiCx からなる第1
保護膜は、膜厚が薄くても長期安定性に優れている。S
iCx からなる第1保護膜は、スパッタ速度が大きく、
かつ膜厚を薄くすることができるので、従来の第1保護
膜に比べて成膜速度を速くすることができる。
【0051】第1保護膜は、後述する光磁気記録膜を酸
化等から保護する働きまたは光磁気記録膜の記録特性を
高めるエンハンス膜としての働きあるいはその両方の働
きをしている。
【0052】このような第1保護膜の膜厚は、通常10
0〜2000Å、好ましくは300〜1500Åであ
る。 [光磁気記録膜3]光磁気記録膜は、(i)3d遷移元
素から選ばれる少なくとも1種と、(ii)希土類から選
ばれる少なくとも1種の元素とからなっているか、ある
いは(i)3d遷移元素から選ばれる少なくとも1種
と、(ii)希土類から選ばれる少なくとも1種の元素
と、(iii)耐腐食性金属とからなっている。
【0053】(i)3d遷移元素としては、Fe、Co、
Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn等が用いられるが、
これらのうちFeまたはCoあるいはこの両者であること
が好ましい。
【0054】この3d遷移元素は、光磁気記録膜中に、
該光磁気記録膜の全原子数を基準として、通常20〜9
0原子%、好ましくは30〜85原子%、特に好ましく
は35〜80原子%の量で存在している。
【0055】(ii)希土類元素としては、例えば Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、La、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Euが挙げられる。これらのうち
Gd、Tb、Dy、Ho、Pr、Nd、Smが好ましく用いら
れる。
【0056】上記のような群から選ばれる少なくとも1
種の希土類元素は、光磁気記録膜中に、該光磁気記録膜
の全原子数を基準として、通常5〜50原子%、好まし
くは8〜45原子%、特に好ましくは10〜40原子%
の量で存在している。
【0057】光磁気記録膜は、上記(i)3d遷移元素
および(ii)希土類元素に加えて、(iii)耐腐食性金
属を含んでいてもよい。(iii)耐腐食性金属は、光磁
気記録膜に含ませることにより、この光磁気記録膜の耐
酸化性を高めることができ、長期信頼性に優れた光磁気
記録膜を得ることができる。このような耐腐食性金属と
しては、Pt、Pd、Ti、Zr、Ta、Nb等が用いられる
が、これらのうちPt、Pd、Tiが好ましく、特にPtま
たはPdあるいはこの両者であることが好ましい。
【0058】この耐腐食性金属は、光磁気記録膜中に、
該光磁気記録膜の全原子数を基準として、通常5〜30
原子%、好ましくは5〜25原子%、より好ましくは1
0〜25原子%、特に好ましくは10〜20原子%の量
で存在している。
【0059】上記のような量で耐腐食性金属を光磁気記
録膜中に存在させると、得られる光磁気記録膜の耐酸化
性が充分に改善され、経時的に保磁力Hc が大きく変化
したりあるいはカー回転角θk が減少したりすることが
ない。また、30原子%を超えて存在する場合には、得
られる非晶質合金薄膜のキュリー点が室温以下となる傾
向が生ずる。
【0060】本発明では、光磁気記録膜が、特に下記に
記載するような組成を有することが好ましい。 (i)3d遷移元素 3d遷移元素は、光磁気記録膜中に好ましくはFeまた
はCoあるいはこの両者が含まれており、Feおよび/ま
たはCoは、通常40原子%以上80原子%以下、好ま
しくは40原子%以上75原子%未満、さらに好ましく
は、40原子%以上59原子%以下の量で存在している
ことが望ましい。Feおよび/またはCoの量が40原子
%以上で80原子%以下の範囲にあると、耐酸化性に優
れ、かつ膜面に垂直な方向に磁化容易軸をもった光磁気
記録膜が得られるという利点を有する。
【0061】ところで光磁気記録膜中に、Coを添加す
ると、(イ)光磁気記録膜のキュリー点が上昇し、また
(ロ)カー回転角(θk)が大きくなるという現象が認
められ、その結果、Coの添加量により、光磁気記録膜
の記録感度を調整することができ、しかもCoの添加に
より、再生信号のキャリアレベルを増加することができ
る。本発明に係る光磁気記録膜では、ノイズレベル、C
/N比の点からCo/(Fe+Co)比[原子比]は、通
常0以上0.3以下、好ましくは0以上0.2以下、さら
に好ましくは0.01以上0.2以下であるような量で、
光磁気記録膜中に存在していることが望ましい。
【0062】(ii)希土類元素(RE) 希土類元素(RE)としては、Nd、Sm、Pr、Ce、E
u、Gd、Tb、DyまたはHoが用いられる。これらの中
では、Nd、Pr、Gd、Tb、Dyが好ましく用いられ、
特にTbが好ましい。また希土類元素は2種以上併用し
てもよく、この場合にTbを希土類元素のうち50原子
%以上含有していることが好ましい。
【0063】この希土類元素は、膜面に垂直な方向に磁
化容易軸をもった光磁気記録膜を得るという点からRE
/(RE+Fe+Co)比[原子比]をxで表わした場合
に、通常0.15≦x≦0.45、好ましくは0.20≦
x≦0.4であるような量で光磁気記録膜中に存在して
いることが望ましい。
【0064】(iii)耐腐食性金属 耐腐食性金属は、光磁気記録膜中に好ましくはPtまた
はPdあるいはこの両者が含まれており、Ptおよび/ま
たはPdは、光磁気記録膜中に通常5〜30原子%、好
ましくは10原子%を超えて30原子%以下、さらに好
ましくは10原子%を超えて20原子%未満、最も好ま
しくは11原子%以上19原子%以下の量で存在してい
ることが望ましい。
【0065】光磁気記録膜中のPtおよび/またはPdの
量が5原子%以上、特に10原子%を超えて存在する
と、光磁気記録膜は耐酸化性に優れ、長期間使用しても
孔食が発生せず、C/N比も劣化しないという利点を有
する。
【0066】例えばPt13Tb28Fe50Co9(原子%)あ
るいはPd12Tb28Fe57Co3(原子%)で示される組成
を有する光磁気記録膜を有する本発明の光磁気記録媒体
は、相対湿度85%、80℃の環境下に1000時間保
持しても、C/N比は全く変化しない。
【0067】本発明では、光磁気記録膜に上記以外の他
の元素を少量添加して、キュリー温度や補償温度あるい
は保磁力Hc やカー回転角θk の改善または低コスト化
を計ることもできる。これらの元素は、光磁気記録膜を
構成する全原子数に対して例えば10原子%未満の割合
で用いることができる。
【0068】併用できる他の元素の例としては、以下の
ような元素が挙げられる。 (I)Fe、Co以外の3d遷移元素、例えばSc、Ti、
V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn等。 (II)Pd以外の4d遷移元素、例えばY、Zr、Nb、
Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Cd等。 (III)Pt以外の5d遷移元素、例えばHf、Ta、W、
Re、Os、Ir、Au、Hg等。 (IV)III B族元素、例えばB、Al、Ga、In、Tl
等。 (V)IVB族元素、例えばC、Si、Ge、Sn、Pb等。 (VI)VB族元素、例えばN、P、As、Sb、Bi等。 (VII)VIB族元素、例えばS、Se、Te、Po等。
【0069】上記のような組成を有する光磁気記録膜
は、膜面に垂直な磁化容易軸を有し、多くはカー・ヒス
テリシスが良好な角形ループを示す垂直磁気および光磁
気記録可能な非晶質薄膜となることが、広角X線回析等
により確かめられる。
【0070】このような光磁気記録膜の膜厚は、通常1
00〜600Å、好ましくは100〜400Å、より好
ましくは150〜350Å程度である。 [第2保護膜4]第2保護膜としては、SiNxで示され
る組成の膜が好ましく用いられ、SiNx膜としては、例
えば窒化ケイ素膜または窒化ケイ素含有膜が例示でき
る。
【0071】SiNxで示される第2保護膜では、原子比
で表わした場合に0<x≦5/3、特に0<x≦4/3
であることが好ましく、具体的には、Si34(四窒化
三ケイ素)等の窒化ケイ素膜あるいは0<x<4/3と
なるようにSi34とSiとを混合した混合膜が特に好ま
しく用いられる。このようなSiNxで示される第2保護
膜は、例えばターゲットとして、Si34またはSi34
とSiとを用いて、スパッタリング法により成膜するこ
とができる。またSiを含窒素雰囲気中(例えばAr/N
2)等でスパッタリングすることによって成膜すること
もできる。このようなSiNxからなる第2保護膜は、光
磁気記録膜を酸化等から保護する働きまたは光磁気記録
膜の記録特性を高めるエンハンス膜としての働きあるい
はその両方の働きをしている。
【0072】このような第2保護膜の膜厚は、通常50
〜1000Å、好ましくは50〜700Å、より好まし
くは100〜400Å程度である。第2保護膜は、第1
保護膜に比べて膜厚が薄いため、SiNx膜から形成され
ていても成膜時間は短く、光磁気記録媒体の生産性に悪
影響を及ぼすことはない。
【0073】[金属膜5]本発明に係る光磁気記録媒体
では、上記のような第2保護膜上に、金属膜が設けられ
ている。
【0074】本発明では、金属膜は、アルミニウム合金
からなっている。このアルミニウム合金は、アルミニウ
ムと、アルミニウム以外の少なくとも1種の元素を含ん
で構成されている。
【0075】このような金属膜を構成するアルミニウム
合金として具体的には、以下のようなものが例示でき
る。なお下記のアルミニウム合金において、各金属の含
有量は該アルミニウム合金を構成する全原子数に対する
原子%である。
【0076】Al-Cr合金(Cr含有量0.1〜10原子
%)、Al-Cu合金(Cu含有量0.1〜10原子%)、
Al-Mn合金(Mn含有量0.1〜10原子%)、Al-Hf
合金(Hf含有量0.1〜10原子%)、Al-Nb合金
(Nb含有量0.1〜10原子%)、Al-B合金(B含有
量0.1〜10原子%)、Al-Ti合金(Ti含有量0.1
〜10原子%)、Al-Ti-Nb合金(Ti含有量0.1〜
5原子%、Nb含有量0.1〜5原子%)、Al-Ti-Hf
合金(Ti含有量0.1〜5原子%、Hf含有量0.1〜1
0原子%)、Al-Cr-Hf合金(Cr含有量0.1〜5原
子%、Hf含有量0.1〜10原子%)、Al-Cr-Ti合
金(Cr含有量0.1〜5原子%、Ti含有量0.1〜10
原子%)、Al-Cr-Zr合金(Cr含有量0.1〜5原子
%、Zr含有量0.1〜10原子%)、Al-Ti-Nb合金
(Ti含有量0.1〜5原子%、Nb含有量0.1〜5原子
%)、Al-Ni合金(Ni含有量0.1〜10原子%)、
Al-Mg合金(Mg含有量0.1〜10原子%)、Al-Mg
-Ti合金(Mg含有量0.1〜10原子%、Ti含有量0.
1〜10原子%)、Al-Mg-Cr合金(Mg含有量0.1
〜10原子%、Cr含有量0.1〜10原子%)、Al-M
g-Hf合金(Mg含有量0.1〜10原子%、Hf含有量
0.1〜10原子%)、Al-Se合金(Se含有量0.1〜
10原子%)、Al-Zr合金(Zr含有量0.1〜10原
子%)、Al-Ta合金(Ta含有量0.1〜10原子
%)、Al-Ta-Hf合金(Ta含有量0.1〜10原子
%、Hf含有量0.1〜10原子%)、Al-Si合金(Si
含有量0.1〜10原子%)、Al-Ag合金(Ag含有量
0.1〜10原子%)、Al-Pd合金(Pd含有量0.1〜
10原子%)、Al-Pt合金(Pt含有量0.1〜10原
子%)。
【0077】これらの金属膜を構成するアルミニウム合
金のうち、特に以下のようなものが、光磁気記録媒体の
線速依存性を小さくし、かつ耐腐食性に優れているので
好ましい。
【0078】ハフニウム0.1〜10原子%を含むアル
ミニウム合金、ニオブ0.1〜10原子%を含むアルミ
ニウム合金、チタン0.5〜5原子%とハフニウム0.5
〜5原子%を含み、チタンとハフニウムの合計含有量が
1〜5.5原子%であるアルミニウム合金、クロム0.1
〜5原子%とチタン0.1〜9.5原子%を含み、クロム
とチタンの合計含有量が10原子%以下であるアルミニ
ウム合金、マグネシウム0.1〜10原子%とクロム0.
1〜10原子%を含み、マグネシウムとクロムの合計含
有量が15原子%以下であるアルミニウム合金、クロム
0.1〜5原子%とハフニウム0.1〜9.5原子%を含
み、クロムとハフニウムの合計含有量が10原子%以下
であるアルミニウム合金、マグネシウム0.1〜10原
子%とハフニウム0.1〜10原子%を含み、マグネシ
ウムとハフニウムの合計含有量が15原子%以下である
アルミニウム合金、クロム0.1〜5原子%とジルコニ
ウム0.1〜9.5原子%を含み、クロムとジルコニウム
の合計含有量が10原子%以下であるアルミニウム合
金、タンタル0.1〜10原子%とハフニウム0.1〜1
0原子%とを含み、タンタルとハフニウムの合計含有量
が15原子%以下であるアルミニウム合金、チタン0.
5〜5原子%とニオブ0.5〜5原子%を含み、チタン
とニオブの合計含有量が1〜5.5原子%であるアルミ
ニウム合金、マグネシウム0.1〜10原子%とチタン
0.1〜10原子%を含み、マグネシウムとチタンの合
計含有量が15原子%以下であるアルミニウム合金。
【0079】ハフニウム0.1〜9.5原子%、クロム
0.1〜5原子%およびチタン0.1〜9.5原子%を含
み、ハフニウムとクロムとチタンとの合計含有量が10
原子%以下であるアルミニウム合金。
【0080】ハフニウム0.1〜10原子%、マグネシ
ウム0.1〜10原子%およびチタン0.1〜10原子%
を含み、ハフニウムとクロムとマグネシウムとの合計含
有量が15原子%以下であるアルミニウム合金。
【0081】ハフニウム0.1〜10原子%、マグネシ
ウム0.1〜10原子%およびクロム10原子%以下と
を含み、ハフニウムとマグネシウムとクロムの合計含有
量が15原子%以下であるアルミニウム合金。
【0082】ハフニウム0.1〜10原子%、マグネシ
ウム0.1〜10原子%、チタン0.1〜10原子%およ
びクロム10原子%以下とを含み、ハフニウムとマグネ
シウムとチタンとクロムとの合計含有量が15原子%未
満であるアルミニウム合金。
【0083】チタン0.1〜10原子%、マグネシウム
0.1〜10原子%およびクロム10原子%以下とを含
み、チタンとマグネシウムとクロムとの合計含有量が1
5原子%以下であるアルミニウム合金。
【0084】ニッケルを0.1〜10原子%含むアルミ
ニウム合金。ニッケルを0.1〜10原子%、クロムを
2原子%以下で含むアルミニウム合金。
【0085】このような金属膜は、例えば第2保護膜上
に上記元素の複合ターゲットまたはその合金ターゲット
を用い、スパッタリング法等によって成膜することがで
きる。
【0086】また上記のような金属膜は、それぞれの金
属膜を構成する金属以外に下記のような金属(元素)を
1種または2種以上含ませることもできる。このような
金属としては、例えば、チタン(Ti)、ハフニウム
(Hf)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、シリコン
(Si)、タンタル(Ta)、銅(Cu)、タングステン
(W)、ジルコニウム(Zr)、マンガン(Mn)、マグ
ネシウム(Mg)、バナジウム(V)等が挙げられ、こ
のような他の金属は、通常5原子%以下、好ましくは2
原子%以下の量で含まれる。(ただし、金属膜には、上
記に例示するような金属(元素)のうち、既に金属膜に
含まれている金属(元素)をさらに上記の量で重ねて含
ませることはないものとする。例えば、金属膜を構成す
るアルミニウム合金が、上記したAl-Ti合金、Al-Ti
-Hf合金等である場合には、上記の金属(元素)のうち
でチタン(Ti)がさらに上記のような量で上記アルミ
ニウム合金中に含まれることはない。) このような金属膜の膜厚は、通常100〜5000Å、
好ましくは500〜3000Å、より好ましくは700
〜2000Å程度である。
【0087】本発明においてアルミニウム合金からなる
金属膜は、熱良伝導体としての機能を果しており、この
金属膜が存在することによって光磁気記録膜に記録され
たピットの中心部が記録レーザ光によって過度に高温に
なることが防止され、その結果、記録パワーの線速依存
性が小さくなると考えられる。
【0088】また本発明における金属膜は、耐腐食性に
優れているため、長期間使用した後においても、記録媒
体の線速依存性が小さいという特徴を有しており、光磁
気記録膜に対する保護作用にも優れている。
【0089】[オーバーコート膜6]本発明に係る光磁
気記録媒体では、図2に示すように、金属膜上にオーバ
ーコート膜が設けられていてもよい。
【0090】オーバーコート膜としては、アクリル系紫
外線硬化樹脂等の紫外線硬化樹脂が好ましく用いられ
る。このようなオーバーコート膜は、紫外線硬化樹脂を
例えばロールコート法、スピンコート法等によって金属
膜上に塗布することにより形成することができる。
【0091】このオーバーコート膜の膜厚は、好ましく
は1〜100μm、特に好ましくは1〜50μmであ
る。オーバーコート膜を金属膜上に設けることによっ
て、長期間使用しても読み取りエラーが生じ難く、長期
信頼性に優れた光磁気記録媒体を得ることができる
【0092】
【発明の効果】本発明では、第1保護膜として屈折率の
高いSiCx からなる膜を用いているため、C/N比お
よび反射率を変化させることなく膜厚を薄くすることが
できる。このため第1保護膜の成膜速度を上げることが
できるので、光磁気記録媒体の生産量を増大させること
ができる。
【0093】また、本発明に係る光磁気記録媒体は、特
定の膜組成および膜構成を有しているので、耐腐食性に
優れるとともに長期の使用によっても読み取りエラーが
生じ難く、長期信頼性に優れている。
【0094】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0095】
【実施例1】エチレンと1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,
5,8,8a-オクタヒドロナフタレン(以下DMONと略記
する)とを共重合させて得られる非晶性の環状オレフィ
ンランダム共重合体[13C−NMR分析で測定したエチ
レン含量59モル%、DMON含量41モル%、135
℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.42dl
/g、軟化温度(TMA)154℃]からなる基板(厚
さ1.2mm)上に、スパッタリング法で光磁気記録媒
体を形成した。
【0096】[前排気]基板をスパッタリング装置の中
に入れて真空排気を行い、真空度が1×10-7Torr
以下になるまで排気した。
【0097】[第1保護膜の成膜]SiCの焼結ターゲ
ットを用い、Arガスを導入して圧力を3mmTorr
に保って1kWのRFパワーでプラズマ放電を起こさせ
た。1分間のプレスパッタの後、基板とターゲットの間
にあるシャッターを開いて2、3分間スパッタリングを
行い、700ÅのSiCx 膜を形成した。
【0098】[光磁気記録膜の成膜]次に、Arガスの
供給を一旦停止し、排気を行って、1×10-7Torr
になったところで光磁気記録膜の成膜を行った。即ちT
bFeCoからなるターゲット上にPtチップを置いた
ところに、Arガスを導入し圧力を3mmTorrに保
ってDCパワー1kWを供給しプラズマ放電を起こさせ
た。2分間プレスパッタの後、基板とターゲットの間に
あるシャッターを開いて45秒間スパッタリングを行
い、300ÅのPt10Tb28Fe60Co2 (原子%)の
組成を有する光磁気記録膜を成膜した。
【0099】[第2保護膜の成膜]Siターゲットを用
い、ArガスとN2ガスを導入して圧力を3mmTor
rに保って1kWのRFパワーでプラズマ放電を起こさ
せた。1分間のプレスパッタの後、基板とターゲットの
間にあるシャッターを開いて1分間スパッタリングを行
い、200ÅのSiNx 膜を形成した。
【0100】[金属膜の成膜]次に、Arガスの供給を
一旦停止し、排気を行って、1×10-7Torrになっ
たところで金属膜の成膜を行った。即ちAlからなるタ
ーゲット上にTiとHfチップを置いたところに、Ar
ガスを導入し圧力を3mmTorrに保ってDCパワー
1kWを供給しプラズマ放電を起こさせた。2分間プレ
スパッタの後、基板とターゲットの間にあるシャッター
を開いて45秒間スパッタリングを行い、1000Åの
厚さでAl97Ti1Hf2(原子%)の組成を有する金属
膜を成膜した。
【0101】[オーバーコート膜の成膜]スパッタリン
グ装置から取り出した、成膜した基板上にアクリル系紫
外線硬化樹脂用組成物をスピンコーターで塗布し、UV
を照射し、厚さ10μmのオーバーコート膜を形成し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光磁気記録媒体の一実施例を示す
概略断面図である。
【図2】本発明に係る光磁気記録媒体の他の実施例を示
す概略断面図である。
【符号の説明】
10 光磁気記録媒体 1 基板 2 第1保護膜 3 光磁気記録膜 4 第2保護膜 5 金属膜 6 オーバーコート膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、第1保護膜、光磁気記録膜、
    第2保護膜、金属膜がこの順序で積層されてなる光磁気
    記録媒体であって、 第1保護膜がSiCx からなり、 光磁気記録膜が、(i)3d遷移元素から選ばれる少な
    くとも1種と、(ii)希土類から選ばれる少なくとも1
    種の元素とからなる、膜面に垂直な磁化容易軸を有する
    非晶質合金薄膜からなり、 金属膜が、アルミニウム合金からなることを特徴とする
    光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記光磁気記録膜が、(i)3d遷移元
    素から選ばれる少なくとも1種と、(ii)希土類から選
    ばれる少なくとも1種の元素と、(iii)耐腐食性金属
    とからなり、上記耐腐食性金属の含有量が5〜30原子
    %である、膜面に垂直な磁化容易軸を有する非晶質合金
    薄膜からなる請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記第1保護膜を構成するSiCx にお
    いて、xが原子比で0.5≦x≦3である請求項1ない
    し請求項2に記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記基板が、 (A)エチレンと、下記一般式[I]および/または
    [II]で表される環状オレフィンとのランダム共重合
    体、 (B)下記一般式[III]で表される繰り返し単位を含
    む重合体または共重合体、 (C)下記一般式[IV]で表される繰り返し単位を含む
    重合体または共重合体よりなる群から選ばれる少なくと
    も一種の重合体または共重合体からなることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項3に記載の光磁気記録媒体。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、qは0または1であり、 R1〜R18およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原
    子、ハロゲン原子および炭化水素基よりな群から選ばれ
    る原子もしくは基であり、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成し
    ていてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有し
    ていてもよく、また、R15とR16とで、またはR17とR
    18とでアルキリデン基を形成していてもよい。式[II]
    中、pは0または1以上の整数であり、qおよびrは、
    0、1また2であり、R1〜R15はそれぞれ独立に水素
    原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
    素基、およびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子
    もしくは基であり、R5(またはR6)とR9(または
    7)とは、炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合
    していてもよく、また何の基も介さずに直接結合してい
    てもよい。式[III]および[IV]中、n、m、kおよ
    びR1 〜R18は、式[I]と同様の意味である。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155721A (ja) * 2007-12-03 2009-07-16 Kobe Steel Ltd 摺動性に優れる硬質皮膜とその硬質皮膜の形成方法

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