JPH05101460A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH05101460A
JPH05101460A JP5732291A JP5732291A JPH05101460A JP H05101460 A JPH05101460 A JP H05101460A JP 5732291 A JP5732291 A JP 5732291A JP 5732291 A JP5732291 A JP 5732291A JP H05101460 A JPH05101460 A JP H05101460A
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JP
Japan
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film
magneto
optical recording
alloy
recording medium
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Application number
JP5732291A
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English (en)
Inventor
Kiyotaka Shindo
藤 清 孝 進
Atsushi Okubo
敦 大久保
Shigeto Shigematsu
松 茂 人 重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基板上に、保護膜と、光磁気記録膜と、クロ
ムおよび白金から選ばれる少なくとも一種の元素(A)
およびニッケル(B)を含有する銅合金からなる金属膜
とがこの順序で積層されてなることを特徴とする光磁気
記録媒体。基板上に、保護膜と、光磁気記録膜と、保護
膜と、クロムおよび白金から選ばれる少なくとも一種の
元素(A)およびニッケル(B)を含有する銅合金から
なる金属膜とがこの順序で積層されてなることを特徴と
する光磁気記録媒体。 【効果】 反りが小さく、耐食性に優れ、かつ記録パワ
ーマージンが広く、しかも記録パワーの線速依存性が小
さく、かつC/N比が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】 本発明は、特定の金属膜を有する
光磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは反りが小さく、
耐食性に優れ、しかも記録感度に優れるとともに記録パ
ワーのマージンが広くかつ記録パワーの線速依存性が小
さい光磁気記録媒体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】鉄、コバルトなどの遷移金属と、
テルビウム(Tb)、カドリニウム(Gd)などの希土
類元素との合金からなる光磁気記録膜は、膜面と垂直な
方向に磁化容易軸を有し、一方向に全面磁化された膜面
にこの全面磁化方向とは逆向きの小さな反転磁区を形成
することができることが知られている。この反転磁区の
有無を「1」、「0」に対応させることによって、上記
のような光磁気記録膜にデジタル信号を記録させること
が可能となる。
【0003】このような光磁気記録膜を基板上に積層し
てなる光磁気記録媒体では、反りが小さいなど機械的特
性に優れていることが望まれており、また耐食性および
記録感度(C/N比)の向上も望まれていた。さらにこ
のような光磁気記録媒体に情報を書込む際には、記録パ
ワーマージンが広く、しかも記録パワーの線速依存性が
小さいことが望まれている。
【0004】ここで情報を書込む際の記録パワーマージ
ンが広いとは、光磁気記録媒体にレーザ光などによって
情報を書込む際に、書込み光としてのレーザ光のパワー
が多少変化しても正確に光磁気記録媒体に情報を書込む
ことができることを意味し、記録パワーの線速依存性が
小さいとは、光磁気記録媒体にレーザ光などによって情
報を書込む際に、記録媒体の内周部と外周部とで書込み
光としてのレーザ光の最適記録パワーの変化のしかたが
小さいことを意味している。
【0005】本発明者らは、このような従来技術に鑑み
て鋭意検討したところ、基板上に、保護膜と、光磁気記
録膜と、ニッケルおよびクロムを含有する銅合金(以
下、Cu-Ni-Cr 合金と記載することがある。)または
ニッケルおよび白金を含有する銅合金(以下、Cu-Ni-
Pt合金と記載することがある。)またはニッケル、ク
ロムおよび白金を含有する銅合金(以下、Cu-Ni-Cr-
Pt 合金と記載することがある。)からなる金属膜とを
この順序で積層してなる光磁気記録媒体、あるいは、基
板上に、保護膜と、光磁気記録膜と、保護膜と、ニッケ
ルおよびクロムを含有する銅合金またはニッケルおよび
白金を含有する銅合金またはニッケル、クロムおよび白
金を含有する銅合金からなる金属膜とをこの順序で積層
してなる光磁気記録媒体は、反りが小さく機械的特性、
耐食性に優れ、しかも記録パワーの線速依存性が小さ
く、かつ記録パワーマージンが広く、記録感度に優れて
いることを見いだして、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、反りが小さく、耐食性に優
れ、かつ記録パワーマージンが広く、しかも記録パワー
の線速依存性が小さく、かつC/N比が高いような光磁
気記録媒体を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る第1の光磁気記録媒体は、
基板上に、保護膜と、光磁気記録膜と、クロムおよび白
金から選ばれる少なくとも一種の元素、金属(A)およ
びニッケル(B)を含有する銅合金からなる金属膜とが
この順序で積層されてなることを特徴としている。
【0008】本発明に係る第2の光磁気記録媒体は、基
板上に、保護膜と、光磁気記録膜と、保護膜と、クロム
または白金から選ばれる少なくとも一種の元素、金属
(A)およびニッケル(B)を含有する銅合金からなる
金属膜とがこの順序で積層されてなることを特徴として
いるこのような本発明に係る光磁気記録媒体は、反りが
小さく、耐食性に優れ、記録パワーの線速依存性が小さ
く、かつ記録パワーマージンが広く、記録感度に優れて
いる。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る光磁気記録媒
体について具体的に説明する。図1および図2は、本発
明の一実施例に係る光磁気記録媒体の概略断面図であ
る。
【0010】本発明に係る第1の光磁気記録媒体10
は、たとえば図1に示すように、基板1上に、保護膜2
と、光磁気記録膜3と、Cu-Ni-Cr 合金またはCu-N
i-Pt合金またはCu-Ni-Cr-Pt 合金からなる金属膜
5とがこの順序で積層されて形成されている。
【0011】本発明に係る第2の光磁気記録媒体10
は、たとえば図2に示すように、基板1上に、保護膜2
と、光磁気記録膜3と、保護膜4と、Cu-Ni-Cr 合金
またはCu-Ni-Pt 合金またはCu-Ni-Cr-Pt 合金か
らなる金属膜5とがこの順序で積層されて形成されてい
る。
【0012】以下、基板1、保護膜2、光磁気記録膜
3、保護膜4、金属膜5について順次説明する。基 板 1 基板1は、透明基板であることが好ましく、具体的に
は、ガラスあるいはアルミニウム等の無機材料の他に、
ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリカ
ーボネートとポリスチレンのポリマーアロイ、米国特許
4614778号明細書で示されるような環状オレフィ
ン系ポリマー、ポリ4-メチル-1- ペンテン、エポキシ
樹脂、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリ
エーテルイミド、等の有機材料が使用できる。特に上記
米国特許第4614778号明細書に示されるような非
晶質ポリオレフィンが好ましい。
【0013】本発明では、保護膜との密着性に優れ、し
かも複屈折率が小さく、記録膜を酸化から保護しうると
いう観点から、下記に示すような基板が特に好ましく用
いられる。
【0014】好ましい基板1は、(a)エチレンと、
(b)下記式[I]または[II]
【0015】
【化1】
【0016】(式中、nは0または1であり、mは0ま
たは正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R
18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および
炭化水素基であり、R15〜R18およびRa、Rbは、互い
に結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ
該単環または多環が二重結合を有していてもよく、ま
た、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。)
【0017】
【化2】
【0018】(式[II]中、pは0または1以上の整数
であり、qおよびrは、0、1また2であり、R1〜R
15はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭
化水素基、芳香族炭化水素基、およびアルコキシ基であ
り、R5(またはR6)とR9(またはR7)とは、炭素数
1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、ま
た何の基も介さずに直接結合していてもよい。)で表わ
される不飽和単量体からなる群から選ばれた少なくとも
一種の環状オレフィンとの共重合体であって、135℃
のデカリン中で観測した極限粘度[η]が0.05〜1
0dl/gの範囲にある環状オレフィン系ランダム重合
体からなっている。
【0019】なお、上記式[I]において、qが0の場
合は、qを用いて表わされる環は五員環を形成し、 こ
の場合環状オレフィンは、下記式[I−a]で表わされ
る。
【0020】
【化3】
【0021】(式中、nは0または1であり、mは0ま
たは正の整数であり、qは0 または1であり、R1
18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子およ
び炭化水素基であり、R15〜R18およびRa、Rbは、互
いに結合して単環または多環を形成していてもよく、か
つ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、ま
た、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい)。
【0022】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体のうち、軟化温度(TMA)が70℃である環状オ
レフィン系ランダム共重合体(以下、環状オレフィン系
ランダム共重合体[A]という)が好ましく用いられ
る。この環状オレフィン系ランダム共重合体[A]は、
一般式[I]または[II]で示される環状オレフィン類
と、エチレンとを、炭化水素混合溶液中あるいは上記環
状オレフィンからなる溶液中で、該溶媒に可溶性のバナ
ジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒
存在下に共重合させることにより製造することができ
る。
【0023】本発明で用いられる上記式[I]で示され
る環状オレフィンとしては、以下のようなものが挙げら
れる。
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】以下にこのような化合物の具体的な例を示
す。
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】などのようなビシクロ[2.2.1]ヘプト
-2-エン誘導体
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
【0042】
【化19】
【0043】などのようなヘキサシクロ[6.6.1.1
3,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン誘導体;
【0044】
【化20】
【0045】などのオクタシクロ[8.8.0.12,9.1
4,7.111,1813,16.03,8.012,17]-5-ドコセン誘導
体;
【0046】
【化21】
【0047】などのペンタシクロ[6.6.1.13,6.0
2,7.09,14]-4-ヘキサデセン誘導体;
【0048】
【化22】
【0049】などのヘプタシクロ-5-エイコセン誘導体
あるいはヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体;
【0050】
【化23】
【0051】などのトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-
デセン誘導体;
【0052】
【化24】
【0053】などのトリシクロ[4.4.0.12,5]-3-
ウンデセン誘導体;
【0054】
【化25】
【0055】などのペンタシクロ[6.5.1.13,6.0
2,7.09,13]-4-ペンタデセン誘導体;
【0056】
【化26】
【0057】などのジエン化合物;
【0058】
【化27】
【0059】などのペンタシクロ[7.4.0.12,5.1
9,12.08,13]-3-ペンタデセン誘導体;
【0060】
【化28】
【0061】などのヘプタシクロ[8.7.0.13,6.1
10,17.112,15.02,7 .011,16]-4-エイコセン誘導
体;
【0062】
【化29】
【0063】などのノナシクロ[10.9.1.14,7.1
13,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5-ペ
ンタコセン誘導体;
【0064】
【化30】
【0065】などのペンタシクロ[8.4.0.12,5.1
9,12.08,13]-3-ヘキサデセン誘導体;
【0066】
【化31】
【0067】などのヘプタシクロ[8.8.0.14,7.1
11,18.113,16.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン誘
導体;
【0068】
【化32】
【0069】などのノナシクロ[10.10.1.15,8.
14,21.116,19.02,11.04,9.013,2 2.015,20]-5-
ヘキサコセン誘導体;そしてさらには、
【0070】
【化33】
【0071】
【化34】
【0072】
【化35】
【0073】を挙げることができる。前記式[I]で表
される環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と対応
するオレフィン類とをディールス・アルダー反応させる
ことにより容易に製造することができる。
【0074】この環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]は、上記のようにエチレンおよび前記環状オレフ
ィンを必須成分とするものであるが、該必須の二成分の
他に本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他
の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよ
い。任意に共重合されていてもよい該不飽和単量体とし
て、具体的には、たとえば生成するランダム共重合体中
のエチレン成分単位と等モル未満の範囲のプロピレン、
1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-
オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセ
ン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセ
ンなどの炭素原子数が3〜20のα-オレフィンなどを
例示することができる。
【0075】上記のような環状オレフィン系ランダム共
重合体[A]では、エチレンに由来する繰り返し単位
(a)は40〜85モル%、好ましくは50〜75モル
%の範囲で存在しており、また該環状オレフィンに由来
する繰り返し単位(b)は15〜60モル%、好ましく
は25〜50モル%の範囲で存在しており、エチレンに
由来する繰り返し単位(a)および該環状オレフィンに
由来する繰り返し単位(b)は、ランダムに実質上線状
に配列している。なお、エチレン組成および環状オレフ
ィン組成は13C−NMRによって測定した。
【0076】この環状オレフィン系ランダム共重合体が
実質上線状であり、ゲル状架橋構造を有していないこと
は、該共重合体が135℃のデカリン中に完全に溶解す
ることによって確認できる。このような環状オレフィン
系ランダム共重合体[A]の135℃のデカリン中で測
定した極限粘度[η]は0.05〜10dl/g、好ま
しくは0.08〜5dl/gの範囲にある。
【0077】また環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]のサーマル・メカニカル・アナライザーで測定し
た軟化温度(TMA)は70℃以上、好ましくは90〜
250℃、より好ましくは100〜200℃の範囲にあ
る。なお軟化温度(TMA)は、デュポン社製Thermome
chanical Analyser を用いて1mm厚さシートの熱変形
挙動により測定した。すなわちシート上に石英製針をの
せ、荷重49gをかけ、5℃/分で昇温し、針が0.6
35mm侵入した温度をTMAとした。また、該環状オ
レフィン系ランダム共重合体[A]のガラス転移温度
(Tg)は通常50〜230℃、好ましくは70〜21
0℃の範囲にあることが望ましい。
【0078】また、この環状オレフィン系ランダム共重
合体[A]のX線回析法によって測定した結晶化度は0
〜10%、好ましくは0〜7%、より好ましくは0〜5
%の範囲である。
【0079】本発明では、また上記のような軟化温度
(TMA)が70℃以上である環状オレフィン系ランダ
ム共重合体[A]に、エチレンと、上記式[I]または
[II]で表わされる環状オレフィンとの共重合体であっ
て、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.01〜5dl/gの範囲にあり、軟化温度(TM
A)が70℃未満である環状オレフィン系ランダム共重
合体(以下環状オレフィン系ランダム共重合体[B]と
いう)を配合してなる環状オレフィン系ランダム共重合
体組成物から基板を形成することが特に好ましい。
【0080】上記のような軟化点(TMA)が70℃未
満である環状オレフィン系ランダム共重合体[B]で
は、エチレンに由来する繰り返し単位(a)は60〜9
8モル%、好ましくは60〜95モル%の範囲で存在し
ており、また該環状オレフィンに由来する繰り返し単位
(b)は2〜40モル%、好ましくは5〜40モル%の
範囲で存在しており、エチレンに由来する繰り返し単位
(a)および該環状オレフィンに由来する繰り返し単位
(b) は、ランダムに実質上線状に配列している。なお、
エチレン組成および環状オレフィン組成は13C−NMR
によって測定した。この環状オレフィン系ランダム共重
合体[B]が実質上線状であり、ゲル状架橋構造を有し
ていないことは、該共重合体が135℃のデカリン中に
完全に溶解することによって確認できる。
【0081】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体[B]の135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は0.01〜5dl/g、好ましくは0.05〜
5dl/g、より好ましくは0.08〜3dl/gの範
囲にある。
【0082】また環状オレフィン系ランダム共重合体
[B]のサーマル・メカニカル・アナライザーで測定し
た軟化温度(TMA)は70℃未満、好ましくは−10
〜60℃、より好ましくは10〜55℃の範囲にある。
さらに、該環状オレフィン系ランダム共重合体[B]の
ガラス転移温度(Tg)は通常−30〜60℃、好まし
くは−20〜50℃の範囲にあることが望ましい。
【0083】また、この環状オレフィン系ランダム共重
合体[B]のX線回析法によって測定した結晶化度は0
〜10%、好ましくは0〜7%、より好ましくは0〜5
%の範囲である。
【0084】本発明において、基板として環状オレフィ
ンランダム共重合体組成物を用いる場合には、該環状オ
レフィン系ランダム共重合体[A]/該環状オレフィン
系ランダム共重合体[B]の重量比は100/0.1〜
100/10、好ましくは100/0.3〜100/
7、より好ましくは100/0.5〜100/5の範囲
であることが望ましい。
【0085】[B]成分をこの範囲で[A]成分に配合
することによって、基板自体の優れた透明性と表面平滑
性を維持したままで本発明で用いる光磁気記録膜との苛
酷な条件下での密着性が[A]成分のみの場合に比べさ
らに向上するという効果があり、[A]と[B]のブレ
ンドよりなる上記環状オレフィンランダム共重合体組成
物を基板に用いれば、本発明で用いる保護膜との優れた
密着性は高温、高湿条件下放置後においてさえも変化が
ないという特性を有している。
【0086】本発明における基板を構成する上記の環状
オレフィン共重合体[A]および[B]は、特開昭60
-168708号公報、特開昭61-120816号公
報、特開昭61-115912号公報、特開昭61-11
5916号公報、特開昭62-252406号公報、特
開昭62-252407号公報、特開昭61-27130
8号公報、特開昭61-272216号公報などにおい
て本出願人が提案した方法に従い適宜条件を選択するこ
とにより、製造することができる。
【0087】また、基板を形成する樹脂として、上記の
ような環状オレフィンランダム共重合体と共に、前記式
[I]で表わされる環状オレフィンが開環重合すること
により形成される次式[III]で表わされる繰り返し単
位を含む重合体あるいは共重合体を用いることもでき、
さらに上記式[III]で表わされる繰り返し単位を水添
することにより形成される次式[IV]で示すような繰り
返し単位を含む重合体あるいは共重合体を用いることも
できる。
【0088】
【化36】
【0089】
【化37】
【0090】(ただし、上記式[III]および[IV]に
おいて、m、n、qおよびR1〜R18ならびにRaおよび
bは、前記式[I]で示される環状オレフィンにおけ
るm、n、qおよびR1〜R18ならびにRaおよびRb
同様である。) また、上記環状オレフィン共重合体には必要に応じ、耐
熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アン
チブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然
油、合成油、ワックスなどを配合することができ、その
配合割合は適宜量である。
【0091】たとえば、任意成分として配合される安定
剤として、具体的には、テトラキス[メチレン-3(3,
5-ジ-t- ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロピオン酸アルキルエステル(特に炭素数
18以下のアルキルエステルが好ましい)、2,2'-オ
キザミドビス[エチル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系酸
化防止剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、12-ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂
肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリン
モノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエ
リスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトール
ジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレー
ト等の多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げること
ができる。
【0092】これらは単独で配合してもよいが、組合わ
せて配合してもよく、たとえばテトラキス[メチレン-
3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛およびグリセリ
ンモノステアレートとの組合せ等を例示することができ
る。
【0093】本発明では特に、フェノール系酸化防止剤
および多価アルコールの脂肪酸エステルとを組合せて用
いることが好ましく、該多価アルコールの脂肪酸エステ
ルは3価以上の多価アルコールのアルコール性水酸基の
一部がエステル化された多価アルコール脂肪酸エステル
であることが好ましい。 このような多価アルコールの
脂肪酸エステルとしては、具体的には、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリン
モノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリ
セリンジステアレート、グリセリンジラウレート等のグ
リセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールモノス
テアレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペ
ンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリト
ールジラウレート、ペンタエリスリトールトリステアレ
ート等のペンタエリスリトールの脂肪酸エステルが用い
られる。
【0094】このようなフェノール系酸化防止剤は、環
状オレフィン系ランダム共重合体組成物100重量部に
対して0〜10重量部、好ましくは0.01〜10重量
部、より好ましくは0.05〜3重量部、特に好ましく
は0.1〜1重量部の量で用いられ、また多価アルコー
ルの脂肪酸エステルは該組成物100重量部に対して0
〜10重量部、好ましくは0.01〜10重量部、より
好ましくは0.05〜3重量部の量で用いられる。
【0095】また、本発明の光磁気記録媒体の基板に
は、本発明の目的および透明性を損なわない範囲で、シ
リカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、
ケイ酸カルシウム、モンモリナイト、ベントナイト、グ
ラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン
繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピ
レン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の充填
剤を配合してもよい。
【0096】本発明に係る光磁気記録媒体では、基板と
して、上記のような環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]または該環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]を含む組成物が用いられる場合には、基板と記録
層積層体特に保護膜とは密着性に優れており、したがっ
て本発明の記録層積層体は長期安定性に優れるとともに
記録膜の酸化が効果的に防止される。したがってこの環
状オレフィン系ランダム共重合体または該共重合体を含
む組成物からなる基板上に保護膜、記録膜、Cu-Ni-C
r 合金またはCu-Ni-Pt 合金またはCu-Ni-Cr-Pt
合金からなる金属膜を積層してなる光磁気記録媒体、あ
るいは基板上に第1保護膜、記録膜、第2保護膜、Cu-
Ni-Cr 合金またはCu-Ni-Pt 合金またはCu-Ni-C
r-Pt 合金からなる金属膜を積層してなる光磁気記録媒
体は、耐久性および長期安定性にも優れている。また本
発明に係る光磁気記録媒体は割れが生ずることがない。
【0097】また上記のような基板は、高湿雰囲気下で
の反りが比較的小さいという利点もある。このような基
板1の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.5〜
5mm、さら好ましくは1〜2mmである。
【0098】保護膜2 本発明に係る光磁気記録媒体で用いられる保護膜2は、
SiNx、ZnS、ZnSe、CdS、Si、AlNな
どで示される組成の膜から形成されており、このうちS
iNx膜が特に好ましい。
【0099】SiNxで示される保護膜では、0<x≦
4/3であることが好ましく、具体的には、Si3
4(四窒化三ケイ素)などの窒化ケイ素膜あるいは0<
x<4/3となるようにSi34とSiとを混合した混
合膜が特に好ましく用いられる。
【0100】このようなSiNxで示される保護膜は、
たとえばターゲットとして、Si3 4または、Siター
ゲットとN2 ガスを用いて、スパッタリング法により成
膜することができる。このようなSiNxからなる保護
膜2は通常1.8以上、好ましくは1.8〜2.2の屈折
率を有していることが望ましく、後述する光磁気記録膜
3を酸化などから保護する働き、あるいは光磁気記録膜
の記録特性を高めるエンハンス膜としての働き、あるい
はその両方の働きをしている。またSiNx(0<x≦
4/3)からなる保護膜は、特に耐クラック性に優れて
いる。
【0101】本発明において、保護膜2の膜厚は500
〜2000Å、好ましくは800〜1500Å程度であ
ることが望ましい。本発明においては、保護膜2の膜厚
を上記のような範囲にすることによって、良好なC/N
比と広い記録パワーマージンを有する光磁気記録媒体を
得ることができる。
【0102】光磁気記録膜 3 本発明に係る光磁気記録媒体で用いられる光磁気記録膜
3は、(i)3d遷移属から選ばれる少なくとも1種
と、(iii)希土類から選ばれる少なくとも1種の元素
とからなるか、あるいは(i)3d遷移金属から選ばれ
る少なくとも1種と、(ii)耐腐食性金属と、(iii)
希土類から選ばれる少なくとも1種の元素とからなって
いる。このうち(i)3d遷移金属から選ばれる少なく
とも1種と、(ii)耐腐食性金属と、(iii)希土類か
ら選ばれる少なくとも1種の元素とからなる光磁気記録
膜が好ましい。
【0103】(i)3d遷移金属としては、Fe、C
o、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Znなどが用
いられるが、このうちFeまたはCoあるいはこの両者
であることが好ましい。
【0104】この3d遷移金属は、光磁気記録膜中に2
0〜90原子%、好ましくは30〜85原子%、より好
ましくは35〜80原子%の量で存在している。 (ii)耐腐食性金属は、光磁気記録膜に含ませることに
よって、この光磁気記録膜の耐酸化性を高めることがで
きる。このような耐腐食性金属としては、Pt、Pd、
Ti、Zr、Ta、Nbなどが用いられるが、このうち
Pt、Pd、Tiが好ましく、とくにPtまたはPdあ
るいはこの両者であることが好ましい。
【0105】この耐腐食性金属は、光磁気記録膜中に3
0原子%以下、好ましくは5〜25原子%、より好まし
くは10〜25原子%、さらに好ましくは10〜20原
子%の量で存在している。
【0106】希土類元素としては、下記のような元素が
挙げられる。 Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、
Yb、Lu、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
uこのうちGd、Tb、Dy、Ho、Nd、Sm、Pr
が好ましく用いられる。
【0107】上記のような群から選ばれる少なくとも1
種の希土類元素は、光磁気記録膜中5〜50原子%、好
ましくは8〜45原子%、より好ましくは10〜40原
子%の量で存在している。
【0108】本発明では、光磁気記録膜が、特に下記に
記載するような組成を有することが好ましい。 (i)3d遷移元素 本発明に係る光磁気記録膜中には、(i)3d遷移元素
として、好ましくはFeまたはCoあるいはこの両者が
含まれており、Feおよび/またはCoは40原子%以
上80原子%以下、好ましくは40原子%以上75原子
%未満、より好ましくは50原子%以上70原子%以下
の量で存在していることが望ましい。
【0109】さらにFeおよび/またはCoは、Co/
(Fe+Co)比[原子比]が0以0.3以下、好まし
くは0以上0.2以下、より好ましくは0.01以上0.
2以下であるような量で、光磁気記録膜中に存在してい
ることが望ましい。
【0110】Feおよび/またはCoの量が40原子%
以上で80原子%以下の範囲にあると、耐酸化性に優
れ、かつ膜面に垂直な方向に磁化容易軸をもった光磁気
記録膜が得られるという利点を有する。
【0111】ところで光磁気記録膜中に、Coを添加す
ると、(イ)光磁気記録膜のキュリー点が上昇し、また
(ロ)カー回転角(θk)が大きくなるという現象が認
められ、その結果、Coの添加量により、光磁気記録膜
の記録感度を調整することができ、しかもCoの添加に
より、再生信号のキャリアレベルを増加することができ
る。本発明に係る光磁気記録膜では、ノイズレベル、C
/N比の点からCo/(Fe+Co)比[原子比]は0
以上0.3以下、好ましくは0以上0.2以下、より好ま
しくは0.01以上0.2以下であることが望ましい。
【0112】このような本発明に用いる光磁気記録膜
は、記録および消去を繰り返し行なっても、膜変質が生
ずることはない。たとえば本発明に係る原子%でPt10
Tb26Fe61Co3なる組成を有する光磁気記録膜は、
10万回の記録および消去を繰り返し行なってもC/N
比の低下は認められない。
【0113】(ii)耐腐食性金属 本発明に用いる光磁気記録膜中には、(ii)耐腐食性金
属として、好ましくはPtまたはPdあるいはこの両者
が含まれており、Ptおよび/またはPdは、光磁気記
録膜中に5〜30原子%、好ましくは10原子%を超え
て30原子%以下、より好ましくは10原子%を超えて
20原子%未満、特に好ましくは11原子%以上19原
子%以下の量で存在していることが望ましい。
【0114】光磁気記録膜中のPtおよび/またはPd
の量が5原子%以上、特に10原子%を超えて存在する
と、光磁気記録膜の耐酸化性に優れ、長期間使用しても
孔食が発生せず、C/N比も劣化しないという利点を有
する。
【0115】たとえばPt13Tb28Fe50Co9(原子
%)あるいはPd12Tb28Fe53Co7(原子%)で示
される組成を有する本発明に係る光磁気記録膜は、相対
湿度85%、80℃の環境下に1000時間保持して
も、C/N比は全く変化しない。
【0116】これに対してPtまたはPdを含まないT
25Fe68Co7(原子%)で示される組成を有する光
磁気記録膜は、相対湿度85%、80℃の環境下に10
00時間保持すると、C/N比は大きく低下する。
【0117】また光磁気記録膜中にPtおよび/または
Pdを上記のような範囲の量で添加することにより、光
磁気記録膜に情報を記録したりあるいは情報を読出す際
に、小さなバイアス磁界で充分に高いC/N比が得られ
る。小さなバイアス磁界で充分に高いC/N比が得られ
ると、バイアス磁界発生用のマグネットを小さくするこ
とができ、しかもマグネットからの発熱も押えることが
できるため、光磁気記録膜を有する光ディスクのドライ
ブ装置を簡素化することができる。しかも小さなバイア
ス磁界で充分に大きなC/N比が得られるため、オーバ
ーライト可能な磁界変調記録用のマグネットの設計も容
易となる。
【0118】(iii)希土類元素(RE) 本発明に係る光磁気記録膜中には、希土類元素(RE)
が含まれており、この希土類元素としては、Nd、S
m、Pr、Ce、Eu、Gd、Tb、DyまたはHoが
用いられる。
【0119】これらの中では、Nd、Pr、Gd、T
b、Dyが好ましく用いられ、特にTbが好ましい。ま
た希土類元素は2種以上併用してもよく、この場合にT
bを希土類元素のうち50原子%以上含有していること
が好ましい。
【0120】この希土類元素は、膜面に垂直な方向に磁
化容易軸をもった光磁気を得るという点からRE/(R
E+Fe+Co)比[原子比]をxで表わした場合に
0.15≦x≦0.45、好ましくは0.20≦x≦0.4
であるような量で光磁気記録膜中に存在していることが
望ましい。
【0121】本発明においては、光磁気記録膜に種々の
元素を少量添加して、キュリー温度や補償温度あるいは
保磁力Hcやカー回転角θkの改善あるいは低コスト化
を計ることもできる。これらの元素は、記録膜を構成す
る全原子数に対してたとえば10原子%未満の割合で用
いることができる。
【0122】併用できる他の元素の例としては、以下の
ような元素が挙げられる。 (I)Fe、Co以外の3d遷移元素 具体的には、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Ni、C
u、Znが用いられる。
【0123】これらのうち、Ti、Ni、Cu、Znな
どが好ましく用いられる。 (II)Pd以外の4d遷移元素 具体的には、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、R
h、Ag、Cdが用いられる。
【0124】このうちZr、Nbが好ましく用いられ
る。 (III)Pt以外の5d遷移元素 具体的には、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、A
u、Hgが用いられる。
【0125】このうちTaが好ましく用いられる。 (IV)IIIB族元素 具体的には、B、Al、Ga、In、Tlが用いられ
る。
【0126】このうちB、Al、Gaが好ましく用いら
れる。 (V)IVB族元素 具体的には、C、Si、Ge、Sn、Pbが用いられ
る。
【0127】このうち、Si、Ge、Sn、Pbが好ま
しく用いられる。 (VI)VB族元素 具体的には、N、P、As、Sb、Biが用いられる。
【0128】このうちSbが好ましく用いられる。 (VII)VIB族元素 具体的には、S、Se、Te、Poが用いられる。
【0129】このうちTeが好ましく用いられる。上記
のような組成を有する光磁気記録膜は、膜面に垂直な磁
化容易軸を有し、多くはカー・ヒステリシスが良好な角
形ループを示す垂直磁気および光磁気記録可能な非晶質
薄膜となることが、広角X線回析などにより確かめられ
る。
【0130】なお本明細書において、カー・ヒステリシ
スが良好な角形ループを示すとは、最大外部磁場におけ
るカー回転角である飽和カー回転角(θk1)と外部磁
場ゼロにおけるカー回転角である残留カー回転角(θk
2)との比θk2/θk1が0.8以上であることを意味し
ている。
【0131】この光磁気記録膜の膜厚は100〜600
Å、好ましくは100〜400Å、より好ましくは20
0〜350Å程度である。保護膜 4 本発明に係る光磁気記録媒体では、上記のような光磁気
記録膜3上に保護膜4を設けてもよい。
【0132】この保護膜4としては、上述したような保
護膜2と同様なものが用いられる。このような保護膜4
の膜厚は500〜2000Å、好ましくは800〜15
00Å程度であることが望ましい。
【0133】本発明においては、保護膜4の膜厚を上記
のような範囲にすることによって良好なC/N比と広い
記録パワーマージンを有する光磁気記録媒体を得ること
ができる。
【0134】金属膜 5 本発明に係る光磁気記録媒体では、上記のような光磁気
記録膜3または保護膜上に、銅−ニッケル−クロム合金
(Cu-Ni-Cr 合金)または銅−ニッケル−白金合金
(Cu-Ni-Pt 合金)または銅−ニッケル−クロム−白
金合金(Cu-Ni-Cr-Pt 合金)からなる金属膜5が設
けられている。
【0135】このようなCu-Ni-Cr 合金またはCu-N
i-Pt 合金またはCu-Ni-Cr-Pt合金からなる金属膜
は下記式[V]で示される組成(原子%)の膜から形成
されている。
【0136】Cu100-X-YNixY …[V] (式中、xは0<x≦40、好ましくは0<x≦30、
より好ましくは0<x≦20であり、Yは0<Y≦4
0、好ましくは0<Y≦30、より好ましくは0<Y≦
20であり、MはCrおよび/またはPtである。) このようなCu-Ni-Cr 合金またはCu-Ni-Pt 合金ま
たはCu-Ni-Cr-Pt合金からなる金属膜5は、銅、ニ
ッケル、クロム、白金以外に下記のような金属(元素)
を1種または2種以上含んでいてもよい。
【0137】このような金属としては、たとえば、チタ
ン(Ti)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、タ
ングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、マンガン
(Mn)、マグネシウム(Mg)、バナジウム(V)な
どが挙げられる。
【0138】このような他の金属は合金を形成する全原
子数を基準として、通常10原子%以下、好ましくは8
原子%以下の量でCu-Ni-Cr 合金またはCu-Ni-Pt
合金またはCu-Ni-Cr-Pt 合金からなる金属膜5に含
まれる。
【0139】このような金属膜5の膜厚は100〜50
00Å、好ましくは500〜4000Å、より好ましく
は800〜3000Åであることが望ましい。この金属
膜5は、熱良伝導体層としての機能を果たしており、こ
の金属膜が存在することによって記録層が記録レーザ光
によって過度に高温になることが防止され、その結果、
記録パワーの線速依存性が小さくなると考えられる。
【0140】また本発明における金属膜は、耐腐食性に
優れているため、長期間使用した後においても、記録媒
体の線速依存性が小さいという特徴を有しており、記録
層に対する保護作用にも優れている。
【0141】なお、本発明に係る光磁気記録媒体では最
外層である金属膜の上にオーバーコート膜を設けてもよ
い。オーバーコート剤としては、紫外線硬化樹脂、例え
ばアクリル型紫外線硬化樹脂が用いられる。このような
オーバーコート膜は、紫外線硬化樹脂を塗布法たとえば
ロールコート法、スピンコート法などによって金属膜上
に塗布することによって形成することができる。このオ
ーバーコート膜の膜厚は通常1〜100μm程度であ
る。また、保護膜とは反対側の基板上にトップコートを
施してもよい。
【0142】本発明に係る光磁気記録媒体10は、基板
上に、保護膜、光磁気記録膜、保護膜、Cu-Ni-Cr 合
金またはCu-Ni-Pt 合金またはCu-Ni-Cr-Pt 合金
からなる金属膜を、たとえば真空蒸着法、スパッタリン
グ法あるいは電子ビーム蒸着法などの成膜法を採用して
成膜することによって製造することができる。
【0143】
【発明の効果】本発明に係る光磁気記録媒体は、基板上
に保護膜と、光磁気記録膜と、保護膜と、Cu-Ni-Cr
合金またはCu-Ni-Pt 合金またはCu-Ni-Cr-Pt 合
金からなる金属膜とがこの順序で積層されているので、
反りが小さいなど機械的特性、耐食性に優れ、記録パワ
ーの線速依存性が小さく、かつ記録パワーマージンが広
く、記録感度に優れている。
【0144】以下本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、本発明(本明細書)においては、光磁気記録媒体の
特性を、下記のようにして測定した。
【0145】[最適記録パワー]記録周波数1MHz、
デューティー比(Duty比)50%で記録し、再生レ
ーザーパワー1mWで線速5.7m/秒(secon
d)、11.3m/秒(second)について評価し
た。
【0146】[パワーマージン]下記の条件で測定した
C/Nの最高値(C/Nmax)から3dB低下するま
での記録パワーの範囲をパワーマージンとした。
【0147】すなわち本発明において、パワーマージン
とは、C/Nmax−3dB以上が得られる記録パワー
の範囲のことである。 [C/N(dB)]記録周波数3.7MHz、Duty
比33.3%再生レーザーパワーは1.0mWとした。
【0148】[反り変化]相対湿度85%、80℃の環
境下で1000時間経過後の反り変化を調べた。
【0149】
【実施例1】エチレンと1,4,5,8-ジメタノ-1,2,
3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン
【0150】
【化38】
【0151】の非晶性の共重合体(13C−NMR分析で
測定したエチレン含量59モル%、DMON含量41モ
ル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.42dl/g、軟化温度(TMA)154℃)から
なる基板上に、Si34ターゲットを用いて、スパッタ
リング法により保護膜としてのSi34膜を1100Å
の膜厚で被着させた。
【0152】このSi34膜上に、FeとCoとからな
るターゲットにPtおよびTbチップを載置してなる複
合ターゲットを用いて、スパッタリング法により原子%
でPt10Tb28Fe60Co2の組成有する膜を300Å
の膜厚で被着させた。
【0153】さらにこのPt10Tb28Fe60Co2膜上
に、Cu−Ni−Crの複合ターゲットを用いて、スパ
ッタリング法により原子%でCu80Ni10Cr10の組成
の膜を1200Åの膜厚で被着させた。
【0154】次にこのCu80Ni10Cr10膜上に、アク
リル系紫外線硬化樹脂(商品名SD101、大日本イン
キ化学工業(株)製)をロールコーダで塗布し、厚さ1
0μmのオーバーコート膜を形成して、光磁気記録媒体
を製造した。
【0155】このようにして得られた光磁気記録媒体の
特性を測定した。結果を表1に示す。
【0156】
【実施例2】実施例1で用いたものと同様の基板上に、
Si34ターゲットを用いて厚さ、スパッタリング法に
より保護膜としてのSi34膜を1100Åの膜厚で被
着させた。
【0157】このSi34膜上に、FeとCoとからな
るターゲットにPtおよびTbを載置してなる複合ター
ゲットを用いて、スパッタリング法により原子%でPt
10Tb28Fe60Co2の組成を有する膜を250Åの膜
厚で被着させた。
【0158】さらにこのPt10Tb28Fe60Co2膜上
にSi34ターゲットを用いて、スパッタリング法によ
り第2保護膜としてのSi34膜を250Åの膜厚で被
着させた。
【0159】次に、このSi34膜上に、Cu−Ni−
Crの複合ターゲットを用いてスパッタリング法によ
り、原子%でCu80Ni10Cr10の組成を有する膜を2
000Åの膜厚で被着させた。
【0160】このCu80Ni10Cr10膜上に、実施例1
で用いたものと同様のアクリル系紫外線硬化樹脂をロー
ルコーダで塗布し、厚さ10μmのオーバーコート膜を
形成して、光磁気記録媒体を製造した。このようにして
得られた光磁気記録媒体の特性を測定した。
【0161】結果を表1に示す。
【0162】
【実施例3】実施例1で用いたものと同様の基板上に、
Si34ターゲットを用いて厚さ、スパッタリング法に
より保護膜としてのSi34膜を1100Åの膜厚で被
着させた。
【0163】このSi34膜上に、FeとCoとからな
るターゲットにPtおよびTbを載置してなる複合ター
ゲットを用いて、スパッタリング法により原子%でPt
10Tb30Fe58Co2の組成を有する膜を250Åの膜
厚で被着させた。
【0164】さらにこのPt10Tb30Fe58Co2膜上
にSi34ターゲットを用いて、スパッタリング法によ
り第2保護膜としてのSi34膜を280Åの膜厚で被
着させた。
【0165】次に、このSi34膜上に、Cu−Ni−
Ptの複合ターゲットを用いてスパッタリング法によ
り、原子%でCu80Ni10Pt10の組成を有する膜を2
200Åの膜厚で被着させた。
【0166】このCu80Ni10Pt10膜上に、実施例1
で用いたものと同様のアクリル系紫外線硬化樹脂をロー
ルコーダで塗布し、厚さ10μmのオーバーコート膜を
形成して、光磁気記録媒体を製造した。このようにして
得られた光磁気記録媒体の特性を測定した。
【0167】結果を表1に示す。
【0168】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光磁気記録媒体の概略断面図であ
る。
【図2】本発明に係る光磁気記録媒体の概略断面図であ
る。
【符号の説明】 1 基板 2 保護膜 3 光磁気記録膜 4 保護膜5 Cu-Ni-Cr 合金またはCu-Ni-P
t 合金またはCu-Ni-Cr-Pt 合金 10 光磁気記録媒体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】(式中、nは0または1であり、mは0ま
たは正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R
18およびRa、Rb は、それぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子および炭化水素基であり、15〜R18 は、互い
に結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ
該単環または多環が二重結合を有していてもよく、ま
た、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】(式中、nは0または1であり、mは0ま
たは正の整数であり、qは0 または1であり、R1
18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子およ
び炭化水素基であり、15〜R18 は、互いに結合して単
環または多環を形成していてもよく、かつ該単環または
多環が二重結合を有していてもよく、また、R15とR16
とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成して
いてもよい)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、保護膜と、光磁気記録膜と、
    クロムおよび白金から選ばれる少なくとも一種の元素
    (A)およびニッケル(B)を含有する銅合金からなる
    金属膜とがこの順序で積層されてなることを特徴とする
    光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 基板上に、保護膜と、光磁気記録膜と、
    保護膜と、クロムおよび白金から選ばれる少なくとも一
    種の元素(A)およびニッケル(B)を含有する銅合金
    からなる金属膜とがこの順序で積層されてなることを特
    徴とする光磁気記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011151600A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光映像配信システムの映像品質推定方法および映像品質推定装置

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JP2011151600A (ja) * 2010-01-21 2011-08-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光映像配信システムの映像品質推定方法および映像品質推定装置

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