JPH049456A - 耐食性に優れた溶融めっき鋼板用素材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、屋根、壁用などの建築部材、家電製品用部材
、自動車部材等に使用する耐食性に優れた溶融めっき鋼
板用素材に関するものである。

（従来の技術とその問題点） 近年、酸性燃焼生成物等による大気環境の悪化。

海上構造物建設の増加等により建築用部材の腐食が大き
な問題となっている。また、家電製品用部材は消費者の
高級化指向に対応するための高耐食材料の要求、自動車
用部材は、車体の長寿命化のための高耐食材料が強く要
求されるようになってきた。

従来、このような用途に使用される材料としては、ステ
ンレス鋼板、溶融ＡＩめっき鋼板、溶融Ｚｎめっき鋼板
および溶融Ｚｎ−Ａｌめっき鋼板が広く使用されている
。しかし、ステンレス鋼板は海岸近傍などのＣｒが多量
に存在する環境下で使用する場合早期に点状の赤錆が発
生し意匠性が損われるとともに赤錆発生部から腐食が進
行する。

一方、各種溶融めっき鋼板は、厳しい加工によりめっき
層が破断し鋼素地が露出する。溶融アルミニウムめっき
鋼板の場合、鋼素地とめっき層との間に犠牲防食作用が
ほとんど無いので鋼素地の腐食を抑制することができな
い。溶融亜鉛めっき鋼板、溶融Ｚｎ−Ａｌめっき鋼板の
場合、局部的に露出した鋼素地とめっき層との間でＺｎ
の犠牲防食作用があるのである程度は鋼素地の腐食が抑
制されるものの、局部的に露出した鋼素地近傍の亜鉛め
っき層およびＺｎ−Ａｌめっき層の腐食速度が平坦部に
比べて著しく大きいため、早期に赤錆が発生する。ステ
ンレス鋼板の赤錆発生の防止および溶融アルミニウム鋼
板、溶融Ｚｎ−Ａｌめっき鋼板の加工部等の鋼素地が露
出した部分の耐食性向上には鋼中にＣ「を添加した鋼板
をめっき母材として各種溶融めっきを施すことが有効な
手段となる。

しかし、　Ｃｒを添加した錆の鋼板を連続めっきライン
で溶融めっきする場合、めっき金属と鋼板とのめつきぬ
れ性が不十分であり、点状のめっき欠陥（不めっき）が
発生する。その結果、このめっき欠陥から腐食が生ずる
から溶融めっき鋼板の耐食性は不満足である。このめっ
き欠陥の発生を防止する手段として、溶融めっき金属と
良好なぬれ性が得られるＦｅ、Ｎｉ等をめっき前にめっ
き素材へ予めめっきするプレめっき法が提案されている
（特開昭５７〜７０２６８．特開昭６０〜２６２９５０
）。

しかしながら、Ｆｅ、　Ｎｉ等のプレめっきは高価であ
りコスト的に高くなる。また、Ｎｉプレめっきの場合に
は、溶融めっき後のめっき層中にＮｉが残存しめっき層
自身の耐食性を低下させるという問題もある。

（問題点を解決するための手段） 本発明者らは、Ｃｒを含有する鋼板に溶融めっきする場
合に点状のめっき欠陥が発生するが、良好な溶融めっき
層が形成される部分も存在する点に着目した。この点に
ついて鋭意検討した結果、溶融めっき用素材の表層酸化
物の厚さに差が生じていることが認められた。すなわち
１点状のめっき欠陥が発生する素材は、表層酸化物層の
厚さが５０人をこえ、良好なめっき暦が形成される素材
では、酸化物層の厚さが５０Å以下になっていることが
判明した。そこで６溶融めっき前に素材の表層に形成さ
れる酸化物層を５０Å以下に調整することにより点状の
めっき欠陥の発生が無い耐食性に優れた溶融めっき鋼板
素材が得られることを見出した。

（発明の構成） 本発明は、Ｃｒを５．０〜３（ｈｔ、％含有する鋼板の
表層の酸化物層の厚さを５０Å以下にしたことを特徴と
する耐食性に優れた溶融めっき鋼板用素材を提供する。

（発明の具体的開示） 以下、本発明を図面を参照して説明する。

第１図は、溶融アルミニウムめっき性におよげす被めっ
き鋼板中のＣ「含有率とめっき素材表層の酸化物厚さの
関係を調査した結果である。ここで溶融アルミニウムめ
っき性は、各鋼板試料（５ｏ×１５（１ｍｍ）を還元性
雰囲気（５０％Ｈ，−Ｎ２、露点（ｐ、ｐ、）＝−６０
℃）でＡ１−９％Ｓｉ浴（６７０℃）に２秒浸漬し、引
き上げて得ためっき製品に発生した点状めっき欠陥の個
数で判定したものである。

溶融アルミニウムめっき性の判定基準 評点５：点状めっき欠陥のないもの 評点４：直径ｌａｍ未満の点状めっき欠陥５個以内のも
の 評点３：直径１１１１１１未満の点状めっき欠陥５個を
こえるもの 評点２：直径１ｍｍ未満の点状めっき欠陥多数発生する
か、または直径１１１１ｍ以上の点状めっき欠陥発生す
るもの 評点１：直径１ｍ１１１以上の点状めっき欠陥多数発生
するもの 第１図から明らかなように、鋼板表層の酸化物厚さが５
０人を越えると溶融アルミニウムめっき性が低下し、点
状のめっき欠陥が発生する。そしてそのめっき欠陥の発
生は被めっき鋼板中のＣｒ含有率が高くなるとともに増
加し、鋼板表層の酸化物層厚さも厚くなるにしたがって
増加する。これに対して、鋼板表層の酸化物厚さを５０
λ以下にすると溶融アルミめっき浴とのぬれ性は向上し
、どのようなＣｒ含有率でも良好なアルミニウムめっき
層を形成することができる。なお、溶融亜鈴めっきおよ
び溶融Ｚｎ−Ａｌめっきにおいても同様な結果が得られ
る。

被めっき鋼板中のＣｒ含有率は、優れた耐食性を発揮す
るために５．Ｏｖｔ、％以上必要であるが鋼中のＣｒ含
有率が３（ｈｔ、％を越えると鋼板自身の加工性が低下
するので３０ｗｔ、％以下が望ましい。

Ｓｉ含有率については、Ｓｉ添加量を増加することによ
り溶融めっき鋼板中の耐食性は向上するが、鋼中Ｓｉ含
有率が２．５ｗｔ、％をこえると鋼板表層の酸化層の厚
さを５０Å以下に調整しても粒界に沿って酸化物が深く
成長し、めっき欠陥の発生の原因となるためＳｉ含有率
は２．５ｗｔ、１以下が望ましい。また鋼中に添加した
Ｓｉは、めっき条件によっては、めっき金属と鋼板との
めっきぬれ性を低下させる場合があるので、さらに好ま
しくは１．Ｏｗｔ、％以下が望ましい。なお、Ｎｉにつ
いては、溶融めっき金属とのめっきぬれ性が低下しない
ため必要に応じて添加することが可能である。また、被
めっき鋼板中に含有される肚、Ｐ、　Ｓ、　Ｔｉ、　Ｖ
、　Ｂ、阿０、Ｃｕ等も溶融めっき性に影響をおよぼさ
ないので必要に応じて添加できる。

次に、実施例により本発明を説明する。

実施例１ （１）めっき母材 化学組成として、Ｃｒを１．２〜２３．’ｈｔ、％の範
囲で種々変化し、Ｃｒ以外の化学成分が下記の範囲にあ
る板厚：　０．６ｍｍの鋼板を大気中で焼鈍して使用し
た。

Ｃ：　０．０４５〜０．０６２ｗｔ、％Ｓｉ　：　０．
１５〜０．３１ｗｔ、％Ｍｎ　：　０，２５−０．３５
ｗｔ、％Ｐ　：０．０１５〜０．０２５ｗｔ８％Ｓ　：
０．００８〜０．０１５ｕｔ、％Ｔｉ　：　０．２０〜
０．２５ｗｔ、％（２）溶融アルミニウムめっき鋼板用
素材の製造前記めっき母材を電解質溶液中で電流密度５
Ａ／ｄｍ２　の交番電流により電解を実施した後、フッ
酸と硫酸を混合した溶液中で酸洗を行った。＃Ｉ板板層
層酸化物厚さは、交番電流による電解の通電時間および
酸洗の浸漬時間を変化させることにより。

２０〜１２０人に種々変化させた。また、プレめっき法
と比較するため塩化ニッケル浴で付着量１片面５ｇ／ｌ
１２の電気ニッケルめっき鋼板も作成した。

（３）溶融アルミニウムめっき鋼板の製造前記の各種め
っき素材は、５０ν０１０％）Ｉ２−Ｎ２雰囲気で８０
０℃、３０秒予熱した後、同じ雰囲気下にある６７０℃
のＡ１−９％Ｓｉ浴に２秒浸漬して溶融アルミニウムめ
っきを行い、めっき付着量が片面５０ｇ／ｍ”の溶融ア
ルミニウムめっき鋼板を作成した。

（４）溶融アルミニウムめっき性の評価このようにして
得られた溶融アルミニウムめっき鋼板の表面（５０Ｘ　
１００ｍｍの範囲）に発生した点状のめっき欠陥の個数
で評価した（評価基準は先に記載した通り）。

（５）促進腐食試験 前記溶融アルミニウムめっき鋼板をＪＩＳ　ＺＺ２４８
に基づいて２を曲げ加工した後、ＪＩＳ　２２３７１に
基づく塩水噴霧試験を４時間、引続いて５０℃熱風乾燥
を１時間という工程を１サイクルとした促進腐食試験に
供した。

それぞれの腐食程度は、促進試験２０００サイクル後の
腐食生成物および残存被層層を溶解、除去して母材の最
大侵食深さを測定して評価した。

第１表は溶融アルミニウムめっき時の点状めっき欠陥の
発生程度および促進腐食試験２０００サイクル後の各試
料の腐食状態を母材の最大侵食深さについてまとめた結
果である。

鋼中Ｃｒ含有率が３．８ｗｔ、％以下の本発明外の溶融
アルミめっき鋼板（Ｎｏ、１．２）は２を曲げ加工部の
腐食が著しく、母材の貫通孔も認められる。また、めっ
き欠陥の発生の著しい本発明外の溶融アルミニウムめっ
き鋼板（Ｎｏ、５．６，８．９）は鋼板を貫通した孔食
を起こしている。これらに対して、鋼板表層の酸化物層
を５０Å以下に調整した後、溶融アルミニウムめっきし
た本発明の溶融めっき鋼板（ＮＯ０３，４，７，１０）
は平坦部、２を曲げ加工部とも母材の侵食が小さい。ま
た電気ニッケルめっきした後、溶融アルミニウムめっき
した試料（Ｎｏ、１１）は、ニッケルプレめっき層の効
果により点状めっき欠陥が発生しないが、母材の侵食深
さは本発明の方法で作成した溶融アルミニウムめっき鋼
板より大きい。電気ニッケルめっきした後、溶融アルミ
ニウムめっきした試料の場合はアルミニウムめっき層の
腐食速度が著しく大きくなるので、結果としてめっき母
材の侵食深さも大きくなる。

実施例２ （１）めっき母材 化学組成として、Ｃｒを２．５〜１ｇ、７ｗｔ、％の範
囲で種々変化し、　Ｃｒ以外の化学成分が下記の範囲に
ある板厚０．６ａ＋ｍの鋼板を大気中で焼鈍して使用し
た９Ｃ：　０．００５〜０．０１０ｗｔ、％Ｓｉ　：　
０．３５〜０．４２ｗｔ、％Ｍｎ　：　０．２５〜０．
２７ｗｔ、％Ｐ　　：０．０１５〜０．０１７ｗｔ１％
Ｓ　　：０．００８〜０．０１０ｗｔ、％（２）溶融亜
鉛めっき鋼板用素材の製造前記めっき母材を電解質溶液
中で電流密度を１ＯＡ／ｄａ”　として交番電流により
電解を実施した後、フッ酸と硫酸を混合した溶液で酸洗
を行った。鋼板表層の酸化物厚さは、交番電流による電
解の通電時間および酸洗の浸漬時間を変化させることに
より、２０〜１２０人に種々変化させた。

（３）溶融亜鉛めっき鋼板の製造 前記の各種めっき素材は、５０ｖｏ１１％）Ｉ２−Ｎ、
雰囲気で７００℃、３０秒予熱した後、同じ雰囲気下に
ある４７０℃のＺｎ−０，Ｈ１％Ａ１浴に２秒浸漬して
溶融亜鉛めっきを行い、めっき付着量が片面６０ｇ／ｍ
２の溶融亜鉛めっき鋼板を作成した。

（４）溶融亜鉛めっき性の評価 実施例１と同様 （５）促進腐食試験 前記溶融めっき鋼板をＪＩＳ　２３７１に基づいて塩水
噴霧試験を１５分間、６０℃熱風乾燥を１時間、５０℃
湿潤試験（Ｒ，Ｈ，＝９５％）を３時間という工程を】
サイクルとした促進腐食試験に供した。それぞれの耐食
性評価は、赤錆発生面積率で行った。

第２表は各種溶融亜鉛めっき鋼板のの点状めっき欠陥の
発生程度および促進腐食試験１００，２００サイクル後
の各試料の腐食面積率をまとめた結果である。

鋼中Ｃｒ含有率が４．１ｗｔ、％以下の本発明外の溶融
亜鉛めっき鋼板（Ｎｏ、Ｉ２，１３）は、１００サイク
ルの段階で全面赤錆となる。また、本発明外の溶融亜鉛
めっき鋼板（Ｎｏ、１６．１９，２］）は、】００サイ
クル時点での赤錆発生面積率は比較的低い値を示すが、
２００サイクルでは点状のめっき欠陥部を中心に赤錆発
生面積率が増加する９これらに対して１本発明品の溶融
亜鉛めっき！Ｆｉ（Ｎｏ、１４．１５，１７．２０）は
、２００サイクルにおいても赤錆発生面積は非常に低い
値である。

実施例３ （１）めっき母材 化学組成として、Ｃｒを２．２〜２＋、、２ｗｔ、％の
範囲で種々変化し、Ｃｒ以外の化学成分が下記の範囲に
ある板厚０．ｈ＋ｍの鋼板を大気中で焼鈍して使用した
。

Ｃ：　０．０１０〜０．０７２ｖｔ、％Ｓｉ　：　０．
３５〜０．４７ｗｔ、％Ｍｎ　：　０．２５〜０．２７
ｗｔ、％Ｐ　：　０．０１０〜０．０１５ｖｔ、％Ｓ　
：　０．００９〜０．０１２ｗｔ、％（２）溶融Ｚｎ−
Ａｌめっき鋼板用素材の製造前記めっき母材を電解質溶
液中で電流密度】ＯＡ／ｄｍ”の交番電流により電解を
実施した後、　フッ酸と硫酸を混合した溶液中で酸洗を
行った。鋼板表層の酸化物層の厚さは、交番電流による
電解の通電時間および酸洗浸漬時間を変化させて２５〜
１１０人に種々変化させた。

（３）溶融ＺローＡ１めっき鋼板の製造前記の各種めっ
き素材は、５０ｖｏ１．、％）ｌ、−Ｎ２雰囲気で７５
０℃、３０秒予熱した後、同じ雰囲気下にある４５０℃
のＺｎ−４、３％Ａｌ浴に２秒浸漬して溶融Ｚｎ−Ａｌ
めつきを行い、めっき付着量が片面６０ｇ／ｍ２の溶融
Ｚｎ−Ａ１めっき鋼板髪作成した。

（４）溶融Ｚｎ−Ａｌめっき性の評価 実施例１と同様 （５）促進腐食試験 前記溶融Ｚｎ−Ａｌめっき鋼板をＪＩＳ　２２２４８に
基づいて２を曲げ加工した後、ＪＩＳ　２２３７１に基
づく塩水噴震試験を５分間、６０℃熱風乾燥を１時間、
５０℃湿潤試験（Ｒ，Ｈ，＝９８％）を３時間という工
程を】サイクルとした促進腐食試験に供した。

それぞれの腐食程度は、促進試験１０００サイクル後の
腐食生成物および残存被層層を溶解、除去１、て母材の
最大侵食深さを測定して評価した、第３表は、点状めっ
き欠陥の発生程度および１０００サイクル後の各試料の
腐食状態を母材の最大侵食深さについてまとめた結果で
ある。

鋼中Ｃｒ含有率が４．ｈｔ、％以下の本発明外のめっき
鋼板（Ｎｏ、　２２．２３）は２を曲げ加工部の母材が
著しく侵食される。また、めっき欠陥の発生の著しい本
発明外の溶融めっき鋼板（Ｎｏ、２６．２８，２９．３
０）は、点状めっき欠陥部から母材の著しい腐食を起こ
している。これらに対して、鋼板表層の酸化物層を５０
Å以下に調整した後、溶融Ｚｎ−Ａｌめっきした本発明
の溶融めっき鋼板（Ｎｏ、２４．２５，２７．３１）は
平坦部、２を曲げ加工部とも母材の侵食が非常に小さい
。

（発明の効果） 以上述べてきたように、　Ｃｒを含有する鋼板表層の酸
化物層厚さを５０Å以下に瀾整した本発明品は、溶融め
っき金属と良好なめっきぬれ性が得られるめっき用素材
である。また、本発明品は、プレめっき法のように溶融
めっき前に予めめっきを施す必要が無いためコスト的に
有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、溶融アルミニウムめっき性におよぼす鋼中Ｃ
ｒ含有率と被めっき鋼板表層の酸化物層厚さの関係を調
査した結果を示すグラフである。なお、図中のプロット
内の数値は、アルミニウムめっき性の評点を示す。 特許出願人　　　日新製鋼株式会社 代理人　弁理士　松井政広　外１名 手 続 補 正 書 ７゜ 補正の内容 平成２年６月１１日 明細書第１０頁第１２行目の次に別紙 「第１表」

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 鋼中にＣｒを５．０〜３０ｗｔ．％を含有する鋼板の表
   面の少なくとも一方の面の酸化物層厚さを５０Å以下と
   した耐食性に優れた溶融めっき鋼板用素材。