JPH048695Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、光源によつて照明された原稿から
の反射光を一次元ラインセンサに縮小入射させて
原稿内容を読取る画像入力装置に係り、特にその
光源が原稿面に沿つて移動する光学系移動型の画
像入力装置に関する。

〔従来の技術〕

一次元ラインセンサを用いる画像入力装置は、
通常光源からの光を光学系を介して一次元ライン
センサに入射させ、この一次元ラインセンサによ
つて原稿内容が電気信号に変換されるようになつ
ている。

ところで、原稿台（以下プラテンガラスとよ
ぶ）上に載置された原稿内容を読取るため、所謂
光学系移動型の画像入力装置が各種開発されてい
るが、通常このようなタイプの画像入力装置にあ
つては、原稿幅方向に沿つてその原稿幅と略同一
幅に開口されたスリツト、このスリツトの近傍に
原稿幅に亘つて設けられた光源、ミラー及び一次
元ラインセンサ等の光学系を収容したキヤリジを
原稿幅方向と直交する方向（以下原稿長さ方向と
よぶ）に沿つて一定速度で移動させて原稿内容を
読取るようになつている。そして、一次元ライン
センサで原稿内容をアナログ信号に変換させた
後、この一次元ラインセンサと配線コードによつ
て接続された信号処理回路等を有する信号処理系
によつてデジタル信号に変換されるようになつて
いる。

〔解決しようとする問題点〕

ところが、このような光学系移動型の画像入力
装置にあつては、光学系側が移動する際に信号処
理系と接続されている配線コードが断線したりそ
の配線コードが引回されて一次元ラインセンサか
らのアナログ信号に雑音を取込むことがあり問題
となつている。更にこのような画像入力装置にお
いては、原稿長さ方向に沿つて一対のガイド部材
及びこのガイド部材に沿つて光学系を駆動させる
ためキヤリジ両側面側とは接続されてモータによ
つて移動するワイヤあるいはベルト状の駆動体を
有する駆動部を設け、キヤリジ両側面側を共にそ
の駆動体で牽引しながら移動するように両面駆動
型のもので構成されたものが提案されているが、
原稿長さ方向に沿つて平行に、かつ円滑にキヤリ
ジを走行させるためにはそのキヤリジ両側面側で
の牽引力を常に均一に調整することが必要となつ
ており、その調整作業は困難な場合が多い。その
結果、キヤリジ走行の際にガタツキが生じこれが
さらに雑音発生の一因ともなつている。

そこで、キヤリジの走行の円滑化を図り、雑音
の発生を防止するため、キヤリジ両面側のうち一
面側のみを駆動させるように構成したもの（以下
片面駆動とよぶ）が提案されているが、このよう
な構成のものであつてもキヤリジの移動走行の際
にある程度ガタつきを生じることがある。

そこで、この考案は、上記従来の欠点に鑑み、
原稿内容を読取つて電気信号に変換する際に雑音
の少ない高精度の電気信号に変換させることがで
きると共にコンパクト化を図ることのできる画像
入力装置を提供することを目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

即ち、この考案は、原稿幅方向に沿つて設けた
光源を駆動部の駆動体によつて原稿面に沿つて移
動・走査させながらスリツト露光を行い、原稿面
からの反射光を一次元ラインセンサに入射させて
原稿内容を読取る画像入力装置であつて、第１ミ
ラー，第２ミラー，結像レンズ及び前記一次元ラ
インセンサ等を有する光学系を収容してユニツト
化された光学ユニツトと前記一次元ラインセンサ
と接続された信号処理回路等を有する信号処理系
を収容してユニツト化された信号処理ユニツトと
が積層・一体化されてキヤリジが形成されている
とともに、このキヤリジの移動方向に平行な両側
面側のうち前記駆動体側と接続された被駆動面側
の幅寸法が、この被駆動面側とは反対側に位置す
る補助面側の幅寸法よりも長く形成され、かつ前
記キヤリジの重心位置が補助面側よりも被駆動面
側に偏倚しているものである。

〔作用〕

この考案の画像入力装置は、光学系と信号処理
系を積層一体化させて一つのキヤリジとして構成
し、原稿内容の読取りの際には、このキヤリジを
そのまま移動させているため光学系と信号処理系
とを接続する配線コードが引回されて断線したり
不必要に振動するおそれがなくなり、しかもキヤ
リジが被駆動面側に重心を偏倚させた構成となつ
ているため、そのキヤリジの移動の際にキヤリジ
が円滑に移動することができるようになつてお
り、これによつて信号処理系に出力されるアナロ
グ信号及び信号処理系から出力されるデジタル信
号に雑音が取込まれることを極力抑制することが
できるようになると共に、装置のコンパクト化を
図ることができるようになるものである。

〔実施例〕

以下この考案の一実施例について添附図面を参
照しながら説明する。

第１図は、この考案に係る画像入力装置を示す
ものであり、この画像入力装置は、キヤリジ１が
光学ユニツト２と信号処理ユニツト３とを夫々下
部及び上部に位置するようにして積層一体化させ
た構成となつている。尚、符号４は、駆動部であ
り、従来の片面駆動型のものと同様に構成即ち、
モータ４ａによつて一定範囲内を往復移動する無
端ベルトから構成された駆動体４ｂ，原稿長さ方
向に対して平行に設けられ表面が極めて滑かに加
工されたガイドシヤフト４ｃ及びガイドレール４
ｄから構成されている。また、符号５は、プラテ
ンガラスである。

キヤリジ１は、この実施例において、第２図に
示すように略五角柱状に形成されており、原稿長
さ方向に平行な両面側の内駆動部４の駆動体４ｂ
側と接続された被駆動面１ａ側の幅寸法がこの被
駆動面１ａ側とは反対側に位置する補助面１ｂ側
の幅寸法よりも長く形成されている。また、この
キヤリジ１はその形状のため、即ち略五角柱状を
有しているため重心位置が補助面１ｂ側よりも被
駆動面１ａ側に偏倚している。そして、このキヤ
リジ１の被駆動面１ａ側には、第３図に示すよう
にガイドシヤフト４ｃに挿通させるための挿通孔
１ｃが形成された被駆動体１ｄが取付けられてお
り、この被駆動体１ｄの側面には駆動体４ｂが固
着されている。また、キヤリジ１の補助面１ｂ側
には、ガイドレール４ｄ内を円滑にスライドさせ
るため摩擦係数ができるだけ小さくなるように表
面が高精度に平面加工された突起１ｅが設けられ
ている。

光学ユニツト２は、内部に従来と同様の光学
系、即ち第４図に示すように、第１ミラー２ａ，
第２ミラー２ｂ，結像レンズ２ｃ，CCD（電荷結
合素子）から構成された一次元ラインセンサ２ｄ
等が同一平面上に取付けられてユニツト化されて
いる。また、光源２ｅ及びスリツト（図略）は信
号処理ユニツト３と隣接したキヤリジ１の上部側
のプラテンガラス５近傍に取付けてある。尚、こ
の光学系を構成する光学部品の内、とくに重量が
重い結像レンズ２ｃ及び一次元ラインセンサ２ｄ
等は、キヤリジ１１の重心位置を補助面側１ｂよ
りも被駆動面１ａ側に偏倚するようにできるだけ
被駆動面１ａ側に接近して取付けることが望まし
い。

信号処理ユニツト３は、内部に従来と同様の信
号処理回路や光源回路（共に図示せず）等の信号
処理系が取付けられてユニツト化されている。そ
して、この信号処理系と一次元ラインセンサ２ｄ
側とを図示外の配線コードによつて接続してい
る。また、信号処理系から出力されるデジタル信
号は、図示外の他の配線コードによつて外部の
CRT等と電気的に接続することができるように
なつている。尚、これら信号処理系を構成する各
電気部品もできるだけ被駆動面１ａ側に接近して
取付けることが望ましい。

従つてこの実施例に係る画像入力装置によれ
ば、キヤリジ１が光学系を収容してユニツト化さ
れた光学ユニツト２と信号処理系を収容してユニ
ツト化された信号処理ユニツト３とを夫々下部及
び上部に積層一体化した構成となつているため、
換言すれば重量的に重い光学系を収容した光学ユ
ニツト２をキヤリジ１の下部側に配設しているた
め、重心位置が下部側に設定され、キヤリジ１が
移動する際にその移動動作が一層安定すると共に
円滑な移動動作を行うことができ、雑音の発生を
一層防止できる。

〔効果〕

以上説明してきたように、この考案に係る画像
入力装置によれば、光学系と信号処理系とを積層
一体化させてキヤリジを構成し、光学系と信号処
理系とを同時に移動させるようにしてあるため、
これら双方を電気的に接続する配線コードが引回
されることがなくなり、その配線コードの断線の
発生や信号処理系に雑音が取込まれることが極力
防止できると共に、コンパクト化を図ることがで
き、その効果が極めて著しい。

また、この考案に係る画像入力装置によれば、
キヤリジの被駆動面側に重心位置を偏倚させてい
るため、キヤリジの円滑な移動動作が一層安定
し、延いては信号処理系と外部側との接続を図る
配線コードが大きく揺動されるのを防止すること
ができ、外部側に出力されるデジタル信号に雑音
が取込まれることを極力防止できる。

さらに、光学系のうち、少なくとも結像レンズ
及び一次元ラインセンサを光学ユニツト内の被駆
動面側に接近した位置に配設したものにあつて
は、キヤリジの移動動作が一層安定するため、各
種の配線コードからの雑音の取込みがより確実に
防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る画像入力装置全体の構
成を示す概略斜視図、第２図はこの考案に係る画
像入力装置のキヤリジを示す概略斜視図、第３図
は第２図におけるＡ−Ａ矢視断面図、第４図は光
学系を収容した光学ユニツト内において原稿面で
反射した光線が一次元ラインセンサに達する迄の
光路を示す断面図である。 ２ｅ……光源、４ｂ……駆動体、２ｄ……一次
元ラインセンサ、２ａ……第１ミラー、２ｂ……
第２ミラー、２ｃ……結像レンズ、２……光学ユ
ニツト、３……信号処理ユニツト、１……キヤリ
ジ、１ａ……被駆動面、１ｂ……補助面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 原稿幅方向に沿つて設けた光源を駆動部の駆
   動体によつて原稿面に沿つて移動・走査させな
   がらスリツト露光を行い、原稿面からの反射光
   を一次元ラインセンサに入射させて原稿内容を
   読取る画像入力装置であつて、 第１ミラー，第２ミラー，結像レンズ及び前
   記一次元ラインセンサ等を有する光学系を収容
   してユニツト化された光学ユニツトと前記一次
   元ラインセンサと接続された信号処理回路等を
   有する信号処理系を収容してユニツト化された
   信号処理ユニツトとが積層・一体化されてキヤ
   リジが形成されているとともに、 このキヤリジの移動方向に平行な両側面側の
   うち前記駆動体側と接続された被駆動面側の幅
   寸法が、この被駆動面側とは反対側に位置する
   補助面側の幅寸法よりも長く形成され、かつ 前記キヤリジの重心位置が補助面側よりも被
   駆動面側に偏倚している ことを特徴とする画像入力装置。 ２ 前記光学系のうち少なくとも結像レンズ及び
   一次元ラインセンサが前記光学ユニツト内の被
   駆動面側に接近した位置に配設された実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の画像入力装置。