JPH048373Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、貫通孔内周に多極環駆動接触子を
設けた複数の分岐体を棒状の接続導体に串刺状に
した多回路分岐体の検電装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 多回路分岐体には棒状の接続導体に複数本の分
岐体の一端を取付けて串刺状にし、これらの各分
岐体に分岐ケーブルを接続し、導出するものがあ
るが、これらの分岐体等の外周にはシールド外被
層を有するものがある。

（考案が解決しようとする問題点） この分岐体の検電に際してはこのシールド層を
除去しなければならず、それ故この検電装置は複
雑なものとなつている。

（問題点を解決するための手段） この考案は分岐体の導体締付装置にこの検電装
置を内蔵させ、いちいちシールド外被を除去する
ことなく容易に検電できる装置を提供するもので
ある。

そしてこの考案の具体的構成は貫通孔内周に多
極環駆動接触子を有し、一端に分岐ケーブルを接
続する接続部を有する複数の分岐体の上記貫通孔
に棒状の接続導体を通して上記各接触子を接続導
体に接触させ、この接続導体の両端に夫々外周に
シールド外被層を有する締付キヤツプを設け、こ
れらのうちの少なくとも一つの締付キヤツプの絶
縁層内に、上記接続導体端面と対向した側面をも
つ導電層を設け、この導電層の一側を締付キヤツ
プ外周に露出させ、かつこの露出した導電層を被
覆自在な導電キヤツプを設けた、検電装置であ
る。

（作用） 上記締付キヤツプにより、接続導体の外周に取
り付けた分岐体相互を締め付け加圧する。そして
検電の際は導電キヤツプを外し、この締付キヤツ
プの外周に露出した導電層に測定器を当てる。こ
の際内部の接続導体端部と上記導電層とは間に絶
縁層を介在させており、これらの間に電圧が誘起
され、この導電層により検電できる。

（実施例） 以下この考案の実施例を図について説明する。

１は棒状の接続導体、２はこの接続導体１の端
面に穿つた円筒状の孔、３はこの孔２内に摺動自
在に挿入した心棒で、この心棒３の一端にフラン
ジ４がネジ５により取付けられている。６はこの
心棒３の他端外周に嵌めたフランジ、７はこのフ
ランジ６と前記フランジ４との間の心棒３外周に
設けたスプリングバネ、８は上記接続導体１の一
端の相対する両側から螺孔９に螺入させたネジ
で、これらの各ネジ８は上記フランジ６の外側を
係止している。これによりスプリングバネ７の力
によつて心棒３は孔２の奥部方向に付勢されてい
る。１０は孔２開口端側の心棒３端面に穿つたネ
ジ孔、１１は略円盤状の固定座金で、この固定座
金１１は中央の穴にネジ１２を貫通させ、この固
定座金１１の外周縁に一定間隔であけた数個の穴
に夫々ネジ１３を貫通させ、これらの各ネジ１３
は上記ネジ１２と反対向となつている。１４はこ
の固定座金１１の、上記ネジ１３箇所を除く外周
縁に間隔をあけて穿設した押工座金で、この押工
座金１４は、上記ネジ１２を心棒３のネジ孔１０
に螺着し、心棒３端に固定座金１１を当接させる
と、押工座金１４は上記ネジ８の頭体を避けて接
続導体１の外周に突出する。１５は一側に凹部１
５ａを有する固定座金で、この凹部１５ａの底面
には中央に溝１６を穿ち、この溝１６の周囲に数
個のネジ孔１７を穿つてあり、この凹部１５ａに
上記固定座金１１を嵌め、溝１６にネジ１２の頭
体を入れて各ネジ１３を各ネジ孔１７に螺着し、
固定座金１１に固定したものである。１８はこの
固定座金１５の外周に一体にモールドした絶縁層
で、この外周を導電層１９及び剛性の金属等から
成るシールド外被２０が順に被つている。２１は
これらのシールド外被２０、導電層１９、絶縁層
１８、固定金具１５及び固定座金１１から成る雌
形キヤツプで、この雌形キヤツプ２１は上述の如
くその凹部２１ａの略中心から接続導体１を突出
させている。２２はこの雌形キヤツプ２１の頂部
の、シールド外被２０から突出した環状突体、２
３はこの環状突体２２の外周両側から突出したピ
ン、２４は上記環状突体２２内の絶縁層１８内に
埋設した導電層で、この導電層２４は上記導電層
１９とは接触しておらず、この環状突体２２内方
で外面に露出している。２５はこの環状突体２２
に被せる導電性ゴムから成る導電キヤツプで、こ
の導電キヤツプ２５の両側には鍵型の係止溝２５
ａを有し、環状突体２２にこれを被せて、ピン２
３をこの係止溝２５ａに入れて導電キヤツプ２５
を回わすと、導電キヤツプ２５はこの環状突体２
２に係止される。またこの状態で上記導電層２４
と導電キヤツプ２５とは当接される。２５ｂは導
電キヤツプ２５と雌形キヤツプ２１とをつなぐ紐
である。２６は上記接続導体１の他端の外周ネジ
部、２７はこの外周ネジ部２６に螺着する雄型キ
ヤツプで、この雄型キヤツプ２７は内周ネジ部を
有するナツト金具２８の外周に絶縁層２９を一体
にモールドしてさらにこの外周面に導電層３０及
び剛性の金属等から成るシールド外被３１を設け
たものである。なおこの雄型キヤツプ２７の外側
頂部にはナツト部２７ａを有している。３２はこ
の接続導体１に串刺状に多数被冠した分岐体、３
３はこの各分岐体３２の圧縮導体で、この圧縮導
体３３の一端には貫通孔３４を有し、他端には圧
縮孔３５を有している。３６は上記貫通孔３４内
に嵌入された環状接触子で、この接触子３６は支
持管３７の外周に多数の接触片３８を環状に並
べ、これらの各接触片３８の外端を支持管３７外
方へ突出させ、これらの各接触片３８の外周にス
プリングバンド３９を設けたもので貫通孔３４の
両側開口端にはこの接触子３６の貫通孔３４から
の外れを防止する止め輪４０を設けている。４１
は上記圧縮孔３５内に芯線４１ａを入れて圧縮、
接続した分岐ケーブル、４２は圧縮導体３３外周
に設けた絶縁層で、この絶縁層４２は分岐ケーブ
ル４１端まで達して、これらに一体にモールドし
てある。そしてこの絶縁層４２は上記貫通孔３４
の開口部一側では、開口部周縁に向つてテーパー
状内周を為す凹部４３を形成し、また同開口部他
端では、開口部周縁から貫通孔３４と略同径の孔
を有し、先端外周にテーパーを有する凸部４４を
形成している。４５は上記分岐ケーブル４１端外
周と上記絶縁層４２内周との間に設けたスペーサ
ー、４６は上記凹部４３、凸部４４を除く絶縁層
４２外周に設けた導電層、４７は分岐ケーブル４
１端の導電層４６端部から巻き付けた半導電テー
プ、４８はこの半導電テープ４７に接続した接地
線、４９は上記半導電テープ４７外周に被せた防
水用チユーブ、５０はこれらの防水用チユーブ４
９の上下端に巻き付けた押えテープ、５４は各分
岐体３２の接合箇所の外周に設けた接続部カバー
である。

この実施例の場合検電をするには、導電キヤツ
プ２５を回わして引つ張ると、導電キヤツプ２５
の係止溝２５ａからピン２３が外れ、導電キヤツ
プ２５は雌形キヤツプ２１の環状突体２２から外
れる。そして測定装置（図外）をこの環状突体２
２内に露出した導電層２４に当てればよい。

なお上記実施例では接続導体１に串刺状に取り
付けた多数の分岐体３２の両側に雌形キヤツプ２
１及び雄型キヤツプ２７を設けたが、これらのキ
ヤツプ２１，２７に限らず、適宜の締付キヤツプ
であれば良い。

（考案の効果） この考案は以上の構成であり、棒状の接続導体
の外周に複数の分岐体を串刺状に取り付けた多回
路分岐体において、これらの分岐体の両側の締付
キヤツプに検電装置を内蔵させて簡易かつコンパ
クトなものであり、さらに導電キヤツプを外せば
導電層が露出するため、検電が容易かつ確実であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一部断面側面図、第２図
イ，ロ，ハは夫々この考案の接続導体の孔内にス
プリングバネを巻き付けた心棒を挿入し、固定座
金、固定金具を取り付ける手順を示す説明図、第
３図はこの考案の接続導体、雌形キヤツプ、雄型
キヤツプを示す一部断面側面図、第４図は第３図
におけるＡ−Ａ線断面図、第５図はこの考案の分
岐体の一部断面側面図、第６図はこの考案の分岐
体の圧縮導体の一部断面側面図、第７図はこの考
案の導電キヤツプを雌形キヤツプから外した状態
を示す一部断面要図である。 なお図中、１……接続導体、２……孔、３……
心棒、７……スプリングバネ、１１……固定座
金、１５……固定金具、１８……絶縁層、２０…
…シールド外被、２１……雌形キヤツプ、２２…
…環状突体、２３……ピン、２４……導電層、２
５……導電キヤツプ、２７……雄型キヤツプ、３
２……分岐体、３４……貫通孔、３６……環状接
触子、４１……分岐ケーブルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 貫通孔内周に環状接触子を有し、一端に分岐ケ
   ーブルを接続する接続部を有する複数の分岐体の
   上記貫通孔に棒状の接続導体を通して上記各接触
   子を接続導体に接触させて当該接続導体と各分岐
   体の分岐ケーブルとを電気的に接続させ、この接
   続導体の両端に夫々、外周にシールド外被層を有
   する締付キヤツプを設け、これらのうちの少なく
   とも一つの締付キヤツプの絶縁層内に、上記接続
   導体端面と対向した側面をもつ導電層を設け、こ
   の導電層の一側を締付キヤツプ外周に露出させ、
   かつこの露出した導電層を、当該導電層と接触し
   て被覆自在な導電キヤツプを設けたことを特徴と
   する、多回路分岐体用検電装置。