JPS6121579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は点火用配電器に係り、特に高圧コー
ドが接続される配電器キヤツプの各電極間のリー
ク防止用絶縁カバーの取付け手段の改良に関する
ものである。

〔従来の技術〕

この種従来装置としては、仏国特許出願公開第
2220892号の如く配電器キヤツプに設置された電
極と、点火用高圧コードの端子とをねじにより締
付け固定するとともに、保護カバーをねじにより
固定するものが公知となつている。

また、実開昭52−108438号の如く半導体素子部
が収納されるケースを配電器本体と点火栓とを結
ぶ複数本の高圧コードの少なくとも何れか一方に
クランプすることにより配電器本体内に装着され
ている信号発生器と半導体素子部との配線を短か
くすると共に車両の振動を高圧コードによつて吸
収するようにしたものが公知となつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の、上記仏国特許出願公開第2220892号の
ものは、配電器キヤツプの外周には保護カバーが
設けられているが、その取付手段はねじによるも
のであり、取り付け、取り外しに手間を要するも
のであつた。

また、実開昭52−108438号のものでは、他のケ
ースを高圧コードにより支持する技術思想は開示
されているものの、そのケースはキヤツプにおけ
る電極間のリークの防止作用は全くなく、しかも
高圧コードの端子部とキヤツプの電極とは何らね
じにより固定する旨の開示がないので、配電器キ
ヤップにおける電極間のリーク防止が不充分であ
ると共に、ケースが確実に支持できない問題点が
あつた。

この考案は上記の各問題点を解決するためにな
されたもので、配電器キヤツプにおける電極と高
圧コードとの接続強度を向上すると共にリーク防
止用の絶縁カバーを高圧コードにより手間をかけ
ず、かつ確実に支持できるようにした点火用高圧
コードの接続装置を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る点火用高圧コードの接続装置
は、中心電極と周辺電極とのうち少なくとも中心
電極にねじ部を形成し、このねじ部によつて点火
用高圧コードの端子を締付け固定すると共に、各
電極を包囲する如く配電器キヤツプ外周部に配設
され、かつ各高圧コードに対応して各電極との対
向部からその外端部まで延びる如く設けられたス
リツト及びこのスリツトと連通したスリツトの幅
より広い幅の保持部を有する絶縁カバーを設け、
電極に確実に固定された高圧コードがスリツトに
挿入されるように絶縁カバーをかぶせ、上記保持
部により高圧コードを保持することにより絶縁カ
バーを支持するようにしたものである。

〔作用〕

この考案における絶縁カバーの取付けは次のよ
うに行なわれる。ねじにより中心電極に固定され
た高圧コード３及びねじ締めあるいは嵌合等の手
段により周辺電極に固定された高圧コード３′に
絶縁カバー６のスリツト６ｂを押し拡げて上方か
ら押し付け、保持部６ｃに嵌合させて絶縁カバー
６を高圧ココード３，３′に固定する。このと
き、各電極は絶縁カバー６によつてそれぞれ包囲
されている。また、絶縁カバー６を外すときはス
リツト６ｂを押し拡げるようにして絶縁カバー６
を持ち上げれば、絶縁カバー６を外すことができ
る。このように、この考案によれば、絶縁カバー
６の取付け取外しが容易で取付けが確実になると
ともに少くとも中心電極と接続される高圧コード
３はねじによつて強固に固定される。また、各電
極は絶縁カバー６によつてそれぞれ包囲されてい
るため、各電極間のリークを防止することが可能
となる。

〔実施例〕

以下、第１図乃至第３図に示すこの考案の一実
施例に基づき詳述するに、図に於て１は配電器の
キヤツプ、２はこのキヤツプ１に一体成形された
中心電極で、雌ねじ２ａが形成されている。３は
一端が点火コイルに接続される高圧コードで、そ
の他端には孔が形成された端子４が固着されてい
る。３′は周辺電極７にねじ締め又は嵌合等によ
り固定される高圧コード、５は締付ねじ、６は絶
縁カバーである。

この絶縁カバー６は第２図に示すように各電極
２，７を包囲するような室６ａが形成されてお
り、各電極間の耐リーク性は充分保たれている。
また、この絶縁カバー６には第８図に示すよう
な、各電極との対向部からその外端部まで延びる
スリツト６ｂ及びこのスリツト６ｂと連通し、高
圧コードを保持するスリツト６ｂの幅より広い幅
の保持部６ｃが設けられている。

以上の通り構成されたものに於て、中心電極２
と高圧コード３との接続は、中心電極２の上端面
に高圧コード３の端子４を当接させ、次いで締付
ねじ５を端子４の孔を介して中心電極２の雌ねじ
２ａに締付ければ完了する。即ち、締付ねじ５に
よつて端子４を中心電極２の上端面に押圧固定す
るといつた簡単な作業により中心電極２と高圧コ
ード３の端子４との接続強度は著しく向上でき点
火電圧の給電が確実に行なえるものである。

また、絶縁カバー６の取付けに関しては、中心
電極２に確実に固定された高圧コード３又は周辺
電極７に固定された高圧コード３′がスリツト６
ｂに挿入されるように絶縁カバー６をかぶせ、絶
縁カバー６の保持部６ｃが高圧コード３に嵌合す
るようにする。このようにして、カバー６は高圧
コード３，３′により確実に保持される。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、絶縁カバー
はこの絶縁カバーに形成したスリツト及び保持部
により容易に高圧コードにて支持ができ、しか
も、少なくとも中心電極と接続される高圧コード
の端部はねじ部により強固に固定されるので、リ
ーク防止用の絶縁カバーが簡単に取付けられ、か
つ確実に支持できる効果を有する。また、絶縁カ
バーは各電極を包囲しているので、確実なリーク
防止効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す要部断面
図、第２図は絶縁カバー６の装着状態を示す要部
断面図、第８図は絶縁カバー６を高圧コード３に
支持した状態を示す要部側面図である。 図に於て、１はキヤツプ、１ａは筒部、２は中
心電極、２ａは雌ねじ、３，３′は高圧コード、
４は端子、５は締付ねじ、６は絶縁カバー、６ａ
は室、６ｂはスリツト、６ｃは保持部、７は周辺
電極である。尚、各図中同一符号は同一または相
当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 配電器キヤツプに各々配置された中心電極と周
   辺電極とに各々点火用高圧コードを接続するもの
   に於て、上記各電極のうち少なくとも上記中心電
   極に形成されたねじ部と、該ねじ部によりその端
   子部が締付け固定された高圧コードと、上記各電
   極を包囲する如く上記配電器キヤツプ外周部に配
   設されるとともに、上記各高圧コードに対応して
   形成され上記各電極との対向部からその外端部ま
   で延びるスリツト及び該スリツトと連通し上記高
   圧コードを保持する上記スリツトの幅より広い幅
   の保持部を有する絶縁カバーとを備えた点火用配
   電器。