JP4282206B2 - プラグキャップおよびプラグ取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に装着された圧力センサ内蔵プラグの上部に取り付けられ、プラグに点火用高電圧を印加するための導電経路を形成するプラグキャップに関し、さらに、圧力センサ内蔵プラグの取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関では、機関の運転を総合的に制御するために、内燃機関各部の運転状態を検出しており、例えば、検出される状態量の一つである燃焼室内の圧力(筒内圧)を用いることで、失火やノッキングの検出や、燃料消費率の向上等を実現することが可能になる。そして、この筒内圧を測定するための圧力センサとしては、プラグの取り付け座に配置することで、プラグ締め付け荷重の変動により筒内圧を検出し、検出した圧力に応じた電気信号をセンサ出力ケーブルから出力する圧力センサが知られている。
【0003】
しかし、この種の圧力センサからの電気信号を、電子制御装置などの外部機器に入力するためには、プラグの主体金具の外周部分に、主体金具の下から上に向けてセンサ出力ケーブルを取り出すためのスペースを確保する必要がある。特にプラグホール内にコイルを設けるタイプの場合には、プラグホール内径とコイル外径とのクリアランスがほどんどないことから、センサ出力ケーブルを通すための溝状の領域をプラグホールに設けなければならず、プラグホールの形状が複雑になるため、コストが高くなるという問題が発生してしまう。これに対して、センサ出力ケーブルを通すことが出来るようにプラグホール全体の直径を大きくすれば、プラグホールの形状が複雑になることはない。しかしながら、内燃機関の性能向上を目的として、吸気弁・排気弁の挟角等を設計する場合には、吸気弁・排気弁の間に位置するプラグホールは出来る限り小径化することが望ましい。
【0004】
こうした要望に応える圧力測定器として、圧力センサ内蔵プラグ(PGPS)が提案されている(特開平6−290853号公報参照)。この圧力センサ内蔵プラグは、主体金具の取付座部内に圧電素子を備え、プラグ締め付け荷重の変化を検出することにより内燃機関の筒内圧を検出するものであり、検出した圧力に応じた電気信号を出力するセンサ出力ケーブルが主体金具の上部から導出されている。このセンサ出力ケーブルが、主体金具の上部から導出されるので、プラグホールの直径を大きく加工することなく、プラグホールの外にセンサ出力ケーブルを取り出すことが可能になる。これにより、シリンダヘッドにおいて、吸気弁・排気弁等の機構を備えるためのスペースを広く確保することができるため、内燃機関の性能向上を目的として、吸気弁・排気弁の挟角等を設計することが可能になる。
【0005】
そして、圧力センサ内蔵プラグは、主体金具に設けられた雄ネジ(ネジ溝)によって、プラグホールの底部で内燃機関本体に取り付けられて、火花を発生させる中心電極と接地電極とのギャップが気筒内に配置される。また、センサ出力ケーブルがプラグホールから取り出されて、電子制御装置などの外部機器に接続されることで、圧力センサ内蔵プラグによって検出された筒内圧が、例えば、電子制御装置で実行される内燃機関の運転制御処理等において、内燃機関の運転状態を検出するために用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧力センサ内蔵プラグは、センサ出力ケーブルが存在するために、内燃機関本体への取付作業が困難になるという問題がある。つまり、圧力センサ内蔵プラグは、主体金具に設けられた雄ネジによって内燃機関本体に取り付けられるため、取り付け時に、センサ出力ケーブルがプラグレンチなどの締め付け工具に巻き付いてしまうという問題が発生する。
【0007】
このようなセンサ出力ケーブルの巻付きを防ぐには、プラグ取り付け時に、圧力センサ内蔵プラグの回転に合わせてセンサ出力ケーブルを移動させる必要があるため、かなりの手間を要するとともにプラグ取付作業が困難となる。
一方、圧力センサ内蔵プラグのための締め付け用工具であるプラグレンチは、圧力センサ内蔵プラグと嵌合可能にするために、プラグとの嵌合部に主体金具から導出されるセンサ出力ケーブルを挿通するための溝が設けられている。しかし、プラグホールの奥深い部分で、プラグレンチの嵌合部が圧力センサ内蔵プラグの六角部に完全に嵌合されていないことに気付かずに、浮いた状態で締め付け作業を行うと、センサ出力ケーブルがプラグレンチの溝に誤って掛かることがある。このような状態で、プラグレンチを回転させると、センサ出力ケーブルが引張られて、主体金具から抜け落ちてしまうことがある。
【0008】
このようなセンサ出力ケーブルの抜け落ちは、プラグ取り付け時に限らず、プラグ取り外し時にも発生する虞がある。
また、センサ出力ケーブルは、外部からのノイズの影響を抑えるために、例えばステンレス等の金属から成るメッシュ(シールド線)で覆われたものが使用されることがある。このように金属製のメッシュで覆われたセンサ出力ケーブルを備えた圧力センサ内蔵プラグについては、内燃機関に装着するための締め付け作業の際に、センサ出力ケーブルがプラグホールに接触すると、金属製のメッシュがプラグホールの内壁面を削り取り、傷つけてしまうことがある。こうして、プラグホール内面を削り取ることにより生じる塵が、プラグとシリンダヘッドとの間に挟み込まれると、ネジ溝の破損や燃焼室の気密性低下などが生じる虞がある。これに加えて、センサ出力ケーブルとプラグホールの内壁面との摩擦により、センサ出力ケーブルのシールド線が破断すると、外部からのノイズ(点火ノイズなど)の影響を抑える効果が低減する。
【0009】
ところで、内燃機関に装着した圧力センサ内蔵プラグは、プラグの端子電極と点火コイルの高圧端子とを接続するために、高圧端子に接続されるプラグキャップが装着される。しかし、プラグホールの底部に位置するプラグにプラグキャップを装着する際には、プラグホールが狭くセンサ出力ケーブルが障害となるため、プラグホールへのプラグキャップの挿入は困難となる。
【0010】
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、内燃機関に対する圧力センサ内蔵プラグの脱着作業が容易となり、プラグホールを削り取ることなく、また、プラグへの装着が容易であるプラグキャップを提供し、さらには、圧力センサ内蔵プラグの容易な取付方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、主体金具の取付座部内に圧電素子を備え、圧電素子によりプラグ締め付け荷重の変化を検出することによって内燃機関の筒内圧を検出し、検出した圧力に応じた電気信号を、主体金具の上部から導出されるセンサ出力ケーブルから出力する圧力センサ内蔵プラグの上部に取り付けられ、このプラグに点火用高電圧を印加するための導電経路を形成するとともに、この導電経路を外部から絶縁するために備えられる筒状のプラグキャップであって、一端にプラグ締め付け用工具と嵌合するための第1嵌合部を備え、他端にプラグを締め付けるために主体金具に設けられた六角部と嵌合するための第2嵌合部を備え、第2嵌合部側の端部から第1嵌合部側の端部にかけてセンサ出力ケーブルを配設するためのケーブル配設部を備えたこと、を特徴とする。
【0012】
つまり、このプラグキャップを用いれば、第2嵌合部に圧力センサ内蔵プラグの六角部を嵌合した状態で、プラグキャップと圧力センサ内蔵プラグとをプラグホールに挿入し、第1嵌合部に締め付け用工具を嵌合して締め付けることで、プラグを内燃機関本体に取り付けることができる。このとき、プラグから導出されるセンサ出力ケーブルを、第2嵌合部側の端部から第1嵌合部側の端部にかけて備えられたケーブル配設部に配設することにより、センサ出力ケーブルがプラグレンチに巻き付くことがない。
【0013】
また、センサ出力ケーブルをケーブル配設部に配設することにより、センサ出力ケーブルを覆う金属製のメッシュがプラグホールの内壁を削り取ることが無いため、プラグとシリンダヘッドとの間に削り塵が挟み込まれてネジ溝が破損することや、燃焼室における気密性の低下を防ぐことができる。
【0014】
さらに、圧力センサ内蔵プラグの上部にプラグキャップを取り付けた状態でプラグ取り付け作業を行う場合、プラグホールの浅い部分、あるいはプラグホールの外に第1嵌合部が位置するため、プラグレンチと第1嵌合部とを確実に嵌合できる。このため、プラグレンチが完全に嵌合されていない状態で締め付け作業を行うことによりセンサ出力ケーブルがプラグレンチの溝に掛かり、抜け落ちることが無くなる。
【0015】
また、プラグキャップは、奥行きの深いプラグホールの底部に備えられたプラグに点火用高電圧を印加するための導電経路を形成するために、プラグの上部に取り付けられる。そのため、プラグキャップは、プラグ取り付け作業後も、圧力センサ内蔵プラグに嵌合された状態でプラグホール内に配置されることから、プラグの取り外し時にも、取り付け時と同様に、センサ出力ケーブルをプラグキャップのケーブル配設部に配設した状態でプラグを回転させることができる。したがって、プラグ取り外し時においても、センサ出力ケーブルが、プラグ締め付け用工具の嵌合部に設けられたケーブル挿通用の溝に引っ掛かり、センサ出力ケーブルが抜け落ちてしまうことが無くなるのである。
【0016】
さらに、本発明のプラグキャップは、内燃機関に装着する前に圧力センサ内蔵プラグに取り付けるため、内燃機関に装着した後にプラグホール内の圧力センサ内蔵プラグに取り付ける場合のように、センサ出力ケーブルが障害になることが無いため、プラグキャップの取り付け作業が容易となる。
【0017】
したがって、本発明(請求項1)のプラグキャップによれば、センサ出力ケーブルを損傷することや、プラグホールを削り取ることなく、内燃機関に対する圧力センサ内蔵プラグの着脱作業を容易に行うことができ、また、プラグへのプラグキャップの装着を容易に行うことができる。
【0018】
なお、プラグキャップは、プラグへ印加される点火用高電圧が通電される導電経路を、内燃機関本体から絶縁する必要があるため、絶縁性に優れた材料を用いるとよく、絶縁性に優れた材料として、例えば、樹脂材料を用いると良い。
一方、プラグを内燃機関に取り付ける際のプラグの締め付けトルクは、一般的に2.5[kg-m]であり、プラグキャップは、このプラグ締め付けトルクに耐える必要があることから、プラグの締め付け荷重に耐える強度を有する樹脂材料にて形成するとよい。これにより、プラグキャップの絶縁性能が高くなるとともに、締め付け荷重に耐える強度を有することから、プラグを確実に内燃機関に締め付けることが可能になる。なお、このようなプラグキャップを実現するには、樹脂材料として、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を用いるとよく、さらに、締め付け荷重に対する強度を向上させるには、ガラスを含有させるとよい。
【0019】
そして、プラグキャップは、プラグの締め付け時のトルクに耐え得る材料にて形成することでプラグの締め付け作業は可能になるが、プラグおよび工具と直接嵌合する第1嵌合部および第2嵌合部は、特に大きな力が印加されてしまい、締め付けトルクに耐えられず変形してしまう虞がある。そのため、プラグキャップは、請求項2に記載のように、第1嵌合部および第2嵌合部の少なくとも一方を、金属製材料にて形成するとよい。
【0020】
このように、金属性材料で形成された第1嵌合部および第2嵌合部は、特に大きな締め付けトルクが印加された場合においても強度が十分であることから、締め付けトルクに耐えられず変形し難くなり、十分にプラグの締め付けを行うことができる。
【0021】
ところで、圧力センサ内蔵プラグは、螺合により内燃機関に装着することが多く、螺合による装着方法では、プラグ取付時のセンサ出力ケーブルの取り出し位置(方向)を一定にすることは難しい。そこで、請求項3に記載のように、第1嵌合部が備えられる端部に複数のケーブル取り出し部が設けられ、複数のケーブル取り出し部のいずれかを用いることでセンサ出力ケーブルの取り出し方向が選択可能に構成されているプラグキャップを用いると良い。
【0022】
これにより、内燃機関に取り付けた時の圧力センサ内蔵プラグの方向が一定でない場合でも、複数のケーブル取り出し部のうち、センサ出力ケーブルを最適な位置から取り出すことが出来るケーブル取り出し部を選択することで、センサ出力ケーブルの取り出し方向を最適な方向に設定することができる。
【0023】
よって、本発明(請求項3)に記載のプラグキャップによれば、センサ出力ケーブルの取り出し方向を最適に設定することができ、センサ出力ケーブルを外部機器へ配線する作業が容易となる。
なお、このようにセンサ出力ケーブルの取り出し方向が、複数のケーブル取り出し部から選択可能に構成されたプラグキャップでは、ケーブル取り出し部の位置によっては、第1嵌合部側の端部において、センサ出力ケーブルがプラグキャップの中心軸を横切る状態となることがある。この場合、点火用高電圧を印加するための導電経路を形成する高圧端子を第1嵌合部側の端部から挿入する際に、センサ出力ケーブルが障害となり、高圧端子の挿入作業が難しくなる。
【0024】
そこで、第1嵌合部が備えられる端部に複数のケーブル取り出し部が設けられるプラグキャップにおいては、請求項4に記載のように、点火用高電圧を印加するために第1嵌合部側の端部から挿入される高圧端子がセンサ出力ケーブルと接触するのを防ぐための仕切り部を備えるとよい。
【0025】
そして、仕切り部は、例えば、高圧端子が挿入されるプラグキャップの中心軸の部分と、ケーブル配設部における第1嵌合部側の端部からケーブル取り出し部に至るセンサ出力ケーブルの配置領域と、を分割するように、プラグキャップの中心軸の周囲を囲む壁のように形成すると良い。
【0026】
よって、本発明(請求項4)のプラグキャップによれば、センサ出力ケーブルが第1嵌合部側の端部においてプラグキャップの中心軸を横切るのを防ぐことができ、高圧端子を挿入する際にセンサ出力ケーブルが障害となることなく、高圧端子の挿入作業を容易に行うことができる。
【0027】
ところで、プラグキャップから導出されたセンサ出力ケーブルは、その端部にコネクタが装着されて、このコネクタを介して電気信号の出力先である外部機器と接続されることが多い。一方、内燃機関の省スペース化を図るためには、これらのコネクタを小型化するか、あるいは省略することが望ましい。
【0028】
そこで、プラグキャップとしては、請求項5に記載のように、センサ出力ケーブルに電気的に接続されると共に第1嵌合部が備えられる端部に設けられて、検出した圧力に応じた電気信号を外部に出力する信号出力電極を備えるとよい。つまり、センサ出力ケーブルの端部に装着するコネクタではなく、第1嵌合部側の端部に設けられた信号出力電極を介して、検出した圧力に応じた電気信号を外部機器に出力するのである。
【0029】
そして、外部機器に接続されている外部機器側電極が、例えば、高圧端子の周囲に設けられている場合には、プラグキャップ側については、高圧端子が挿入されるプラグキャップの中心軸の周囲を囲む環状に信号出力電極を形成し、高圧端子をプラグキャップに挿入することにより、信号出力電極と外部機器側電極とが接触するよう構成するとよい。
【0030】
これにより、センサ出力ケーブルの端部にコネクタを装着することなく、外部機器に対して検出した圧力に応じた電気信号を出力することができるため、コネクタを省略でき、省スペース化を図ることができる。また、高圧端子をプラグキャップに挿入することにより、信号出力電極と外部機器側電極とが接触するように構成することで、点火用高電圧および圧力検出信号の2系統に関する圧力センサ内蔵プラグと外部機器との接続作業を一度に実施でき、接続作業を簡略化することができる。
【0031】
ここで、プラグおよびプラグキャップを収納するために内燃機関に設けられたプラグホールの開口端を覆い、水などの浸入を防ぐとともに、プラグに点火用高電圧を印加するための導電経路をプラグホール内に通すための貫通孔が設けられたグロメットを備えたプラグキャップでは、請求項6に記載のように、グロメットに、センサ出力ケーブルをプラグホールの外部に挿通するためのケーブル挿通溝を設けるようにするとよい。
【0032】
つまり、圧力センサ内蔵プラグから導出されるセンサ出力ケーブルを外部機器に接続するために、グロメットに設けられたケーブル挿通溝を通じて、センサ出力ケーブルをプラグホールの外に取り出すのである。なお、グロメットは、一般的には、ゴム製や樹脂製のものが多く使用されているため、ケーブル挿通溝を設けるための加工が容易に行えるという利点がある。
【0033】
また、前述したように、圧力センサ内蔵プラグは螺合によって内燃機関に装着する場合、プラグ取付時のセンサ出力ケーブルの取り出し位置を一定にすることは難しい。しかし、グロメットの断面形状がプラグキャップの長手方向の中心軸に関して対称であれば、プラグキャップの中心軸を中心としてグロメットを回転させた状態でもプラグキャップに取り付け可能となるため、ケーブル挿通溝の位置を変更できる。このため、グロメットに設けられたケーブル挿通溝の位置を最適な位置に合わせておけば、圧力センサ内蔵プラグのセンサ出力ケーブルの取り出し位置が確定していなくても、センサ出力ケーブルを最適な位置から取り出すことが出来る。
【0034】
また、プラグホールに対する取り付け方向が一定方向に定められているグロメットについては、貫通孔を中心とする周方向に均等に複数のケーブル挿通溝を設けるとよい。これにより、複数のケーブル挿通溝の中からセンサ出力ケーブルを取り出す位置を選択できるようになり、最適な位置からセンサ出力ケーブルを取り出すことが可能になる。なお、グロメットを弾力性に富んだゴムあるいは樹脂素材を用いて形成し、ケーブルが挿通されていない場合にはケーブル挿通溝の開口面積が小さくなるような構造にすれば、使用されていないケーブル挿通溝の開口部分からプラグホール内に水などが浸入することを防ぐことが出来る。
【0035】
よって、本発明(請求項6)のプラグキャップによれば、プラグホールからセンサ出力ケーブルを取り出すためのケーブル挿通溝を容易に形成でき、また、センサ出力ケーブルの取り出し位置が選択可能であることから、常に一定位置から取り出すことが出来るため、センサ出力ケーブルと外部機器との接続作業が容易になる。
【0036】
なお、グロメットは、プラグホールへの水などの浸入を防ぐと共に、プラグホール内に発生するオゾンを放出する必要があるため、微細な換気孔が設けられる。そこで、開口面積が小さくなったケーブル挿通溝を、プラグホール内に発生するオゾンを放出するための換気孔として用いれば、換気専用の換気孔を加工する作業を省略することが可能になる。
【0037】
ところで、点火用高電圧をプラグに印加するためにプラグと点火コイルとを接続する導電経路は、経路長が短縮されるほど抵抗損失の影響を抑えることができ、点火コイルで発生させた点火用高電圧を効率よく火花放電エネルギとして使用することができる。そこで、プラグキャップとしては、請求項7に記載のように、点火用高電圧を出力するための高圧端子が設けられた点火コイル部を備え、この高圧端子が、第1嵌合部の設けられた端部から挿入された状態で、この点火コイル部が内燃機関本体に固定されることで、プラグキャップが内燃機関本体に固定されるようにするとよい。
【0038】
つまり、プラグキャップの上部に点火コイルを備えることで、プラグと点火コイルとを短い導電経路で接続することになり、点火コイルにて発生させた点火用高電圧の電力を、効率良く火花放電に使用することができる。また、内燃機関本体に固定された点火コイルから突設された高圧端子が、第1嵌合部が設けられた端部から挿入されることで、プラグキャップを確実に固定することができるようになり、内燃機関の運転による振動によって、プラグキャップがプラグホール内壁と衝突することを防ぐことができる。
【0039】
なお、上述のプラグキャップは、溶接などにより予め圧力センサ内蔵プラグと一体不可分に構成することで、プラグの取りつけ時および取り外し時に、プラグキャップからプラグが脱落することを防止できる。しかしながら、プラグキャップ一体型の圧力センサ内蔵プラグは、その共振周波数がノッキング周波数に近くなるために、内燃機関の振動により発生するプラグキャップ一体型圧力センサ内蔵プラグの振動をノッキングとして誤検出することがある。このため、圧力センサの検出信号を用いてノッキングの検出を行う場合に、プラグキャップ一体型圧力センサ内蔵プラグを用いると、ノック検出精度が低下する虞がある。
【0040】
よって、プラグキャップと圧力センサ内蔵プラグとは、一体不可分に構成しないことが望ましく、プラグキャップ一体型の圧力センサ内蔵プラグを用いる場合には、共振周波数がノッキング周波数の近傍とならないように構成すると良い。そして、圧力センサ内蔵プラグの内燃機関への取りつけ方法としては、請求項8のように、前述の請求項1から請求項6のいずれかに記載のプラグキャップを用いる取付方法を用いれば、上述のように、センサ出力ケーブルを損傷させること無く、容易にプラグの取り付けおよび取り外し作業を行うことが可能になる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された第1実施例である圧力センサ内蔵プラグ用のプラグキャップの構成を表す構成図であり、内部構造を表すために、プラグキャップの左半面を断面図として表している。また、図2は、第1実施例のプラグキャップ1を分解した際の斜視図である。
【0042】
図1に示すように、本実施例のプラグキャップ1は、端部にて圧力センサ内蔵プラグ(以下、単にプラグともいう)25と嵌合可能な筒状部11と、プラグ25および筒状部11を収納するプラグホールの開口端を覆うゴム製のグロメット21と、点火用高電圧を出力する点火コイルユニット23とを備えている。
【0043】
そして、筒状部11は、ガラス含有のPBTからなる外径(直径)23mmの筒状形状であり、筒状部11の中心軸部分を長手方向に延びるよう配置された導電性材料からなるスプリング13を備えている。また、筒状部11の一端には、締め付け工具と嵌合可能となる六角形状である第1嵌合部15が備えられ、他端にはプラグ25を締め付けるために設けられた六角部25aと嵌合可能な凹型六角形状の金属製材料からなる第2嵌合部17が備えられている。さらに、筒状部11は、第2嵌合部17の第1嵌合部15側に隣接する内壁に、プラグ25の碍子部25bが挟持可能となるゴム製のプラグ接触部19を備えている。また、図2に示すように、筒状部11の外側面には、長手方向に延びる奥行き1.5mmの溝状のクランプ部11aを備えている。
【0044】
なお、スプリング13は、その両端が、点火コイルユニット23から突設される高圧端子23aと、プラグ25の端子部25cとに各々当接することで、点火コイルユニット23にて発生された点火用高電圧をプラグ25に供給する導電経路を形成している。
【0045】
そして、第1嵌合部15および第2嵌合部17の大きさは、それぞれ締め付け工具およびプラグ25の六角部25aに適した大きさとすればよく、本第1実施例では、第1嵌合部15の六角対辺を13mmとしており、第2嵌合部17の凹形六角形状は、六角対辺が14mmの六角部25aと嵌合可能な大きさとしている。なお、第2嵌合部17は、圧入あるいはインサート成形によって筒状部11の端部に備えられる。
【0046】
また、グロメット21は、プラグ25に点火用高電圧を印加するための導電経路を形成する高圧端子23aをプラグホール内に通すための貫通孔21aを備えている。そして、グロメット21は、断面形状が筒状部11の中心軸に関して対称であるため、筒状部11の中心軸を中心として回転させても筒状部11に取付可能である。また、図2に示すように、プラグ25の主体金具の上部から導出されるセンサ出力ケーブル25eをプラグホールの外部に挿通するためのケーブル挿通溝21bが、グロメットの上面端部に設けられている。
【0047】
さらに、図2に示すように、点火コイルユニット23は、点火用高電圧を出力するための高圧端子23aが突設されており、また、外部機器と接続するためにセンサ出力ケーブル25eの先端に設けられたコネクタ25fを固定するためのコネクタ固定部23bが設けられている。コネクタ固定部23bは、点火コイルユニット23の側面から水平方向に突設された板体の中間部分が垂直方向に曲折して端部が上方を向き、断面形状がL字型形状となる板体であり、コネクタ25fの取付孔25gにコネクタ固定部23bの端部が差し込まれて、コネクタ25fがコネクタ固定部23bに固定される。
【0048】
次に、第1実施例のプラグキャップ1を用いて、プラグ25を内燃機関本体に取り付ける取付方法について説明する。
まず、プラグ25を締め付けるためにプラグ25の主体金具25dに設けられた六角部25aを第2嵌合部17と嵌合するとともに、プラグ接触部19によってプラグ25の碍子部25bを挟持することで、筒状部11をプラグ25と嵌合する。このとき、プラグ25の主体金具25dの上部から導出されるセンサ出力ケーブル25eが、筒状部11の外側面に設けたクランプ部11aの端部に位置するように、プラグ25を筒状部11に嵌合する。
【0049】
次に、プラグ25の主体金具25dの上部から導出されるセンサ出力ケーブル25eを、筒状部11の外側面に設けたクランプ部11aに嵌めこみ保持することで、第1嵌合部15から第2嵌合部17にかけて配設する。そして、嵌合された筒状部11とプラグ25とを、プラグ25側から内燃機関のプラグホールに挿入し、第1嵌合部15にレンチなどの工具を嵌め合わせて筒状部11とプラグ25とを回転させ、プラグ25を螺合により締め付けることで、内燃機関本体に取り付けることが出来る。
【0050】
この後、第1嵌合部15の第2嵌合部17側に隣接する外側面に筒状部11の上端面と平行に設けられた環状突部11bと、グロメット21の内壁に設けられた環状溝部21cとが当接するように、グロメット21を筒状部11の端部に嵌め合わせる。このように筒状部11にグロメット21を取り付けることで、プラグホールをグロメット21で覆うことになり、プラグホールへの水などの浸入を防ぐことができる。このとき、センサ出力ケーブル25eを、グロメット21のケーブル挿通溝21bを通じてプラグホールから取り出しておくとともに、センサ出力ケーブル25eの取り出し位置が最適となるように、グロメット21の取付方向を考慮して、グロメット21を筒状部11に取り付ける。
【0051】
そして、プラグホールに配置されたグロメット21の貫通孔21aに、点火コイルユニット23の高圧端子23aを挿入し、点火コイルユニット23を図示しない固定用ボルトによって内燃機関本体に固定する。さらに、センサ出力ケーブル25eの先端のコネクタ25fが、点火コイルユニット23のコネクタ固定部23bに取り付けられ、コネクタ25fには、電子制御装置などの外部機器から延設されたコネクタが接続される。
【0052】
第1実施例のプラグキャップ1を用いると、このような手順の取付方法によって、プラグ25が内燃機関本体に取り付けられる。
以上説明したように、本実施例のプラグキャップ1を用いてプラグ25を内燃機関本体に取り付けた場合、センサ出力ケーブル25eがプラグレンチに巻き付くことがないことから、プラグ25から導出されるセンサ出力ケーブル25eをプラグ25の回転に応じて移動させる必要がなくなる。また、センサ出力ケーブル25eが、クランプ部11aに嵌め込まれて配設されるため、センサ出力ケーブル25eとしてステンレス等の金属から成るメッシュ(シールド線)で覆われたものを使用する場合に、センサ出力ケーブル25eがプラグホールの内壁を削り取ることがない。これに加えて、センサ出力ケーブル25eのシールド線が傷つき破断することがない。
【0053】
さらに、圧力センサ内蔵プラグ25の上部にプラグキャップ1を取り付けた状態であれば、プラグ取り付け作業を行う際、プラグホールの浅い部分、あるいはプラグホールの外に第1嵌合部15が位置するため、プラグレンチと第1嵌合部15とを確実に嵌合できる。このため、センサ出力ケーブル25eが、プラグレンチの嵌合部に設けられたケーブル挿通用溝に引っ掛かり、抜け落ちてしまうことがなくなる。
【0054】
そして、プラグキャップ1は、プラグ取り付け作業後も、圧力センサ内蔵プラグ25に嵌合された状態でプラグホール内に配置されることから、プラグの取り外し時にも、センサ出力ケーブル25eをプラグキャップ1のクランプ部11aに保持した状態でプラグ25を回転させることができる。したがって、プラグ取り外し時においても、センサ出力ケーブル25eが抜け落ちてしまうことが無くなる。
【0055】
さらに、内燃機関に装着する前に圧力センサ内蔵プラグ25に対してプラグキャップ1を取り付けるため、内燃機関に装着した後にプラグホール内の圧力センサ内蔵プラグ25に取り付ける場合のように、センサ出力ケーブル25eが障害になることが無いため、プラグキャップ1の取り付け作業が容易となる。
【0056】
また、筒状部11がガラス含有のPBTという強度の高い材料で形成され、また、第2嵌合部17が金属製材料からなることから、プラグキャップ1は、プラグの締め付けトルク(2.5kg-m)に耐え得る強度を有し、プラグ25を確実に締め付けることができる。
【0057】
そして、筒状部11を絶縁性に優れるPBTにて形成したことから、プラグ25と点火コイルユニット23とを接続する導電経路となるスプリング13を、内燃機関本体から絶縁する絶縁性能が高くなる。また、プラグ25と当接する筒状部11の内壁をゴム製のプラグ接触部19で形成していることから、端子部25cと主体金具25dとの間で絶縁破壊が発生することを防いでいる。
【0058】
さらに、筒状部11の最大外径が23mmであることから、直径が24mmの小さなプラグホールにも挿入可能となる。なお、プラグホールの直径を24mmとすれば、シリンダヘッドにおける吸気弁・排気弁等の機構を備えるためのスペースを広く確保することが可能になることから、本実施例のプラグキャップ1を用いることで、内燃機関の性能を向上させるために、吸気弁・排気弁の挟角等を設計することが可能になる。
【0059】
そして、グロメット21は、筒状部11の中心軸を中心として回転させても筒状部11に取付可能な形状であるため、グロメット21を回転させることでケーブル挿通溝21bの位置を変更させることができることから、センサ出力ケーブル25eを最適な位置から取り出すことが可能になる。
【0060】
さらに、点火コイルユニット23の高圧端子23aからプラグ25の端子部25cまでの導電経路が短いことから、点火用高電圧を効率良く火花エネルギとして使用することが可能になる。また、点火コイルユニット23を図示しない固定用ボルトによって内燃機関本体に固定することで、高圧端子23aが挿入されたグロメット21、およびグロメット21と嵌合された筒状部11も内燃機関本体に固定されることになり、振動によりプラグホールと衝突することを防ぐことができる。
【0061】
したがって、第1実施例のプラグキャップ1によれば、センサ出力ケーブル25eを損傷することなく、圧力センサ内蔵プラグ25の取り付け及び取り外し作業を容易に行うことが出来るようになる。なお、第1実施例のプラグキャップ1においては、クランプ部11aが特許請求の範囲におけるケーブル配設部に相当する。
【0062】
以上、本発明の第1実施例のプラグキャップ1について説明したが、他の実施例として、筒状部11の強度を向上させた第2実施例のプラグキャップ3について、図3及び図4に基づいて説明する。図3は、第2実施例のプラグキャップ3の構成図を表し、図4は、プラグキャップ3を構成する筒状部11の斜視図を表す。なお、図3および図4において、第1実施例のプラグキャップ1と同じ構成要素については、同一符号を付して表している。
【0063】
図3に示すように、第2実施例のプラグキャップ3は、筒状部11、グロメット21、点火コイルユニット23とを備えている。そして、第2実施例のプラグキャップ3において、点火コイルユニット23は、第1実施例の点火コイルユニット23と同様であり、グロメット21は、中心軸方向の長さが短いが、上面端部にケーブル挿通溝を備えており、第1実施例のグロメット21と略同一形状である。また、プラグ25の内燃機関本体への取付方法についても、第1実施例と同様である。よって、第1実施例と異なる部分である筒状部11の構造について、図3、図4を用いて以下に説明する。
【0064】
図3に示すように、第2実施例のプラグキャップの筒状部11は、外径20mmの筒状の金属製材料からなるハウジング31を主体として構成されている。そして、ハウジング31の一端にプラグ締め付け工具と嵌合可能となる六角形状である第1嵌合部15を備え、他端にプラグ25を締め付けるために設けられた六角部25aと嵌合可能な凹型六角形状の第2嵌合部17を備えている。また、ハウジング31の中心軸部分を長手方向に延びるよう導電性材料からなるスプリング13が配置されるように、ハウジング31の内部にゴム製の絶縁部33がインサート成形されている。そして、絶縁部33の内壁のうち、第1嵌合部15部分の内壁には、点火コイルユニット23の高圧端子23aが挟持可能な形状である高圧端子接触部33aが備えられ、また、第2嵌合部17の第1嵌合部15側に隣接する内壁には、プラグ25の碍子部25bが挟持可能な形状であるプラグ接触部33bが備えられる。また、図4に示すように、筒状部11の外側面には、長手方向に延びる高さ1.5mmの2本の突条クランプ部35が2箇所に備えられ、突条クランプ部35は、2本の突条の間に挟み込むことで、センサ出力ケーブル25eを保持することができる。
【0065】
なお、スプリング13は、その両端が、点火コイルユニット23から突設される高圧端子23aと、プラグ25の端子部25cとに各々当接して、点火コイルユニット23にて発生される点火用高電圧をプラグ25に供給する導電経路を形成している。
【0066】
また、本第2実施例では、第1嵌合部15の六角対辺を13mmとしており、第2嵌合部17の凹形六角形状は、六角対辺が14mmの六角部25aと嵌合可能な大きさとしている。
なお、プラグ25の六角部25aは、六角対辺を14mm以下に設定することは困難である。六角対辺を14mm以下にすると、碍子部25bの外径を細くせざるを得ず、強度の確保が困難だからである。これに対し、第1嵌合部15の六角対辺を、プラグ25の六角部25aよりも細くすることは容易である。この部分の強度確保が容易だからである。従って、プラグ25を螺合するためのプラグレンチよりも小さいレンチでプラグキャップ1を締め付けることが出来るため、センサ出力ケーブル25eをさらに損傷し難くすることができる。
【0067】
このように、第2実施例のプラグキャップ3によれば、筒状部11が金属製材料のハウジング31を主体として構成されていることから、プラグの締め付けトルクに対する強度が大きくなる。そして、金属製材料を主体として形成した筒状部11を備えたプラグキャップ3は、第1実施例のように樹脂材料を主体として形成した筒状部11よりも直径を小さくして形成した場合でも、プラグ締め付けトルクに耐えられる強度を実現することが可能になる。このため、第2実施例のプラグキャップ3を用いることで、プラグホールの直径をより小さくすることが可能になり、シリンダヘッドにおける吸気弁・排気弁等の機構を備えるためのスペースを広く確保することができるようになる。
【0068】
そして、ハウジング31の端部を加工して、第1嵌合部15および第2嵌合部17を形成すれば、第1嵌合部15から第2嵌合部17までが一体の金属製材料からなる筒状部11を実現できる。このため、プラグ締め付けトルクに対するプラグキャップ全体の強度が優れると共に、プラグレンチおよびプラグ25との嵌合部分の強度も十分となる。
【0069】
一方、センサ出力ケーブル25eを保持するための突条クランプ部35が、筒状部11の外側面から突設されていることから、突条クランプ部35を含めた筒状部11の直径は21.5mm(20mm+1.5mm)となり、筒状部11自体の直径よりも大きくなってしまう。しかし、一般的にセンサ出力ケーブル25eの直径は1.5mm程度であり、突条クランプ部35は、センサ出力ケーブル25eの直径と同等の高さがあれば保持可能であることから、突条クランプ部35を含めた筒状部11の直径を、少なくとも24mm以下とすることは可能である。
【0070】
さらに、スプリング13が、絶縁性に優れるゴム製の絶縁部33の中心軸部分に配置されていることから、プラグ25と点火コイルユニット23を接続し、点火用高電圧が通電される導電経路となるスプリング13を、内燃機関本体から絶縁する絶縁性能を高くすることが出来る。
【0071】
したがって、第2実施例のプラグキャップ3によれば、第1実施例のプラグキャップ1が有する効果に加えて、プラグの締め付けトルクに対する強度を大きくすることが出来るため、直径をさらに小さくすることが可能になる。これにより、シリンダヘッドにおける吸気弁・排気弁等のような機構を備えるためのスペースをさらに広く確保することが可能になる。
【0072】
なお、絶縁部33を形成する材料としては、ゴムに限らず、樹脂材料を用いてもよく、絶縁性に優れた材料を用いることが望ましい。また、絶縁部33を形成するに際しては、例えば、ハウジング31の側面に樹脂を注入するための注入孔を設けておき、この注入孔を用いてインサート成形することで絶縁部33を形成してもよい。さらに、ハウジング31を形成する金属製材料としては、プラグ締め付けトルクに耐えられる強度を有し、耐食性に優れ、低コストとなる材料を用いることが望ましい。また、突条クランプ部35は、本実施例では2箇所に備えられているが、1箇所のみであってもよい。
【0073】
さらに、第2実施例のプラグキャップ3を構成する筒状部11の第2嵌合部17側の端部を、加締めあるいは溶接などにより、プラグ25の主体金具と接合し、プラグキャップ3とプラグ25とを一体に形成すれば、プラグ取り付け時に、プラグキャップ3からプラグ25が脱落することを確実に防ぐことが出来る。なお、第2実施例のプラグキャップ3においては、突条クランプ部35が特許請求の範囲におけるケーブル配設部に相当する。
【0074】
ところで、圧力センサ内蔵プラグ25にて、内燃機関の筒内圧を精度良く検出するためには、プラグキャップの重量は軽い方が好ましい。しかし、強度を考慮して金属製材料を用いた場合には、プラグキャップの重量が重くなり、筒内圧の検出精度を低下させてしまう虞がある。
【0075】
そこで、第3実施例として、金属製材料を用いて形成したプラグキャップのうち、軽量化を図ったプラグキャップについて説明する。なお、第3実施例のプラグキャップは、第2実施例のプラグキャップ3と比べて、筒状部11の構造のみが異なるため、第3実施例の筒状部11の構造について、図5に基づいて説明する。
【0076】
図5(a)は、第3実施例のプラグキャップを構成する筒状部11のハウジング31を端部方向から見たときの平面図であり、図5(b)は、ハウジング31の斜視図である。また、図5(c)は、ハウジング31内に絶縁部33が充填された状態の筒状部11を端部方向から見たときの平面図であり、図5(d)は、ハウジング31内に絶縁部33が充填された状態の筒状部11の斜視図である。
【0077】
図5(a)(b)に示すように、第3実施例のプラグキャップを構成する筒状部11のハウジング31は、一端にプラグ締め付け工具と嵌合可能となる六角形状である第1嵌合部15を備えている。また、ハウジング31の他端には、プラグ25を締め付けるために設けられた六角部25aと嵌合可能な凹型六角形状の金属製材料からなる第2嵌合部17を備えている。そして、ハウジング31は、第1嵌合部15と第2嵌合部17との間の中間部分が3本の枠部31aで形成され、隣合う枠部31aの間に中空部31bを有している。
【0078】
なお、本第3実施例では、第1嵌合部15の六角対辺を13mmとしており、第2嵌合部17の凹形六角形状は、六角対辺が14mmの六角部25aと嵌合可能な大きさとしている。
そして、ハウジング31の中心軸部分を長手方向に延びるよう導電性材料からなるスプリング13が配置されるように、ゴム材料からなる絶縁部33をインサート成形により形成することで、図5(c)(d)に示すような筒状部11が形成される。このとき、筒状部11の外側面のうち、中空部31bに配置された絶縁部33からなる外側面に、長手方向に延びる奥行き1.5mmの溝状のクランプ部33cを備えて、センサ出力ケーブル25eを保持可能としている。
【0079】
なお、スプリング13は、その両端が、点火コイルユニット23から突設される高圧端子23aと、プラグ25の端子部25cとに各々当接して、点火コイルユニット23にて発生される点火用高電圧をプラグ25に供給する導電経路を形成している。
【0080】
よって、第3実施例のプラグキャップを構成する筒状部11は、金属製材料からなるハウジング31によって、プラグ締め付け強度に対する十分な強度を持つと共に、中空部31bを設けることでプラグキャップの重量を軽くすることで、筒内圧の検出精度への影響を小さくしている。
【0081】
また、センサ出力ケーブル25eを保持するためのクランプ部33cを、筒状部11の直径が大きくならないように備えることができるため、プラグホールの直径を更に小さくすることが可能になる。
なお、第3実施例のプラグキャップは、前述した各実施例のプラグキャップと同様に、内燃機関に対する圧力センサ内蔵プラグの脱着作業が容易となり、プラグホールを削り取ることがない、という効果を奏することは言うまでもない。そして、第3実施例のプラグキャップにおいては、クランプ部33cが特許請求の範囲におけるケーブル配設部に相当する。
【0082】
また、上述の実施例では、グロメットに設けられたケーブル挿通溝は単数であるが、例えば、図6に示すように、貫通孔21aを中心として、上面の周方向に均等に配置された複数のケーブル挿通溝21bを備えるようにしても良い。つまり、複数のケーブル挿通溝21bを設けることで、グロメット21の取付方向が内燃機関に対して一定方向に定められてしまう場合にも、センサ出力ケーブル25eの取り出し位置を複数のケーブル挿通溝21bの中から選択することが可能になる。これにより、コネクタ25fと外部機器との接続を容易に実現することが出来るようになる。
【0083】
次に、第4実施例として、センサ出力ケーブルを配設するためのケーブル配設部を内部に備えたプラグキャップ7を、図7に示す構成図に基づき説明する。なお、図7では、プラグキャップを横方向から見た構成図を図7(a)に示しており、図7(a)における上方向(A−A視方向)から見たプラグキャップの外形を図7(b)に示す。また、図7(a)ではプラグキャップの一部を断面図として表している。
【0084】
図7(a)に示すように、第4実施例のプラグキャップ7は、長手方向における中央部分の外径が22mmである筒状の金属製材料からなるハウジング31を主体として構成されている。そして、プラグキャップ7は、ハウジング31の一端にプラグ締め付け工具と嵌合可能な六角形状である第1嵌合部15を備え、他端にプラグ25を締め付けるために設けられた六角部25aと嵌合可能な凹型六角形状の第2嵌合部17を備えている。なお、本第4実施例では、第1嵌合部15の六角対辺を24mmとしており、第2嵌合部17の凹形六角形状は、六角対辺が16mmの六角部25aと嵌合可能な大きさとしている。
【0085】
また、ハウジング31の中心軸部分を長手方向に延びるよう導電性材料からなるスプリング13が配置されるように、ハウジング31の内部にシリコンゴム製の絶縁部33が保持されている。そして、絶縁部33の内壁のうち、第1嵌合部15側の内壁には、点火コイルユニット23の高圧端子23aが挟持可能な形状である高圧端子接触部33aが備えられ、また、第2嵌合部17の第1嵌合部15側に隣接する内壁には、プラグ25の碍子部25bが挟持可能な形状であるプラグ接触部33bが備えられる。
【0086】
さらに、絶縁部33は、第2嵌合部17側の端部から第1嵌合部15側の端部にかけての空洞として設けられ、圧力センサ内蔵プラグ25のセンサ出力ケーブル25eを配設するためのケーブル配設部33gを備えている。なお、センサ出力ケーブル25eは、圧力センサ内蔵プラグ25の内部で圧電素子25hに接続されており、また、ノイズの影響を抑えるために表面がステンレスメッシュで覆われている。
【0087】
そして、絶縁部33は、第1嵌合部15側の端部がハウジング31の端部よりも突出して形成されており、この突出部分には、センサ出力ケーブル25eの取り出し方向が選択可能となるように、高圧端子23aが挿入されるプラグキャップ7の中心軸を中心とする周方向に分散した6個のケーブル取り出し部33dが設けられている(図7(b)参照)。
【0088】
さらに、絶縁部33における第1嵌合部15側の端部には、高圧端子23aが挿入されるプラグキャップ7の中心軸の部分と、センサ出力ケーブル25eを配置するためのケーブル配置溝33eと、を分割するように、プラグキャップ7の中心軸の周囲を囲む壁状に形成された仕切り部33fが備えられている(図7(b)参照)。なお、ケーブル配置溝33eは、ケーブル配設部33gの第1嵌合部側の端部からケーブル取り出し部33dに至るセンサ出力ケーブル25eを配置するための領域である。
【0089】
次に、第4実施例のプラグキャップ7を圧力センサ内蔵プラグ25に装着する方法を説明する。まず、圧力センサ内蔵プラグ25のセンサ出力ケーブル25eの端部に取り付けられたコネクタ25fを、絶縁部33を装着していないハウジング31の第2嵌合部17側からハウジング31内部に挿入して第1嵌合部15側から取り出す。そして、六角部25aと第2嵌合部17とを嵌合させる。このとき、センサ出力ケーブル25eをハウジング31の内部でたるみの無い程度に保持しておく。次に、絶縁部33に設けられたケーブル配設部33gとセンサ出力ケーブル25eの位置を合わせてハウジング31の第1嵌合部15側から第2嵌合部17側に向けて絶縁部33を挿入し、プラグ25の碍子部25bをプラグ接触部33bにより把持させる。
【0090】
また、このようにプラグキャップ7が装着された圧力センサ内蔵プラグ25を内燃機関に装着するには、まず、内燃機関のシリンダヘッド41に設けられた金属製パイプから成るプラグホール43に、プラグキャップ7が装着された圧力センサ内蔵プラグ25を接地電極側から挿入する。そして、センサ出力ケーブル25eの端部に装着されたコネクタ25fを、高圧端子接触部33aの中に仮に入れておく。このあと、プラグ締め付け工具を第1嵌合部15に嵌合し、プラグ締め付け工具によりプラグキャップ7と圧力センサ内蔵プラグ25とを同時に回転させて締め付けることで、プラグキャップ7が装着された圧力センサ内蔵プラグ25を内燃機関に装着する。
【0091】
そして、内燃機関に装着した後、コネクタ25fを高圧端子接触部33aから取り出し、6個のケーブル取り出し部33dのうち、センサ出力ケーブル25eの取り出し方向として最適なケーブル取り出し部33dから、センサ出力ケーブル25eを外部に取り出す。
【0092】
このあと、高圧端子23aを高圧端子接触部33aに挿入して、点火コイルユニット23をプラグキャップ7に装着すると共に、点火コイルユニット23を図示しない固定用ボルトによって内燃機関本体に固定する。このように、点火コイルユニット23をプラグキャップ7に装着することで、スプリング13と高圧端子23aとを接触させ、点火用高電圧を印加するための導電経路を形成する。また、コネクタ25fは、電子制御装置などの外部機器に接続されているコネクタと接続されて、検出した圧力に応じた電気信号の信号経路を形成する。
【0093】
なお、このとき、点火コイルユニット23と、プラグホール43の中心軸を中心としてシリンダヘッド41の上部に形成された環状の台座部57とが当接することにより、プラグホール内に水などが侵入することを防いでいる。
以上、説明したように、第4実施例のプラグキャップ7によれば、ケーブル配設部33gがプラグキャップ7の内部、つまり、ハウジング31の内部に備えられており、センサ出力ケーブル25eがプラグホール43の内壁に接触するのを確実に防ぐことができる。
【0094】
また、ケーブル取り出し部33dが6個設けられていることにより、内燃機関に取り付けた時の圧力センサ内蔵プラグ25の方向が一定でない場合でも、6個のうち、センサ出力ケーブル25eを最適な位置から取り出すことが出来るケーブル取り出し部33dを選択することで、センサ出力ケーブル25eの取り出し方向を最適な方向に設定することができる。
【0095】
さらに、仕切り部33fが設けられているため、センサ出力ケーブル25eが第1嵌合部15側の端部においてプラグキャップ7の中心軸を横切るのを防ぐことができ、高圧端子23aを挿入する際にセンサ出力ケーブル25eが障害となることなく、高圧端子23aの挿入作業を容易に行うことができる。
【0096】
なお、第4実施例のプラグキャップについては、前述した各実施例のプラグキャップと同様に、内燃機関に対する圧力センサ内蔵プラグの脱着作業が容易となり、プラグホールを削り取ることがない、という効果を奏することは言うまでもない。
【0097】
次に、第5実施例として、検出した圧力に応じた電気信号を外部機器に対して出力する信号出力電極を備えたプラグキャップ9を、図8に示す構成図に基づき説明する。なお、図8では、プラグキャップを横方向から見た構成図を図8(a)に示しており、図8(a)におけるプラグキャップのB−B視断面図を図8(b)に示す。また、図8(a)ではプラグキャップの一部を断面図として表している。
【0098】
図8(a)に示すように、第5実施例のプラグキャップ9は、長手方向における中央部分の外径が22mmである略筒状の金属製材料からなるハウジング31を主体として構成されている。そして、プラグキャップ9は、ハウジング31の一端にプラグ締め付け工具と嵌合可能な六角形状である第1嵌合部15を備え、他端にプラグ25を締め付けるために設けられた六角部25aと嵌合可能な凹型六角形状の第2嵌合部17を備えている。なお、本第5実施例では、第1嵌合部15の六角対辺を24mmとしており、第2嵌合部17の凹形六角形状は、六角対辺が14mmの六角部25aと嵌合可能な大きさとしている。
【0099】
また、ハウジング31の外側面には、第1嵌合部15から第2嵌合部17に至る溝状のケーブル配設部31cが設けられている。なお、図8(b)に示すプラグキャップ9の断面図から判るように、ケーブル配設部31cには、センサ出力ケーブル25eを保持するためのゴム製のクランプ部31dが備えられている。また、センサ出力ケーブル25eは、圧力センサ内蔵プラグ25の内部で、圧電素子25hに接続されており、また、ノイズの影響を抑えるために表面がステンレスメッシュで覆われている。
【0100】
そして、ハウジング31の中心軸部分を長手方向に延びるよう導電性材料からなるスプリング13が配置されるように、ハウジング31の内部にシリコンゴム製の絶縁部33がインサート成形されている。また、絶縁部33の内壁のうち、第1嵌合部15部分の内壁には、点火コイルユニット23の高圧端子23aが挟持可能な形状である高圧端子接触部33aが備えられ、また、第2嵌合部17の第1嵌合部15側に隣接する内壁には、プラグ25の碍子部25bが挟持可能な形状であるプラグ接触部33bが備えられる。
【0101】
さらに、絶縁部33における第1嵌合部15側には、高圧端子23aが挿入されるプラグキャップ9の中心軸を中心として、環状の信号出力電極51が備えられている。そして、この信号出力電極51には、ハウジング31の側面に設けられた挿通穴から挿入されたセンサ出力ケーブル25eの芯線25iが接続されており、検出した圧力に応じた電気信号を外部機器に対して出力する。
【0102】
そして、第5実施例のプラグキャップ9を圧力センサ内蔵プラグ25に装着するには、まず、圧力センサ内蔵プラグ25を端子部25c側からプラグキャップ9のプラグ接触部33bに挿入して、六角部25aと第2嵌合部17とを嵌合する。このあと、センサ出力ケーブル25eをクランプ部31dにより保持することで、センサ出力ケーブル25eをケーブル配設部31cに配設し、プラグキャップ9における第2嵌合部17側から第1嵌合部15側にかけてセンサ出力ケーブル25eを配設する。
【0103】
さらに、センサ出力ケーブル25eの端部から芯線25iを取り出し、ハウジング31の挿通穴から芯線25iをハウジング31の内部に挿通し、芯線25iと信号出力電極51とをハンダ付けまたは溶接により接続する。このあと、挿通穴がシリコンゴム55により封鎖されると共に、センサ出力ケーブル25eがこのシリコンゴム55によってハウジング31に固着される。このようにして、プラグキャップ9が圧力センサ内蔵プラグ25に装着される。
【0104】
そして、このようにプラグキャップ9が装着された圧力センサ内蔵プラグ25を内燃機関に装着するには、まず、内燃機関のシリンダヘッド41に設けられた金属製パイプから成るプラグホール43に、プラグキャップ9が装着された圧力センサ内蔵プラグ25を接地電極側から挿入する。そして、プラグ締め付け工具を第1嵌合部15に嵌合し、プラグ締め付け工具によりプラグキャップ9と圧力センサ内蔵プラグ25とを同時に回転させて締め付けることで、プラグキャップ9が装着された圧力センサ内蔵プラグ25を内燃機関に装着する。
【0105】
このあと、高圧端子23aを高圧端子接触部33aに挿入して、点火コイルユニット23をプラグキャップ7に装着すると共に、点火コイルユニット23を図示しない固定用ボルトによって内燃機関本体に固定する。このように、点火コイルユニット23をプラグキャップ7に装着することで、スプリング13と高圧端子23aとを接触させ、点火用高電圧を印加するための導電経路を形成する。
【0106】
また、この高圧端子23aには、その周囲に環状の外部機器側電極53が備えられており、点火コイルユニット23をプラグキャップ9に装着した際に、外部機器側電極53がプラグキャップ9に備えられた信号出力電極51と当接する。これにより、信号出力電極51と外部機器側電極53とが電気的に接続されて、検出した圧力に応じた電気信号の信号経路を形成する。なお、外部機器側電極53は、電子制御装置などの外部機器に接続されている。
【0107】
なお、このとき、点火コイルユニット23と、プラグホール43の中心軸を中心としてシリンダヘッド41の上部に形成された環状の台座部57とが当接することにより、プラグホール内に水などが侵入することを防いでいる。
また、絶縁部33における高圧端子接触部33aの内周に設けられた凸状部34と、高圧端子23aの円筒状の外周とが密着することで水などの侵入を防ぎ、信号出力電極51および外部機器側電極53への防水の役割を果たしている。
【0108】
以上、説明したように、第5実施例のプラグキャップ9によれば、センサ出力ケーブル25eの端部に装着するコネクタではなく、プラグキャップ9の第1嵌合部15側に設けられた信号出力電極51を介して、検出した圧力に応じた電気信号を電子制御装置などの外部機器に出力する。そして、高圧端子23aを高圧端子接触部33aに挿入することにより、高圧端子23aの周囲に設けられた外部機器側電極53と、プラグキャップ9に備えられた信号出力電極51とが接触するよう構成されている。
【0109】
これにより、センサ出力ケーブル25eの端部にコネクタを装着することなく、外部機器に対して検出した圧力に応じた電気信号を出力することができるため、コネクタを省略でき、省スペース化を図ることができる。また、高圧端子23aを高圧端子接触部33aに挿入することにより、信号出力電極51と外部機器側電極53とが接触するため、点火用高電圧および圧力検出信号の2系統に関する圧力センサ内蔵プラグと外部機器との接続作業を一度に実施でき、接続作業を簡略化することができる。
【0110】
なお、第5実施例のプラグキャップについては、前述した各実施例のプラグキャップと同様に、内燃機関に対する圧力センサ内蔵プラグの脱着作業が容易となり、プラグホールを削り取ることがない、という効果を奏することは言うまでもない。
【0111】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、こうした実施例に限定されることなく、種々の態様をとることができる。
例えば、プラグキャップを装着した圧力センサ内蔵プラグをプラグホールに挿入した際に、第1嵌合部がプラグホールの外部に位置するようにプラグキャップを形成しても良い。これにより、プラグ締め付け工具として、ボックスレンチなどのように第1嵌合部を覆う形態ではなく、スパナなどのように第1嵌合部の六角形のうち平行な2面に当接して第1嵌合部を挟持する形態のプラグ締め付け工具を用いることが可能となる。
【0112】
また、第4実施例のようにケーブル取り出し部を備えたプラグキャップについては、ケーブル取り出し部の数は6個に限ることはなく、必要に応じた数だけ設けるとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のプラグキャップの構成を示す構成図である。
【図2】 第1実施例のプラグキャップを分解した際の斜視図である。
【図3】 第2実施例のプラグキャップの構成を示す構成図である。
【図4】 第2実施例のプラグキャップを構成する筒状部の斜視図である。
【図5】 第3実施例のプラグキャップの筒状部を示す斜視図である。
【図6】 複数のケーブル挿通溝を備えたグロメットを示す斜視図である。
【図7】 (a)が第4実施例のプラグキャップを横方向から見た構成図であり、(b)が上方向(A−A視方向)から見た第4実施例のプラグキャップの外形図である。
【図8】 (a)が第5実施例のプラグキャップを横方向から見た構成図であり、(b)がプラグキャップのB−B視断面図である。
【符号の説明】
1、3,7,9…プラグキャップ、11…筒状部、11a…クランプ部、15…第1嵌合部、17…第2嵌合部、19…プラグ接触部、21…グロメット、21b…ケーブル挿通溝、23…点火コイルユニット、23a…高圧端子、25…圧力センサ内蔵プラグ、25e…センサ出力ケーブル、25f…コネクタ、31…ハウジング、31c…ケーブル配設部、33…絶縁部、33c…クランプ部、33d…ケーブル取り出し部、33e…ケーブル配置溝、33f…仕切り部、33g…ケーブル配設部、35…突条クランプ部、51…信号出力電極。
Claims (8)
- 主体金具の取付座部内に圧電素子を備え、該圧電素子によりプラグ締め付け荷重の変化を検出することによって内燃機関の筒内圧を検出し、検出した圧力に応じた電気信号を、主体金具の上部から導出されるセンサ出力ケーブルから出力する圧力センサ内蔵プラグの上部に取り付けられ、該プラグに点火用高電圧を印加するための導電経路を形成するとともに、該導電経路を外部から絶縁するために備えられる筒状のプラグキャップであって、
一端に、締め付け用工具と嵌合するための第1嵌合部を備え、
他端に、前記プラグを締め付けるために主体金具に設けられた六角部と嵌合するための第2嵌合部を備え、
前記第2嵌合部側の端部から前記第1嵌合部側の端部にかけて前記センサ出力ケーブルを配設するためのケーブル配設部を備えたこと、を特徴とするプラグキャップ。 - 前記第1嵌合部および前記第2嵌合部の少なくとも一方を、金属製材料にて形成したこと、を特徴とする請求項1に記載のプラグキャップ。
- 前記第1嵌合部が備えられる端部に複数のケーブル取り出し部が設けられ、該複数のケーブル取り出し部のいずれかを用いることで前記センサ出力ケーブルの取り出し方向が選択可能に構成されていること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラグキャップ。
- 点火用高電圧を印加するために前記第1嵌合部側の端部から挿入される高圧端子が前記センサ出力ケーブルと接触するのを防ぐための仕切り部を備えたこと、を特徴とする請求項3に記載のプラグキャップ。
- 前記センサ出力ケーブルに電気的に接続されると共に前記第1嵌合部が備えられる端部に設けられて、検出した圧力に応じた前記電気信号を外部に出力する信号出力電極を備えたこと、を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のプラグキャップ。
- 前記プラグおよび当該プラグキャップを収納するために内燃機関に設けられたプラグホールの開口端を覆うとともに、前記プラグに点火用高電圧を印加するための導電経路を該プラグホール内に通すための貫通孔が設けられたグロメットを備え、
該グロメットに、前記センサ出力ケーブルを前記プラグホールの外部に挿通するためのケーブル挿通溝を設けたこと、を特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラグキャップ。 - 点火用高電圧を出力するための高圧端子が設けられた点火コイル部を備え、
該高圧端子が、前記第1嵌合部の設けられた端部から挿入された状態で、該点火コイル部が内燃機関本体に固定されることで、当該プラグキャップが内燃機関本体に固定されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のプラグキャップ。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のプラグキャップを用いて、前記圧力センサ内蔵プラグを螺合により締め付けて内燃機関本体に取り付けることを特徴とするプラグ取付方法。
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