JP4370047B2 - イグニッションコイルユニット及びそれを用いた圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、イグニッションコイルユニット及びそれを用いた圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の燃焼状態やノッキング検出、あるいは燃費向上や排気ガス清浄化等を目的として、スパークプラグに内蔵した圧力センサにより内燃機関の燃焼室内の圧力を検出することが行なわれている。このような目的に使用される圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットとしては、例えば特開平6−52967号公報等に開示されたものが知られている。その構造の概略は以下のようなものである。すなわち、スパークプラグの主体金具に形成された取付ねじ部の基端位置に、外側からリング状の圧電セラミック素子からなる圧力センサを出力取出用のリング状電極とともにはめ込み、鍔状のセンサ保持部にてこれを受けるとともに、全体を外側からセンサケースにて覆う。リング状電極からの出力リード線はセンサケースから後方に取り出される。取付ねじ部においてスパークプラグを内燃機関のプラグホールに取り付けると、圧力センサはセンサケースを介してプラグホールの開口外縁部に押し付けられる。燃焼圧はセンサケースを介して圧力センサに伝わる。圧力センサは、圧電効果により、検出した圧力レベルに応じた電圧を、出力リード線を介して出力することとなる。この出力リード線は、主体金具の後方に長く伸びた形でセンサケースから引き出されるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車用ガソリンエンジン等においてはスパークプラグを取り付けるシリンダヘッド周辺の機構が複雑化していることもあって、シリンダヘッドに形成された深いプラグホールの底部にスパークプラグを取り付けるようにしたものが増えてきている。このような場合、従来の圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットでは、以下のような問題を生じやすい欠点がある。すなわち、シリンダヘッド周辺は、その機構複雑化に伴い当然省スペース化が望まれている。特に、最近のエンジンでは、ディストリビュータや高圧ケーブルを廃止するために、個別に用意されたイグニッションコイルを各スパークプラグに直結した構造のものが増えているが、コイルユニットの数が増えること、及びそれらのことごとくがシリンダヘッド周辺に集中することを考えれば、スペース不足の問題はますます深刻化している。にもかかわらず、従来の圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットには、これに貢献しようとする技術思想が皆無であったに近い。具体的には、プラグホールの奥にスパークプラグを取り付ければ、プラグホールの上部には丸々開きスペースが生じるにもかかわらず、その有効活用が全く図られていない。また、シリンダヘッド部の複雑化により、スパークプラグが取り付けられるバルブ周辺のスペースも減少しており、プラグホールの内径にも寸法上の制約が生じやすくなっている。従って、前述のように圧力センサからのリード線が長く延びた状態になっていては、仮にプラグホール内のスペース活用を図るにしても、これが邪魔になって支障をきたしやすい。
【0004】
本発明の課題は、圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットに適用したときに、全体をコンパクトに構成できて周辺スペースの有効活用を図ることができるイグニッションコイルユニットと、それを用いた圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットとを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために本発明のイグニッションコイルユニットは、圧力センサを内蔵したスパークプラグ本体に取り付けて使用され、イグニッションコイルと、イグニッションコイルの外周面を取り囲む形態の、磁路形成用の筒状のヨーク部材とを有し、そのヨーク部材に圧力センサからのセンサ出力リード線が収容されるセンサ出力リード線収容部が形成されていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットは、主体金具に圧力センサが一体化されるとともに、軸線方向前端側に火花放電ギャップが、同じく後端側にユニット火花放電ギャップに高電圧を印加するための端子金具が形成されたスパークプラグ本体と、上記本発明のイグニッションコイルユニットとを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記の構成によると、ヨーク部材に形成されたセンサ出力リード線収容部にセンサ出力リード線(以下、単にリード線ともいう)の少なくとも一部を収納することで、イグニッションコイル周辺にてリード線の存在により半径方向に生ずるデッドスペースが削減され、イグニッションコイルユニットひいてはそれを用いた圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットの全体をコンパクトに構成できる。
【0008】
ヨーク部材は、板状の軟磁性金属板材を筒状に丸めることにより、その丸めた向きにおける両縁間にセンサ出力リード線収容部となるスリットを形成したものとすることができる。例えば、軟磁性金属板材として加工性があまり良好でない珪素鋼板を使用する場合、押出や深絞り成形等の塑性加工により筒状形態を直接得ることは一般には困難であるから、上記のような板材の曲げ加工を採用せざるを得ず、スリットが不可避的に発生してしまう事情がある。しかしながら、上記の構成では、板材から筒状物を得る際にいわば副産物的に発生していたスリットを、リード線収容部として積極活用することで構成のコンパクト化を一層合理的に図ることができる。なお、リード線として軟鉄あるいは磁性ステンレス鋼等の軟磁性金属からなるシールド被覆により覆ったシールド線を用いると、スリットを軟磁性体のシールド被覆により補填することができ、ひいてはスリットによる磁路断面積減少を抑制することが可能となる。
【0009】
上記の構成では、特に、イグニッションコイルをスパークプラグ本体の後方において軸線方向に結合する形で配置し、該イグニッションコイルをプラグホール内に収容できるように構成した場合に、狭いプラグホール内においてリード線が邪魔にならず、省スペース化の効果が一層大きい。これにより、複雑化が進む自動車用ガソリンエンジン等におけるプラグホール内径減少にも柔軟に対応することが可能となる。
【0010】
上記イグニッションコイルユニットは、スパークプラグ本体側に形成された火花放電高電圧印加用の端子金具にユニットイグニッションコイルを電気的に接続するためのユニット側第一端子部と、スパークプラグ本体側に形成されたセンサ出力端子部にユニットセンサ出力リード線を電気的に接続するためのユニット側第二端子部とを有してユニットスパークプラグ本体に着脱可能に構成することができる。そして、ユニットスパークプラグ本体に装着することにより、ユニット側第一端子部とユニット側第二端子部とがユニット端子金具とユニットセンサ出力端子部とに、それぞれ着脱可能に接続されるように構成することができる。
【0011】
上記の構成によれば、スパークプラグ本体側にイグニッションコイル及びセンサ出力リード線とを接続するためのユニット側第一端子部とユニット側第二端子部とを形成する一方、イグニッションコイル及びセンサ出力リード線が組み込まれたコイルユニットがスパークプラグ本体とは別体に用意され、そのコイルユニット側の係合部をスパークプラグ本体に係合させることで、ユニット側第一端子部とユニット側第二端子部とに端子金具とセンサ出力端子部とがそれぞれ結合される。従って、スパークプラグ本体を先に内燃機関側に取り付けておき、その取り付けられたスパークプラグ本体にコイルユニットを取り付けることで、センサ出力リード線は、スパークプラグ本体の取付操作の影響を何ら受けることなく、スパークプラグ本体側への圧力センサにいわば後付け接続することができる。従って、スパークプラグ本体を取り付ける際に、工具等へのリード線巻きつきといった不具合が全く生じなくなる。さらに、圧力センサへのリード線の接続とイグニッションコイルのスパークプラグ本体への接続とが一挙に完了するので、取付作業を一層能率的に行なうことができる。
【0012】
上記構成においては、センサ出力リード線の後端を、コイルユニットに一体化された出力取出コネクタに接続しておくことができる。この場合、コイルユニットはスパークプラグ本体に対して軸線周りに相対的に回転可能に係合するようにしておけば、スパークプラグ本体のシリンダヘッドへの取付位相角がばらついた場合でも、コイルユニットをスパークプラグ本体に対して軸線周りに回転させることで、出力取出コネクタの周方向位置を自由に調整することができる。これにより、センサ出力の供給先となる制御回路等からの信号線をコネクタに接続する際に、位置的な不都合が生じなくなる。
【0013】
また、コイルユニットに組み込まれるイグニッションコイルは、一方が一次コイルとなり他方が二次コイルとなる第一コイルと第二コイルとの各々の軸線が、該スパークプラグ本体の軸線と一致する形態となるように配置することができる。軸線方向においてイグニッションコイルをスパークプラグ本体の後方に結合することで、圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットは、半径方向の寸法が減じた軸線方向に長い全体の形態を呈するものとなり、例えば深いプラグホールの底にスパークプラグを取り付けた場合でも、プラグホール内のスパークプラグ本体上方の空間を活用して、ここにイグニッションコイルを収納することが可能となる。このようにすることで、複雑化したシリンダヘッド周辺の省スペース化に大きく寄与することができる。特に、第一コイルの内側に第二コイルを同軸的に配した構成とすれば、圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットの軸線方向の寸法削減にも寄与できるので、一層効果が大きい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例である圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット1の全体構成を示す一部を切欠いた分解斜視図である。該圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット1は、大きく分けてスパークプラグ本体5とコイルユニット12とからなる。スパークプラグ本体5は、主体金具2に圧力センサ3(図2参照)が一体化されるとともに、軸線O(図2)方向前端側に火花放電ギャップgが、同じく後端側に火花放電ギャップgに高電圧を印加するための端子金具4が形成されたものである。また、スパークプラグ本体5の主体金具2と一体的に、圧力センサ3からのセンサ出力を取り出すためのセンサ出力端子部6(図2参照)が形成されている。
【0015】
図2は、圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット1の組立状態における縦断面図である。スパークプラグ本体5の主体金具2は筒状に形成され、その軸線O方向の前端側には、シリンダヘッドのねじ孔(図示せず)にねじ込んで取り付けるための雌ねじ部を外周面に有する取付部16が形成され、その基端側に隣接して鍔状のセンサ保持部17が周方向に突設されている。また、図3に示すように、取付部16の内周面には、軸状の絶縁体14を止めるための周方向のリブ52が形成されている。
【0016】
絶縁体2の内部には図示しない貫通孔が軸線方向に形成され、図2に示すように、その前端側に中心電極51が、後端側に端子金具4が配置され、両者が貫通孔内に充填された非図示の導電性ガラスシール層や抵抗体組成物により電気的に結合されている。
【0017】
そして、主体金具2の取付部16の端面には接地電極50が溶接され、中心電極51との間で火花放電ギャップgを形成する。また、主体金具2は、後端部外周面にボックスレンチ等の取付用工具を係合させるための工具係合部2aが形成されている。
【0018】
また、絶縁体14は主体金具2の内側に挿通され、図3に示すように、中胴部14cの前端側の段部をリブ52に引っ掛けて止める一方、軸線方向中間位置に形成された鍔部14bの後端側の段部にリング状のパッキン53,54と滑石充填層55を配置し、主体金具2の後端部に周方向の加締め部2bを形成することで組みつけられている。
【0019】
次に、図2に示すように、コイルユニット12には、高電圧を発生させるためのイグニッションコイル7と、圧力センサ3のセンサ出力リード線8とが組み込まれている。また、イグニッションコイル7に端子金具4を電気的に接続するためのユニット側第一端子部9と、センサ出力リード線8をセンサ出力端子部6と電気的に接続するためのユニット側第二端子部10と、スパークプラグ本体5に自身を着脱可能に係合させるための係合部11とを有する。
【0020】
そして、係合部11にてコイルユニット12をスパークプラグ本体5に係合・固定することにより、ユニット側第一端子部9とユニット側第二端子部10とが端子金具4とセンサ出力端子部6とに、それぞれ着脱可能に結合される。すでに説明した通り、この構成によると、スパークプラグ本体5を取付部16において自動車用エンジン等の内燃機関側に先に取り付けておき、その取り付けられたスパークプラグ本体5にコイルユニット5を後付け接続することができる。これにより、スパークプラグ本体を取り付ける際に、工具等へのリード線8の巻きつきといった不具合が全く生じなくなる。さらに、圧力センサ3へのリード線8の接続とイグニッションコイル7のスパークプラグ本体5への接続とが一挙に完了するので、取付作業を一層能率的に行なうことができる。
【0021】
また、センサ出力リード線8の後端は、コイルユニット12に一体化された出力取出コネクタ(以下、単にコネクタともいう)13に、回路ユニット29を経由して接続されており、かつコイルユニット12はスパークプラグ本体5に対して軸線O周りに相対的に回転可能に係合している。自動車用エンジンのシリンダヘッドに形成された取付ねじ孔TH(図3)は、そのねじ山の開始位置が一定していないことが多く、規定の締め付けトルクにて取付部16をねじ込んだ際に、スパークプラグ本体5のシリンダヘッドへの取付位相角がばらつくことがある。この場合、コネクタ13がスパークプラグ本体5に対して軸線Oの周りに回転不能に結合されていると、上記取付位相角のばらつきによりコネクタ13の最終的な周方向位置もまちまちになり、その位置によっては、コネクタ13に制御回路側からの信号線ケーブルを接続する際に不都合を生じる場合がある。しかしながら、上記のようにコイルユニット12をスパークプラグ本体5に対して軸線周りに回転させることで、コネクタ13の周方向位置を自由に調整することができる。ただし、コネクタ13の周方向位置調整が不要な場合、コイルユニット12とスパークプラグ本体5との一方にキー溝を、他方にこれに係合する凸部を形成する等の構成により、両者を軸線Oの周りに回転不能に結合する構成を採用してもよい。
【0022】
以下、圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット1の構成についてさらに詳しく説明する。図2に示すように、スパークプラグ本体5は、主体金具2の後方側開口部2aから絶縁体14を突出させた形態を有し、その絶縁体14の突出部14a後端に端子金具4が配置される。コイルユニット12の係合部11は、絶縁体突出部14aを挿入するための挿入孔15が軸線O方向に形成された、弾性材料、ここではシリコンゴム等の耐熱性ゴム成形体からなる弾性保持部材11とされている。その挿入孔15の奥には、ユニット側第一端子部9が配置されている。そして、挿入孔15を弾性的に拡径させながらここに絶縁体突出部14aを軸線Oの方向に押し込むことにより、該挿入孔15の内面にて絶縁体突出部14aが保持され、端子金具4がユニット側第一端子部9と接触導通する。弾性保持部材11を使用することにより、挿通孔15に絶縁体14の突出部14aを押し込むだけでコイルユニット12をスパークプラグ本体5に簡単に接続することができる。また、弾性材料の弾性力により挿入孔15の内面にて突出部14aを密着保持することができ、フラッシュオーバ等も生じにくい。
【0023】
なお、ユニット側第一端子部9はばね状に形成され、この実施例では軸線Оの方向においてカップ状の金具57内に配置されている。そして、その金具57にイグニッションコイル7からの図示しないリード部が接続され、ユニット側第一端子部9、端子金具4及び中心電極51を介して接地電極50との間に形成される火花放電ギャップgに高電圧が印加される。ばね状のユニット側第一端子部9は、金具57と端子金具4との間で圧縮弾性変形した状態で、挿通孔15の内面と突出部14aとの摩擦により保持され、その弾性復帰力により金具57と端子金具4との電気的接触を確保する働きをなす。
【0024】
次に、弾性保持部材11の挿入孔15が開口する側の端部には、ユニット側第二端子部10をなすリング状のソケット金具10が一体化されている。挿入孔15に絶縁体14の突出部14aを押し込むことにより、主体金具2上に取り付けられたセンサ出力端子部6とソケット金具10とが接触導通する。ソケット金具10をリング状に形成することで、センサ出力端子部6との電気的導通を確実に図ることができる。
【0025】
次に、主体金具2は、前述の通り、軸線O方向前端側に内燃機関への取付部16が形成されるとともに、その取付部16の軸線O方向後端位置に対応して周方向のセンサ保持部17が突設されている。そして、リング状の圧力センサ組立体18の内側に、取付部16が前端側から軸線O方向に嵌め込まれ、センサ保持部17の前端面に当接する形で該圧力センサ組立体18が支持されている。そして、圧力センサ組立体18の前端面と当接してこれを覆う底部19aと、その底部19aの外周縁から軸線方向後方に立ち上がる筒状に形成されて圧力センサ組立体18の外周面を覆う側壁部19bとを有するセンサカバー19が設けられている。また、そのセンサカバー19の側壁部19bは、軸線O方向において圧力センサ組立体18の後端縁よりも後方側に延長されて延長部19cを形成している。そして、延長部19cの後端側に形成された開口部19dにおいて、該延長部19c内周面と、その内側の主体金具外周面との間のリング状の隙間が、リング状のソケット金具10の差込保持部20となっている。
【0026】
センサカバー19の延長部19cを利用して、差込保持部20をなすリング状の隙間を形成し、ここにソケット金具10を差し込むようにすれば、延長部19cがガイドとなってリング状のセンサ出力端子部6との接続操作を極めて容易に行なうことができる。また、延長部19cはソケット金具10の半径方向の動きを拘束するので、安定した接続状態を保つことができる。
【0027】
図4に示すように、圧力センサ組立体18は、センサカバー19の底部19aに近い側から、リング状の板パッキン59、リング状の圧電セラミック素子からなる圧力センサ3、リング状の電極板60及びリング状の絶縁板61がこの順序にて積層された構造を有する。電極板60からのリード部62は絶縁板61に形成されたスリット61aを経て後方に引き出される。図3に示すように、リード部62は、さらにセンサ保持部17に形成された軸線O方向の貫通部(孔又は切欠)17aを通り、その後方の主体金具外周面上に端部を位置させる。なお、センサカバー19と主体金具2との間は、貫通部(孔又は切欠)17aとともにこれを埋めるゴム充填シール部64によりシールされ、そのゴム充填シール部64の後端部分は主体金具2のセンサ保持部17後方に位置する外周面を覆う形で延長されている。リード部62の端部は、このシール延長部64aの外周面に露出する形で位置決めされている。そして、そのさらに外側には、リード部62の端部と導通する形でリング状のセンサ出力端子部6が一体化されている。また、ソケット金具10とセンサ出力端子部6とは、双方ともにリング状に形成されて相対回転可能となっており、コイルユニット12(すなわち弾性保持部材11)を軸線Oの周りに回転させたたときの任意の角度位置において、電気的導通を確保することができる。
【0028】
また、センサカバー19の底部19aの内周縁は、主体金具2の取付部16の基端部外周面に、周方向のレーザー溶接部65により密封・結合されている。なお、センサカバー19は、圧力センサ組立体18の外側に被せられた後、軸線Oの向きにおいて底部19aを圧力センサ組立体18の側に加圧することにより密着させ、その加圧状態を維持しつつレーザー溶接部65を形成して固定される。スパークプラグ1を取り付けた際に、シリンダヘッド側の取付ねじ孔THの開口周縁部にてガスケットGKを介してセンサカバー19の底部19aが押し付けられ、振動が圧力センサ組立体18に伝わることで圧力検出がなされるが、上記のように構成することで、底部19aと圧力センサ組立体18との密着状態が高められ、圧力検出精度が向上する。
【0029】
次に、本実施例においては、弾性保持部材11の挿通孔15が開口する側の端部が円筒状のソケット金具支持部21とされている。そして、その内周面にソケット金具10が一体化されている。ソケット金具支持部21は径方向に圧縮されながらソケット金具10とともに差込保持部20に挿入されるようになっており、その弾性復帰力によりソケット金具10をセンサ出力端子部6に向けて付勢する。この構成によると、ゴム等で構成されたソケット金具支持部21の弾性復帰力によりソケット金具10がバックアップ付勢され、ソケット金具10の半径方向のがたつきが防止されるとともに、センサ出力端子部6との接触導通状態を一層確実なものとすることができる。
【0030】
この場合、ソケット金具支持部21の外周面に、差込保持部20に挿入された際に、センサカバー19の延長部(側壁部)19cの内周面と当接して圧縮弾性変形する突出部21aを形成することができる。突出部21aの弾性復帰力により、ソケット金具10とセンサ出力端子部6との接続を一層確実なものとすることができる。また、本実施形態では、突出部21aはソケット金具支持部21の周方向に形成された環状の凸条部とされているが、このような環状の凸条部を採用することにより、突出部21aはソケット金具支持部21とセンサカバー19との間のシール気密性を高め、防水効果の向上を図ることができる。この場合、凸条部を所定の間隔で2条以上形成すると、一層良好なシール性を確保することができる。他方、それほど高いシール性が要求されない場合は、環状に連続していない突出部、例えば散点状の凸部を採用したりすることもできる。
【0031】
図2に戻り、コイルユニット12においてイグニッションコイル7は、一方が一次コイルとなり他方が二次コイルとなる第一コイル22と第二コイル23との各々の軸線が、該スパークプラグ本体5の軸線Oと一致する形態となるように配置されている。図3に示す通り、スパークプラグ本体5のプラグ取付部16を、内燃機関側のプラグホールPHの底に形成されたプラグ取付孔THに取り付けた取付状態においては、弾性保持部材11とコイル収納部24とは、プラグホールPH内に収容されることが予定されている。これにより、深いプラグホールPHの底にスパークプラグ1を取り付けた場合でも、プラグホールPH内のスパークプラグ本体5の上方に生ずる空間を活用して、ここにイグニッションコイル7が収納され、シリンダヘッド周辺の省スペース化に大きく寄与する。この場合、弾性保持部材11とコイル収納部24との軸線方向の合計寸法は、当然に、プラグホールPHの深さに対応して設定しておく必要がある。
【0032】
また、図2に示すように、コイル収納部24の後端には、取付状態においてプラグホールPH外に位置する形で、回路部129と、センサ出力リード線8が接続されるコネクタ部13とが組み込まれたヘッド部30が一体形成されている。回路部129をコイル収納部24の後端に設け、これをプラグホールPH外に出すことで、プラグホールPH内は、その内面形状に対応したコイル収納部24の収納空間として、より効率的に活用されることとなる。また、コネクタ部13がプラグホールPHの外へ出ていることで、該コネクタ部13への信号線ケーブル等の接続が容易となることはいうまでもない。
【0033】
回路部129は、イグニッションコイル7への通電・遮断を司るイグナイタ(図示せず)を含むものであり、また、本実施例ではセンサ出力リード線8を経て入力されるセンサ出力の変換回路を含むものである。この変換回路は、次の少なくとも1つの機能を有するものとして構成することができる:
▲1▼電荷電圧変換回路;
▲2▼電圧変換回路(例えば電圧増幅回路);
▲3▼電流変換回路(例えば電流増幅回路);
▲4▼インピーダンス変換回路。
【0034】
図7は、回路部129をセンサ出力変換回路として構成した一例を示すものである。オペアンプIC1の2つの負入力端子に、圧力センサ3(図2)からの信号線が接続され、正入力端子が接地されて、接地レベルを基準電圧として設定している。燃焼室内にて圧力が発生すると圧力センサ3(図2)に電荷が発生し、オペアンプICに接続された負帰還コンデンサC1により電圧変換される。オペアンプICは、この負帰還コンデンサC1とともに、圧力センサ3にて発生する電荷を、増幅された電圧信号として出力する電荷電圧変換回路を構成する。なお、負帰還コンデンサC1と並列に挿入された抵抗R1は、オペアンプICの出力飽和を防止するためのものであり、圧力センサ3からの信号線上に設けられた抵抗R2は、オペアンプICの端子保護用である。オペアンプICの出力は、図示しない配線部を介してコネクタ13に供給される。なお、センサからの入力電圧に対するインピーダンス変換のみを目的とする場合は、回路部129は、図7(b)に示すような電圧フォロワ回路とすることもできる。
【0035】
図2(a)に戻り、ヘッド部30は、コイル収納部24の後端部外周面にゴムリング69を介して取り付けられた樹脂ベース66を有し、その後端面にはイグニッションコイル7の後端部に対応する位置に回路ケース67が一体形成されて、ここに回路部129が収容されている。また、コネクタ13は回路ケース67の側面から側方に突出する形で形成されており、信号線ケーブルのプラグを接続するための開口部13aが形成されている。なお、樹脂ベース66には、軸線Oに関してコネクタ13と反対側の位置に、コイルユニット12をシリンダヘッド側に固定するためのボルトを挿通するボルト孔68が形成されている。また、本実施例では、回路ケース67の側壁の一部を、ケース本体67bとは別体に形成されたコネクタプレート113にて形成し、そのコネクタプレート113にコネクタ13が形成されている。
【0036】
なお、プラグホール内の円筒状の空間を有効活用するために、図1に示すように、弾性保持部材11は円筒状に形成され、その軸線方向後端側には、これに対応する外径の円筒状のコイル収納部24を結合して、両者が一体の筒状形態をなすように構成している。また、図2(a)に示すように、弾性保持部材11においては、円筒状の本体部11aの前端側にソケット金具支持部21を、本体部11の外径よりも縮径された形にて一体化される円筒状に形成している。ソケット金具支持部21を差込保持部20に挿入したときに、ソケット金具支持部21を縮径した分だけ本体部11aの外周面が、センサカバー19の外周面と面一の状態に近づくので、よりデッドスペースが生じにくくなっている。
【0037】
次に、コイルユニット12は、イグニッションコイル7の外周面を取り囲む形態の、磁路形成用の筒状のヨーク部材25を有している。そして、そのヨーク部材25の外周面上において軸線O方向に、センサ出力リード線8を収容するセンサ出力リード線収容部26が形成されている。具体的には、ヨーク部材25は、板状の軟磁性金属板材、例えば複数枚の珪素鋼板を積層したものを幅方向に筒状に丸めることにより、その幅方向両縁間にセンサ出力リード線収容部26となるスリットを形成したものである(以下、スリット26ともいう)。このスリット26にセンサ出力リード線8を収容することで、コイル収納部24の外側にリード線8がはみ出さず、デッドスペース削減効果が一層高められている。また、これに対応して、センサ出力リード線8の一部(ここでは先端側部分)が弾性保持部材11の内部に埋設されており、同様の効果を挙げている。
【0038】
本実施例では、センサ出力リード線8は、絶縁被覆カバー8cで覆った芯線8aの外側を、シールド被覆8bにて覆った同軸シールドケーブルとして構成されている。シールド被覆8bは、導体である金属線を編み合わせて形成したものであるが、その材質として軟鋼細線やニッケル細線などの軟磁性材料を採用すれば、ヨーク部材25のスリット26が軟磁性材料で埋まり、磁路断面積の減少を補うことができる。
【0039】
また、ヨーク部材25の外周面は、樹脂製のコイルケース27で覆われている。コイルケース27には、ヨーク部材25側のスリット26と対応する位置に、当該スリット26と対応する形状のケース側収容空間が形成され、それらスリット26とケース側収容空間とが一体的にセンサ出力リード線収容部200(図5(c)参照)を形成する。コイルケース27にケース側収容空間を形成することで、ヨーク部材25をコイルケース27で覆った後でも、スリット26とケース側収容空間とが一体化したセンサ出力リード線収容部200にセンサ出力リード線8を挿入すればよいから、組立てが容易である。
【0040】
例えば、図5(a)及び(c)に示すように、コイルケース27には、スリット26に沿ってその内側に入り込む溝形成部27aを一体に設けることができる。この場合、ケース側収容空間は、スリット26に倣う形態にて溝形成部27aに形成された有底溝27bとすることができる。このようにすると、スリット26がコイルケース27と一体の溝形成部27aにより埋められるので、コイルケース27のイグニッションコイル7に対する密閉性を高めることができる。また、樹脂製の溝形成部27aに形成された有底溝27b内にセンサ出力リード線8を圧入するようにすれば、有底溝27b内にセンサ出力リード線8をより安定的に保持することができる。
【0041】
なお、コイルユニット12内は防水のため樹脂充填することができる。この場合、ヨーク部材25は、スリット26が溝形成部27aにて塞がれた状態にて、自身の内側に配置されたイグニッションコイル7との隙間を樹脂150(図6(b)も参照)にて充填することができる。スリット26をコイルケース27の溝形成部27aで塞ぐことで、未硬化の樹脂をヨーク部材25とイグニッションコイル7との間に流し入れる際に、スリット26から樹脂が流れ出すことを防止することができる。
【0042】
図2(a)に示すように、イグニッションコイル7を収納するコイル収納部24は、弾性保持部材11と別体形成されて該弾性保持部材11の後端側に嵌合されている。このようにすると、図5(a)に示すように、弾性保持部材11側の第一アセンブリ80と、コイル収納部24側の第二アセンブリ81とを別段取りにて組み立てた後、図5(b)に示すように結合すればよいから、2つの組立工程を並行して(あるいは別場所にて)行なうことが可能となり、組立工程の利便性向上及び組立て時間の短縮を図ることが可能となる。
【0043】
本実施例では、弾性保持部材11の挿通孔15を、後端部にて開放させるとともに、その開放部を接続孔15aとして使用している。そして、コイル収納部24側に形成された接続プラグ部材73(この実施例でコイルケース27に結合されている)を接続孔15aに押し込むことにより、弾性保持部材11とコイル収納部24とが着脱可能に結合されるようになっている。接続プラグ部材73は筒状とされ、その内側空間は、ユニット側第一端子部9の収納部として利用されている。また、カップ状の金具を同軸的にはめ込むことにより、その固定部としても機能している。なお、接続プラグ部材73の外周面には、抜け止め用の環状のリブ73aが複数形成されている。上記の構成においては、センサ出力リード線8の前端部の、弾性保持部材11に対する周方向の固定位置と、ヨーク部材25に形成されたセンサ出力リード線収容部200(スリット26)の周方向位置とが互いに一致するように、コイル収納部24が弾性保持部材11の後端側に結合することができる。これにより、センサ出力リード線8に不要なねじれが生じず、また最小限の長さのセンサ出力リード線8ですむので経済的である。
【0044】
以下、イグニッションコイルユニット12の組立て方法について、さらに説明する。図5(a)に示すように、スリット26内に溝形成部27aを配置した状態で、ヨーク部材25の外側をコイルケース27にて覆い、コイル収納部24側の第二アセンブリ81を組み立てる(図5(c)参照;ただし、樹脂150は未充填の状態である)。次いで、別途組み立てた第一アセンブリ80に第二アセンブリ81を結合し、センサ出力リード線8を有底溝27bに押し込む。また、図5(b)に示すように、センサ出力リード線8の後端部は、回路部129に接続しておく。この状態で、ヘッド部30を、樹脂ベース66に形成された貫通孔66aにて、コイルケース27の後端部に嵌着する。
【0045】
次いで、図6(a)に示すように、樹脂ベース66の貫通孔66aの開口縁とコイルケース24の外周面との交差位置、樹脂ベース66あるいはケース本体67bとコネクタプレート113との継ぎ目部など、樹脂漏洩の見込まれる部材継ぎ目部をゴムポッティング部160,161により封止する。そして、その状態で、図6(b)に示すように、ヘッド部30のケース本体67bの開口67aからコイルケース24内に樹脂150を流し入れ、硬化させる。これにより、ヨーク部材25とイグニッションコイル7との隙間など、樹脂流入側の開口端に連通するコイルケース24内の空隙部が、樹脂150により充填される。なお、本実施例では、回路部12がモールドされるよう、樹脂150をケース本体67b内にオーバーフローさせている。
【0046】
次に、図1に示すように、コイル収納部24は円筒状の外観形態を有するものであるが、本実施例では、図2に示すように、コイル収納部24内において第二コイル23が第一コイル22の内側に位置するように同心的に配置されている。このようにすることで、イグニッションコイル7の全体の長さ方向寸法を削減でき、コンパクト化が実現されている。具体的には、第二コイル23の内側に軟磁性材料からなるコア29が配置され、ヨーク部材25は第二コイル23の外周面を取り囲む形態にて配置されている。ヨーク部材25の軸線方向両端部は、それぞれコア29の両端に対応する位置まで延びており、イグニッションコイル7内で発生した磁束に対し、それら両端部を除いて略閉じた形態の磁路が形成されている。
【0047】
具体的には、コア29は積層珪素鋼板から削り出された円形断面の軸状を呈するものであり、両端部には、バイアス磁界印加用の永久磁石29a,29aが配置されている。このバイアス磁界印加により、磁束飽和点に到達する磁界レベルが引き上げられ、電流変換効率を高めることができる。そして、そのコア29が、図2(b)に示すように、コアケースを兼ねた樹脂製の内ボビン(外周面には、図示しない巻線用の螺旋溝が形成してある)70に収容され、その外面に第二コイル(本実施例では二次コイル)23が巻線形成されている。なお、内ボビン70は、軸線方向先端側が閉じた筒状形状とされ、その端面には、金具57の後端部を位置決めするための凹部70aが形成されている。
【0048】
そして、第二コイル23の外側には樹脂製の外ボビン71が配置されている。外ボビン71も筒状に構成され、外周面には図示しない巻線用の螺旋溝が形成してあり、ここに第一コイル(本実施例では一次コイル)22が巻線形成されている。
【0049】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。以下、いくつかの変形例について説明する。
【0050】
まず、図2(c)に示すように、ヨーク部材側スリット26にリード線8を挿入した後、外側をスリットのないコイルケース27で覆ってしまうこともできる。このようにすると、一旦収納したリード線8が、以後の工程途中でヨーク部材側スリット26から外れてしまったり、リード線8を何かに引っ掛けて断線させてしまったりする不具合を防止できる利点がある。
【0051】
また、図8に示すように、回路部129はイグナイタのみを含むものとし、センサ出力を、別途設けたセンサ出力用コネクタ170から取り出して、コイルユニット12の外部にある図示しない変換回路に導くようにしてもよい。図8のイグニッションコイルユニット212では、ヘッド部30の樹脂ベース66の側面にセンサ出力用コネクタ170を一体形成している(図2と共通する部分には同一の符号を付与して詳細な説明は省略する)。図9は、その組立て方法の一例を示すものである。
【0052】
まず、図9(a)に示すようにヨーク部材25の外側を、後述するケース側スリット28(図9(d))を形成しない状態のコイルケース27にて覆い、(b)に示すようにヘッド部30を取り付けた後、ヨーク部材25とその内側に配置されたイグニッションコイル7との隙間及びスリット26とを一括して樹脂充填することにより、(c)に示す状態とする。そして、(d)に示すように、コイルケース27のスリット26に対応する部分と、スリット26内の樹脂充填部とを除去することにより、ケース側スリット28を形成しつつこれを開口内縁部とする溝状のセンサ出力リード線収容部(126)を刻設する。
【0053】
そして、そのセンサ出力リード線収容部(126)にセンサ出力リード線8を嵌め入れ、センサ出力用コネクタ170に対し、突出基端位置に形成された端子部171にて接続することにより、図8に示すイグニッションコイルユニット212(スパークプラグ本体5を取り付けた状態にて示している)が得られる。上記構成によると、コイルケース27に図5(c)のような溝形成部27aを形成する必要がなくなる。なお、センサ出力用コネクタ170と端子部171との接続部は、ゴムポッティング部等の保護用被覆250により覆うことが望ましい。ここでは、保護用被覆250を環状のゴムポッティング部として形成している。
【0054】
また、センサ出力リード線の一端がスパークプラグ本体側に着脱不能に一体化され、そのセンサ出力リード線をイグニッションコイルユニット側のセンサ出力リード線収容部に収容する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例たるイグニッションコイルユニットを用いた圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットの一例を示す一部切欠分解斜視図。
【図2】図1の圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットを組立状態にて示す縦断面図。
【図3】図2の一部を拡大して示す半断面図。
【図4】センサカバー及びセンサ組立体の構造を示す分解斜視図。
【図5】図2のイグニッションコイルユニットの、組立て方法の一例を示す工程説明図。
【図6】図5に続く工程説明図。
【図7】回路部の構成例をいくつか示す図。
【図8】本発明のイグニッションコイルユニットの変形例を用いた圧力センサ内蔵型スパークプラグユニットを組立状態にて示す縦断面図。
【図9】図8のイグニッションコイルユニットの組立て方法の一例を示す工程説明図。
Claims (14)
- 圧力センサ(3)を内蔵したスパークプラグ本体(5)に取り付けて使用され、イグニッションコイル(7)と、前記イグニッションコイル(7)の外周面を取り囲む形態の、磁路形成用の筒状のヨーク部材(25)とを有し、そのヨーク部材(25)に、前記圧力センサ(3)に接続されるセンサ出力リード線(8)が収容されるセンサ出力リード線収容部(26)が形成されていることを特徴とするイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記ヨーク部材(25)は、板状の軟磁性金属板材を筒状に丸めることにより、その丸めた向きにおける両縁間に前記センサ出力リード線収容部(26)となるスリットを形成したものである請求項1記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記ヨーク部材(25)の外周面が樹脂製のコイルケース(27)で覆われてなり、かつ該コイルケース(27)には、ヨーク部材(25)側のスリット(26)と対応する位置に、当該スリット(26)と対応する形状のケース側収容空間が形成され、それらスリット(26)とケース側収容空間(27b,28)とが一体的に前記センサ出力リード線収容部を形成する請求項2記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記コイルケース(27)には、前記スリット(26)に沿ってその内側に入り込む溝形成部(27a)が一体に設けられ、前記ケース側収容空間(28)は、前記スリット(26)に倣う形態にて前記溝形成部(27a)に形成された有底溝(27b)である請求項3記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記ヨーク部材(25)は、前記スリット(26)が前記溝形成部(27a)にて塞がれた状態にて、自身の内側に配置された前記イグニッションコイル(7)との隙間が樹脂(150)にて充填されている請求項4記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記コイルケース(27)には、前記スリット(26)に沿ってこれと重なる位置に、前記ケース側収容空間としてのケース側スリット(28)が形成されている請求項3記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記ヨーク部材(25)の外側を前記ケース側スリット(28)を形成しない状態のコイルケース(27)にて覆い、前記ヨーク部材(25)とその内側に配置された前記イグニッションコイル(7)との隙間及び前記スリット(26)とを一括して樹脂充填し、その後、前記コイルケース(27)の前記スリット(26)に対応する部分と、前記スリット(26)内の樹脂充填部とを除去することにより、前記ケース側スリット(28)を形成しつつこれを開口内縁部とする溝状のセンサ出力リード線収容部(126)を刻設した請求項6記載のイグニッションコイルユニット(212)。
- スパークプラグ本体(5)側に形成された火花放電高電圧印加用の端子金具(4)に前記イグニッションコイル(7)を電気的に接続するためのユニット側第一端子部(9)と、スパークプラグ本体(5)側に形成されたセンサ出力端子部(6)に前記センサ出力リード線(8)を電気的に接続するためのユニット側第二端子部(10)とを有して前記スパークプラグ本体(5)に着脱可能に構成され、前記スパークプラグ本体(5)に装着することにより、前記ユニット側第一端子部(9)と前記ユニット側第二端子部(10)とが前記端子金具(4)と前記センサ出力端子部(6)とに、それぞれ着脱可能に接続されるようにした請求項1ないし7のいずれかに記載のイグニッションコイルユニット(212)。
- 前記スパークプラグ本体(5)への装着側端部に、前記ユニット側第二端子部(10)をなすリング状のソケット金具(10)が一体化され、前記ソケット金具(10)の挿入孔(15)に前記スパークプラグ本体(5)の絶縁体突出部(14a)を押し込むことにより、前記スパークプラグ本体(5)側の前記センサ出力端子部(6)と前記ソケット金具(10)とが接触導通するようになっている請求項8記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記リング状のソケット金具(10)は前記スパークプラグ本体(5)に対して軸線(O)周りに相対回転可能とされている請求項9記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記イグニッションコイル(7)は、一方が一次コイルとなり他方が二次コイルとなる第一コイル(22)と第二コイル(23)との各々の軸線が、該スパークプラグ本体(5)の軸線(O)と一致する形態となるように配置される請求項1ないし10のいずれかに記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記コイルユニット(12)には円筒状の外観形態を有するコイル収納部(24)が形成され、該コイル収納部(24)内において前記第二コイル(23)が前記第一コイル(22)の内側に位置するように同心的に配置されるとともに、前記第二コイル(23)の内側に軟磁性材料からなるコア(29)が配置され、前記ヨーク部材(25)は前記第二コイル(23)の外周面を取り囲む形態にて配置される請求項11記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 前記スパークプラグ本体(5)に取り付けるための係合部(11)と、前記イグニッションコイル(7)を収納するコイル収納部(24)とが互いに別体に形成され、前記係合部(11)の後端側に前記コイル収納部(24)が嵌合されている請求項1ないし12のいずれかに記載のイグニッションコイルユニット(12)。
- 主体金具(2)に圧力センサ(3)が一体化されるとともに、軸線(O)方向前端側に火花放電ギャップ(g)が、同じく後端側に前記火花放電ギャップ(g)に高電圧を印加するための端子金具(4)が形成されたスパークプラグ本体(5)と、
イグニッションコイル(7)と、前記圧力センサ(3)に接続されるセンサ出力リード線(8)と、前記イグニッションコイル(7)の外周面を取り囲む形態の、磁路形成用の筒状のヨーク部材(25)とを有し、そのヨーク部材(25)に前記センサ出力リード線(8)を収容するセンサ出力リード線収容部(26)が形成されているイグニッションコイルユニット(12)と、
を備えたことを特徴とする圧力センサ内蔵型スパークプラグユニット(1)。
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