JP3579992B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関(以下、「エンジン」という。)のシリンダヘッドに形成されるプラグホールに点火プラグが埋込まれ、この点火プラグに直接給電する点火装置が知られている。この種の点火装置をエンジンに固定する方法として、プラグホールに挿入した点火装置の下端部を点火プラグに嵌合させた後、点火装置の上端部に設けられた取付座をエンジンにボルト締め固定するのが一般的である。
【0003】
そして、このプラグホールに挿入されることなくシリンダヘッドから突出する点火装置の取付座等によりプラグホールの開口を閉塞することによって、プラグホール内の空間とエンジン外の空間との連通を遮断している。そのため、例えば点火装置側の取付座とエンジン側の取付面との間にシール部材を設けている。
この種の点火装置の例として、実開平6−52123号公報に開示される内燃機関用点火装置があり、前述したシール部材の役割を果たすレインカバー部を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実開平6−52123号公報に開示される内燃機関用点火装置によると、レインカバー部がプロテクタ部の周囲に設けられているため、この点火装置をプラグホールから取外すときレインカバー部が点火装置とともに取り外されることになる。すると、このレインカバー部は点火装置のプロテクタ部から取り外しが可能なため、例えばプラグホールから取外した点火装置から何らかの都合でレインカバー部が取外されたり、プロテクタ部からレインカバー部が脱落したりすることがあり得る。そして、プロテクタ部からレインカバー部が外れた状態で点火装置がプラグホールに再度装着されると、プラグホールを覆うようにして点火装置が取付けられてもプラグホール内の空間とエンジン外の空間とが連通可能になる。これにより、例えばエンジンが被水した場合、エンジン外からプラグホール内に水などが侵入するため、点火装置の二次電圧伝達部材の周囲に位置するプラグキャップ内への浸水を招き絶縁不良を生ずる。したがって、点火装置として必要な高電圧を発生させることができなくなり、点火プラグの点火不良によるエンジントラブルを生ずるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、シール部材の脱落を防止した内燃機関用点火装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための本発明は、請求項1記載の手段を採用する。
この手段によると、環状のシール部材は、機関本体に取付られるとともに、機関本体の凹部の開口側周縁と点火コイルの一端部との間に位置することから、この凹部より点火コイルを抜出すときにシール部材が所定の位置から脱落することを防止できる。これにより、シール部材が所定の位置から脱落したまま点火コイルが機関本体の凹部に収容されることを防止できる。このため、機関本体が被水しても、機関本体外から凹部内に水などが侵入するのをシール部材によって回避できる。したがって、機関本体の凹部内に水などが侵入することによるエンジンの点火不良を防止する効果がある。
【0007】
また、請求項2記載のように、シール部材が凹部を形成する筒体と機関本体との間に介装され、機関本体上における筒体と機関本体との間の液密と、凹部内への防水との両方をシール部材により達成するという手段を採用しても良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による内燃機関用点火装置を組付けたエンジンの上部を図1に示す。
【0009】
図1に示すように、エンジンの上側に位置するエンジンヘッド1の上部には、ヘッドカバー2が取付られており、このヘッドカバー2には気筒数分の孔部が形成されている。そして、この孔部を貫通するように位置する筒体としてのプラグチューブ3がエンジンヘッド1に気筒数分だけ組付けられており、このプラグチューブ3のプラグホール3a内底側には、気筒内に火花放電可能な状態で点火プラグ80が組付けられている。
【0010】
内燃機関用点火装置(以下、「点火装置」という。)10は、その一部がプラグチューブ3のプラグホール3a内に収容されており、コイル本体上部10a、コイル本体下部10b、接続部10c、固定用ブラケット11、コネクタ部12、図示しない制御回路部およびパッキン6から構成されている。そして、コイル本体上部10a、コイル本体下部10b、接続部10c、固定用ブラケット11、コネクタ部12、図示しない制御回路部によって点火コイルが構成されている。
【0011】
ここで、エンジンヘッド1およびヘッドカバー2は特許請求の範囲に記載の「機関本体」に相当し、プラグホール3aは特許請求の範囲に記載の「凹部」に相当する。
点火コイルのコイル本体上部10aは、プラグホール3aの開口を閉塞可能な外径を有する円筒状に形成され、また一端部としての点火コイルのコイル本体下部10bは、プラグホール3a内に収容可能な外径を有する細長の円筒状に形成されている。そして、このコイル本体上部10aとコイル本体下部10bとは、例えば樹脂により一体に成形される。
【0012】
コイル本体上部10a内には、図示しない制御回路部が収容されており、この制御回路部によって後述するトランス部の一次コイルに流れる電流を断続させている。
コイル本体上部10aに径方向外側に向かって形成されるコネクタ部12は、コイル本体上部10aと一体成形されるコネクタハウジング12aとこのコネクタハウジング12aにインサート成形される図示しないコネクタピンとから構成されている。このコネクタピンは前述した制御回路に電気的に接続されている。
【0013】
また、コイル本体上部10aと一体成形される固定用ブラケット11は、反コネクタ部12側に設けられており、この固定用ブラケット11には金属製のカラー21がインサート成形されている。そして、このカラー21を貫通しヘッドカバー2にねじ締結されるボルト4によって点火装置10がヘッドカバー2に固定される。
【0014】
一方、コイル本体下部10b内には、点火プラグ80に供給する高電圧を発生可能な図示しないトランス部が収容されている。このトランス部は、図示しない棒状の鉄心の周囲に位置する二次ボビンに巻付けられる二次コイルと、この二次コイルの周囲に位置する一次ボビンに巻付けられる一次コイルとから構成されており、高電圧を発生する二次コイルの一端側が図1に示す給電用スプリング17に電気的に接続されている。
【0015】
図1でコイル本体下部10bの下方に設けられる接続部10cは、点火プラグ80の電極部81側端部に嵌合し高電圧をシールする筒状のプラグキャップ13と、このプラグキャップ13内に収容される筒部19と、この筒部19内に収容され給電用スプリング17の周囲を覆うカップ15と、給電用スプリング17とから構成されている。したがって、プラグキャップ13の一端側内は、筒部19を収容可能な形状に形成されており、他端側内は点火プラグ80の電極部81側上端部を嵌入可能な形状に形成されている。
【0016】
シール部材としてのパッキン6は、前述したヘッドカバー2の孔部の上側内周壁2aと下側内周壁2bにそれぞれ密着可能な形状を有しており、連続する材料で一体的に成形された防水シール部とオイルシール部とから構成される。ヘッドカバー2の孔部は、図1で上側に小径孔が形成され、下側に大径孔が形成されている。そして、この孔部の上側内周壁2aを形成するフランジ部2cを径方向内側から外側に向かって包込むように断面コ字形状の環状にパッキン6の防水シール部が形成されている。
【0017】
パッキン6の防水シール部は、フランジ部2cと三方向の面、すなわち外周上壁6c、外周中壁6dおよび外周下壁6eとそれぞれ接している。またこの防水シール部の内周壁6bは、前述したプラグチューブ3の外周壁3bが密着可能な内径に形成されている。つまり、パッキン6の防水シール部の内径は、プラグチューブ3の外径より小径に形成されており、防水シール部にプラグチューブ3が挿入されたとき、防水シール部を径方向外側に押出すため、プラグチューブ3の外周壁3bと防水シール部内周壁6bとが密着する。このように、パッキン6の防水シール部を、断面コ字形状の環状に形成することによって、防水シール部がヘッドカバー2のフランジ部2cの図1で上面および下面を挟込むようにしてヘッドカバー2の孔部に嵌合するため、この孔部からパッキン6が脱落し難くなっている。
【0018】
パッキン6の防水シール部の下方には、ヘッドカバー2の下側内周壁2bと密着可能な外径を有するパッキン6のオイルシール部が形成されている。つまり、このオイルシール部の外径は、ヘッドカバー2の大径孔の内径より大径に形成されており、さらにオイルシール部の外周壁を径方向外側に付勢する金属製のリング8がオイルシール部内に埋込まれているため、この大径孔にパッキン6を嵌入させたときにオイルシール部の外周壁6gとヘッドカバー2の下側内周壁2bとを密着させている。また、パッキン6のオイルシール部の内径は、プラグチューブ3の外径より小径に形成されており、さらに径方向内側に縮径しようとするコイルばねがオイルシール部内に埋込まれている。そして、このコイルばねが埋込まれるオイルシール部の内側部分と前述したリング8が埋込まれる外側部分との間にはベローズ構造が設けられている。このように、プラグチューブ3の外周壁3bとパッキン6のオイルシール部の内周壁6fとを密着させ、さらにヘッドカバー2の下側内周壁2bとオイルシール部の外周壁6gとを密着させることにより、プラグチューブ3の外周壁3bとヘッドカバー2の下側内周壁2bとの間に形成される隙間を液密に塞ぎ、エンジン内空間1a内を流通するエンジンオイル等がこの隙間からエンジン外に漏れ出ないようにしている。
【0019】
また、エンジンヘッドカバー2の孔部の上側が小径孔に形成され下側が大径孔に形成されることにより、このそれぞれの孔部の内周壁に密着するように形成されるパッキン6をヘッドカバー2から外れ難くしている。つまり、小径孔と大径孔との間に形成される段部にパッキン6の外周下壁6eが接し、さらにこの外周下壁6eよりエンジンヘッド1側に金属製のリング8が埋込まれているため、ヘッドカバー2に装着されたパッキン6をヘッドカバー2の外側に向かって取外そうとしてもパッキン6の外周下壁6eがヘッドカバー2のフランジ部2cの下面に当接する。しかも、パッキン6に埋込まれたリング8もこの段部に当接するように移動することから、パッキン6の取外しをさらに困難にしている。したがって、プラグチューブ3のプラグホール3a内に装着された点火コイルを取外そうとしたとき、ヘッドカバー2に装着されたパッキン6が点火コイルとともに外れることがない。これにより、点火コイルの着脱を頻繁に行ってもパッキン6がヘッドカバーから脱落するのを防ぎ、エンジン内空間1aとエンジン外部の空間との連通を確実に遮断することができる。
【0020】
ここで、ヘッドカバー2の上側内周壁2a、プラグチューブ3の外周壁3bは、特許請求の範囲に記載の「開口側周縁」、「筒体の外周壁」にそれぞれ相当し、ヘッドカバー2の上側内周壁2aおよび下側内周壁2bは、特許請求の範囲に記載の「機関本体の内周壁」に相当する。
次に、エンジンに点火装置10を組付ける手順とエンジンに取付けられた点火コイルを取外す手順とを図1に基づいて説明する。
【0021】
(1) エンジンに点火装置10を組付ける手順
エンジンヘッド1にヘッドカバー2を組付ける前に、ヘッドカバー2にパッキン6を組付ける。パッキン6は、ヘッドカバー2の孔部の内径より大径に形成されていることから、パッキン6を径方向内側に押縮めるようにしながらこの孔部内にパッキン6を挿入する。そして、パッキン6の防水シール部がヘッドカバー2のフランジ部2cの上下面を包込むような位置にパッキン6を位置合わせした後、パッキン6が径方向に拡がるように解放すると、ヘッドカバー2の上側内周壁2aにパッキン6の外周中壁6dが密着し、下側内周壁2bにパッキン6のオイルシール部の外周壁6gが密着する。
【0022】
このようにしてパッキン6が取付けられたヘッドカバー2をエンジンヘッド1に固定する。このとき、エンジンヘッド1には既にプラグチューブ3が固定されているため、パッキン6内をプラグチューブ3が貫通するように位置合わせしながらエンジンヘッド1にヘッドカバー2を取付ける。すると、パッキン6のオイルシール部の内周壁6fがプラグチューブ3の挿入に伴い径方向外側に押拡げられながらプラグチューブ3の外周壁3bとオイルシール部の内周壁6fとが密着する。さらにこのオイルシール部内には、オイルシール部の内周壁6fが縮径するように径方向内側に付勢するコイルばねが埋込まれていることから、挿入されたプラグチューブ3の外周壁3bとオイルシール部の内周壁6fとの密着度をより高めている。
【0023】
パッキン6内にプラグチューブ3がさらに挿入され、プラグチューブ3の端部がパッキン6の上側に達すると、パッキン6の内周壁6bを径方向外側に押出すようにしてプラグチューブ3が挿入される。これにより、パッキン6の内周壁6bとプラグチューブ3の外周壁3bの表面とが密着することから、プラグチューブ3の外周壁3bの表面とパッキン6との接触をさらに液密にすることができる。
【0024】
このようにエンジンヘッド1にヘッドカバー2を取付けるとき、ヘッドカバー2の孔部内周壁とプラグチューブ3の外周壁3bとの間にパッキン6が介在することにより、エンジン内空間1aとエンジン外空間との連通をパッキン6により液密に遮断することができる。
プラグチューブ3のプラグホール3a内に点火プラグ80が取付けられた後、プラグホール3a内に点火コイルを挿入する。このとき、点火プラグ80の電極部81が給電用スプリング17を押縮め、点火コイルと点火プラグ80との電気的接続が確実に確保されるまで点火コイルのコイル本体下部10bをプラグホール3a内に押込む。これと同時に、コイル本体上部10aの下側端面10dには、先にヘッドカバー2に取付けられたパッキン6の上端面6aが当接する。
【0025】
そして、固定用ブラケット11にボルト4を通し、ヘッドカバー2に形成される雌ねじ部にボルト4を螺合させることにより点火コイルがエンジンに固定される。このとき、ボルト4を締めつけるに従い点火コイルがエンジンヘッド1側に向かって移動するため、点火コイルの下側端面10dとパッキン6の上端面6aとの密着度をより高め、エンジン外空間とプラグホール3a内空間との連通を液密に遮断することができる。
【0026】
上述したように、エンジンに点火装置10を組付けることにより、エンジン内空間1aとエンジン外空間との連通をパッキン6により液密に遮断することができ、さらにプラグホール3a内空間とエンジン外空間との連通を液密に遮断することができる。これにより、エンジンが被水したときにエンジン外からエンジン内またはプラグホール3a内に侵入しようとする水等をシールすることができる。なお、プラグホール3a内空間とエンジン外空間との間はパッキン6により防水されるが、別に設けた呼吸通路によって空気が通れるように連通される。
【0027】
(2) エンジンに組付けられた点火コイルを取外す手順
エンジンに組付けられた点火コイルは、ボルト4を緩めヘッドカバー2からボルト4を取外した後、プラグチューブ3のプラグホール3aから点火コイルを抜出すことにより行われる。このとき、ヘッドカバー2に取付けられているパッキン6は前述したようにシリンダヘッドカバー2の孔部の小径孔と大径孔とのあいだに形成される段部にパッキン6の外周下壁6eが当接し、またフランジ部2cを包込むようにしてパッキン6の防水シール部は形成されていることから、ヘッドカバー2からパッキン6が点火コイルとともに外れることがない。
【0028】
これにより、点火コイルよりエンジン側に位置する点火プラグ80を点検する場合等において、点火コイルを取外してもパッキン6がヘッドカバー2から脱落するのを防止するため、従来の点火コイルのようにパッキンがない状態で点火コイルを再装着することを回避できる。したがって、パッキンがない状態で点火コイルが取付けられた場合に生ずるプラグホール内への水の侵入により招くエンジン不調を防止できる。
【0029】
以上説明したように第1実施例によると、従来、点火コイル側に取付けられていたパッキンをヘッドカバー2側に取付け、かつヘッドカバー2のフランジ部2cの上下面を挟込むような断面コ字状の環状にパッキン6を形成したことから、点火コイルの脱着時においてパッキン6がヘッドカバー2から脱落するのを防止できる。またヘッドカバー2の孔部を構成する小径孔と大径孔とに合わせてパッキンの形状を形成したことから、小径孔と大径孔との間に形成される段部にパッキン6の外周下壁6eが当接し、パッキン6がヘッドカバー2の外側に移動することを阻止している。さらにパッキン6のオイルシール部内に金属製のリング8を埋込んだことから、このリング8によってもパッキン6のヘッドカバー2の外側への移動を阻止している。これらにより、プラグホール3aから点火コイルを外そうとしたときのパッキン6の脱落を回避できるため、点火コイルの着脱を頻繁に行ってもヘッドカバーからのパッキン6の脱落を防止できる。したがって、エンジン内空間1aとエンジン外部の空間との連通をパッキン6によって確実に遮断することができるため、エンジン外からプラグホール3a内に侵入する水等による点火プラグ80の点火不良を防止する効果がある。
【0030】
(第2実施例)
本発明の第2実施例による点火装置を図2に示す。
第1実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図2に示す第2実施例は、第1実施例で説明した防水シール部およびオイルシール部からなるパッキン6をパッキン36とオイルシール38とに分けて構成した例である。
【0031】
図2に示すように、パッキン36は、第1実施例で説明したパッキン6の防水シール部と同様の形状を有しており、フランジ部2cの上面および下面を外周上壁36c、外周中壁36dおよび外周下壁36eで挟込む断面コ字形状の環状に形成されている。そして、図1で上側にコイル本体上部10aの下側端面10dと当接可能な上端面36aを有している。これにより、パッキン36がヘッドカバー2のフランジ部2cの上下面を挟込むようにしてヘッドカバー2の孔部に嵌合するため、この孔部からのパッキン36の脱落を防止している。また、パッキン36にプラグチューブ3が挿入されたとき、プラグチューブ3の外壁3bがパッキン36を径方向外側に押出すため、プラグチューブ3の外周壁3bとパッキン36の内周壁36bとを密着させることができる。
【0032】
オイルシール38は、第1実施例で説明したパッキン6のオイルシール部と同様の形状を有しており、内部に埋込まれた金属製のリング8によって、オイルシール38の外周壁38bとヘッドカバー2の下側内周壁2bとを密着させている。また、オイルシール38の径方向内側内には、径方向内側に縮径しようとするコイルばねがオイルシール38内に埋込まれ、さらにこのコイルばねが埋込まれるオイルシール38の内側部分とリング8が埋込まれる外側部分との間にはベローズ構造が設けられている。これにより、プラグチューブ3の外周壁3bとオイルシール38の内周壁38aとを密着させ、さらにヘッドカバー2の下側内周壁2bとオイルシール38の外周壁38aとを密着させることから、プラグチューブ3の外周壁3bとヘッドカバー2の下側内周壁2bとの間に形成される隙間を液密に塞ぐことができる。
【0033】
第2実施例によると、ヘッドカバー2の孔部の内周壁とプラグチューブ3の外周壁3bとを液密にシールするシール部材をパッキン36とオイルシール38とに分けて構成したことから、高温のエンジンオイルに晒されやすいオイルシール38の材質を特殊な材料、例えばフッ素ゴムに設定した場合、このような特殊材料を要求されないパッキン36を低コストの材料に設定することができる。これにより、比較的高価な特殊材料をオイルシール38にだけ用いればよいことから、シール部材全体としてのコストの増大を抑制する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による点火装置をエンジンに組付けた状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施例による点火装置をエンジンに組付けた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 エンジンヘッド(機関本体)
2 ヘッドカバー (機関本体)
3 プラグチューブ(筒体)
3a プラグホール (凹部)
6 パッキン (シール部材)
10 点火コイル
10a コイル本体上部(一端部)
10b コイル本体下部
10c 接続部
80 点火プラグ
Claims (3)
- 機関本体に形成される凹部の開口から前記機関本体外にコイル本体上部を含む一端部が突出して前記凹部に収容される点火コイルと、
前記機関本体からの脱落が防止されるように前記機関本体に取付られるとともに、前記凹部の開口側周縁と前記一端部との間に位置し、前記点火コイルに対しては前記コイル本体上部の下端面のみに当接する環状のシール部材とを備えたことを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 前記凹部は、機関本体内に収容され、かつこの機関本体外に一端側が開口する筒体により形成され、
前記シール部材は、前記筒体と前記機関本体外との間にも介装されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点火装置。 - 凹部が形成された機関本体に点火コイルを組付ける方法であって、
環状のシール部材を前記凹部の開口側周縁に取付けた後、前記点火コイルをその一端部が前記機関本体外に突出するように前記凹部に挿入して前記凹部の開口側周縁と前記一端部との間に前記シール部材を位置させることを特徴とする点火コイルの組付方法。
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