JP3810111B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関(以下、「エンジン」という。)のシリンダヘッドに形成されるプラグホールに点火プラグが埋め込まれ、この点火プラグに直接給電する点火装置が知られている。この種の点火装置をエンジンに固定する方法として、プラグホールに挿入した点火装置の下端部を点火プラグに嵌合させた後、点火装置の上端部に設けられた取付座をエンジンにボルト締めするのが一般的である。そして、このようにしてエンジンに組付けられた点火装置には、この点火装置のボルト締めとは別個に、バッテリ電圧等を点火装置に供給する給電コネクタの接続が行われる。
【0003】
このような固定方法によりエンジンに点火コイルを組付ける例として、特開平3−59477号公報に開示される「エンジンの点火コイル取付装置」、特開平5−231174号公報に開示される「エンジン取付け部品の電気配線方法」がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平3−59477号公報に開示される「エンジンの点火コイル取付装置」では、プラグホールに挿入された点火コイルを上面から一枚の押えプレートにより押圧固定し、この押えプレートを締結ボルトによってエンジンに固定している。また特開平5−231174号公報に開示される「エンジン取付け部品の電気配線方法」では、プラグホールから露出するイグニッションコイルの上端部に取付座を設け、この取付座をエンジンにねじ締結しイグニッションコイルを固定している。
【0005】
つまり、前記2公報に記載されるいずれの点火装置の組付方法によっても、点火装置がエンジンから抜けるのを確実に防止するため、ボルト締めなどによりエンジンに点火装置を固定する必要がある。したがって、この種の点火装置のエンジンの組付けには、締結用のボルトとそのボルトを締付ける工数が必須になり、製品コストの増大を招いている。
【0006】
また、点火装置をエンジンにボルト締めするためには、ボルトによりエンジンに固定される部分、つまり取付座が点火装置の上部に必要となることから、プラグホールから露出する点火装置の上部の体格を大型化し搭載性の悪化を招くという問題を生ずる。
さらに、この取付座の形状は、エンジンの搭載上の制約からエンジン毎に異なることが多く、エンジンの種類に合わせて点火装置を新たに設計しなければならないという問題も生ずる。
【0007】
本発明の目的は、エンジンへの組付工数を削減する内燃機関用点火装置を提供することである。
本発明の別の目的は、エンジンへの搭載性を向上し、かつ外形の標準化を可能にする内燃機関用点火装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための本発明は、請求項1記載の手段を採用する。
この手段によると、点火コイルと機械的かつ電気的に結合し、シリンダヘッド又はプラグチューブの凹部からの点火コイルの抜けを防止するようにシリンダヘッド又はプラグチューブと係合するコネクタを備えることから、点火コイルにコネクタを結合するとコネクタを介してシリンダヘッド又はプラグチューブの凹部から抜け出ないように点火コイルを係合することができる。これにより、例えば締結用ボルト等を用いることなくしてエンジンに点火コイルを取付けることができる。したがって、締結用ボルト等を用いて点火コイルを取付ける場合と比較して組付工数を削減する効果がある。
【0009】
また、本発明は、諸求項2記載の手段を採用する。
この手段によると、点火コイルに結合するとともに、シリンダヘッド又はプラグチューブの凹部からの点火コイルの抜けを防止するようにシリンダヘッド又はプラグチューブに係合することから、点火コイルとシリンダヘッド又はプラグチューブとを点火コイル用電気コネクタを介して係合させることができる。これにより、例えば締結用ポルト等を用いることなくしてエンジンに点火コイルを取付けることができるため、締結用ボルト等を用いて点火コイルを取付ける場合と比較して組付工数を削減する効果がある。
【0010】
さらに、請求項1または2記載の手段を採用すると、点火コイルのエンジンへの組付には、締結用ボルト等を用いることがないため、締結用ボルトを支持する取付座等を点火コイルに形成する必要がない。したがって、点火コイルに取付座等を形成する場合と比較すると、エンジンへの搭載性を向上する効果がある。
さらにまた、請求項1または2記載の手段を採用すると、点火コイルに取付座等を形成する必要がないことから、点火コイルの外形の種類を減少させることができる。したがって、点火コイルの外形の標準化を可能にする効果がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例による内燃機関用点火装置を図1および図2に示す。
図1に示すように、内燃機関用点火装置(以下、「点火装置」という。)10は、コイル本体11、接続部12、図示しない制御回路部およびコネクタ部17から構成されている。
【0012】
コイル本体11は、例えば樹脂からなる外径より軸長が長い円筒状に形成されたハウジング内に点火プラグ80に供給する高電圧を発生可能な図示しないトランス部を内蔵している。このトランス部は、図示しない棒状の鉄心の周囲に位置する二次ボビンに巻付けられる二次コイルと、この二次コイルの周囲に位置する一次ボビンに巻付けられる一次コイルとから構成されており、高電圧が発生する二次コイルの一端側が図1に示す給電用スプリング16に電気的に接続されている。
【0013】
接続部12は、点火プラグ80の電極部81側端部に嵌合し高電圧をシールする筒状のゴムブーツ部15と、このゴムブーツ部15内に収容される嵌合部14と、この嵌合部14内に収容され給電用スプリング16の周囲を覆うキャップ13と、給電用スプリング16とから構成されている。したがって、ゴムブーツ部15の一端側内は、嵌合部14を収容可能な形状に形成されており、他端側内は点火プラグ80の電極部81側上端部を嵌入可能な形状に形成されている。
【0014】
図示しない制御回路部は、図1でコイル本体11の上部に設けられており、この制御回路部によってトランス部5の一次コイルに流れる電流を断続させている。
コネクタ部17は、コイル本体11の反接続部12側に位置しており、後述する給電コネクタ30をコイル本体11の径方向から接続可能に受電コネクタ18が形成されている。この受電コネクタ18は、前述した制御回路部に供給する電力を給電コネクタ30から受電するために設けられており、その内部には図示しない複数のターミナルがインサート成形等により設けられている。
【0015】
コイル本体11のコネクタ部17側に位置する周囲には、シール部材20が設けられており、このシール部材20によってコイル本体17がシリンダヘッド2のプラグホール2a内に収容されたとき、コイル本体11の外周壁とプラグホール2aの内周壁との間に形成される隙間をシールしている。つまり、筒状のシール部材20の一端側には前述した隙間より肉厚に形成される環状のリップ状シール部26が位置しており、他端側にはコイル本体11の上端部下面とシリンダヘッド2の上端面との間に挟込まれる環状のフランジ状シール部22が位置している。これにより、このシール部材20を取付けた点火装置10をプラグホール2a内に挿入したとき、リップ状シール部26がコイル本体11の外周壁とプラグホール2aの内周壁との間に形成される隙間を径方向にシールし、コイル本体11の上端部下面とエンジンヘッド2の上端面との間に形成される隙間をフランジ状シール部22により軸方向にシールすることができる。さらに、フランジ状シール部22の径方向外側に形成される断面L字状のシール部によってシリンダヘッド2の外部から被水した場合等の水の侵入を防止することができる。
【0016】
次に、コネクタ部17の受電コネクタ18に接続される給電コネクタ30の構成を図1に基づいて説明する。
【0017】
給電コネクタ30は、前述した受電コネクタ18が嵌入可能な凹部31を有しており、この凹部31内には受電コネクタ18の図示しないターミナルに電気的に接続可能な図示しない複数のターミナルがインサート成形等により設けられている。そして、この給電コネクタ30のターミナルは、給電コネクタ30に取付けられるハーネス37と電気的に接続されている。
【0018】
また、図1で給電コネクタ30の下方にはフック部34が形成されており、このフック部34内にはフック孔32が形成されている。このように給電コネクタ30にフック部34が形成されるのは、図1に示すようにシリンダヘッド2に形成されるL字金具4をフック孔32に挿入するためである。そして、このフック部34は、プラグホール2a内に挿入された点火コイル10の受電コネクタ18に給電コネクタ30を接続したとき、フック孔32にL字金具4を挿入可能な位置に形成されている。
【0019】
フック孔32に挿入可能なL字金具4は、例えばシリンダヘッド2に圧入固定されており、フック孔32内に形成される図示しない凸部が嵌入可能な図示しない孔部を有している。これにより、挿入されたL字金具4がフック孔32から容易に抜け出ないようにしている。
このように給電コネクタ30の下方にフック部34を形成し、このフック部34に挿入可能なL字金具4をシリンダヘッド2に形成することによって、プラグホール2a内に挿入された点火装置10の受電コネクタ18に給電コネクタ30を取付けるとき、この給電コネクタ30がL字金具4によってシリンダヘッド2に係止される。すると、受電コネクタ18に給電コネクタ30を接続すると同時に給電コネクタ30がシリンダヘッド2に固定されることから、点火装置10の軸方向移動が阻止されシリンダヘッド2に点火装置10を固定することができる。したがって、コイル本体11の上部に従来必要としていた取付座等を設けることなくして、シリンダヘッド2に点火装置10を固定することができ、締結用のボルト等を不要にする効果がある。
【0020】
なお、本実施例では、シリンダヘッド2にL字金具4を形成し、給電コネクタ30にフック部34を形成したが、本発明では、これに限られることはなく、シリンダヘッドにコネクタとしての給電コネクタが係合可能であれば、例えばシリンダヘッドまたはコネクタのいずれか一方に係合部や嵌合部を設け、残りの他方に被係合部や被嵌合部を設けても良い。これにより、前述同様の効果が得られる。
【0021】
次に、シリンダヘッド2に設けられるL字金具4および給電コネクタ30のフック部34の変形例を図2に基づいて説明する。
図2に示すように、シリンダヘッド2に設けられるL字金具5は、前述したL字金具4よりシリンダヘッド2の上端面から離れる方向に斜めに所定角をもって形成されている。また、給電コネクタ30のフック部36には、このL字金具5の所定角に合わせた角度にフック孔35が形成されている。
【0022】
このようにL字金具5とフック部36とを形成することにより、点火装置10の受電コネクタ18に給電コネクタ30を接続するとき、シリンダヘッド2の斜め上方から受電コネクタ18に給電コネクタ30を接近させることができる。つまり、給電コネクタ30の下端面をシリンダヘッド2の上端面と平行にしながら給電コネクタ30を受電コネクタ18に接近させる必要がなく、シリンダヘッド2の上端面に所定角をもって形成されるL字金具5の仮想延長線上から給電コネクタ30をL字金具5および受電コネクタ18に接近させることができる。これにより、受電コネクタ18への給電コネクタ30の取付けが容易となるため、組付時の作業性を向上する効果がある。
【0023】
また、フック部35にL字金具5を挿入するに従い給電コネクタ30がシリンダヘッド5に近づくため、受電コネクタ18を介して点火装置10を下方、すなわちプラグホール2a内に点火装置10を押入れることができる。これにより、点火装置10の上下のがたつきを減少させる効果がある。さらにコイル本体11の上端部下面とシリンダヘッド2の上端面との間に位置するシール部材20のフランジ状シール部22をシリンダヘッド2側に押付けるため、シール性をより向上させる効果がある。
【0024】
次に、シリンダヘッド2に点火装置10を組付ける手順を図1に基づいて説明する。
予め点火プラグ80が組付けられたプラグホール2a内に点火装置10を挿入する。このとき、点火プラグ80の電極部81が給電用スプリング16を押し縮め、点火装置10と点火プラグ30との電気的接続が確実に確保されるまで点火装置10のコイル本体11をプラグホール内に押し込む。これと同時に、コイル本体11の上端部周囲には、シール部材20のリップ状シール部26が位置することから、このリップ状シール部26がコイル本体11の外周壁とプラグホール2aの内周壁との間に詰込まれコイル本体11の周囲が液密にシールされる。またこのとき、コイル本体11の上部下面とシリンダヘッド2の上端面との間にはシール部材20のフランジ状シール部22が位置することから、コイル本体11の上部下面とシリンダヘッド2の上端面との間を液密にシールすることができる。これにより、シリンダヘッド2の外部から侵入する水等をシール部材11のフランジ状シール部22とリップ状シール部26とによりシールする。
【0025】
このようにしてプラグホール2a内に点火装置10が組付けられた後、受電コネクタ18に給電コネクタ30が接続される。このとき、給電コネクタ30のフック部34には前述したシリンダヘッド2のL字金具4が挿入されることから、給電コネクタ30がシリンダヘッド2に固定されると同時に給電コネクタ30に接続される受電コネクタ18がシリンダヘッド2に固定される。つまり、点火装置10の受電コネクタ18に給電コネクタ30を接続することによって給電コネクタ30がシリンダヘッド2に固定されることから、点火装置10は軸方向の移動が阻止されプラグホール2aから抜け出ることができなくなりシリンダヘッド2に固定される。このように点火装置10の受電コネクタ18に給電コネクタ30が接続されることにより、給電コネクタ30のハーネス37から供給される電力が受電コネクタ18を介して図示しない制御回路部に供給可能になる。
【0026】
以上説明したように、第1実施例によると、点火装置10の受電コネクタ18に接続される給電コネクタ30にフック部34を設け、このフック部34に挿入可能なL字金具4をシリンダヘッド2の上端に設けることによって、受電コネクタ18に給電コネクタ30を接続すると同時にシリンダヘッド2のL字金具4に給電コネクタ30のフック部34を係止することができる。これにより、給電コネクタ30がシリンダヘッド2に固定されるとともに、この固定された給電コネクタ30が点火装置10の受電コネクタ18に接続されるためプラグホール2aに挿入された点火装置10の軸方向の移動を阻止することができる。つまり、シリンダヘッド2のプラグホール2a内に挿入された点火装置10を締結用ボルト等を用いることなくして、点火装置10がプラグホール2aから抜け出るのを防止することができる。したがって、締結用ボルト等が不必要になるため、部品点数を削減し、またこのボルト締めに要していた工数を削減する効果がある。
【0027】
また、第1実施例によると、シリンダヘッド2に点火装置10をねじ締結するボルトが不要になることから、従来のように点火装置10に取付座等を設ける必要がない。これにより、プラグホール2aから露出する点火装置10の上部に取付座等を設ける必要がないため、点火装置10の上部から見た投影面積を小さくできる。したがって、この投影面積が大きくなることによって生ずる搭載上の制約を少なくする効果がある。
【0028】
さらに、例えば点火装置10に取付座を設けた場合、エンジンの形状毎に異なった取付座を有する点火装置を多種類用意する必要があったが、第1実施例によると、上述したように取付座を必要としない。これにより、シリンダヘッドの形状の種類に合わせて点火装置10を多種類用意する必要がないため、エンジンの種類によって増加傾向にある点火装置10の種類を抑制することができる。したがって、点火装置10の外形の標準化を可能にする効果がある。
【0029】
(第2実施例)
本発明の第2実施例による点火装置を図3に示す。
第1実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図3に示す第2実施例は、プラグチューブ3の開口側上端にねじ締結される金具43の係止部43bに給電コネクタを係止し、プラグチューブ3に挿入された点火装置10をシリンダヘッド2に固定する例である。
【0030】
シリンダヘッド2に挿入され固定されている筒状のプラグチューブ3は、内部にプラグホールを形成しており、このプラグホール内に図示しない点火プラグと点火装置10のコイル本体11が収容されている。そして、このプラグチューブ3は、シリンダヘッド2の上端面より突出する程度の軸方向長さを有し、この突出部分に相当するプラグチューブ3の開口側上端周囲には雄ねじ部3aが形成されている。
【0031】
環状の金具43の内周には、前述したプラグチューブ3の雄ねじ部3aに螺合可能な雌ねじ部43aが形成されており、この雌ねじ部43aによってプラグチューブ3の上端部に金具43がねじ締結される。またこの金具43の所定位置には径方向外側に延びる板状の係止部43bが形成されており、この係止部43bが、第1実施例で説明したシリンダヘッド2のL字金具4の役割を果たす。つまり、係止部43bによって図1に示す給電コネクタ30のフック部34を係止することができる。
【0032】
プラグチューブ3内に挿入される点火コイル10の上端部と金具43との間には環状のシール部材41が挟込まれている。このように点火装置10の上端部と金具43との間にシール部材41を介在させることによってシリンダヘッド2が被水等しても、外部からプラグチューブ3内に水等が侵入するのを防止する。
【0033】
第2実施例によると、給電コネクタのフック部に挿入可能な係止部43bをプラグチューブ3の上端部にねじ締結することによって、第1実施例と同様、受電コネクタ18に給電コネクタを接続すると同時に給電コネクタをシリンダヘッド2に固定されたプラグチューブ3に組付固定することができる。これにより、プラグチューブ3内に収容されている点火装置10をシリンダヘッド2に固定することができる。このようにプラグチューブ3の固定のためにねじ固定される金具43に係止部43を付加するだけで、シリンダヘッド2にL字状の金具等を設けることなくして点火装置10をシリンダヘッド2に容易に固定することができる。したがって、プラグチューブ3を用いるエンジンにおいては、シリンダヘッド2にL字金具等を設ける等の加工を施すことなくシリンダヘッド2から突出するプラグチューブ8の上端にある金具43に突起を設けることで給電コネクタを容易に係止し点火装置10をシリンダヘッド2に固定できる。
【0034】
(第3実施例)
本発明の第3実施例による点火装置を図4に示す。
第1実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図4に示す第3実施例は、シリンダヘッド2にフック部6を設け、このフック部6に給電コネクタ50に形成されたL字部52を係止し、プラグホール2aに挿入された点火装置10をシリンダヘッド2に固定する例である。
【0035】
シリンダヘッド2の上端にはフック孔6aを有するフック部6が形成されている。このフック部6が第1実施例で説明した図1の給電コネクタ30のフック部34と同様の機能を有し、L字状の部材を挿入可能に形成されている。第1実施例と第3実施例とを比較すると、第1実施例では、給電コネクタ30に形成されたフック部34にシリンダヘッド2のL字金具4を挿入していたが、本第3実施例では、シリンダヘッド2に形成されるフック部6に給電コネクタ50のL字部52を挿入する構成を採っている。つまり、第1実施例のシリンダヘッド2に形成されていたL字状の部材を給電コネクタ50に設け、給電コネクタ30に形成されていたフック部をシリンダヘッド2に設けている。
【0036】
給電コネクタ50の下方にはL字状のL字部52が形成されている。このL字部52は前述したようにシリンダヘッド2のフック部6のフック孔6aに挿入可能に形成されている。
ここで、給電コネクタ50は、特許請求の範囲に記載の「コネクタ」および「点火コイル用コネクタ」に相当する。
【0037】
第3実施例によると、点火装置10の受電コネクタ18に給電コネクタ50を接続するとき、給電コネクタ50のL字部52がシリンダヘッド2のフック部6に係止されるためシリンダヘッド2に給電コネクタ50が固定される。これにより、給電コネクタ50に接続される受電コネクタ18を有する点火装置10もシリンダヘッド2に固定されるため、プラグホール2aから点火装置10が抜け出るのを防止することができる。したがって、第1実施例と同様、締結用ボルト等を用いることなくして、シリンダヘッド2に点火装置10が固定されるため、締結用ボルト等の削減に伴う製品コストの低減を可能にする効果がある。
【0038】
(第4実施例)
本発明の第4実施例による点火装置を図5〜図8に示す。
第1実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
図5〜図8に示す第4実施例は、プラグチューブ8の上端に形成される環状のフランジ部8aに給電コネクタ60に形成される挟持部64を係止して給電コネクタ60と点火装置10とをシリンダヘッド2に固定する例である。
【0039】
図5に示すように、シリンダヘッド2に挿入され固定されているプラグチューブ8の開口側上端には段部8cが形成されるように大径のフランジ部8aが環状に形成されている。そして、このプラグチューブ8の軸方向長さは、シリンダヘッド2の上端面よりフランジ部8aが突出しかつ段部8cとシリンダヘッド2の上端面との間に後述する給電コネクタ60の板状の挟持部64を挿入できる程度の値に設定されている。これにより、プラグチューブ8は、給電コネクタ60の挟持部64の厚さにフランジ部8aの軸方向長さを加えた長さ分だけシリンダヘッド2の上端面より突出している。このようにシリンダヘッド2から突出したプラグチューブ8のプラグホール8b内には点火装置10のコイル本体11がシール部材20を介して挿入されている。
【0040】
給電コネクタ60は、図5で下方に挟持部64を支持可能に支持部62が形成されている。挟持部64は、図6に示すようにコ字形状に形成されており、前述したプラグチューブ8のフランジ部8aの外径より僅かに小さな距離で挟持部64の一端側と他端側とが離れて位置するように形成されている。
図7および図8に示すように、このように形成された挟持部64一端側と他端側とによってシリンダヘッド2から突出しているプラグチューブ8の外周を挟込む。すると、プラグチューブ8の上端には大径のフランジ部8aにより形成される段部8cが位置していることから、この段部8cによって、給電コネクタ60の挟持部64がシリンダヘッド2から軸方向に離れる移動を阻止される。したがって、点火装置10の受電コネクタ18に給電コネクタ60を接続すると同時にこの挟持部64がプラグチューブ8の外周を挟持すると、受電コネクタ60の軸方向移動を妨げるフランジ部8aによって給電コネクタ60がシリンダヘッド2に固定される。またこれと同時に点火装置10のプラグホール8bから抜け出ようとする軸方向移動も、点火装置10の受電コネクタ18が給電コネクタ60に接続されていることから、フランジ部8aによって阻止される。
【0041】
ここで、プラグホール8bは、特許請求の範囲に記載の「凹部」に相当する。また給電コネクタ60および挟持部64は、ともに特許請求の範囲に記載の「コネクタ」および「点火コイル用コネクタ」に相当する。
第4実施例によると、シリンダヘッド2から突出するプラグチューブ8の上端にフランジ部8aを形成することにより、受電コネクタ18に接続される給電コネクタ60の挟持部64の軸方向移動を阻止することができる。このため、受電コネクタ18に給電コネクタ60を接続すると同時に、点火装置10のプラグホール8bから抜け出ようとする軸方向移動を阻止することができる。これにより、点火装置10に取付座等を設けることなくして容易にシリンダヘッド2に点火装置10を固定することができる。したがって、締結用ボルト等を用いることなくして、シリンダヘッド2に点火装置10が固定されるため、締結用ボルト等の削減に伴う製品コストの低減を可能にする効果がある。
【0042】
(第5実施例)
本発明の第5実施例による点火装置を図9に示す。
第1実施例と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付す。
図9に示す第5実施例は、点火装置10に電力を供給する給電コネクタ70を点火装置10の軸方向から受電コネクタ19に接続するとともに給電コネクタ70をシリンダヘッド2に係止し、プラグホール2aに挿入された点火装置10をシリンダヘッド2に固定する例である。
【0043】
図9に示すように、点火装置10の図9で上方には、径方向外側に一旦延びた後、反点火プラグ側軸方向に延びる受電コネクタ19が点火装置10の上部径方向両端に形成されている。この受電コネクタ19の内部には点火装置10内に収容される図示しない制御回路部に電気的に接続される図示しないターミナルが複数本それぞれ収容されている。
【0044】
点火装置10の上端の2箇所に形成される受電コネクタ19にそれぞれ嵌合可能な凹部72が給電コネクタ70に形成されている。すなわち、給電コネクタ70は、図10に示すような側面コ字形状に形成されることにより受電コネクタ19に接続可能な凹部72を2箇所に形成している。この凹部72の内部にはハーネス77と電気的に接続されているターミナルが複数本それぞれ収容されている。また給電コネクタ70の形状は、点火コイル10の上端部に形成され径方向両側に受電コネクタ19を有している円柱形状部を軸方向から挟込むようにしながら凹部72に受電コネクタ19を接続可能な形状に形成されている。
【0045】
また、給電コネクタ70の凹部72に受電コネクタ19を接続したとき、シリンダヘッド2側に向かって延びる係止部74が給電コネクタ70に2箇所形成されている。この係止部74の先端部には突起部76が形成されており、この突起部76がシリンダヘッド2に形成されるフック部6のフック孔6aに嵌入可能に形成されている。
【0046】
ここに、シリンダヘッド2に形成されるフック部6は、前述した第3実施例のフック部と同様の構成を有しており、図9に示すように給電コネクタ70の図9で左右から下方に延びる係止部74の位置に対応してシリンダヘッド2に形成されている。
ここで、受電コネクタ19は、特許請求の範囲に記載の「点火コイル」に相当する。また給電コネクタ70および係止部74は、ともに特許請求の範囲に記載の「コネクタ」および「点火コイル用コネクタ」に相当する。
【0047】
このように点火装置10と給電コネクタ70とを構成することにより、点火装置10の上端軸方向から点火装置10に給電コネクタ70を覆い被せるようにしながら受電コネクタ19に給電コネクタ70を接続することができる。そして、受電コネクタ19に給電コネクタ70を接続するとき、給電コネクタ70の係止部74がシリンダヘッド2のフック部6に係止されることから、プラグホール2aから抜け出ようとする点火装置10の軸方向の移動を阻止することができる。これにより、締結用ボルト等を用いることなくして、シリンダヘッド2に点火装置10が固定される。したがって、締結用ボルト等の削減に伴う製品コストの低減を可能にする効果がある。
【0048】
また、第5実施例によると、前述した第1実施例〜第4実施例の場合と比較すると、給電コネクタ70が点火装置10の径方向から接続されるのではなく、軸方向から給電コネクタ70が受電コネクタ19に接続されるため、点火装置10の上部からシリンダヘッド2を見た場合の投影面積を小さくすることができる。したがって、点火装置10のシリンダヘッド2への搭載性をさらに向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による点火装置をシリンダヘッドに組付けた状態を示す縦断面図である。
【図2】第1実施例による点火装置の変形例を示す要部縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施例による点火装置の要部縦断面図である。
【図4】本発明の第3実施例による点火装置の要部縦断面図である。
【図5】本発明の第4実施例による点火装置の要部縦断面図である。
【図6】図5に示すVI方向矢視図である。
【図7】第4実施例による点火装置の要部平面図である。
【図8】図7に示すVIII−VIII線断面図である。
【図9】本発明の第5実施例による点火装置の要部縦断面図である。
【符号の説明】
2 シリンダヘッド(機関本体)
2a プラグホール (凹部)
3 プラグチューブ(機関本体)
4、5 L字金具 (機関本体)
6 フック部 (機関本体)
8 プラグチューブ(機関本体)
8a フランジ部 (機関本体)
8b プラグホール (凹部)
10 点火装置
11 コイル本体 (点火コイル)
18、19 受電コネクタ (点火コイル)
30、50、60、70給電コネクタ (コネクタ、点火コイル用コネクタ)
34、36 フック部 (コネクタ、点火コイル用コネクタ)
43 金具 (機関本体)
64 挟持部 (コネクタ、点火コイル用コネクタ)
74 係止部 (コネクタ、点火コイル用コネクタ)
Claims (2)
- シリンダヘッド又はプラグチューブの凹部に収容可能な点火コイルと、
前記点火コイルと機械的かつ電気的に結合するとともに、前記凹部からの前記点火コイルの抜けを防止するように、前記シリンダヘッド又はプラグチューブに設けられた係合部や嵌合部と係合する被係合部や被嵌合部を有するか、又は、前記シリンダヘッド又はプラグチューブに設けられた被係合部や被嵌合部と係合する係合部や嵌合部を有するコネクタと、
を備えることを特徴とする内燃機関用点火装置。 - シリンダヘッド又はプラグチューブの凹部に収容可能な点火コイルに電力供給可能な点火コイル用電気コネクタであって、
前記点火コイルに結合するとともに、前記凹部からの前記点火コイルの抜けを防止するように、前記シリンダヘッド又はプラグチューブに設けられた係合部や嵌合部と係合する被係合部や被嵌合部を有するか、又は、前記シリンダヘッド又はプラグチューブに設けられた被係合部や被嵌合部と係合する係合部や嵌合部を有することを特徴とする点火コイル用電気コネクタ。
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