JP2002124362A - 圧力センサ内蔵点火プラグ - Google Patents

圧力センサ内蔵点火プラグ

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JP2002124362A
JP2002124362A JP2000319288A JP2000319288A JP2002124362A JP 2002124362 A JP2002124362 A JP 2002124362A JP 2000319288 A JP2000319288 A JP 2000319288A JP 2000319288 A JP2000319288 A JP 2000319288A JP 2002124362 A JP2002124362 A JP 2002124362A
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pressure sensor
fixing member
groove
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JP2000319288A
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Inventor
Koji Okazaki
浩二 岡崎
Masayoshi Matsui
正好 松井
Takahiro Suzuki
隆博 鈴木
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L23/00Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid
    • G01L23/22Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid for detecting or indicating knocks in internal-combustion engines; Units comprising pressure-sensitive members combined with ignitors for firing internal-combustion engines

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリットが無い通常のプラグレンチが嵌合可
能な締め付け部を備えると共に、出力ケーブルの引き抜
き強度が高く、出力ケーブルの固定作業が容易である圧
力センサ内蔵点火プラグを提供する。 【解決手段】 実施例の圧力センサ内蔵点火プラグは、
六角部17aの側面に出力ケーブル27を配設するため
の溝部17eが設けられている。そして、U字型の部材
を曲げ加工して筒状に変形させた固定部材31と、固定
部材31に挿通された出力ケーブル27とを溝部17e
に配置した後、固定部材31を図5(a)に示す矢印の
方向に加締めることで、溝部17eの内面に沿うように
固定部材31を変形させる。これにより、出力ケーブル
27は固定部材31によって挟持され、固定部材31は
六角部17aの溝部17eに挟持されることから、結果
的に、出力ケーブル27は、六角部17aに固定され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に装着さ
れて火花放電を発生すると共に、筒内圧を検出するため
の圧電素子が内蔵されている圧力センサ内蔵点火プラグ
に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に装着されて混合気を燃焼させ
るために火花放電を発生する点火プラグにおいて、圧力
センサを内蔵することにより筒内圧に基づく圧力に応じ
た電気信号を出力するよう構成された圧力センサ内蔵点
火プラグが知られている。
【0003】ここで、従来の圧力センサ内蔵点火プラグ
の一例を、図6に示す。図6(a)に示す圧力センサ内
蔵点火プラグ101は、内燃機関に装着するための略円
筒形状の主体金具17と、中心軸が主体金具17の中心
軸と同一方向となるように主体金具17に保持される略
円筒状の絶縁部15と、絶縁部15における中心軸方向
端部のうちの一端に設けられて点火用高電圧を受電する
受電端子13と、絶縁部15における中心軸方向端部の
うちの受電端子13とは反対側の端部に設けられると共
に、絶縁部15の内部を通じて受電端子13と電気的に
接続される中心電極19と、主体金具17における中心
軸方向端部のうち、中心電極19が備えられる絶縁部1
5の端部と同じ側の端部に設けられた接地電極21と、
を備えている。
【0004】また、主体金具17には、主体金具17に
おける中心軸方向の中央部分に径方向に膨出した鍔部1
7bが形成されている。そして、この鍔部17bは、受
電端子13に近い部位に形成されて締め付け工具と嵌合
するための六角部17aと、筒内圧に基づく圧力に応じ
た電気信号を出力する圧電素子(図6では図示省略)を
収容するセンサケース29とを備えている。そして、セ
ンサケース29の底部は、内燃機関への装着時にシリン
ダヘッドに当接する取付座部17gとなる。
【0005】そして、圧力センサ内蔵点火プラグ101
には、主体金具17に設けられた圧電素子から出力され
る電気信号を外部機器に出力するための出力ケーブル2
7が備えられている。この出力ケーブル27は、六角部
17aの側面に固定される金属パイプ35に挿通されて
おり、この金属パイプ35に固定されることで六角部1
7aに固定されて、圧力センサ内蔵点火プラグ101か
ら導出される。
【0006】そして、圧力センサ内蔵点火プラグ101
は、主体金具17における鍔部17bよりも接地電極2
1に近い部位に設けられた螺合溝17cにより、内燃機
関のシリンダヘッドに装着される。しかし、圧力センサ
内蔵点火プラグ101を上方向(図6(a)における矢
印B方向)から見た図6(b)に示すように、金属パイ
プ35が固定される位置が六角部17aの側面となるた
め、六角部17aには通常のプラグレンチを嵌合させる
ことができない。このため、この圧力センサ内蔵点火プ
ラグ101を内燃機関のシリンダヘッドに装着する場合
には、金属パイプ35に対応する部分にスリットが設け
られた専用のプラグレンチを使用する必要がある。
【0007】そして、このようなスリットが設けられた
プラグレンチを使用するにあたり、六角部17aとの嵌
合が不完全であり、かつ出力ケーブル27がスリットに
掛かった状態で、締め付けあるいは取り外し作業を行う
と、出力ケーブル27が損傷する虞があり、場合によっ
ては出力ケーブル27を引き抜いてしまう虞がある。
【0008】こうした問題に対して、実開昭60−13
8292号公報に記載の圧力センサ内蔵点火プラグが提
案されており、この圧力センサ内蔵点火プラグは、六角
部に設けられた貫通孔に出力ケーブルを挿通するよう構
成されている。つまり、六角部の上端面(受電端子側の
面)から出力ケーブルを導出することで、六角部の断面
形状を、通常のプラグレンチが嵌合可能な六角形に維持
することができ、通常のプラグレンチを用いて締め付け
あるいは取り外し作業を行うことが可能となる。
【0009】これにより、プラグレンチのスリットに出
力ケーブルが掛かることが無くなり、誤って出力ケーブ
ルを損傷することや引き抜いてしまうことを防止でき
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報(実
開昭60−138292号)に記載の圧力センサ内蔵点
火プラグは、出力ケーブルと六角部の貫通孔との間に耐
熱性樹脂を充填することで出力ケーブルを貫通孔に固定
する構成であり、出力ケーブルの引き抜き強度が十分で
はないという問題がある。
【0011】この問題に対して、上記公報において、貫
通孔の内面を粗面状態に加工することで、引き抜き強度
を向上させる態様について記載されているが、この場合
には、出力ケーブルを固定するための作業工数が多くな
るという問題が生じることになる。
【0012】そこで、本発明は、こうした問題に鑑みな
されたものであり、スリットが無い通常のプラグレンチ
が嵌合可能な締め付け部を備えると共に、出力ケーブル
の引き抜き強度が高く、出力ケーブルの固定作業が容易
である圧力センサ内蔵点火プラグを提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1記載の発明は、中央部に径方向に
膨出する鍔部をもつ略円筒形状の主体金具を備え、この
鍔部には、内燃機関への装着時にシリンダヘッドに当接
する取付座部と、この取付座部から離れた部位において
締め付け工具と嵌合するために頂部を有する断面形状に
形成された締め付け部と、が形成された点火プラグ本体
と、主体金具に設けられて、内燃機関の筒内圧に基づく
圧力に応じた電気信号を発生する圧電素子と、この圧電
素子にて発生した電気信号を外部に出力するための出力
ケーブルと、を備えた圧力センサ内蔵点火プラグであっ
て、締め付け部の頂部には、出力ケーブルを配設するた
めのケーブル配設部を備え、出力ケーブルは、ケーブル
配設部に配設されて、ケーブル配設部の周囲の締め付け
部を加締めることで固定されることを特徴とする。
【0014】つまり、本発明の圧力センサ内蔵点火プラ
グにおいては、出力ケーブルをケーブル配設部に配設し
たあと、加締めによってケーブル配設部の周囲における
締め付け部の形状を変形させ、締め付け部が出力ケーブ
ルを挟持することにより、出力ケーブルが固定されてい
る。
【0015】このように加締めにより固定する構造であ
れば、耐熱性樹脂等を充填することで出力ケーブルを締
め付け部に固定する場合に比べて作業工数が少なくなる
ことから、出力ケーブルの固定作業を簡略化することが
できる。また、加締めにより出力ケーブルを固定するた
め、出力ケーブルに対して引き抜き方向の外力が印加さ
れた場合に、引き抜きに耐えられる強度(引き抜き強
度)が大きくなる。
【0016】ここで、締め付け部における頂部を有する
断面形状としては、中心軸を中心として点火プラグを回
転させる際に、嵌合した締め付け工具(プラグレンチな
ど)が滑ることがない形状である必要があり、例えば、
六角形や五角形などの多角形が挙げられ、頂部とは多角
形の頂点部分のことである。
【0017】そして、締め付け部の表面のうち受電端子
側の面における、多角形の辺から絶縁部までの距離に関
しては、多角形の辺の中央部分から絶縁部までの距離よ
りも多角形の頂部から絶縁部までの距離の方が長くな
る。このことから、多角形の頂部については、ケーブル
配設部として使用可能な面積を大きく確保することがで
きる。そして、本発明の圧力センサ内蔵点火プラグで
は、ケーブル配設部が多角部の頂部に備えられることか
ら、出力ケーブルを配置するための領域を大きく確保で
きることとなる。このため、締め付け部の頂部に出力ケ
ーブルを配設することで、締め付け部の外部に出力ケー
ブルが配置されることがなくなり、よって、締め付け部
の断面形状を通常のプラグレンチが嵌合可能な形状に維
持することができる。
【0018】したがって、本発明(請求項1)によれ
ば、加締めにより出力ケーブルを固定することから、作
業工数を少なくできるため出力ケーブルの固定作業を簡
略化することができ、また、引き抜き強度を十分に確保
することができる。また、ケーブル配設部が締め付け部
の頂部に備えられることから、締め付け部の断面形状を
通常のプラグレンチが嵌合可能な形状に維持することが
できる。これにより通常のプラグレンチを嵌合させるこ
とができることから、スリットが備えられたプラグレン
チを用いる必要が無くなり、誤って出力ケーブルを引き
抜いてしまうのを防ぐことができる。
【0019】なお、ケーブル配設部については、例え
ば、受電端子側の面から取付座部側の面にかけて締め付
け部の内部を貫通する貫通孔として形成してもよく、あ
るいは、締め付け部の表面のうちプラグレンチの内面と
当接する側面において、受電端子側の面から取付座部側
の面にかけて形成された溝部として備えても良い。
【0020】ここで、出力ケーブルは、一般に、導電性
材料からなる芯線と、その周囲を覆う絶縁性材料からな
る被覆部とで形成されており、圧電素子にて発生する電
気信号は、芯線を通じて外部に出力される。また、出力
ケーブルとしては、芯線に流れる電気信号に対する外部
ノイズの影響を抑えるために、周囲を導電性材料からな
るシールド材で被覆された出力ケーブルが知られてい
る。このシールド材は、導電性材料から形成されてグラ
ンド(アース)に電気的に接続されることで、内部に配
置される芯線に外部ノイズが重畳するのを防止するもの
であることから、確実にグランドと電気的に接続する必
要がある。
【0021】そして、シールド材をグランドと接続する
ためには、例えば、出力ケーブルにおける圧電素子とは
反対側の端部に設けられるコネクタを介して、シールド
材とグランドとを接続する配線を設ける方法がある。し
かし、このような方法で、シールド材とグランドとを接
続する場合、コネクタの形状が複雑になり、また、コネ
クタからグランドまでの配線を設ける作業が必要となる
ため、作業工数が増加するという問題がある。
【0022】一方、圧力センサ内蔵点火プラグの主体金
具は、点火用高電圧の通電経路を形成するために導電性
材料で形成されると共に、内燃機関への装着時にはグラ
ンドに接地されていることから、シールド材を主体金具
の締め付け部に接触させることで、シールド材をグラン
ドに電気的に接続することができる。
【0023】そこで、上記(請求項1)の圧力センサ内
蔵点火プラグにおいて、外部ノイズの影響を抑えるため
のシールド材にて周囲を被覆された出力ケーブルを用い
る場合には、請求項2に記載のように、シールド材と締
め付け部とが接触することにより、シールド材が締め付
け部を介して接地されるとよい。
【0024】つまり、加締めにより締め付け部を変形さ
せることで出力ケーブルを締め付け部に固定するのと同
時に、シールド材と締め付け部とを接触させることでシ
ールド材と締め付け部との電気的な接続を図るのであ
る。そして、この圧力センサ内蔵点火プラグを、内燃機
関に装着した場合には、主体金具がグランドに電気的に
接続され、これにより、シールド材がグランドに接続さ
れることになる。
【0025】よって、本発明(請求項2)によれば、加
締め作業を行うことで、出力ケーブルを固定することが
できると同時に、シールド材をグランドに接続するため
の配線を形成することができるため、シールド材をグラ
ンドに接続するための配線作業を別途行う必要が無くな
り、作業工数を削減することができる。
【0026】ところで、ケーブル配設部を貫通孔として
形成する場合、貫通孔の断面積を出力ケーブルの断面積
に応じた大きさとすることにより、加締めにより締め付
け部を変形させることで出力ケーブルを挟持することは
比較的容易である。しかし、ケーブル配設部を溝状に形
成する場合、締め付け部に単に溝を形成するのみでは、
加締めにより変形する部分を十分に確保できないため、
出力ケーブルを十分に挟持できない可能性がある。その
ため、ケーブル配設部を溝状に形成する場合に出力ケー
ブルを確実に挟持するには、例えば、ケーブル配設部の
周囲の締め付け部から延設された延設部を形成し、加締
めによりこの延設部を変形させることで出力ケーブルを
挟持することが望ましい。しかし、このように延設部を
形成するためには、締め付け部の形状が複雑になり、締
め付け部を形成するための作業工数を増加させることと
なる。
【0027】こうした問題を解決するためになされた請
求項3記載の発明は、中央部に径方向に膨出する鍔部を
もつ略円筒形状の主体金具を備え、この鍔部には、内燃
機関への装着時にシリンダヘッドに当接する取付座部
と、この取付座部から離れた部位において締め付け工具
と嵌合するために頂部を有する断面形状に形成された締
め付け部と、が形成された点火プラグ本体と、主体金具
に設けられて、内燃機関の筒内圧に基づく圧力に応じた
電気信号を発生する圧電素子と、この圧電素子にて発生
した前記電気信号を外部に出力するための出力ケーブル
と、を備えた圧力センサ内蔵点火プラグであって、締め
付け部の表面に、出力ケーブルを配設するための溝部が
形成され、出力ケーブルを溝部に固定するための固定部
材を備え、出力ケーブルが、この固定部材により溝部に
固定されることを特徴とする。
【0028】つまり、本発明の圧力センサ内蔵点火プラ
グにおいては、出力ケーブルを溝部に配設したあと、固
定部材を用いることで、出力ケーブルを固定している。
このように、固定部材を用いて固定する構造であれば、
出力ケーブルを挟持するための延設部等を締め付け部に
形成する作業を省略することができ、また、溝部に対し
て出力ケーブルを確実に固定することができる。
【0029】例えば、締め付け部の断面形状を六角形に
形成した場合、六角形の頂点部分に溝部を設けるととも
に溝部の周囲に延設部を設けて、加締めにより締め付け
部(延設部)を変形させて出力ケーブルを挟持するに
は、延設部を特に大きく形成する必要がある。この場
合、締め付け部の形成作業がより複雑になるが、固定部
材を用いることにより、延設部を設けることなく、出力
ケーブルを容易に固定することが可能となる。
【0030】そして、固定部材としては、例えば、請求
項4に記載のように、前記出力ケーブルの周囲を覆う形
状に形成され、内部に出力ケーブルが挿通されると共に
溝部に配置された状態で、出力ケーブルの挿通方向に対
して垂直な断面形状の変形により、溝部の幅方向に拡径
することで溝部に挟持されるとともに、溝部の深さ方向
に縮径することで出力ケーブルを挟持するものを用いる
とよい。
【0031】なお、出力ケーブルの周囲を覆う形状の固
定部材としては、例えば、筒状に形成された固定部材が
挙げられる。そして、出力ケーブルが内部に挿通された
状態で溝部に配置された固定部材は、その断面形状が溝
部の幅方向に拡径するよう変形されることで、固定部材
の外面が溝部の内面に当接すると共に、固定部材自体が
変形することで発生する応力によって、溝部の内面(幅
方向の両側面)により挟持される。
【0032】また、このような固定部材の変形に伴い、
固定部材の断面形状は、溝部の深さ方向に縮径するよう
変形することになり、これにより固定部材は、その内面
が出力ケーブルの表面に当接する状態で、出力ケーブル
を挟持することになる。このように、出力ケーブルは固
定部材によって挟持され、固定部材は締め付け部の溝部
に挟持されることから、結果的に、出力ケーブルは、締
め付け部に固定されることになる。
【0033】したがって、本発明(請求項4)によれ
ば、固定部材を用いることで、締め付け部に形成された
溝部に対して、出力ケーブルを確実に固定することがで
きる。なお、出力ケーブルの周囲を覆う形状の固定部材
としては、例えば、切れ目のないパイプ状の部材を使用
しても良く、あるいは板状の部材を曲げ加工することで
筒状に形成したものを用いてもよい。
【0034】また、出力ケーブルの周囲を覆う態様とは
異なる態様の固定部材として、例えば、くさび型に形成
された固定部材を用いて、出力ケーブルと溝部との隙間
に固定部材を挿入することにより、出力ケーブルを溝部
に固定してもよい。ここで、出力ケーブルとして、外部
ノイズの影響を抑えるためのシールド材により周囲が被
覆された出力ケーブルを用いるには、前述したように、
シールド材とグランドとを接続する配線を設ける必要が
あり、このために、作業工数が増加するという問題があ
る。
【0035】そこで、上述(請求項3および請求項4)
の圧力センサ内蔵点火プラグにおいて、外部ノイズの影
響を抑えるためのシールド材にて周囲を被覆された出力
ケーブルを用いる場合には、請求項5に記載のように、
固定部材が導電性材料からなり、シールド材が固定部材
を介して締め付け部と電気的に接続されることで、締め
付け部を介して接地されるとよい。
【0036】つまり、固定部材を用いて出力ケーブルを
溝部に固定するのと同時に、シールド材と固定部材とが
接触し、また、固定部材と締め付け部とが接触すること
で、固定部材を介してシールド材と締め付け部との電気
的な接続を図るのである。そして、溝部に固定された固
定部材は主体金具に電気的に接続され、この圧力センサ
内蔵点火プラグを内燃機関に装着した場合には、主体金
具がグランドに電気的に接続されることから、シールド
材がグランドに接続されることになる。
【0037】よって、本発明(請求項5)によれば、固
定部材を用いて出力ケーブルを固定すると同時に、シー
ルド材をグランドに接続するための配線を形成すること
ができるため、シールド材をグランドに接続するための
配線を設ける作業を別途行う必要が無くなり、作業工数
を削減することができる。
【0038】なお、固定部材として、筒型の固定部材の
ように出力ケーブルの径方向周囲を覆う形状の固定部材
を用いる場合には、出力ケーブルの表面(詳細にはシー
ルド材)と溝部の内面とが直接接触しないため、固定部
材を導電性材料で形成する必要がある。しかし、例え
ば、くさび型の固定部材のように、出力ケーブルの表面
(詳細にはシールド材)と溝部の内面とが直接接触する
態様の固定部材を用いる場合には、導電性材料ではない
材料で形成された固定部材を使用することができる。
【0039】ところで、出力ケーブルの端部にコネクタ
を装着するに際して、コネクタの内部に設けられる電極
端子を加締めにより出力ケーブルの芯線に装着する場
合、芯線の細い出力ケーブルに比べて、芯線の太い出力
ケーブルの方が、電極端子の加締め部が確実に芯線を把
持することができ、電極端子が抜け落ちる可能性が低く
なる。また、芯線の細い出力ケーブルに比べて芯線の太
い出力ケーブルは、線路抵抗が小さくなり、線路上の電
力損失を低減できるという利点がある。
【0040】しかし、このように芯線の太い出力ケーブ
ルを用いるには、締め付け部の表面のうち受電端子側の
表面に、出力ケーブルを配設可能な領域(面積)を確保
する必要がある。そこで、上述(請求項1から請求項5
のいずれか)の圧力センサ内蔵点火プラグにおいて、出
力ケーブルとして芯線の太いものを使用するためには、
請求項6に記載のように、締め付け部の断面形状が六角
形に形成されるとともに、この六角形の対辺間隔が1
5.5〜16[mm]であり、絶縁体の直径と六角形の
対辺間隔との寸法差が6.3〜7.2[mm]である圧
力センサ内蔵点火プラグを用いるとよい。
【0041】ここで、従来の圧力センサ内蔵点火プラグ
は、一般に、締め付け部の断面形状が六角形に形成され
ると共にその六角形の対辺間隔が15.5〜16[m
m]であり、絶縁体の直径が10.3〜10.7[m
m]に形成されているものが多い。このため、絶縁体の
直径と六角形の対辺間隔との差が4.8〜5.7[m
m]になっている。これに対して、絶縁体の直径を8.
8〜9.2[mm]に形成した圧力センサ内蔵点火プラ
グの場合、絶縁体の直径と六角形の対辺間隔との寸法差
を6.3〜7.2[mm]に拡大できる。したがって、
締め付け部における受電端子側の面の面積が増大して、
出力ケーブルの配設に使用可能な領域を拡大することが
できる。
【0042】よって、本発明(請求項6)の圧力センサ
内蔵点火プラグのように、絶縁体を細く形成すること
で、締め付け部における受電端子側の面の面積を増大さ
せることができるため、芯線の太い出力ケーブルの配置
が可能となる。これにより、締め付け部の形状を六角形
に維持できるため通常のプラグレンチを使用することが
でき、また、出力ケーブルの端部に設けられる電極端子
の抜け落ちを防止することができ、さらに、線路損失を
低減することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、本発明が適用された実施例の圧力
センサ内蔵点火プラグを表す構成図である。なお、図1
(a)では、内部構造を表すために圧力センサ内蔵点火
プラグの左半分を断面図として表しており、また、図1
(b)は、圧力センサ内蔵点火プラグを上端側から見た
平面図(図1(a)のA矢視図)を表している。
【0044】図1(a)に示すように、圧力センサ内蔵
点火プラグ1(以下、単に点火プラグ1ともいう)は、
内燃機関に装着するための略円筒形状の主体金具17
と、中心軸が主体金具17の中心軸Cと同一方向となる
ように主体金具17に保持される略円筒状の絶縁部15
と、絶縁部15における中心軸方向端部のうちの一端に
設けられて点火用高電圧を受電する受電端子13と、絶
縁部15における中心軸方向端部のうちの受電端子13
とは反対側の端部に設けられると共に、絶縁部15の内
部を通じて受電端子13と電気的に接続される中心電極
19と、主体金具17における中心軸方向端部のうち、
中心電極19が備えられる絶縁部15の端部と同じ側の
端部に設けられた接地電極21と、を備えている。
【0045】なお、以下の説明では、点火プラグ1の中
心軸方向の端部のうち、受電端子13の側を上端側と
し、中心電極19の側を下端側として記載する。そし
て、絶縁部15は、主体金具17よりも上端側に相当す
る部分については、中心軸Cに対して垂直な断面形状が
直径9[mm]の円形となるように形成されている。
【0046】次に、主体金具17には、主体金具17に
おける中心軸方向の中央部分に径方向に膨出して形成さ
れる鍔部17bと、鍔部17bよりも下端側の部位に形
成されて圧力センサ内蔵点火プラグ1を内燃機関に装着
するための螺合溝17cと、が備えられている。
【0047】そして、鍔部17bは、受電端子13に近
い部位に形成されて締め付け工具と嵌合するための六角
部17aと、筒内圧に基づく圧力に応じた電気信号を出
力する圧電素子25を収容するセンサケース29とを備
えている。まず、六角部17aは、圧力センサ内蔵点火
プラグ1を内燃機関に装着する際に使用する工具である
プラグレンチと嵌合可能な六角形に形成されており、六
角形の対辺間隔が16[mm]に形成されている。な
お、六角部17aは、特許請求の範囲に記載の締め付け
部に相当するものである。
【0048】次に、センサケース29は、有底円筒形状
に形成され、底面の中心部分に主体金具17の螺合溝1
7cの部分を挿通可能な開口穴が設けられており、主体
金具17に対して下端側から装着されて鍔部17bの一
部を形成する。そして、センサケース29の底部は、内
燃機関への装着時にシリンダヘッドに当接する取付座部
17gとなる。
【0049】なお、センサケース29は、圧電素子25
および後述する出力ケーブル27が配置された後に主体
金具17に装着される。また、圧力センサ内蔵点火プラ
グ1は、主体金具17に内蔵された圧電素子25から出
力される電気信号を外部機器に出力するための出力ケー
ブル27が備えられている。そして、出力ケーブル27
は、一端が圧電素子25に接続され、圧電素子25から
六角部17aにかけて配置されると共に、六角部17a
に設けられたケーブル配設部17dに挿通され、六角部
17aの上端面から外部に導出される。
【0050】なお、ケーブル配設部17dは、六角部1
7aの六角形の頂点部分に、六角部17aの表面のうち
受電端子13側の上端面から取付座部17g側の下端面
にかけて貫通する貫通孔として形成されている。そし
て、圧力センサ内蔵点火プラグ1を内燃機関に装着する
際には、センサケース29の底面と内燃機関のシリンダ
ヘッドとの間に、ガスケットGが配置されて、気筒内の
気密性を維持する。
【0051】ここで、ケーブル配設部17dに出力ケー
ブル27を固定する手順について、図2を用いて説明す
る。なお、図2は、出力ケーブル27の挿通方向に対し
て垂直な平面における六角部17aの断面図を示してい
る。図2(a)は、出力ケーブル27を挿通する前の状
態のケーブル配設部17dを示しており、ケーブル配設
部17dは、六角部17aの六角形の頂点部分におい
て、受電端子側の面から取付座部側の面にかけて六角部
17aの内部を貫通する貫通孔として形成されている。
なお、ケーブル配設部17dは、その断面が六角部17
aの変形により出力ケーブル27を挟持することが可能
な大きさ(断面積)に形成されている。
【0052】そして、ケーブル配設部17dに出力ケー
ブル27を挿通したあと、加締め用治具を用いて、六角
部17aの頂点部分を図2(b)に示す矢印の方向に加
締めることで六角部17aを変形させる。これにより、
ケーブル配設部17dの内面で出力ケーブル27が挟持
され、この結果、出力ケーブル27が六角部17aに固
定される。
【0053】ここで、出力ケーブル27は、中心から順
に、導電性材料からなる芯材27a、芯材27aの周囲
に絶縁性材料からなる被覆部27b、被覆部27bの周
囲に導電性材料からなるシールド材27cが配置される
断面構造となるように形成されている。
【0054】このため、図2(b)に示すように、出力
ケーブル27がケーブル配設部17dにおいて固定され
ると、シールド材27cとケーブル配設部17dの内面
とが接触することになり、シールド材27cと六角部1
7a(換言すれば、主体金具17)とが電気的に接続さ
れる。そして、圧力センサ内蔵点火プラグ1が内燃機関
に装着されるときには、主体金具17は螺合溝17cを
介してグランドに接続されることから、シールド材27
cは、六角部17aを介してグランドに接地されること
となる。なお、出力ケーブル27のうち、センサケース
29の内部に相当する部分については、シールド材27
cは設けられていない。
【0055】ここで、プラグレンチ41が嵌合された状
態の圧力センサ内蔵点火プラグ1を図3に示す。なお、
図3においては、プラグレンチ41は、断面図として表
している。図3に示すように、プラグレンチ41は、両
端が開口した細長い円筒形状であり、締め付け用工具
(六角レンチなど)と嵌合可能に形成された上端部41
aと、圧力センサ内蔵点火プラグ1の六角部17aと嵌
合可能に形成された下端部41bとが形成されている。
なお、上端部41aおよび下端部41bともに、断面形
状は六角形に形成されている。
【0056】そして、プラグレンチ41を圧力センサ内
蔵点火プラグ1に嵌合するには、まず、下端部41bか
ら上端部41aにかけて、出力ケーブル27をプラグレ
ンチ41の内部に挿通する。そのあと、圧力センサ内蔵
点火プラグ1における受電端子13から六角部17aま
での部分を、下端部41bからプラグレンチ41の内部
に挿入し、下端部41bを六角部17aに嵌合するとい
う手順で、プラグレンチ41を圧力センサ内蔵点火プラ
グ1に嵌合する。
【0057】こうして、プラグレンチ41が嵌合された
圧力センサ内蔵点火プラグ1を、内燃機関のシリンダヘ
ッドに設けられたプラグホールに挿入し、プラグレンチ
41の上端部41aに締め付け用工具(六角レンチな
ど)を嵌合して回転させて締め付けることで、圧力セン
サ内蔵点火プラグ1が内燃機関に装着される。
【0058】以上、説明したように、本実施例の圧力セ
ンサ内蔵点火プラグ1では、出力ケーブル27をケーブ
ル配設部17dに配設したあと、加締めによってケーブ
ル配設部17dの周囲における六角部17aの形状を変
形させ、六角部17aが出力ケーブル27を挟持するこ
とで、出力ケーブル27が固定されている。
【0059】そして、この圧力センサ内蔵点火プラグ1
は、加締めにより出力ケーブル27を六角部17aに固
定する構造であることから、耐熱性樹脂等を充填するこ
とで出力ケーブル27を六角部17a固定する場合に比
べて作業工数が少なくなり、出力ケーブルの固定作業を
簡略化できる。また、加締めにより出力ケーブルを固定
することで、引き抜きに耐えられる強度(引き抜き強
度)が大きくなり、この圧力センサ内蔵点火プラグ1
は、出力ケーブルに対して引き抜き方向の外力が印加さ
れた場合に、出力ケーブルが抜け落ちるのを抑えること
ができる。
【0060】そして、本実施例の圧力センサ内蔵点火プ
ラグ1では、ケーブル配設部17dが六角部17aの頂
点部分に備えられており、さらに、絶縁部15の直径が
9[mm]であり、六角部17aの対辺間隔が16[m
m]に形成されていることから、出力ケーブル27を配
置するための領域を広く確保することができる。このた
め、六角部17aの側面よりも外側に出力ケーブル27
が配置されることがなく、六角部17aの断面形状を六
角形に維持することができ、スリットの無い通常のプラ
グレンチを嵌合させることができる。
【0061】よって、本実施例の圧力センサ内蔵点火プ
ラグによれば、出力ケーブルの固定作業を簡略化できる
ため製造コストを低減することができ、また、出力ケー
ブルの引き抜き強度を十分に確保できるため出力ケーブ
ルが誤って引き抜かれるのを防ぐことができる。また、
ケーブル配設部が六角部の頂点部分に備えられることか
ら、六角部の断面形状を六角形に維持することができ、
通常のプラグレンチを嵌合させることができることか
ら、スリットが備えられたプラグレンチを用いる必要が
無くなり、誤って出力ケーブルを引き抜いてしまうこと
がない。
【0062】また、本実施例の圧力センサ内蔵点火プラ
グ1は、ケーブル配設部17dに対応する出力ケーブル
27の表面にシールド材27cが設けられており、加締
めにより六角部17aを変形させて出力ケーブル27を
固定すると、これに伴いシールド材27cと六角部17
aとの電気的な接続を図ることができる。このため、加
締め作業を行うことで、出力ケーブル27を固定するの
と同時に、シールド材27cをグランドに接続するため
の配線を形成することができることから、シールド材2
7cをグランドに接続するための配線を設ける作業を別
途行う必要が無くなり、作業工数を削減することができ
る。
【0063】ここで、第1実施例の圧力センサ内蔵点火
プラグを用いて筒内圧を検出するにあたり、出力ケーブ
ルのシールド材のグランドへの接続の有無により、筒内
圧に基づく圧力に応じた電気信号に対する外部ノイズの
影響について測定した測定結果を図4に示すと共に、以
下に説明する。
【0064】まず、本測定では、排気量が2000[c
c]の4気筒エンジンを使用しており、エンジン回転速
度を2000[rpm]、トルクを110[N・m]、
点火時期をクランク軸の上死点到達時期より22[°C
A]前(BTDC22[°CA])、という条件下でエ
ンジンを運転し、圧力センサ内蔵点火プラグから出力さ
れる筒内圧に基づく圧力に応じた電気信号を記録するこ
とで測定を実施した。また、このとき、出力ケーブルの
シールド材をグランドに接続しない場合と、グランドに
接続する場合の、2パターンについて測定を実施してお
り、グランドに接続しない場合の測定結果を図4(a)
に、グランドに接続する場合の測定結果を図4(b)
に、それぞれ示す。
【0065】ここで、図4に示す信号波形について説明
する。図4では、圧力センサ内蔵点火プラグから出力さ
れる筒内圧に基づく圧力に応じた電気信号としての圧力
検出信号、および点火プラグに火花放電を発生させるた
めの点火指令信号の各波形を表している。
【0066】なお、圧力検出信号は、筒内圧が高くなる
ほど大きい値を示し、図4に示す波形が上に向かうほど
筒内圧が高くなることを示している。また、点火指令信
号は、点火コイルの一次巻線に流れる一次電流を制御す
るための指令信号であり、本測定に用いるエンジンは、
点火指令信号がローレベルの時には一次巻線への一次電
流の通電が行われず、点火指令信号がハイレベルの時に
は一次巻線への一次電流の通電が行われるように構成さ
れている。そして、点火指令信号がローレベルからハイ
レベルとなると一次電流が流れ始め、点火指令信号がハ
イレベルからローレベルとなると一次電流が遮断される
こととなり、この一次電流の通電遮断に伴い、点火コイ
ルの磁束密度が急激に変化して、点火コイルの二次巻線
に点火用高電圧が発生する。こうして発生した点火用高
電圧が圧力センサ内蔵点火プラグの受電端子に印加され
ると、中心電極と接地電極との間に火花放電が発生す
る。
【0067】そして、図4(a)においては、時刻t1
で、点火指令信号がローレベルからハイレベルに変化す
ることで一次電流の通電が開始され、時刻t2で、点火
指令信号がハイレベルからローレベルに変化することで
一次電流の通電が遮断されて、圧力センサ内蔵点火プラ
グにて火花放電が発生している。また、図4(b)にお
いては、時刻t11で、点火指令信号がローレベルから
ハイレベルに変化することで一次電流の通電が開始さ
れ、時刻t12で、点火指令信号がハイレベルからロー
レベルに変化することで一次電流の通電が遮断されて、
圧力センサ内蔵点火プラグにて火花放電が発生する。
【0068】なお、時刻t2および時刻t12は、それ
ぞれ点火時期であり、クランク角の上死点到達時期(以
下、TDCともいう)よりも、22[°CA]だけ早い
時期である。また、図4(a)における時刻t3、およ
び図4(b)における時刻t13は、それぞれ次の燃焼
サイクルにおける一次電流の通電開始時期である。
【0069】そして、圧力検出信号については、図4
(a)、図4(b)ともに、点火時期(図4(a)での
時刻t2、図4(b)での時刻t12)の直後から値が
大きくなり、TDCから僅かに経過した時点で最大値と
なり、その後、次第に減少するように変化する波形を示
している。
【0070】しかし、図4(a)に示す圧力検出信号
は、他の気筒の点火ノイズの影響を受けて波形が乱れる
箇所があり、また、点火時期(時刻t2)の直後におい
ても、波形が乱れていることが判る。一方、図4(b)
に示す圧力検出信号には、波形の乱れが生じておらず、
点火ノイズの影響が抑制されていることが判る。
【0071】よって、本測定結果から、圧力センサ内蔵
点火プラグの出力ケーブルのシールド材をグランドに接
続することで、点火ノイズなどの外部からのノイズの影
響を抑えることができることが判る。そして、本第1実
施例の圧力センサ内蔵点火プラグは、出力ケーブル27
を固定するのと同時に、シールド材27cをグランドに
接続するための配線を形成することができることから、
電気信号に対する外部ノイズの影響を良好に抑制するこ
とができる。
【0072】以上、本発明の実施例(以下、第1実施例
という)の圧力センサ内蔵点火プラグについて説明した
が、本発明は、こうした実施例に限定されることなく種
々の態様を採ることができる。そこで、第2実施例とし
て、六角部に出力ケーブルを固定するための固定部材を
用いた圧力センサ内蔵点火プラグについて説明する。
【0073】なお、第2実施例の圧力センサ内蔵点火プ
ラグは、図1に示す第1実施例と比べて、出力ケーブル
を固定する部分の構造が異なっており、それ以外の部分
については同様の構成であることから、異なる部分を中
心に説明する。また、第2実施例の圧力センサ内蔵点火
プラグの構成要素のうち、図1に示す圧力センサ内蔵点
火プラグと同様の構成要素については、以下の説明では
同一の符号を用いて記載する。
【0074】そして、第2実施例の圧力センサ内蔵点火
プラグは、六角部17aの表面のうち締め付け工具と当
接する側面に、受電端子13側の上端面から取付座部1
7g側の下端面にかけて出力ケーブル27を配設するた
めの溝部17eが形成されている。
【0075】ここで、図5に、第2実施例の圧力センサ
内蔵点火プラグの六角部17aについて、出力ケーブル
27の挿通方向に対して垂直な平面における断面図を示
す。そして、図5(a)は、出力ケーブル27が固定さ
れる前の状態を示しており、図5(b)は、出力ケーブ
ル27が固定された後の状態を示している。
【0076】そして、図5(a)に示すように、溝部1
7eは、六角部17aにおける六角形の断面のうち、六
角形の頂点部分に形成されており、出力ケーブル27を
配置できる大きさ(断面積)に形成されている。次に、
溝部17eに出力ケーブル27を固定する手順について
説明する。なお、第2実施例においては、出力ケーブル
27を固定する際に、図5(c)に示す固定部材31を
用いており、固定部材31は、導電性材料からなる板状
の部材を湾曲させて、断面形状がU字型に形成された部
材である。
【0077】まず、図5(a)に示すように、U字型の
開口部から挿入することで出力ケーブル27を固定部材
31の内部に配置し、固定部材31の2つの端部31a
を重ね合わせるよう曲げ加工することで、固定部材31
を筒状に変形させる。そして、固定部材31により径方
向周囲を囲まれた状態の出力ケーブル27を、固定部材
31と共に、溝部17eに配置する。
【0078】次に、溝部17eに出力ケーブル27およ
び固定部材31を配置したあと、加締め用治具を用い
て、固定部材31を図5(a)に示す矢印の方向に加締
めることで、溝部17eの内面に沿うように固定部材3
1を変形させる。このとき、固定部材31は、溝部17
eの内面に沿って変形することに伴い、図5(b)に示
す溝部17eの幅方向に拡径するよう変形するため、固
定部材31は、それ自体が変形することにより発生する
応力によって、溝部17eの内面(幅方向の両側面)に
より挟持されることになる。また、このとき、固定部材
31は、図5(b)に示す溝部17eの深さ方向に縮径
するよう変形するため、固定部材31の内面が出力ケー
ブル27の表面に当接する状態で、固定部材31が出力
ケーブル27を挟持することになる。
【0079】このように、出力ケーブル27は固定部材
31によって挟持され、固定部材31は六角部17aの
溝部17eに挟持されることから、結果的に、出力ケー
ブル27は、六角部17aに固定されることになる。さ
らに、この後、溝部17eを形成する六角部17aの端
部17fを、加締めにより溝部17eの内側方向に変形
させることで、出力ケーブル27および固定部材31が
溝部17eから抜け落ちるのを防止する。
【0080】そして、この出力ケーブル27は、一端が
圧電素子25に接続され、圧電素子25から六角部17
aにかけて配置されると共に、六角部17aに設けられ
た溝部17eに固定部材31により固定されて、六角部
17aの上端面から外部に導出される。
【0081】また、出力ケーブル27は、第1実施例と
同様に、中心から順に、導電性材料からなる芯材27
a、芯材27aの周囲に絶縁性材料からなる被覆部27
b、被覆部27bの周囲に導電性材料からなるシールド
材27cが配置される断面構造となるように形成されて
いる。
【0082】このため、図5(b)に示すように、シー
ルド材27cが露出した状態の出力ケーブル27が、固
定部材31によって溝部17eに固定されると、シール
ド材27cと固定部材31とが接触することになる。ま
た、このとき、固定部材31と溝部17eの内面とが接
触することから、シールド材27cと六角部17a(換
言すれば、主体金具17)とが電気的に接続されること
になる。そして、第2実施例の圧力センサ内蔵点火プラ
グが内燃機関に装着されるときには、主体金具17は螺
合溝17cを介してグランドに接続されることから、シ
ールド材27cは、六角部17aを介してグランドに接
地されることとなる。なお、出力ケーブル27のうち、
センサケース29の内部に相当する部分については、シ
ールド材27cは設けられていない。
【0083】以上、説明したように、第2実施例の圧力
センサ内蔵点火プラグは、固定部材31を用いて、出力
ケーブル27を溝部17eに固定する構造であり、出力
ケーブル27を挟持するための延設部等を六角部17a
に形成する作業を省略でき、また、溝部17eに対して
出力ケーブル27を確実に固定することができる。
【0084】また、第2実施例においても、固定部材3
1を用いて出力ケーブル27を固定すると同時に、シー
ルド材27cをグランドに接続するための配線を形成す
ることができるため、シールド材27cをグランドに接
続するための配線を設ける作業を別途行う必要が無くな
り、作業工数を削減することができる。
【0085】なお、本第2実施例では、固定部材31と
して、板状の部材を曲げ加工することで筒状に形成した
ものを用いているが、切れ目のないパイプ状の部材を固
定部材として用いてもよい。そして、パイプ状の固定部
材を用いる場合には、パイプ状の固定部材の内部に出力
ケーブルを挿通したあとで、固定部材および出力ケーブ
ルを溝部に配置し、固定部材を加締めにより変形させる
ことで、出力ケーブルを六角部(溝部)に固定するので
ある。
【0086】以上、本発明の圧力センサ内蔵点火プラグ
の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に
限定されることなく種々の態様をとることができる。例
えば、固定部材を用いて出力ケーブルを固定する態様の
圧力センサ内蔵点火プラグにおいては、固定部材として
くさび型に形成された部材を用いて、出力ケーブルと溝
部との隙間に固定部材を挿入することにより、出力ケー
ブルを溝部に固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、内部構造を表すために左半分を断
面図として表した実施例の圧力センサ内蔵点火プラグの
構成図であり、(b)は、圧力センサ内蔵点火プラグを
上端側から見た平面図((a)のA矢視図)である。
【図2】 第1実施例の圧力センサ内蔵点火プラグの六
角部の断面図であり、(a)は出力ケーブルを挿通する
前の状態を表し、(b)は出力ケーブルを挿通し固定し
た後の状態を表している。
【図3】 プラグレンチが嵌合された状態の圧力センサ
内蔵点火プラグを示す説明図である。
【図4】 筒内圧に基づく圧力に応じた電気信号に対す
る外部ノイズの影響について測定した測定結果であり、
(a)はシールド材をグランドに接続しない場合の測定
結果であり、(b)はシールド材をグランドに接続する
場合の測定結果である。
【図5】 (a)及び(b)は、第2実施例の圧力セン
サ内蔵点火プラグの六角部の断面図であり、(a)は出
力ケーブルを挿通する前の状態を表し、(b)は出力ケ
ーブルを挿通し固定した後の状態を表しており、また、
(c)は固定部材の斜視図である。
【図6】 (a)は、従来の圧力センサ内蔵点火プラグ
の外形を示す構成図であり、(b)は、従来の圧力セン
サ内蔵点火プラグを上端側から見た平面図((a)のB
矢視図)である。
【符号の説明】
1…圧力センサ内蔵点火プラグ、13…受電端子、15
…絶縁部、17…主体金具、17a…六角部、17b…
鍔部、17d…ケーブル配設部、17e…溝部、17g
…取付座部、19…中心電極、21…接地電極、25…
圧電素子、27…出力ケーブル、27c…シールド材、
31…固定部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 隆博 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 3G019 KA01 KA28 5G059 CC02 KK03 KK30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に径方向に膨出する鍔部をもつ略
    円筒形状の主体金具を備え、該鍔部には、内燃機関への
    装着時にシリンダヘッドに当接する取付座部と、該取付
    座部から離れた部位において締め付け工具と嵌合するた
    めに頂部を有する断面形状に形成された締め付け部と、
    が形成された点火プラグ本体と、 前記主体金具に設けられて、内燃機関の筒内圧に基づく
    圧力に応じた電気信号を発生する圧電素子と、 該圧電素子にて発生した前記電気信号を外部に出力する
    ための出力ケーブルと、を備えた圧力センサ内蔵点火プ
    ラグであって、 前記締め付け部の頂部には、前記出力ケーブルを配設す
    るためのケーブル配設部を備え、 前記出力ケーブルは、該ケーブル配設部に配設されて、
    該ケーブル配設部の周囲の前記締め付け部を加締めるこ
    とで固定されること、 を特徴とする圧力センサ内蔵点火プラグ。
  2. 【請求項2】 前記出力ケーブルの周囲は、外部ノイズ
    の影響を抑えるためのシールド材にて被覆されており、 該シールド材と前記締め付け部とが接触することによ
    り、該シールド材が前記締め付け部を介して接地される
    こと、 を特徴とする請求項1に記載の圧力センサ内蔵点火プラ
    グ。
  3. 【請求項3】 中央部に径方向に膨出する鍔部をもつ略
    円筒形状の主体金具を備え、該鍔部には、内燃機関への
    装着時にシリンダヘッドに当接する取付座部と、該取付
    座部から離れた部位において締め付け工具と嵌合するた
    めに頂部を有する断面形状に形成された締め付け部と、
    が形成された点火プラグ本体と、 前記主体金具に設けられて、内燃機関の筒内圧に基づく
    圧力に応じた電気信号を発生する圧電素子と、 該圧電素子にて発生した前記電気信号を外部に出力する
    ための出力ケーブルと、を備えた圧力センサ内蔵点火プ
    ラグであって、 前記締め付け部の表面に、前記出力ケーブルを配設する
    ための溝部が形成され、 前記出力ケーブルを前記溝部に固定するための固定部材
    を備え、 前記出力ケーブルが、該固定部材により前記溝部に固定
    されること、 を特徴とする圧力センサ内蔵点火プラグ。
  4. 【請求項4】 前記固定部材は、 前記出力ケーブルの周囲を覆う形状に形成され、内部に
    前記出力ケーブルが挿通されると共に前記溝部に配置さ
    れた状態で、前記出力ケーブルの挿通方向に対して垂直
    な断面形状の変形により、前記溝部の幅方向に拡径する
    ことで前記溝部に挟持されるとともに、前記溝部の深さ
    方向に縮径することで前記出力ケーブルを挟持するこ
    と、 を特徴とする請求項3に記載の圧力センサ内蔵点火プラ
    グ。
  5. 【請求項5】 前記出力ケーブルの周囲は、外部ノイズ
    の影響を抑えるためのシールド材にて被覆されており、 前記固定部材が導電性材料からなり、 前記シールド材が、前記固定部材を介して前記締め付け
    部と電気的に接続されることで、前記締め付け部を介し
    て接地されること、 を特徴とする請求項3または請求項4に記載の圧力セン
    サ内蔵点火プラグ。
  6. 【請求項6】 前記締め付け部の断面形状が六角形に形
    成されるとともに、該六角形の対辺間隔が15.5〜1
    6[mm]であり、 前記絶縁体の直径と前記六角形の対辺間隔との寸法差が
    6.3〜7.2[mm]であること、 を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    圧力センサ内蔵点火プラグ。
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